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■発言者別

竜骨島逗留奇譚2『紅演華炎のグラン・ギニョーカ』 GM:おばけら


PC1:時雨(しぐる)(キャラシート)PL:ナケミン
PC2:明日葉 セイ(あしたば せい)(キャラシート)PL:さささ
PC3:真白 ももあ (ましろ ももあ)(キャラシート)PL:しろい
PC4:合馬 桜華(おうま おうか)(キャラシート)PL:切子圭
PC5:紅海月(べにくらげ)(キャラシート)PL:ガントス

関連セッション
竜骨島逗留奇譚 第一章『青の逆月亭の四人』

メインログ雑談ログ

目次

プリプレイ

GM :えー、本日はお日柄もよく

GM :とにかくやるぜ、野郎ども!!

時雨 :うおおおお!!

明日葉 セイ :うおー

真白ももあ :よろしくお願いしま~す♡

紅海月 :アー!カマテ!カマテ!

GM :竜骨島逗留奇譚02こと「紅演華炎のグラン・ギニョーカ」

GM :進行はこの私OBAKEraとサブGMの

GM :ほら!おいで!

サブGM :ご紹介に与りました、サブGMの占任です

GM :でお送りいたします

サブGM :よろしくお願いします!

紅海月 :(指笛)

明日葉 セイ :わおわお

GM :それでは、やっていきましょうか……

時雨 :まってました!

真白ももあ :いえいいえい!

合馬桜華 :はーい

明日葉 セイ :うおー

GM :本セッションはバトルロイヤル型(?)、サイクルリミット3、退魔編となっております

時雨 :バトロワだー! 血がうずく

真白ももあ :協力する気満々できちゃった

紅海月 :ぎえええ

明日葉 セイ :うおー

合馬桜華 :うわぁ

時雨 :大丈夫! みんなで協力すればこのバトルロワイヤルは死者を出さずに終えられるんだ!!

GM :舞台は太平洋のいずこかに入り口が存在する竜骨島。そこは外界から隔絶された、ヒト・人外問わず様々を受け入れる異界です。かつてこの世を荒らし黄金を喰い漁ったと伝えられる竜の死骸がこの島の原型であり、巨大な富の塊である竜の血肉を求めて集った採掘者たちの街が無秩序に膨れ上がり現在の形を取ったと言われています。

GM :そこは現在も死した竜の魔力に囚われており、"富"が何よりのちからとなる特殊な場所として存在しています。

GM :全てのものは値踏みされ、財で交換可能な世界

GM :そこに集った5人の忍びは前回、異街の片隅を揺らす小さな事件の果てにそれぞれの未来を手に入れました。

GM :此度の舞台は希族街、4つに分割支配される異街において妖魔、半妖の住人を多く抱える"異街で最も戦力を持つ地区"です。

GM :そこの王である千十嵐リンネはある宣言を行います。この度開催される『ドラゴーンボーン・フェス』、またの名を『竜誕祭』、その優勝を以って異街を飛び出、世界ツアーに打って出る!と

GM :それを契機に様々な物事が動き始め、新たに集った5人の忍びが事件に関わっていくこととなります。

GM :それではやっていきましょう、まずは自己紹介からだね

GM :番号順で行くぜ、まずはPC1!

時雨 :はいさい!

時雨 :キャラシート

時雨 :「時雨(しぐる)と、そう名乗っています。どうぞお見知りおきを」

GM :シグルサーン!

時雨 :前回より引き続き! 新参者として

GM :ありましたね、前回は色々

時雨 :竜骨島の金銭感覚に悩まされる、正体不明の怪人をやっております。

時雨 :流派は指矩班から大槌群へと移りました。《経済力》を獲得したよ

時雨 :映像記録を自身の肉体で再生する能力を持ち、よく姿かたちが変わります。

GM :まさに怪人

時雨 :そのためか、死を蒐集することで、その人間の生の定義を獲得するということを趣味にしていました。

GM :謎だぜ

時雨 :竜骨島に来て、不死の少女クユさんの保護者となり、事件に触れたことで……

時雨 :自分の在り方を見つめ直したりしています。

時雨 :クユさんと一緒に、何か本当の自分に出会えるきっかけは無いだろうか……

時雨 :そんな感じで日々ぼんやり過ごしています!

GM :なんで異街へと招待されたんでしょうね、謎は深まるばかりです

GM :時雨さん異街で普段何してお金得てるの?依頼金だけで悠々自適生活?逆月亭でバイトする?

時雨 :バイトしてますね多分~

GM :今度尻揉みにいったろ

時雨 :おさわりは一回までですよ

時雨 :だいたいこんな感じでしょうか。よろしくお願いします!

GM :はい、ではそんなあなたのハンドアウトはこちら

PC1:時雨の使命

あなたの保護するクユという謎の少女は千十嵐リンネのコンサートで妙な影響を受けたようだ。

『クユなら素敵なアイドルになれる』、そう答えたあなたにサイリウムを振り上げた彼女はこう告げる。

「あなたが、やるのですよ?」……どうやら、そういうことらしい。

あなたの【使命】はクユのために【べりーきゅーとな素敵で無敵のアイドル】になることである。

時雨 :さすが、クユさんの見る目は違いますね。

時雨 :うん、いや──クユさんがそう言うのであれば、やりますが……

クユ :違い、わかるよ

GM :ではよろしくね!

時雨 :べりーきゅーとで素敵で無敵になります! よろしくお願いしまーす!

GM :次へ行くぜ、カモンPC2!

明日葉 セイ :はーい!

明日葉 セイ :キャラシート

GM :眩しい、背景の黒さも相まって輝いて見えるぜ

明日葉 セイ :ちょっと色が薄かった

明日葉 セイ :「こーんにちはー。おれ、明日葉セイ(あしたば・せい)って言います。みんな、覚えて帰ってねー」

明日葉 セイ :「……っと、よしよし。今の角度からもうちょい顎を引いて……うん。かわいい!」

GM :「セイ様ーーーー!!」

明日葉 セイ :えへへー

明日葉 セイ :18歳、アイドル目指してレッスン邁進中の男子。

明日葉 セイ :金髪碧眼、身長は多分180cmくらいの王子様系。

明日葉 セイ :ですが。

GM :ですが。

明日葉 セイ :憧れているアイドル像は、子供の頃に見た「かわいい」女の子のアイドル。

GM :なるほど

明日葉 セイ :自分らしさを保ちつつ、かつ夢を追い続けたい、そんな狭間でぐらぐらしている高校生です。

明日葉 セイ :女装趣味とか、女子になりたいとかいうのとはまたちょっと違うみたいです。

宍戸れみふぁ :いいんじゃない?そういうの

明日葉 セイ :そう? そう思う?

明日葉 セイ :がんばろっと

GM :そう思いますよ

紅海月 :わしもそう思う

明日葉 セイ :紅さん……!

明日葉 セイ :えーと、流派は私立御斎学園の下位流派、私立多羅尾女学院。

明日葉 セイ :まだ小さい頃に劇団で女の子役とかもやってたことがあり、その時にいろいろと人心掌握について指導を受けました。

明日葉 セイ :女子ではないがそういう感じで会得しております。

GM :人に歴史ありね

明日葉 セイ :なので感情取得が得意だよ

明日葉 セイ :みんなおれのこと好きになって(修正つけて)ね!

明日葉 セイ :そういう、だいぶふんわりとした性格の、笑顔で話せばなんとかなると思っている前向き男子です。

明日葉 セイ :仲良くしようねー

明日葉 セイ :そういう感じです。

GM :はい、やってやりましょう、異街に明日葉セイここにありと

明日葉 セイ :おー!

GM :そんなあなたのハンドアウトはこちら

明日葉 セイ :わくわく

PC2:明日葉セイの使命

あなたには夢がある。

いずれアイドルとして大舞台で喝采を浴びる。

それを夢見てレッスンに勤しむあなたの【使命】は最高のアイドルになることだ。

明日葉 セイ :その通り!

明日葉 セイ :目指してみますよ、最高の星をー

灰色兎 :ま、やってくれや

明日葉 セイ :任せて☆

GM :では次へ行きましょう、来なPC3!

真白ももあ :PC3って私ですか~?

GM :そうだが???

真白ももあ :じゃあ自己紹介しちゃお~っと

GM :して❤

真白ももあ :キャラシート

真白ももあ :真白ももあ(ましろももあ)、18歳です。トップアイドルです。

真白ももあ :突然ですけど、アイドルに必要なものって何だと思いますか?

GM :え、えぇ~~

GM :なんだろう……顔の良さ?

真白ももあ :歌やダンスのうまさ?応援したくなるような性格?親しみやすさ?

真白ももあ :答えは……

真白ももあ :顔♡

真白ももあ :だからGMちゃんだいせいかーい♡

GM :やったーーーー!!!

GM :じゃあもうトップは貰ったようなものですね

真白ももあ :高嶺の花の美人じゃなく、クラスに一人はいるような親しみやすい子の方がアイドルに向いてると言いますが

真白ももあ :顔が良い方が嬉しいに決まってるし、私はとっても顔がいいので、トップアイドルになるのは自明の理なんですね♡

GM :ことわりを知っちゃったなあ

真白ももあ :真実知っちゃったね♡

真白ももあ :忍者?とか全然分からないんですけど……

真白ももあ :アイドルバトルで勝たないと世界が滅んじゃうんだよね?

真白ももあ :世界が滅んじゃったら私をチヤホヤしてくれる人がいなくなっちゃうじゃない!

真白ももあ :絶対止めなきゃ!

真白ももあ :忍者の事は全然分からないから、戦うのは強くないけど……

GM :そう、いちだいじ

真白ももあ :アイドル事務所ならどこにでも置いてあるガトリング砲でがんばります!

GM :すごいなー、アイドル

真白ももあ :そういう感じ♡よろしくお願いします!

GM :はい、そんなあなたのハンウトは

PC3:真白ももあの使命

あなたは忍びとは何の関係も無い表の世界で活躍する新進気鋭/ベテランのアイドルである。

ある日、この国を影より動かす護国の忍び集団・比良坂機関より【使命】が届く。

「あなたの歌と踊りでこの世界を救ってくれないか」、と。

あなたの【使命】は千十嵐リンネを倒し、世界を救うことである。

真白ももあ :世界を救うなんてすごいことできるかわかんないけど……

真白ももあ :精一杯がんばりま~す♡

GM :フレッシュだし、新進気鋭寄りなのかな

真白ももあ :4年やってるし結構……ベテランよりかな?

GM :古流流派ってわけ

真白ももあ :ガトリング砲も使えるってわけ♡

GM :めちゃめちゃにしてください

真白ももあ :ぶっこわしま~す♡

GM :次へ行くぜ!PC4!

合馬桜華 :はーい!

合馬桜華 :キャラシート

合馬桜華 :「ウチは桜華! 魔王流、合馬桜華(オウマ オウカ)!」

合馬桜華 :「もっともっと、強くなってやるかんねー!」

GM :わんぱくだ

合馬桜華 :紅い瞳に濃い桜色の髪をした15歳女子。

合馬桜華 :最強を目指す女です、誰にも負けないようになりたい。

GM :あなたならなれるわ

合馬桜華 :皆さんご存じ(?)魃の新入り

合馬桜華 :新人なので雑用や色々な仕事振られつつ、それも鍛錬だと前向きにに頑張ってます

合馬桜華 :今回も仕事で島に来ました! 新入りというわけですね!

GM :ヘヘヘ、お嬢ちゃんここははじめてかい??

合馬桜華 :超はじめて!

合馬桜華 :さぁて何するのかなぁって思ったらアイドル!?

合馬桜華 :ウチが……アイドル!?

GM :なんでなんでしょうね

合馬桜華 :ってなりつつも頑張るぞ、ウチは強いから!

GM :元気になぎ倒し、勝ってください

合馬桜華 :がんばる!

GM :性能的にはかなり手堅く鞍馬の強みが出てますね、強敵の予感です

合馬桜華 :退魔編用の忍法もちょっと持ってきたりしました

合馬桜華 :よろしくおねがいしまーす!

GM :はい、それではそんなあなたのハンドウトはこちら

PC4:合馬桜華の使命

あなたは島の外より派遣された対吸血鬼の忍び集団【魃(ばつ)】の一員である。

あなたの【使命】は千十嵐リンネの眷属へ堕ちたかつての上司を仕留めることだ。

合馬桜華 :ハンドアウトにアイドル要素はなかったから、無関係で相手探せると思ったら……!

合馬桜華 :さいきょーアイドルを目指すしか……ないよう……!

GM :大丈夫、可愛いぞ

GM :よろしくお願いします、では次へ

GM :ヘイPC5!皆に挨拶しな!!

紅海月 :応。

紅海月 :キャラシート

紅海月 :「生地見捨てて旅立ちて。御行く末は竜骨の」

紅海月 :「波に揺ら揺ら漂いて。今は狂楽、片隅の」

紅海月 :「ア噂を道の枝折にて。店構えるは小土産屋」

紅海月 :「やってきましたァ、紅縁華宴の大舞台!」

紅海月 :昨今改めまして、チンケな土産屋やってます。初代由良由良(ゆらゆら)店主、紅海月(べにくらげ)と申しやす。

GM :ドルオタらしからぬ傾き加減

紅海月 :つかみが肝心かなって

GM :肝心ね

紅海月 :年齢不詳、所属は斜歯忍軍は大槌群。

紅海月 :土産屋やってる裏では独自で開発、調整した忍具を売りさばく忍具屋の顔も持っております。

GM :怪しい雑貨屋のあるじね

紅海月 :データ的にも【道具箱】やら【忍細工】やらでモリモリ積んで消化した忍具を【補給】できたらいいな、みたいな忍具特化構成ですね。

紅海月 :趣味は酒!忍具!昼寝!そして……アイドル!

GM :人間の四大欲求ね

紅海月 :わかっとるじゃねえの。

紅海月 :かつてはアイドルのライブあらば異街中を東へ西へ駆け回り、空いた時間と銭のほぼ全てを彼ら彼女らに費やすほどでした。

紅海月 :ついたあだ名が『異街最強のアイドルオタク』!(自称)

GM :つよいぜ

紅海月 :ですが次第に感じてきたのです

紅海月 :熱が……失われつつあるなって

GM :そ、そんな……

紅海月 :もう儂も終わり。生きていく意味など……と茶を啜りながら忍具作ったりNINTUBEでアーカイブを視聴するだけの余生を過ごすか

紅海月 :となっていたところになんかビッグイベントやるウワサを耳にしたそうです

GM :一番デカい音楽イベントだからね

紅海月 :大将、そいつの詳細を教えてやってはくれねえか

GM :フフフ

GM :でっけえフェスなんよ、希族街主導で行われるね

GM :詳細は本編で記すとして……異街のアイドル、ミュージシャンの最大の目的によくあげられる憧れのステージってやつさぁ

紅海月 :となれば……生で見れる訳じゃよな

紅海月 :アイドルをさ

紅海月 :そうすれば……

紅海月 :取り戻せるんじゃね? 熱

GM :

紅海月 :儂……

紅海月 :出ちゃおっかな……

GM :出るんだ

GM :まあ一番近いからね、ステージの上が

紅海月 :じゃろ?

GM :どっかの忍びみたいな理論ですね

GM :そんなあなたのハトはこちら

PC5:紅海月の使命

あなたは『異街最強のアイドルオタク』を自称する百戦錬磨のアイドルファンであった。

しかし、いつからか情熱をなくしてしまったあなたの【使命】はかつての情熱を取り戻すことである。

紅海月 :出場すれば生でミウ=シウちゃん見れますか?

GM :そりゃもう水族館に併設された海の生き物ふれあいコーナーだってありますよ

紅海月 :マジかよ……積んでねえのに接触も……?

GM :そう、参加者ならね

紅海月 :絶対出ます ついでに優勝もかっさらうとするかの

GM :あなたならできる!……のか??だがただならぬ気迫だ

紅海月 :いっちょ男見せます。よろしく頼むぞ。

GM :よろしくです。

GM :以上が、此度のメンバーになります!

GM :さていかなる物語を彩ってくれるのか、では、やっていきましょう。

GM :導入の前にまず、

オープニング:マスターシーン

GM :===

■■ :――高い、木の上からそれを見つめる。

■■ :額に汗をびっしょりと貼り付けた、男。

■■ :麓のものであろう。

■■ :息も荒く、深い山道を登ってくる。

■■ :背負った大きな籠は、贄であろう。

■■ :人は、この自分に贄を差し出してくる。

■■ :あいつらは、きっとこの自分のことが大好きなのだ。

■■ :思わず頬が緩み、ヒュウヒュウと笑い声が漏れる。

■■ :自分も、人のことが好きだ、この関わりを好ましく思う。

■■ :どれ、ひとつ驚かしてやろうか、

■■ :そうして、枝から飛び降り――。

■■ :

■■ :

■■ :――昔や捨てよったでしょ

■■ :――七十ぐりゃゃあなればですね。

■■ :――そいであの、兄弟二人で、あの、駕籠(かご)に入れて

■■ :=吉野ヶ里の民話=

■■ :竜骨島逗留奇譚2『紅演華炎のグラン・ギニョーカ』

オープニング:明日葉セイ

GM :それではこれより導入を始めていきます。

GM :PC2から番号順に、最後をPC1で締める形で行います。

GM :異街は、エンターテイメントの文化、産業がその広さに反し盛んな土地である。

GM :ひとつは【カジノ/狂楽区】の存在。

GM :娯楽の中心地を標榜し、ありとあらゆる芸能が島の外より流れ込んだ溢れんばかりの資本をバックに湧き出し続ける。

GM :カジノの王である【ホテルマン】はその輸出にも積極的で、きみたちが普段聞くアーティストの楽曲中にはいくらか異街で生まれたものも含まれているはずだ。

GM :もうひとつ、【磨羯一家/希族街】の存在。

GM :半妖、妖魔と言った人でなし、ワケアリの"人であり"も含め異街最強の総戦力を抱えると評されるこの区域であるが、

GM :この地の王である【千十嵐リンネ】、彼女こそが異街のトップアーティスト、最強のアイドル、輝くスターなのである。

千十嵐リンネ :「あのギャンブラー、今度こそフェスを狂楽区で開催すると息巻いていたが」

千十嵐リンネ :「ハハハ、結果はまた同じであったな、見たかあの顔」

GM :希族街での開催が決定した異街最大の音楽イベント『ドラゴンボーン・フェス』

GM :音楽にその身を掲げた異街の住民たちは、それを目指し街は今や狂乱のさなかにあった。

GM :「今度こそ」「次はいずれ」

GM :「今こそ」「私の歌を」

GM :様々な思いが交差する。

GM :街の片隅の、ダンス・スクール。

GM :そこには「次はいずれ」のひとり。

明日葉 セイ :「1、2、3。で、ターン……」

明日葉 セイ :さらさらとした金髪をなびかせて。

明日葉 セイ :長い脚でぐるりと大きくダイナミックに動いてから。

明日葉 セイ :「…………ちがーう!」

明日葉 セイ :「いや、違わないけど、もうちょっとこう……」

明日葉 セイ :少し窮屈な感じに動いてから。

明日葉 セイ :「うーーーーーん、か、かわいくない……」

明日葉 セイ :鏡をじっと見つめる。長身に儚げな美貌の……男子。

ダンス講師 :「……セイ、あなた」

ダンス講師 :先程からきみを眺めていた講師が声をかける。

ダンス講師 :しなやかな筋肉を纏った色男、彼目当てにここに通うマダムで収入の8割を賄う好人物である。

明日葉 セイ :「はいっ」くるんとそちらを向く。

ダンス講師 :「狙いは、わかるわ」

ダンス講師 :「でもね、それは以前言ったようにあなたのマッスルには適していないの」

ダンス講師 :「そんな恵まれた体躯でありながら……ああ、もっと身体を大きく使ったらどんなに優雅なことか!」

明日葉 セイ :「そ、そうですけど」

明日葉 セイ :「そうですけどー、でも、おれ、がんばればいつかトップ目指せるって」

明日葉 セイ :「うー……」長い腕をぶらぶらと揺らす。

明日葉 セイ :身長が伸び始めたのは早かったし、今の背に届いたのも早かった。

明日葉 セイ :それは嫌ではない。夢と矛盾していなければ。

明日葉 セイ :「……やっぱり、無理ですか?」

明日葉 セイ :「『かわいい』のを目指すのって……」

ダンス講師 :「……」

ダンス講師 :「そうね、こだわりに、愛に不可能はないわ」

ダンス講師 :「でも、あなたは『美しい』、『格好いい』を目指せば大きく花開く」

ダンス講師 :「それは厳然たる事実で、この私にも教えてやれることが今よりずっとある」

明日葉 セイ :ぱっと陽光のように顔を輝かせ……また少し曇る。

明日葉 セイ :「……それも、わかってるんです」

明日葉 セイ :自分の顔は嫌いではない。体格とも合っている。

明日葉 セイ :「でもっでもでもでもでもでも」

明日葉 セイ :「諦めきれないんです!!」

ダンス講師 :「そう……覚悟の上ってわけね」困ったようにヒゲをねじる。

ダンス講師 :「まったく、このやり取りも何度目かしら、あなたも頑固ね」

ダンス講師 :「でもそれはスタアを目指すに当たって必要な資質の一つよ」

明日葉 セイ :「……先生」

ダンス講師 :「じゃあ、なりましょう……とびっきり可愛くねっ!」

明日葉 セイ :「…………っ」

明日葉 セイ :「はいっ、おれ、絶対に、すっごいかわいい」

明日葉 セイ :「最高のアイドルを目指したいんです!」

明日葉 セイ :ぐっと握る手はやはり男子のもので、華奢でもないが。

GM :力強い宣言、その目は燃えている。

GM :そうしてあなたはまるで可愛くはない過酷なトレーニングを終え、スクールの扉をくぐる。

GM :そとは、薄暗い夕刻。

GM :異街では珍しく、まだ陽が出ている。

明日葉 セイ :長い脚には疲労が溜まっていたが、夢に向かうためと思えばつらくもない。

明日葉 セイ :空の陽に目を細める。

明日葉 セイ :「……あれ、今日は……誰かが買ったのかな」

明日葉 セイ :明るいが、寄り道をするには少し疲れているな、と思いながら。

GM :異街は夜が多い

GM :それは夜を好む希族街が、空を買い上げて夜にしてしまうからであるが。

千十嵐リンネ :『フェスが迫った今、夜は買わん』

千十嵐リンネ :『とびきり、特別な夜になるからな』

千十嵐リンネ :『今のうちに陽の明かりを堪能するがいいさ』

明日葉 セイ :「……そうだ。フェス!」

明日葉 セイ :近付いて来ている夢の舞台に思いを馳せる。

明日葉 セイ :(……って言っても、このまんまじゃあ、今年は無縁かなあ……)

明日葉 セイ :レッスン用の鞄を肩にかけ直す。

明日葉 セイ :(最高のアイドル、って言うのはいいけど)

明日葉 セイ :(なんだろ。何をどう目指すのか、それがだんだんわかんなくなってきて)

明日葉 セイ :(夢は無限かもしれないけど、現実には年とかあるし)

明日葉 セイ :(妥協……するのにはまだ、何にもやってないんだ)

明日葉 セイ :(このまんまじゃ、最高はともかく、まずアイドルにもなれないじゃん……)

GM :悶々と悩みを胸に抱え込み帰路を行くあなた。

GM :そんなあなたに。

?? :「――おい」

GM :声がかかる。

明日葉 セイ :「……え?」声の方へと振り向く。

明日葉 セイ :まとめた髪が揺れて、光を映して。

GM :そこには、誰もいない。

明日葉 セイ :「……おっかしいな……」

?? :「おい、どこ見てやがる!下だ!下!」

明日葉 セイ :「えっ」

明日葉 セイ :慌ててそちらを。

灰色兎 :「ケッ、でけえ図体しやがって」

灰色兎 :「俺みたいなモンは視界に入りませんってか?」

灰色兎 :小さな……ケモノ?

灰色兎 :妖魔のたぐいであろうか、地表をふらふらと漂っている。

明日葉 セイ :「うわっ、びっくりした……あ、えとえと、すいません」

明日葉 セイ :「目線高いのは確かですけど……!」

明日葉 セイ :ぐいとかがむ。

灰色兎 :「おう、いい心がけじゃねえか」

明日葉 セイ :(……話して大丈夫な人……人? もの?かな?)

灰色兎 :「お前、悩みがある、そうだろ?そういう顔だろ?なあ」

灰色兎 :謎の獣は一方的に話しかけてくる。

明日葉 セイ :「ひえっ、占いとか人生相談とかは間に合ってます」

灰色兎 :「ばっ、俺をそんなモンと一緒にしてんじゃねえ!!」

明日葉 セイ :「ひゃあ」

灰色兎 :「あー、待て待て」

灰色兎 :「どこにしまったか」もぞもぞと毛の中に手を入れ弄る。

灰色兎 :「ほらよ」

灰色兎 :手渡されるのは、名刺だ。

明日葉 セイ :「あ、ご丁寧にどうも……」

灰色兎 :『キャロルレコード/社長/灰色兎』

明日葉 セイ :「……レコード。社長……」

灰色兎 :「単刀直入に言う、お前には素質がある」

明日葉 セイ :「えっえっ」

明日葉 セイ :「えっえっえっ?」

灰色兎 :「俺と一緒にテッペンを目指さねえか?」

明日葉 セイ :「あの…………」辺りをきょろきょろと見る。

明日葉 セイ :「カメラとかどっかにあります?」

明日葉 セイ :ドッキリを疑っている。

灰色兎 :「あ?何だ、ドッキリかとでも思ってんのか?」

明日葉 セイ :「いやその」

灰色兎 :「お前みたいなパンピー騙して喜ぶ弱小配信者に見えんのかよ俺がッ」

明日葉 セイ :「すいませんっ」

明日葉 セイ :「え、でもレコード会社の、えっ、社長が、スカウト?」

灰色兎 :「だいたいあいつら気に食わねえんだ、客と目を合わせねえで人気者気取りで…」ぶつぶつ

明日葉 セイ :(ゆ、夢みたいだけど……ほんとに?)

灰色兎 :「この前だって折角レッドミントガムがMVお披露目配信したってのにふわしゅわなんたらとかいうのが1位で、ああもうハラたつ祭り好きのクソ視聴者共が……」

明日葉 セイ :「あの」

明日葉 セイ :「あのですね。あの、あのあの」

灰色兎 :「おっといけねぇ……」

灰色兎 :「気になるなら検索でもなんでもすりゃいいだろ」

灰色兎 :「とにかく俺はマジだ」

明日葉 セイ :「おれ、素質あるって言ってくれました……よね」

灰色兎 :「おう、お前には素質がある」

明日葉 セイ :「あの、おれ、アイドル目指してて。今日もレッスンしてきて」

明日葉 セイ :「それで、絶対なりたいんですけど、その」

灰色兎 :「でっけえパワーの、モンスター級のエンジンの姿がこの俺には見えている」

灰色兎 :「ただ、なんつぅかパーツが欠けてんだよな」

明日葉 セイ :「……パーツ?」

灰色兎 :「だからうまく動いてねえ」

灰色兎 :「俺がモノにしてやる、特急便でな」

明日葉 セイ :「あの!」

灰色兎 :「それで、千十嵐リンネをぶっ潰す」

灰色兎 :「次のフェスで、だ」

明日葉 セイ :「そのパーツがあれば……」

明日葉 セイ :「って」

明日葉 セイ :「なんですかその目的! 大きく出すぎでしょ!?」

灰色兎 :「あ、やるならテッペンだろうが」

明日葉 セイ :「それは……そうですけど」

灰色兎 :「そうじゃなきゃ、夢なんて見ねえほうがいい、だろ?」

明日葉 セイ :「…………」

明日葉 セイ :「…………!」

明日葉 セイ :「聞きたいことがあります」

灰色兎 :「おう、言ってみな」

明日葉 セイ :「そのパーツとかがあれば、おれ、なれますか」

明日葉 セイ :「すっごいかわいい、最高のアイドル」

明日葉 セイ :「かわいい、です」

明日葉 セイ :「なれるんなら、なんでもします。なれないなら、また地道に頑張るしかない」

灰色兎 :「"何にだってなれる"」

灰色兎 :「最強に、トップに、王になれば」

灰色兎 :「お前が皆に可愛いと思ってほしかったら、皆がそれに従う」

灰色兎 :「それがテッペンってことだ」

灰色兎 :「視野が、スケールが小せえんだよお前は」

明日葉 セイ :「はは、視点は高いんですけど……」

明日葉 セイ :「……まず、目指せってことですか」

灰色兎 :「んだよ、自虐は"可愛く"ねえぞ?」

明日葉 セイ :「うぐ」

明日葉 セイ :「……そっか」

灰色兎 :「この通り、お前には問題が多い」

灰色兎 :「そして俺はそれを指摘し、導いてやることが出来る」

明日葉 セイ :「…………」

灰色兎 :「俺は本気だ、お前にも本気になってもらう」

明日葉 セイ :(本気)

明日葉 セイ :(おれはずっと本気だったし、そのつもりでいたけど)

灰色兎 :「過酷だ、きっと、想像してるのの10倍はな」

灰色兎 :「でもやると、そう言える」

灰色兎 :「そういうやつだと思ったから俺はお前に声をかけた」

明日葉 セイ :(ああ、もしかして本当の本気って、これくらいぶっ壊れてなきゃなんないのか)

明日葉 セイ :(……はは。それは……)

明日葉 セイ :「いいですね、それ」

明日葉 セイ :青い目が揺れた。海のように、ではなく、炎のように。

明日葉 セイ :「おれ、多分ずっと今まで回し車回してたんだ。それもきっと必要なんだけど」

明日葉 セイ :「あなたが一歩を踏み出させてくれるのなら」

明日葉 セイ :「行きます。テッペン。頂点」

明日葉 セイ :「そうじゃなきゃ、何もしないのとおんなじなんだ……!」

灰色兎 :「ヒャハ、良いじゃねえかわかってきたようだな、"アイドル"ってものが」

灰色兎 :くるりと宙返り。

灰色兎 :「こっから先は苦しいことだけだぜ」

灰色兎 :「ぜんぶ、ぜえんぶ苦しいことだけ」

灰色兎 :「ステージの上、その瞬間以外はな」

明日葉 セイ :「その瞬間を、くれるんでしょ?」

明日葉 セイ :「違うか」

明日葉 セイ :「おれが、掴み取るんだ……!」

灰色兎 :「お前、やっぱ素質あるよ」

GM :こうして、裏路地の石畳をデスクに契約が交わされた。

GM :この出会いが異街に、フェスに何をもたらすのか。

GM :その行く末をスポット・ライトが照らしてくれるだろう。

GM :==

オープニング:真白ももあ

GM :続いての導入はPC3、それではやっていきましょう。

真白ももあ :はーい♡

GM :==

GM :歓声があたりを包む。

GM :大勢が、ここにいる全員があなたを見ている。

GM :あなたにとっての、日常、その光景。

真白ももあ :「みんなーっ、ありがと~~!!」

観客A :「うおおおおーーーーーー!!!」

真白ももあ :大きく潤んだ瞳。人形のような精巧に整った顔立ち。

真白ももあ :愛くるしい表情。輝くような笑顔――それは、例え彼女の事を好ましく思わないものでも、これだけはゆるぎない事実として感じることだろう。

真白ももあ :『美少女である』と。

観客A :「も”も”あ”ぁ”ーーーーーーー!!!」

真白ももあ :「ももあだよ~っ」

真白ももあ :「みんなに会えてとっても嬉しい!」

真白ももあ :「みんなのことが大好きだから!」

真白ももあ :「みんなは私の事、好き~?」

観客A :「好きだぁーーーーー!!!」

観客B :「愛してるぞーーーーーー!!!」

真白ももあ :「ありがと~~!私もみーんな、愛してるよ~っ」

真白ももあ :「今うつむいた二階席のキミも……」

真白ももあ :「ちゃーんとみえてるからね!大好きだよ~!」

真白ももあ :「みんなに愛してもらえて、とっても幸せだから……」

真白ももあ :「みんなにもこの幸せをお裾分けするね!」

真白ももあ :「それじゃ、聞いてください!『ズワイガニ対ヴァンパイア』!」

観客B :「来たァアアア!!!」

GM :観客のボルテージは最高潮、本日のステージも盛況のうちに終わったのだった。

観客C :「へぇ~、アイドルもなかなか面白いもんだね」

観客C :「ま、こっちの目当てはこの後の『デッド・メタル・コヨーテ』なんだけど」

GM :ところ変わって楽屋、たった今ハードなステージをこなしたばかりのももあを出迎えたのは、マネージャーの灰谷である。

灰谷 :「お疲れさまです、ももあさん」

真白ももあ :「ありがと~」タオルで汗をぬぐいながらほほえむ。

灰谷 :「いつもながら、完璧なステージ」

灰谷 :「と、言いたいところですが」

灰谷 :「私の目はごまかされませんよ」

真白ももあ :「むむむ」

灰谷 :「あなた今、スランプでしょう」

灰谷 :「あなたは最強のアイドル、そう言った存在に最も近い芸能人だ」

灰谷 :「だから調子が悪くても、完璧にこなせてしまう」

真白ももあ :「褒めてくれてありがと」

真白ももあ :「マネージャーに必要な観察眼って、人のあらさがししてケチつけることなの?大変なお仕事ねぇ」

真白ももあ :口ではそういいつつもわかっている。己の伸び悩みは。

灰谷 :「口の回りようだけは、絶頂期のようですが」

真白ももあ :「イヤミなマネージャーがいると口ばっかりうまくなっちゃうからねー」

灰谷 :「そんなあなたにお仕事です」

灰谷 :手渡される、真っ黒な封筒。

真白ももあ :「なぁにぃ?なんか……危ないお仕事じゃないよね?」

真白ももあ :受け取って封筒を開ける。

灰谷 :「ええ、危ないお仕事です」

真白ももあ :「ええ?」

灰谷 :「あなたがジャングルで戦ったオオニシキヘビとは比べ物にならないほど、危険な仕事だ」

真白ももあ :「まだヨゴレになるつもりはないんだけど?」

真白ももあ :「オオニシキヘビより強いなんて……オオニシキズワイガニ?」

灰谷 :「あなたのそのカニに対する妙な執着は一体何ですか……まあいいでしょう」

灰谷 :「あなたは当然この仕事を断ることもできる」

灰谷 :「その場合、記憶処理を受けてここでのことは忘れてもらうことになりますが」

灰谷 :トントンと頭を叩く。

真白ももあ :「記憶処理………………?????」

真白ももあ :「なにいってるの……?????」

真白ももあ :「人間の記憶をそんな簡単に弄れるわけないじゃない……」

灰谷 :「何って、ただの事実ですよ」

灰谷 :「ももあさん、実はですね、この世にはあなた達の知らない超常の存在が跋扈しているのですよ」

灰谷 :「そして、この私がそういう組織の構成員であり、アイドルマネージャーは世を忍ぶ仮の姿」

真白ももあ :「そういうの、中学生のうちに卒業しておいたほうがいいよ?」

灰谷 :「そう言ったら、あなたどうします?」

真白ももあ :「うーん…………」

真白ももあ :「マネちゃんが趣味で好きな事するのは勝手だけど……」

真白ももあ :「お仕事は真面目にやって欲しいって思うかな?」

真白ももあ :「マネちゃんは口も悪いし性格も悪いしケチだけど仕事の腕は信頼してるからね?」

灰谷 :「ええ、真面目です、大真面目」

灰谷 :態度を崩さず、まっすぐにあなたを見つめている。

灰谷 :灰谷はあなたの知る限り、このような冗談を言う人物ではない。

真白ももあ :伸び悩む自分に何か、冗談を言って和ませようとしているのかと思ったが。

真白ももあ :彼のその態度を見ているうちに、どうやらそうではないらしいと思い始める。

真白ももあ :「…………私に言っていいの?」

真白ももあ :「世を忍んでるんでしょう?」

灰谷 :「国家存亡の危機なのです」

灰谷 :その瞬間、あなたの身体が見えない力によって縫い付けられる。

真白ももあ :「……!?」

灰谷 :「古代より……」

灰谷 :灰谷がつかつかと、歩きだす。

灰谷 :「この国を影から守り、動かしてきた存在があります」

灰谷 :やがて、壁へと突き当たると、そのままその革靴で、壁面を踏みつける。

灰谷 :「忍び、つまるところ、忍者ですね。」

真白ももあ :(忍者…………!?)

真白ももあ :何を馬鹿なことを、とも思うが。動けない現状がそれが荒唐無稽なことではないと示している。

灰谷 :そうして、灰谷はあろうことかそのまま壁を、散歩でもするかのように踏みしめ、登り始める。

灰谷 :重力を無視しているかとしか思えぬ、ありえざる動き。

真白ももあ :「な……っ」

真白ももあ :ワイヤーとか合成とか、理屈を考えようとするのをやめる。もうそういった納得できる理屈を用意している段階ではない。

灰谷 :「異街という場所があります」

灰谷 :やがて、彼は天井板を地面と勘違いでもしてるかのように踏みしめ。

灰谷 :あなたの頭上に。

灰谷 :「そこに居を構える鬼の存在に、今人類は危機的状況にあります」

真白ももあ :(鬼?イガイ?人類の危機???)

真白ももあ :次々投げ込まれる非現実的なワード。しかしそれを飲み込み受け入れるしかないのだと悟り始めている。

灰谷 :「それを倒せるのは、忍びではない」

灰谷 :「もはや忍びの手には負えぬのです」

灰谷 :「あれを倒せるのは、"アイドル"だけだ」

灰谷 :「ただのアイドルではダメだ、最強のアイドルでないといけない」

灰谷 :「我々は既に伝説と呼ばれた女性をあの地へと送りました」

灰谷 :「貴方もCDを持っていましたっけね」

灰谷 :「だが、敗れた」

灰谷 :「ももあさん、今の人類に、他にアレに勝てる者がいるとしたら……それはあなただと思っている」

灰谷 :「4年間、"アイドル:真白ももあ”を見続けてきた私の全くの私見ですが」

真白ももあ :「……最強のアイドルだって、思っててくれてるんだね」

灰谷 :「ええ」

真白ももあ :目の前で次々起こる超常現象。良く知った彼から語られる非日常の言葉。けど……何より信頼する彼が、自分を信じ、何かを託そうとしてくれている。

真白ももあ :そのことだけは、たしかにわかったし、信じられた。

真白ももあ :それはなによりも、真白ももあにとっては、今までの常識などより信頼に値するものだった。

灰谷 :トン、と体重を感じさせない動きで灰谷が着地する。

灰谷 :同時にあなたの呪縛が解ける。

真白ももあ :「わわ」

真白ももあ :唐突に自由になってよろける。

灰谷 :「それに、この経験はあなたを更に強くするでしょう」

灰谷 :「それこそ、誰の手も続かぬ高みに」

真白ももあ :「ふふっ、ふーん……」

真白ももあ :「どのみちアイドルは、見てもらえないと輝けないんだから……」

真白ももあ :「人類の危機なんだったら、私がなんとかできるんだったら、なんとかしなくちゃでしょ?」

灰谷 :「ですが、繰り返すようにとても危険だ」

真白ももあ :「ヘビより危険なんだもんね?」

灰谷 :「そうです、おおよそ、この世に存在する生き物の中で最も危険なものが相手だと思っていい」

真白ももあ :「女の子ってワガママで、アイドルって最高に輝いてる女の子で、私は最強のアイドルなんだから」

真白ももあ :「最強にワガママなの。私はずっと、みんなに愛されてたい」

真白ももあ :「それを邪魔するなら、危険だって許さない」

真白ももあ :「なーんて、何をするのかもまだわかってないけどね?」

真白ももあ :「でもマネちゃんは私ならできるって信じてくれてる」

真白ももあ :「だったらできるよ、私」

灰谷 :「……内容を、確認はしないのですね」封筒を見る

灰谷 :「私が、あなたが了解すると」

灰谷 :「そう思ったからこそ、こうして喋っている。わかっているわけだ」

真白ももあ :「あっ、行く前に確認はするよ!?なにすればいいかわかんないなんて無茶振りすぎるからね!?」

真白ももあ :「でも、やるのはそうだね。やるよ」

灰谷 :「あなたは、まず人を見る、かしこいあなたはそのよく回る頭を最初にそれに使う」

灰谷 :「だから、強いアイドルとして居続けられた」

灰谷 :「そういうことだと、私は思っていますよ」

灰谷 :「救いましょう、人類を、いずれあなたのファンになる……一切合財を」

真白ももあ :「ふふ……それは周りに居てくれたのがマネちゃんだからだよね」

真白ももあ :「そうだね……、マネちゃんを信頼するって決めた私は偉かったね?」

真白ももあ :「救っちゃうかぁ、人類」

真白ももあ :「今は違くても、いつかは絶対、真白ももあを好きになる」

真白ももあ :「だったら助けてあげないとだもんね?」

GM :こうして、真白ももあは異街行きへの切符を手にした。

GM :忍びとは、異界とは、鬼とは、先んじて送り出された伝説のアイドルとは

GM :疑問は尽きない。

淀沼九皐 :『一般人への説明なぞ面倒だ』

淀沼九皐 :『必要な知識など、現地で【買え】ばいい』

GM :フェスを控えた竜骨島、その地に。

GM :【表のトップアイドル】、真白ももあが足を踏み入れるのは、この数日後のことである。

GM :===

オープニング:合馬桜華

GM :それは続いてPC4の導入となります。

GM :===

合馬桜華 :はーい!

GM :【魃(ばつ)】は鞍馬神流に属する、鬼狩りの組織である。

GM :その対象は妖魔全般に渡るが中でも鬼、とりわけ吸血鬼を殺すことにかけては他の追従を許さぬ【吸血鬼狩り】である。

GM :遠く、異界の地にありし竜骨島。

GM :そこに居を構える吸血鬼【千十嵐リンネ】。その討伐に魃へと声がかかったことはそうおかしなことではないだろう。

GM :だが、あってはならないことが起きた。

GM :少数精鋭で島へと渡った魃の隊員たちは千十嵐リンネを相手に全滅、その上隊長である【縄のヴルフ】はリンネの眷属へと堕ちた。

淀沼九皐 :「それで、挽回を賭けて異街へと潜入調査を行っていた副隊長殿は失踪」

淀沼九皐 :魃の拠点へと比良坂機関より送られてきた淀沼九皐(よどぬま・きゅうこう)は開口一番こう言い放った。

淀沼九皐 :「事実上、この組織はもう終わりだよ」

淀沼九皐 :「私が寄越された、というのはおそらくこの先の解体および後始末、人事の振り分け等を任せる腹積もりだろうな、上は」

淀沼九皐 :出された茶に手を付けることはなく。ピシリと木彫りの像のように畳の上、正座であなたたちを睨めつける。

合馬桜華 :「うー……たしかにそんな気がする……稽古つけてくれる相手がもうなんか、全然いないし」

"虚々空照済"板ノ津 ロイ :「解体だと!?」隊員の一人が声を荒げる。

合馬桜華 :「入って早々こんな事になるなんて……!」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「しかし、とんでもない失態なのは事実ですしねぇ……」

"ズエヴ・アラヴォト"星 広啓 :「失態であるだけならまだしも、隊長格が二人欠けたのではな……」

合馬桜華 :(お茶、なんか淹れ方ミスったかな……)

淀沼九皐 :「名目上、残った人員での臨時部隊を結成の上異街へと渡り副隊長の"仕事結果"を回収、可能であればそれを元にリンネおよびに背信者ヴルフ誅伐」

淀沼九皐 :「だが、貴様らのような余り物にそんなことができるとは上も思っていまい、子供でもわかることだ」

合馬桜華 :(……む!)

合馬桜華 :今のはわかる。嫌味なのはわかる、が、少しむくれる

淀沼九皐 :「つまりは、体の良い在庫処分」

"砕坊主"尾秘 蔵人 :「何たる言い草……!」

淀沼九皐 :「これをあけすけに今私が話しているは、慈悲だ」

淀沼九皐 :「いたずらに失う命でもあるまい」

淀沼九皐 :「いいか、わかるように言ってやる」

淀沼九皐 :「私に媚を売れ。そしたら魃解体後、良いように使ってやろう」

淀沼九皐 :「それが飲めぬ莫迦であるならば、異街で果てるが良い」

合馬桜華 :「むむ……!」

合馬桜華 :お茶をひっくり返さないように、音をなるだけ出すように机をたたく

GM :困惑する魃の構成員ら。

GM :威勢の良い言葉も飛び交うが、その目にはどこか諦めが見える。

合馬桜華 :「よーするに、異街ってところで裏切ったヴルフを討伐して、副隊長の事とか全部片付けてくれば良い……んですよね!」

"スィッタ"ファルハード・シャブディーズ :「合馬サン!?」

淀沼九皐 :「できるものならな」

淀沼九皐 :鼻で笑う。

淀沼九皐 :「副隊長殿の失踪が決定的だな、この組織は事実上あいつで保っていたようなものだ」

淀沼九皐 :「ウチの上がひどく欲しがっていたよ、実に惜しいな」

合馬桜華 :「正直新参なんで、組織への義理とかは薄いですけど」

合馬桜華 :「それでも、媚びを売れって言われてハイって売るほどウチは弱くないです」

合馬桜華 :(むー、副隊長がそんな……)

淀沼九皐 :「中途報告も、かなりのものだった」

淀沼九皐 :「我々が今保有する異街の情報の約2割はあいつがもたらしたものだよ、こんなことになるだなんてねえ」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「オウカは新参としては異例なくらい実力あるアルけど、いくらなんでも無茶アルよ!」

合馬桜華 :「無茶でもなんでも、チャンスがあるならやらなきゃ……でしょ!」

合馬桜華 :「なんもできないって証明されっぱなしじゃ腹立つし!」

淀沼九皐 :「情報、といえばああそうだ楽座というのはお前だろう?渡すよう言われていた」そういって封を投げる。

"霊王楽寧"楽座 梟 :「情報、ですか?」封書を受け取り、中を検める。

淀沼九皐 :「あとは、合馬か」

淀沼九皐 :「どいつだ?」

合馬桜華 :「ウチです!」手を上げる

淀沼九皐 :「ふん」封を投げる。

合馬桜華 :キャッチ

合馬桜華 :すぐに開いて、中身を確認

GM :楽座梟へと投げられた封書には、ヴルフについての現状、異街攻略に当たっての指揮系統等の情報が記されている。

GM :そして合馬桜華のそれには。

GM :『桜華、アレは――

GM :それを読んだあなたの目の色が変わる。

合馬桜華 :「___!」

合馬桜華 :ピタリと閉じて

淀沼九皐 :「何にせよ、私は現地で仕事がある」

淀沼九皐 :「船は二日後に出る。比良坂に迎合せず、この組織と共に死にたい莫迦は来るが良い」

合馬桜華 :「さっきは声荒げてごめんなさい……ウチはやっぱり、異街へ行きます」息を吐いて落ち着てから、周囲へ

合馬桜華 :強い奴ほど寡黙らしいが、その点では赤点だろうなと思いつつ

淀沼九皐 :「キッチリ死地へと送ってやろう、私は慈悲深いからな」

淀沼九皐 :「ほお、いたぞ莫迦が、勇敢な莫迦がひとり」

合馬桜華 :「そうだよ、最強の馬鹿!」

淀沼九皐 :「一緒に死んでやろうというやつはいないのか?」

淀沼九皐 :「まあ、時間はまだある」

淀沼九皐 :「存分に考えるが良い」

合馬桜華 :「……大丈夫、ウチ一人でも行けます。」周りの同僚たちに

"波乱忍弩"更無 平次 :「いやいや、ホンマ早まるもんやないで! 合馬ちゃんはまだ新入りやし!」

合馬桜華 :「平次サン……大丈夫!」

合馬桜華 :「ウチ強いですし!」

合馬桜華 :「それに……皆さんが鍛えてくれた技もありますし!」

合馬桜華 :随分と教えを請える相手は減ってしまったが、それでも学べることは学んだ

合馬桜華 :足りないところはあるが、足りることが無いのを知れた

"霊王楽寧"楽座 梟 :「……私も行きましょう。実力はともかく、実務面でのバックアップは必要でしょうし……」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「アタシもついてくヨ! 比良坂だと雇ってもらえなさそうだしネ」

合馬桜華 :「そんな、ウチ一人でなんとか……」と言いながらも、嬉しそうに髪をいじる

淀沼九皐 :「物好きなことだ」

淀沼九皐 :「よかろう、ならば望みの戦場に送ってやろうじゃあないか」

合馬桜華 :「……よろしくおねがいします」ぺこりとお辞儀

合馬桜華 :少なくとも目の前の美形の男は嫌味を言うだけの実力があり、専門家だ、嫌味な美形だが礼は返しておかないと、なんとなく副隊長に怒られそうだった

淀沼九皐 :「小娘、千十嵐リンネという無茶は言わないが、せめてヴルフに一太刀くれてやるくらいはやってくれよ」

合馬桜華 :「やってやりますよ、ウチは強いですから」

淀沼九皐 :「私だって、成果報告のひとつはしたいものでね」

合馬桜華 :「……はい」

合馬桜華 :「淀沼さん、そのお茶」と、湯飲みをみて

合馬桜華 :「副隊長が選んだやつです、よかったら」

淀沼九皐 :一瞥、

淀沼九皐 :すっかり冷めきったそれをグビリと飲み干し。

淀沼九皐 :「―――安い茶だ」

淀沼九皐 :そう言うと、男は去っていた。

合馬桜華 :「……」

合馬桜華 :ふっと

合馬桜華 :脚から崩れそうになり、間抜けな姿勢でつんのめる

合馬桜華 :交渉慣れした大人の男相手は、殺し会いより遥かに魔の領域だった

"霊王楽寧"楽座 梟 :「……大丈夫ですか?」その肩を支える。

合馬桜華 :「うん、大丈夫! ウチ強い……し!」やたら大げさに体制を立て直し、ふわりと短いスカートが舞う

合馬桜華 :「ごめんなさい、ウチが交渉ややこしくして」

"石火豪放"硫黄 硯 :「いいんだ、ありゃ交渉なんてもんじゃねえ……はなからな」

"石火豪放"硫黄 硯 :「それより……本当に行くんかい?」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「……生半可なところではありませんよ」

合馬桜華 :「わかってます、隊長が負けて、あの副隊長が行方を晦ます場所……」

合馬桜華 :「……でも、行かないといけないんです」

"石火豪放"硫黄 硯 :「そうか……」

合馬桜華 :「行って、それで……淀沼さんの言う通り、最低限のケジメはつけないと」

"石火豪放"硫黄 硯 :「すまねぇ……俺が10人いたって、千十嵐リンネどころか隊長にすら勝てねえ……」

"石火豪放"硫黄 硯 :「だから……ってのは卑怯な言い方かもしれねえが」

"石火豪放"硫黄 硯 :歯切れ悪く。

"石火豪放"硫黄 硯 :「隊長は、オヤジみてぇなもんだった、俺の、俺たち全員の」

"石火豪放"硫黄 硯 :「親族を妖魔に殺されて……行き場のなかった俺は、ここを新しい家族みてえに……そういうやつはここには多いから……」

"石火豪放"硫黄 硯 :「それが、どうして……隊長、吸血鬼なんかに……」

合馬桜華 :「……」

合馬桜華 :だったらなおさら自分だ、と思った

合馬桜華 :新人だ、新参者だ、多少情は薄いかもしれない

"虚々空照済"板ノ津 ロイ :「何考えてるのかよく分からん人じゃあったが……」

"虚々空照済"板ノ津 ロイ :「命惜しさに妖魔や隠忍に屈するような人じゃあなかったはずだ」

"石火豪放"硫黄 硯 :「合馬、お前のことだって俺ァは妹みてえに……」

合馬桜華 :「だったらなおさら……任せといてください!」自分の胸を強く叩く

"石火豪放"硫黄 硯 :「ごめんな、ごめんな卑怯な兄ちゃんで……」

"スィッタ"ファルハード・シャブディーズ :「合馬サン……」

"石火豪放"硫黄 硯 :そう言って、大男は背中を丸めて広間を後にする。

合馬桜華 :「硯サン! ……大丈夫です、妹分は立派にやりますから!」

"石火豪放"硫黄 硯 :遠ざかる背中にその言葉が届いたのか、男がビクリと震える。

合馬桜華 :「だから安心して……ねっ!」笑って返しながらも

合馬桜華 :遥か遠い異境に、沸き立つ様々な気持ちを抑える

GM :遠く、異界の地で果たして彼らに何があったのか。

GM :あなたは、まもなくそれを知ることとなるだろう。

GM :魃は、もうおしまいなのかもしれない。

GM :だがここにこうして最後の仕事が残っている。

GM :出航は、――二日後のことだ。

GM :==

オープニング:紅海月

GM :異街の路地の裏の裏、曲がりくねった道の先。

GM :その店は、そこにある。

GM :訪れるのはよほどの物好きか、道に迷った酔客か、あるいはあるいは……

GM :今日も今日とて商売繁盛とは言わないものの、開店中の札はかかっている。

GM :店の名は――、

紅海月 :土産屋・ゆらゆら。

紅海月 :外界との交流は盛んではないものの。島にも時たま来訪者は訪れる。

紅海月 :それに目を付け、物珍しい嗜好品やらちょっとした小物を扱う店、流行るんじゃねえの。

紅海月 :そんな見切り発車で開いた店は。今日も閑古鳥が鳴いている。

GM :本日も、売上はゼロ。

GM :店内にいるのは、客とも呼べぬ冷やかしの馴染み顔、その程度

紅海月 :時折、店の中を軽く履いたり、陳列を整理したり、居眠りをしたり。

紅海月 :せかせか働いている絡繰人形と見飽きた馴染み客を横目に。

紅海月 :ずず、と茶を啜りながら。カウンターで肘を尽き、タブレット端末をぼーっと眺めている店主。

紅海月 :再生された画面に写っているのは、幼気な顔を歪めて狼狽する妖魔と。

紅海月 :困ったように笑う男と、そっぽを向く少女の姿。

紅海月 :「かかかっ。愉快愉快」

紅海月 :「ったくよ。アーカイブで見るのが惜しいデキだな、こりゃあ」

紅海月 :木乃伊のようにぐるぐると全身に巻かれた包帯に、ぶかぶかの黒羽織を纏った男。

紅海月 :外見だけなら歳若い風貌のようだが。暗緑の髪、枯れたように赤い瞳は見るものに年齢以上のものを感じさせる。

"極大門松" :「"あかつき。"氏もそう思うでゴザルか!」

"極大門松" :鼻息も荒くこう声をかけるのは、買いもしないのに店に屯しているドルオタ仲間。

"違法イカ@airハ-70" :「V、現場行ってナンボだと思って見とらんかったが……アリやな……」

"ふわのん" :「これVって言わない……言わなくない?」

紅海月 :「時代は常に儂らを置いて進みゆくからの」

紅海月 :「これもまたひとつの"愛獲"」

紅海月 :「の、形なのやもしれぬ」

紅海月 :腕を組みながらうんうん、と頷いて。また茶を啜る。ずずっ。

GM :もはや店なのか寄り合い所なのかわからぬいつもの様相。

"極大門松" :「実際今のVは最早アイドル! 拙者ライブイベにスパチャにで今月素寒貧でゴザルよ」

"違法イカ@airハ-70" :「最悪オクもあるし大丈夫やろ」

紅海月 :「マツ。生活費まで推しに注ぐなど愚の骨頂とアレほど言ったじゃろがい」

紅海月 :「ウチに来ても余りモンの剥の隙くらいしか出せねえぞ」

GM :その言葉に客もどきたちは鼻白む。

GM :”あの”紅海月の口から出る言葉とは、これが。

紅海月 :「ほどほどが一番よ、ほどほどが!のう!」

"極大門松" :「それ"あかつき。"氏には言われたくないでゴザルが、……」

"極大門松" :いつもの調子で返そうとして、近頃の彼の枯れたような様子に言葉を切る。

GM :貯蓄という言葉を知らず、私財家財を湯水のようにオタ活へとつぎ込みとうとう破産寸前。

GM :狂楽区のカジノにて奇跡の一夜を当てなければ海に浮いていただろうと誰もが口をそろえる紅海月の今の姿が、これだ。

紅海月 :「茶美味ぇ~~~~」

"違法イカ@airハ-70" :「あかつきニキなんか最近達観しとらんか?」

"ピザ吐き隊" :「"""老い"""じゃん」

"ふわのん" :「哀れ。」

紅海月 :「誰がジジイか! ピッチピチじゃろ!この肌のハリは!」

"極大門松" :「いやそれこそがでゴザルよ"あかつき。"氏!!」

"極大門松" :「連夜の現場ハシゴの寝不足と破滅的食生活で荒れたおハダこそが"あかつき。"氏の勲章だったのではゴザらんか!!!」

紅海月 :「ぐっ……」

GM :肌カサカサなれど目はギラギラ、かつての飢えは鳴りを潜め今ここにいるのはただの健康男性。

"ピザ吐き隊" :「健康的生活、本来なら最優先すべきなんだよな」

紅海月 :「確かによ。見た目も中も干からび、しかし心はギラつき」

紅海月 :「儂はあかつき。……そういった心持ちが何より己の拠り所だったし、誇りだったよ」

紅海月 :「…………消えちまったんだ。ある日、ふっと」

紅海月 :「丹念に磨き上げた"聖剣"も。今や埃被ったダンボが住処よ」

紅海月 :「所詮儂は、たかが8時間睡眠の快楽程度に膝を屈する男なのさ」

紅海月 :「放っちょいてくれ」

"ふわのん" :「生きる意味を……失う!」

GM :やいやいと他愛もない話で盛り上がる店内。そこへガランガランと来客を告げるドアの鈴。

GM :そこには――

宍戸れみふぁ :「で……」

宍戸れみふぁ :「でんでょお……」

宍戸れみふぁ :「店長……うぅ、ぐす」

宍戸れみふぁ :くしゃくしゃに顔を歪ませたバイトの少女、本日は非番のはずだが。

宍戸れみふぁ :「駄目でしだぁあ……」

紅海月 :「あぁ? なんじゃあ、レミ」

紅海月 :「ははあ。また振り付けでもミスったかよ。かかかっ」

宍戸れみふぁ :「選考、今日が最後のチャンスだったの……」

宍戸れみふぁ :「うう、埋まっちゃったよう、磨羯のフェス枠」

宍戸れみふぁ :「せめて『磨羯666』の末席にでも潜り込めたらなんて思ってたけど……」

宍戸れみふぁ :「うぇーーーん、フェスぅ~~~~……」

紅海月 :「選考、フェス………」

宍戸れみふぁ :よたよたと、値札の貼られた古椅子へと倒れ掛かる。

"極大門松" :「れ、れみふぁ氏……! 拙者は応援してるでゴザルから……!」

"ピザ吐き隊" :(れみふぁが頑張ってること、俺は知ってるからな……)後方で腕組み

紅海月 :ぽくぽくぽく、と記憶の鐘を叩く。ああ。そういえば。島イチのトップスタァが、何やらそんな祭りを毎年開いていたっけか。

紅海月 :「ああ、あれか。ドラゴンボーンとかいう……」

"違法イカ@airハ-70" :「ドラゴンボーンを『とかいう』て。マジで終わりやね……」

宍戸れみふぁ :「もうこうなったら他区の枠と自由枠しかないんだけど……」

紅海月 :「ほう。なら、あるじゃねえかよ。チャンス」

宍戸れみふぁ :「そもそもお前どの面下げてって感じだし、なんでリンネ様の眷属になったんだよお前って話になっちゃうし……」

紅海月 :「あ奴なら、そういう気概の眷属は喜びそうなもんじゃがの」

宍戸れみふぁ :「いや……私じゃ全然足りてないよ……」

宍戸れみふぁ :「気概だけじゃ、アイドルなんてやっていけない!」

宍戸れみふぁ :「うぅ……自分で言っててヘコんできた」

"極大門松" :「れみふぁ氏……」

紅海月 :項垂れる少女をじっと見て。ぼそりと呟く。

紅海月 :「お前さんの言うことも最も。一理ある」

紅海月 :「確かに。レミは歌もダンスも……一人前と認めるにゃあ、少々足りてねえわな」

紅海月 :「けどよ。気概なくしてアイドルが務まらねえのもまた確かよ」

紅海月 :「ここに居る連中、みんな舞台上で心底楽しそうに笑うお前さんの姿にクラクラ来ちまってんだからよ」

紅海月 :「あまり卑下してくれるな」

"ピザ吐き隊" :「いきなりいいこと言うな……」

宍戸れみふぁ :「そうはいってもまだお情けの地下公演、それも前座しか出してもらえてないし」

宍戸れみふぁ :「ファンだってここにいるひとたちくらいなもんだから、なんかこう、親戚枠というか……」

"違法イカ@airハ-70" :「げ、現場踏めばファンも増えるから……」

宍戸れみふぁ :「ううん、駄目駄目負けちゃ、フェスは次もあるんだし!」

宍戸れみふぁ :ぐっと拳を握る。

宍戸れみふぁ :が、

宍戸れみふぁ :「あるのかな、次……」

宍戸れみふぁ :ぽつりと漏らす。

紅海月 :「あ?」

宍戸れみふぁ :「リンネ様言ってた、世界を変えるって」

紅海月 :「あー。ワールドツアーに乗り出す、とか言うてたの。たしか」

宍戸れみふぁ :「うん。"貴様たちの知る昨日は、消えてなくなるだろう"って」

千十嵐リンネ :『この千十嵐リンネが全てを支配する』

千十嵐リンネ :『新しい世界で、残らず幸福にしてやろう』

紅海月 :「………」

紅海月 :正味。

紅海月 :千十嵐リンネが世界を征服しようが。ありとあらゆる人々を幸福に導くその手法の詳しくを。

紅海月 :耳にしても。この冷えた胸を虚しく通り過ぎるばかり。

宍戸れみふぁ :「あーあ、出たかったな……」

宍戸れみふぁ :「ま、今回は裏方で頑張るしかないか」

"極大門松" :「RIN-NE様のワールドツアー……拙者もゼヒ行きたいものでゴザルが……」

"ピザ吐き隊" :「行ったらマジでオークション落ちでは?」

"ふわのん" :「まず、30万から!」

"極大門松" :「やめやめろ!」

紅海月 :「おい! そんなだから客が引いてくんじゃろが!」

"違法イカ@airハ-70" :「まず来てないぞ」

"違法イカ@airハ-70" :「というか実際真面目に」

"違法イカ@airハ-70" :「あかつきニキは行かんの? ドラゴボにしろワールドツアーにしろ」

紅海月 :「うっせぇわ!………んん」

紅海月 :しばらく黙り込んで。

紅海月 :「んんんん~~~~」

紅海月 :「………まあ」

紅海月 :「“推し”がこの道、歩くのやめちまったってんならよ」

紅海月 :「代わりにひとつ。杖にでもなってやるのが、真のファンって奴だわな」

紅海月 :「じゃ、出るか」

宍戸れみふぁ :「出るって、何に」

紅海月 :「"竜誕祭"」

宍戸れみふぁ :きょとんと。

宍戸れみふぁ :「え、でももう枠が……」

紅海月 :「わしが」

宍戸れみふぁ :「……ん?」

宍戸れみふぁ :「え、ちょっとまって」

宍戸れみふぁ :「今何、何て?」

"ピザ吐き隊" :「出る???」

"極大門松" :「い、行くの間違いでゴザルよね?」

紅海月 :「いや、出場枠に決まっとろうがよ」

"ふわのん" :「ええ……と思ったんですけど」

宍戸れみふぁ :「え、何、どういうアレで」

宍戸れみふぁ :「歌とか……得意なの?こう、コミックバンド的な……」

紅海月 :「“異街最強のアイドルオタク”がよ」

紅海月 :「“異街最強のアイドル”になって」

紅海月 :「テメェら全員にてっぺんの景色を拝ませてやるってんだよ!のう!」

宍戸れみふぁ :「すごい、何言ってるのかわからない」

宍戸れみふぁ :「まるで昔の店長みたい……かっこ……よくはないな」

"極大門松" :「ドルオタやれなくなったからドルになる……一理あるかも知れんでゴザル」

"違法イカ@airハ-70" :「言うほどあるか?」

"ふわのん" :「ないです」

紅海月 :「……おかしくない?」

紅海月 :「もっとこうさ。涙ドバドバ、かんどうじまじたでんじょう~~みたいな、さ……」

宍戸れみふぁ :「店長!F1が好きな人間がいくら願ったって車にはなれないんだよ!?」

紅海月 :「わしは車よりもはええ!」

宍戸れみふぁ :「そう思ってるなら堕落した生活で完全に頭がおかしくなってるんだよ!」

宍戸れみふぁ :「フェスだよ!異街のドラゴン・ボーン・フェス!」

宍戸れみふぁ :「ここで音楽やってるひとたちが命懸けで枠を争うあの!」

宍戸れみふぁ :「なんで今や昼寝しか特技がないオッサンに出るっていう選択肢があるのさ!」

紅海月 :「もうちょっと言い方ってもんない?」

宍戸れみふぁ :「これでも優しい方だよ!」

"極大門松" :「で、でもたしかに」

"極大門松" :「"あかつき"氏の打つオタ芸のキレはほぼダンサーの域でゴザルから……」

"違法イカ@airハ-70" :「MIXの声もやたら通るし……」

紅海月 :うんうん、と機嫌よく頷いて。

宍戸れみふぁ :「そうだった、このひとたち頭おかしいんだった……」

紅海月 :「なにもよ」

紅海月 :「マジに伊達や酔狂で言ってるわけでもねえ」

紅海月 :「てめぇ等が母ちゃんの胎ン中居る頃も七色の光を振り回してた儂だぞ」

紅海月 :「こと"異街のアイドル"について儂より詳しい人間など居ねえよ。多分」

"ふわのん" :「おじいさん……!」

宍戸れみふぁ :「考古学者だから恐竜より強いみたいなこと言わないでよ!」

宍戸れみふぁ :「ま、まあ……意味分かんないし頭変だけど」

宍戸れみふぁ :「外に出る気になったならそれはそれで……いいのか……も」

"ピザ吐き隊" :「ま、まあここでボーっとお茶飲んでるよりはいいのでは……」

紅海月 :にぃ、と笑って頭を擦る。

紅海月 :「うし。じゃ、ちょっくら出てくわ」

紅海月 :「わしの心配してくれんのはありがたいけどよ」

紅海月 :「てめぇの心配もしとけよ、レミ」

宍戸れみふぁ :「(ぽかーーん)」

紅海月 :「店番とか」

宍戸れみふぁ :「今日非番なんだけど……」

紅海月 :「『火照ルマンド』と『じゃがラプトル』」

紅海月 :「ごくわずか!仕入れ、頼んだぞおー」

宍戸れみふぁ :「在庫減らしてるの店長じゃん……」

宍戸れみふぁ :わけもわからぬまま、カウンターに座る。

"極大門松" :「しょ、正直意味分からんでゴザルが」

"極大門松" :「本気で出るなら……応援するでゴザルよ! 最前で!」

"ふわのん" :「頑張れよ! 頑張れ!」

"違法イカ@airハ-70" :「れみふぁちゃんと被らない限りは!」

"ピザ吐き隊" :「推しとかち合わない限りは!」

宍戸れみふぁ :「(何も買わないなら帰ってくれないかなぁ……)」

紅海月 :「責められねえ……その気持ちはよ」

紅海月 :憎々しげに呟いて外に出る。

紅海月 :久方ぶりに浴びる陽の光の眩しさに、目を細めて。

紅海月 :路地を征く。歩き出す。海月が揺れる。

紅海月 :そうして街の、人の波間に飲まれて消える。

GM :===

オープニング:時雨

GM :続いて、PC1の導入となります。

GM :===

GM :狂楽区と竜信教区、その境い目にその店はある。

GM :その存在を知らぬ者には行き止まりにしか見えないであろう、しかし目を凝らすを掲げられた看板がある。

GM :青い酒坏を描いた、

クユ :「……」

クユ :「本日は、ここにある胡桃を」

クユ :「全部、噛み砕く」

GM :カウンター席、カメラの前で少女が胡桃を積み上げている。

クユ :「クユが勝つ」

逆月亭の店主 :「クユちゃん、剝いてくれって頼んだけどちゃんと道具使ってくれや……」

逆月亭の店主 :店主である男が困ったように頬を掻く。

クユ :「エンターテイメント性が大事、と」

クユ :「バッチシ聞いた」

逆月亭の店主 :「そ、そっか……」

逆月亭の店主 :「まあ好きなだけやりな……中身は食べちゃっていいからよ」

"クテン" :「エンタメ性はたしかに大事だろォけどよ」

"クテン" :それを横で眺めていた白い短髪の若い男が、呆れたような調子で言う。

"クテン" :「なんでそれをクルミ剥きと組み合わせるんだよ」

クユ :「あらゆるところにネタはありますので」

クユ :「バッチシ聞いた」

"クテン" :「まァそれは事実だろうけどよ……!」自分も過去に木食わされているので強く出られない

アカネ :「なんか、最近すぐなんかの影響受けるんですよねこの子」

アカネ :カウンター席で酒をちびちびと舐める女性。

アカネ :血染めのコートにサングラス、剣呑な見た目に反して声は柔らかい。

"鬼精" :「シグル、酒が切れたぞ」

"鬼精" :「はよ次をよこせ」

アカネ :「キビさん……それ以上やられると私お家賃払えなくなっちゃうのですが……」

"鬼精" :「うるさい、キビに頼るのを止めたら聞いてやる」

アカネ :「……あの、なるべくお高くないのを……」

時雨 :「──ええ」

時雨 :カウンターに立っていた男性が、一つボトルを取り出す。

時雨 :それなりに良い銘柄だ。カウンターに置く。

"鬼精" :「スンスン……悪くないな」あるかもわからぬ鼻をひくつかせ

"鬼精" :「はよ注げ、もそっと注げ」

時雨 :「ですがせっかくならば、良いものを飲んで欲しいのが、雇われとしての想いですね」

アカネ :「あ、ああ……あああ……」

時雨 :「少々お待ちを……」

時雨 :カウンターから出てくる。//ざあざあ//

時雨 :小雨のような音が響き、ブロックノイズが散る。

時雨 ://ざあざあ//「──だいじょうぶですよ、アカネさん」

時雨 :二人の横に並んだ時には、元の男性ではなく、中性的な若者が立っている。

時雨 :「私は今日はもう、あがりですから」

時雨 :「客の一人として、飲み仲間へのおごりですよ。乾杯しましょう」

"鬼精" :「大した心がけだ」

時雨 :栓を開け、グラスに酒を注ぐ。

時雨 :「恐縮です」

"鬼精" :鬼精がコロコロとテーブルの上を転がる。

"鬼精" :サイズは猫程度、妖魔だろうか。

"鬼精" :棘の生えた小人、といった様相だ。

"鬼精" :「何か望みはあるか?代わりに叶えてやろうか?」

時雨 :「呑んだ酒瓶の容積のほうが、体より大きいのでは──ふむ、望みですか」鷹揚に頷く。

アカネ :「し、シグっさ」

アカネ :「ぜっっっっったい、はいって言っちゃ駄目です!」

アカネ :ガタンとテーブルを叩き、グラスから雫が漏れる。

"鬼精" :「ああ、もったいない」

"クテン" :「お、おォ、なんだすげェ剣幕だな」

時雨 :「ご忠告もありましたので、保留、ということで」グラスを傾ける。

アカネ :「こんな妖怪に関わったら人生めちゃくちゃにされますよ」

アカネ :「今後事あるごとに願いとかチラつかせてくるかもしれませんが」

アカネ :「ぜっっったい聞いちゃ駄目ですからね」

"鬼精" :「妖怪とはなんだ、神に向かって」

"鬼精" :「不敬だな、つまみをよこせ」

アカネ :「ぐうううう」

時雨 :「ふふ、人生ですか」

時雨 :「──実のところ、私も望みや人生の目標というものに、悩んでいるところなんですよ」

"鬼精" :「ほう、それはそれは」

"鬼精" :「望みは大事だ、それが人の生における最の大」

"鬼精" :「言え、言え、何を望む」

クユ :「クユの望みは」

クユ :「フラッシュ・チェスでホテル王をぶっ倒す」

時雨 :「今は、そうですね」

時雨 :「クユさんの望みを見守る、それがやりたいことです」席を立つ。

時雨 :「クルミ、分けてもらっても?」クユさんに。

逆月亭の店主 :「クユちゃん、あんたカジノの王様に遊んでもらってるのかよ……」

クユ :「遊びじゃない、真剣勝負」

クユ :バキリと胡桃を握りつぶす。

アカネ :「え、知らないんですかマスター」

アカネ :「クユちゃん、卓上遊戯にめちゃめちゃ強いんですよ」

アカネ :「フラッシュ・チェスのオンラインスコアは3位だし」

クユ :「ん」

クユ :さらさらと粉になった胡桃が時雨の皿へと降り注ぐ。

時雨 :「ありがとうございます」笑顔。

時雨 :皿をキビの前に置く。

時雨 :「ともあれ、クユさんの目標の高さは、実に素晴らしい」

時雨 :「実力もあるし、何より、諦めません」

時雨 :「生の軌跡を見守ることは、私の目的でもありますから──今のところ、望みは叶っています」

アカネ :「目標……目標かあ……」

"クテン" :「そうだ、高い目標は大事だぜ。夢を持て夢を」

アカネ :「ここ強い人多すぎません?変ですよ……」

アカネ :「いつになったらうちに帰れるのやら……」

逆月亭の店主 :「そういやよ、クテン」

"クテン" :「あァ?」手酌でもう一杯注ぎながら応えを返す。

逆月亭の店主 :「磨羯は今忙しんじゃねえのか、良いのかよこんなところで油売ってて」

"クテン" :「あァ~……ドラボンな」

"クテン" :「いいんだよ。ってか逆だ、忙しい中で今日は休みなんだよ」

アカネ :「ドラボン?」

時雨 :「ドラボンとは」

"クテン" :「あァ、お前らは最近来たばっかなんだっけか」

"クテン" :「なんかやたら馴染んでるからそんな気がしなくてよ」

"クテン" :「まァそれはいい。ドラボン──竜誕祭ってのは、この島の祭だよ」

"クテン" :「祭りっつっても、出店が出て盆踊り踊ってみてェなチャチなもんじゃねェ」

"クテン" :「ただでさえこのイカれた島のイカれた連中の祭りだ、しかも主催はウチの雇い主──千十嵐リンネだからな」

アカネ :「あ、リンネさん」

アカネ :「私ビックリしましたよ、色々と聴いたことあって」

アカネ :「凛の『さよならスカーレット』なんて高校受験のとき聴きまくってましたもの」

逆月亭の店主 :「ああ、その凛ってのは千十嵐リンネが表で曲を出すための影武者みたいなものだな」

逆月亭の店主 :「結構あるそうだぞ、ここで生まれたものが表には」

時雨 :ふむふむ、と頷きながら酒杯をあおっている。

"クテン" :「そうそう。アイドルなんざ大して知らなかった俺でも聞いたことある名前だからな。知ったときはたまげたもんだ」

"クテン" :「で、その島の内外に股ァかけた大アイドルの千十嵐リンネが開く、異街最大の音楽フェス──」

"クテン" :「このイカれた島の中で、音楽に命懸けてる酔狂モン共が集う祭」

"クテン" :「それが竜誕祭──ドラゴンボーン・フェスって訳だ」

クユ :「ドラゴンボー」

時雨 :「千十嵐さんは──確かに芸術に造詣が深い方、でしたからねえ」

時雨 :「なるほど大きなお祭り、興味深い。人死にが出ないといいのですが」

クユ :「あ、そうだ」

クユ :いつも持ち歩いているナップザックを取りあげて、中身をまさぐる。

クユ :「……ん、あった」

クユ :少々シワの付いた白い封筒を取り出す。

アカネ :「へーなになに」

アカネ :「ってこれ、フェス前夜祭のチケットじゃないですか、どうしたんです?」

クユ :「チェスの大会でぶんどった」

クユ :ふんと鼻を鳴らす。

時雨 :「流石です」手を叩く。

"クテン" :「そういやこの前、狂楽の方でなんか話題になってたが……お前だったのかよ」

"クテン" :「ナキのヤツが羨ましがるだろうぜ。アイツリンネ様のファンだからな」

アカネ :「時雨さん……一度クユちゃんの持ち物チェックしたほうが良いですよ……」

アカネ :「なんか賞金とか抱えてたりするんじゃないですかこの感じだと」

時雨 :「乙女の秘密ですからねえ……見せてくれないんです」困ったように笑う

時雨 :「しかし、恐らく貴重なチケットなのでしょうね。クユさんは観に行きたいですか?」

クユ :「当然行く」

クユ :「そしてクユが勝つ」

時雨 :「前夜祭で」

アカネ :「なんか趣旨をいまいち理解してないみたいですね……」

"クテン" :「胡桃の次は何に勝つんだよ」

"鬼精" :「おう、勝て勝て」

"鬼精" :「勝利はいいものだぞ」

アカネ :「キビさんクユちゃんにちょっかいかけないでくださいよ……」

"鬼精" :「ちょっかい?ソレにか?恐ろしいことを言うなよ」

時雨 :「クユさんが勝ちに行くのであれば、私も見届けなくてはいけませんね」

アカネ :「……どういう?」

アカネ :「まあいいか、しかしフェスかーいいなー」

アカネ :「うちは絶望的なド田舎だったからそういうの憧れあるんですよね」

アカネ :「チケット買っちゃおうかな」

"鬼精" :「そんな金があるのか?」

"クテン" :「つっても、そう安いもんじゃねェぞ」

アカネ :「その金を酒に変えているあなたに言われたくはねえですよ!!」

"鬼精" :「勝てばいいだろう勝てば、らんく戦とやらで」

"鬼精" :「そしたらより良い仕事も入るってもんだ」

時雨 :「チケット、このボトルくらいしますか?」酒瓶を傾ける。

"クテン" :「"クナーヴィ13年"か? それよかもっとだな」

逆月亭の店主 :「んー、わからねえぞ」

逆月亭の店主 :「千十嵐リンネは今度のフェスに賭けているって話だ」

逆月亭の店主 :「今までで最大の規模、収容人数」

逆月亭の店主 :「立ち見のB席の料金は普段のコンサート以下の価格に抑え、とにかく大勢を招待すると息巻いていたらしい」

"クテン" :「あァ、そういやなんか言ってたな」

"クテン" :「なんだっけか、『貴様たちの知る昨日は消えてなくなるだろう』……」

逆月亭の店主 :「この前やけ酒煽りに来たホテルの旦那が言っていたが」

逆月亭の店主 :「話によると野外ステージ作るのに山一つ切り崩したって話じゃねえか」

ホテルマン :『むっちゃくちゃでしょ』

ホテルマン :『最早狂気だよ、採算なんて考えちゃいない』

ホテルマン :『おれはフェスだけに私財ほとんど突っ込むなんて真似はできないって、他にも色々あるんだからさぁ!』

ホテルマン :『ああもう、勝負すらさせてくれないんだから……』

"クテン" :「あ~そうそう、そこの洞窟に住んでた無所属の妖魔が暴れまわってるから討伐しろってんで動員されてな……」

"クテン" :「次の日にはフェスの日取りに難癖つけに来た眷属じゃねェ木っ端稀族サマの雇われと戦わされて……」

"クテン" :「マジで毎日そんなんばっかりだぜ。今日はたまの休みだ」

雇われゴロツキ :『やいやい、どうなってやがるんでい!』

"クテン" :「明日になりゃまた山の麓のファベーラの立ち退きやらなんやらで駆り出されんのさ……」

雇われゴロツキ :『ニンゲン、カエレ、オヤマ、マモル』

"クテン" :「……クサバラのヤツ、あんなチンケな仕事してるクセに妙に強ェんだよな……」

"クテン" :「ナキのヤツは療養しつつなんとかチケット手に入らねェか奔走中」

"クテン" :「カザリはカジノんとこで練習ステージの準備やら、カワジとやってるあのオモチャ屋の事業でフェスに乗っかるとかで大忙し」

"クテン" :「エリはあの六電のお嬢様と一緒に技術面の協力の折衝でお山と商業区工業区を飛び回ってる」

"クテン" :「ラムネは……まァいつもの通りだが、裏番でフェスをブッちぎってやるって息巻いてる」

"クテン" :「だからただでさえ人の来ねェこの店は閑古鳥って訳だ」

逆月亭の店主 :「おい、言って良いことと悪いことがあるだろうがよ……」

時雨 :「通りで」ずっと逆月亭でバーテンダーをしている。

逆月亭の店主 :「あ、あれとかどうだ、ここにでっけーモニタ買ってよ」

逆月亭の店主 :「ネットにつなげてフェスの配信流すわけだ」

逆月亭の店主 :「ナウい感じじゃねえか?」

時雨 :「わざわざこの店に見に来ますかね?」

アカネ :「人と観たほうが楽しいでしょうし、案外需要あるんじゃないですか?」

アカネ :「問題は普段ここに来る客層がフェスに興味あるかどうかですけど」

"クテン" :「どうなんだろうな……」

逆月亭の店主 :「あいつら祭りだったらなんでもいいだろ」

時雨 :「興味あるというか、関係ある方が、事実来店されていないですから……」

逆月亭の店主 :「モニター……モニターなぁ」

逆月亭の店主 :ぶつぶつと言って、手元の携帯端末を弄り始める。

アカネ :「お仕事モードですね」

アカネ :「私もそろそろお仕事に備えて帰って寝ないとだ」

"鬼精" :「まだ瓶の中身が残っているぞ」

アカネ :「……じゃあここにいて勝手に帰ってくればいいじゃないですか」

"鬼精" :「お前を社代わりに遠隔顕現してるんだ、それができんと知っていようが」

"クテン" :「俺も明日があるし、ちっと早ェが帰るかァ……」

"クテン" :「ま、なんだ」

"クテン" :「前夜祭、楽しんで来いよ」

"クテン" :そう言ってクユと時雨の肩を叩き、御代をカウンターへ乗せて店を出る。

アカネ :その背中に

アカネ :「あ、そういえば私明日のバイトリーダーがコヨリさんなんで」

アカネ :「クテンさん、えへへ、お手柔らかに……」

"クテン" :「……はァ!?」

アカネ :「ほおら、行きますよ、あ、こら瓶離しなさいって!」

"鬼精" :「うむ、うむ」

"クテン" :「く、クソ……シグル、お前協力……いや前夜祭があんのか……!」

アカネ :「途中まで一緒に帰りましょうよ、この前変なのに襲われたんですよ」

アカネ :クテンを追って。

"クテン" :「変なのなんざこの町にいくらでもいんだろォが! それより不意打ちとかすんじゃねェぞ!」

アカネ :「集団でドナーカード投げてくるんですよ、もうわけわかんなくて」

アカネ :「そんな、時間外勤務なんてしませんよ、安心してくださいって」

"クテン" :「あ~あれだろ、前カワジが言ってた……」

"クテン" :ぎゃあぎゃあ言いながら暖簾を潜る。

時雨 :手を振って二人と一柱を見送る。

GM :残されたのは、ふたり。

クユ :「時雨……」

クユ :「フェスの、ルールは?」

時雨 :「……マスターも奥に行ってしまいました、店じまいですかね」

時雨 :「ルール、ですか?」

クユ :「ここにある、出演者ってのを全員倒せばいい」

クユ :同封のパンフレットを広げ

時雨 :「そうですね、このようなお祭りでよく聞くのは」

時雨 :「”楽しんだもの勝ち”、でしょうか」

クユ :「それは負け犬のセリフ」

クユ :「クユはもう立派な勝負師、あまりバカにしないほうが良い」

クユ :「もう子供扱いは、しない」

時雨 :「失礼しました」

時雨 :「それなら、クユさんと、フェスで戦う方たちに敬意を表して」

時雨 :「”楽しませたら勝ち”、こちらでいかがでしょう」

クユ :「それならば」

クユ :「得意分野、いっちょ前の、エンタテイナァなので」

時雨 :「舞台に上がる日も遠くなさそうですね」

クユ :「じゃあ、帰って敵情調査」

クユ :「過去の、フェスのアーカイブ、出演者の動画、調べることはいくらでもある」

クユ :「クユはそうやって勝ってきた」

時雨 :「敵を知り己を知れば、ですか」

時雨 :「わかりました。すぐに、取り掛かりましょう」

時雨 :グラスを流しに片付け、クルミの粉末は冷蔵庫にしまう。

時雨 :「モップがけは……もう上がっていますし、マスターにおまかせしましょう」

時雨 :「では、帰りましょうか。クユさん」

GM :そうして、店の灯りが落とされる。

GM :あなたは、この時は思ってもいなかった。

GM :ただの音楽フェス、そのはずが。

GM :まさか、あのような……。

GM :今はただ、前夜祭がナップザックの中でその日を待っていた。

GM :==

オープニング:マスターシーン

GM :続いて、マスターシーンになります。

GM :==

GM :真白ももあは、異街に足を踏み入れた。

GM :船に乗っていたはずだ、何日も乗っていたように思うし、一瞬であったようにも思える。

GM :異界、と言われてもピンとは来ない。知らない土地、あなたにとって外国とそうかわりはしない。

GM :船を降り、"協力者"の元へと案内された。

GM :ただ、その顔が……声が、何故か思い出せない。

協力者 :「いきなりで、困惑してるだろう」

協力者 :「あなたはただの一般人と聞いている」

真白ももあ :「困惑しかないけど……逆に困惑ばっかりだから、もうこんなもんなのかな?って感じです」

真白ももあ :「ただの一般人には許容量をとっくに超えることばっかりですよー」

協力者 :顔は思い出せない、だがその人物が手元で弄ぶ銀の輝きはいやに鮮明に思い出せる。

協力者 :「なに、いやでも"知る"ことになる」

協力者 :「異街では、外へと取り出した本来目に見えないものはコインの形をとる」

協力者 :ピン、と数枚それを弾く。

協力者 :「記憶、技能、知識」

協力者 :「貨幣は最もわかりやすい"価値"のアイコンだからね」

真白ももあ :相変わらず現実味はない。

真白ももあ :が、「そういうもの」なのだろうと理解する。

協力者 :「あなたに必要なものは、すべてこちらで用意してある」

協力者 :「あとは、受け取るだけだ」

協力者 :そう言うと、"協力者"はあなたの首筋に、

協力者 :まるで自販機でコーヒーでも買うかのように、そのコインを差し入れた。

真白ももあ :「…………!?」

協力者 :「知識…異街について」ちゃりん

協力者 :「知識…この世の裏、忍び、妖魔、隠されていたもの」ちゃりん

協力者 :「そして、それに対抗するための、ちから」ちゃりん

協力者 :瞬間、すべてが一度に流れ込んでくる。

協力者 :あなたの脳に、洪水のように。

協力者 :まるで"はじめから知っていた"かのように、そうあろうと。

協力者 :"はじめから備わっていた"かのように、己の席を求めて。

協力者 :外付けの"価値"が、殺到する。

真白ももあ :眩暈がする。

真白ももあ :人間の脳を簡単に弄れるはずがない、と灰谷に言ったのに。

真白ももあ :それがまさに自分の身に起こっている。

協力者 :「これで、説明は必要が"なくなった"」

協力者 :「あとは、"実感"か」

協力者 :言うなり、それを向ける。

協力者 :拳銃、あなたがドラマの撮影で使ったよりも、鈍く、硬い。

真白ももあ :「な……っ」

協力者 :あっけなく引き金が引かれる。

協力者 :まだ幼さの残る少女に向けて、その生命を絶たんと迫る凶弾。

協力者 :それが"ゆっくり"とあなたを目指すのを、

真白ももあ :ふ、っと身体を少しずらすことで

真白ももあ :どうしてか、ありえないはずなのに。

真白ももあ :銃弾が撃たれるのを見てから避けることが出来た。

真白ももあ :「……な、な……」

真白ももあ :口をパクパクさせる。

真白ももあ :いきなり銃を撃たれたことより、自分が避けられてしまったことに。

真白ももあ :「……これが、世界に隠された……『ちから』?」

協力者 :「おめでとう、そう。それがあなたの新しいちからだ」

協力者 :「使い方は、今のあなたの方がよっぽど詳しいだろう」

真白ももあ :「……コイン……誰かのものだった『ちから』」

真白ももあ :「それを私が……今は使えるのね……」

協力者 :「そうだね、だけど」

協力者 :「あなたのいちばんのちから、それはあくまで元々磨き上げたソレだ」

協力者 :「この異街の地で、誰よりも強いかもしれないもの」

協力者 :「強くあってもらわねば、困るもの」

協力者 :「かの希族街の王、千十嵐リンネよりも」

真白ももあ :なるほど、自分はこんな隠されたルールなんて知らない一般人だった。それがこうして呼ばれ、外付けの力を授けられたのは。

真白ももあ :最強のアイドルだからこそだ。

GM :そう、そのために呼ばれた。

GM :協力者の言葉と同時に、脳裏にはじめて見る、だが馴染みのある顔が浮かび上がる。

千十嵐リンネ :――異街最強のアイドル。

千十嵐リンネ :その歌声を、振る舞いを、優雅な足運びを。

千十嵐リンネ :"思い出す"。

真白ももあ :ああ、知っていた……『ことになった』。

真白ももあ :千十嵐リンネ、たしかにとても素晴らしいアイドルだ。だが。

真白ももあ :「……リンネさんを許すわけにはいかない」

真白ももあ :「彼女の望む世界は、私が受け入れられるものではないから」

GM :決意と共に、記憶の淵より浮上する。


GM :清潔な会議室に、人が詰められている。

灰谷 :あなたの隣には灰谷、いつものように無表情。

淀沼九皐 :向かって正面、神経質そうに周囲を睨む男。

淀沼九皐 :確か、淀沼と言ったか、同じ船に乗っていたはずだ。

GM :そして、同じく船旅を共にした集団。

GM :僧侶や侍のような、時代錯誤な装束。

GM :その集団の中央でせわしなくあたりを見回す人物だけが女性で、飛び抜けて若い。自然と目を引いた。

合馬桜華 :周囲の恰好から浮いた、現代的なミニスカートにベストを合わせた制服姿の少女

合馬桜華 :周りから注文を聞いてドリンクを用意してきたり、ときどき上がっては戻ってきたり

合馬桜華 :その様ははしゃいでいるようにも、警戒しているようにも見え。

真白ももあ :「可愛い子がいてよかった!あなたもアイドルなの?」にこやかに合馬さんに話しかける。

合馬桜華 :じっと淀沼の方を向いていた視線が、ふとももあの方を向く

合馬桜華 :「かわいい! いやぁ……!」照れながら手をひらひら振って

合馬桜華 :「そっちこそカワイイ……アイドル?」あいどる、とは、偶像の事である

合馬桜華 :纏っていた緊張感とは高さの違う単語の出現に首を傾げる、彼女はアイドルらしい

合馬桜華 :「も、ということは、そちらさんは……アイドル?」

真白ももあ :「そっかぁ。他にも私みたいにアイドルの子が呼ばれたのかと思ったけど、忍者の専門家の人も呼ばれるよね」うんうんと頷いている。

合馬桜華 :(あ、割とガッツリ事情通じてる)

真白ももあ :「うん、私は真白ももあです。アイドルしてます」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「え、オウカ知らんアルか!?」道士服を着た女が驚いたように声を上げる。

合馬桜華 :「申し訳ない知らないです、有名だったり?」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「真白モモアて言ったらもうメチャクチャ有名ヨ!」

真白ももあ :「私のこと知らないってことは、よっぽど『普通の社会』で生きてないってことだから。忍者のお仕事を専門にやってる人かなって思ったの」

合馬桜華 :「へぇ……じゃあ、そんな大物を今回のために」

合馬桜華 :普通の社会、という言葉に何とも言えない顔をしつつ、よく呼んだなー、となりながら

真白ももあ :「ありがと~、あなたは知っててくれるんだね」風風さんにほほえむ。

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「哇! 真白モモアに認知されたヨ! ウチのヤツらに永遠自慢できるアル!」

合馬桜華 :「土産話には十分そう」笑って返す

淀沼九皐 :「チッ、田舎侍どもがはしゃぎよって……」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「……あー、申し訳ありません」大柄で細目の男が居心地悪そうに汗を拭う。

合馬桜華 :「シノビの世界に単身乗り込むアイドル、かぁ……めっちゃ強いね」

真白ももあ :「単身じゃないよ。マネちゃん……灰谷さんも一緒だし」

真白ももあ :「あなたたちみたいに、同じ志の人が一緒に居てくれるから」

真白ももあ :「一人じゃないから大丈夫だよ」

合馬桜華 :「なーるほど……説得力に溢れてる」笑って

合馬桜華 :(これが最強アイドルかぁ……)

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「真的天使一样……」

真白ももあ :「モチベーションは高い方がいいんじゃないですか?その方が成功率も高くなるでしょう?」淀沼さんに。

真白ももあ :「なんて。忍者の世界のことは、素人ですから。わかりませんけど」

合馬桜華 :「良い事言うね、ももあちゃん」

合馬桜華 :「多分、そういうのはどこでも一緒だと思う!」

真白ももあ :「そっかぁ。ありがと、えっと……」名前を呼ぼうとして首をかしげる。

合馬桜華 :「桜華! 合馬桜華ね、よろしく」

真白ももあ :「桜華ちゃん!よろしくね、桜華ちゃん」彼女の手をとって、ぎゅっと握る。

真白ももあ :「いっしょにがんばろうね」

合馬桜華 :触れた手は、ぞっとするほど冷たい

合馬桜華 :「うん!」

合馬桜華 :握り返しながら笑って

真白ももあ :「わぁー、手つめたいよ!船さむかった?」

真白ももあ :ぎゅぎゅっと手を強く握る。

GM :色めき立つ会議室、その扉が開きひとりの女性が入ってくる。

合馬桜華 :「うわぁ……アイドルスキンシップ……」その言葉と、凄い目で見てくる周囲に困惑しつつ、向きなおる

真渕カヅキ :「……お揃いのようですね」

真渕カヅキ :白い、女性だ。

真白ももあ :女性を見てぱっと桜華ちゃんから手を離し姿勢を整える。

真渕カヅキ :髪は新雪のようで、肌はいやに青い。

真渕カヅキ :どこか人形のような、硬質な印象を与える美貌。

合馬桜華 :(……異なる美ってやつかも)

真白ももあ :この人もアイドルなのかな、と一瞬思うも、『記憶』がそうではないと告げている。

淀沼九皐 :「紹介しよう、六塔電子竜骨島支社長、真渕カヅキ氏だ」

淀沼九皐 :「六塔の名は田舎者でも聞いたことがあるだろう、ここ現地での協力企業として力になってくれる」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「ご協力、心より感謝いたします」居住まいを正し、頭を下げる。

真白ももあ :「心強いです」カヅキさんに微笑む。

合馬桜華 :「よろしくお願いします!」一礼

真渕カヅキ :「いえ、"国家事業"ですからね、こちらとしても噛ませてもらいありがたい限りです」

真渕カヅキ :「あなたたちがここで活動する上でのバックアップはこちらで行います、不自由はさせないのでそのつもりで」

真渕カヅキ :「ですが、戦力面での支援、協力というのは無理だと思って欲しいです」

真渕カヅキ :「こちらにも異街を四つに分ける【王】としての立場があります、六塔電子対磨羯一家という形はいかにもまずい」

真白ももあ :(えっと、異街は4つの勢力に分かれてて、それぞれに王がいて、そのひとりがこのカヅキさん……か)『記憶』を思い出す。

合馬桜華 :(政治の話かー……)髪を撫でて

真白ももあ :「ええと、千十嵐リンネも【王】のひとり、ですもんね」

真渕カヅキ :「よく"ご存知"で」

真白ももあ :「おかげさまで」微笑む。

合馬桜華 :(下調べ……じゃないな、術かな)

真渕カヅキ :「では、細かい解説はそちらの淀沼さんを通してもらうとして」

真渕カヅキ :「私どもの本題を」

真渕カヅキ :そう言って、机の上へとソレを滑らせる。

真渕カヅキ :古い型の、携帯電話端末。

真渕カヅキ :ところどころ塗装の欠けた、年季を感じさせる逸品だ。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あ、桜華ちゃんだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[やっぱ来たんだね、ボクのメッセージが届いたわけだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :そこから発せられるのは、あなたにとって馴染みの声。

合馬桜華 :「……え!?」突然呼ばれ慣れた調子で声をかけられ

ハーミィル・ムゥ・ムール :魃副隊長/ハーミィル・ムゥ・ムール

ハーミィル・ムゥ・ムール :通称ハム。

合馬桜華 :後ろで留めた髪の毛がピンと逆立つ

合馬桜華 :「副隊長……?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あれ、みんなも、やあよく来たねえ来るのは桜華ちゃんだけだと思っていたよ]

合馬桜華 :「えへへ、ウチがどうも心配かけちゃうみたいで……」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「嗯~、オウカも心配だし、比良坂はチョトネ~」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「……副隊長、連絡途絶と聞いていましたが」

合馬桜華 :「じゃない、えっ……今何処に?」照れストップ、問い返す

合馬桜華 :「無事だったら連絡欲しかったって言うか……」淀沼の方をちらと見て

合馬桜華 :「でも、たぶん違うんですよね」残念そうに

真渕カヅキ :「我々が彼女のセーフ・スポットのひとつを突き止めたとき」

真渕カヅキ :「そこにあったのはバラバラになったムール氏の遺体、それとこの電話端末でした」

真白ももあ :さすがに驚いて目を瞬かせている。

合馬桜華 :眼を見開く

ハーミィル・ムゥ・ムール :[やー、なんかね、死んじゃったみたいなんだよボク]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[こんな姿で申し訳ない]

合馬桜華 :色々な感情が押し寄せては引いて、一周回って冷静さが戻ってくる。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[これは何かあったときの保険だったんだけどね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[すごいね異街、こんなに簡単に情報を物質化して外部へ取り出すことができるだなんて]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[まあ今はそれはいいか、ええとなんだっけ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そうそう、ヴルフくんとリンネちゃん]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ボク、なんか結構これだ!ってのを突き止めたんだよね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[だからこうして処理されちゃったのかな]

合馬桜華 :こんな姿になってでも、伝えたかったほどの大きな情報……

ハーミィル・ムゥ・ムール :[それで肝心なその情報なんだけど……]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[不完全なんだよね]

合馬桜華 :「不完全?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[無くなっちゃった、てへ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ボクもなんか覚えてなくて、思い出せない?]

合馬桜華 :「ハムさぁん!? いや、こうやって話せてるだけありがたいけどぉ……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[データも残ってなかったっていうし、周到だねぇ]

合馬桜華 :「なんとかこう、手掛かりとかあったりしません?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[いやなんか、断片的には思い出せるんだけどね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[全容がしっかりしてない情報で皆を惑わせるわけにもいかないからさ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ピースがハマッたら、おいおい説明するよ]

合馬桜華 :「はい! ……また後でがあるのが、ちょっと嬉しいです」

真渕カヅキ :「事実、彼女の拠点からは情報が破壊、あるいは持ち去られた形跡がありました」

合馬桜華 :「誰かが証拠隠滅した……するくらいの何かを掴んでたんですね、副隊長は」

真渕カヅキ :「ですが、検分を行ったウチのものの所感によりますと」

真渕カヅキ :「ムール氏を殺害した存在と、データを消した存在は別なのではないか、と」

真渕カヅキ :「手口から受ける印象がまるで違う、のだと」

真白ももあ :「敵がいっぱいいるのかな?」

真渕カヅキ :「そういう感じでもないそうです」

合馬桜華 :「印象が……」手口から手際、使い手の性格まで読み取る、一流の集団だ、と理解できた。

真渕カヅキ :「おそらく、両者共に単独犯であろうと」

合馬桜華 :(そこまで)

"霊王楽寧"楽座 梟 :「別の思惑を持った敵が、それぞれ別個にいると?」

真渕カヅキ :「ええ、それについては六塔支配区での殺人事件として調査を継続します」

真渕カヅキ :「あなたたちは本来の仕事に専念なされると良いでしょう」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[やーー、迷惑かけるね~~]

真白ももあ :「どっちの犯人も見つかるといいね」桜華ちゃんに。

合馬桜華 :「ありがとう、ももあちゃん」

合馬桜華 :「はい、よろしくお願いします!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あ、それとボクは今後そこのアイドルちゃんが携帯してくれよ]

真白ももあ :「……え?私?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[元々、彼女を支援するのがボクの役目だったんだしね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[桜華は、みんなもいるし大丈夫だろ?]

合馬桜華 :「任せてください、ウチは強いので!」ビシッと拳を向けて、見えているかわからないが強がる

"霊王楽寧"楽座 梟 :「ええ、合馬さんのことはこちらが。……副隊長」

合馬桜華 :「副隊長はももあちゃんをお願いしますね、いい子だし、有名人らしいので!」

真白ももあ :「じゃあ、桜華ちゃんも寂しくなったらいつでも私のところにきてね。えっと……ハムさん?といつでもお話していいから」

真白ももあ :「よろしくお願いします、ハムさん」携帯電話に向かってお辞儀。

淀沼九皐 :「ハーミィル、"わかっている"のだろな?」

淀沼九皐 :含みを持たせた声。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[やだなあキュウちゃん、相変わらず顔が怖いよ~~、見えないけど、アハハ]

合馬桜華 :「キュウちゃん」

合馬桜華 :あまりにその外見とノリからは想像できないあだ名が飛び出し、しばし携帯と男を交互に見る

真白ももあ :「キュウリみたいで可愛い~」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[わかってる、わかってるって]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ただ、やれるならやっちゃっていいだろ?彼女その気みたいだし]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ああよろしく]

灰谷 :「真白ももあは最強のアイドルです、やってのけますよ」

真白ももあ :「何をする気なんでしょうか……お手柔らかに」微笑む。

淀沼九皐 :「チッ……」

淀沼九皐 :「もとより、期待はしていない」

淀沼九皐 :「千十嵐リンネには、勝てない」

淀沼九皐 :「あれはもはや普通の吸血鬼とはモノが違うのだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そだね、もう別種の生き物だと思っていいかな]

真白ももあ :「じゃあ、キュウちゃんさんは負けるためにここに来たんですか?」

淀沼九皐 :「違う、"負けない"ために来たのだ」

合馬桜華 :「勝てない相手に、負けないために……」

淀沼九皐 :「そのための情報は、既にそこの電化製品から掴んでいる」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「比良坂のこと、無策であるとは思っていませんが」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「一体どのような方策を?」

淀沼九皐 :「末端風情に教えるわけがなかろう」

淀沼九皐 :「せいぜい私の邪魔だけはしないことだな」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「出た! 日本名产条条行政!」

合馬桜華 :(それくらい綱渡りな事……じゃないといいな)教えない、という言葉に

真白ももあ :「私は普通の吸血鬼のこともよく知らないので分かりませんが」

真白ももあ :「信頼する人が、千十嵐リンネに勝つには最強のアイドルが必要だと思ってくれている」

真白ももあ :「なら、私は勝つつもりでいます」

真白ももあ :「最強のアイドルなので」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[いいねーがんばろー]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[おー]

GM :==


GM :日時は、その翌日。

GM :ドラゴン・ボーン・フェス、前夜祭。

クユ :「来たぞ」

クユ :ごった返す人の波を睨む。

クユ :「今日はクユたちは、お客様だから、応援するのが仕事」

時雨 :「来ましたね。ええ──準備はしています」アイドルを応援するのにふさわしい姿だ。

時雨 :サイリウムが妖しく光る────

クユ :「準備は、バッチシ」

時雨 :「いざ参りましょう」

クユ :意気揚々とアーチを潜る。

クユ :指定は立ち見ではないA席、番号に従い歩を進める。

クユ :そうして、たどり着いたその指定席。

ホテルマン :「や、偶然だね」

時雨 :「おや、ホテルマンさん」

クユ :「あ、ホテル王」

クユ :「次は……勝つ」

時雨 :「希族街にフェスを取られて、不貞腐れていたとお聞きしましたが──」

ホテルマン :「いつでもお待ちしてますよ」

ホテルマン :「それと、なんだいそれは、やだなあ」

ホテルマン :「おれがそれしきでおうちに籠もっていつまでも泣いていると?」

時雨 :「やはり、楽しみたいものですか」

ホテルマン :「あと偶然なわけ無いだろ!とかそういう良い反応を期待していたんだが」

ホテルマン :「相変わらずマイペースなふたりだねえ」

時雨 :「お待たせしてしまいましたか?」

ホテルマン :「いやいや、ぜんぜん」

時雨 :「それならよかった……失礼します」クユさんを挟んで席につきます。

ホテルマン :「それに娯楽を支配する【カジノの王】としてこの日を楽しみにしていたのは事実なんだ」

ホテルマン :「こうなった以上観客として堪能させてもらうさ」

時雨 :「ええ──」

クユ :「フンフン」出店のパンフレットを眺めている。

時雨 :「そして、クユさんは勝ちに来ていますからね」

クユ :「クユと時雨が応援力が、一番高い」

クユ :「事前対策した」

時雨 :「ええ。彼女がきっと、貴方を楽しませるでしょう。もちろん私も」

クユ :顔をあげ。

GM :ふと、遠くから賑やかな声が近づいていくる。

宍戸れみふぁ :「と、とおして、通してくださ―い!」

宍戸れみふぁ :「あ、ごめんなさーい!ホラ!店長!はやくして!」

宍戸れみふぁ :「折角関係者価格でA席手に入ったってのに寝坊するんだから!」

宍戸れみふぁ :オレンジのポニーテールを揺らした少女が人波をかき分けてくる。

紅海月 :「本祭でもなし。ええじゃろ始まってからでもよう……」

紅海月 :少女に手を引かれ、空いた手で瞼を擦る包帯まみれの、和装の男。

宍戸れみふぁ :「オ、オタクの言うことじゃない……」

紅海月 :「しかし……眷属も伊達ではないのう。いい席じゃねえの」

紅海月 :「アイドル見るなら最前線。立ち見でナンボなんて時代はもう古いからの!」

紅海月 :「菓子とか売ってるかな?」

宍戸れみふぁ :「あ、どうも、今日はよろしくおねがいします」

宍戸れみふぁ :ぺこぺこと隣の席のあなたたちに頭を下げてくる。

クユ :「ん」

ホテルマン :「どうも、よろしく」

時雨 :「これはご丁寧に。どうぞよろしくお願いします」膝を組んでいる。

宍戸れみふぁ :「……って」

宍戸れみふぁ :「ホテルマン!さんだ!え、なんで一般席いるんですか!?」

紅海月 :「古風な服装じゃのう。旦那……」時雨さんとクユをちらりと見て。

紅海月 :「ゲッ!」

紅海月 :「マジじゃん! なんで!?」

ホテルマン :「なんでって、席を買ったからさ」

ホテルマン :「ちゃんとホームページに張り付いてね」

ホテルマン :「3枚手に入れて、うち2枚はこのふたりへ」

宍戸れみふぁ :「カジノ王もするんだ……チケット戦争……」

紅海月 :「(お腹痛くなってきたの)」この狂楽の王はニガテなのだ。

時雨 :「フラッシュチェスの戦利品では──お相手がホテルマンさんだったのですか」

クユ :「2位の景品だった」

クユ :ぱたぱたと足を振る。

時雨 :「それはそれは」

灰色兎 :「(あ?カジノ王?……)」

灰色兎 :紅海月の隣の席に位置する青年の膝の上、横目で見る。

灰色兎 :「ゲッ」

ホテルマン :「おや?」

ホテルマン :「……あなたは、へえ」

明日葉 セイ :「……どうかしました?」

ホテルマン :「ごきげんよう、グレイラビット」

ホテルマン :「その子があなたの"とっておき"かな」

明日葉 セイ :「え」

灰色兎 :「セイ、無視しろ無視」

灰色兎 :「食い物にされるぞ」

明日葉 セイ :「え、でも、あの、お知り合いですよね……?」

ホテルマン :「やだなあ、それはお互い様じゃないか」

明日葉 セイ :金髪碧眼の青年。行儀良く席に座っている。

明日葉 セイ :……膝に自称プロデューサーを乗せて。

ホテルマン :「もっと交流を深めましょうよ、狂楽区の販路は強いよ?」

灰色兎 :「セイはな、お前の助けなんて必要ねえんだよ」

明日葉 セイ :「え、え」左右を両方見る。

明日葉 セイ :その度に髪がさらさらと揺れ、照明の光を弾く。

明日葉 セイ :(ぎょ、業界トーク……!)

灰色兎 :「いいかセイ、よく見てろよ」

明日葉 セイ :「はいっ」

灰色兎 :「千十嵐リンネは当然だが、今日の出演者」

灰色兎 :「最低でもひとりはぶっ倒して最終日への参加権を分捕る必要がある」

明日葉 セイ :「……!」

ホテルマン :「あは」

ホテルマン :「なるほど、既に枠は埋まっているはずなのに」

ホテルマン :「どうするつもりかと思えば、面白いねえ」

明日葉 セイ :(……ほんとに、むちゃくちゃな案だよ……)

明日葉 セイ :(でも、やると決めたら、やるしかないっ)

ホテルマン :「このフェスそのものが、千十嵐リンネが心血を注いで完成させた儀式結界だ」

ホテルマン :「飛び入りでも何でもより強いアーティストであることを示せば、フェスに"認められる"」

ホテルマン :「ただ、凡百の表現者じゃそもそもステージそのものにたどり着けないだろうがね」

明日葉 セイ :「…………」

灰色兎 :「んなもん当然心配しちゃいねえよ」

明日葉 セイ :「あの、あの」

明日葉 セイ :「おれはあなたのこと、本当にはちゃんと知らないんですけど」

明日葉 セイ :「おれ、プロデューサーについていくと決めたので」

明日葉 セイ :「そのプロデューサーがそう言ってくれているので」

明日葉 セイ :「だから、大丈夫です」

ホテルマン :「おやおや、強敵だ」

ホテルマン :「フェスにはうちの所属からもいくらか出る」

ホテルマン :「俄然楽しみになってきたね」

宍戸れみふぁ :「……」

明日葉 セイ :(楽しみ、とか言っちゃえるんだ。すごいな)

明日葉 セイ :「頑張りますっ!」

明日葉 セイ :ヤケのように声を張る。

宍戸れみふぁ :先程から、口をぽかんと開けて明日葉セイの顔を見続けいる、れみふぁ。

宍戸れみふぁ :「……セイ、ちゃん?」

明日葉 セイ :「え?」

明日葉 セイ :ホテルマンから視線を外し、そちらを見る。

宍戸れみふぁ :「やっぱりセイちゃんだよね!」

明日葉 セイ :「ん」

宍戸れみふぁ :「うっわ、久しぶり」

宍戸れみふぁ :「おっきくなったねぇ~~~」

明日葉 セイ :「ん、え、あれっ」

宍戸れみふぁ :「……あ”」

宍戸れみふぁ :しまった、というように口に手をやる。

宍戸れみふぁ :「えっと、これまだ禁句だったりする?」

明日葉 セイ :目をぱちぱちさせて。

明日葉 セイ :「れ」

明日葉 セイ :「れみちゃん……?」

明日葉 セイ :「あ、あの、いや、禁句とかまでは」

明日葉 セイ :腕をぶんぶん振る。

宍戸れみふぁ :「そうだよ!れみふぁだよ!」

宍戸れみふぁ :「えー、すごい偶然!」

宍戸れみふぁ :「えっと、さっきそこのウサギさんが」

宍戸れみふぁ :「出るの!?フェス」

灰色兎 :「おう、出るぞ」

明日葉 セイ :「う、うん……出ます!」

紅海月 :「なんじゃ、レミ」

紅海月 :「この兄ちゃん、お前さんのこれ?」小指を立てる。

明日葉 セイ :「うえ、そういうのでは……!」

宍戸れみふぁ :「わあ……すごいなあ」

宍戸れみふぁ :「ちゃんと続けてたんだ……」

宍戸れみふぁ :「私もね、続けてたよ」

明日葉 セイ :「ほんとに!?」

宍戸れみふぁ :「でも、えへへ、その」

宍戸れみふぁ :「てんで駄目で……」

宍戸れみふぁ :「フェス、狙ってたんだけど、バックダンサーにすら……」

明日葉 セイ :「……おれも、こないだまで全然だったし」

明日葉 セイ :「今もなんか、賭けみたいなことやってる感じだけど」

明日葉 セイ :「でも、とりあえず一歩は進んだんだ」

明日葉 セイ :「れみちゃんも、きっといいことあるよ……!」

宍戸れみふぁ :「ううん!賭け事じゃない挑戦なんかないよ!すごい!」

ホテルマン :「あ、いいねそれ、おれが言ったことにならないかな」

ホテルマン :「買うよ?」

宍戸れみふぁ :「えっ、えっ」

宍戸れみふぁ :わたわた。

明日葉 セイ :「おれはれみちゃんの言葉として受け取ったので」

明日葉 セイ :「れみちゃんの言葉だよ」

灰色兎 :「相手すんなよ、こいつ流の面白くねえジョークだよ」

ホテルマン :「辛辣だなあ……」

明日葉 セイ :「あっ、そうなんですか!」

明日葉 セイ :「あ、そだ。れみちゃん。連れの人はなんか……お友達とか?」

紅海月 :「てめえの全部、ベットしたであろう賭場の数が両手の指で足りねえ奴だ」

紅海月 :「普通だったら耳塞いでさっさと逃げるが勝ちなんだけどの……のう……」

紅海月 :「あっ、儂?」

明日葉 セイ :「はい。お友達ならご挨拶をって」

紅海月 :「礼儀正しいええ子じゃの……キャロレコ期待の新人……うむうむ」

紅海月 :「申し遅れたの。儂の名は、紅海月」

灰色兎 :「あ。お前……」

紅海月 :「レミのバイト先のしがない土産屋の店長じゃ……あ?」

明日葉 セイ :「知り合いですか? さすが顔が広いなあ」

灰色兎 :「雰囲気がぜんぜん違うから気付かなかったぜ、姿見せねえからてっきり死んだかと」

紅海月 :「………」値踏みするように膝の上の兎を眺めて。

紅海月 :「まっ。暫く引きこもってたからの」

灰色兎 :「んだよ、テメーみたいのが姿見せねえ理由死ぬ以外にあんのかよ」

明日葉 セイ :「物騒ですよ、プロデューサー」

灰色兎 :「ったく、下手なアイドルより目立つようなような奴だぞ」

灰色兎 :「イカレ客といえばで真っ先に名前があがるのがこの紅海月だ」

明日葉 セイ :「あ、客席側!」

紅海月 :「誰がイカレか」

宍戸れみふぁ :「いや、そこは否定できないような……」

宍戸れみふぁ :「ごめんねウサギさん、このひとまともになっちゃったの」

宍戸れみふぁ :「だから給料を上回る金額握手券に突っ込んだりは最近やってないんだ」

時雨 :「イカレ客は、まともになるか死ぬか、なんですね。興味深い……」

紅海月 :「"ちょっと"聖剣振り回して"ちょっと"積んで"ちょっと"固定レス貰って"ちょっと"昇天寸前まで行ってただけじゃろ」

明日葉 セイ :「と、おれ、明日葉セイです」

明日葉 セイ :「舞台側、の方。です。立ちます」

明日葉 セイ :うん、と決意を決めたように頷く。

灰色兎 :「そうだそうだ」

灰色兎 :「よおくこの顔覚えておけよ」

灰色兎 :「フェス最終日で、この街のトップアイドルになる顔だ」

紅海月 :「ほほーう」

明日葉 セイ :「なっなななななな」

明日葉 セイ :「なります!」

明日葉 セイ :軽く腰を浮かす。明らかに背が高い。

時雨 :「なんと」

紅海月 :薄ら笑いを浮かべながら、まじまじと少年の顔を眺めて。

紅海月 :「口は悪ぃが、見る目は悪くねェからな。キャロレコのウサ公はよ」

紅海月 :「明日葉セイ。うむうむ。しかと覚えておくからの」

明日葉 セイ :(目は1個ですけどね、とか言うのはあんまりかわいくないかな……)

ホテルマン :「全く無名の新人アイドルが」

ホテルマン :「王になると言っている」

ホテルマン :「身一つで」

ホテルマン :「そんなことができるかい?」

明日葉 セイ :「……あなたのこと、ちょっとだけ聞いたことがあります」

明日葉 セイ :「やった、んでしょ? 似たようなこと」

ホテルマン :「実に」

ホテルマン :「良い」

ホテルマン :「あはは、そう、そのとおり」

ホテルマン :「それはね、"できる"んだ」

ホテルマン :「このおれが、他ならぬ証拠さ」

明日葉 セイ :「じゃあ、あの、おれも」

明日葉 セイ :「あなたとはまた違う方法でっ」

明日葉 セイ :「違うトップ、取ってみせますからっ」

明日葉 セイ :頭の中は真っ白で、何を言っているのかもわからないが。

明日葉 セイ :ともかく、声を張った。

ホテルマン :「がんばりたまえよ」

ホテルマン :喉を鳴らして、愉快そうに笑う。

明日葉 セイ :「がんばりますっ!」

明日葉 セイ :ついでにプロデューサーを無意識でむぎむぎする。

灰色兎 :「むが ぎゅ」

明日葉 セイ :「あっ、すいません、大丈夫ですかっ」

紅海月 :決意を声高に叫ぶ少年と、心無しか普段より小さくその背が見える少女を交互に見て。幕が上がるのを待つ。

クユ :「む」

クユ :「はじまる」

明日葉 セイ :「……と」視線を移す。

クユ :「時雨、ぶちかます、ぞ!」

時雨 :「了解です」サイリウムを渡す。

クユ :ぶんぶんと孔雀のように広げたサイリウムを掲げる。

GM :スポット・ライトがステージを照らす。

GM :その中心、紅き少女。

千十嵐リンネ :希族街の王。

千十嵐リンネ :「ようこそ」

千十嵐リンネ :「とびきりの夜が始まる」

千十嵐リンネ :「今日はその、前哨戦だ」

千十嵐リンネ :「多くは言わない、歌に込めよう」

千十嵐リンネ :「今はただ、楽しめ」

GM :その姿を、隣に併設された第3ステージ、その天幕の上から見下ろす影たち。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[わお、相変わらずオーラあるぅ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[とはいっても見えてないんだけどね]

灰谷 :「ももあさん、あれが千十嵐リンネです」

真白ももあ :「見えてなくてもオーラは感じられるんですね」

真白ももあ :「なるほど……」

真白ももあ :たしかに、携帯電話で拾える音、その声だけでもオーラが伝わるという納得感があった。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[桜華、隊長は"ガードマン"だ]

合馬桜華 :「ガードマン……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[このフェスを守る役割を与えられている]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[だから、あのステージを襲えばきっと出てくるだろうね]

合馬桜華 :その煌びやかな怪物たる少女の気配にアテられそうになりながらも、どう戦うかを頭の中で練る

灰谷 :「そう、我々は望まれざる客」

合馬桜華 :「ドアをノックしてこんにちはするってコトですね」

灰谷 :「千十嵐リンネおよびに縄のヴルフ誅伐を企むもの」

灰谷 :「仕掛けましょう、今日この日に」

真白ももあ :「えっ、お、襲うの!?」

灰谷 :「合馬さんは……戦闘スタイルの都合もあるでしょう」

灰谷 :「無理に今、とは言いません」

灰谷 :「だがももあさん、あなたは今日、ここで、今、だ」

灰谷 :「異街に、真白ももあが来た、とこのタイミングで知らしめる」

真白ももあ :「……!」

灰谷 :「フェスにあなたを認知してもらうのです」

合馬桜華 :(アイドル同士だから……かな?)画面の中のステージは、どうも勘違いでもなくアイドルのライブの形をしているようだから

真白ももあ :「……わかった」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[うん、だからさ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[合馬ちゃんにも行ってほしいんだよね、きっと邪魔されるから]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[アイドルちゃんがステージに登るまでの花道をこじ開けて欲しい]

合馬桜華 :「なるほど!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[きっと隊長も出てくるから、一石二鳥じゃない?]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あ、でも今のヴルフくん見てもショック受けないでね]

合馬桜華 :「そういう事なら、任せといてください!」グッとガッツポーズ

合馬桜華 :「ショック……?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あんま変わってないかもだけど]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[どうなってるかはボクもわかんないや]

合馬桜華 :「……どんなになっても」

合馬桜華 :「隊長は隊長ですから」

GM :千十嵐リンネによるオープニングパフォーマンスが終わり、次の演目へ。

合馬桜華 :「___やった事からは逃がしません」

千十嵐リンネ :「まずは一曲、くれてやった」

千十嵐リンネ :「次は、この街の財宝、歌の未来、トップスタァを夢見る若者たち」

千十嵐リンネ :「見事、このフェスのステージを勝ち取ったものたちによるパフォーマンスをお見せしよう」

千十嵐リンネ :「そも、竜誕祭とは」

千十嵐リンネ :「竜が死んだと語られるこの日に、復活、再誕を願いこの地の【竜の眷属】を歌う者たちによって行われた祭事だ」

千十嵐リンネ :「竜の眷属、すなわちわが希族街の原型、まつろわぬさいしょのひとたち」

千十嵐リンネ :「最も良い唄い手が、その歌を捧げる」

千十嵐リンネ :「"最強"を決めるための儀式だ」

千十嵐リンネ :「今ここに、異街中の実力者たちが集っている」

千十嵐リンネ :「だが、最終日、そのステージに上がれるはわずか」

千十嵐リンネ :「それを取り決める、戦いの一端」

千十嵐リンネ :「デモンストレーションではあるが、今ここで御覧じろ!」

GM :瞬間、ステージの床が開く。

GM :そこから、飛沫を上げるのは、水だ。

GM :青く、深い弾ける流れ。

GM :渦巻く水流がカーテンのように開き。

ミウ・シウ :「ミウ・シウちゃん!とーーーじょーーーー!!!」

ミウ・シウ :割れんばかりの声援にウネウネと触腕を振り、可愛くジャンプ!

ミウ・シウ :海洋系アイドル、ミウ・シウ。

ミウ・シウ :本業は狂楽区所属のキッズ・モデルであり、死と再生を繰り返すことで永遠を子供のまま生きる妖魔。

観客 :「ミウミウーーーーーーーーーー!!!」

ミウ・シウ :「はぁーい、ミウだよーーーー!」

ミウ・シウ :「今日もいっちばん、カワイイ!」

ミウ・シウ :「ラララ、そのミウちゃんのかわいそな引き立て役は、だれかな~~」

ミウ・シウ :泳ぐように、ステージ上を弾む。

- :「引き立て役になんて、ならないよ!!」

サブGM :明るい声が響くとともに、ステージの背景が豪快に変形する。

サブGM :現れた赤いドアが開き、緑色の照明がそこに集中する。

日ノ原 エルナ :ストロベリーピンクとライムグリーンの髪を二つに結び、

日ノ原 エルナ :アクアグリーンのジャケットに楽譜をあしらった衣装に身を包んだ少女が、

日ノ原 エルナ :意志の強そうな眉を意気揚々と聳やかせながら、飛び出すようにステージに現れる!

日ノ原 エルナ :「あっドア引っ掛けてぶっ飛ばしちゃった! ……ま、まいっか!」

観客 :「エルナ~~~~~~!!!!」

観客 :「うおーーー俺を病院送りにしてーーーーー!!」

日ノ原 エルナ :「日ノ原エルナでーーーっす!!!!!!!」

日ノ原 エルナ :「来てくれてありがとーーーーーっ!!!!!」メチャクチャ声がデカい!

日ノ原 エルナ :「ドラボンの前夜祭ステージやれるなんて、めっっっっちゃくちゃ嬉しいよーーーーっっ!!!」

最前列の観客 :「うおーー!耳がキーンってなって何も聞こえないけどカワイイぞーーー!!」

日ノ原 エルナ :「今日はミウちゃんと一緒に……あっ、ミウちゃん!!!」

日ノ原 エルナ :軟体質の少女の方を勢いよく振り向き、不敵な笑顔で真っ直ぐ指差す。

日ノ原 エルナ :「引き立て役なんかじゃ収まらないよ!! 最高の歌で、最高のステージにしよう!!!!」

ミウ・シウ :「言うじゃ~ん」

ミウ・シウ :「最高の歌、最高のステージ!」

ミウ・シウ :「そんなもの、当たり前!何故ならミウは最高にカワイイから」

ミウ・シウ :「デモンストレーション?でもこれがドラゴンちゃんに捧げる歌だっていうなら、ステージに残るのは勝者と敗者」

ミウ・シウ :「本番を前に、ミウの可愛さ、わからせちゃうんだから!」

包帯まみれの観客 :「輪廻転生繰り返し!享楽はにかむ海の花!」

包帯まみれの観客 :「食べて我らを!てか儂を!」

包帯まみれの観客 :「ミウ・シウいぇえええぇい!!」

包帯まみれの観客 :「(せき)」

GM :一触即発。

GM :ふたりの闘志がバチバチとぶつかり合い、火花を散らすのが見えるようだ。

GM :いや、見える。実際に、あなたたちの目にそれが。

ホテルマン :「やあ、これは見事なものだな」

ホテルマン :「もはやこれは実体を持った幻術と言える、観客まるごと巻き込むとは」

ホテルマン :「リンネちゃん、ほんとこのフェスにいくら注ぎ込んだのやら」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[千十嵐リンネの完成させた、このドラゴーンボーン・フェスには実に72の呪術と144の【契約】がパズルのように組み上げられている]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[中核をなすのは異街の中央オークションにおわす神、グランド・オークショニアの契約呪だ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[これによってアイドル・バトルはまさしく強制的な真剣勝負の場となる]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[歌で打ち据え、ステップで切り刻む]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[同じ舞台に立った時点で【契約】は完了したものとみなされる。そして相手のパフォーマンスに見合ったものを返せなかった場合……]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[取り立てられるんだ、不足分を]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[相手のパフォーマンスによっては、それこそ命で支払うことになるだろうね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :天幕の上、見えていないはずのハムが舞台を遠目に解説を進める。

真白ももあ :「い、命を?」

真白ももあ :「じゃあ私人殺しちゃうんだ」

合馬桜華 :「怖い?」

合馬桜華 :気遣う、というより確認といった感じで問いかける

灰谷 :「今更何を言っているんですか、ももあさん」

灰谷 :「そんなもの、あなたの暮らしてきた"表"とそう大した違いがありますか?」

灰谷 :「あなた、今までいったいどれだけの"アイドル"を殺してきたと?」

真白ももあ :「それでも本当に殺すのとは違うよ!……でも」

真白ももあ :「私が殺してきた分だけ、私は命を背負ってる。だから、負けられない」

真白ももあ :「だからそんなに怖くないかな」

灰谷 :「まあ、心配などしていませんがね」

ミウ・シウ :「ル・ラ・ラ」

ミウ・シウ :寄せては返すハミング。

ミウ・シウ :やがてそれは

ミウ・シウ :「嵐になるよっ♪」

ミウ・シウ :音が、うねる。

ミウ・シウ :七色の波が、ステージを、客席にすら打ち寄せ。

ミウ・シウ :「おさかな・ぎんいろ♪」

ミウ・シウ :音が、魚群となって駆け巡る。

ミウ・シウ :「海のぉ、もくもく、ずずずずいーーーっと!」

ミウ・シウ :スピンを決める。

ミウ・シウ :歌が向かうは、正面のアイドル。

日ノ原 エルナ :押し寄せる"歌"の波濤を前に、しかしその笑みを深くする。

日ノ原 エルナ :『──迷わない!』

日ノ原 エルナ :『駆け抜けろ、この大地も、海も、空も!』

日ノ原 エルナ :ポップカラーの少女から発せられる力強い歌が、その波濤を縦に断つ。

日ノ原 エルナ :『遥か彼方の未来まで──』

日ノ原 エルナ :『翼広げ! 羽撃き! 飛び立ち、翔けるーーーっっ!!』

日ノ原 エルナ :響くシャウトは空気を震わせ、グリーン、オレンジ、ピンクの光がステージを照らす。

日ノ原 エルナ :その光は──少女の背中で、黄金の翼を形作る。

日ノ原 エルナ :『夜翔ける流れ星みたいに、闇を裂く光みたいに!』

日ノ原 エルナ :『誰より明るく! 歌え、響けーーっ!!!』

日ノ原 エルナ :黄金の翼の羽ばたきは、輝く風を纏った歌となり、正面のアイドルへ殺到する。

ミウ・シウ :『ぷか・ぷか』

ミウ・シウ :ミウ・シウは既に2番を構えている。

ミウ・シウ :揺れるようなリズムがクラゲの軌跡となって宙に漂い――

GM :そして、ぶつかりあう歌と歌。

GM :踊りと踊り、パフォマーンス。

GM :その両方を引き裂いて、ステージに雷鳴が降り注いだ。

センヒ :「……」

センヒ :「にひ」

センヒ :バチバチと、帯電するダンスを纏って降り立つ。

センヒ :「ヒィちゃん、さんじょー」

ミウ・シウ :「えっ、なに」

ミウ・シウ :「い、今はあんたの演目じゃ!!」乱入者を前に、驚きを隠せず。

日ノ原 エルナ :「『掴み取るため』──、っ!?」

日ノ原 エルナ :「え、えーーっっ!?!? センヒさん!?!?!?」

センヒ :「ぐっちゃぐちゃにしちゃうぞ♪」

センヒ :タン、と床を蹴る。

センヒ :暴力的ステップ、血に飢えた歌声。

センヒ :濁流のようにステージを満たし、ふたりを貪っていく。

ミウ・シウ :「う、あっ」

日ノ原 エルナ :「っ、うあぁぁぁっ!!!」

センヒ :波しぶきを飲み干し、羽根を楽しそうに毟り取る。

センヒ :「ヒ、ハ、アヒヒ♪」

センヒ :「はい、退~~~場」

センヒ :そのままふたりを会場の外、空高く放り投げる。

センヒ :あとには、静寂。

センヒ :ピースサインを高々と掲げ。

センヒ :「はい、勝利ぃ~~」

センヒ :「ん?」

センヒ :「ホラホラ、拍手拍手」

GM :あっけにとられた観客たち。

GM :しかし、今しがた行われた圧倒的パフォーマンスを前にひとり、またひとりとまばらな拍手が。

GM :やがてそれは喝采に替わり。

センヒ :「いえーい、いえーい!ありがとー!」

センヒ :「愛してるぜー、ぶっ殺しちゃうぞー!」

明日葉 セイ :(……あんな……あんなのってアリ、なんだ……)ぽかんとしている。

観客 :「センヒちゃ~~~ん!!」

観客 :「俺も殺して~~~~~!!」

包帯まみれの観客 :「(嗚咽)」

明日葉 セイ :(もしかして、おれもこれからあれくらいのところ見せなきゃなんない、の?)

明日葉 セイ :ぎゅむ、とプロデューサーを左右から手で挟んでいる。

千十嵐リンネ :「センヒ、貴様なぁ……」

千十嵐リンネ :呆れたように、舞台袖から。

センヒ :「え、なあにがいけないわけ?」

センヒ :「どうせ最終日はお姉さまとヒィちゃんの一騎打ちなんだから」

センヒ :「ザコがどれだけ減ろうが問題ないだろ?」

千十嵐リンネ :「問題あるに決まってるだろう、今日は前夜祭」

千十嵐リンネ :「貴様がどれだけ暴れてもポイントにはならん」

センヒ :「つっても、格付けとアピールにはなっただろ?」

センヒ :ニシシと笑い、くるりとターン。

センヒ :「今の異街に、いるの?」

センヒ :「お姉さまと、ヒイちゃんの相手になるやつなんて」

センヒ :「いるかなーーー!なあお前ら!」

センヒ :センヒが客席にマイクを向ける。

GM :その時を、

灰谷 :「これだ」

灰色兎 :「絶好の」

灰谷 :「今です」

灰色兎 :「千載一遇」

灰谷 :「行ってください!」

灰色兎 :「ぶちかませ!知らしめろ!」

真白ももあ :「はい!」衣装に着替え、頷く。

明日葉 セイ :すう、と深呼吸。

明日葉 セイ :(……よし)

明日葉 セイ :「行ってきます!」

明日葉 セイ :ばさり、と上着を脱ぎ捨てる。そして。

明日葉 セイ :かつり。

明日葉 セイ :一歩、前に進み出て。

明日葉 セイ :いつの間にか、水色の衣装を身に纏っている。

明日葉 セイ :高く結われた金糸の髪がふわふわと揺らめく。

明日葉 セイ :「……ここにひとり」

明日葉 セイ :「居ます!」

明日葉 セイ :「明日葉セイって名前の」

明日葉 セイ :「明日のスターが!」

センヒ :「はぁ?誰?」眉を寄せる。

明日葉 セイ :半ばスカート、半ば白いパンツスタイル。

明日葉 セイ :かわいい、とも格好いい、とも言えるだろう。そういう衣装を選んだ。

明日葉 セイ :「知らなくても、仕方ないです。けど」

明日葉 セイ :「もうじき、そうも言ってられなくなる」

明日葉 セイ :よく通る声は、あくまで男性のもの、だが。

明日葉 セイ :「とびきりかわいい、最高のアイドルになるんですから」

明日葉 セイ :ふわり、と柔らかな笑顔を周囲に向ける。

千十嵐リンネ :「出演者に名前はないようだが」

センヒ :「んだよ、素人かよ」

千十嵐リンネ :「フフ、そう言うなセンヒ」

千十嵐リンネ :「見ろ、立っているぞ確りと」

千十嵐リンネ :「このフェスの、呪術式の影響下で」

千十嵐リンネ :「最高のアイドルになると吠えて見せた」

千十嵐リンネ :「資格はあるさ、誰にでもな」

明日葉 セイ :(……ああ、眩しいな。けど)

千十嵐リンネ :「ならば、掴み取るが良い」

明日葉 セイ :(そう言っていられるのも今だけ。これから、もっと輝かないと)

千十嵐リンネ :「貴様のその可愛らしい顔は、この目に確かに刻んだぞ」

センヒ :「ヒヒヒ、泣いて帰るなよ」

明日葉 セイ :「ありがとうございます!」目を真っ直ぐに向けて。

明日葉 セイ :「そのままずっと、見てて」

明日葉 セイ :「目もつむれなくなるくらい、煌めきますから」

明日葉 セイ :足は震えているような気もする。でも、もう怖くない。

明日葉 セイ :(はは、あはは)

明日葉 セイ :(すごいな、おれ1日で二人も王に啖呵切っちゃった)

明日葉 セイ :裾を少し持ち上げて、礼をひとつ。

GM :それと同時、ざわめき、悲鳴。

GM :ステージ目掛け、飛来する影。

ガード忍 :「何奴ッ!?」

ガード忍 :「無賃防御壁を抜けただと!」

ガード忍 :侵入者を迎撃せんと飛びかかる。

真白ももあ :ステージに上がりたいと、こんなに願ったのはいつぶりだろうか。

真白ももあ :駆ける。

真白ももあ :だが確信もしている。

真白ももあ :……ステージにたどり着けさえすれば、真白ももあの勝ちなのだと。

真白ももあ :「……桜華ちゃん、おねがい!」

合馬桜華 :吹き抜ける風、桜の花弁が舞う。

ガード忍 :「お帰り願う!!」

ガード忍 :忍者警棒:会場仕様を構える。

合馬桜華 :飛び掛かったガード忍が、空中で何かに阻まれる

合馬桜華 :「あいよ、任せて!」

ガード忍 :「ぬうっ!!」

合馬桜華 :彼女の表情は晴れやかだ、この異なる空気に飲まれていない

合馬桜華 :(一緒だから大丈夫、か……)

合馬桜華 :スカートを翻しながら、花弁のカーテンを抜けて姿を現し

合馬桜華 :ガードシノビに蹴りを打ち込み、動きを抑え込む

ガード忍 :「ぐっ、おおお!」

合馬桜華 :「行っておいで! 強いとこ、見せてよ!」

合馬桜華 :二ッと笑って、送り出す。

- :「──否」

ガード忍 :「あ、あなたは!」

合馬桜華 :「___!」

合馬桜華 :馴染みある憶えのない気配の方を見る

サブGM :真白ももあが駆け抜け、登ろうとしたステージの前に──

サブGM :一本の"縄"がその道を遮るように張られている。

真白ももあ :「…………!」

"縄のヴルフ" :「…………」

"縄のヴルフ" :くたびれたコートを纏い、帽子を目深に被った、壮年の男。

ガード忍 :「ヘヘヘ、女ぁ、お前終わったぜ」

ガード忍 :「この方はなあ!着任3日目にして警備主任の座へ駆け上がった最強のガード忍」

ガード忍 :「守護隊長、ヴル様よ!!」

合馬桜華 :「……縄のヴルフ!」ガード忍を蹴り抜けながら、ヴルフを睨む

ガード忍 :「ぐげっ」

"縄のヴルフ" :「……合馬か」その姿を認め、低声に呟く。

合馬桜華 :「私が分かるんですね、そっか……」完全に狂っていたのだったら、まだ躊躇できただろうか

合馬桜華 :「押し通らせてもらう!」

"縄のヴルフ" :「……来るだろうとは思っていた。──いや」

"縄のヴルフ" :「誰が来、誰が来ずとても、お前だけは来ると確信していた」

合馬桜華 :「分かっていたんだったら、倒される覚悟もできてますよね」

合馬桜華 :「ウチは強いですよ」

"縄のヴルフ" :「元より」

"縄のヴルフ" :「討たれる覚悟がなければ、任務放棄など──」

合馬桜華 :一歩を踏み出し、腕に風を纏う

"縄のヴルフ" :「──忍びなど、していない」

"縄のヴルフ" :その構えを前に──ちら、ともう一人の闖入者へ目を向ける。

"縄のヴルフ" :「……淀沼が用意した、"次の"差し金か」

"縄のヴルフ" :「…………」

真白ももあ :「よろしくお願いします」微笑む。

千十嵐リンネ :「良い、ヴルフ」

千十嵐リンネ :「そいつは通せ、知った顔だ」

千十嵐リンネ :「面識はないがな、愉快なことになった」壇上より、語りかける。

"縄のヴルフ" :「は──」

合馬桜華 :「どの道、通してもらうけどねっ!」そう言いながら、桜舞う風を

合馬桜華 :ヴルフと行く先をふさぐ縄に浴びせる

"縄のヴルフ" :言葉短かに応えると、張られた縄が解けて落ちる。

"縄のヴルフ" :「──しかし、お前は」

"縄のヴルフ" :解けた縄が蛇のようにうねり、組み上がり──

"縄のヴルフ" :一枚の大きな網となってその風を受け止める。

合馬桜華 :「相手してもらえる? 嬉しいな……!」

真白ももあ :「桜華ちゃんごめん、私は行くね!」花吹雪の中を駆け、一度振り返る。

真白ももあ :「無事で会えるって……信じてるから」

合馬桜華 :「うん! 任せといて!」

真白ももあ :頷くと、ステージへと駆けあがっていく。


GM :そうして

GM :二人目の飛び入り、闖入者。

GM :その名乗りを求め、観客たちが彼女を見る、一斉に。

千十嵐リンネ :「紹介しよう、遠路はるばるこの千十嵐リンネを倒さんと」

千十嵐リンネ :「島の外より訪れた」

千十嵐リンネ :マイクを投げる。

真白ももあ :「真白ももあです」

真白ももあ :照明は吸い寄せられる。

真白ももあ :スポットライトの光が、熱が。その整った顔に浴びせられると。

真白ももあ :ただ愛らしいだけではない。

真白ももあ :全てを喰らいつくし飲み込まんとする迫力が。

真白ももあ :『ただものではないなにかがそこにいる』と示していた。

真白ももあ :「――ドラゴンボーンフェス前夜祭にお越しのみなさん、こんにちは」

ホテルマン :「へぇ」

真白ももあ :「とっても素敵なお祭りなので、遊びに来ちゃいました」

宍戸れみふぁ :「わ、すご、可愛い」

観客 :「……は!?」

観客 :「真白ももあ!? ももあマジ!?」

"ピザ吐き隊" :「あ、ありえん神現場すぎる……」

"違法イカ@airハ-70" :「ヒエ……」

宍戸れみふぁ :「え、ももあ?」

宍戸れみふぁ :「ほ、ほほほほんとだ!」

紅海月 :「ズワパイの初回限定版持っとるよ儂……」あんぐりと口を開けている。

宍戸れみふぁ :「ホンモノだ、ホンモノですよ店長」ゆさゆさ

紅海月 :「うむ、うむ。さすがにびびった。ちょっこし。の」

真白ももあ :「育ったところは違うけど、心はここにいるみんなにも届くと信じて。歌います」

真白ももあ :動画リンク

真白ももあ :弾ける・輝き・飛び・照らす

真白ももあ :煌めき・灼く・心/もう他の誰も見えないように。

真白ももあ :可愛く、カッコよく。優雅に、力強く。

真白ももあ :完成されたパフォーマンス。見るものを惹きつける熱。

真白ももあ :世界の【王】にならんとする千十嵐リンネの喉元にかぶりついてやるという、

真白ももあ :世界は譲らない。世界に一番愛されるのはこの真白ももあであるという、宣戦布告。

真白ももあ :「勝ちの決まった戦いなんてつまらないじゃないですか?」

真白ももあ :「嬉しいです。久しぶりに、私に潰されないで立っててくれる人達がいそうだから」

真白ももあ :「ドラゴンボーンフェス。みなさん、私と一緒に遊んでくれますか?」

センヒ :「あぁ?吹かすじゃねえか」

センヒ :至近距離までずいと歩を進め、睫毛がぶつかるほどに顔を寄せ、睨みつける。

センヒ :「だが、喰いではありそうだ」

センヒ :「ヒィちゃんがぶっ殺してやるよ、お前」

真白ももあ :「よかった。あなたなら、私に殺されないでくれるんですね?」

千十嵐リンネ :「ハ、ハハ」

千十嵐リンネ :「異郷の王よ」

千十嵐リンネ :優雅に、手を広げる。

千十嵐リンネ :「ようこそ異街へ」

千十嵐リンネ :「ようこそ希族街へ」

千十嵐リンネ :「ここはこの千十嵐リンネの領地、狂乱のステージ」

千十嵐リンネ :「今、まさに。この星でのアイドル・シーンの最前線へと相成った」

千十嵐リンネ :「奪い合おう、削り、欲し、与え」

千十嵐リンネ :「ああ、言葉はもどかしいな」

千十嵐リンネ :「ここに歌がある」

センヒ :「ここにもな」

千十嵐リンネ :「ただ溢れるそれで」

千十嵐リンネ :「愛してやろう、貴様ごと」

宍戸れみふぁ :「え……」

宍戸れみふぁ :「てことは、参加するの、ももあが?」

ホテルマン :「無論、参加権は無い」

ホテルマン :「だがそんなことはどうにかしてしまえるだろうと、女王様はお考えのようだ」

宍戸れみふぁ :「す、すごいなぁ……」

紅海月 :「懐の広いことだの。今に始まった話でもねえが」

宍戸れみふぁ :「(みんな、すごい)」

宍戸れみふぁ :「(セイちゃんなんか、こんな大舞台であんな)」

宍戸れみふぁ :「(私なんて、選考に落ちたくらいで全部おしまいだって……)」

宍戸れみふぁ :「(本当にすごいひとたちは、そんなちっぽけなことなんて吹き飛ばせるちからを持っているんだ……)」

宍戸れみふぁ :「(私……ハハ、ほんと……だっさいなぁ……)」

観客 :「も、ももあドラボン参戦マジ!?」

観客 :「そ、そんなん実現したら……!」

"極大門松" :「い、異街、いや天地開闢以来の神イベでゴザルよ!!」

"ふわのん" :「ブルっちゃうよ……!」

観客 :「ウ…ウソやろ こ…こんなことが こ…こんなことが許されていいのか」

観客 :「でもどうす……どうするんだ!? マジ見たいけどどうやって!?!?」

センヒ :「どうやってぇ?」

センヒ :「んなの、奪えばいいんだよ」

センヒ :「なんならこのヒィちゃんからだっていい」

センヒ :「できるんならな、田舎のオウサマ」

真白ももあ :「みんなが望んでくれる限り、みんなが応援してくれる限り」

真白ももあ :「私は絶対に、このステージに立ちます!」

真白ももあ :「だからみんなー、応援してね~っ!」

真白ももあ :客席に向かって笑顔で手を振る。

観客 :「あ゙あ゙~゙~゙~゙!! も゙も゙あ゙~゙~゙~゙~゙~゙~゙!!!!」

灰谷 :その様子を、遠くから見下ろす。

灰谷 :「真白ももあここにあり」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[良い掴みなんじゃない?]

灰谷 :「いえいえ、まだまだ」

灰谷 :「彼女ならば、もっと、もっとを」

灰谷 :「何せ、千十嵐リンネを倒すんだ」


GM :真白ももあの戦い、それが終わりを迎えようとしていた一方、

GM :もうひとつの戦いも決着を迎えようとしていた。

"縄のヴルフ" :「…………」

"縄のヴルフ" :幾度も襲い来る疾風と桜吹雪を──

"縄のヴルフ" :或いは縄網で受け止め、或いは縄をかけて引き寄せた器材で受け流す。

観客 :「……あのおっさん強くねぇ?」

観客 :「いや、あれと戦えてる相手の子も相当……」

観客 :「かわいいしな」

観客 :「髭面のおっさんより女の子の方が……」

合馬桜華 :「やるじゃん、流石……!」ももあか、ヴルフか、あるいは両方への言葉

合馬桜華 :投げかけ、踏み出す

"縄のヴルフ" :「…………」

合馬桜華 :「これで、終わりっ……!」全力を込めた蹴りを、ヴルフへと叩き込まんとする

"縄のヴルフ" :その神速の蹴りに、行く手を遮るように広げられた縄網がついに千切れ──

"縄のヴルフ" :「……"用件"は済んだようだ」

"縄のヴルフ" :千切れた網の切れ端が絡みつき、その勢いを止める。

合馬桜華 :「なっ……ぐっ!?」溌剌とした性格とは裏腹に白い肌を、縄が這い、締め上げる。

"縄のヴルフ" :「合馬よ」

"縄のヴルフ" :「私を討つのであれば、好きに動けばよい」

"縄のヴルフ" :「しかし、"ここ"は別だ」

"縄のヴルフ" :よれたコートの懐から、幾房かの縄の塊を取り出す。

"縄のヴルフ" :白の縄──大きな総角結び二つ──8の字結び三つ──止め結び九つ──

"縄のヴルフ" :茶の縄──舫い結びの大きな輪──

"縄のヴルフ" :赤の縄──大きな二重8の字結び一つ──茶の縄の終端と綾結び──

"縄のヴルフ" :橙の縄──仲仕結び二つ──少し離れて中間者結び一つ──

"縄のヴルフ" :緑の縄──舫い結びの輪から下がる無数の引き解け結び──

合馬桜華 :「聖域の、つも……!? なにをっ……!?」

合馬桜華 :苦しそうに息を吐き、声を上げながらも、抵抗をせんとする

"縄のヴルフ" :「許諾なき入場、設備の損壊、警備員への暴行」

"縄のヴルフ" :さらにもう一本、懐から出でた黒の縄が、緑の縄へと独りでに絡みつき──

"縄のヴルフ" :「ドラゴンボーン・フェス会場則、第118術式に則り」

"縄のヴルフ" :緑の縄へ作られた引き解け結びの一つが、絡みついた黒の縄に引かれて。

"縄のヴルフ" :「出禁だ」

"縄のヴルフ" :ぱ、と解ける。

サブGM :それを視認した次の瞬間には、

サブGM :闖入した少女──合馬桜華は、会場の外に立っている。

合馬桜華 :「くぅ___!?」

サブGM :すでに絡みついていた縄は消え、身体は自由を取り戻している。

合馬桜華 :「……してやられちゃった、か……!」

合馬桜華 :そう言いながらも、まだ闘志冷めぬ声色で

灰谷 :「実に」

灰谷 :いつのまにか、その隣に灰谷。

灰谷 :「やられましたね、これは少々まずいかもしれない」

合馬桜華 :「分断、されちゃいましたね」

灰谷 :「分断?そんな生易しいものじゃあない。桜華さん、あなたもう一度あの場へ向かうことができますか?」

灰谷 :そういって、遠くのステージを見る。

合馬桜華 :「えっ、それは……まさか」

合馬桜華 :振り返り、向かおうとしてみるが

GM :身体が、縛られる。

合馬桜華 :「っ……これは、厄介な……!」

GM :まるで、無数の縄が絡みついたように、ステージへ向かおうとするその身体を。

灰谷 :「フェスの呪か、厄介客のブラックリストに加えられましたね」

灰谷 :「自分を襲うなら好きにしろ、とあの男は言っていましたが」

灰谷 :「ヴルフはフェスに付きっきりだ、すなわちこれは」

合馬桜華 :「手が、出せないってことですか」

灰谷 :「そう。フェスの終了まであなたに何もするな、というに等しい」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ふ~~~ん]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ブラック客に加えられたんでしょ?]

合馬桜華 :「副隊長?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[じゃあさ、客じゃなきゃいいわけだよね]

灰谷 :「あなた……何を」

灰谷 :「いや、まさか……」

合馬桜華 :「理屈ではそうなるけど、客以外って・・・?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そゆこと]

灰谷 :「いや、それは……」

灰谷 :「可能、だ……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ふっふっふっ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :携帯電話が芝居がかった笑い声。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[桜華ちゃん、とびきり可愛くしてあげる♪]

合馬桜華 :「えっ、えっ、えっ……?」状況を呑み込めない様子で二人を交互に見る

合馬桜華 :「取れる手があるなら、ウチはやりたいけど……嫌な予感!」

GM :翌日、桜華はその企みをその身を持って知ることとなるのであった。


GM :===

GM :想定外の乱入に次ぐ乱入。

GM :だが観客たちの顔はどれも興奮に満ちている。

GM :終演のブザーが鳴り、ひとり、またひとりと会場を後にする。

ホテルマン :「それでは皆さん、明日からの本戦楽しんで」

ホテルマン :にこやかに男が去り。

灰色兎 :「おう、十分な戦果だ、今日は帰ってゆっくり休むぞ!」

明日葉 セイ :「はいっ!」

灰色兎 :そう言って、己のアイドルと共に小さな灰色の妖魔も去り。

宍戸れみふぁ :「……。」

紅海月 :「見事な啖呵と極太の肝だったの。お前さんの昔馴染みはよ」

宍戸れみふぁ :「店長、フェスに出るって、あれ本気なの……?」

紅海月 :「ん?……」

宍戸れみふぁ :「本気だとして……」

紅海月 :拳を顎に構えて、じいと少女を見る

宍戸れみふぁ :「怖くはないの?あんな、あんな……」

宍戸れみふぁ :「怪物みたいなアーティスト、全員が命を賭けている」

紅海月 :「そうじゃの」

紅海月 :「長年、異街には住んでる身よ。命のひとつやふたつ、落としそうになったことなど数知れねえが」

紅海月 :「今回ばかりは、マジ死ぬかもな。かかっ」

紅海月 :「だがよ」

紅海月 :「儂はよう」

紅海月 :「アイドルが好きだ」

紅海月 :「この祭りを前に。画面の前で指をくわえて」

紅海月 :「いいな、あのとき、ああしたら、とか」

紅海月 :「そう思う方がずっとこええ」

宍戸れみふぁ :「それで参加の方ってのが未だによくわからないけど……本気なんだね」

宍戸れみふぁ :「うん、すごい、すごいよ」

宍戸れみふぁ :「じゃあ……これね、貸してあげる」

紅海月 :「あん?」

宍戸れみふぁ :そう言って、彼女はあなたに差し出した。緑色に輝くコインを。

宍戸れみふぁ :「きっと、今の店長にひつようなものだから、私なんかより」

紅海月 :コインの意味はもちろん知っている。

宍戸れみふぁ :「それで、店長にそれが必要じゃなくなったら」

宍戸れみふぁ :「もっとふさわしい人に、渡してあげて」

紅海月 :それが、宍戸れみふぁにとって、かけがえのない、価値あるものということを。

宍戸れみふぁ :「私は、もうそれには頼らない」

紅海月 :「………」

宍戸れみふぁ :「うん……だって、だって"約束"したから」

宍戸れみふぁ :「レッスン、しなきゃ」

宍戸れみふぁ :そう言うと、彼女は駆け出していった。

紅海月 :顔をくしゃりと歪めて、それを懐に入れる。

紅海月 :「ったくよ」

宍戸れみふぁ :揺れるオレンジが、人波に消える。

紅海月 :「てめぇに才能がねえだの、次のチャンスがどうだの」

紅海月 :「下らねえ能書きをいつまでもグチグチ叩いていやがるから、どうしたもんかと思ったけど、の」

紅海月 :「まだ、ちゃあんと、あるじゃねえか」

紅海月 :「お前さんは。"熱"が」

紅海月 :先に待ってるからよ。と呟いて

紅海月 :去り行く橙色の髪に背中を向けて、舞台を去る。

紅海月 :「儂の基準は、ちと厳しいが。はて」

GM :そして、もう一組。

クユ :「お、おおお!」

クユ :ぶんぶんと、サイリウムを振り回す。

クユ :「すごい」

時雨 :「映像だけでなく、触覚的な再現、すごい技術ですね」

クユ :「あれ、やろう」

クユ :「ぶちかまそう」

時雨 :「さすがは希族街の、最大規模のフェス……」

時雨 :「あれをですか。実に多くの契約が絡んでいますよ」

クユ :「強ければ、問題ない」

クユ :「ホテル王も言っていた」

時雨 :「もちろん、クユさんがやりたいのであれば……」

クユ :「……?」

時雨 :メガネを光らせる

クユ :首をかしげる

クユ :「やるのは時雨だが?」

時雨 :「えっ」

クユ :「クユは応援を極める」

クユ :サイリウムぶんぶん。

時雨 :「あ、サイリウムを振る方に興味が行ってしまったんですね」

クユ :「一度手を出したことを途中で投げ出すのは良くないので」

時雨 :「そうですね、クユさんは真面目です」

時雨 :「それで──私がアイドルをするのは、なぜ?」

クユ :「クユが応援するんだから、踊るのは当然時雨でしょう」

クユ :「そんなこともわからないの?」

時雨 :「…………」

時雨 :目の前の少女の、まっすぐな眼差しを見つめる。

時雨 :彼女の真意は探るまでもない。

時雨 :そしてそれに応えることが──

時雨 :「そうです、ね。私も……」

時雨 :「クユさんの極められた応援を、他のアイドルに向けられるのは、惜しい」

時雨 :「──帰りましょうか、勉強をし直さなくては」

クユ :「うむ」

時雨 :立ち上がる、姿を変える。

クユ :「クユはインターネットが得意、まかせろ」

時雨 :「応援のやり方ばかり見ていましたからね。演者側は、見直しです」

クユ :意気揚々と歩き出す。

時雨 :参りましたね、と笑う。少女の後ろを追いかけていく。

時雨 :音響装置にノイズの音が混じり、溶けていく。

時雨 :(──この熱気は、あるいは、生の最もはげしいかたちなのかもしれません)

時雨 :(それを、一身に集める。観測する。蒐集する)

時雨 :「私も楽しみになってきました」

時雨 :自分の観測者としての、使命を果たすつもりが。

時雨 :当事者として、また舞台に立つ。

時雨 :雨のような音が流れるのを感じていた。

GM :===

サイクル1:マスターシーン

GM :というわけで、OPが終わりいよいよサイクル1

GM :また今セッションではサイクル1,2の終了毎に参加権を得るためのアイドル・バトルの参戦機会が設けられています。

GM :詳しくは、実際に行う段階に教えますね。

GM :ではサイクル1、の前にちょっとだけマスターシーン。

GM :===

禿鷹のタロー :俺の名は狂楽区のタロー。

禿鷹のタロー :人呼んで"禿鷲"。

禿鷹のタロー :日刊カジノ・ポータルのライターさ。

禿鷹のタロー :本日もネタを求めて西へ東へ。

禿鷹のタロー :おっと、その前に一日はこいつがなきゃ始まらねえ。

禿鷹のタロー :熱いコーヒーに、メガ盛りのピクルス・サンド。

禿鷹のタロー :朝刊に目を通す。

禿鷹のタロー :「『フェス前夜祭、乱入に次ぐ乱入、波乱の幕開け!?』か」

禿鷹のタロー :「まったく、俺を現場に送ってくれっていったのによぉ」

禿鷹のタロー :「そしたらもっと迅速に、ドカンとくれてやったところだぜ」

宍戸れみふぁ :「河童のおじさん、記者さんなんですか?」

禿鷹のタロー :顔を上げる、隣のボックス席の少女が身を乗り出してこちらを見ている。

禿鷹のタロー :「おいおい、俺の醸し出す敏腕ライターとしての雰囲気が、そう悟らせちまったかい?」

禿鷹のタロー :「あと俺はコンドルの妖怪だ、見りゃわかんだろ」

宍戸れみふぁ :「いやさっきから編集長がどうとか記事がどうとかぶつぶつ言ってたじゃないですか」

宍戸れみふぁ :「すごいですよねー、フェス、優勝候補はやっぱ飛び入りのももあかなー」

禿鷹のタロー :「バカ、てめえ素人かよ」

禿鷹のタロー :「ここのアイドル・シーンをちっとも勉強してないようだな」

禿鷹のタロー :「最強は、無論千十嵐リンネだな」

禿鷹のタロー :「磨羯のトップ、もう何百年も最前線で歌い続ける正真正銘の化け物よ」

禿鷹のタロー :「対抗馬、称賛がほんのわずかでもあるかもしれねえってやつらだが」

禿鷹のタロー :「まずはセンヒだな、磨羯のナンバー2」

禿鷹のタロー :「暴虐、悪辣、希族街でいちばんの乱暴者としての方が名が通ってるか……」

禿鷹のタロー :「ところがどっこい、神は二物を与えやがった」

禿鷹のタロー :「本人の性格をそのまま反映したかのような暴力的パフォーマンスの冴えは随一、目が離せねえ」

禿鷹のタロー :「次は、ミウ・シウ。狂楽区のキッズ・モデルだ」

禿鷹のタロー :「永遠を子供の姿で生きる妖魔で、そのプロ意識は参加者の中でもトップと言える」

禿鷹のタロー :「アイドルとしての経験値は他に一歩譲るかもしれねえがこと"可愛さ"という事への研鑽、プライドは飛び抜けて高い」

禿鷹のタロー :「次、日ノ原エルナ。所属はフリー」

禿鷹のタロー :「大きな後ろ盾を持たずして、ファンの応援を受けここまで上り詰めた叩き上げだ」

禿鷹のタロー :「その豪快なパフォーマンスは、よく見ると繊細な技術に裏打ちされたものだ。普段の印象に反して美麗な演出も好む」

禿鷹のタロー :「次、花屋敷ミト」

禿鷹のタロー :「一切が謎に包まれた磨羯の新人アイドル」

禿鷹のタロー :「だが、俺は掴んでいるぜ、あいつの正体を」

禿鷹のタロー :「島の外、30年前の日の本のアイドルシーン、その最前線で王として君臨した伝説のアイドル・ミト」

禿鷹のタロー :「なにがどうしてここへとたどり着いたかは知らねえが、千十嵐リンネの眷属として全盛期以上のちからと肉体を取り戻している」

禿鷹のタロー :「最後に、滑皮ケイゴ。こいつも狂楽区所属だ」

禿鷹のタロー :「元は一介のエージェントだったな、コードは『ピンク・ホップ・ディンゴ』」

禿鷹のタロー :「アイドルに関しては最近始めたばかりのド素人」

禿鷹のタロー :「誰もが戦力外とマークを外していたこいつだが」

禿鷹のタロー :「何と、今の所無敗……とびきりのダークホースだ」

禿鷹のタロー :「流石はホテ公の隠し玉ってわけだな」

宍戸れみふぁ :「へぇ~~、詳しいんだね」

禿鷹のタロー :「おうよ、プロだからな」

禿鷹のタロー :「他に千十嵐リンネに対抗できそうなモンと言っちゃ」

禿鷹のタロー :「かの"伝説の地下アイドル"くらいなもんか」

宍戸れみふぁ :「?なにそれ」

禿鷹のタロー :「知らねえか、まあ今となっちゃ知るやつも少ねえ」

禿鷹のタロー :「忘れろ、消えちまったんだよ、ある日突然にな」

宍戸れみふぁ :「ふむふむ」

宍戸れみふぁ :「ありがと、勉強になったよ!」

宍戸れみふぁ :そう言って立ち上がる。

禿鷹のタロー :「……あ」

禿鷹のタロー :「お前、この俺を使いやがったな?」

宍戸れみふぁ :にししと笑う。

宍戸れみふぁ :「おじさん、記者なんでしょじゃあ代わりに良いこと教えてあげる」

宍戸れみふぁ :「優勝候補は他にもいるんだよ」

宍戸れみふぁ :「明日葉セイ、紅海月」

宍戸れみふぁ :「それに、この宍戸れみふぁさんだよ!」

宍戸れみふぁ :そう言うと、弾む足取りで喫茶店の外へ。

禿鷹のタロー :「へっ、夢見るド素人が」

禿鷹のタロー :「アイドルは、そう甘くはねえよ……」

禿鷹のタロー :(そう、このコーヒーのように)

禿鷹のタロー :やっぱり苦いなと角砂糖を投げ込みながら、俺は再び新聞へ視線を落とす。

禿鷹のタロー :何せフェスは始まったばかり、取材すべきはいくらでもあるのだ。

GM :===

サイクル1:明日葉セイ

GM :それではサイクル1を開始します。

GM :おいでませPC2!

明日葉 セイ :はあい

GM :シーン内容、登場希望PC/NPCを告げシーン表を振るのです。

GM :今回のシーン表は以下のみっつ。

GM :通常/異街/アイドル

GM :ではどうぞ

明日葉 セイ :まず、感情をももあちゃんに結びにいきたいです。

明日葉 セイ :登場希望はももあちゃんと紅海月さん。

真白ももあ :でるっしゅ!

明日葉 セイ :シーン表は……この面子だとせっかくなのでアイドルをやってみたい

紅海月 :よかろうもん!

明日葉 セイ :シーン表振ります

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8

GM :8:撮影会へ!敵情視察?あるいはあなただって誰かのファンかもしれない。《対人術》で判定を行い成功すると。『忍具:【対象】とのチェキ』(効果:消費により感情修正の機会を追加で得る)を得る。

明日葉 セイ :えっすごい

真白ももあ :つよい!

紅海月 :いいな~!

合馬桜華 :おー

GM :判定は、ここだというタイミングでテキトーに行ってください。

明日葉 セイ :はいさ!

GM :この場合、どうしようかな

GM :ももあさんの撮影会?

明日葉 セイ :あ、よさそう

真白ももあ :いいならおねがいします♡

紅海月 :わしもいそうだよね 自然にそれなら

明日葉 セイ :いそう

明日葉 セイ :それでお願いします

GM :===

GM :真白ももあ電撃参戦!

GM :そのニュースは希族街を、いや異街全土を駆け巡った。

GM :話題性はじゅうぶん。急遽組まれた撮影会には住民が駆けつけ、会場の外へ長蛇の列。

灰色兎 :『あ?そんなに気になるなら直接見に行けばいいじゃねえか』

GM :その言葉に後押しされ、あなたはここ希族街へとやってきていた。

磨羯一家の舎弟 :「あ?」

磨羯一家の舎弟 :「んだてめぇ、道の真ん中にぬぼっと立ちやがって」

磨羯一家の舎弟 :鱗とヒレを持つ、魚人系の男が因縁をつけてくる。

明日葉 セイ :「……あっ、すみません……じゃなくて」

磨羯一家の舎弟 :「チェキ会かぁ~~?」

磨羯一家の舎弟 :「だったらこちらに並べや!皆様に御迷惑じゃねえかゴルァ!!!」

明日葉 セイ :「はい! ありがとうございます!」ふわりと笑顔を作る。

磨羯一家の舎弟 :「ご協力、ありっっしたぁーー!!」

明日葉 セイ :(……自信自信。あと、意外とちゃんとした人だったな……)

明日葉 セイ :礼儀正しく列に並ぶ。

明日葉 セイ :背は高い方だから、先の様子もそれなりに見える。が。

明日葉 セイ :(……長いな、列……。さすがだなあ)

GM :長蛇の列だが、百戦錬磨の磨羯一家。それを着実に捌きあなたの番が近づく。

明日葉 セイ :特に必要のない背伸びをして、それから周囲に目を移す。

明日葉 セイ :「……あれっ」

明日葉 セイ :すぐ傍に、一度見かけた顔。

紅海月 :「………むっ」自分よりひとつ目線の高い少年と目が合う。

明日葉 セイ :「あっあの、こないだぶりです!」礼儀正しく挨拶。

紅海月 :「おう!明日葉ぁ。奇遇じゃの」にかっと笑って。

紅海月 :「敵情視察ってとこかの。関心関心」

明日葉 セイ :「しーっ、ですよ」指を立てる。

明日葉 セイ :「紅海月さんは、やっぱりあちこちに参加されてるんですね」

明日葉 セイ :「……真白ももあ、あのインパクト、さすがにすごかったもんなあ……」

明日葉 セイ :特に必要はないが、列の先を見て背伸びをする。かわいいと思っているので。

紅海月 :悪い悪い、と平謝って。「なに、儂でなくとも。この列みりゃ分かるだろうがよ」

紅海月 :「異街のアイドルファンなら皆、すべからく気になるところじゃろ」

紅海月 :「なにせ、あの真白ももあじゃ!」

明日葉 セイ :「はは、おれも来ちゃったくらいですし」

紅海月 :「うむ。"ズワパイ"の衝撃たるや。儂も試聴した際は椅子からひっくり返ったもんじゃ」

明日葉 セイ :「腰、大丈夫でしたか!」

紅海月 :「え、うん。……お前さん、本当に優しすぎるの」少々面食らった顔で。

明日葉 セイ :「え、あれ、そ、そうかな……」えへへ、と笑って。

明日葉 セイ :「でも、今回はそうも言ってられないので……」

明日葉 セイ :「真白ももあ、ライバル、ですから」声を落とす。

明日葉 セイ :ちらりと見る……と、列はいつの間にかすぐのところに来ている。

紅海月 :「そうさな。……お前さんのことは嫌いでもなし。いちアイドル・オタクの紅海月としては、純粋に応援したい気持ちもあるがよ」

紅海月 :「そういうわけにも、行かなくなっちまったからな」

紅海月 :「共に舞台を目指すものとして……おっ、そろそろじゃの」

明日葉 セイ :「え?」

明日葉 セイ :「えっえっ、今のどういう……ああっ」

明日葉 セイ :目の前に、真白ももあがいる。

真白ももあ :「あっ!」目を輝かせる。

真白ももあ :「『明日葉セイ』くんでしょ!?」

明日葉 セイ :(うわっ、認知されてる)

明日葉 セイ :「……はいっ、あの」

明日葉 セイ :「会いに来ちゃいました」

真白ももあ :「えへへ、嬉しい!」

真白ももあ :「ねえねえ、このあとって時間あるかな?」

真白ももあ :「もうすぐチェキ会終わるから、ちょっとお話できない?」

明日葉 セイ :「えっ、時間取ってもらえるんですか!」

明日葉 セイ :「あります。とてもあります。あの、ぜひ」

真白ももあ :「セイくんだけ特別だからナイショだよ?」人差し指を唇の前にあてしーっとする。

明日葉 セイ :「おれも、お話したかったんです」

明日葉 セイ :「ないしょ、ですね」

明日葉 セイ :呑まれないように、笑顔を返す。

真白ももあ :「うん!……あっ、そっちのひとって『あかつき。』さん!?」

真白ももあ :「セイくんのお友達なの?」

紅海月 :「えっ」指を己に当て。ぽかんとした表情。

明日葉 セイ :「わ、こっちも」

紅海月 :「ど、どうしよう。明日葉ぁ。わし。認知されとるじゃん」

真白ももあ :「異街でアイドルやってくには、あかつき。さんに認められなきゃって」

真白ももあ :「いろんな人から言われるんですよ~」

明日葉 セイ :(……すごいな。真白ももあ)素直にそう思う。

明日葉 セイ :(おれ、周りを見てる余裕なんて全然なかったのに)

紅海月 :「えーっ。そんな、大げさじゃよて! 儂なんてほんと、チンケなファンですさかい!かかかかっ!」

真白ももあ :「よかったら、あかつき。さんもご一緒にどうですか?」

真白ももあ :「セイくんとふたりっきりだとドキドキしちゃうし。あかつき。さんともお友達になれたら嬉しいから」

明日葉 セイ :(近くでみるともう、めちゃめちゃにかわいい。綺麗でかわいい)

明日葉 セイ :「おれはいいですよ。一緒にどうぞ」

紅海月 :「(ううむ。"真白ももあ"。ここまでとは)」

紅海月 :「(呑まれそうじゃ。この儂が)」

紅海月 :「お邪魔でなければ。ご一緒させてもらおうかの」

真白ももあ :「やった!二人ともありがとうございますっ」

明日葉 セイ :(けど、けどけど、おれにだって負けないものがある)

明日葉 セイ :(あるって信じなきゃいけない!)

明日葉 セイ :かつて、多羅尾の『先生』にならった『おまじない』がある。

明日葉 セイ :(『特別なことじゃないの。目を合わせて、まっすぐ話をすれば、みんなきっとあなたの方を向くから』)

明日葉 セイ :(『客席にいくら人がいても、皆が「あなたが自分を見た」と思ってくれる』)

明日葉 セイ :(『そこで好きになってもらえるかどうかは、あなた次第』)

明日葉 セイ :(『あとは』)

明日葉 セイ :(とびきりの、笑顔!)

明日葉 セイ :きらめく星屑のような光を宿す、長く繊細な睫毛をすっと伏せて、華のような笑みを浮かべる。

明日葉 セイ :目の前に立つ、ただふたりだけのための笑顔を。

明日葉 セイ :ということで、感情判定をします。

明日葉 セイ :対象はももあちゃんで、【撫子】の効果で自動成功。

真白ももあ :成功だ~♡

真白ももあ :じゃあ感情表をふっちゃおうかな。ETですよね?

明日葉 セイ :だったはず

真白ももあ :ET 感情表(2) > 友情(プラス)/怒り(マイナス)

真白ももあ :ん~どっちにしよっかなぁ♡

明日葉 セイ :えへへ

真白ももあ :プラスの友情でとります!

明日葉 セイ :ありがとう!

明日葉 セイ :こちらもか

明日葉 セイ :ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)

明日葉 セイ :あっこれはすごいそれっぽい

明日葉 セイ :うーん、プラスの憧憬で取っておきます。まだ憧れの存在

明日葉 セイ :で、あと

真白ももあ :えへへ

明日葉 セイ :【紅葉】を使用して、九ノ一の術で判定。

明日葉 セイ :成功したら生命点1点消費してもう一回感情判定ができるはずなのです。

紅海月 :なんと

明日葉 セイ :じゃあですね、ももあちゃん、これに修正をくれませんか?

真白ももあ :あげちゃう♡

真白ももあ :+1!

明日葉 セイ :ありがとー!

明日葉 セイ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 2[1,1]+1 > 3 > ファンブル

明日葉 セイ :!?

紅海月 :ぎゃあ!

真白ももあ :あっ………………

真白ももあ :バケビって感じになってきたな

紅海月 :カーニバル開始

明日葉 セイ :えーと、じゃあ、これは仕方がないので

明日葉 セイ :神通丸使うよ

真白ももあ :おお!

紅海月 :ほっ

明日葉 セイ :これ修正もそのままですよね

真白ももあ :昔ばけちゃんがそう言ってた気がする

明日葉 セイ :あい! ではそのまま振り直します

system :[ 明日葉セイ ] 忍具 : 2 → 1

明日葉 セイ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗

明日葉 セイ :ぐええ

紅海月 :しゃあないの~~~~

真白ももあ :セイちゃん…………

時雨 :セイくん!?!?

GM :らしくなってきたじゃねえの

明日葉 セイ :笑ってる

紅海月 :遁甲符!

明日葉 セイ :はーーー!!!!感謝

真白ももあ :なにっ

紅海月 :使え!

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 6 → 5

時雨 :ドルオタのおじさん~!

明日葉 セイ :振り直します!

明日葉 セイ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功

合馬桜華 :海月さんといえば!

明日葉 セイ :しゃー!

真白ももあ :やった~~~!!!

紅海月 :みごと

明日葉 セイ :みんなありがとー!(満身創痍)

時雨 :がんばってね

明日葉 セイ :ということで、紅海月さんに感情結びます。

明日葉 セイ :これも自動成功!

system :[ 明日葉セイ ] 頑健 : 2 → 1

紅海月 :むすばれる!

明日葉 セイ :ET 感情表(6) > 狂信(プラス)/殺意(マイナス)

明日葉 セイ :!?

紅海月 :おっ……

真白ももあ :ドルオタのおじさん……信じてるっす!!!!

明日葉 セイ :信じますよ!! プラスの狂信で取ります。

紅海月 :なるほどね。

紅海月 :ではわしも。

GM :遁甲符でコロっといきやがって

紅海月 :ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)

紅海月 :オイオイ

真白ももあ :なるほどね。

真白ももあ :女子が喜びそうな感じになってきましたね

紅海月 :妬みもめちゃくちゃ面白そうなんじゃけどね~~~~

明日葉 セイ :紅さん……(見つめる)

紅海月 :うむ。純粋にアイドルを愛するそのこころに一目置いている。

紅海月 :そういうことにしましょう。プラスで取得!

明日葉 セイ :よしゃ! ありがとうございます!

真白ももあ :じゃあチェキの修正ドルオタのおじさんにもらえるね♡

明日葉 セイ :あと、シーン表の判定もちょうどいいのでここかなって

明日葉 セイ :ですね! 修正よこせ

紅海月 :やる!

紅海月 :+1じゃ!

明日葉 セイ :いただきます。対人術でしたね

GM :いえす

明日葉 セイ :2D6+1>=7 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=7) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗

明日葉 セイ :おまえさあ

真白ももあ :セイちゃん………………

紅海月 :前途多難!

GM :ハハハ

明日葉 セイ :ここはもう仕方がないので失敗で

GM :というわけで写真はブレッブレでした。

明日葉 セイ :ぬおー

紅海月 :かわいいね♥

真白ももあ :「あとでプライベートでスマホの写真とろっか」ブレた写真を見て苦笑している。

磨羯一家の舎弟 :「なんか写り込んでブレちゃうんだよな―」

磨羯一家の舎弟 :「ドルオタの霊?」

磨羯一家の舎弟 :「カメラメンテしたの?」

明日葉 セイ :「うーん、せっかくのキメ顔だったのになあ」

紅海月 :「怖……」ウワサを耳にいれながら。

紅海月 :「まあ、これも思い出の味ってやつじゃの」

明日葉 セイ :「色合いでもう、ももあちゃん、ってわかりますしね」

明日葉 セイ :「あと、こんなでもちゃんとかわいく写ってるの、すごいなあ……」

真白ももあ :「綺麗に写る、っていうより、一緒の時間にいたんだよ、って思い出だと思ってるから」

真白ももあ :「あかつき。さんの言う通りですね」ニコニコ笑う。

明日葉 セイ :(……すごい、と思う。そうありたい、とも思う。だから)

明日葉 セイ :(たくさん、今の時間で学ばなきゃ。吸収して)

明日葉 セイ :(それで、もっと素敵なおれにならなきゃ!)

明日葉 セイ :……そうして、撮影会は盛況のうちに終わり、真白ももあの名前はきっとさらに轟くだろう、とも思われ。

明日葉 セイ :その後、指定された近くの喫茶店へと移動する。

明日葉 セイ :(……やっぱり派手なことしたから、マークされたりしてるのかな?)

真白ももあ :「あっ、いたいた。おまたせ~!」私服姿で駆け寄る。

明日葉 セイ :「あっ、こんにちはっ」

紅海月 :既にセイの隣に座り、緑茶を啜っている。

明日葉 セイ :飲みかけのミルクティーを置いて小さく手を振る。

真白ももあ :「さっきの撮影会でね、手作りのぬいぐるみもらっちゃった。お友達のお店においてもらうように交渉中なんだって。異街の子ってしっかりしてるね」

らむもん :ももあはそういって手の中の不細工なぬいぐるみをみせる。

紅海月 :「………」怪訝な目でそれを見る。「なんというか……」

明日葉 セイ :「わあ、ぬいぐるみだあ」

真白ももあ :「かわいくなくてかわいいよね」

真白ももあ :「おなかおすとなくんだよ」

らむもん :『ォェエエエエ………………』お腹を押されてうめく。

紅海月 :「断末魔?」

真白ももあ :「リアルだよね」

明日葉 セイ :「すごい、後を引きますね」

真白ももあ :「異街って面白いね。いろんなものみてみたいな」

真白ももあ :「なんか……色?のついたものとか、すごいんでしょ?」

明日葉 セイ :「そうか、来たばっかりなんですよね……」

真白ももあ :「緑のとかみてみたいな~。緑って結構好き」

明日葉 セイ :「色」ずず、と紅茶を飲む。

明日葉 セイ :「緑は……んー、おれ、もうひとつ」

紅海月 :「普通なら、生涯足を踏み入れるこたねえ場所だからの」

明日葉 セイ :「カラーが水色だから、そっちが好きです」

真白ももあ :「なるほど!いいね」楽しそうに笑う。

紅海月 :「緑、水色……」ふうん、と呟いて。ずずりとまた茶を飲む。

明日葉 セイ :「あ、でもなんかあるんですか? 緑」

明日葉 セイ :「ラッキーカラー的な」

紅海月 :「桃じゃねんだなあ」

真白ももあ :「これからなるのかもしれないなぁ」

明日葉 セイ :「ふうん?」

明日葉 セイ :「桃」

真白ももあ :「あのね、セイくんにお話したいことがあるって言ったでしょう?」

明日葉 セイ :「あっ、はい、はいはい」

真白ももあ :「私と組まない?」

真白ももあ :「ユニット」

明日葉 セイ :「…………」

明日葉 セイ :「……おれが? ももあちゃ……さんと!?」

真白ももあ :「そ。私と」

真白ももあ :「ピンクと水色……混ぜたら緑っぽくなるかも、ね?」

明日葉 セイ :「あの、ひとつ、えっと」

明日葉 セイ :「えとえと、緑……が、ラッキーカラーになるかもしれなくて」

明日葉 セイ :「そしたら、そしたらですよ」

明日葉 セイ :「その後どうするのかな、それ、って、えーと」

紅海月 :肘杖を突きながら、興味深げに目を細め、ふたりの会話を聞いている。

真白ももあ :「どうって……ドラゴンボーンフェスで優勝するってことだけど」

真白ももあ :「そういう話じゃなくて?」

明日葉 セイ :「それはそうです」

明日葉 セイ :「その……緑色はどうなりますか」

明日葉 セイ :「おれにとってはそれ、今んとこわりとアンラッキーカラーっていうか」

明日葉 セイ :「んーと、大事に取っとく、とかなら、それはできないんです」

真白ももあ :「ふふっ、やっぱり面白いねキミ」

真白ももあ :「どうしておれが?とかじゃなく、緑色ってどうなりますか?なんだ」

真白ももあ :「大丈夫。キミのアンラッキーごと、私がもってってあげるよ」

明日葉 セイ :「どうしておれが、ってのはもう、考え飽きちゃった」

明日葉 セイ :「こんな場所に立ってる時点で、もう普通じゃないとこに足を踏み入れちゃったから」

明日葉 セイ :「……ひとつ、こっちからも聞いていいですか」

真白ももあ :「もちろん。どうぞ?」

明日葉 セイ :「あ、これは、あの、紅さんにも聞いときたいんです」

紅海月 :ん?と視線を隣の少年に移して。

明日葉 セイ :「おれ、わりとずっと、アイドルにならなきゃもう他にどうすればってくらいに思ってて」

明日葉 セイ :「他の自分を想像すると、胸が苦しくなって」

明日葉 セイ :「でも、そういう……アイドルってものがもしなかったら。お二人は、自分がどうなってたって思いますか」

明日葉 セイ :「いろいろ考えたんですけど、人の意見が聞きたくなっちゃったんですよね」

真白ももあ :「ふふっ。なるほどね」

紅海月 :ほほう、と顎を擦り。「そうさな。……」

紅海月 :「……この世にはよ」

紅海月 :「昔っから、何かにつけて"偶像(アイドル)"ってのは存在したもんだよな」

紅海月 :「神社に祀られた神様だの」

明日葉 セイ :「ふんふん」

紅海月 :「希族街を束ねる、千十嵐リンネなど。その魅力にやられちまったファンの熱狂ったら」

紅海月 :「狂信的と言っていいほどだわな」

紅海月 :「崇拝するものこそ違えど、儂もそんなひとりの内よ」

紅海月 :「アイドルがいない、人生など。考えられぬ」

明日葉 セイ :「ですよね!」身を乗り出す。

紅海月 :「うむ。"紅海月"という男など、居ないも同義」

紅海月 :「そう思っていた。……この内の熱が冷めるまではな」

明日葉 セイ :「熱……」

紅海月 :「案外、なんとかなっちまってるんだよな。これで」

真白ももあ :「いまは結構落ち着いたって聞きました。健康に気を遣うようになったって……」

紅海月 :「お陰様ですっかり肌もピチピチよ!」

明日葉 セイ :「そういう、ものなのかな……」小さく首を傾げている。

紅海月 :「儂はよ」

紅海月 :「ほんとうの意味で、アイドルを。愛してやれんかったのかもしれぬな」

真白ももあ :「過去はそうでも、これからは分からないでしょう?」

明日葉 セイ :「そう、そうですよ。前夜祭だっていらしてたし」

紅海月 :「かかかっ。もちろん、このまま座して死ぬだけなど、そんなつまらぬ余生を過ごす気など毛頭ない」

紅海月 :「真白には伝えておかんかったけどよ。儂にも、事情があるでな」

紅海月 :「本祭。此度は同じ目線で。また会いたいものじゃが……そうそう」

紅海月 :先程の質問じゃったよね。とどうぞどうぞ、と手をももあに向けて。

明日葉 セイ :(あ、さっきの……)

真白ももあ :「あ、私まだ答えてなかったね。アイドルじゃなかったら……アイドルがなかったら?どうするかって話」

明日葉 セイ :「そうです」うんうんと頷く。

真白ももあ :「アイドルをやらなくても幸せに生きていけるんだったら、そうやって生きて行った方が絶対にいい」

真白ももあ :「私たちはアイドル以外の生き方が出来ないから、もがいてでも這ってでもステージの上に立ってる」

真白ももあ :「でも……そう思って死に物狂いでやってきたのに、どうしてもステージに立てない人なんていっぱい見てきた」

真白ももあ :「結局はそういう人達も、他の道を見つけて生きて行くんだよね」

明日葉 セイ :(……うん。前までのおれ。れみちゃんも、多分いっぱい苦しんでた)

真白ももあ :「だけどね……」

真白ももあ :「…………ねえ、ファンの人達ってアイドルに何を求めてると思う?」

真白ももあ :セイくんと紅海月さんを交互に見つめる。

明日葉 セイ :「光、ですか」ぱっと浮かんだ言葉を呟く。

真白ももあ :「ふふ、なるほどね。キラキラ輝いて、眩しくて……焦がれるような光」微笑んでセイくんに頷く。

明日葉 セイ :「そう、それで、みんなを照らしてくれるんです」

紅海月 :「……儂はそうさなあ」

紅海月 :「共感性かのう」

紅海月 :「誰しも、悩みや欠陥。冷たいそれを抱えて生きている」

紅海月 :「それを、温かい声で。支えてやれる」

紅海月 :「そんなアイドルに、惹かれてしまうの」

真白ももあ :「……ふふ。なるほど。それも素敵ですね」

明日葉 セイ :「なるほど……」これもわかるな、と心のメモ帳に書き留める。

真白ももあ :「あかつき。さん、なんだか……」言いかけて首を振る。「ううん。今はそれはいいや」

真白ももあ :「みんながそれぞれアイドルに求めてるものがあって、アイドル一人一人、何を求められてるか考えてると思う」

真白ももあ :「私はね、『世界で一番幸せであること』だと思ってる」

真白ももあ :「だから、真白ももあが真のアイドルなんだったら……」

真白ももあ :「アイドルじゃないことなんて想像もつかないけど。でも、もしアイドルじゃなくても、きっと世界で一番幸せな女の子なんじゃないかな」

真白ももあ :「でもね、やっぱり私はちゃんとステージの上で輝くアイドルでいたい。だからね、今日はセイくんに呪いをかけにきたんだよ」

真白ももあ :「『一人じゃないよ、幸せでいて』」

真白ももあ :「『私と一緒に、世界で一番幸せになろう』」って」

明日葉 セイ :「…………」

明日葉 セイ :「えっと、ユニット、ってのは考えもつかなかったけど」

明日葉 セイ :「とても素敵だと思います。それと」

明日葉 セイ :「ももあさんがアイドルでいたい、ってのを聞いて、ちょっと安心しました」

真白ももあ :「うん。アイドルでやりたいことまだまだあるし」微笑む。

明日葉 セイ :「それ、考える時間はもらえますか」

真白ももあ :「もちろん!こんなおっきいこと、すぐには決められないだろうと思ってたから」

明日葉 セイ :「よかったあー。プロデューサーにも相談しないと怒られちゃう」

明日葉 セイ :ほっと胸をなで下ろす。

真白ももあ :「でも、今のところセイくん以外と組む気はないけど……」

真白ももあ :「私の気持ちが変わらないうちにきてね」

真白ももあ :「たとえ断るんでも、えーん振られたーって、ちゃんと悲しみたいから」

紅海月 :「かかかっ。ある意味、ハクがつくかもな」

紅海月 :「あの"真白ももあ"を振ったアイドル! 明日葉セイ! っての」

明日葉 セイ :「……おれが王子様だったら、君を悲しませたくない、って言ったんだと思いますけど」

明日葉 セイ :「同じ立場の、ライバルなので。もうちょっと振り回させてください」

真白ももあ :「ふふ、そうだね。キミは王子様でもお姫様でもない」

真白ももあ :「明日葉セイだ」

明日葉 セイ :「……共感性」ぽつりと。

明日葉 セイ :「こういうことですか。敵わないなあ」

明日葉 セイ :くすりと笑って、紅茶を飲もうとして、もう空になっていることに気付く。

明日葉 セイ :(さて。また考えることが増えたなあ……)

紅海月 :「これと決めた道をひた磨き、猛進するアイドル」

紅海月 :「いまだ決められた枠を持たず、藻掻き、ただ上を目指すアイドル」

紅海月 :「"最強"のアイドルまでの道に近道なし。正規の道筋もなし」

紅海月 :「共に競う間柄になっちまったが。改めて。しかとその名、覚えたぞ」

紅海月 :「明日葉セイ。真白ももあ」

紅海月 :「精進しろよ。さすれば、その内」

紅海月 :大きく空いた羽織の裾。

紅海月 :僅かに漏れ出る緑の光。

紅海月 :「さらなる"幸運(ハッピー)"も、訪れるだろうさ」

明日葉 セイ :「……緑?」小さく呟く。

真白ももあ :「わ、これ『特別な色』のやつかな?」

明日葉 セイ :「あの、あのあの、それ、どこでどうやって」

紅海月 :「かかかっ。秘密じゃ」

紅海月 :「どうしても知りたいというなら……そうさの」

紅海月 :「ドラゴンボーン・フェス。その出場権でも得てからなら」

紅海月 :「考えてもよいの」

明日葉 セイ :「……なら」

明日葉 セイ :「じきにわかる、ってことですね」

明日葉 セイ :「楽しみにしてます!」

紅海月 :「愛らしい顔しとるくせに。肝は太いの、相変わらず」

紅海月 :心底可笑しそうに笑う。

明日葉 セイ :「はい。最高のアイドル、それがおれの目標ですから!」

明日葉 セイ :星にでも手が届きそうな笑顔で、そう言ってのけた。

GM :===

サイクル1:真白ももあ

GM :では続いてのPC、3!カマン!!

真白ももあ :はあい♡

GM :登場希望・内容・シーン表

GM :もれなくよろしくだぜ

真白ももあ :リンネちゃんの秘密を探ろうと思ってます。登場希望はリンネちゃんと時雨さんとできればクユちゃん!

真白ももあ :シーン表は悩むな~アイドルでもいいし異街でもいいし

真白ももあ :でも襲われたらいやだしアイドルにします

時雨 :出るよ~

GM :2手番目でもう秘密が……

真白ももあ :わかんない しぐに発情したら感情結ぶかも

GM :よかろうです、あとアイドルだったら襲われない……??

真白ももあ :アイドル襲うのやばすぎない?

GM :そうですね

真白ももあ :ふりまーす

真白ももあ :2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10

GM :10.ライブ会場の裏手には出待ちのファンの姿、忍びであるあなたは当然難なく躱すことも出来るが。

GM :というわけです

真白ももあ :私ってライブとかしてるのかな

GM :フェス外で、ファンを増やすためにミニライブとかしてるんじゃないですかね

GM :自分をリンネの出待ちってことにしちゃってもいいかもだけど

真白ももあ :なるほど……どうしようかな 頭が回ってない

真白ももあ :ライブ終わったリンネちゃんそのままお茶に誘えるのかな

GM :興が乗れば可なんじゃないでしょうかね

真白ももあ :じゃあリンネちゃんで待ちしてお茶にさそっちゃお!

真白ももあ :いったさきのお店にしぐとクユちゃんがいる感じでどうだろう

クユ :クユは問題ない

時雨 :ではそれで


GM :===

GM :フェスのはじまり。

GM :希族街は毎日お祭り騒ぎの大賑わい。

GM :最終日へと向けたアイドルたちのバトル・ロイヤルゲーム。

GM :初日から大小様々な公演が、会場内では行われており。

GM :御多分に洩れず、希族の王。

千十嵐リンネ :歓声を背に、本日も悠々と凱旋を為す。

GM :そんな歓声を遠くに、ステージの陰。

真白ももあ :一目千十嵐リンネを見ようとする、出待ちのファンに紛れ。

真白ももあ :「あっ、リンネさーん!」

真白ももあ :マイペースに大きな声を張り上げ千十嵐リンネに駆け寄る。

千十嵐リンネ :「おや、貴様は」

真白ももあ :「えへへ、会いに来ちゃいました」

千十嵐リンネ :ファンの壁を割り、優雅に歩を進める異街の王。

千十嵐リンネ :「ようこそ、今日は何か、決闘の申し込みかな?」

真白ももあ :「決闘っていうか……」

真白ももあ :「お友達になれたらいいなぁって。ライバルと仲良くしちゃダメって決まりはないでしょう?」

真白ももあ :「だから、お茶でもどうかなぁって思って、お誘いに来たんです」

真白ももあ :「私と対等な立場でお友達になってくれるアイドルの子、まだ一人しかしらないから」

千十嵐リンネ :「王であるこの身、容易く民とは馴れ合えぬ」

千十嵐リンネ :「が、貴様もまた王であったな」

千十嵐リンネ :「であれば、こちらが礼を尽くすが筋というものか」

真白ももあ :「わ、ありがとうございます」嬉しそうに両手をあわせ微笑む。

千十嵐リンネ :「よかろう、貴様を我が城へと招待しようではないか」

千十嵐リンネ :「そこな、ふたりもな」

クユ :「ビクーン」

クユ :車の陰、あんパンの袋を抱えたクユ、そして

クユ :「み、みつかったぞ……」

時雨 :「変装はしていたはずなのですが。さすがは希族街の王、ということでしょうか」

時雨 :アイドルファンたちに紛れてている。ついでに牛乳パックを何本か入れた袋を提げている。

クユ :「やはりひとすじなわでは」

真白ももあ :「わ、可愛い!妖精さんみたい」クユちゃんを見て嬉しそうにしている。

時雨 :「ふむ……一時撤退しても良いのですが」

真白ももあ :「えーっ、仲良くしたいなぁ」

真白ももあ :「リンネさんのお知り合いなんでしょう?」

千十嵐リンネ :「今日は何の遊びだ?楽しんでるようで何よりだ」

クユ :「遊びではない、本気(マジ)だ」

クユ :「お前を……ぶっ倒す」

時雨 :「クユさんはこの通りで。ええ、是非私もお話をしたいです」

千十嵐リンネ :「貴様がか?、おお、これはこれは本当に恐ろしい」

真白ももあ :妖精さんみたいですごく可愛いけど、ここは異街。小さい女の子に見えても何かすごい力を持っているのかもしれない。

真白ももあ :それはそれとして可愛い。

時雨 :「そちらは──真白ももあさんでいらっしゃいますね。これは僥倖」

真白ももあ :「お兄さんにも知ってもらってて嬉しいです。はい、真白ももあです」時雨さんに微笑む。

千十嵐リンネ :「ん?」

千十嵐リンネ :「こちらはな、異邦人」

千十嵐リンネ :「未だ島と交わることなく、それ故に唯一の価値を以ってこの島へと逗留し続ける怪人時雨」

時雨 :「ご丁寧に。時雨と、そう名乗っています」

真白ももあ :「わあ。すごい人なんですね!」時雨さんの手を両手で包む。

時雨 :「おや──」瞬きをする。

千十嵐リンネ :「それと、この島における最高の神秘であるクユだ」

クユ :「みすてりぃあ、す」

真白ももあ :「わあ……!すごい、こんなに可愛いのに、こんなすごい島の最高の神秘なんだ!」時雨さんの手を離し、屈んでクユちゃんを見つめ微笑む。

時雨 :「ええ、こちらがクユさん。私の目的です」

時雨 :「よろしければ私とクユさんに、お二人のお話を拝聴させてはいただけませんか」

真白ももあ :「こちらこそ、お二人と仲良くできたら嬉しいです!リンネさんのお心遣いに感謝します」

千十嵐リンネ :「ストレンヂャアよ、貴様とは一度話をしてみたかったところだ」

千十嵐リンネ :「この千十嵐リンネの招待、よもや断るはずもないよな?」

時雨 :「勿論です。それに、お二人のことをよく見れば、あるいは可能性があるかもしれません」

真白ももあ :「可能性?」

時雨 :「ええ、今の私は、トップアイドルを目指しているものでして」

真白ももあ :「えっ!そうなんだ!」嬉しそうに微笑む。

時雨 :「目の前にその実例がいらっしゃる。逃す手はありません」

真白ももあ :「やっぱりリンネさんの影響かな?この島、いっぱいアイドル目指してる人がいて素敵ですね」

クユ :「そう、時雨がぶっ倒す」

千十嵐リンネ :「ク、ク」

千十嵐リンネ :「興味深い、それも含め、聞かせてもらおうか」

GM :磨羯の領地は大きく分けてふたつ。

GM :ロイヤルを自称する、山に居を構える富裕層と。

GM :城下町に居を構える庶民。

GM :城下町の印象はいわゆる中華街のそれであるが、山に登ると北欧といった風である。

GM :その天辺に鎮座するは、千十嵐リンネ。

千十嵐リンネ :豪奢な調度品に囲まれ、席へ着く。

千十嵐リンネ :「お客様だ、粗相の無いようにな」

千十嵐リンネ :「お、なんだクテン、クテンがいるではないか」

"クテン" :「……ゲッ!」その姿を見、露骨に嫌そうな顔をする

千十嵐リンネ :「お前が茶を淹れろ、お前が一番淹れるのが下手だからな」

千十嵐リンネ :「不味かったら承知はしないぞ、ハハハ」

"クテン" :「はァ!? なんで俺が茶ァなんて……!」

真白ももあ :「ふふ、楽しい方ですね」ニコニコ微笑んでいる。

らむもん :『オエ!オエァアア!!』ももあのカバンについたぬいぐるみが妙な声をあげている。

時雨 :「……」ぬいぐるみを一瞥する。

千十嵐リンネ :「皆でお前の茶をなんて代物だ、まだサ店のドリンク・バーの方が上等なものを出すと評しながら改めてこのリンネ様が淹れなおしてやろう」

真白ももあ :「まあ、リンネさんが直々に?」楽しそうに笑う。

時雨 :「それは楽しみです。クテンさん、是非急いでお茶を入れていただきたい」

"クテン" :「シグル! お前もリンネ様の肩持ってんじゃねェ!」

"クテン" :「……あ?」

"クテン" :「シグルとクユに……アンタ、確か」

"クテン" :「えーっとアレだ、アイドルの……」

真白ももあ :「わあ、ご存知なんですね!」

"クテン" :「真白ももあ……だったか? "外"にいた頃に聞いたことが──」

真白ももあ :「はい、真白ももあです。知ってくださってて嬉しいです」

千十嵐リンネ :「相変わらずだな、磨羯とは思えぬ」

千十嵐リンネ :「まだ城下町の爺婆の方が詳しいぞ」

"クテン" :「……ってことは! この前のフェスんときに乱入したっつゥ!」

"クテン" :「おま、お前、こちとらお前の仲間と戦わされてなァ!」

"クテン" :「外警備してたら知らん道士女に襲われて……!」

らむもん :『生体反応……120%一致……クテン照合』

らむもん :『発射!』ぬいぐるみの口から次々と大豆がクテン君めがけて発射される。

"クテン" :「なんとか追い返したと思ったらあの赤髪の女に……なんだこりゃァ!?」

千十嵐リンネ :「ああ、ああ汚しよって」

真白ももあ :「わっ、こんな機能あったの?知らなかった……ごめんなさい!」

真白ももあ :「えっ?ああ、桜華ちゃんが戦ってた……えへへ、ごめんなさい?」忍者のことはよくわからないので曖昧に微笑む。

千十嵐リンネ :「ちゃんと掃除をするのだぞ?クテン」

"クテン" :「おい! 止めろ止めろ! 地味に痛ェ!」

らむもん :『五分経つと納豆になる……』

らむもん :『納豆にしたくなくば急ぐのだな……』

"クテン" :「どういう技術だよ!」

真白ももあ :「異街の子ってすごいなぁ。これ手作りらしいですよ」

真白ももあ :「量産してお友達のお店で売りたいらしいです。異街が納豆だらけになっちゃいますね」

"クテン" :「……どっかで見たようなツラにどっかで見たようなテクノロジーだよなァ……!」

"クテン" :「こ、これ以上ここにいてもロクなことがねェ……! 茶ァ入れてくる! それでいいな!!」

千十嵐リンネ :「おう、手早くな」

"クテン" :「アンタがンなこと言い出さなけりゃ……!」

真白ももあ :「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」優雅に微笑む。

"クテン" :言い残し、足早に給湯室へ逃げる。

千十嵐リンネ :「で、だ」

千十嵐リンネ :「改めて、ようこそ我が城へ」

真白ももあ :「お招きいただきありがとうございます」

千十嵐リンネ :「希族街はどうだ?ふたりのストレンヂャアよ」

真白ももあ :「本当に素敵!お城って初めて来ました」

真白ももあ :「城下町もとってもにぎやかで素敵だったし。お城の周りも本当に素敵!」

時雨 :「上層は、他の地域とは違って──御伽話のような世界ですね」

真白ももあ :「うんうん、本の世界みたい!」

時雨 :「どれもが美しく保たれている。とても参考になります」

千十嵐リンネ :「お褒めに預かり光栄だ」

千十嵐リンネ :「しかし、少々退屈な場所でもある」

千十嵐リンネ :「ここでのショウよりも、私は下でのライブを好む」

千十嵐リンネ :「なにせ、熱が違うからな」

真白ももあ :「なるほど!やっぱり、ここに住んでる人達はお上品なんですね」

時雨 :「熱。欲求を強く表出させているということでしょうか」

真白ももあ :「リンネさんがワールドツアーに乗り出そうとしてるのも、そういうのが関係してるんですか?」

千十嵐リンネ :「そうだな、実に」

千十嵐リンネ :「弱き、貧しきものたちにとっても、歌は必要なものだ」

真白ももあ :「歌を歌う事、聞く事、それ自体はお金がなくてもできますものね」

千十嵐リンネ :「だが、明日の生すら脅かされる状況では、それはパン一欠片ほどの価値も持たぬだろう」

千十嵐リンネ :「我慢がならん」

千十嵐リンネ :「私は、あまねく全てを救う」

千十嵐リンネ :「この歌で、貴様ら人類をまるごと、ただ歌に幸福を求めるだけの生物へと押し上げる」

千十嵐リンネ :「もれなくだ、取りこぼしは無い」

真白ももあ :「それって、リンネさんが吸血鬼だから……」

真白ももあ :「全人類を丸ごと、吸血鬼の仲間にするってことですか?」

千十嵐リンネ :「近くはある、が、正確とも言えぬな」

千十嵐リンネ :「この千十嵐リンネの本質は最早吸血鬼であることにはない」

千十嵐リンネ :「ともかく、私は貴様ら人類をすべて我が眷属として迎え入れる」

千十嵐リンネ :「その果てに、真の幸福が実現するだろう」

千十嵐リンネ :「フェスは、けじめのようなのものだ」

真白ももあ :「けじめ……」

千十嵐リンネ :「そして、チャンスでもある」

千十嵐リンネ :「貴様らのような者たちへのな」

千十嵐リンネ :「この千十嵐リンネ、否を突きつける機会を奪うほど狭量でもない」

千十嵐リンネ :「だから、最も強い否を携えた敵を」

千十嵐リンネ :「最も近くで、我が歌でねじ伏せる」

千十嵐リンネ :「貴様も知る、真の幸福が何であるかをじきにな」

真白ももあ :「私は、忍者とか妖魔とか、そういう超常の世界を知らなかったけど……」

真白ももあ :「リンネさんが、そういう吸血鬼とかの超常の力じゃなく、純粋なリンネさんの歌の力で戦おうとしてるところ」

真白ももあ :「とても高潔だし、素敵だなって思います」

千十嵐リンネ :「ふうむ、何やら認識に齟齬があるな」

真白ももあ :「齟齬……?」

千十嵐リンネ :「なあ真白ももあ、吸血鬼の超常のちからは、"卑怯なこと"か?」

千十嵐リンネ :「純粋な歌の力は、何よりも尊ばれることか?」

千十嵐リンネ :「なあ、それが超常に見えるのは、貴様が只人に過ぎぬからだ」

真白ももあ :「ふふ、なるほど」

真白ももあ :「人に持ってないものを持ってるからズルい、なんていうのは、おかしいですもんね」

千十嵐リンネ :「いかにも」

千十嵐リンネ :「蛙が、鷹にお前は羽根を使わないから偉いなどと講釈垂れるのはおかしな話だろう?」

真白ももあ :「そうですね。一番努力した人が絶対にトップになれる、そういう世界じゃないことは身をもって知ってます」

千十嵐リンネ :「そうだ、貴様と私では持つものに大きな開きがある」

千十嵐リンネ :「生物として、この千十嵐リンネに勝てるものはこの異街でもそうはいないだろう」

千十嵐リンネ :「だからこその、フェスだ」

千十嵐リンネ :「貴様ら人間もそこに勝機を見出し、貴様を送って寄越した」

千十嵐リンネ :「歌は、全能ではない」

千十嵐リンネ :「不自由な道具だ、そこに勝機があるし、また価値もある」

真白ももあ :「人によってはただの音の集まりだけど……」

真白ももあ :「理屈じゃない。お金とか地位とかの客観的な価値があるものより、時に理屈を超えた価値がある」

真白ももあ :「明日のパンがないと死んでしまう人にはなんの価値がないときもあるかもしれないけど、歌がなければ心が死んでしまう人がいるかもしれない」

真白ももあ :「だから私は好きです。歌」

千十嵐リンネ :「実に」

真白ももあ :「そして、そんなに強いリンネさんが歌を好きだと思ってくれてることも、嬉しいです」

千十嵐リンネ :「ああ、私は歌が好きだ」

千十嵐リンネ :「そしてそれをもどかしくも思う」

千十嵐リンネ :「私はな、歌をより高次元のものへと引き上げようと思っている」

千十嵐リンネ :「このフェスで……それを為すだろう」

真白ももあ :「私は私の応援してくれる人達が、みんな幸せになって欲しいっていうのはもちろんそうだけど……」

真白ももあ :「小学生がお小遣いを一生懸命貯めて買ってくれたCDや、高校生が一生懸命バイトして稼いだお金で買ったチケットで来てくれるライブとかも、価値があると思ってます」

真白ももあ :「きっとそれは、当たり前のものとして与えられるのとは別の価値がある」

真白ももあ :「リンネさんは……みんなを救うけど、ひとりひとりのそういう特別も、なくしちゃうのかなって感じました」

真白ももあ :「私は、私のことを好きになっても嫌いになってもおかしくない人から好きになってもらえるのが好きです」

真白ももあ :「リンネさんは、リンネさんを愛するのが幸せに決まってるから、そうなったらいいって思ってるのかなって思ったけど」

真白ももあ :「私は勝ち取りたいんです」

真白ももあ :「負けるかもしれない勝負で」

千十嵐リンネ :「ならば健気に足掻が良い」

千十嵐リンネ :「あるいはこの身に届くやも」

千十嵐リンネ :「音楽の可能性に、絶対はないのだからな」

千十嵐リンネ :「私も、貴様もそこに賭けている」

真白ももあ :「リンネさんは全能に近いのに、そうやって不確定な勝負の場で戦ってくれること」

真白ももあ :「やっぱり、素敵だなって思います」

真白ももあ :そういう感じで判定をしたいと思いますが……

真白ももあ :芸術の話めっちゃしたから……遊芸とかで……

GM :あいよ

真白ももあ :どうでしょうか……

真白ももあ :やった!ふります

真白ももあ :2D6>=5 (判定:遊芸) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功

真白ももあ :こわっ!でも成功

真白ももあ :リンネさんの秘密ゲットだぜ!

GM :成功、では秘密を差し上げます。

時雨 :そして私にくれ……る……?

真白ももあ :ああ~、それもいいですね。というかそうしなかったら呼んだ意味わかんないな

真白ももあ :でもとりあえず見てから!セイくんには自動でいきます

時雨 :楽しみにしましょう

真白ももあ :うおーっそうなのか……

真白ももあ :時雨さんにも渡します!

時雨 :やった~~ありがとうございます!

GM :行き渡ったようですね、では再開します。

真白ももあ :「……うーん、信じられない事が次々あって何に驚いたらいいかわかんないな……」

真白ももあ :「共感性かぁ」ぽつりとつぶやく。

真白ももあ :「こういうのって異街では結構あるの?」時雨さんに。

時雨 :「どうでしょう。きっと他の土地でも在り得るのでしょうね」

千十嵐リンネ :「クク、抜け目のないやつだ」

千十嵐リンネ :「仕掛けたな、この千十嵐リンネに」

真白ももあ :「ふふ、でもリンネさんを知ってもらうのはリンネさんの得意な事じゃないんですか?」

千十嵐リンネ :「それで、我が正体を知って尚その肝の据わりよう」

千十嵐リンネ :「貴様もまた王であるということだ」

千十嵐リンネ :「いかにも、別に隠し立てているわけではない」

真白ももあ :「だって、たとえあなたがすっごく良い存在だって、私があなたの夢を奪うことは決まってるから」

真白ももあ :「だったら正体が何でも、変わらないかなーって」

千十嵐リンネ :「ハ、ハ」

千十嵐リンネ :「ならばまず、フェスへの席を手に入れることだな」

千十嵐リンネ :「今はまだ、その足がかりもつかめてはいまい」

真白ももあ :「そうですね。がんばって邪魔しにきます!」優雅に微笑んだあと。

真白ももあ :「……ねえねえ、リンネさんがそういう感じなんだったら……恋愛とかってしないんですか!?」

真白ももあ :目をキラキラ輝かせる。

クユ :「さきほどからおふたかた」

クユ :「なにやら偉そうにしておりますが」

クユ :「勝つのは、時雨です」

クユ :「むふん」

真白ももあ :「ふふっ、ごめんなさい。クユちゃんは時雨さんを信じてるんだね」

真白ももあ :「ねえねえ、クユちゃんや時雨さんも好きな人っている?」

真白ももあ :「友達とコイバナ。してみたかったの!」楽しそうに手を合わせる。

時雨 :「この街には、魅力的な生き方をしている方が沢山いらっしゃいますよ」

真白ももあ :「時雨さんも、そういう優等生みたいな回答じゃなくてぇ~」唇を尖らせるも笑っている。

千十嵐リンネ :「恋愛か」

千十嵐リンネ :「しているとも言えるし、不可能であるとも言える」

千十嵐リンネ :「私という存在は複雑なのだ」

真白ももあ :「えーっ、してるんですか!?」

真白ももあ :「どんな人ですか!?」

千十嵐リンネ :「それは、様々だ」

千十嵐リンネ :「私の中には、我が眷属たちの魂がある」

千十嵐リンネ :「それらひとつひとつが、あるいは恋心を抱えている」

時雨 :「リンネさんの在りようには、個人的に思うところもありますが」

時雨 :「多くの人生を見ることができるというのは、純粋に羨ましい」

真白ももあ :「なんか二人とも達観してるなぁ~」

時雨 :「申し訳ない。つい最近まで終わりの方にしか興味を持てなかったのです」

真白ももあ :「ああー、いつか別れちゃうのに……みたいなやつ?」

千十嵐リンネ :「焦がれる話か、私そのものが」

千十嵐リンネ :「ならば、吸血鬼千十嵐リンネは貴様ら人類種に恋をしてるのだろうな」

千十嵐リンネ :「下等な存在を相手に、夢中になって踊っている」

真白ももあ :「へへ、ふふ」

真白ももあ :「じゃあその中には私もいる?」

真白ももあ :「恋をしてる、下等生物の中に」

千十嵐リンネ :「無論だ、貴様がステージに飛び込んできたあの瞬間」

千十嵐リンネ :「どれほど私の胸が高鳴ったか」

真白ももあ :「ふふふ……っ、だったら私……リンネさんのためにもリンネさんの夢潰さなきゃ」

真白ももあ :「話聞いてると、リンネさんが夢を叶えたら、リンネさんって幸せになれなさそう」

真白ももあ :「思い通りにならない世界で、私に恋をしてもらったほうが」

真白ももあ :「幸せなんじゃないかって思うな」

千十嵐リンネ :「何を莫迦な」

千十嵐リンネ :「眷属の幸福はそのまま我が幸福となる」

千十嵐リンネ :「これは比喩でも何でも無い、厳然たる事実、仕組みの話だ」

真白ももあ :「でも、その仕組みを超えた幸せだってあるかもしれない」

真白ももあ :「そうじゃないですか?」

千十嵐リンネ :「そうかもな」

千十嵐リンネ :「だが、私はこれ以上は待てぬ」

千十嵐リンネ :「だから今なのだ」

真白ももあ :「じゃあ、その今」

真白ももあ :「フェスで」

真白ももあ :「リンネさんを幸せにしてみせるね」

千十嵐リンネ :「挑むが良い」

千十嵐リンネ :「貴様もだ、時雨」

千十嵐リンネ :「足りないものを、集めているのだろう?」

千十嵐リンネ :「歌は、きっと貴様を補い、高めるだろう」

千十嵐リンネ :「それを学ぶがいいさ」

時雨 :「そうなのでしょうか。いえ──きっと貴方の言葉こそ、正しいのでしょう」

時雨 :「私はそれを映像としてしか、記録していませんから」

時雨 :「ですが──やはり貴方の言葉があるからではありません」

時雨 :「貴方の目的や、その背後にある含蓄ではなく」

時雨 :「クユさんが私を応援してくれると言うので、私は歌を集めます」

時雨 :クユさんの頭を撫でます。

真白ももあ :「ふふっ。時雨さんって論理的に考えて冷静に結論を出そうとしてるけど……」

真白ももあ :「すっごく優しい人なんだね」

時雨 :「その二つは相反しませんよ」

真白ももあ :「誰かに応援してもらえなきゃ、アイドルはなれないけど。応援してもらってるからって、なるって決断なかなかできないよ」

真白ももあ :「クールだけど熱い男……男?女?」

時雨 :「ふふ、どちらでしょうか」

真白ももあ :「わあ、ミステリアス!ミステリアスの規模が違うなぁ」

時雨 :「──いや、恐ろしい」

時雨 :「貴方と会話していると、ついつい心に秘めていることを話してしまいそうになります」

時雨 :「ミステリアスは、語らぬが華でしょう」

真白ももあ :「えーっ、時雨さんのこと話してもらえたら嬉しいのになぁ」

真白ももあ :「お友達になれたんだから!」

時雨 :「ええ。しかし──」

時雨 :「それを最も雄弁に伝える手段が何かは、真白さんの方がよくご存知でしょう」

時雨 :「そうお待たせは致しません。その時を楽しみに」

真白ももあ :「わあ……かっこいい!」

真白ももあ :「うん、すっごく楽しみにしてるね!」心底嬉しそうに笑った。

千十嵐リンネ :「ハハハ、こうでなくてはな」

千十嵐リンネ :「貴様らには勝利を信じて貰わねば」

千十嵐リンネ :「折角の祭りだ、大いに盛り上げようではないか」

GM :そうして、希族街の天辺で開かれたお茶会は、表向き和やかに。

GM :しかしその向こうの、対決の時を見据え。

GM :静かな火花を散らしつつ、終わりを迎えたのだった。

GM :===

サイクル1:紅海月

GM :続いては、PC5

GM :出ておいで、こわくないから

紅海月 :ぷるぷる……わしです

GM :登場希望、シーン内容、シーン表をよろしくぅ

紅海月 :登場希望は時雨と合馬!

時雨 :出ぜ

紅海月 :シーン内容は3人でちょっと手を組まね?とか見聞きした情報があったらお互いに交換しようぜ!みたいなお話をできたらいいなとおもっています

合馬桜華 :出ます

紅海月 :うれしい

紅海月 :シーン表はそうさな、ここらで異街シーン表、いっちょいってみようか。

紅海月 :ふるぜ

紅海月 :ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)

紅海月 :まちがえたぜ。

紅海月 :2d6 (2D6) > 10[5,5] > 10

GM :あ、これあれですね

紅海月 :エ…?

GM :前回のオークションに関わるやつをピンポイントで引いてる

紅海月 :あら

GM :申し訳ない、もっかい振って

紅海月 :アイヨッ

紅海月 :2d6 (2D6) > 11[5,6] > 11

紅海月 :どうだ

GM :11.馴染みの店に顔を見せる、見知った顔はいるだろうか。

紅海月 :好都合じゃの。

紅海月 :わしん家に呼ぶ流れかな

GM :あいらじゃ


GM :===

クユ :「ドルオタ梁山泊」

クユ :「なにやらその道のプロが、集う修行の場であるとか、なんとか」

クユ :唐突に、言い出した。

時雨 :「なるほど」

時雨 :「アイドルの応援と言えば、アイドルオタク……通称ドルオタと称される方々が有名ですね」

時雨 :「そのドルオタのプロが集まるとは……」

クユ :「クユたちはめちゃ強い」

クユ :「が、プロの意見は聞いておいて損はない、はず」

時雨 :「さすがクユさんです。一分の油断もない」

時雨 :「それでは……行ってみましょうか。マスター、私たちはこれで」

時雨 :閑古鳥の鳴いている逆月亭を後にします。目指すは謎の土産屋……『ゆらゆら』!

GM :その一方。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[よし、じゃあ装備を買いに行こうか]

ハーミィル・ムゥ・ムール :一時真白ももあの手を離れ、合馬桜華の懐へと収まった携帯電話が言う。

合馬桜華 :「装備を現地調達する事になるなんて……この街なら揃ってそうなのが凄いですね」

合馬桜華 :携帯と会話しながら、怪しげな露天をチラチラ覗き見つつ歩を進める

合馬桜華 :「それで、専門家? さんのお店はこの近くなんですよね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[桜華ちゃんはどんなのが良い?]

合馬桜華 :「具体的に何をするかが全然聞いてないんですけどー……」

合馬桜華 :「どんなの、強そうなの!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そうだね、強そうなのがいいよねぇ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :液晶画面に表示された道を行く。路地を曲がり、曲がり、曲がる。

GM :はたして正確な帰り道が怪しくなってきた頃、その看板が現れる。

合馬桜華 :「ここが……?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そそ、入って入って]

合馬桜華 :明らかに真っ当ではない気配がする店を見上げて

合馬桜華 :よし、と気合を入れて握りに手をかける

ドアベル :『ユラユラ~』

紅海月 :来店者を告げる個性的なドアベルの音が店内に響く!

紅海月 :「あ?……よう、いらっしゃい」

GM :店内の印象は、一言でいうと雑然。

GM :所狭しと統一感のない商品が積まれ、

GM :奥には怪しげな包帯男。

紅海月 :寝ぼけ眼を擦りながら、ふわぁ、と欠伸をひとつ。

GM :何故かある、バーのようなカウンター席では触覚のようなものが生えた少女がその男と話している。

合馬桜華 :「こんにちは!」笑って、お辞儀

クユ :「よく来たな」

合馬桜華 :「よくよく来たよ、こんにちは」触覚の少女の方にも笑いかけて

ハーミィル・ムゥ・ムール :[おじゃましま~す]

合馬桜華 :(隠す必要もない場所なんだもんな……)

紅海月 :「うーん。映像で見たときはもそっとこう、大人しめな印象じゃったんだけど」

紅海月 :「変わるもんじゃのう……おう、こんにちは」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[や、店長おひさーー]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[と言ってもこの姿じゃわかんないだろうけど]

合馬桜華 :「映像? あ、こちら店長……さん?」

合馬桜華 :カウンターにいる包帯の方を見て

紅海月 :「あ?あー……」聞き覚えのある声。ぐぐっ、と目を細め、少女の元へ歩み寄る。

合馬桜華 :触覚とどっちの方が店長っぽいかという脳内オッズは中断

合馬桜華 :歩み寄ってきた包帯男を上目遣いに見上げる

紅海月 :「ハミか? なんだ、電話中……ってワケでもねえな」

合馬桜華 :「はい、これが今のふくたい……ハーミィルさんなんですよ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[今は故あって電話をやっている人です]

合馬桜華 :「色々あって」と、携帯を向ける

ハーミィル・ムゥ・ムール :[略して故人]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ウワハハハハ]

紅海月 :「かかかっ!"失策シク"ったのかお前さん!」

紅海月 :「おーおー、随分と見栄え変わったのう」

合馬桜華 :「この街で商売してるだけあって、懐広いなぁ……!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[まあ、この姿もそう悪くはないよ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[色んな責務から開放されたような気がするし、移動も楽だしね]

紅海月 :「うむ。外じゃどうだから知らねえが」

紅海月 :「この島じゃあ、ヒトが携帯に変わったくらい。ぎゃあぎゃあ騒ぐほどのコトでも無し」

紅海月 :「で……嬢ちゃん、あれだな。前夜祭で見た顔だ」

紅海月 :「磨羯の警備隊長と大立ち回りしてたろう」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[さすが情報通]

合馬桜華 :「よく憶えてましたね」

紅海月 :「綺麗な忍法だったからのう。美しいものに、儂は目がない。かかかっ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そいでだ、今日はこの桜華ちゃんに"戦闘服"を見繕ってほしいのだよ]

紅海月 :「なるほど、なるほど」

合馬桜華 :「はい! なんか今の状況の打破に店長の力が必要との事で!」

合馬桜華 :「よろしくお願いします!」頭を下げる

GM :"戦闘服"、それはこの店ではただひとつの意味を持つ。

合馬桜華 :しかしその意味を桜華は知らないのである

紅海月 :「事情はどうだか、知らねえが」

紅海月 :「目指すわけだな、嬢ちゃんも。"竜誕祭"」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[故あってね~~]

合馬桜華 :「えへへ、私の忍法綺麗ですって副隊長……え?」

合馬桜華 :「……どうにかする方法って"そういう事"___!?」

紅海月 :「ならよ。参考になるかもわからねえが」

紅海月 :くい、と店の奥を指して。

紅海月 :「ちょうど、今。またひとり」

紅海月 :「店に試着しに来た奴がおる……クユ」

紅海月 :「時雨の様子。どうじゃ」

クユ :「うむ」

クユ :「より、ぷりちー」

合馬桜華 :頬を染めつつ店の奥の方を見る

時雨 :ざざ、と店の奥から小雨ような音と共に

時雨 :きらびやかな衣装に身を包んだ眼帯の男性が現れる。

時雨 :「……これは、ぷりちー、なんですか? クユさん」

クユ :「びゅーりほー」

時雨 :「では、良さそうですね」微笑む。

時雨 :「そちらの方は、初めまして……時雨と、そう名乗っています」

紅海月 :「うむ、うむ! 採寸、意匠。共に問題なさそうじゃの。美麗美麗」ぱちぱち、と拍手。

合馬桜華 :「わっ……すご……」

合馬桜華 :世俗に疎い身の上だが、彼が美男子であることは分かる

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ふむ、こちらも負けてられないな]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ねっ、桜華!!!]

時雨 :「故あって、竜誕祭のトップを目指しているものです。どうぞお見知りおきを」気取った様子で頭を下げる。

時雨 :「あかつき。さん、彼女は?」

紅海月 :「お前さんと似たような経緯よ」

紅海月 :「外からの来訪者で。また、今のお前さんと同じ目的を持つものじゃ」

合馬桜華 :「は、初めまして時雨さん、桜華です」どうも美形相手だと気が引ける

時雨 :「桜華さん……ああ、それは良い。実際あかつき。さんの腕前は一流です」

時雨 :「なぜ土産店なのかはわかりませんが、この衣装もよくなじむ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[気合十分!じゃあ店長……]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[やるよっ!]

紅海月 :「応!!!!」

合馬桜華 :「お手柔らかにー!?」

GM :そうして、あなたの前に"戦闘服"の数々が並べられる。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[これなんか!]

紅海月 :「いやこっち!」

合馬桜華 :「きゃー!?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あ、こら恥ずかしがるな!]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あのときの度胸はどうした!]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ほほう、これはなかなか]

紅海月 :「着るは一時の恥! 着ざるは一生の恥!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[もちょっと露出あってもよくない?]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[隠すな!!!桜華!!!!!!!]

合馬桜華 :「覚悟ってそういう方向……わぁー!?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[おうおう、ちゃんとお客さんに見せつけんかい!!]

合馬桜華 :「ぎゃっ……誰!? 今胸触ったの誰!?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[これも試してみない?]

合馬桜華 :「……い、一応ためしてみようかなー……」

紅海月 :店内の絡繰人形がしゅばばばば、と動き回る。

紅海月 :ありとあらゆるサイズの衣装を運んでは片付けて。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[良いよぉ、可愛いよぉ]

GM :そうして……

ハーミィル・ムゥ・ムール :「これだ……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[店長、やはり……アンタに頼んでよかった……]

紅海月 :「なあに。素材がええからよ。素材が……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :ガラケーが感動のあまりバイブレーションする。

紅海月 :背を丸めて息を乱している。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ほら桜華、いつまでも隠れてないで出てきなさい]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[皆のネットリとした視線がなんだ、本番はこんなもんじゃないぞ!]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[グヘヘ]

合馬桜華 :「う、うう……」カーテンの影からおそるおそる

合馬桜華 :着物、というにはあまりに丈が無い、意匠があるだけだ

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ふぅ……ミッション、コンプリートだな……]

時雨 :「可愛らしいですよ」拍手をしている。

クユ :「きゅーてい」

紅海月 :「うむ。可憐……しかし、愛でるだけではない。強かさも合わせ持っているような……」

合馬桜華 :「スースーする……」腰についている帯にもリボンにも見えるアクセサリーが動きに合わせて揺れ

合馬桜華 :くるりとその場で回ると、ぱっくりと開いた背面から程よく鍛えた背中がよく見える

合馬桜華 :「こ、これが……ウチ……?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ボクの目に狂いはなかったな……]

合馬桜華 :「ありがとうございます! ウチは最強ですからね、ヘ、ヘヘ……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[魃はおそらく解体されると思うが……組織はアイドル団体として新生しよう、それが良い、是非そうしよう]

合馬桜華 :「ふくたいちょぉ!?」顔を真っ赤にして上に羽織るものを探している

紅海月 :「元々こういう奴じゃ。諦め」

"極大門松" :「"あかつき。"氏~、今日も来たでゴザルよ~……って」

"違法イカ@airハ-70" :「オアアア!! なんやこの美少女とイケメン!?!?」

合馬桜華 :「うぎゃー!」

合馬桜華 :初めて攻撃をもらったとき並の声をあげながら後ろに飛びのく

合馬桜華 :が、明らかに戦闘に不向きなスカートがふわりと舞い上がり、中身をしっかり衆目にさらさんとするのを抑えるため、間抜けな格好になる。

紅海月 :「よう、マツ」

紅海月 :「いいじゃろ。こいつらも。出るんだってよ。ドラボ」

"ふわのん" :「背中が、良くなりますよ」

合馬桜華 :「ど、どうもー……オウカですっ」記憶にあるアイドルの姿っぽく笑って挨拶

ハーミィル・ムゥ・ムール :[(ふ、その場の空気に流されやすい……)]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[(一度着せてしまえばこっちのものだと思っていたが)]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[(想像以上にチョロいな、良いぞ、桜華ちゃん)]

紅海月 :「(心配になるのう)」

"違法イカ@airハ-70" :「かわいいやんけ……」

"極大門松" :「この初々しさ……アリでゴザルな……」

合馬桜華 :「あは、あははっ……よろしくお願いしますねー」おそるおそる近寄り握手、記憶にあるアイドルはこれくらい距離が近かった

時雨 :「この気配……身のこなし……ボキャブラリー……」

時雨 :「──クユさん、きっとこの方々がドルオタでいらっしゃいますよ」

クユ :「ふむ」

合馬桜華 :(ドルオタでいらっしゃいますかぁ……)一人一人と握手しつつ、そういう目で見られるのに桜華は全く慣れていない

"ピザ吐き隊" :「えっ近……推せる……」

合馬桜華 :(鞍馬じゃ女扱いしない! って話になってたし……)

合馬桜華 :「ここは皆さんのお店だったんですね! 店長さんにすっごくお世話になっちゃいました」

紅海月 :「いい年扱いて、こんな店に屯してる連中だ。そんなにかしこまるこた、無ぇぞ」ぷらぷらと手を振って。

合馬桜華 :一通り回った後、あかつき。の前に立って(座るとスカートが引っかかるので座りたくない)、話に耳を傾ける

紅海月 :「さてと」

紅海月 :「時雨に、合馬よ。ひとつ、提案があるんだがの」

時雨 :「衣装も都合していただきましたし、お聞きしますしょう」

合馬桜華 :「提案ですか? 衣装の話での返しじゃなくて……?」

紅海月 :「それはちゃんと切るから。大丈夫じゃ。領収書」

紅海月 :「ドラゴンボーン・フェス。間違いなく、過去最大にして最強のアイドルが集う、一大イベント」

紅海月 :「言うまでもなく、この異街のトップスタァであるところの、千十嵐リンネ」

紅海月 :「他にも、実力確かな、数多くのアイドルが」

合馬桜華 :「実力確かな……」それを聞いて、胸のどこかに昂るものを感じる

紅海月 :「限られた出場枠をその手にすべく、競い合うわけだ」

紅海月 :「物心ついた時からテッペン目指し、ひた走ってきた連中と」

紅海月 :「昨日今日で、アイドル初めようとする」

紅海月 :「儂らがの」

紅海月 :「鎬を削り合うわけよ……な」

時雨 :「そうなりますね」

紅海月 :「儂の知る限り。もっとも優勝候補に匹敵するだろうという」

紅海月 :「ふたりのアイドルがユニットを組むかも……なんてウワサもあるほどよ」

合馬桜華 :「優勝候補二人が。 その二人って……」

紅海月 :「ふふふ。いずれ合馬も、すぐ出会うことになろう」

紅海月 :「兎も角。純にアイドルとしての経験値から見れば」

紅海月 :「周回遅れも甚だしい儂らはよ。その分、頭使って、どうにか勝ちの目を探るしかねえわな」

紅海月 :「……どうじゃ」

紅海月 :「いっちょ、組まねえか?」

合馬桜華 :(……当然の流れのように話してたけど、店長サンも目指すんだ……)

合馬桜華 :「組むってなると、どんな感じに?」

合馬桜華 :忍びの技を用いるとはいえ、煌びやかな表の世界、少々の憧れが無いと言えば噓になる

時雨 :「ユニットを組むということですか?」

紅海月 :「否、否。そこまでは期待しておらん」

紅海月 :「そうさな。出場を目指すに当たって。または、本選に向けての」

紅海月 :「有益な情報の交換、とか。一時協定、みたいなやつじゃの」

紅海月 :「所詮はゼロサムゲーム。最後まで共闘は出来なくとも」

紅海月 :「そこに至るまでの道程、少しばかり連れ歩くも悪くなかろう」

時雨 :「ふむ」顎に手を当てる。クユさんの様子を見ます。

クユ :「ロン!エンド・オブ・エデン……5兆8億点」

クユ :オタクと謎の遊技盤を囲んでいる。

"極大門松" :「で、伝説の……! 実卓で見たのは初めてでゴザル……!」

合馬桜華 :「ウチらだけでも、足の引っ張り合いはナシにしようってコトで良いですかね?」

紅海月 :「表面上はな。……もちろん、いつ何時、袖にしてくれても構わねえ」

合馬桜華 :「いつ裏切っても構わないなんて、随分店長……律儀なんですね」

合馬桜華 :よくわからないゲームを見ながら、ようやくコツを掴み椅子に腰掛ける。

合馬桜華 :たぶんどの方向からも見えない、はず

紅海月 :「アイドルの前に、嬢ちゃんも忍びだろ。裏切られて泣き言をほざくなど、三流以下よ」

合馬桜華 :「それもそっか」

紅海月 :「ドジを踏んだ方が悪いのさ」合馬が握る携帯に向かって。にかっ、と意地の悪い笑み。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そうそう、桜華ちゃんもこうはなるなよぉ]

時雨 :「情報交換程度の互助関係ということでしたら、結んでおくことに損はなさそうですね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[せめてノートPCくらいには抑えないと]

合馬桜華 :「あはは、なるならスマホくらいにしときます」

合馬桜華 :「そうですね、ウチもこの街に来たばっかりでコネも少ない身の上、何もかも副隊長頼みでもいけませんから」

合馬桜華 :「その協力関係なら、喜んでやりたいです」

紅海月 :「うむ、うむ」

紅海月 :ぱん、と手を叩いて。機嫌よく頷く。

紅海月 :「ほっとしたわい。……では、信頼の証と言ってはなんだが」

紅海月 :「言い出しっぺは儂だからの」

紅海月 :「文字通り」

紅海月 :「胸襟を開くとしよう」

紅海月 :奥義を使用します。

紅海月 :【売割!死延奇味】(ウルワ・シノキミ)効果は【追加忍法】。

紅海月 :追加する忍法は【一筒】。指定特技は《兵糧術》。

紅海月 :判定成功時に生命点1点減少させ、事前に指定した忍具を獲得。指定忍具は兵糧丸。

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

紅海月 :成功。妖術を減らし、兵糧丸をゲット。

system :[ 紅海月 ] 妖術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 5 → 6

GM :どっかの新人と違って調子いいねえ

紅海月 :じゃろ?

紅海月 :そして、感情共有を結びにいきます。

紅海月 :対象は合馬桜華。

時雨 :おお感情

紅海月 :よいかな~?

合馬桜華 :いいですよー

紅海月 :わーい!

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

紅海月 :成功。

GM :まあ同意はいらないのじゃがな

紅海月 :あっそうなんだ

GM :成功、感情表を振り給え

時雨 :シーンに登場してる時点でね

紅海月 :ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)

紅海月 :ちゅ、忠誠

合馬桜華 :ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)

紅海月 :拙者、貴女のアイドルの中に忠を見た

紅海月 :なんだろう 任務というかアイドルというか 目的に対して真摯なところに惹かれたとか

紅海月 :そういうかんじかも

GM :なるほどな

紅海月 :あっそうだ 先程の感情共有の指定特技、兵糧術でおねがいします 演出はこのあとやります 奥義演出も兼ねており

GM :桜華ちゃんはどっちにしますの?

合馬桜華 :迷うなー

GM :+でとると、目的が合致してる、共通の敵がいるとかそういうときに便利ですね

サブGM :仲間になりそうならプラス、敵になりそうならマイナスを取るのが基本です

真白ももあ :単にRP上のものだけじゃなく、支援ができるか妨害するかとか出来ることが変わってくる感じですね~

紅海月 :わしたち、ズッ友だよね

サブGM :もちろん欺くために敵だけどプラス取っとくよ~でもアリ

紅海月 :バトルロイヤル?とかかいてあるけど

GM :-は、まあ最終的にこいつ敵だなと思えば

紅海月 :関係ないよね

サブGM :プラスがいいけど忠誠って重くない? 的な迷いであれば

GM :無論キャラ性とかを優先するのも全然あり

サブGM :適当にこじつけてもいいし……

紅海月 :それはマジでそう

合馬桜華 :ああいや、戦術と感情で迷ってる感じです

合馬桜華 :じゃあ忠誠にしておきましょう、これで負けても恨まないように

紅海月 :ホッ…………

GM :オタクに偏見がないタイプだった

合馬桜華 :オタクに優しいギャルです

紅海月 :桜華ちゃんがそんな冷たい目するわけないじゃろ

紅海月 :では続いて。

紅海月 :兵糧丸を使用して即座に妖術を回復。

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 6 → 5

system :[ 紅海月 ] 妖術 : 0 → 1

紅海月 :で、【補給】。

紅海月 :判定成功時にセッション中に使用した忍具をひとつ回復。

紅海月 :合馬ちゃん+修正……くれるかのう

合馬桜華 :せっかく取ったしあげましょう、+1

紅海月 :フォーリンラブ

合馬桜華 :次のラウンドもやるなら呼んでもらえれば

紅海月 :かんがえとくぜ!

紅海月 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 4[1,3]+1 > 5 > 成功

紅海月 :有難う……………………………………………………………

GM :構成が活きたな

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 5 → 6

紅海月 :で、時雨さんに相談があるんだけど

紅海月 :この兵糧丸あげるから

紅海月 :リンネ様の情報くれん?

時雨 :あっなるほど、それで呼ばれたのかあ

紅海月 :奥義情報+兵糧丸

紅海月 :これが秘密いっこで手に入っちゃうんですねえ

紅海月 :なんてお得なんじゃ!

時雨 :兵糧丸以外なら喜んで交換するんだけどな

紅海月 :なんでじゃよ!

時雨 :体力は結構余裕あるので……

紅海月 :変調なって泣いてもしらんぞ~?

合馬桜華 :これから1点失うかもしれませんよ

時雨 :まあそれもそうか、貰えるものは貰っておきましょう

紅海月 :やった~~~~!!

時雨 :リンネ様の秘密を渡します

紅海月 :で、これ

紅海月 :感情共有になるから

紅海月 :全体公開かな

GM :3手番目にしてはやくも全体情報が

GM :では公開しましょう。

system :[ 時雨 ] 忍具 : 4 → 5

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 6 → 5

千十嵐リンネの秘密

あなたの正体は【知的生命体の精神に寄生する、ウイルスによく似た宇宙生物】それに感染した吸血鬼である。

あなたは愛や感動といった感情を媒介に感染者を増やし、それを眷属化するという特殊な生態を獲得している。

あなたの目的は全人類を千十嵐リンネと言う名の幸福な病に感染させ救済することである。

眷属の感染段階は以下のものである。

フェーズ1:眷属の加護を得る、能力の増大

フェーズ2:ウイルスの親株である【千十嵐リンネ】との精神感応を得る

フェーズ3:眷属間での精神感応を得る

フェーズ4:存在が【千十嵐リンネ】そのものへと至る。


また、あなたは【エニグマ:竜誕祭呪秘一一四】を所持している。

紅海月 :なんじゃあーっ!?

GM :まあ、他愛のない秘密ですよね。

合馬桜華 :一瞬で宇宙人がポップしたんですよGM

紅海月 :そうかなあ そうかも……

時雨 :こわいよね

GM :こちとらニンジャですよ、今更宇宙生物ごときに動揺しないでください

クユ :妖魔だっているよ

紅海月 :しまモンもいるしのう

合馬桜華 :宇宙人と妖魔と並ぶしまモンすげぇな……

聖女・"瞳" :そんなものはいません

紅海月 :ちーっす!

シマモン :イルモン……

時雨 :聖女さま!?

GM :というわけで千十嵐リンネの秘密でした。

紅海月 :ありがとうございました。

紅海月 :判定以上なので演出しますね。

GM :はいよ

紅海月 :もそもそと動く獣絡繰がカウンター裏のボタンを押す。

紅海月 :かちり、と音が鳴り。ごごご、とカウンター裏の棚が裂けるように開かれる。

紅海月 :「案内しよう」

紅海月 :薄暗い店の奥。

紅海月 :所狭しと並んだ陳列棚には、色とりどりの丸薬に呪符。

紅海月 :丹念に磨き上げられた苦無、手裏剣、寸鉄に鉤縄まで。

紅海月 :土産屋の店主、紅海月が持つもう一つの顔。

紅海月 :「忍具屋・由良由良へようこそ。ご両人」

合馬桜華 :「凄い……来てなんだけど、ここまで招いちゃって大丈夫なんですか?」

時雨 :「壮観ですね。お一人で扱っているとは思えません」

合馬桜華 :「懐開きすぎですよ」苦笑い

紅海月 :「土産屋以上に、滅多に来ねえからな。客。さほど大変でもない」

紅海月 :かかかっ、と笑い。棚に置いてある瓶をひとつ、ふたつ取り出して。

紅海月 :鮮やかな桜色の丸薬と。淡い青色の丸薬を取り出してみせる。

紅海月 :「合馬の嬢ちゃんは、今すぐ飲んだほうがいいかもな」

紅海月 :「疲れや悩みもたちまちに吹き飛ぶ、スグレモノの、儂手製の兵糧丸」

紅海月 :「名して、飄々糧丸!」

合馬桜華 :同業から見てどうなん? 的視線で時雨を見る

時雨 :「…………」

時雨 :「まあ、この街ではよくあることですよ」

紅海月 :「嫌なら、いいけどさ……」少々いじけた様子で。

合馬桜華 :「そっかぁ」つまりこの街でもなきゃヤベーって事だな! 桜華は前向きだ

合馬桜華 :「えー」ひょいと青色の丸薬を海月の手から受け取って

合馬桜華 :「あーん」口を上に開けて落っことし、何の気なしに飲み込む

合馬桜華 :「……んー、これはー……」

紅海月 :爽やかな磯の香りと、見た目に反して瑞々しい舌触り。

紅海月 :端的に言って……けっこうおいしい!

紅海月 :「はずじゃ」

時雨 :「ふむ」桜色の丸薬の方を観察し、懐に仕舞う。

時雨 :「ありがとうございます。使わせていただきますよ」

合馬桜華 :「けっこうイケるじゃん! 店長さんやるー!」

紅海月 :「かかかっ。そうじゃろそうじゃろ」

紅海月 :「いいモン見せてもらったからな」

紅海月 :「磨羯の警備忍を鎧袖一触に蹴散らす愉快なさまと」

紅海月 :「悪趣味な動画チャンネルを潰してくれた礼よ」

時雨 :「動画チャンネル……ああ、あかつき。さんも配信を見ていらっしゃったんですね」

合馬桜華 :「次は、勝ってる姿見せるからね!」

紅海月 :「いや。アーカイブでだがの。遅ればせながらの"ギフト"ってやつだ」

紅海月 :「おう。期待しとるぞ」

時雨 :「本人に伝えておきましょう。しかし──あれは私がしたことでは無いですから」

時雨 :「せめてこちらが知っている情報を一つ対価に」

時雨 :「千十嵐リンネは、宇宙人だそうですよ」

合馬桜華 :「宇宙人」

紅海月 :「………?」

合馬桜華 :「宇宙人……?」

紅海月 :桜華と顔を見合わせる。

合馬桜華 :海月と顔を見合わせる。

時雨 :「ええ、目的は人類の征服ということになりますね……それでは」

合馬桜華 :この顔は冗談を言いそうに、いやどうだろう若干胡散臭いイケメンだしな……と、時雨の方を見つつ話を聞く

時雨 :一礼し、雨のような音と共に武器庫を立ち去ります。

合馬桜華 :「最後に雨嵐かまして去ってくれちゃってあのイケメン……」

紅海月 :「宇宙人、宇宙人ねえ」忍び同士の精神感応。嘘などではないことはわかるものの。

紅海月 :「大言壮語は、マジバナだったようじゃの」

紅海月 :「世界征服」

合馬桜華 :「つまり、宇宙人による世界征服ってコト……?」

紅海月 :「……ま、儂らの目指すところは変わらん」

紅海月 :「兎にも角にも」

紅海月 :「まずはフェスの出場枠に食い込むこと」

紅海月 :「これは絶対じゃ。マスト」

合馬桜華 :「うん! それが今の第一目標!」頷く

紅海月 :「暫しの呉越同舟」

紅海月 :「よろしく頼むぞ。合馬よう……あと」

紅海月 :「写真撮っていい?」

合馬桜華 :「桜華でいいよー」

合馬桜華 :「写真は……うん、どうせこの後撮られるし、どうぞ!」

合馬桜華 :気合いを入れてポーズをとる

紅海月 :「その意気や良し!」かかかっ、と機嫌良くカメラを向ける。

GM :===


GM :今回、千十嵐リンネの秘密が公開されたのですがその中にエニグマが存在しますね。

GM :これは、様々な効果を秘めた埋込み型のトラップのようなものです。

GM :まずはその正体を突き止め、その詳細を知る必要があるでしょう。

GM :皆さん各自の手番に、宣言を行うことでこれを見破る【判定】を行うことが可能です。この判定による行動権消費はなしとします。

GM :各々の目的に沿って、挑んだり、あえて放置したりしてみてください、よろしくおねがいします。

GM :===

サイクル1:時雨

GM :それではお次のエントリー!

GM :PC1の召喚を宣言!

時雨 :しぐだよ~

時雨 :参加希望はももあちゃん! とりあえず感情判定予定で

GM :あいよ

真白ももあ :でまーす♡

時雨 :私もアイドルシーン表振ってみましょうか

時雨 :(2D10) > 5[2,3] > 5

時雨 :まちがえた

時雨 :2d6 (2D6) > 9[3,6] > 9

GM :9.音楽シーンの調査も大事な仕事、レコードショップ、あるいはライブへ足を運ぼう。

時雨 :よし。まずはエニグマの調査を行います

GM :はーい

時雨 :どうしようかな。《憑依術》で眷属の精神を探知して竜誕祭呪秘一一四についての情報を集めましょう

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

真白ももあ :ナイス!

GM :はい、では中身がオープン。

【エニグマ:竜誕祭呪秘一一四】

防壁:驚異2 解除判定/見敵術

ボスの生命点が同一プロット外の攻撃で0になったとき、ダメージを無効化できる。


GM :というわけで皆さん次からこれの解除に挑戦することができます

時雨 :防御能力だったんだね 今回は肉薄判定もあるから同プロットに意味を残すのも面白そうだけど……

真白ももあ :解除も手番消費なしで挑戦できますか?

GM :判定機会は手番終了時だから、時雨さんもありで

時雨 :了解です~ 手番終了時ですね 忘れないようにします

GM :ではシーンをやっていきましょうか

GM :どういう内容にします?

時雨 :シーン表に従ってレコードショップで真白さんと遭遇して、ついでにきちんと宣戦布告して感情を結びたいかなあと思っています。

GM :了解了解。


GM :===

GM :狂楽区/とあるレコードショップ。

GM :娯楽を司る狂楽区においては、当然"外"のソレを専門に取り扱う店も数多く存在する。

GM :発売日に関するラグはほぼ存在しない。これは外の各地に散ったこの地の王『ホテルマン』の配下の働きによることが多い。

ホテルマン :『直接船で運んでくるのもいいんだけどさ、それだと遅れが出るだろ?』

ホテルマン :『要はデータだろ?だが腐ってもこのホテルマン、海賊版に手を出すわけには行かない』

ホテルマン :『つまり、現地で儀式の段階を踏んで現物を「焼却」し捧げることによって』

ホテルマン :『権利的に何ら問題のない複製品を遠隔召喚する』

ホテルマン :『まあ実際にはもっと複雑な工程を経ているんだが、簡単に言ってしまうとこうだ』

GM :というわけで呪術的に【正規品】のタグを打ち込まれたコピーが、こうして列に並んでいるのだ。

GM :そんな店のひとつにあなたは足を踏み入れる。

時雨 :「……なんだか、妙な気分ですね」

時雨 :レコード店に入る。少し前まで、異街の文化もルールも理解していなかった自分が、

時雨 :「表の世界、慣れ親しんだはずのレコードの専門店に、エキゾチックな雰囲気を覚えてしまう」

時雨 :「……広いですね。手分けしてアイドルの棚を探しましょうか」クユさんに。

クユ :「任せろ」

クユ :「クユはここへ挑む」

時雨 :「実に頼もしい」

クユ :そういって暖簾をくぐり円盤がうず高く積まれたコーナーに入っていく。

GM :『古レコード・ダンジョン』

常連客 :「お、あのお嬢ちゃんダンジョンに挑んだぞ」

常連客 :「新しい"冒険者"か、歓迎するぜ……」

時雨 :「……」

時雨 :一瞬後を追いかけそうになったが、頷いて店内に向き直り、歩を進める。

時雨 :竜誕祭の影響もあるのだろう、店内は恐らく平時よりも混雑している。

時雨 :だが、その人混みの様子はそれでも目についた。

時雨 :(……何か、催し物でも)

真白ももあ :「あっ、時雨さん!?」

真白ももあ :その人混みの中心。

真白ももあ :たくさんの人だかりの中から声が上がる。

時雨 :「おや……その声は」

真白ももあ :「お友達がきたから、またね」と周りの人々に告げると、小走りに時雨さんの元へ駆け寄る。

時雨 :「真白さん。貴方はどちらに行かれてもご人気の様子ですね」

真白ももあ :「うーん、特にこういうお店のこういうコーナーは、アイドルのこと好きな人達がいるからね」

真白ももあ :「たまたまだよ~」

真白ももあ :「時雨さんはお買い物?」

時雨 :「ふむ……ええ、私は、勉強に」

真白ももあ :「あっ、じゃあ私とおんなじ!」

時雨 :「アイドルの音楽というものは、詳しくないですから……この店にですか?」

時雨 :「ここは、表の世界のレコードの専門店ですよ。真白さんにとっては知っているものばかりかと、思いましたが」

真白ももあ :「売ってるものが同じでも、どういうのが売れてるのかは、違うかもしれないから」

時雨 :「客層を見ている、と」

時雨 :「流石ですね。それで、いかがでしたか」

真白ももあ :「うん。やっぱり、売れてるのっていいものが多いから。だいたいおんなじだったね」

真白ももあ :「生まれ育ったところが違っても、おなじものを聞いておんなじように良いなーって思えるんだなって、改めて思えて嬉しかったよ」

時雨 :「ふむ……」顎に手を当てる。

時雨 :「真白さんは、表の世界にてご自身のパフォーマンスが評価を受け、トップアイドルをされていると認識しておりますが」

時雨 :「もし、異街の需要が表の世界と全く違ったのなら、真白さんはパフォーマンスを変えるのですか?」

真白ももあ :「うーん、そうだね……」

真白ももあ :「かわいいのよりかっこいいのが受けてそうならかっこよくするし、綺麗なのが好きそうならそうするし……」

真白ももあ :「でも、バイオレンスなのとか……エッチなのとかが受けててもそういうのには寄せないかな?」

真白ももあ :「みんなが喜んでくれることをやりたいけど、私がやりたくないことを無理にやってもそれは伝わっちゃうから」

真白ももあ :「確固たる意思があって、何か伝えたいメッセージがある……みたいな人もいるんだと思うけど」

真白ももあ :「私は、私やみんなが楽しくなってくれたら嬉しいから。絶対コレ!ってやり方しかしないみたいな感じではないかなぁ」

時雨 :「ふむ……ありがとうございます」

時雨 :「実に、柔軟な考えをお持ちなのですね。おそらくそれは……リンネさんとは別種の、強さなのでしょう」

時雨 :「彼女は、聴衆に合わせて自分のパフォーマンスを変えるということはしないでしょうから……所感ですが」

時雨 :「アイドルの、得意とする点も、一つではない」

真白ももあ :「そうだね。色んな子がいるから面白いと思うんだ。『表』ではあんまり、私と張り合ってくれる子いないんだけど」

時雨 :「真白さん。貴方は、貴方が……強い、と確信しているのですね」

時雨 :「それはなぜですか?」

真白ももあ :「おお……なぜ、かぁ。難しいなあ」

真白ももあ :「空気にどうして空気なんですか?って聞かないでしょ?」

真白ももあ :「でも、そうだなあ……」

真白ももあ :「アイドルって、一人では絶対なれないから」

真白ももあ :「曲が作れて、振付が出来て、マネジメントが出来たとしても……」

真白ももあ :「誰かに好きって認めてもらえなければ、絶対アイドルにはなれない」

真白ももあ :「私は、たくさんの人が私を認めてくれてることを知ってるから」

真白ももあ :「みんなの思いを裏切らないように強くなくちゃいけないなって思うかな」

時雨 :「みんな。自分一人以外の、誰かですか……」

時雨 :手をじっと見る。小雨のような音と共に、ブロックノイズが立ち上っている。

時雨 :「とても、興味深い。今まで以上に、是非聞きたくなりました」

時雨 :「貴方の、アイドルを」

時雨 :ブロックノイズが揺れる。手元には真白ももあの最新のアルバムが握られている。

時雨 :感情判定します。指定特技は《召喚術》で行ってみよー

真白ももあ :ちゃんと【正規品】のタグついてる!?

真白ももあ :カモン!

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功

時雨 :【正規品】でした!

時雨 :ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)

真白ももあ :やった!振ります、感情表を

真白ももあ :ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)

真白ももあ :しぐ……愛してるよ♡

真白ももあ :愛情でとります♡

時雨 :生き様を最後まで見届けたいという気持ち、それは共感

時雨 :〆のロールと、ちょっと交渉を

時雨 :「──さて、自分はクユさんが帰還するのを待たなければならないのですが」

時雨 :右手にいくつかCDの入った袋を提げている。

真白ももあ :「あっ、見ないと思ったらクユちゃんは別のところ見てるんだね」

時雨 :「はい。ダンジョンに」

真白ももあ :「すっごく可愛いよねクユちゃん。妹じゃないよね?仲良さそうで羨ましいな~」

真白ももあ :「ダンジョン……?」

時雨 :「そうですね。血のつながりはありませんし、家族関係にもありません。恋愛関係にも」

真白ももあ :まああんな小さい子と恋愛関係だったらそれはそれでやばいな……と思っている。

時雨 :「強いて言えば、クユさんは私に目的を与えてくれる、大切な友人です」

時雨 :「アイドルを目指しているのも、彼女がそれを目的としているからです……ああ、そうだ」

時雨 :「フェスの参加権。私は何とか、奪う機会を狙っていきたいと思っているのですが」

時雨 :「是非貴方の、異街のためのパフォーマンスを、見てみたいです」

時雨 :「その機会を与えてはくださいますか?」

時雨 :というわけで、居所をください。次の手番で殴りに行きます。

真白ももあ :???????????????

時雨 :見返りに、私の居所と、あと懐に入ってた兵糧丸を付けちゃおうかな。

時雨 :くれないなら仕方ないからゲリラライブバトルで一緒に戦うのを狙いますね♡

真白ももあ :何をどう考えても絶対に嫌だしゲリラライブバトルで一緒になっても多分なんとかはなるが……

真白ももあ :こんな訳の分からないことを言いだしている時点で時雨さんに何かやりたいことがあるのでしょう

真白ももあ :しょうがないなぁ……あげますよ【居所】をね!

GM :流石懐が深い

時雨 :やった~♡ ももあちゃん大好き!

時雨 :トップアイドルなら退かないだろうと信じていました。

真白ももあ :これまじでナケちゃんへの信頼やからな

時雨 :お返しに時雨の居所と兵糧丸を差し上げます。ありがとね

真白ももあ :普通にボコって気持ち良くなったら泣くからな!

時雨 :大丈夫大丈夫、殴られてケガしちゃったらその兵糧丸使って

真白ももあ :兵糧丸おいしい……(予定)

時雨 :ではやりたいことは以上です。真白ももあさんとアイドル・ライブ・模擬戦をする約束を取り付けました。

時雨 :最後に解除判定やるだけやりましょう。

真白ももあ :がんばれ~!

真白ももあ :感情修正はもうあげちゃったから心で応援するね

時雨 :《見敵術》は目標値9! 感情修正は……そうかもう使っちゃったんだ

時雨 :えーい

時雨 :2d6>=9 (2D6>=9) > 5[1,4] > 5 > 失敗

GM :うむ

時雨 :ダメ!

真白ももあ :さすがに9はね……なかなかね

system :[ 時雨 ] 忍具 : 5 → 4

時雨 :ですね。以上です

system :[ 真白ももあ! ] 忍具 : 2 → 3

GM :では、あなたたちが会話を続けていると暖簾の向こうから慌ただしい声が

客ドワーフ :「走れ走れ走れーーーーぇ!!」

客エルフ :「で、出口だ!!」

クユ :「とおーーう!!」

クユ :団子になって転がり出てくる。

真白ももあ :「わ、わ、クユちゃん」

時雨 :「クユさん。おかえりなさい」笑顔で迎える。

クユ :間一髪、頭上を舐めていく炎。

真白ももあ :「炎!?」

真白ももあ :「レコード屋さんだよね!?」

時雨 :スウェーして回避。

クユ :「流石に今のクユたちではメタル・バンド・ドラゴンには勝てない」

クユ :「立て直そう」

真白ももあ :「ダンジョンでモノが雑多においてあるとかじゃなくて……本当にモンスターとかいるの!?」

客ドワーフ :「そうじゃのう、また今度にしよか」

客エルフ :「今度は是非4層まで行きましょうね」

時雨 :「どうやら本当にダンジョンだったようですね」

クユ :ふたりの冒険者に手をふる。

クユ :「よし、帰るか」

時雨 :「はい。真白さんと対バンの予定も取り付けました」

時雨 :「一緒に対策をしましょう……それでは」

時雨 :「トップの景色、楽しみにしています」

クユ :「じゃね」

時雨 :真白さんに礼をして、レコード店から出ていきます。

真白ももあ :「う、うん。楽しみにしてるね」

真白ももあ :異街に慣れないなぁ……と思いながらも二人に手を振る。

真白ももあ :「うーん……自分の夢をかなえるのに、誰かの夢を潰しちゃうことはよくあるけど」

真白ももあ :「そんなに積極的に排除し合う事もないと思うんだけどなぁ」

真白ももあ :そんなことを呟きながら、去っていく二人に手を振った。

GM :===

サイクル1:合馬桜華

GM :それではお次、サイクル1最後になりますね、どうぞPC4。

合馬桜華 :はい!

GM :登場希望PC/NPC、シーン内容およびに使用するシーン表をお願いします。

合馬桜華 :参加希望は紅海月さんで、縄のヴルフの秘密を探りに行きます

合馬桜華 :表はせっかくだしアイドル振りましょうか

紅海月 :出よう!

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 9[4,5] > 9

紅海月 :

GM :お、連続9だ

GM :バケビ・GM裁定として

GM :被った場合、一度のみ振り直しを許可します

GM :が、悪い効果が出ることもあるので、このままも当然ありです

合馬桜華 :では

合馬桜華 :振り直します

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 7[2,5] > 7

GM :あ、7だ。

GM :7.野良試合を挑まれる、腕の見せ所だ!あなたは「簡易戦闘」を行う。

GM :共 通

合馬桜華 :うわぁ

GM :こちらがランダムに指定した判定を行ってもらい

GM :失敗すると射撃戦攻撃1点に相当するダメージを受けてもらいます。

紅海月 :ウチの子になにしてはるんですか

合馬桜華 :痛い

GM :ではまず指定。

GM :1d6 (1D6) > 1

GM :器術ですね。

GM :2d6 (2D6) > 5[1,4] > 5

GM :《針術》での判定になります。

合馬桜華 :手裏剣術代用

GM :それで、判定なのですが

合馬桜華 :はい

GM :"高プロット宣言"を行うことで、失敗時のダメージに+1のリスクを負い、達成地に+2の修正をかけることが可能です。

合馬桜華 :なるほど……

合馬桜華 :じゃあ高プロット宣言して

合馬桜華 :振ります! 大丈夫でしょうか!

GM :大丈夫です、どうぞ

合馬桜華 :2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 8[4,4]+2 > 10 > 成功

紅海月 :ナイスゥ!

合馬桜華 :ふぅ、久々に成功の文字を見た気がする

GM :成功!それではやっていきましょう。


GM :===

ハーミィル・ムゥ・ムール :[行ってきたら、敵情視察]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[チケットは取ったげるからさ、アイドルってのがどういうものかもうちょっと知っておくと良いでしょ]

合馬桜華 :「そうします、店主さんにも引率お願いしちゃったし……」

合馬桜華 :とりあえず思いついた同盟の頼み事はコレだった

GM :そうして、小劇場のチケットを手に入れたあなたはそこを目指していた。

紅海月 :「かかっ。呆けたとはいえ」

紅海月 :「アイドルの道を歩み始めたひよっこの背を押さずにいたら、"あかつき。"の名も廃るというもの」

紅海月 :「どれ。じっくりたっぷりバッチリ解説してやろうとも、うむ」

合馬桜華 :「めっちゃ頼りにしてます」

合馬桜華 :「……マジでウチが、アイドルやるんよね……」紅交じりの思いつめた表情をしながら、あかつき。と共に小劇場への歩を進める

GM :教えてもらった道をゆくものの、何故かそれは奥まった、暗い路地の奥へと変化していく。

GM :気づくと、周囲に気配。

合馬桜華 :「……遺街のライブハウスって、こんな暗い場所なんですか?」

合馬桜華 :海月の背後にくるりと周り、その背を守るようにしながら

GM :思い出す、紅海月と合流前、道を聞いたメイド・カフェの看板を抱えた女性、あの含み笑いを。

紅海月 :「無くはないが」くんくん、と鼻を鳴らす。

合馬桜華 :(まさかあの時の……!)

合馬桜華 :(……うー……背中がスースーするぅ……)

はぐれアイドル :「へっへっへ、素人、発見ぇ~~~ん」

はぐれアイドル :姿を表した、はぐれアイドルの群れ!囲まれている!

合馬桜華 :「やはりシノb……なにアンタら!?」

紅海月 :「これァ……トーシロ狙いの逸れアイドル!」

はぐれアイドル :先頭の女性がキラキラのデコレーションで飾られた鎖鎌を振り回す。

合馬桜華 :「知っとるんですかあかつき。さん!」

合馬桜華 :ファンキーな蛮族を見渡して、一抹の望みを託して海月の方を見る。

紅海月 :「うむ。ここ異街では通常のライブパフォーマンスのほか」

紅海月 :「ゲリラ・ライブ・アイドル・バトルも元々盛んじゃったからのう」

合馬桜華 :「ゲリラの所に比重を置きすぎじゃない!?」

イビる・ジョー :「どきなぁ」ひときわ大きな体躯のアイドルが、群れの背後から割って出る。

はぐれアイドル :「あなたは!"新人潰し"の!!」

イビる・ジョー :「ヘヘヘ、こりゃあいい、汚れを知らねえ表情、ピチピチのお肌」

イビる・ジョー :「潰し甲斐がアリアリじゃないのぉ~~!!」

イビる・ジョー :可愛くポーズ!同時に踊りかかってくる。

紅海月 :「しかし……好都合じゃ」

紅海月 :「桜華!」

紅海月 :「お前さんの実力……」

紅海月 :「知らしめてやるいい機会じゃないか!」

紅海月 :「のう!」

イビる・ジョー :ハートがあしらわれたメリケンサックで、豪!と襲い来る!

合馬桜華 :「そうなっちゃいますね!」ペロリと口元を舐め、飛び退く。

合馬桜華 :スカートを翻し、その中から桜華の身長の半分ほどもある大型の苦無を抜き放つ

イビる・ジョー :「フゥゥンンッ!!」

イビる・ジョー :アスファルトを踏み砕き、空振った拳がコンクリートブロックを叩き割る。

イビる・ジョー :「フシュウウウッ!シュウウウウッ!!」

合馬桜華 :(ステップ、ステップ、ダンス……! それに……歌!)

合馬桜華 :楽しそうに笑みを浮かべながら、苦無でメリケンサックを受け止めると

合馬桜華 :反身を引き、くるりと回転。

イビる・ジョー :「ンダラァァ!?オマ"ア!!」

合馬桜華 :ステップの要領で受け流し、エフェクトのような桜吹雪が周囲に舞い上がる

合馬桜華 :「届かないよ! そっちも良い動きだけど……こっちはもっと良い動きだから!」

合馬桜華 :苦無を三本取り出し、後部を連結し両手で持つことで両刃剣のように転じさせる。

合馬桜華 :イメージするのは、最初のステージで見たあの異形の演出たち

合馬桜華 :(悔しいけど、忍びの力をあー使う発想はなかった、ああもキラキラして……受け入れられる使い方を)

イビる・ジョー :「素人がッアタシのキャリアに勝てっかヨォオオオ!!!」

イビる・ジョー :嵐のように拳が降り注ぐ、がっ――

合馬桜華 :トントンと、履き慣れないヒールをなおして

合馬桜華 :「いち」

合馬桜華 :踏み込み、再び反転、花弁が舞う

合馬桜華 :「に」

合馬桜華 :ステップに合わせて、小さく口ずさむサウンドが空気を震わせる

合馬桜華 :「さんっ!」

合馬桜華 :異形の瞬きで、空間が桜色に染まる。

イビる・ジョー :「ご」「がっ」「げぇっ」

合馬桜華 :異境の地で任務中だというのに

合馬桜華 :「……よ、ん」このまま勢いのまま踊りあかして、独楽のように回っていたい、と思うくらい楽しい時間であった。

はぐれアイドル :「ばかな、ジョーさんがやられた!?」

はぐれアイドル :「な、なんて可愛さだ!」

はぐれアイドル :「畜生、散れ散れーーー!!」

はぐれアイドル :蜘蛛の子を散らすように去っていく。

合馬桜華 :「ふぃー……楽しかったぁー!」もちろんそうしなかったのは、自分のするべき事を考えていたからでもあったし、胸と背に吹き付けるビル間風のせいでもあった

紅海月 :「かかかっ!これぞ合馬桜華!」

紅海月 :「その名!しかと胸に刻みつけるがよいぞ!雑魚逸れ共!」

紅海月 :上機嫌に笑う。

合馬桜華 :「へへ、おぼえとけー! なんちゃって」

GM :思わぬアクシデントがあったものの、再び道を調べ直し小劇場へとたどり着く。

GM :指定席に付く。開演までまだ時間がありそうだ。

合馬桜華 :「まさか、あんな事がウチにできるだなんて」

合馬桜華 :「思いも寄りませんでした……楽しかったけど」

紅海月 :「殺し合いの技術を高めるだけが忍法の使い方ではねえ、ってことだのう」

紅海月 :「まさに風光明媚」

紅海月 :「儂の胸を躍らせるにはまだまだだが───」

紅海月 :「天晴じゃったぞ。桜華」

合馬桜華 :「えへへ、流石ウチ」髪をかいて、でもやっぱりちょっと恥ずかしいなとも思う

合馬桜華 :(……あくまで忍務のためって線引きしとかないと、危ない気がしてきた)

合馬桜華 :そう思い、姿勢を正すが

合馬桜華 :意匠がアイドルの衣装のままなせいで、若干違和感がある姿になっているのに気が付いてないのは桜華だけであった。

合馬桜華 :はじまったライブに耳を傾け、たまにあかつき。から楽しみ方を教えてもらいつつ

合馬桜華 :数時間前の一合で、ヴルフから感じ取った違和感の結び目に手をかける

合馬桜華 :「見敵術」で情報判定したいです、判定大丈夫でしょうか

GM :おっけー

合馬桜華 :2d6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

合馬桜華 :あっぶな

GM :お、成功。

GM :では秘密をお渡しします。

紅海月 :わしにも……くれるんですかのう~~~?

紅海月 :感情共有?とやらで……

合馬桜華 :止める忍法もないからもらえますね!

紅海月 :桜華………

紅海月 :はい、受け取りました。

合馬桜華 :見ましたー!

GM :あなたの中にはヴルフが打ち込んだ"呪"が依然としてある。

GM :アイドルとしての一歩を踏み出したあなたは、それを通し"見る"。

GM :敵の正体、その【秘密】を

合馬桜華 :「隊長……」ポツリと口から出た言葉は、少しの嬉しさと寂しさとが入り混じったものだった

合馬桜華 :「……あかつき。店長は、アイドルとずっと共にあって日常を過ごしてて」眼前のライブを眺めながら

合馬桜華 :先ほどの襲撃してきた集団にも見かけた顔が数人、バックダンサーにいるのが目に入る。

合馬桜華 :「楽しかったですか?」

紅海月 :忍び同士の精神感応。

紅海月 :先の青の丸薬を内に取り込んだ合馬桜華と己の意識は、繋がりを得て。

紅海月 :同じものを視た。

紅海月 :「愚問じゃのう。勿論、楽しい思い出ばかり……と」

紅海月 :「断言したいところだがよ。辛い思い出だって数多くあるぜ」

紅海月 :「推す気持ちが強ければ強いほど」

紅海月 :「卒業し、舞台を去っていくときの喪失感と言ったら、堪らなく堪えるもんだ」

合馬桜華 :「想っていたから、喪失が辛い」

合馬桜華 :「そこは一緒なのかも、命のやり取りのあるなし……」先ほどの輝くメリケンサックが思い浮かぶ

合馬桜華 :「……も、もしかしたら関係ないくらい」

合馬桜華 :「死ぬほど推せるって、冗談でもなく命かけてるんですね」

紅海月 :「もちろん、ヒトにもよるだろうがよ」

紅海月 :「儂もそういう気概を背負っていた時期もあったのう」

合馬桜華 :「今も、背負っていた頃が懐かしいから……こうしとるんですか?」

紅海月 :舞台に向けていた視線を、隣の少女へ移す。

紅海月 :枯れた紅い瞳。

合馬桜華 :その視線を、真正面から濃い桜色が受け止める。

紅海月 :にっと笑って。「そこまで教えてやる、義理はねえな。かかっ」

紅海月 :「桜華」

合馬桜華 :「あははっ、だよねー」笑い返して

紅海月 :「アイドルがよ。お前さんの目的を遂行する手段のひとつだということも、ま、想像つく」

紅海月 :「このまま、アイドルの道を歩み続けてほしい……とまでは、儂は言わん」

紅海月 :「しかしな」

紅海月 :「この先、歩んだ道を振り返って」

紅海月 :「つまらない寄り道をしてしまったな、などとは」

紅海月 :「儂は思ってほしくねえんだ。ワガママだけどよ」

紅海月 :「寂しいでな」

合馬桜華 :「……そんな事は、絶対無いですよ」

合馬桜華 :「だってこの街の舞台は、あんなにもキラキラしていて」

合馬桜華 :「眩しすぎるくらいで……」

合馬桜華 :曲が終わり、慌ただしくスタッフたちが撤収の準備をはじめる

合馬桜華 :「……あ、今のは、あんまり強くないウチかも」笑って立ち上がって

合馬桜華 :「二人だけのナイショって事で、ひとつよろしく!」そう言ってはにかみ笑い

紅海月 :口元を歪めて、指先を己の唇に当てる。

紅海月 :「道中、楽しんで行けや」

合馬桜華 :「はい。お互い最高の道行きになりますように」


GM :===

GM :それではシーンを終了、エニグマの解除判定に挑戦はしますか?

合馬桜華 :振ります!

合馬桜華 :見敵術で、判定よろしいでしょうか

GM :どうぞ、目標は《見敵術》

合馬桜華 :2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

合馬桜華 :成功!

紅海月 :最高~~~~

GM :成功、これにてエニグマは無効化されました。

GM :===

サイクル1:ゲリラ・ライブ・バトル

GM :===

GM :それでは本日、サイクル1が終了しかねてより宣告していた、フェス最終日への出場権を奪い取るためのゲリラ・ライブ・バトルを行います。

GM :ゲリラ・ライブ・バトルの開催はサイクル1、サイクル2終了時の計2回ですが、あなたたちPCがそれぞれもつ挑戦権は一度だけです、よく考えて参加してね。

GM :サイクル1のステージにあがるアイドルはこちら。

ミウ・シウ :「ミウだよ~~~☆」

日ノ原 エルナ :「日ノ原エルナですっ!!!」

GM :この2名。

GM :この戦闘で勝者となった方は彼女たちの最終日、クライマックス・ライブへの出場権を奪い取る機会を得ます。

GM :ですが、出場権を逃してしまった方にもチャンスはございます。

GM :何せここは異街、あらゆることが取り引きで解決する街。

GM :買えば良いのですよ、出場権など、具体的には生命点1でね。

GM :では細かいルールの解説をします。

GM :絶対見落としはあるはずなので、気になった点はつど聞いてください裁定します。

【特殊戦闘ルール:ゲリラ・バトル・ライブ】

この戦闘に脱落はありません。分野の機能停止はありますが、生命点が0になっても行動は可能です。

なおこの戦闘における生命点の減少は実際のデータには反映されません。

PC人数+1をラウンド制限とし、その間に稼いだ得点で勝者を決定します。


・与えたダメージがそのまま点数になる。(加点式で、通常ダメージを受けたことによる失点はありません)

・範囲系の攻撃は巻き込む人数ごとに+1

・変調をひとつ与えるごとに+1

・頑健等の生命点増加手段を所持する者はポイント1を得る

・回復値はそのままポイントとなる(生命点の上限を超えた分は数えないものとする)

・生命点消費系の攻撃は自分のポイントを消費するものとする

・喘縄に代表されるダメージ機会埋め込み系の忍術によるポイントは、忍術使用者の加点とする

・従者によるダメージは主人の加点とする

・地形等によるダメージはダメージを受けた者の減点とする

・生命点が0の状態のキャラへ与えたダメージは、判定が成立した回数ごとに+1


ウルトラパフォーマンス!

・生命点を0する攻撃を行ったものは、ボーナス加点+1

・スペシャルを出したものは、ボーナス加点+1


戦果について

・上位2名を勝者とする

・勝者は敗者から戦果を得ることが出来るが、NPCから選んだ場合追加で出場権を得る

・NPCが勝利した場合、戦果としてPCから生命点2を奪うことが出来る


PLとのQ&A

Q.3点のダメージを2人に与えたら、3+3+1なのかな?それとも3+1なのかな

A.3+1です


Q.>・勝者は敗者から戦果を得ることが出来るが、NPCから選んだ場合追加で出場権を得る

これは勝者分の出場権+もう1枠ということですか?

A.NPCから戦果を奪う効果に加えて、出場権もゲットできます


Q.ミドル3にはないんですよね

A.ないです、ミドル3には


Q.(バトルで参戦権を獲得しなかった場合、クライマックス参戦の)1点消費ってどのタイミングです?

A.クライマックス参戦権の支払いは、クライマックスフェイズ開始と同時でお願いします。


Q.上位2名を勝者とする→タイマンだった場合はひとりになるのかな?

A.NPCが2いるからタイマンは成立しないです

4:1はそのままで進行します

5:0の場合判定で仕切り直します


Q.忍具って使ったら減ります?

A.忍具は減ります、奥義情報も渡ります


Q.敵のキャラシは対戦時になったら見れますか?

A.対戦時に公開します


Q.ユニット組むってなったら出場枠はどうなるんでしょう

A.ユニット組もうが権利は人数に対してです


Q.ポイントはダメージによって発生しますが、奥義でもポイントは入りますか?

A.入ります 厳密には相手の生命点を減少させた値と呼び替えてもいいです

GM :以上となります、無論、これにはあえて出ない、という選択も可能です。

GM :ではちょっくら相談タイムとします。


GM :ではでは皆さん、ダイスを用意してくださいな

GM :やり方知らない人はいるかしらー

紅海月 :あれ

時雨 :鉛筆マークからダイスシンボルを作ってね

紅海月 :どうやんだっけ…

紅海月 :ありがと!

真白ももあ :出ないときはどうすればいいのかしら?

真白ももあ :1サイクル目で出る場合は1,2サイクル目で出る場合は2かな?って思ったけど

GM :それぞれサイクルの数字を決定し

GM :どちらにも出ない場合3を指定してください

真白ももあ :ありがとうございます!

GM :準備ができたらダイスをスライドしてね

GM :なんかしぐのダイスでかない??

時雨 :オーラかな……?

GM :なるほど

GM :ではカウントします、ゼロでオープンしてね

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

真白ももあ :おもろ

紅海月 :ふざけんなwww

GM :偏ったァーー!

時雨 :こうなったか~

時雨 :出場枠は私が戴くよ 皆様

紅海月 :おなかいたくなってきた わし

GM :おばか……

GM :ももあさんはひとりでNPCふたりもしゃぶれるの豪華ですね

真白ももあ :黒髪ロングストレートしゃぶり放題!?!?!?!?!?!?!

GM :おちつけ

明日葉 セイ :がんばるぞー

GM :でもNPCは基本PCを狙うので

GM :この型はなんというか、全員損をとった形になってない?だいじょうぶきみたち?

紅海月 :しゃぶられ放題

GM :ではやっていきましょうね

時雨 :そんなルーチン知らないよ~~!

紅海月 :クソが代

GM :知らない言われてもそうじゃないことある??

時雨 :そういえばすでに出場枠持ってるんだったなNPCは……

GM :やっていくぞ!


GM :===

GM :あなたたちはフェスの中日にて、かつてのリターンマッチが組まれると聞き付けこの会場へと集っています。

GM :戦闘とは別に、登場可能PCは全員です。

GM :単なる見物だったり、あるいは実力者から直接フェス最終演目への出場権を奪い取るため集まってきたあなたたちですが……。

ミウ・シウ :ステージの上で、既に現れたふたりのアイドルが対峙している。

ミウ・シウ :「ンフフ、前はとんだ邪魔が入っちゃったからね」

ミウ・シウ :「不意打ちさえなければ、あんな奴ミウの敵じゃなかったんだけど」

日ノ原 エルナ :「まったく、あのときは散々だったよね!!」

日ノ原 エルナ :ライムグリーンとストロベリーピンクの少女が、溌剌と答える。

日ノ原 エルナ :「センヒさんも、乱入だけならまだしも投げ飛ばさなくったっていいのに!」

日ノ原 エルナ :「あのあと真白ももあちゃんが来てたんでしょ? 歌聴きたかったなあ……」

ミウ・シウ :「ふ~~ん、ミウは他のアイドルのことなんてどうだっていいけどな~~」

ミウ・シウ :「だぁって、所詮はミウのエサ、ミウの可愛さの引き立て役なんだしね☆」

日ノ原 エルナ :「ふふん──」

日ノ原 エルナ :「前回は途中だったから、もう一回言うよ!!」

日ノ原 エルナ :「引き立て役なんかじゃ収まらない!! 最高の歌で、最高のステージにしようっ!!!!」

ミウ・シウ :「フフン、威勢だけは良いんだから!」

GM :今まさにぶつかり合おうとマイクを構えるふたりのアイドル。

GM :しかし、この場にはそれに待ったをかけるものがいる!!

時雨 :アップテンポな電子音。大きく響くパーカッションが鼓動を想起させる。

時雨 :二つのマイクがぶつかり合うように。一瞬のハウリング。

時雨 :しかしそのノイズは大きくなる。音響の不具合を感じさせるほどに、不安を煽るように。

時雨 :極限まで高まったノイズが

時雨 :ぴたり、と静止した時。

時雨 :ステージに立っている。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[わお、乱入だ]

真白ももあ :「本当だ!時雨さん本当に出るんだねぇ」客席でニコニコみている。

日ノ原 エルナ :「……うぇっ!? だ、誰ぇっ!?!?」

時雨 :「リターンマッチ、興味深い」

時雨 :「わざわざ、このような場を設けていただいたことを感謝します」

時雨 :「力を示す機会。お二人を下して、私は最終日のステージに立ちます」

クユ :「SHI・GU!SHI・GU!」ブンブン

クユ :「ふぅーーー!」

真白ももあ :「ふぅ~♡」一緒に応援している。

時雨 :応援に応えて笑う。

時雨 :『時雨と、そう名乗っています』

時雨 :『忘れられない名になります。以降お見知りおきを』

明日葉 セイ :不意に、照明がぱちぱちと点滅する。ジャックでもされたかのように。

明日葉 セイ :そうしてその影の中、ひとり背の高いシルエットが既に立っている。

明日葉 セイ :ぱち、と点滅を終え、照らされるのは、水色と白の衣装。金の髪。

明日葉 セイ :「こんにちは。来ちゃいました」

明日葉 セイ :王子様でもない、お姫様でもない、見た目の割に低い声。

真白ももあ :「わーーーっ、セイくーーーん!」客席から歓声。

明日葉 セイ :歓声にゆっくり手を振って。

明日葉 セイ :「明日葉セイです!」

明日葉 セイ :覚えて帰ってね、とはもう言わない。

明日葉 セイ :もう、覚えたでしょう。

明日葉 セイ :そうでなくても、これから忘れられないひとときにしてあげるから。

明日葉 セイ :「おれも、一緒に。舞台に立ちます!」

真白ももあ :「がんばって~~!」楽しそうに歓声を上げている。

ダンス講師 :「セイーーー!!みんな見てるわよーーー!!」

ダンス講師 :ダンススクールのマダムたちを引き連れ。

合馬桜華 :熱気高まる会場に、大きく風が吹きすさぶ。

合馬桜華 :桜の花弁が、繭のように集り

合馬桜華 :弾けると、そこに少女が立っている

合馬桜華 :桜の色を濃くしたような紅の髪に、着物の面影が見えるも活発さを意識し肌の見える衣装

合馬桜華 :「みんなー! こんばんはー!!」音の術で拡大し、会場に声を響かせる

真白ももあ :「えーっ!?桜華ちゃん!?」客席で目を丸くしている。

灰谷 :「ガード忍による妨害はなし……」

灰谷 :「やはり、すり抜けられるようですね」

合馬桜華 :(通れてる…!)

合馬桜華 :「ウチ、合馬桜華っていいます!」

合馬桜華 :「ひょんな事から今日からデビュー! 突然の飛び入り参加だけど」

合馬桜華 :「強く激しく、負けずに行くかんねー!」

合馬桜華 :そういって一回転

合馬桜華 :桜片が舞い、腰のリボンが動きに合わせて揺れる。

真白ももあ :「すごいすごーい!がんばれ~!」客席ではしゃいでいる。

白髪のガード忍 :「アラートは……鳴ってねェ。セーフなのか、アレ」

ガード忍 :「ぐぅぅ、ああなってはもう手出しできないどころか」

ガード忍 :「逆に拙者らがあやつを守らねばならなくなってしまう」

紅海月 :「かかかっ」

紅海月 :「千客万来、役者が揃ったところ、まっこと申し訳ねえがよ」

紅海月 :「儂もひとつ。混ぜて貰おうか、のう」

紅海月 :客席のひとつ。舞台に向かって一筋、二筋、三筋と。次々に光が射していく。

紅海月 :七色の光線の中を疾走する影が、ごうっと、台風のように舞台上を踊って。

紅海月 :並み居るアイドルの中に、さらに。ひとりの男。

紅海月 :「どうも。“異街最強のアイドル・オタク”でお馴染み」

紅海月 :「あかつき。こと紅海月じゃ」

紅海月 :常たる気怠げな様子と、だらしない印象の和装とは打って変わって。

真白ももあ :「えーーーっ!?」

真白ももあ :「あかつき。さん!?」

真白ももあ :「本名紅海月って言うんだ!え、どっちだろ?どっちも本名じゃないのかな?」

宍戸れみふぁ :「ほ、ほんとに出てきた……」

"極大門松" :「マ、マジで行ったでゴザル! "あかつき。"氏!!」

"ピザ吐き隊" :「清潔感ある格好だと……思ったよりアリ……か……!?」

"違法イカ@airハ-70" :「いけるやん……!」

紅海月 :丸まった背筋はしかと伸び。かちっとしたストライプ・スーツと紅のタイで。その身を纏っている。

紅海月 :「この度、儂……一身上の都合により、いちオタクを卒業」

紅海月 :「ひいては竜誕祭の出場枠を賭けて─────」

紅海月 :「新人アイドル。†暁†としてデビューすることと相成りましたで候」

紅海月 :応援シクヨロ。と拳銃の形を模した手でばん、と沸き立つ客席を撃つ。

真白ももあ :「†暁†が本名かな!?」

真白ももあ :「†暁†さんがんばって~~!」

宍戸れみふぁ :「ええいもうやけだ!いけーーー!がんばれ店ち…†暁†ーーーー!!」

真白ももあ :「すごいねぇ、乱入ってこんなにいっぱいあるものなんだね~」

真白ももあ :「あっ、ハムさんの電源って切らなくても怒られないかなぁ?」すっかり観客としてはしゃいでいる。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[今の僕は電話である前にひとりの観客なんだ、電源オフは人権侵害だよ]

ミウ・シウ :「え、なになに、こんなしてぞろぞろと」

ミウ・シウ :あなた達を見回して。

日ノ原 エルナ :「えっ!? ええ~~~~っっ!?!?」

合馬桜華 :「ライブバトルに殴り込み! ってやつなんよ!」

合馬桜華 :「……なんかめっちゃいるけど、気にしない!」

紅海月 :「儂もびっくりしとる。……手組もうぜ?ってさ。言ったばかりじゃん」

ミウ・シウ :「ふぅん、その様子だと、ミウのファイナル・ライブへの出場権を奪いに来たってワケ?」

合馬桜華 :「話が早くて何より!」

明日葉 セイ :「そういうこと、になっちゃうね」

明日葉 セイ :「ここまで人がいるとは思ってなかったけど」

明日葉 セイ :「でも、みんなで一緒にパフォーマンスできるなら、嬉しいな!」

日ノ原 エルナ :「う~ん、なんだかミウちゃんとはタイマンできない星の下に生まれたのかも……」

日ノ原 エルナ :「まっ、でも!!」

日ノ原 エルナ :ステージに立つ全員を見渡し、満面の笑みを浮かべる。

ミウ・シウ :「正規の出場権すらもってない、はぐれ演者が」

ミウ・シウ :「徒党を組めばミウをどうにかできると思ってるんなら、思い上がりよね~~☆」

ミウ・シウ :「フェスの呪術式に弾かれてないってことは、それなりのアイドルなんだろうけど」

ミウ・シウ :「それなり、で足りる舞台じゃない」

日ノ原 エルナ :「そうだよ。みんな、すっごく"魅力的強そう"!!」

ミウ・シウ :「ヒノちゃん、じゃあまずはこの邪魔な奴らに」

ミウ・シウ :「ドラゴンボーンフェス、ファイナリストの力をわからせてあげよっか?」

日ノ原 エルナ :「うん!! 私たちの──」

日ノ原 エルナ :「誰よりも響き渡る、最高の歌で!!!」


GM :それでは、戦闘に入ります。

GM :サブGMも駒とダイスをお願いね

GM :ではプロットから。

サブGM :あっキャラシを

紅海月 :ちょうだい♥

GM :そうだったね

ミウ・シウ :キャラシート

日ノ原 エルナ :キャラシート


時雨 :アイドルプロフィールを御開帳しな~!

GM :それでは改めて、

GM :プロット前行動を行う人は宣言を

GM :こちらはなし

紅海月 :なし。

合馬桜華 :なしです

サブGM :なし!

明日葉 セイ :なし

時雨 :ないよ

GM :ではオープン願います、3

GM :

GM :あ、まだ確認取ってなかったわね

紅海月 :ダイス準備OKです

GM :あれこれしぐのダイスだ

明日葉 セイ :いけます

GM :我のはどこにw

時雨 :そうですよ GMの独占欲の強さを見せつけられました

時雨 :私のダイスがあればGMちゃんにはダイスなんていらないよね?

紅海月 :イチャついとるやん

時雨 :いけます

合馬桜華 :見せつけてる

合馬桜華 :いけます

GM :よしいくぜ

日ノ原 エルナ :いけます!!!!!

GM :

GM :

GM :

GM :


system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 日ノ原 エルナ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。


○戦場:平地

<プロット4>

(時雨、セイ、紅、ミウ)

<プロット1>

(桜華、エルナ)


GM :では高プロットから順に処理していきます。

GM :まずは4、多いな……

GM :PCナンバー順に宣言してね。

時雨 :はーい

時雨 :絶対先手もらえるの? めちゃありがたいな……

時雨 :ミウちゃんに【陽炎】【接近戦攻撃】です

GM :処理は同時だぞ、続いてセイくん。

明日葉 セイ :はい

明日葉 セイ :【接近戦攻撃】でミウちゃんを殴ります。

紅海月 :わしも【接近戦攻撃】。対象はミウ・シウ。

ミウ・シウ :【接近戦攻撃】、怪力が一番遠い時雨で。

時雨 :7なのに

GM :7なのにだぞ

GM :というわけで処理を行います。時雨さんから

時雨 :2d6>=5 【陽炎】 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

GM :調子いいなあ

時雨 :2d6>=5 【接近戦攻撃】 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功

時雨 :危ない!

時雨 :指定特技は《絡繰術》。回避マイナス2

ミウ・シウ :回避するよ

ミウ・シウ :2d6>=7+2 (2D6>=9) > 6[2,4] > 6 > 失敗

時雨 :よしよし 接近戦1点

ミウ・シウ :んきいーーーーー!!

紅海月 :かわいいね♥

時雨 :ポイント1点確定ってことですね 美味いぜ

ミウ・シウ :1d6 (1D6) > 1

ミウ・シウ :ミ、ミウの器術が!!!

時雨 :《水術》使えないウミウシとは……?

紅海月 :リクウシ

ミウ・シウ :うるさいうるさい!

時雨 :牛じゃん!!!

明日葉 セイ :ひからびちゃう

サブGM :それは牛

真白ももあ :水のなかで生きられなくなっちゃったね

合馬桜華 :う、うみうしーっ!!

GM :続いてセイくん

明日葉 セイ :はい!

明日葉 セイ :……†暁†さん、感情修正くれる気はないです?

紅海月 :オッ

紅海月 :よかろうもん!

紅海月 :+1!

真白ももあ :これって私もできるのかな?

明日葉 セイ :やったー、まずはNPCから!

時雨 :演出修正ができますよ~

GM :演出修正だね―

真白ももあ :あったなそういうの

真白ももあ :とりあえず今は該当箇所探してるから進めてください!

明日葉 セイ :はあい! +1で

明日葉 セイ :2D6+1>=5 (判定:意気) 【接近戦攻撃】 (2D6+1>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功

明日葉 セイ :うし

明日葉 セイ :指定特技は意気です!

GM :よってたかって可愛いウミウシを!

ミウ・シウ :2d6>=7 《言霊術》 (2D6>=7) > 6[3,3] > 6 > 失敗

明日葉 セイ :うおー

紅海月 :出目悪くねえんだけどな…

ミウ・シウ :なんでぇーーーーー!!

合馬桜華 :目標値7って成功しないものですね……

時雨 :ですね

明日葉 セイ :一緒にがんばろうね☆

ミウ・シウ :1d6 (1D6) > 1

ミウ・シウ :ミ、ミウのふたつめの器術が!

ミウ・シウ :忍術で受けるよ。

system :[ ポイントカウンター ] 時雨 : 0 → 1

明日葉 セイ :けずってこー!

GM :続いて†暁†。

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 0 → 1

紅海月 :うむ。

紅海月 :接近戦攻撃をミウ・シウに。指定特技は《身体操術》。

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功

GM :そろそろ失敗したら?

紅海月 :あっ感情判定わすれてたな まあいいか 成功したので

明日葉 セイ :そうだった すごーい

ミウ・シウ :2d6>=11 《怪力》 (2D6>=11) > 4[2,2] > 4 > 失敗

紅海月 :あっ…

ミウ・シウ :ミウの……ミウの…

ミウ・シウ :さかなぎ……

system :[ ポイントカウンター ] 紅海月 : 0 → 1

紅海月 :ちがっ……ワシそんなつもりじゃ……

明日葉 セイ :ドンマイ!

ミウ・シウ :1d6 (1D6) > 3

紅海月 :接近ダイスの出目がよい

ミウ・シウ :ミウの第二の忍術が!!

時雨 :ちっ、悪運の強いウミウシだぜ

ミウ・シウ :戦術で受けるよ。

ミウ・シウ :同時行動だから攻撃はいける!やっちゃうからねー

ミウ・シウ :接近戦攻撃だよ!

ミウ・シウ :2d6>=5 《怪力》 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

ミウ・シウ :対象は時雨!

時雨 :回避します~ 演出修正が欲しいです!

真白ももあ :セイくん以外そんな応援する気ないけど……

真白ももあ :あげちゃお♡演出修正、+1!

時雨 :優しい!

時雨 :ありがとうございます 振るよ~

時雨 :2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功

時雨 :よし!

紅海月 :強し強し強し強し強し

ミウ・シウ :なんでなんでなんでなんでぇーーーー!!!

GM :うるさいウミウシですね、では次のプロットは2。

GM :1じゃん

日ノ原 エルナ :1です!!!!!

GM :桜華ちゃんと日ノ原さんは宣言をどうぞ。

合馬桜華 :1です!!!!!!

日ノ原 エルナ :【錬気】を使います!!!!!

合馬桜華 :おー!!!

合馬桜華 :それ判定いらないのか強いな!

合馬桜華 :じゃあウチ行きます!

サブGM :あっ判定はいる!

真白ももあ :せ、宣言は!

真白ももあ :なにをするかの!

合馬桜華 :あ、そっかそうするんだ

合馬桜華 :【神槍】対象はミウちゃんでー!!

GM :そうそう、まずそれを宣言して。

サブGM :よかった~

ミウ・シウ :やめろーーーー!!

GM :ではやっていきましょうか。

GM :桜華ちゃんから、ミウ・シウは逆凪の状態にあるので、命中判定に成功さえすれば回避のすべはありません。

合馬桜華 :はーい、では振ります!

合馬桜華 :2d6>=5 手裏剣術 (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

GM :無駄に高い!

ミウ・シウ :むぎゃーーー!!

合馬桜華 :【後の先】込みで射撃3点です

ミウ・シウ :妖術と体術で受けるよ……

時雨 :すごい火力だ

ミウ・シウ :そして、残りの謀術は、兵糧丸を使って耐えるよ

ミウ・シウ :一応これでミウのポイントも+1

ミウ・シウ :いち……

system :[ ポイントカウンター ] 合馬 桜華 : 0 → 3

system :[ ポイントカウンター ] ミウ・シウ : 0 → 1

合馬桜華 :あ、誘導分残しちゃったか……

紅海月 :凪ってるねえ

合馬桜華 :……逆凪してたらそうか振れないのか……

サブGM :凪は怖いねえ

合馬桜華 :以上! 次の方どうぞ!

真白ももあ :GM!急ぎではないですが裁定の確認をしたいです

GM :はいな

真白ももあ :ポイントはダメージによって発生しますが、クリティカルヒットでもポイントは入りますか?

GM :入ります

真白ももあ :ダメージでなく、生命点の減少扱いなので

真白ももあ :了解!ありがとうございます!

GM :厳密には相手の生命点を減少させた値と呼び替えてもいいです

真白ももあ :顔を殴ったら強いってわけね

GM :では続いて日ノ原さん

日ノ原 エルナ :はい!!!!!

日ノ原 エルナ :【錬気】判定します!!!!

日ノ原 エルナ :2D6>=5 (判定:身体操術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

日ノ原 エルナ :よし!!!!!

GM :なんかみんな調子いいっすね

真白ももあ :ミウちゃん以外……

日ノ原 エルナ :クリヒのダメージが増えます!!!!

GM :ではラウンド1を終了。

合馬桜華 :一人業を背負わされてる

ミウ・シウ :ちょおっとまった!!

紅海月 :あん!?

ミウ・シウ :ミウは奥義の使用を宣言するよ☆

時雨 :ええーーっ!

紅海月 :も、もしや……!?

真白ももあ :握るのか!

明日葉 セイ :なんだとー

ミウ・シウ :♪終わりのミウ・シウ海賊団♪
効果は【不死身】、指定特技は《言霊術》

真白ももあ :不死身!?

合馬桜華 :おおー

日ノ原 エルナ :不死身!?!?!?!?

真白ももあ :!?多っ

合馬桜華 :あっち側が驚いてる

紅海月 :BGM聞こえなくなったな

ミウ・シウ :1d6-1 (1D6-1) > 3[3]-1 > 2

真白ももあ :ばけちゃんが……嫌いな……不死身を!

ミウ・シウ :え……

紅海月 :ワハハ

system :[ ポイントカウンター ] ミウ・シウ : 1 → 3

時雨 :いい方じゃん

ミウ・シウ :5点回復する予定だったの!!

真白ももあ :うんうん 毎回スペシャルだせばぜったいかてるからね

ミウ・シウ :妖術と体術を回復するよ

GM :では今度こそ終了!

1ラウンド目
合馬桜華、ミウ・シウ:3点
時雨、明日葉セイ、紅海月:1点
日ノ原エルナ:0点

GM :ダメージや効果が発生した者を対象に、演出を行います。

GM :今回は一応全員になるかな。

GM :今日はそれをやって終了とする!

時雨 :5ラウンドずっと演出やるの長くないですか?という意見が上がっています

真白ももあ :結構前の雑談ログですね。ガントスさんが5ラウンド終わってからまとめて、ナケミンさんが1ラウンド目と奥義回想のみはどうかと提案していました

真白ももあ :でもここはばけちゃんのホームだから好きにやったらええとおもいます

GM :それはそう、その忍法ではじめてダメージ、効果が通った際、にします

時雨 :了解です。

紅海月 :なるほどなるほど!オッケーです!

明日葉 セイ :はあい!

合馬桜華 :はーい!

GM :んー、じゃあ時間的に

GM :処理の方を先にすすめてしまう?

GM :みんな覚えておいてね、じぶんのハジメテ……

合馬桜華 :PLはそれでもよいかなーって思います、5ラウンドと長丁場ですし

明日葉 セイ :それでもいいよー

時雨 :個人的にはそちらの方がありがたいです

GM :ではラウンド2までやりましょうか

紅海月 :あっ大丈夫!

紅海月 :すまぬすまぬ!

GM :それでは皆プロットを

時雨 :できましたー!

紅海月 :OK

明日葉 セイ :おけ!

サブGM :ヨシ!

合馬桜華 :OKです!

GM :では

GM :

GM :

GM :

GM :


system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。


○戦場:平地

<プロット6>

(時雨、ミウ)

<プロット5>

(エルナ)

<プロット4>

(セイ)

<プロット3>

(紅)

<プロット1>

(桜華)

GM :では6から。

GM :時雨、ミウシウ。

時雨 :エルナちゃんに【災雷】

ミウ・シウ :【流星雨】だよ!

ミウ・シウ :では処理を行っていきましょう。時雨さんから。

時雨 :はい!

時雨 :2d6>=7 災雷 (2D6>=7) > 7[3,4] > 7 > 成功

時雨 :ジャストだあぶねえ! 《召喚術》!

日ノ原 エルナ :回避します!!!!!

日ノ原 エルナ :sg#5>=10 (判定:意気) (SG@12#5>=10) > 3[1,2] > 3 > ファンブル

紅海月 :エルたそ~

GM :おやおや

日ノ原 エルナ :ええええ!?!?!?!?

時雨 :よし! 1点獲得も美味いぜ

時雨 :【錬気】の効果も消える……

日ノ原 エルナ :妖術で受けます!!!!!!!!!

system :[ ポイントカウンター ] 時雨 : 1 → 2

ミウ・シウ :じゃあいくよっ

ミウ・シウ :2d6>=5 《召喚術》 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

ミウ・シウ :おしいいーーー

紅海月 :おしいねえ

ミウ・シウ :回避もするよっ

ミウ・シウ :2d6>=5 《召喚術》 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

時雨 :スぺ【流星雨】出されたら負けを認めるしかない

ミウ・シウ :ナンデ?

時雨 :ミウちゃん……

時雨 :回避!

時雨 :2d6>=7 (2D6>=7) > 8[3,5] > 8 > 成功

時雨 :よし!

合馬桜華 :これ自分が喰らったらポイントどうなるんでしょう

サブGM :間合い3か

時雨 :間合いの外

時雨 :当たらないですよかったね!!

紅海月 :わしがギリ入るか

紅海月 :2D6>=8 (判定:兵糧術) (2D6>=8) > 5[2,3] > 5 > 失敗

日ノ原 エルナ :同タイミングなので回避します!!!!!

明日葉 セイ :入っちゃうな

紅海月 :うむ。

真白ももあ :†暁†さんまでですね

明日葉 セイ :2D6>=9 (判定:意気) (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

明日葉 セイ :やったーー!!!

GM :ルールを悪用してミウシウに+で1入ります。

時雨 :なんだって

紅海月 :さすがプロだ ちがうなあ

日ノ原 エルナ :sg#5>=10 (判定:意気) (SG@12#5>=10) > 6[3,3] > 6 > 失敗

真白ももあ :範囲攻撃ですからね

紅海月 :忍術で受ける。

合馬桜華 :やっぱそうなるのかー!!!

system :[ 紅海月 ] 忍術 : 1 → 0

GM :アイドルは、たとえ自分を傷付けてでも輝きを求める生き物なのです。

日ノ原 エルナ :器術で受けます……!!!!!!!!

時雨 :巻き込む人数ごとに……だから、3点ってこと!?

真白ももあ :ああ、自分ってミウちゃん自身のことか!

時雨 :そっちね

合馬桜華 :自分にもダメージを「与えた」事になるのかなって、なるみたい

system :[ ポイントカウンター ] ミウ・シウ : 3 → 6

GM :なるぜ

合馬桜華 :つ、強い……!

時雨 :アイドルの戦い方だなあ~

ミウ・シウ :ハァ…ハァ…謀術で…受けるよ

合馬桜華 :身ぃ削ってるなぁ……!

紅海月 :涙出そう

GM :プロット5のアイドルは、もう駄目みたいですね。

GM :では4へ、宣言をお願いします。

時雨 :おっと?お待ちくださいな

日ノ原 エルナ :いえ!!!!!

GM :おおっとぉ

日ノ原 エルナ :奥義を使用します!!!!!!

紅海月 :なにぃ~?

真白ももあ :声デッカ

GM :もしや

紅海月 :どんな奥義だってんだよ

時雨 :プロット6終了時に奥義を使用するよ~

GM :あ、そっちも

GM :では6の時雨さんから

サブGM :おっと、ではそっちから

時雨 :『輪転舞台甘瓦』!効果は【追加忍法】です。指定特技は《憑依術》。

GM :知ってた。

紅海月 :はい。

明日葉 セイ :きちゃった

真白ももあ :そうじゃないわけがない

合馬桜華 :信頼されてる

時雨 :使用するのは《掛矢》。戦場が変更したとき、変更後の戦場に対応した忍具を獲得する大槌群の忍法だ!

時雨 :悪天候に変更時は、遁甲符を獲得できますよ……判定に成功すればね!!!!

紅海月 :いいな~!

時雨 :2d6>=7 (2D6>=7) > 6[3,3] > 6 > 失敗

紅海月 :時雨ーーーーっっっ

時雨 :ぎゃー!

合馬桜華 :おおう……

時雨 :おじさん遁甲符ちょうだーい

サブGM :あれっ凪では

明日葉 セイ :どんまいー

GM :テンション上がってきた。

真白ももあ :ご、ごめんね演出修正をいれなかったばかりに……

時雨 :獲得出来たら返すから……

紅海月 :へへへっ悪い……セイのズボンがよ

GM :あー、これはこれは

紅海月 :遁甲符食っちまった

明日葉 セイ :ごめんね☆

紅海月 :在庫切れてます!!!

合馬桜華 :かわいいから許す

時雨 :しょうがないな~

時雨 :自前の神通丸でもつかお

時雨 :2d6>=7 (2D6>=7) > 7[3,4] > 7 > 成功

紅海月 :う~ん見事

時雨 :せいこーう! 遁甲符ゲット!

真白ももあ :やったね!

サブGM :ギリ成功してやがる

時雨 :あ~楽しい 最高

GM :くっそぉ

時雨 :以上です!

GM :ではつぎ!何かしようとしてる日ノ原さん

GM :いったい何を……

日ノ原 エルナ :はい!!!!!!!!!!!

真白ももあ :!多っ

GM :お声がおおきいね

合馬桜華 :威力も大きそう

紅海月 :なにをみせてくれるのかしら

日ノ原 エルナ :奥義『絶響・輝星千鳥』!!! 指定特技は意気、効果はクリティカルヒットです!!!!

GM :ナンダッテーーー!!!

日ノ原 エルナ :対象はセイくん!!!!!

時雨 :クリヒだ~~~~!!

紅海月 :ウワアア!!!!!

GM :まさかのクリヒ!

明日葉 セイ :きたーーーーー

時雨 :セイくん!?

明日葉 セイ :来ると思ってたよ!!!!

GM :やれー!!

明日葉 セイ :どなたか助けてくれる人がいないかなーーーー

合馬桜華 :やばっ

GM :というわけで、何らかの防御手段がない場合、4点の減少になります。

紅海月 :(目を伏せる)

時雨 :誰か【絶対防御】持ってる人マジでいないの……?

時雨 :私の遁甲符でよかったら……

真白ももあ :追加忍法と追加忍法がいるからね

明日葉 セイ :うん……気持ちはいただく……

紅海月 :誰だよ追加忍法…

合馬桜華 :なんかもう二人割れてるんですよね

時雨 :なんだこの環境?

サブGM :絶対防御人(んちゅ)なんているのか~?

GM :ダイジョブかなこのひとたち……

サブGM :PC全員追加忍法だったらどうしよ

GM :怖くて泣いちゃう

真白ももあ :【おしまい】だよ

明日葉 セイ :とりま自分は何もすることないです!

合馬桜華 :ウチもごめんね……

GM :では通ります!ダイスを振ってランダムに生命点を4削ってください。

明日葉 セイ :まず頑健分が1

明日葉 セイ :

明日葉 セイ :でいいのかな

system :[ ポイントカウンター ] 日ノ原 エルナ : 0 → 4

GM :おっけー

明日葉 セイ :3d6 (3D6) > 13[3,5,5] > 13

明日葉 セイ :忍戦戦でしょうか

明日葉 セイ :戦術ー!!

GM :被った分は、選んで削っていいです

明日葉 セイ :2個目は器術をけずります!!!!!!!

明日葉 セイ :器忍戦が潰れました

紅海月 :揺音の見敵判定してもよいかな~?

サブGM :あっそうですね、見切りどうぞ!

紅海月 :ヨッシャ!

紅海月 :2D6>=6 (判定:記憶術) (2D6>=6) > 9[4,5] > 9 > 成功

紅海月 :見切ったぜ!

サブGM :オタク特有の眼力

合馬桜華 :よしいくぞー!

合馬桜華 :2d6<=5 (判定:見敵術) (2D6<=5) > 9[4,5] > 9 > 失敗

時雨 :見切り判定は放棄します 意気遠いので

合馬桜華 :あ、逆だった! 成功です!!

真白ももあ :しぐは凪こわいもんね

時雨 :

明日葉 セイ :あ、そうか、見切りはできる

サブGM :できます、同タイミングなので……だよね?

明日葉 セイ :やります、まだいける

明日葉 セイ :2D6>=6 (判定:九ノ一の術) (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

明日葉 セイ :うおん

紅海月 :凪では無し!

時雨 :†暁†さんから感情で流れてくるんじゃない? セイくんは

明日葉 セイ :あ、そうか!

紅海月 :あっそういう?

明日葉 セイ :あぶな いただきます

合馬桜華 :あ、そうなりますね、さすが感情マスター

紅海月 :じゃあ……エルナちゃんの奥義がセイくんと桜華ちゃんに伝線する!

明日葉 セイ :意気が潰れたのがなーー

時雨 :そういえば言い忘れてましたけど、災雷の効果で戦場が悪天候に代わっていますので

時雨 :攻撃忍法の間合い+1です。届く相手が増えたんじゃないかな?

紅海月 :オッなるほどね~

GM :ハァハァ、終わりかな。

GM :4プロットへいくぜ!

明日葉 セイ :すみません、ちょっとだけお待ちを

明日葉 セイ :お待たせしました

時雨 :よっしゃこーーい!

明日葉 セイ :奥義の使用を宣言します。

明日葉 セイ :内容は範囲攻撃。対象は自分以外全員に当たるはず。

紅海月 :ギャアアア!!

明日葉 セイ :■奥義
《『星月夜きらり(ブライトライト・スターリーナイト)』》
指定特技 :人脈
エフェクト:範囲攻撃
効果・演出:幾万の夜空の星の、そのひとつがおれ。届かないなんてことは、ないんだ。きっと!

時雨 :自分含めた方が点稼げますよ?

明日葉 セイ :あ、そうか……w

明日葉 セイ :わかりました。含めます。無慈悲な奥義マシーンと化します。

時雨 :それでこそアイドルや……!

明日葉 セイ :なお、【揺音】があるので見切り判定も発生します。

GM :悪用がはじまっている

明日葉 セイ :見敵術でよろしくお願いします。

ミウ・シウ :さかなぎ……

紅海月 :ワンワン……

合馬桜華 :振っときます

時雨 :振るよ~ セイくんは敵になるかもしれないしね

真白ももあ :じゃあしぐに

明日葉 セイ :なんないよー

真白ももあ :補正あげる♡

日ノ原 エルナ :凪なので振れません!!!!!!!

時雨 :ありがとうございます!

真白ももあ :演出修正+1!

時雨 :2d6+1>=9 (2D6+1>=9) > 6[2,4]+1 > 7 > 失敗

合馬桜華 :2d6>=5 見敵術 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功

時雨 :逆凪!

紅海月 :桜華ー

紅海月 :修正くれんか?

紅海月 :あっでも

合馬桜華 :後でこっちにもくれるなら投げます

合馬桜華 :そう、感情で流れるんですよね

紅海月 :せやねん

時雨 :合馬さんから感情で来るから振る必要はない けどシノビガミのルール的には

時雨 :基本的に同タイミング判定なので、振る人は全員宣言してから振るべきでしたね、自分が先走りました

紅海月 :ごめんねえ

真白ももあ :なるほどね

紅海月 :振るつもりだったからふっとくね

真白ももあ :あとしぐからじゃないと私はこないの!

時雨 :失礼しました

紅海月 :2D6>=6 (判定:記憶術) (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功

時雨 :ごめんなさい……

紅海月 :わはは

真白ももあ :いいのよ だから先走ったことを後悔しないで

時雨 :はい!

GM :ミスなくセッションを終えるのは不可能なので……

GM :では成功した方は共有シートに奥義情報を加えておいてね。

紅海月 :うい~!

サブGM :2点攻撃+6人に当てたから7点?

GM :続いて防御手段がなければ、各自生命点を減少させてください。

GM :流石の範囲攻撃

明日葉 セイ :あとミウちゃんのHP次第かな

紅海月 :歩み初めてるな スターの道を

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 1 → 8

時雨 :はーい 体術忍術!

system :[ 時雨 ] 体術 : 1 → 0

system :[ 時雨 ] 忍術 : 1 → 0

ミウ・シウ :0は避ける!!

ミウ・シウ :奥義だよ!

紅海月 :妖術と譜術かの。

system :[ 紅海月 ] 妖術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 1 → 0

ミウ・シウ :破る場合宣言を!言霊術。

時雨 :破ります

紅海月 :破らない。

明日葉 セイ :あ、自分もだから体術と妖術が減ります

明日葉 セイ :破ります

合馬桜華 :器術、忍術、謀術で受ける!

日ノ原 エルナ :忍術と謀術で行きます!!!!

合馬桜華 :破ります

時雨 :合馬さん三つ減らしてない?

明日葉 セイ :あ、うそだ

GM :では破り判定どうぞ

合馬桜華 :あ、2点だった

明日葉 セイ :いや、破ります

時雨 :2d6>=9 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗

明日葉 セイ :2D6>=9 (判定:九ノ一の術) (2D6>=9) > 5[2,3] > 5 > 失敗

時雨 :逆凪だから関係ないね

合馬桜華 :器術抜きで

日ノ原 エルナ :凪なので破れません!!!!!!

真白ももあ :スペシャルでたらいけるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

system :[ 合馬桜華  ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 合馬桜華  ] 謀術 : 1 → 0

合馬桜華 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功

時雨 :やったー!

合馬桜華 :破りました

明日葉 セイ :やったー!!

ミウ・シウ :ナンデェェェェェ

紅海月 :桜華~~~~♥

system :[ 明日葉セイ ] 器術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 体術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 戦術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 妖術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 頑健 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 忍術 : 1 → 0

GM :というわけでミウシウの生命点は0

GM :ボーナスポイントが1、PC2へ追加

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 8 → 9

明日葉 セイ :やったー!

GM :がーとやっちゃうか

GM :続いてプロット3

紅海月 :あーい

GM :宣言をどうぞ

紅海月 :土竜吼。対象はエルナ。

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗

GM :どうぞ

紅海月 :オホホ

GM :帰りな!店をやってるんだな!!

時雨 :†暁†さん?

サブGM :なるほどね

GM :では次、プロット1

合馬桜華 :え、えーと、優しいおじさんが符をくれたりは?

GM :桜華さんは悪天候で射程がのびてて当て放題ですね。

紅海月 :在 庫 切 れ

紅海月 :感情修正ならやる!

時雨 :エルナちゃんを倒してくれ~~

合馬桜華 :へい、頑張ります

GM :では宣言をどうぞ。

真白ももあ :プロットも低いしかなり安全だと思います!やっちゃえ!

合馬桜華 :【神槍】 これしかしてない 悪天候で射程4になってるんでエルナちゃんへ

紅海月 :+1!

紅海月 :どうぞ。

合馬桜華 :感謝ー

合馬桜華 :じゃあ振ります!

GM :いけー

合馬桜華 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗

GM :ふふ

紅海月 :マ゜ッ

GM :(本当に大丈夫なんだろうかこのひとたち)

合馬桜華 :まーじか

時雨 :リードほしいよな……遁甲符!

合馬桜華 :感謝!

GM :お、救いの手

紅海月 :ナイス!

時雨 :成功させてね~! あとこの後支援よろしく!

サブGM :あっ符!

合馬桜華 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 11[5,6]+1 > 12 > 成功

紅海月 :惜しい!

時雨 :ナイス!

合馬桜華 :極端だなぁ

紅海月 :でも当ててる!

GM :成功!

日ノ原 エルナ :回避は……できない!!!!!

合馬桜華 :後の先乗って射撃3点です

GM :では逆凪でヒット!

system :[ 時雨 ] 忍具 : 4 → 2

system :[ 時雨 ] 忍具 : 2 → 3

日ノ原 エルナ :体力0になります!!!!!!

GM :これにてボーナス!

GM :+1です

system :[ ポイントカウンター ] 合馬 桜華 : 3 → 6

GM :ラウンド2終了!

サブGM :あっこの場合

サブGM :残り2で3受けたんですが、ボーナス抜きだと2ですか? 3ですか?

GM :じゃあボーナス込み3ですね

サブGM :あっ了解!

2ラウンド目
明日葉セイ:9点
合馬桜華、ミウ・シウ:6点
日ノ原エルナ:4点
時雨:2点
紅海月:1点

GM :それでは続いて、ラウンド3をやってくぜ

GM :それでは皆のものプロットを構えてください。

GM :よしでは

GM :いくぜ

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(ミウ、エルナ)

<プロット4>

(セイ、時雨)

<プロット3>

(紅)

<プロット1>

(桜華)

GM :いくぜ、プロット6!

ミウ・シウ :奥義を宣言!

紅海月 :なにっ

日ノ原 エルナ :奥義を宣言します!!!!!!

真白ももあ :!多っ

時雨 :えっ潰しあい?

ミウ・シウ :効果は不死身、特技は《言霊術》!

合馬桜華 :ああ、安全に稼げるから……

日ノ原 エルナ :手が届かないので!!!!!

紅海月 :かわいいねえ

真白ももあ :エルナちゃんミウちゃん殴るの!?!?!?

合馬桜華 :近くにいたお前が悪い方式だった

時雨 :仲間であるはずのエルナちゃんにすら背後から刺されるミウちゃんかわいそうすぎん?

真白ももあ :いくら殴っても再生するから!?!?!?!?

紅海月 :興奮してきた

ミウ・シウ :は?別に仲間じゃないが?

時雨 :そっかあ

日ノ原 エルナ :効果はクリティカルヒット、指定特技は意気!!!!!!!

ミウ・シウ :むしろ、ここで手を抜いてこられる方が心外よね☆

日ノ原 エルナ :対象はミウちゃんです!!!!

時雨 :ミウちゃんの奥義破りは参加宣言 エルナちゃんは見切れてない

紅海月 :どちらも破りチャレンジするぞ。

合馬桜華 :両方破りに行きます

明日葉 セイ :ちょっとまってね

ミウ・シウ :奥義が通って回復したら破るよ

ミウ・シウ :敗れないよ

明日葉 セイ :両方持ってた。両方ダメ元で破ります

ミウ・シウ :ウネルよ

サブGM :一応スペシャルがあるから……

日ノ原 エルナ :破りません!!!!!

真白ももあ :自分が嬲る分回復してもらわないと困るからだ

時雨 :エルナちゃんけっこう……猛禽ですね

時雨 :じゃあふりまーす

合馬桜華 :あ、店長

紅海月 :あいあい

合馬桜華 :こっちの破りに修正ください

合馬桜華 :エルナちゃんの方

合馬桜華 :万が一が怖い

紅海月 :オッケー!わしにもくれ

GM :宣言揃ったようだし、やってくぜ

合馬桜華 :はーい! 投げます!

GM :ではまずミウ・シウの奥義から。

時雨 :セイ君からも†暁†さんに投げてもらった方がいいかもね……エルナちゃんの方

時雨 :振ります

明日葉 セイ :あ、りょ!

紅海月 :あざ!

紅海月 :2D6>=8 (判定:記憶術) (2D6>=8) > 7[2,5] > 7 > 失敗

紅海月 :おしい

明日葉 セイ :2D6>=9 (判定:九ノ一の術) (2D6>=9) > 5[1,4] > 5 > 失敗

合馬桜華 :2d6>=5 言霊術 ミウの方 (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功

明日葉 セイ :おお!

時雨 :2d6>=9 (2D6>=9) > 6[2,4] > 6 > 失敗

紅海月 :さす桜

ミウ・シウ :言霊術を捨てろ!!

時雨 :合馬さんナイス

合馬桜華 :せーふ

GM :というわで奥義不発。

ミウ・シウ :ぴちぴち

紅海月 :かわいてゆけ

明日葉 セイ :かわいいね

GM :お次はエルナ奥義!

紅海月 :2D6+2>=7 (判定:記憶術) (2D6+2>=7) > 8[4,4]+2 > 10 > 成功

合馬桜華 :2d6+1>=8 (判定:見敵術) (2D6+1>=8) > 6[1,5]+1 > 7 > 失敗

紅海月 :うしうし

明日葉 セイ :2D6>=9 (判定:九ノ一の術) (2D6>=9) > 10[4,6] > 10 > 成功

明日葉 セイ :おっ

時雨 :ナイス!

真白ももあ :ナイス!

合馬桜華 :ナイス二人とも!

日ノ原 エルナ :そんな……!!!!!

GM :では続いてプロット4

GM :宣言をセイくんからどうぞ

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はエルナちゃんとミウちゃん。

時雨 :【災雷】 エルナちゃん

ミウ・シウ :誰か破らないの??

紅海月 :

時雨 :通します!

合馬桜華 :破らない宣言!

ミウ・シウ :だってだって、一番になるチャンスはまだあるかもなんだよ??

紅海月 :そうね……

紅海月 :まだやぶらんとこ。

時雨 :確かにね……

時雨 :見切り判定失敗してます

明日葉 セイ :ゆさぶられないで

GM :では素通り、3ポイントです。

GM :2だ

明日葉 セイ :しゃ!

サブGM :あ、この場合

GM :一応スペシャルがあるっちゃあるか

GM :振るだけ振ってみようね、じゃあ

明日葉 セイ :こわ

サブGM :基礎(体力0のキャラへの攻撃)1に複数攻撃ボーナス+1で2?

GM :そうそう、合計2

ミウ・シウ :一応の

サブGM :了解です了解です

真白ももあ :二人とも死体だからね

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 5[1,4] > 5

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 9 → 11

ミウ・シウ :これスペシャルってことにならない?ミウったらスペシャルかわいいし

真白ももあ :ん~ちょっとなんないかな~~

日ノ原 エルナ :私もスペシャル狙いで見切りします!!!!!

時雨 :だとて逆凪でしょ

紅海月 :ごめんね

ミウ・シウ :奥義情報すら得られず……

日ノ原 エルナ :sg#6 (SG@12#6) > 8[3,5] > 8

日ノ原 エルナ :ダメ!!!!!!

サブGM :あっというか

サブGM :特に意味はないけどミウちゃん凪では

GM :そうだぞ

合馬桜華 :かわいいねミウちゃん

紅海月 :ポイントもらい放題!

GM :では続いて時雨さん。

時雨 :あい

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

時雨 :成功 悪天候なので回避にマイナス2 当たれば接近射撃1ずつ

日ノ原 エルナ :スペシャル狙いで……回避します……!!!!!

時雨 :《召喚術》です

日ノ原 エルナ :sg#6 (SG@12#6) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

紅海月 :!!!!!!!!!!!

日ノ原 エルナ :!?!?!?!?!?

時雨 :かわいいね

時雨 :命中したので戦場が「悪天候」に変更されます。奥義を使用

サブGM :2点ダメージだけど0なのでポイントは1!

system :[ ポイントカウンター ] 時雨 : 2 → 3

時雨 :奥義破りするなら……逆凪か……?

時雨 :まだタイミング的に同時か

紅海月 :憑依術遠いんじゃよね~

時雨 :†暁†さん!?味方だと思ってたのに!

サブGM :あったしかに、一応同時ですね

ミウ・シウ :やぶるやぶるやぶる

合馬桜華 :破りません

明日葉 セイ :破りません

紅海月 :まあやめとこ。

日ノ原 エルナ :破ります!!!!!!

日ノ原 エルナ :sg (SG@12#2) > 8[3,5] > 8

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7

日ノ原 エルナ :!!!!!!!

ミウ・シウ :ピチピチ

時雨 :ッシャア

時雨 :使用する忍法は【掛矢】。こいつのコストは3。そして【災雷】のコストは3……2足りない!

紅海月 :あかんで時雨はん!

時雨 :そんな時にはこいつだ! 【道具箱】の効果で取得した特殊忍具「呪紋」!

真白ももあ :好き放題やっとるやないの!

紅海月 :なにっ

合馬桜華 :道具箱ってそんなものも

時雨 :こいつは所持している数だけ、自分が戦闘中使用できるコストを追加してくれる! ただし妖術が消えると効果を失う

明日葉 セイ :やばー

時雨 :詳しくは改訂版p139をチェックだ!

紅海月 :バイナウ!

時雨 :呪紋二つでコスト+2! 足りちまうぜ!

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

時雨 :成功!! 遁甲符美味い!

system :[ 時雨 ] 忍具 : 3 → 4

GM :それでは続いてプロット3。

GM :ポイント忘れてた

紅海月 :おっちょっとまつね。

GM :連撃ではないため、この場合1ですね

サブGM :あっ大丈夫、セイくん時雨さん両方追加したはず

GM :あ、おっけー助かる

GM :改めてプロット3

紅海月 :わしじゃな。

紅海月 :正直もう勝ちの目など無いに等しいが

紅海月 :あきらめないのがわしの忍道だってばよ

紅海月 :土竜吼をミウシウに。

ミウ・シウ :諦めろよ☆

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功

紅海月 :コワ~

紅海月 :接近1点じゃね。攻撃成功したのでプロット6に移動するぞ。

ミウ・シウ :来い!!!

GM :というけで、ポイント1。

system :[ ポイントカウンター ] ミウ・シウ : 6 → 6

紅海月 :ぴちぴち。

system :[ ポイントカウンター ] 紅海月 : 1 → 2

GM :続いてプロット1。

合馬桜華 :【神槍】を、許可ももらった事だしセイくんに!

明日葉 セイ :出しました

合馬桜華 :何もなければ判定いきます

明日葉 セイ :こちらはOK

GM :どうぞ。

合馬桜華 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

GM :回避は行いますか?

明日葉 セイ :あ、放棄ってできるんですか

GM :できます。

明日葉 セイ :では放棄します

GM :では通りました。

明日葉 セイ :謀術が潰れました。生命点0です

明日葉 セイ :ゾンビだぞー

合馬桜華 :では射撃2点に後の先乗せて射撃3点

system :[ 明日葉セイ ] 謀術 : 1 → 0

GM :ではボーナスが発生し、計2ポイント。

system :[ ポイントカウンター ] 合馬 桜華 : 6 → 8

3ラウンド目
明日葉セイ:12点
合馬桜華9点
ミウ・シウ:6点
日ノ原エルナ:4点
時雨:3点
紅海月:2点

GM :それではラウンド4!

GM :ではいきます、3

GM :

GM :

GM :


system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

○戦場:悪天候

<プロット5>

(エルナ)

<プロット4>

(セイ、時雨、桜華)

<プロット3>

(ミウ、紅)

GM :ではまずはプロット5。

GM :日ノ原さん、何リティカルヒットをするか宣言してください。

日ノ原 エルナ :クリティカルヒットを……!

日ノ原 エルナ :桜華ちゃんに!!!!!!

GM :では破り宣言を。

紅海月 :破る。

合馬桜華 :3ラウンド越しくらいに飛んできたなー! 破ります

時雨 :見切れてないです

明日葉 セイ :破ります

ミウ・シウ :やんない

合馬桜華 :店長に感情修正

紅海月 :桜華にもあげる。

サブGM :あ、意気です

明日葉 セイ :スペシャルでろー

GM :では、どうぞ

紅海月 :2D6+2>=7 (判定:記憶術) (2D6+2>=7) > 12[6,6]+2 > 14 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

紅海月 :ワハハ

合馬桜華 :2d6+1>=8 (判定:見敵術) (2D6+1>=8) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8

時雨 :ヒュー

合馬桜華 :おおスペシャル

GM :こ、こいつ

合馬桜華 :ってそっちか!

真白ももあ :ナイス!

サブGM :スペシャル!?

明日葉 セイ :すごいー

GM :スペシャルボーナスで+1です。

紅海月 :攻撃で出したかったが文句はいわぬ。

紅海月 :やったぜ。

時雨 :スペシャルと回復ボーナスで2点か? やりよるな

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 0 → 1

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 1 → 1

サブGM :これって回復分乗ります?

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 1 → 1

GM :乗ります。

サブGM :了解了解

system :[ ポイントカウンター ] 紅海月 : 2 → 4

紅海月 :見えてきたんじゃねえか? わしにもよ

GM :というわけで無力化、次のプロット4へ

GM :4>2>1の順で宣言になります。

GM :ではまず桜華さん。

合馬桜華 :【接近戦攻撃】セイくんとお喋りします

明日葉 セイ :きなさい

合馬桜華 :言霊術

合馬桜華 :何もなければ判定したいですが大丈夫でしょうか!

明日葉 セイ :あ、みんなの宣言の後かな

合馬桜華 :そうだった!

合馬桜華 :皆さんどうぞどうぞ

GM :いえすいえす

時雨 :つぎセイ君の宣言よ

明日葉 セイ :ということで次かな

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はミウちゃんエルナちゃん自分!

時雨 :【災雷】 う~ん……†暁†さん狙っちゃおうか

紅海月 :なんでじゃあ…

時雨 :せっかくだし稼ぎたくて

GM :ではやっていきましょう。

紅海月 :頑健残ってるなら桜華でいいじゃん!

GM :桜華さんから判定をどうぞ。

合馬桜華 :はーい

合馬桜華 :2d6>=5 言霊術 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

GM :なんか皆走るねえ

明日葉 セイ :回避は放棄します。

GM :ではポイント1

GM :続いてセイくん。

ミウ・シウ :ぶるぶる

明日葉 セイ :奥義です! 破る人はどうぞ

紅海月 :やぶらぬ。

ミウ・シウ :ぶる…ヤ…ぶる…やぶる!!

時雨 :破れないけど見切り判定するね~

合馬桜華 :破らぬ

ミウ・シウ :貫通しろ!見切り!!

時雨 :修正ください ももあさん

日ノ原 エルナ :スペシャルで見切りします!!!!!

日ノ原 エルナ :sg#5 (SG@12#5) > 5[2,3] > 5 > ファンブル

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5

日ノ原 エルナ :!?!?!?!?!?!?

明日葉 セイ :おつ

時雨 :あら

時雨 :修正は無さそうだな 自力で振ります

時雨 :2d6>=9 (2D6>=9) > 10[5,5] > 10 > 成功

明日葉 セイ :うわあ

時雨 :まっこんなもんだね

紅海月 :さすがよのう

時雨 :ももあさんに感情共有で奥義情報行きますよ~

合馬桜華 :やったぁ

GM :では攻撃自体は通ります。

真白ももあ :しぐありがと~~~~~~♡

GM :計3P。

明日葉 セイ :痛いけどがんばった

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 11 → 14

紅海月 :セイちゃんの奥義が!

GM :続いて時雨さんの攻撃。

時雨 :はい!

サブGM :あっついでにセイくんと桜華ちゃんの頑健分忘れてたので今入れます

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 14 → 15

system :[ ポイントカウンター ] 合馬 桜華 : 8 → 9

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

時雨 :終わった……

紅海月 :オヤオヤ~

GM :酒場に帰りな!次プロット3!

時雨 :逆凪マントマン

紅海月 :わしだよね。

サブGM :凪仲間

GM :いえす

system :[ ポイントカウンター ] 合馬 桜華 : 9 → 10

ミウ・シウ :手番に先んじて

ミウ・シウ :奥義だよっ!

紅海月 :なにっ

ミウ・シウ :恒例の、言霊術!

GM :破る方は宣言をどうぞ。

紅海月 :やってやろうじゃねえかこの野郎!

明日葉 セイ :スペシャル狙いで破ります

合馬桜華 :破ります

紅海月 :セイちゃん感情くださるか?

時雨 :凪時雨

明日葉 セイ :あげる! +1!

紅海月 :やったぜ。

GM :ではお三方判定をどうぞ。

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 7[2,5] > 7

紅海月 :2D6+1>=8 (判定:記憶術) (2D6+1>=8) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功

合馬桜華 :2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

紅海月 :あぶね~!

真白ももあ :ナイス†暁†!

合馬桜華 :店長助かったー!

ミウ・シウ :折角言霊術持ちが失敗してるのにぃ~~~~!!!!

GM :ではプロット3の宣言に戻ります。

紅海月 :はあい。

紅海月 :接近戦攻撃。対象は……時雨!貴様じゃあ!

時雨 :なんか怒られるようなことしたかな

GM :やんややんや

合馬桜華 :攻撃でもしたんじゃないですかね

紅海月 :とくには……

時雨 :じゃあしょうがないな

ミウ・シウ :流星雨だぞ☆スペシャル出せばいいんでしょお!

紅海月 :そうだぞ。

GM :それでは†暁†さんの判定をどうぞ。

紅海月 :スぺスペスペ

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

時雨 :失敗しろ!

時雨 :うぎゃ~~!

紅海月 :チッ…接近1ダメ

GM :アラソエ…アラソエ…

時雨 :1d6 (1D6) > 2

system :[ ポイントカウンター ] 紅海月 : 4 → 5

時雨 :体術消えてるから戦術消すね

ミウ・シウ :いっくぞ~~☆

紅海月 :接近ダメみんな低調だよね…以上!

system :[ 時雨 ] 戦術 : 1 → 0

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 12[6,6] > 12

明日葉 セイ :!?

サブGM :!?

紅海月 :????????????

真白ももあ :!?

ミウ・シウ :あは☆

時雨 :マジで出すやついるwww?

合馬桜華 :あ、これは不味い

紅海月 :時雨さん……

ミウ・シウ :やっぱりミウが、いっちば~~~ん☆

紅海月 :あの

紅海月 :

時雨 :遁甲符を使ってもいいよ

合馬桜華 :時雨さん、無慈悲します?

紅海月 :と、とん……

ミウ・シウ :やめろ!やめろぉ!

時雨 :合馬さんからみかえりが欲しい

ミウ・シウ :可愛いミウになんてことを!

ミウ・シウ :見返りなんて別にいいんだよ!

ミウ・シウ :たぶんやるし、この人見返りなくても……

紅海月 :それはそうね……

ミウ・シウ :うぐるるる、引っ込めるならそれはそれでぇ~~~☆

ミウ・シウ :オラオラ、どするんだぁ~~

時雨 :ごめんねちょっと待ってください

時雨 :纏まりました! 遁甲符使用します!

system :[ 時雨 ] 忍具 : 4 → 3

時雨 :振りなおしてねミウちゃん!

ミウ・シウ :???

ミウ・シウ :もっかい出せばいいだけよね

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3

時雨 :そうだね

ミウ・シウ :ふふ、でたぁ

ミウ・シウ :ミウのすぺしゃる~~~

紅海月 :かわいいね

明日葉 セイ :えらいね

GM :では、これにてラウンド4の終了。

4ラウンド目
明日葉セイ:15点
合馬桜華10点
ミウ・シウ:6点
紅海月:5点
日ノ原エルナ:4点
時雨:3点

GM :運命のラウンド5へ!

GM :揃ったな、いくぜ!3

GM :

GM :

GM :


system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(紅、桜華)

<プロット4>

(セイ、時雨、エルナ)

<プロット3>

(ミウ)

GM :では、これが最後の回になります。

真白ももあ :終わりが来るとは……

紅海月 :どうなるかの~~~

GM :やっていきましょう、プロット6!

GM :4>5です。桜華さんから宣言を。

合馬桜華 :【神槍】、対象はセイくんで

紅海月 :土竜吼。対象はこちらもセイ。

明日葉 セイ :きみら……

紅海月 :移動したいねん!

GM :いっぱい掘りな…

真白ももあ :お前の死体を蹴ってなぁ!

GM :では順に判定を行いましょう。

GM :桜華さんどうぞ

合馬桜華 :2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

GM :成功、回避は

明日葉 セイ :んー、ちょっとスペシャル狙ってみます

真白ももあ :おお!

真白ももあ :輝け!

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 8[4,4] > 8

GM :まだ上を目指すセイ。

明日葉 セイ :だめ

GM :はい、ではお次。

紅海月 :がんばった

紅海月 :うーす

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

紅海月 :う~~~~~~~~~ん

GM :店番してろ!次!

紅海月 :いや。おとなしくおわっとこ。

GM :プロット4、2>1で、セイくんから。

明日葉 セイ :はい!

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象は自分とミウちゃんエルナちゃん

明日葉 セイ :見切り判定もあり

GM :続いて時雨さん。

時雨 :えーと、†暁†さんに【災雷】します!

紅海月 :ギャース!

合馬桜華 :なんかあったの二人……

時雨 :とくには……

GM :続いて日ノクリティカ原。

合馬桜華 :なんか混ざってる

日ノ原 エルナ :はい!!!!!!

合馬桜華 :しかも応えてる

日ノ原 エルナ :時雨さんにクリティカルヒットします!!!!!

日ノ原 エルナ :意気!!!!!!!!

時雨 :こっちかー!

GM :では処理していきます。

紅海月 :ナギナギの実の全身ナギ人間です

GM :セイくんから。

ミウ・シウ :すぺしゃる、だすね

日ノ原 エルナ :見切ります!!!!!

時雨 :私もスペシャル狙っちゃおう

日ノ原 エルナ :sg#4 (SG@12#4) > 5[2,3] > 5

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8

日ノ原 エルナ :………!!!!!!!!!!!

明日葉 セイ :

ミウ・シウ :おしいな~~

時雨 :2d6>=10 (2D6>=10) > 8[2,6] > 8 > 失敗

時雨 :だめ~

GM :それでは通ります、3P

明日葉 セイ :いやっふー

明日葉 セイ :自分も痛いけどきにしない

system :[ ポイントカウンター ] 明日葉 セイ : 15 → 18

GM :続いて時雨さん。

system :[ ポイントカウンター ] 合馬 桜華 : 10 → 11

時雨 :はい!!!!!!!!!!

日ノ原 エルナ :!?!?!?!?!?

明日葉 セイ :こっちも声がでかい

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗

時雨 :だっダメすぎ!

時雨 :さかなぎだ~

合馬桜華 :さっきからPCへの攻撃だけが虚空へと

合馬桜華 :セイくん以外

紅海月 :こっちへ来な……ボンズ

明日葉 セイ :自分だけ殴られてる

GM :酔客に尻でも揉まれてるんだな!続いてティカ原!

ミウ・シウ :やぶるよ

合馬桜華 :破ります

明日葉 セイ :破っておきましょうか

時雨 :なにもしない

ミウ・シウ :じゃあいくね

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 7[2,5] > 7

紅海月 :がんばれ~

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7

ミウ・シウ :へぇ~~

合馬桜華 :2d6>=8 (判定:見敵術) (2D6>=8) > 5[1,4] > 5 > 失敗

GM :どんどん逆凪増えるよ

GM :これミウちゃんチャンスでは?

日ノ原 エルナ :通った!!!!!!

GM :通ったねー

日ノ原 エルナ :4点です!!!!!!!

時雨 :4点で、死ぬ!

日ノ原 エルナ :+1です!!!!!!!

system :[ ポイントカウンター ] 日ノ原 エルナ : 4 → 9

GM :時雨さんの残分野が3っぽいし、合計4かな

日ノ原 エルナ :あっ本当だ!!!!!!

system :[ ポイントカウンター ] 日ノ原 エルナ : 9 → 8

時雨 :そうだ!!!!!!!!!!!

明日葉 セイ :声!!!

真白ももあ :うおっ(声)でっか

ミウ・シウ :奥義を使うよぉ

ミウ・シウ :言霊術だよぉ

紅海月 :みせて♡

ミウ・シウ :ミウはあきらめないよぉ

日ノ原 エルナ :破ります!!!!!

明日葉 セイ :破ります

時雨 :寝時雨

日ノ原 エルナ :sg#4 (SG@12#4) > 3[1,2] > 3 > ファンブル

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 5[1,4] > 5

日ノ原 エルナ :!?!?!??!?!?

明日葉 セイ :だめ

紅海月 :!!!!!!!!!!!

ミウ・シウ :見てて、ファンのみんな!

ミウ・シウ :1d6-5 (1D6-5) > 4[4]-5 > -1

ミウ・シウ :

真白ももあ :かなしいね

ミウ・シウ :何もなかったよ☆

紅海月 :しおしお……

ミウ・シウ :流星雨だよ☆

時雨 :もうお前は生まれない

ミウ・シウ :2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8

ミウ・シウ :惜しかったよ☆

GM :これにて!決!着!


GM :累計ポイントは~~~、じいやーーー!じいやーーーーー!!

サブGM :じいやです

累計獲得ポイント
明日葉セイ:18点
合馬桜華11点
日ノ原エルナ:8点
ミウ・シウ:6点
紅海月:5点
時雨:3点

GM :勝者!明日葉セイ:18点&合馬桜華:11点

明日葉 セイ :うおー

GM :ポイントの多いセイくんから戦果を選んでください。

明日葉 セイ :ちなみに、プライズを持ってる人はいます?

合馬桜華 :これってNPC選んで出場権+秘密 って形でゲットしないと出場権は手に入らないって感じで大丈夫でしょうか?

紅海月 :あるよー

紅海月 :レミからもらったやつ

真白ももあ :PCを対象に戦果を選んだら出場権はとれないのでは?ってことですよね?

明日葉 セイ :やはりプライズか……まあ、こっちはまず出場権が欲しいですが……

GM :プライズは、まずは対象を選んで

GM :持ってるのなら、奪いますという形で宣言を行ってもらいます。

明日葉 セイ :あ、なるほど。そういう順

GM :基本的には、わからない。

真白ももあ :たしかにひっそり持ってるのがバレちゃうもんね

GM :持っていることが秘密に書いてあったりするからね。

明日葉 セイ :なるほど

紅海月 :あっやべ ごめん

GM :出場権は、以前述べたように、クライマックス開始時に生命点1を支払うことでも手に入ります。

合馬桜華 :つまりあえてここでPC選んで、1点払ってもいいと

GM :それも可能です。

合馬桜華 :まあウチは決まってるんですが、順番らしいのでセイくんからどうぞ!

明日葉 セイ :では、ミウちゃんの出場権と秘密かな

合馬桜華 :では、エルナちゃんの出場権!!!!!!!!!と秘密!!!!!!!!を

明日葉 セイ :声!!!

GM :お待ちを、渡します。

紅海月 :ぐへへ。どっちもわしにもわたるぜ。感情おいしいのう。

真白ももあ :感情共有♡感情共有♡私はミウちゃんのぶんがきます

時雨 :あっなにもこねえ~~

明日葉 セイ :受け取りました!

GM :それでは、演出の方をやっていきましょう。

GM :どばっと来るなぁ!


GM :===

GM :ステージは、混戦を極めていた。

GM :まず、先陣を切ったのは紫の衣装!

時雨 :ざわっとノイズを纏う、長身の男性の姿が

時雨 ://ざあざあ//という音と共に少女に変貌する。

時雨 :「それっ」変身による視線の集中、かわいくターン。キッズアイドルの前に出る。

ミウ・シウ :「むっ」

明日葉 セイ :その横から、タン、と軽いステップと共に。

明日葉 セイ :宙を切ってバク転。そこから軽やかに降り立つ。スカートが揺れる。

明日葉 セイ :(……かわいい、はきっと。後からついてくる)

明日葉 セイ :(今やれることを。おれらしく!)

明日葉 セイ :くるりとこちらも合わせるようにターン。決めの笑顔!

明日葉 セイ :金の髪が光にきらめいた。

紅海月 :バックミュージックに合わせ、背部から取り出したるは二本のスティックライト。

紅海月 :ゆらり、ゆらり、と幻影のように揺らめいて。

紅海月 :赤、橙、黃、緑、青、藍 、紫と。

紅海月 :舞台すべてを照らす虹のように。宙へ轍を描く。

紅海月 :両手に握ったそれを西部劇のガンマンさながらにクルクルと回し、納刀。

紅海月 :「ああ」

紅海月 :「楽しい、なぁ。のう」

合馬桜華 :親友を見つけた子供のように、楽しそうに微笑みを返し

合馬桜華 :(ああ、やっぱ何でも……強いヤツに出会うって、最高!)

合馬桜華 :盲亀の浮木たるひと時の出会いに、感謝を込めて

合馬桜華 :動画リンク

合馬桜華 :クルリと一回転、スカートの恥を摘みカーテシー

合馬桜華 :服の影から落ちてきた大苦無を、ステップで弾き

合馬桜華 :飛び交う影に、スポットライトの光が切り裂かれ

合馬桜華 :光の線が桜華の周囲に明暗のコントラストを刻む。

合馬桜華 :そのただ中で、大きく息を吸って

合馬桜華 :「____♪」歌う。

合馬桜華 :只人離れしたものがありつつ、しかしどこか懐かしさも入り混じった旋律が

合馬桜華 :音符を纏った少女……エルナの声と交互に重なり、互い違いに競い合う。

ミウ・シウ :挨拶代わりとばかりにミウ・シウへと矢継ぎ早にパフォーマンスが叩き込まれる。

ミウ・シウ :ウインクが身体を打ち据え、ダンスが刃となってプライドに斬り掛かる。

ミウ・シウ :開幕早々に、満身創痍。

ミウ・シウ :「…うぅ」

ミウ・シウ :「こ、この子たち……強い」

ミウ・シウ :「でも、でもでも」

ミウ・シウ :「一番可愛いのは!この、ミウ!」

ミウ・シウ :「いくよ!」

ミウ・シウ :奥義!♪終わりのミウ・シウ海賊団♪

ミウ・シウ :「みんなーーー!!聴いてね、ミウ!歌うよ!!」

ミウ・シウ :口を、開く。
漏れ出るのは彼女の十八番。

ミウ・シウ :♪――よせてはかえす、くりかえす

ミウ・シウ :♪――退屈な日々にわたし揺蕩う
♪――でもでも、それもきっと今日までよ
♪――あなたとわたし、ここで出会ったの

ミウ・シウ :夜光虫のリボンを纏って、波が溢れて来る。

ミウ・シウ :ステージに虹色サンゴの玉座がせり上がる。
青く透けた藻が、神秘的なヴェールとなって漂い。
魚群がキラキラとミラーボールじみた光を振りまく。

ミウ・シウ :♪――おしえてあげるね海の底
♪――秘密の難破の海賊船、私だけの宝箱
♪――錆びたカトラス刃が立たない
♪――鍵穴フジツボビッシリで

ミウ・シウ :♪――だったら?(だったら!)

ミウ・シウ :♪――地上のあなたが用意して
♪――バズーカ、爆弾、ミサイル砲
♪――難破船ごとぶっ飛ばし、
♪――金銀財宝ばらまいて
♪――鯛も平目も逃げ惑う

ミウ・シウ :♪――粉々サンゴが輝き浮かぶ。もみくちゃ海月が光って照らす。
♪――ちゃぷちゃぷ踊って、今夜はパーティー!

ミウ・シウ :♪――余った爆弾どうしよう?(どうしよう)

ミウ・シウ :♪――招待客を増やそうか
♪――海底火山にぶち込んで
♪――地上をさらおう
♪――みんなをさらおう
♪――誰も彼もが逃げ惑う

ミウ・シウ :♪――ガシャガシャガラスがきらめき浮かぶ。ひしゃげたタワーが燃え盛る。
♪――ざぶざぶ歌って、今夜はパーティー!

ミウ・シウ :歌が満ちてくる。
ファンの声援がその身を包む。

ミウ・シウ :その声が背中を押す!古いに身体を脱ぎ捨てて、生命力に溢れたそれが飛び出てくる!

ミウ・シウ :「新生☆ミウ・シウ」

ミウ・シウ :「じゃじゃーん!」

ミウ・シウ :いつだって、ピンチはチャンス、傷ついた己をちからに変えよう!

ミウ・シウ :「こっからが、ミウのターンだよ!!☆(←ヒトデ)」

ミウ・シウ :そうして、この場のセンターへと立ち塞がった。

時雨 :『黒く凪ぐ──海を越え』

時雨 :併せて言葉を紡ぐ。ターンは渡さない。

時雨 :『舞い降りた、異なる街』
『食べ切れない、襲い来る未知』

時雨 :『コインの裏表、生死を分けたって』
『地に落ちるまで、待ち呆けていられない!』

時雨 :どう、と波のようにブロックノイズが包む。ステージ上は、異街の様々な映像記録を映すスクリーンとなる。

時雨 :光が集まる。日ノ原エルナを飛び越え、声を上げる。

時雨 :(見えている、でしょうか。)

時雨 :(誰かの中に残るでしょうか、私のこの、歌声は)

時雨 :『──オンステージ:21グラム! 最期まで、貴方を離さない!』

時雨 :精一杯叫ぶ。初めて声を張ったくらいに。

時雨 :高まるエネルギーを感じて、ぐっと手を握った。

ミウ・シウ :「ふぅん、素人のくせになかなかやるじゃん」

ミウ・シウ :「でもでも、ミウの歌はもう、こんなに高まってるよ!」

ミウ・シウ :「♪――バズーカ、爆弾、ミサイル砲」

ミウ・シウ :「ししし」

ミウ・シウ :瞬間、天幕を割って降り注ぐ。

ミウ・シウ :バズーカ、爆弾、ミサイル砲!

ミウ・シウ :自らも炎に巻かれながら、笑い歌う。

ミウ・シウ :「アハハ、アハハハ☆」

ミウ・シウ :捨て身の、無差別パフォーマンス!

紅海月 :「おおわっ!」肌を掠める弾に思わず手落とす自らの得物。

紅海月 :「くぅ~~~~。普段の儂だったらのう。飛び跳ねるくらい嬉しいもんじゃが!」

日ノ原 エルナ :煌めくような軟体性の女の子──リベンジの相手。

日ノ原 エルナ :ブロックノイズを纏った少女。かわいらしい長身の少年。燃えるような赤髪の少女。黒いスーツに身を固めた男──乱入者たち。

日ノ原 エルナ :その波濤のような歌に、目を奪う跳躍に、きらきらと輝くターンに、真っ直ぐなダンスに、ゆらめくような光に。

日ノ原 エルナ :術式を通してそれらが伝える衝撃に身体を打たれながら──しかしはっきりと笑う。

日ノ原 エルナ :「ああ──」

日ノ原 エルナ :みんな、全力で輝いている。

日ノ原 エルナ :『──響き合う歌が』

日ノ原 エルナ :『胸の奥 灯りを灯す』

日ノ原 エルナ :『命の鼓動の消えないリズムが──』

日ノ原 エルナ :『煌めき合って燃え上がる!!』

日ノ原 エルナ :『燃えろ、燃えろ、誰より熱く!!』

日ノ原 エルナ :『高く、高く、星より高く!!!』

日ノ原 エルナ :『羽撃たけ、翼よ、虹を越え!!』

日ノ原 エルナ :『命の! ビートを! 轟かせぇ────っっっ!!!!!!』

日ノ原 エルナ :歌に斬られ、打たれ、焼かれた身体が──

日ノ原 エルナ :軋みを上げても、心は躍る。

日ノ原 エルナ :黄金の翼を広げ、輝く風でなぎ払う!

明日葉 セイ :「…………っ」風に巻かれ、それでもどうにかステップは崩さず。

明日葉 セイ :冷や汗も、客席には絶対に見せず。

明日葉 セイ :ただ、笑顔。それだけ。それだけを必死で守る。

明日葉 セイ :「……ああ、でも。そう」マイクには聞こえない音量で。

明日葉 セイ :「風で、雲が、晴れた」

明日葉 セイ :瞬間。

明日葉 セイ :スポットライトは落ち、舞台が夜空のような深い青に染まる。ジャックでもされたように。

明日葉 セイ :そうして、ステージ上でじっと、祈るように手を組む。

明日葉 セイ :代わりに、背後のスクリーンに大きくその姿が映る。

明日葉 セイ :動画リンク

明日葉 セイ :静謐なメロディ。光の雨が降る。星屑が舞う。逆光の中、そこに手を伸ばす。

明日葉 セイ :やがて目映いスポットライトが可憐な衣装を、光の糸のような金の髪を照らし出す。

明日葉 セイ :ないはずの星に、白い手袋に包まれた手が届く。

明日葉 セイ :(曲。歌詞。衣装。メイク。ステージ。振り付けダンスの練習も全部、人に手伝ってもらったものだ)

明日葉 セイ :(おれの『かわいい』は、きっと、ひとりだけじゃ届けられない。でも、今なら)

明日葉 セイ :音楽に紛れ、小さな唸りを上げて、虫のようなドローンが飛ぶ。これも借り物だ。

明日葉 セイ :小型演出制御用ドローン『映々(はえばえ)』。

明日葉 セイ :(『ん、このぬいぐるみは保留中のやつ。売りもんじゃないよ。ほんとは分解して中が見たいんだよな……』)

明日葉 セイ :(『で、俺? さては設営に絡んだ奴に片っ端から声かけてるだろ。営業っていうのかな、こういうの』)

明日葉 セイ :(『まあ、いいよ。舞台に立つの、結構気持ちいいもんってのは、わかってるつもりだし』)

明日葉 セイ :(『そんで俺は、そういう奴に照明を当てるのにかけては……』)

明日葉 セイ :(『大の得意だ』)

明日葉 セイ :狂楽区の片隅にある小さな店、そこの店主の得意な技は、ハッキングとエンジニアリング。力を借りた。

明日葉 セイ :(……何より、今! おれを見てくれている人たちが、ここに居る)

明日葉 セイ :(『一人じゃないよ』それは、もう知ってるんだ)

明日葉 セイ :(だからおれは、あとは精一杯。最高のパフォーマンスをすればいい)

明日葉 セイ :(最高のアイドルを目指して!)

明日葉 セイ :ドローンが生み出す星屑は煌めきながら、舞台の力でさらにざわめき、さざ波のように辺りに広がる。

明日葉 セイ :「いきます、『星月夜きらり(ブライトライト・スターリーナイト)』」くるりとターン。スカートのような裾が遅れて、ひらりとひらめく。

明日葉 セイ :「みんな、聴いてねっ!」誰もが『自分を見た』と思うようなその青い視線を客席に向け。

明日葉 セイ :一転。

明日葉 セイ :愛らしさを凝縮して宝石にしたようなポップな音の粒が、星屑を怒濤のように周囲に跳ね上げた!

明日葉 セイ :その銀河に乗るように、長い脚で大きくジャンプ。ダイナミックに……そして、誰よりもキュートに。

明日葉 セイ :『紺のビロード 夜空に映る、光を君に』手を差し上げる。

明日葉 セイ :指の動きひとつひとつに、確かに信じる『かわいい』を込めて。

明日葉 セイ :『君に、あげる!』

明日葉 セイ :高く、高く、舞い上がる流星の豪雨。色は、淡く青白く。

明日葉 セイ :同じ舞台で夢を抱くひとりひとりの下に。自分自身の下に。

明日葉 セイ :弾けて、飛んで、落ちた。

GM :誰もが、それに目を奪われた。

灰色兎 :「(そうだ、今こそ)」

灰色兎 :「(異街はお前を知った。あの時注目を集めはしたが、その多くは好奇の目だ)」

灰色兎 :「(まだだ、まだこんなもんじゃねえ)」

灰色兎 :「(俺とお前で……天辺へ!)」

紅海月 :舞台を青き白光に輝かせ。余すところなく、会場すべての視線を奪いゆく少年。

紅海月 :「(なるほど。皆を照らす光)」

紅海月 :確かに、この心に響くものがある。

紅海月 :それ故か、余りの眩しさにか。己もまた、目を細め。

紅海月 :薄く笑って。明日葉セイの放つ輝きとは対象的な。暗く深い、青色のサイリウムを取り出してみせる。

紅海月 :かつてない想いが。胸の内から湧いてくるのがわかる。

紅海月 :アイドルの背を支えていた、かつての己では。決して抱く筈が無かったもの。

紅海月 :「負けられねえなぁ」

紅海月 :今は、いちファンではなく。ライバルとして。

紅海月 :枯れた紅い瞳の奥が、燃え揺らめいて。泳ぐように舞台の上を舞う。

紅海月 :振るう双つの暗青が宙を削ぐ。

紅海月 :黄金も、火炎も。光り輝く青の一切も。すべて、すべて。たらふく腹に収めるように光を喰らう。

紅海月 :「もみくちゃ海月が、光って照らす」

紅海月 :輝きは増していく。

紅海月 :くるりくるり、と独楽のように。アイドルの前に立ち塞がって。

紅海月 :「じゃぶじゃぶ騒いで───ェ!」

紅海月 :晴れ渡り、澄み切った海のように輝く光を放ちながら。

紅海月 :「ア、今夜もダーティー、じゃ!」

紅海月 :凶暴に笑い、吼えて。見栄を切る。

GM :削り掘る鮮烈な一撃。

ミウ・シウ :「んぎゅうッ、ど、どいつも!こいつも!」

合馬桜華 :絢爛豪華、眼前で繰り広げられる舞台は、戦場と遜色ない美しさと苛烈さの空間だった。

合馬桜華 :己が肉体の性質を生かすもの、己が精神を繰り出すもの、生き方を、個性を……個の出し尽くせる全てが引き出される場所で

合馬桜華 :小さく、しかしハッキリとした光が瞬き弾け、眼前に落ちてくる。

合馬桜華 :それは一人の少年だ、すらりとした体躯と長い脚、整った顔つきは美少年であり成年へとなりかける儚い美しさを宿している。

合馬桜華 :だが、彼を見た時に感じたものは、美しいでもかっこいいでもなく

合馬桜華 :「……かわいいな、キミ」

合馬桜華 :言葉は一つで十分だった、アイドルの舞台はそれだけで分かり合えると、サイリウムを振り続け、そして今も目の前で振っている男が示してくれた。

合馬桜華 :___一緒に踊ろう、と、少年に手を伸ばす。

明日葉 セイ :青い瞳がふとそちらを見て、そのまま、流れるように白手袋の手が差し出される。

明日葉 セイ :それで十分、とばかりに、印象よりも力強い手が少女の手を取り。

明日葉 セイ :『一撃』は受け入れられた。

GM :舞台の中心は赤と青。

GM :しかし、当然を良しとしないものがいる。

GM :そもそも、これは"わたしたち"のものなのだから。

ミウ・シウ :「よそ見、厳禁☆」

日ノ原 エルナ :輝くステージの上、溢れる光と響く歌声の中──

日ノ原 エルナ :燃えるような赤と夜空のような青の眩めきに。

日ノ原 エルナ :『──果て無き宙へ!!!』

日ノ原 エルナ :我慢できないとばかり、声を張り上げる。

日ノ原 エルナ :それはステージを奪われたという怒りではない。

日ノ原 エルナ :ステージの中心を奪い返そうという策でもない。

日ノ原 エルナ :ただ、もっと彼らの歌が聴きたくて──

日ノ原 エルナ :『消えない歌を、キミへと唄う!!!』

日ノ原 エルナ :もっと私の歌を、聴いてほしいから。

日ノ原 エルナ :『彼方の!! 星を!!! 掴むまで!!!!』

日ノ原 エルナ :何よ、それが楽しくて、仕方がないから!

GM :渾身の歌が矢となって赤に迫る、私はここにいるのだと。

紅海月 :「(やはり)」

紅海月 :この舞台に立てて、良かった。

紅海月 :寒くて、寒くて──────仕方なかったのだ。

紅海月 :或いはと、舞台へ上がった景色は。色とりどりに輝いていて。

紅海月 :「(なんと──────暖かなことか!)」

紅海月 :己の全てを込めて。歌を歌い上げる少女に。

紅海月 :こちらもまた、今の全力で。


:某日某時 竜骨島狂楽区 居酒屋・忍民


"ギャラクシー・艶GEL" :『一度だけ。見たことがある』

"ギャラクシー・艶GEL" :『"異街最強のアイドル・オタク"。その妙技ってやつを、ヨ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『そうさな。例えば……バラード・ソングみたいなテンポがスローな曲は』

"ギャラクシー・艶GEL" :『こう……掲げたサイリウムを。ゆっくりと左右に振るわけだ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『そうそう。……シロウトさんには中々分かって貰えねえけどヨ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『俺たちは。その一振り一振りに全身全霊、魂込めてやってるんだワ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『しかし』

"ギャラクシー・艶GEL" :『アイツは。あの男ぁ、俺たちがその一振りする間に───』

"ギャラクシー・艶GEL" :『三振り、四振り───いやもっと。想像も及ばないスピードで』

"ギャラクシー・艶GEL" :『それをやってやがったのサ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『オタクであると同時に、エージェント・ランク93位の俺でさえ。この目で正確に捉え切れないほどの疾さで』

"ギャラクシー・艶GEL" :『それでいて───。そのリズムには一拍の遅れも無い。見るものに違和感を抱かせない、絶妙の塩梅』

"ギャラクシー・艶GEL" :『それに気づいた時ぁ、度肝抜かれたけどヨ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『テメェの技術を見せびらかしたいだけの迷惑な忍びなんざ、場に相応しくはねえ、とも思った』

"ギャラクシー・艶GEL" :『でもヨ。顔見て、そんな考えはすぐに吹き飛んじまったさ』

"ギャラクシー・艶GEL" :『涙浮かべて、ガキみたいにはしゃぐあの顔、見ちまったらな』

"ギャラクシー・艶GEL" :『……ここだけの話にしといてくれよ?』

"ギャラクシー・艶GEL" :『だってヨ。こんな話、推しには聞かせられないわな』

"ギャラクシー・艶GEL" :『アイドルを支え、応援する。そんな固い決意を秘めていた筈のこの俺が』

"ギャラクシー・艶GEL" :『同類のオタクに目を奪われちまう、なんて───』



紅海月 :光薙ぐ。

紅海月 :握るサイリウム、両の手合わせ、計十つ。

紅海月 :赤・橙・黃・黄緑・緑・青・藍・紫と。

紅海月 :ライムグリーンと、ストロベリーピンクを添えて。

紅海月 :天幕越え、空を越え、宇宙の彼方へ届くまで。迸る閃流。

紅海月 :日ノ原エルナの歌声と共に踊る虹の彩光が。

紅海月 :舞台全てを染め上げる。

紅海月 :「小僧ども」

紅海月 :「今宵の主役は───」

紅海月 :「この儂じゃあ!」

GM :趨勢はきまりつつあった。

GM :ステージに注がれる、ファンの熱視線が勝者を決めつつある。

ミウ・シウ :「だけど」

ミウ・シウ :「そうは、いかないよ!」

ミウ・シウ :だって、ミウはプロだから。

ミウ・シウ :負けるわけにはいけない、ミウ・シウにとって音楽は、アイドルは、ライブはビジネスだ。

ミウ・シウ :誰よりもそれに真剣である自覚がある。

ミウ・シウ :だから、あの千十嵐リンネに一撃くれてやる必要がある。

ミウ・シウ :だいたい、あいつは何なのだ。握手券もつけない、チケットは格安で出す。どこに商売っ気を置いてきた。

ミウ・シウ :アイドルをいったい何だと思っているのだ。

ミウ・シウ :ここにいる連中もそうだ、どいつもこいつもキラキラと、憧れを満面にたたえた表情で。

ミウ・シウ :違う、ミウは憧れられる側だ。覚悟の足りない貴様らに見せてやる。

ミウ・シウ :「ピンチは、チャンス……」

ミウ・シウ :そう、この絶体絶命の状況こそが、ミウの望んだ――。

ミウ・シウ :「誰もが好きな、大逆転」

ミウ・シウ :「最高の、エンターテイメンツッ☆」

ミウ・シウ :そうして、己のうちに残った歌を、海を全て開放する。

ミウ・シウ :「トップは……ミウだッ!!」

ミウ・シウ :逆転の一撃、大瀑布さながらに。

GM :ステージを全て飲み込む、それを前に

時雨 :「謝らなくてはいけません」

時雨 ://ざあざあ//と、ノイズ混じりの声が。

時雨 :「訂正を一つ。私たちは……徒党など組んでいなかった」

時雨 :「貴方にとっては、海に流される木っ端のようなものだったのでしょうが」

時雨 :「それでもトップに立つつもりでした。全員、ほかの全員に勝つつもりでいた」

時雨 ://ざあざあ//という雨音は大きくなる。

時雨 :「貴方は、少しばかり上に立ちすぎた」

時雨 :違和感。

時雨 :荒れ狂う波の中で、はっきりと雨音だけが聞こえる?

時雨 :「私が謝るのは──今この時、はじめて」

時雨 :「彼女たちを、勝たせるために動くからです」

時雨 ://ざあざあ//という音が響く。ブロックノイズが立ち上がる。

時雨 :会場すべてを飲み込む海が、割れる。

時雨 :怪人としての奥義。舞台を構成する術と「契約」を分析し、一度限りに望む世界を投影して見せる。

時雨 :「嗚呼──よく見える」

時雨 :「でしょう?」

時雨 :その目線の先には、水しぶきと鮮やかな虹の光に彩られた、青と赤の二人。

ミウ・シウ :砕けた海に沈んでいく。

ミウ・シウ :水中から見上げるそらには、様々な光が揺らめいて、

ミウ・シウ :「(ああ、ちくしょう)」

ミウ・シウ :「(眩しいなぁ……)」


GM :===

観客 :「セイくぅ~~~~ん!!」

観客 :「か……可憐だ……! なんで今まで表に出てこなかったんだ……!?」

観客 :「あっ今私のこと見た」

ダンス講師 :「うちの生徒よ!!うちの生徒なの!!」隣にいた観客を抱きしめ振り回す

ダンススクールのマダム :「せ、センセ!その人青くなって泡吹いているわ!」

観客 :「あれってこの前乱入してきた娘……だよな!?」

観客 :「合馬……桜華……!? お、俺推すわ!!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「桜華ちゃんったらノリノリじゃん、本当に向いてるのかもね」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「オウカ~! 太可爱了~!」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「これでいいんでしょうか……?」首を傾げながらサイリウムを振る。

観客 :「ミウミウ~~~!!」

観客 :「それでも俺は……ミウ推しだから……!」

観客 :「エルナ~!!!!」

観客 :「ウオ~ッ何も聞こえないぞ~!!」

観客 :「よ、良すぎる……!! ただのおまいつオタクじゃなかったのかよ……!」

"極大門松" :「"あかつき。"氏……いや†暁†氏……!」

"ふわのん" :「まじで最高なサイリュームidol!」

"ピザ吐き隊" :「いやメチャクチャいいじゃん! オタクがよ……!」

"違法イカ@airハ-70" :「こんなんもう実質優勝やろ……!」

クユ :「むふん、時雨はざっとこんなもんよ」周囲から奪ったサイリウムでヤマアラシのようになって

白髪のガード忍 :「……なんだかんだ言ってサマになってんな、アイツ」

観客 :「あ、あの眼帯の娘……何者なんだ!?」

観客 :「"青の逆月亭"ってとこのバーテンがなんか似たような雰囲気だったような……いやでもあんな美少女……!?」

観客 :「行けばお給仕してもらえる……ってコト!?」

GM :万雷の喝采、大番狂わせ、まさかの結果。

GM :突如として割り込んだ下剋上、観客席は興奮の渦にあった。


GM :真白ももあはその中にいる。

GM :次にそこに立つのは、自分だと。

真白ももあ :「わーっ、すごかったね!」

花屋敷ミト :「ええ、なかなか」

花屋敷ミト :突如として、声を掛けられる。

真白ももあ :「え……?……!?」

花屋敷ミト :いつの間にか隣りにいた、その女性に。

花屋敷ミト :気づかなかった?そうではないだろう、ここまで人の目を惹く人物だ。

真白ももあ :「花屋敷ミト、…………さん…………?」

真白ももあ :そんなはずはない。のに。

花屋敷ミト :意志の強い瞳、濡れたカラス羽の髪。

花屋敷ミト :あるはずがない、あの時の姿で。

真白ももあ :ぼんやりと思い出す。伝説のアイドルが送り込まれていたと。

花屋敷ミト :「あら、こんな若い子が知ってるだなんて、私もまだまだ捨てたものじゃあないものね」

真白ももあ :「わ、私、CDも持ってて……」

真白ももあ :ただの突然芸能人に道端であったファンのような反応を思わずしてしまう。

花屋敷ミト :「ありがとう、私も貴方のCDを持っているわよ」

真白ももあ :「そ、そうなんですか!?」

真白ももあ :「あ、ありがとうございます……って」

花屋敷ミト :「ええ」

真白ももあ :「えっと……ええと……忍者、だから、えっと……」

花屋敷ミト :僅かに、微笑む。

真白ももあ :「その……ここにいるんですよね」

花屋敷ミト :「そうね……」

真白ももあ :オーラが違う。誰も近寄れないような、それでいて誰もが惹きつけられ心を奪われるような。

花屋敷ミト :「あなたは、さながら私の尻拭いってわけかしら」

GM :そう、聞かされていた。

真白ももあ :「……そうですね、伝説のアイドルを送り込んで……その次に私が、ってわけですから」

真白ももあ :「尻拭いってことは……敵、なんですね」

真白ももあ :美しくて、決して届かないと思うのに。それでも焦がれてしまう。目を離せない。近づきたいと思う。それが、

真白ももあ :伝説のアイドル。誰よりも、アイドルなのだろう。

GM :魃およびに先遣隊、全て殺され、残ったものは敵の手に堕ちた。

GM :すなわち、先遣隊の一員であったはずの彼女がこうして生存している。それは

真白ももあ :「……リンネさんの側についたってことですね」

花屋敷ミト :「そうね、彼女の提案は本当に魅力的だったから」

花屋敷ミト :「怖いでしょうね、こんなことに巻き込まれて」

花屋敷ミト :「でも、大丈夫」

花屋敷ミト :「安心していいの」

花屋敷ミト :「すべて、私がなんとかするわ」

花屋敷ミト :「だから、あなたはただ舞台を楽しめばいい」

花屋敷ミト :「義務感とか、使命感とか、そういうものは、持たなくていい」

花屋敷ミト :「それは、私のものだから」

真白ももあ :「…………ミト、さん」

花屋敷ミト :そう言って、あなたの目を見据える。

花屋敷ミト :元とは違う、赤い目だ。

花屋敷ミト :恐怖、不安、罪悪感

花屋敷ミト :それに混じって、何よりも強く、高揚で輝く瞳。

真白ももあ :宝石のようなその目は妖しく輝いて、吸い込まれそうというのはこういうものなのだと実感する。

真白ももあ :「…………優しいんですね」

真白ももあ :「本当は、私、すっごく怖いんです」

真白ももあ :「だってそうですよね。今まで全然知らなかった世界が存在して……そこで超常現象を駆使して、化け物のトップを倒さないと世界が大変になるなんて」

真白ももあ :「意味が分からなすぎるし……」

真白ももあ :「きっと……ミトさんと同じ気持ちだったんじゃないかなって思います」

花屋敷ミト :目で頷き、先を促す。

真白ももあ :「でも……だから」

真白ももあ :「そんな優しいミトさんが……」

真白ももあ :「きっとあなたもすごく怖くて不安なのに……」

真白ももあ :「全部背負うから、大丈夫だからって言ってくれてる」

真白ももあ :「だからあなたひとりに背負わせられないです」

花屋敷ミト :「フフ……可愛いのね」

花屋敷ミト :す、とその手が貴方の顔へ寄せられる。

真白ももあ :「見くびってるとかじゃないんです!裏切ったから信じられないとかじゃなくて……」

真白ももあ :「わ、わ」

花屋敷ミト :「違うの、私よくばりで」

花屋敷ミト :「それは、全部私のものだって、そう言いたいのよ」

花屋敷ミト :つ、つ、と触れるか、触れないかの距離で指先があなたの輪郭をなぞる。

真白ももあ :「…………っ!」

花屋敷ミト :「だから、欲しいのなら……」

花屋敷ミト :「奪えば良いと思うわ、」

花屋敷ミト :「アイドルらしくね」

真白ももあ :「…………そう、ですね」

真白ももあ :「私だってアイドル、ですから」

真白ももあ :「誰よりよくばりなんです。あなたのいなくなった今、世界で一番よくばりなのは私だ」

真白ももあ :「だから……あなたに独り占めさせません」

真白ももあ :「届かない光に誰より焦がれたのは私なんだから」

真白ももあ :「恐怖も不安も義務も使命も全部奪って……」

真白ももあ :「ただ、楽しいと思わせます」

花屋敷ミト :「言うじゃない、流石は真白ももあと言ったところかしら」

花屋敷ミト :「でも、私は、いなくなってなんかいないわ」

花屋敷ミト :「ここにいるの」

花屋敷ミト :「皆、すぐに思い出す」

真白ももあ :「そう、ですね」

花屋敷ミト :「そのために、ここにいるの」

花屋敷ミト :「ありがとう、会えて良かった」

真白ももあ :「……あなたの夢を奪うことになっても……」

真白ももあ :「私の心には、あなたはずっと咲き続けます」

真白ももあ :「でも、わたしたちはよくばりだから、あなたがそれで満足しないこともわかってる」

真白ももあ :「だから、戦いましょう。会えてよかったです」

花屋敷ミト :「ええ、ならば」

花屋敷ミト :「私の中で咲き誇って、真白ももあ」

真白ももあ :「はい。誰よりも強く」

真白ももあ :「ただ楽しいって気持ち以外、全部奪います」

真白ももあ :「ミトさんも、二度と忘れられなくしてください」

GM :彼女が微笑む。

GM :まばたきの、幕が降り、上がる、その一瞬で消え失せている。

GM :来た時と同じく。


GM :そして、もう一方。

GM :観客席から、ステージに目を向ける。

ホテルマン :「やあ、ミウちゃん負けちゃったねえ」

ホテルマン :「いやはや、強い、なるほどだ」

ホテルマン :「それでどうだい、"観て"て」

ホテルマン :「勝てそうかい?」

ホテルマン :隣の男へ、声をかける。

滑皮 ケイゴ :「う~~~む」

滑皮 ケイゴ :応えるように唸るのは、ピンクの短髪の小柄な男。

滑皮 ケイゴ :「ステージジャックからの乱入、そして出場権を掻っ攫うそのパフォーマンス」

滑皮 ケイゴ :「敵ながら──天晴れなサプライズだ」

滑皮 ケイゴ :腕を組み、得々と頷いてみせる。

ホテルマン :「うん、きみの望むものがステージにはある」

ホテルマン :「それが確りと理解できたわけだ」

滑皮 ケイゴ :「ああ。俺の目に狂いはなかった」

滑皮 ケイゴ :「そして、その俺を選んだあんたの目にも、な」

ホテルマン :「ハハハ、目利きには自信があってね」

ホテルマン :「なにしろおれは賭け事が大好きだ」

ホテルマン :「ミウちゃんもいい線いっていたんだが」

ホテルマン :「彼女はちょっと真面目すぎたな」

ホテルマン :「それも込みで、今回はいい経験になったんじゃないかと思う」

ホテルマン :「でもしばらく癇癪を起こした彼女をなだめることになるかな、たいへんな仕事だよ」

ホテルマン :それを楽しみにしているかのように笑い。

ホテルマン :「それで、きみはどう見る?」

ホテルマン :沈黙を守り、ただただステージを見つめ続けていた3人目に。

プロデューサーR・A :「たしかに強敵でス。」

プロデューサーR・A :「シカシ、ミスター・ケイゴの能力とこちらのデータがあれバ」

プロデューサーR・A :「倒せない相手ではないでショウ」

滑皮 ケイゴ :「頼りにしてるぜ、Pちゃん」

プロデューサーR・A :「オ任せを」

滑皮 ケイゴ :そのスーツの肩を叩いて、へらへらと笑い──

滑皮 ケイゴ :「真白ももあ」

滑皮 ケイゴ :「あんな啖呵を切っておいて、出場権を奪いにこないはずはない」

滑皮 ケイゴ :「今回来なかったってことは、ヤツの標的は」

滑皮 ケイゴ :「俺と花屋敷ミトがるステージだ」

ホテルマン :「怖いかい?」

ホテルマン :「いいや違うな」

ホテルマン :「きみはこう思っているはずだ」

ホテルマン :「なんて美味しいシチュエーションだ、と」

滑皮 ケイゴ :「はッ」

滑皮 ケイゴ :それまでとは違う、獰猛な表情で笑う。

滑皮 ケイゴ :「さすが、よく分かってる」

ホテルマン :「表の世界の」

ホテルマン :「かつてと、いまの、トップたち」

ホテルマン :「その両方を平らげたら」

ホテルマン :「ク、ク」

滑皮 ケイゴ :「たりめーでしょ。ワクワクしない訳がない」

滑皮 ケイゴ :「『あんな啖呵を切っておいて、出場権を奪いにこないはずはない』──」

滑皮 ケイゴ :「そう思うのは俺だけじゃない。ステージに来る客全員だ」

滑皮 ケイゴ :「全ての客は、新旧トップ対決を期待してる」

滑皮 ケイゴ :「むしろ確信してるって言ってもいい」

滑皮 ケイゴ :「確信されてるってことは」

滑皮 ケイゴ :「サプライズじゃないってことだ」

ホテルマン :「運命は信じることによって運ばれる、しかり」

滑皮 ケイゴ :「そう」

滑皮 ケイゴ :「その運ばれてきた運命──誰が考えてもそうなると信じていた運命を」

滑皮 ケイゴ :「視界の外から掻っ攫う」

滑皮 ケイゴ :「これぞ、サプライズだ」

プロデューサーR・A :「ええ、サプライズ」

プロデューサーR・A :「サプライズとは演出でアリ」

プロデューサーR・A :「つまりはデータでス」

プロデューサーR・A :「任せてくださイ」

プロデューサーR・A :「最高のやつを、お届けしまショウ」


GM :===

宍戸れみふぁ :とぼとぼと、歩く。

宍戸れみふぁ :「はぁ……」

宍戸れみふぁ :「みんなすごすぎだよ」

宍戸れみふぁ :「あれに、立ち向かう……」

宍戸れみふぁ :「……私が?」

千十嵐リンネ :「ほう、立ち向かうことが最終目標か?」

宍戸れみふぁ :「ぴ、ぴえっ!!!」突如としてかけられた声に飛び上がり。

宍戸れみふぁ :「あれれれれ、り、りんねしゃま!?!」

千十嵐リンネ :「落ち着け、帰り道が同じだけだ」

宍戸れみふぁ :「はひ、は、あ、はい!」

千十嵐リンネ :「それより私の質問に答えろ、宍戸れみふぁ」

宍戸れみふぁ :「え、私の名前フルネームで??!覚え??」

宍戸れみふぁ :わたわた

千十嵐リンネ :「あのなあ、私が眷属の名前を覚えていないわけなかろうが」

千十嵐リンネ :「忙しいやつだな」

宍戸れみふぁ :「……。」

宍戸れみふぁ :「えっと、それは…つまり??」

千十嵐リンネ :「超えねばならない、とはならないのか?ということだ」

千十嵐リンネ :「どうにも、貴様の目標はステージに立つところで止まっている」

千十嵐リンネ :「その先の、ビジョンが無い」

千十嵐リンネ :「憧れは燃えているが、それだけだ」

千十嵐リンネ :「それ以外は、からっぽの存在」

宍戸れみふぁ :「う……ぐ」

宍戸れみふぁ :心当たりは、あった。

宍戸れみふぁ :「です…よね……」

宍戸れみふぁ :「すごいな、やっぱそういうのわかっちゃうんだ……」

宍戸れみふぁ :「私、アイドルになりたくて」

宍戸れみふぁ :「どうしてもなりたくて、あのステージで輝きたくて」

宍戸れみふぁ :「でも、無いんですよね」

宍戸れみふぁ :「"どういうアイドルになりたいのか"って、そういうイメージが」

千十嵐リンネ :「うむ」

千十嵐リンネ :「それはな、貴様の資質だ」

宍戸れみふぁ :「……」

宍戸れみふぁ :「そっか……じゃあ、私、やっぱりアイドルには……」

宍戸れみふぁ :全身から、ちからが抜けていく。

千十嵐リンネ :「違う、それは貴様の持つギフトだと言っているのだ」

千十嵐リンネ :「貴様の有り様は、ある意味で私に近しいところがある」

千十嵐リンネ :「一度、自分ががらんどうであることに向き合ってみると良い」

千十嵐リンネ :「おそらくは、そこに貴様の"アイドル"がある」

千十嵐リンネ :「大いに悩め、それでは良い夜を」

宍戸れみふぁ :立ち去る背中を眺める。

宍戸れみふぁ :「私の……"アイドル"」

宍戸れみふぁ :やれるのだろうか。

宍戸れみふぁ :かつて、約束を交わした明日葉セイは遠くへ行ってしまった。

宍戸れみふぁ :大きく離された、それを今日まざまざと見せつけられた。

宍戸れみふぁ :「やれるのか、やれないのかは……」

宍戸れみふぁ :「重要じゃない、それは、私にはわからないことだから、誰にだって」

宍戸れみふぁ :「だから……未来を信じて、励むしか無い」

宍戸れみふぁ :アイドルグループに密着したドキュメンタリーで、そのセンターの少女が言っていた言葉だ。

宍戸れみふぁ :なぞる。再び自分に刻み込むように。

宍戸れみふぁ :「よおし……!やるぞ!」

宍戸れみふぁ :頬を叩く。

厄介なオタク :「あの!!!今ここでリンネ様の声がしませんでしたか!!!!!!???!!!!!??」

宍戸れみふぁ :「…………。」

宍戸れみふぁ :「シテマセン」


GM :===

GM :これにてサイクル1が完全に終了!

GM :現在フェスの最終日、そのファイナル・ライブへの出場権を手にしたのは明日葉セイ、合馬桜華の二名!!

GM :次回から、サイクル2となります!

サイクル2:真白ももあ

GM :ではやっていきましょう、サイクル2を

GM :トップバッター、こちらへ!

真白ももあ :ウオーッ

GM :ラッシャイ、何にしやす?

真白ももあ :紅海月さんとデートします♡

GM :了解!

紅海月 :おうっ!ワシだっ!

紅海月 :えっ……!?

真白ももあ :やることは多分紅海月さんの秘密を抜くので、登場希望は紅海月さん♡

紅海月 :ヒィ……ヒィ………

真白ももあ :シーン表はせっかくデートなので事前にいいですか?ときいてバケビガミ・伝統デートシーン表を使いたいという話をしています。

GM :許可する!

真白ももあ :やった~♡

GM :さあ振り給え!

真白ももあ :2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3

真白ももあ :動物園?

GM :3.可愛い生き物を見に、向かったのは動物園?それとも水族館?

紅海月 :異街にあるのかな 見世物小屋とかじゃない?

GM :どういう場なんだろうな

真白ももあ :出目で覚えてるの怖いな

GM :コワイヨ~~

紅海月 :おもいでプレイス

真白ももあ :水族館とかありそうだけどないのかな?

真白ももあ :でもミウちゃんとかいるのに……?

GM :まともなとこと、変なところふたつだと

GM :どっちがいいですか

真白ももあ :どっちも

紅海月 :一見普通のレコード屋にダンジョンあるくらいだもんな

GM :じゃあよくばりセットで行くか。

真白ももあ :やった~♡


GM :===

GM :「動物館」ただそう称されるビルがある。

GM :1から8階まで、様々な「動物と触れ合う、鑑賞することに類した施設、ショップ」が詰まった狂楽区の建物。

GM :規模は小さくとも、昆虫館、水族館、爬虫類館、猫(複数の意味を持つ)カフェ、ペットショップ、その他その他……

GM :その一階は、筆字で『にんげん』とだけ書き殴られたフロアである。

GM :異界を映し出す魔なる鏡があちこちに設置されており、様々なこの世ならざる生物のすがたを見ることができる、アミューズメント施設であるが……。

GM :真実には、一部の住民しか気付いていない。

GM :そう、観られているのは自分のことを客だと思い込んだあなたたちであることに!!

真白ももあ :「えへへっ、デートって憧れてたんです」

真白ももあ :「事務所で恋愛禁止されてるから……したことなかったんですけど」

真白ももあ :「どういう服にしたらいいかとか分からなくて……ライブに来てくれた子で、デートなのかな?って子の服とか参考にして」

真白ももあ :「えへへっ、頑張っちゃいました」

紅海月 :「忍務……とは言え。ま。此処でなら堂々と羽も伸ばせるしのう」

紅海月 :「うむ、うむ」

紅海月 :「さすが真白ももあ。何を着ても可愛い……っつーのは。デリカシーに欠けるかの。かかかっ」

GM :人間の子供によく似た頭部を持つ鳥の群れが鏡越しにこちらを観ている。

GM :「ピギャギャギャギャ(つがいだ)」

真白ももあ :「え~!?こわ~いっ」きゃーっと紅海月さんの腕に抱き着く。

GM :「ケケーーー(交配するか??するのか!!)」

紅海月 :「うむ。うむ……?(わざとらしいね?)」

紅海月 :「ところでよ。なんで儂なんだ?」

紅海月 :「そりゃ、並みの男なら諸手を挙げて喜ぶシチュだがよ」

紅海月 :「せっかくの初デートってやつだろ」

紅海月 :「セイとか、同じ年頃の美少年の方が、良かったんじゃねえか?」

真白ももあ :「ええ?そうですか?セイくんも素敵な子だけど……」

真白ももあ :「紅海月さんが、ステージですっごくかっこよかったから」

真白ももあ :「……じゃ、ダメですか?」

紅海月 :「おうおう。声張って応援してくれたものなあ!」

真白ももあ :「わっ。聞こえてたんですか?」

真白ももあ :「うれしい~」

紅海月 :「そう言われると、悪い気はせんものなあ……」

紅海月 :「うむ、うむ。舞台の上からも、ちゃあんと見えてたぜ」

紅海月 :「……憧れの相手に会った、年頃のオンナノコみたいな顔も、ばっちりな」

真白ももあ :「え~!?そんなところまでですか?恥ずかしいな……」

真白ももあ :「でも、本当にビックリしましたよ!紅海月さん、アイドルのファンだって聞いてたけど、自分がアイドルとして舞台に立ってたから」

真白ももあ :「夢だったんですか?アイドルやるの」

紅海月 :「夢、そうさな」

紅海月 :「……あんだけはしゃいでおいて、なんだけどよ」

紅海月 :「結局はよ。儂は、光り輝く、アイドルたちを見ると」

紅海月 :「そうなりたい……と思うよりは、支えてやりてえな、と思うクチだ」

紅海月 :「アイドルだて十把一絡げだ」

紅海月 :「モモのように、これと決めた道を猛進するアイドルもいりゃあ」

紅海月 :「迷い、戸惑い、進む道がわからなくなっちまった奴もいる」

紅海月 :「そんな奴らによ。てめぇらが居て、目指す舞台は、こんなにきれいな場所なんだ……って」

紅海月 :「てめぇらの夢は、なにより尊いものなんだってよ。誰よりも背中を推してきた儂が」

紅海月 :「証明したいだけなのかも、しれんな」

真白ももあ :「なるほど……」

真白ももあ :「私はアイドルが大好きだから。そういう風に思ってもらえて、すっごく嬉しいです!」

真白ももあ :「アイドルのこと、応援してくれる人って……すっごく、リスペクトしてくれる人が多いから」

真白ももあ :「もしかしたら、紅海月さんは……後ろめたいのかなって」

真白ももあ :「『素人が、舐めるな』って言ってほしいのかな?って」

真白ももあ :「ちょっと思ってたんです。ミウちゃんとエルナちゃんの、夢を奪った訳ですからね」

紅海月 :「まあよ。儂も、オタクを辞めたつもりはねえ」

紅海月 :「石に躓いて。そのまま、これっきり……なんて子らも、さんざ見てきた」

紅海月 :「……ファンから見た、アイドルが一番、輝いて見えるとき」

紅海月 :「どんな時だと思うよ?」

真白ももあ :「うーん?」

真白ももあ :「私は……ステージの上で、歌って踊って輝いてる時だと嬉しいなあって思うけど」

真白ももあ :「ファンの人から見たら、どんな時なんでしょう?」

紅海月 :「いや、わかるわかる。推しが舞台の上で、華やかに、幸せそうに歌って踊っているときほど、心アガる瞬間もない」

紅海月 :「……わしは、こうも思う」

紅海月 :「どんなに辛く、苦しい時においても」

紅海月 :「上だけを見て、ただひたむきに己の道を走っている、その背中に、儂らは惹かれるものがある」

紅海月 :「……虫のいい話だが」

紅海月 :「儂は、あの二人が」

紅海月 :「これっぽちの逆境に立たされたくらいで、へこたれるようなアイドルじゃねえことを、信じてるよ」

紅海月 :「……もちろん、時雨と、儂もな!」

真白ももあ :「ふふっ、そうですよ!」

真白ももあ :「一回ステージに乱入されたくらいでダメになっちゃうんだったら、所詮それまでだったってことだから」

紅海月 :「いや、うん。間違ってねえんだけど……」

紅海月 :「物怖じしねえよなあ。モモはよ」

真白ももあ :「うーん?物怖じしない……そうなんですかね」

真白ももあ :「すっごく頑張って頑張ってやっと夢を掴めるかもしれない、って人でも、今まで一切何もしてなかった人でも」

真白ももあ :「結果が出なければどっちも同じですから」

紅海月 :「究極の結果主義だものな、アイドルは」

紅海月 :「やったことに意味がある……なんておべんちゃらが通用する優しい世界では、決してない」

真白ももあ :「……あっ、そうだ」

真白ももあ :「あのね、クッキー作ってきたんです!」

真白ももあ :そう言って、可愛くラッピングされた袋を取り出す。

真白ももあ :その中には、消し炭。……よく見たら、バナナだとかチョコレートだとか、焦げた何かの混入物が入っているのも認識できるだろう。

真白ももあ :「ちょーっとだけ……焦げちゃったけど」

真白ももあ :「頑張って作ったんです!どうぞっ」笑顔で差し出す。

紅海月 :「おっ!菓子か!わし、菓子好き……」

紅海月 :「菓子……? う、うむ」

真白ももあ :「えへへ、人に作ったの……っていうか、お菓子作ったの初めてです!」

紅海月 :わずかに震える指でそれを摘まみ。

紅海月 :「なんと。そりゃ……うむ」

真白ももあ :少し恥ずかしそうにじっと見ている。

紅海月 :「味わって食べねえと、のう!」

紅海月 :一息に口に放り、もぐもぐと嚙みしめる。

真白ももあ :「おいしいですか?」

真白ももあ :もじもじしながらじっとみている。消し炭が食べられていく様を。

紅海月 :苦虫を噛み潰したような顔、という慣用句を初めて聞いたとき。

紅海月 :いや、どういう顔?と思ったもんじゃけど。

紅海月 :「(こういう時か……じゃが)」

紅海月 :「(儂は……)」

紅海月 :「("異街最強のアイドルオタク")」

紅海月 :「(紅海月様よ────!)」

紅海月 :顔色一つ変えずにごくりと飲み込んで。

紅海月 :子供な顔でほころんで見せる。

紅海月 :「モモよう……」

紅海月 :「お前さん、菓子作りも……天才じゃあ……!」

紅海月 :「美味かったァ!!」

真白ももあ :「わっ、本当ですか!?嬉しい!」

真白ももあ :「紅海月さんに喜んで欲しかったから、すっごく嬉しいです!」

真白ももあ :「また頑張ってつくっちゃおっかな♡」

紅海月 :「えっ……!?」

紅海月 :「うっ……」

紅海月 :「嬉しいのう~~~!」

紅海月 :「あ……ほら、儂ばかりだと勿体ないからさ」

紅海月 :「セイとか……時雨とか、桜華にも」

紅海月 :「その腕前を披露するべきだと思うなあ!わしは!」

真白ももあ :「ふふっ、そうですね。それもいいけど……」

真白ももあ :「やっぱり、紅海月さんに喜んで欲しくて……紅海月さんのために、一生懸命作ったから」

真白ももあ :「また食べて欲しいなぁって思います♡」

真白ももあ :「……あのね、紅海月さん」

真白ももあ :「デートってシチュエーションに憧れてたのもそうだし……」妙な声をあげる人間のような鳥たちに手を振りながら。

真白ももあ :「紅海月さんが、すっごく素敵な人だから。デートしたいなって思ったのも、本当だけど」

真白ももあ :「紅海月さんに、お願いしたいことがあって、お誘いしたんです」

真白ももあ :「……聞いてもらえますか?」

紅海月 :「うん………………………………む?」

紅海月 :「……なんじゃ、改まって」

紅海月 :「言うてみ」

妙な声をあげる人間のような鳥たち :「ゲゲゲヒョ(何か食ってる、喰ってるぞ)」

真白ももあ :「アイドルは、『世界一で一番幸せであること』を望まれてると思ってる、って言ったじゃないですか」

真白ももあ :ゲゲゲヒョという鳥たちに手を振りながら。

妙な声をあげる人間のような鳥たち :「ギョルルル(美味そうだ、美味そうだぞ)」

紅海月 :「セイとの話のやつ、だな」

真白ももあ :「それは祈りでもあるけど、呪いでもあると思ってるんです」

紅海月 :ギョルルルと声を上げる魚たちをしっしと追い払い。

真白ももあ :「辛くても幸せそうに振る舞わないと……とかもまあ、そうですけど、それはそんなに……私は気にならないけど」

真白ももあ :「幸せな人って、いくら妬んでもいいと思われるから」

真白ももあ :「妬むために幸せでいて欲しいって人もいるし、幸せな人間が転落することを望む人もいる」

真白ももあ :「そこまで積極的にマイナス感情がなかったとしても、『充分幸せなんだからもういいでしょ』って思われる」

真白ももあ :「今回のフェスだって、『表』の世界で充分成功してるんだから、優勝は真白ももあ以外がいいと思われてる」

真白ももあ :「例えリンネさんを優勝させてはいけないと思ってる人だって、その代わりに勝つのは私じゃない人がいいと思ってる」

真白ももあ :「『今まではアイドルとして全然知られてなかった人が一夜にしてトップスターになる所が見たい』……」

真白ももあ :「『真白ももあも健闘したけど惜しかったね』って。踏み台として負ける事を望まれてるの」

紅海月 :「大衆はよ」

紅海月 :「シンデレラ・ストーリーが、大好物じゃからのう」

真白ももあ :「……でも、私が負けたら……」

真白ももあ :「頑張って頑張って、頑張って頑張って、夢を掴むのが間違いってことになっちゃう」

真白ももあ :「……本当は」

真白ももあ :「紅海月さんだけは、私の幸せを願ってって」

真白ももあ :「言えたら、可愛かったんですけどね」

真白ももあ :「そういう……普通の女の子みたいな、ことは……私は、上手じゃないみたいだから」

真白ももあ :「アイドルとしてリンネさんに一番近い立場にいるのは私だから。彼女を倒すヒントに一番近いのも、私なんじゃないかと思ってる」

真白ももあ :「リンネさんはすごく強いと思う。ただでさえ強い上に、彼女のホームグラウンドだから。彼女が勝つための色んな仕組みを仕掛けてるみたいっていうのは、もう知ってるよね?」

真白ももあ :「だから本当は……蹴落としあってる場合じゃない。『とりあえずリンネは倒すとして、その上で誰が勝つか』なんて言ってる余裕、ないと思ってる」

真白ももあ :「紅海月さんが、私に負けて欲しいと思ってても構わない」

真白ももあ :「でも、絶対にリンネさんに勝って欲しいと思ってるんじゃなかったら……」

真白ももあ :「私じゃない誰かであっても、リンネさんを倒す人が出るのがいいと思ってるんだったら……」

真白ももあ :「……違うな。……もし、ちょっとでも……頑張ってる私を、応援してもいいって、思ってくれるんだったら」

真白ももあ :「あなたの持ってる『緑』を譲って欲しい」

真白ももあ :「リンネさんを止めるための鍵を握ってるのは、私だと思うから」

真白ももあ :「それが私にしか扱えないものでない限り、独り占めもしない」

真白ももあ :「だから、お願いします。力を貸してください」

真白ももあ :そう言って、頭を下げる。

紅海月 :下げられた頭を見定めるような、穏やかな紅い瞳。

紅海月 :「まず」

紅海月 :「こんな得体の知れねえ男に、本心で」

紅海月 :「誠心誠意をもって、言葉を伝えてくれたこと。感謝する」

紅海月 :「儂も、ももあも、他の皆も」

紅海月 :「頂点の座を奪うため、競い合っている」

紅海月 :「当然、この街のトップスタァ、千十嵐リンネは最強の敵だ」

紅海月 :「……結論から言えば」

紅海月 :「お前さんの欲しい緑、確かに儂は持っている」

紅海月 :「……これはよ、そんなに、いいものじゃねえ」

紅海月 :「"呪い"……」

紅海月 :「そう言い換えても、いい」

紅海月 :「こんなもんを、お前さんに背負わすのもどうかと思うし……」

紅海月 :「何よりよう」

紅海月 :「誠意尽くして、情に訴えても」

紅海月 :「欲しいもんが手に入らねえのは、ココでも同じよ」

紅海月 :「真白ももあ」

紅海月 :「最強の座に最も近いアイドルにして」

紅海月 :「"忍び"でもあるお前さんなら」

紅海月 :「分かるはずだ」

紅海月 :「忍び同士に、隠し事は出来ねえ」

紅海月 :「己の心の内。"緑"を出し渋るその理由。見たけりゃ、今」

紅海月 :「やってみな。……出来るもんならな」

真白ももあ :「……紅海月さんから、無理やり奪うとか」

真白ももあ :「もっと私の事を知ってもらってから。あるいは、私が紅海月さんのことをもっと知ってから……」

真白ももあ :「利害が一致してるから、大丈夫だって」

真白ももあ :「そう言った方が、簡単にいくことは分かってました」

真白ももあ :「でも、そうしなかったのは……」

真白ももあ :「そうじゃない、何にも打算のない、ただの私の本心で話してるんだって、分かってほしかったから」

真白ももあ :「そして、きっと……分かってもらえるって、思ったから」

真白ももあ :「そうじゃないと、意味がないって……思ったから」

真白ももあ :「でも……私は忍者の世界の事を、きっと舐めてて」

真白ももあ :「すごく、甘かったから」

真白ももあ :「……もし、『緑』をくれなくても」

真白ももあ :『にんげん』のスペース。売店に並ぶ、妙な形の、にんげんのような頭の鳥のぬいぐるみ。それを持ち上げる。

真白ももあ :「このぬいぐるみくらいなら、買ってくれますか」

真白ももあ :「私と紅海月さんが、いっしょにいたんだよって」

真白ももあ :「思い出の、証……」

真白ももあ :『たのしく、あそんだんだよ!』そう、ぬいぐるみを操って、喋らせる。

真白ももあ :というわけで、紅海月さんの秘密を抜きたいと思います。

真白ももあ :使用技能は腹話術。

GM :どうぞ、振りな!

真白ももあ :2D6>=5 (判定:腹話術) (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功

紅海月 :うむ。

紅海月 :見事。

GM :秘密をお渡しします。

真白ももあ :お願いします!

真白ももあ :セイくんと時雨さんにもいきますね

真白ももあ :「……もしかしたら、そうなんじゃないかな、とは少し思ってたんです」

真白ももあ :「セイくんと話してる時、ちょっと思ったから」

紅海月 :スーツの内側から出した財布をまた、仕舞って。

紅海月 :「表で荒波潜ってきただけは、あるの。やっぱよ」

紅海月 :「………ああ、クソ」

紅海月 :「やっぱ、弱ぇんだよな」

紅海月 :「丸くなっちまった背中を見ちまうとよ」

紅海月 :「どうしても……シャンと正してやらねえと」

紅海月 :「そう思っちまう。……モモ」

紅海月 :そっと内から小瓶を取り出して。蓋を開ける。

紅海月 :蓬香る、草色の小さな丸薬。を手渡して。

紅海月 :「勘違いすんなよ。こいつは"緑"じゃ、ねえ」

紅海月 :「が。それがどういったモンかっていう記憶と……」

紅海月 :「あとは、まあ。儂のつまらねぇ、事情が勝手に頭ン中に入ってくるだけのものよ」

紅海月 :「じゃから……ま、試しに飲んでみい」

紅海月 :というわけで

紅海月 :わしの持ってるプライズの情報をももあに渡します。

GM :了解です。このプライズは情報の受け渡しが可能です。

真白ももあ :飲み込む。そして、目を瞬かせて。

真白ももあ :「わ、……す、すごい、すごいです、紅海月さん……!」

紅海月 :「うむ、うむ。上手くいったようじゃの。副作用も無さそうだし……なにより、美味いからのう!儂の丸薬は」

真白ももあ :「その、……紅海月さんの、大事なもの」

真白ももあ :「私に……くれませんか!?」

真白ももあ :「あのっ、この丸薬をくれたのも、ちゃんと教えてくれたのも……すっごく、勇気が必要だったって、わかるんですけど」

真白ももあ :「お願いします!紅海月さんが……紅海月さんの力が、必要なんです」手をぎゅっと握って、顔を寄せる。

紅海月 :握りしめた手は。想像よりも乾いているだろう。

紅海月 :同様に、枯れたような目で、しかと少女を眼に入れて。

紅海月 :「いかな美少女、真白ももあとて」

紅海月 :「出場を確約されていないアイドルに、それを渡せるほど」

紅海月 :「儂も心は広くねえ」

紅海月 :「言わずとも分かるよな」

真白ももあ :ふ、と。身体が動く。

真白ももあ :紅海月さんの頬に、柔らかいモノが触れる。

真白ももあ :真白ももあの唇だ。

真白ももあ :「……ドキドキしました?」

真白ももあ :「しなかったかな」

紅海月 :「………」

真白ももあ :「あの、からかってるとかじゃないです」

紅海月 :「びっくりの方が大きいかな……」

真白ももあ :「もしかしたら、私を心配してくれてるのかもしれないって思って」

真白ももあ :「ドキドキとか……させてみせるし」

真白ももあ :「きっと、させてくれるって信じてるから」

真白ももあ :「だから、出場権、絶対掴んで見せますから」

真白ももあ :「そしたら……ください。大事なもの」

紅海月 :「かかかっ。儂がマジで恋焦がれた女なぞ。今までひとり居るか居ないかよ」

紅海月 :「まあしかし、アイドルとは。この世でいちばん、欲深い生き物なれば」

紅海月 :「奪って見せろよな。ぜんぶ」

紅海月 :そっと指を差し出して。

紅海月 :「約束しよう」

紅海月 :「その暁には───」

紅海月 :「差し上げてみせる」

紅海月 :くしゃりと顔を歪めて。

紅海月 :「しかとこの眼で、見てるからよ。……ガッカリさせてくれるなよ」

真白ももあ :以前、『アイドルをやらなくても幸せに生きていけるんだったら、そうやって生きて行った方が絶対にいい』と言ったのは。

真白ももあ :アイドルでない人への見下しや、己の職業への誇りからくる自慢などではない。

真白ももあ :本心だ。

真白ももあ :ただ一人の人を愛して、誰より愛するただ一人に愛される。

真白ももあ :嬉しいことがあったら真っ先に報告して喜びを分かち合って、辛いことがあったらただ傍に居てくれるだけで前を向けて。

真白ももあ :助けあって、一人の人間と一人の人間が、責任をもって、その人生を共に歩んでいく。

真白ももあ :そういった姿に憧れがあるのも本当だし、とても尊いと思う。偉いと思う。『当たり前』のようにできる、たくさんの人たちが。

真白ももあ :それは、自分にはないもの。

真白ももあ :鳥が飛べるように、鈴が鳴れるように――ただ、己が持っているものが違うというだけ。

真白ももあ :だから、アイドルだから偉いということは思っていない。そうでない人を妬みもしない。当たり前のように当たり前の人生が送れる人々を、尊敬している。

真白ももあ :けど――

真白ももあ :『私たちはアイドル以外の生き方が出来ないから、もがいてでも這ってでもステージの上に立ってる』

真白ももあ :私は、アイドル以外の生き方が上手じゃない。

真白ももあ :「……本当に、紅海月さんが恋人だったらよかったのにな」

真白ももあ :聞こえるか聞こえないかの声で呟いて。

真白ももあ :彼の事、何も知らない。

真白ももあ :それでも、ただもがくしかない私たちを、あるいは実物以上に尊敬してくれて。

真白ももあ :一人の人間としても、真摯に向き合ってくれて。

真白ももあ :優しい言葉をかけてくれる。

真白ももあ :彼が、とても素敵な人なことは、分かる。

真白ももあ :彼にすべてを、喜びを分かち合って、苦しみを半分背負いあって、支え合ってもらえたら、どれほど――

真白ももあ :ううん、ただ、隣で笑っていてもらえたら。どれほど幸せだろうかと思う。

真白ももあ :でも、『当たり前』の下手な私では。

真白ももあ :彼には、……きっと、釣り合わないから。

真白ももあ :でも、真っ白だった心に生まれた欲しいもの。私に必要なもの。私に教えてもらったもの。それだけはせめて、手に入れたいと思ったから。

真白ももあ :「……絶対勝ちます。勝って、フェスの本番に出ますから」

真白ももあ :「待っててください。他の誰にもあげちゃいやですよ?」

真白ももあ :そう言って、慣れた綺麗な笑顔で微笑んで見せた。

GM :===

サイクル2:明日葉セイ

GM :では次へ参りましょう。

GM :エントリーナンバー2!カモン!!

明日葉 セイ :自分だったはず!

GM :ようこそ

GM :では登場希望、シーン内容、シーン表をよろしくぅ!

明日葉 セイ :はい、時雨さんと桜華ちゃんと、あと初めの方にちょっとプロデューサーとお話したいかなって思いました

明日葉 セイ :感情をとりに行こうと思います。シーン表はアイドル!

GM :了解です、おふたりはオッケーかしらー

合馬桜華 :大丈夫です

時雨 :出るよ~

明日葉 セイ :ありがとー

GM :ではシーン表だ、振っておくれー

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10

GM :10.ライブ会場の裏手には出待ちのファンの姿、忍びであるあなたは当然難なく躱すことも出来るが。

明日葉 セイ :やっぱりそれだよなあ!

GM :被ったので一度のみ振り直しを許可しますが

明日葉 セイ :振り直します!

GM :お、即断

GM :どうぞ!

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 6[2,4] > 6

GM :6.公演前の、空っぽのステージの上。あなたは何を思うのだろうか。

明日葉 セイ :わーよさそう!

GM :ではやっていくぜ


GM :===

灰色兎 :「で、どうよ」

GM :問いが投げられる。

GM :あの日、あの時と同じ、ステージ。

GM :夢中で飛び込んだ。

GM :観客のいないステージは、まったく別の印象をあなたに与えるかもしれない。

灰色兎 :「広く見えるか?それとも狭く?」

明日葉 セイ :「…………」

明日葉 セイ :今日は、フリルに溢れた衣装ではない。かわいらしさはあるが、少しは抑えた私服。

明日葉 セイ :「あの時は本当に夢中で、どれだけ走っても、どこまでも行けた気がしました」

明日葉 セイ :「今は、すぐに歩いていけそうで、でも、がらんとしてて……」

明日葉 セイ :照明の消えた天井を見上げる。

明日葉 セイ :「おかしいな。あの時、もうすぐ届くと思ったんです」

明日葉 セイ :「星に」手を差し上げる。

明日葉 セイ :「まだ遠いみたいな、気がします」

灰色兎 :「……」

灰色兎 :「まだだ、まだこんなもんじゃねえ」

灰色兎 :「最終日のステージは、もっと広い」

明日葉 セイ :「……はい」

灰色兎 :「お前はやってのけた、俺の見込んだ通りにだ」

灰色兎 :「だが、まだ足りねえ」

灰色兎 :「足りないパーツは、まだハマッていねえ」

明日葉 セイ :「……はい」

明日葉 セイ :隣にいるこのプロデューサーがそう言うのなら、そうなのだと思う。

明日葉 セイ :「まだ、足りないんですね。最高には」

灰色兎 :「そうだ」

灰色兎 :「お前はそれを取り戻すか、あるいはそれに代わるものを自分の手で作り出す必要がある」

明日葉 セイ :「自分の手で……」

明日葉 セイ :できるだけ、あの時の熱気を思い出そうとする。あんなに眩しい世界は、初めてだった。

明日葉 セイ :あれよりさらに上があるなら。

明日葉 セイ :「目指します」

明日葉 セイ :「絶対、届いてみせます」

明日葉 セイ :そう、あの時は……ステージには何人もの人がいた。

明日葉 セイ :「ファイナルも、あんな感じなのかなあ……」

明日葉 セイ :火花を散らしたり、奇妙な形で一緒に踊ったり。

灰色兎 :「あんな感じで済むと思っているなら」

灰色兎 :「千十嵐リンネにゃあ勝てねえな」

明日葉 セイ :「わ、わかってますけど」

明日葉 セイ :「あの人たちだって、乗り越えなきゃいけないんだ」

明日葉 セイ :「それで、リンネさんにも勝って。最強になって……」

灰色兎 :「そうだな」

灰色兎 :「その、"あの人たち"もお前みてえにステージが忘れられないようだぜ」

明日葉 セイ :「えっ?」

灰色兎 :そう言って、観客席を顎でしゃくる。

明日葉 セイ :さらりと、三つ編みにした髪を揺らして、振り返る。

合馬桜華 :振り返る視界に、紅が一滴。

明日葉 セイ :「あーっ!」両手を口元に。

合馬桜華 :照明に照らされぬ舞台のさらに上

合馬桜華 :天井裏のキャットウォークに、少女が立っている。

合馬桜華 :先ほどまでのセイと同じように、天上の星に手を伸ばすような姿勢で天を仰いで

時雨 :じわじわとにじみ出るように、観客席に人影が立つ。

明日葉 セイ :「ええっ、なんでなんでそんなところに!」

合馬桜華 :「ん……?」ふらり、と身体が揺れて

時雨 :「お邪魔してしまいましたか」

明日葉 セイ :「こ、こちらはこちらで、えっと」二人をきょろきょろ見比べる。

時雨 :「自分は、勉強に。人混みの中では正確な目測も何もなかったですから」

合馬桜華 :少女……桜華の肉体が、無造作に宙に投げ出され。

灰色兎 :「上がってこいよ、主役だろ?」

灰色兎 :「お前は降りてこい、だな」

合馬桜華 :セイの前に、ひらひらと落ちてきて

合馬桜華 :音もなく着地し、向き直る

明日葉 セイ :「わあ、びっくりした」

時雨 :「今は演出家の気持ちなんですよ、あるいは貴方のまねごとです」灰色兎に笑いかける。

時雨 :言いつつ舞台に足をかける。不思議な硬質さだ

灰色兎 :「トーシロが、言いやがるぜ」

明日葉 セイ :「……こないだぶり、ですね」二人に。

合馬桜華 :「あ……ライブん時の!」顔を上げて、セイを見つめて

明日葉 セイ :「そう。一緒に踊った」

合馬桜華 :「そうそう、一緒に踊った」にっこり笑って

明日葉 セイ :「覚えててくれた! おれも覚えてたよ!」

明日葉 セイ :「あ、いや、変かな……ライバルだもんね」

明日葉 セイ :「えと、時雨さんと、桜華ちゃん」

合馬桜華 :「ライバルの顔もちゃんと憶えてるなんて、むしろ凄いと思う!」

明日葉 セイ :「……時雨さんはなんか、あれ? 雰囲気ちが……あれ?」

合馬桜華 :「時雨さんもさっきぶりです……たしかに言われてみれば?」雰囲気について言われて

合馬桜華 :「それも芸風ってヤツなんですかね?」

明日葉 セイ :「むしろ雰囲気以外が違う……けど、あの時も変身してましたもんね」

灰色兎 :「ここじゃ顔を買うだなんてそう珍しいことじゃねえだろ」

灰色兎 :「急な路線変更は危険だぜ、ルーキー」

合馬桜華 :「ここの常識は疎いもんで、そんな事まで」

明日葉 セイ :「そうですよ、アイドルって顔で売るんだし」

明日葉 セイ :「ファンの人に覚えてもらわなきゃ」

明日葉 セイ :「ああ、外から来たの? 珍しいなあ……」

灰色兎 :「ああ、そういやお前は外から来たんだっけな」

時雨 :「ええと、すみません」

時雨 :「どうにも、これと決まった顔がないもので」困ったように笑う。

明日葉 セイ :「売る顔がない、アイドル……逆に斬新ですよプロデューサー!」

合馬桜華 :「顔を売る、そういう意味じゃお兄ちゃんは超一流だもんね」セイに

明日葉 セイ :「えへへ」ほめられたので照れる。

合馬桜華 :「ですです! ウチは外から来たばっかりでして!」

合馬桜華 :「……なんで広まってるんだろう……ライブの影響力?」こちらもちょっと照れつつ

明日葉 セイ :「あ、そだ! 桜華ちゃんにはこれ言わなきゃだった」

明日葉 セイ :「ファイナルに出場、おめでとう。またライバルだね」

合馬桜華 :「ウチに?」ついドキリとしてしまう

合馬桜華 :セイの顔で長時間見つめられるとどうも座りが悪い

合馬桜華 :「あ、それは……どうも、ありがとう!」慣れない様子で感謝の笑みを浮かべて

明日葉 セイ :「でもー、次もおれが勝つ!」

明日葉 セイ :満面の笑みで、宣戦布告。

合馬桜華 :「いきなり強気だねー! けど、ウチもそう簡単には負けないかんね!」

明日葉 セイ :「ふふふ」

合馬桜華 :「こっちこそ! 一緒にそっちもファイナルおめでとさん!」と、満面の笑みで返して、祝いつつ叩き返す

合馬桜華 :「えへへ……」

明日葉 セイ :ぱしん、といい音で受け止める。

明日葉 セイ :「……時雨さんも、こんなところまで来てるんだから、まだ諦めてないやつですよね」

時雨 :二人の様子を目を細めて眺めている。

時雨 :「……ええ、勿論」

合馬桜華 :制服だろうか、スクールベストにミニスカートというステージ上とは違った格好の桜華は、ステージ上とは違った気配を纏っていた

時雨 :「ですが、あの場で最も輝いていたのは、お二人でした」

時雨 :「……痛感しました。アイドルの道は、険しい。いまだ力不足です」

合馬桜華 :「ありがとうございますっ! ウチも正直、あんなんなるとは思ってませんでした……」

明日葉 セイ :「こういう言い方はあれだし……別に馴れ合うとかではないんですけど」プロデューサーをちらりと見て。

明日葉 セイ :「あの舞台、楽しかったんです」

合馬桜華 :「……ウチも」

明日葉 セイ :「だから、あの場に居た人が諦めないでまた来てくれるなら、おれはうれしい」

合馬桜華 :「時雨さんとは、なんかの縁がある気がするしな」

合馬桜華 :時雨が生半可な気持ちでないのは、あのあかつき。を頼った事で分かっている。

灰色兎 :「まあ、実際だ」

灰色兎 :「あの時はそういう流れにあっただけだ」

灰色兎 :「セイ、合馬。あの場はお前たちの物語だった」

合馬桜華 :(あ、セイくんっていうんだ)

灰色兎 :「つまり、逆に、だ。流れ次第でどう転んでもおかしくはなかった」

明日葉 セイ :「それは、そうです」

灰色兎 :「時雨、お前にも物語がある」

灰色兎 :「そしてそれはあの場ではなかった」

合馬桜華 :「誰が勝ってもおかしくなかったって事は……わかってます」

時雨 :「ええ。最後にはトップに、立ちますから」

灰色兎 :「俺は人の中身を覗くのが得意なんだ」

灰色兎 :「お前はなんというか……底が知れねえ」

灰色兎 :「強い、というのともまた違う」

灰色兎 :「なんというか、単純に得体が知れねえ、輪郭を掴めねえ」

時雨 :「こんな姿だからですかね」

時雨 :表情がブロックノイズに乱れる。

灰色兎 :「つまり、どうとでもなれる」

合馬桜華 :(……たしかに)さきほどから時雨の動きを見て、試しに先手を打てないか考えを巡らせていたが、上手くいく感覚が試すたびに代わる

明日葉 セイ :「どうとでも……」

合馬桜華 :「なれる……」

灰色兎 :「お前が、場に最適な"顔"を獲得できたなら……」

灰色兎 :「あるいは一番の敵になれるかもな」

明日葉 セイ :(……すごいな)純粋にそう思う。真白ももあと対した時のように。

時雨 :「それは……誉め言葉として受け取っておきます」

合馬桜華 :(それでも、一番はセイクンって考えてるんだ)

合馬桜華 :二人の関係をくすぐったそうに眺めて

明日葉 セイ :(すごい。すごいけど……)同業者を見る度に思うこと。いつもいつも。憧れる。素敵だと思う。魅力的だ。学びたい。

明日葉 セイ :(けど、でもやっぱりそれ、おれじゃないから)

明日葉 セイ :羨ましい、とは、思ったことがないのだ。

明日葉 セイ :今ここにいる二人のライバルも、同じこと。自分とは違って、また別の色、とりどりに輝いていた。

明日葉 セイ :(ああ、楽しかったな。あのステージ……)

明日葉 セイ :「あの」

明日葉 セイ :「二人とも。ちょっと、えーと、提案っていうほどでもないんですけど、言いたいことがあって」

明日葉 セイ :「当たり前のことなんだけど」

明日葉 セイ :「ファイナルでまた会ったらさ。その時は……」

明日葉 セイ :「全力で!」

明日葉 セイ :「この間よりももっとすっごい、最高のステージにしようよ!」

合馬桜華 :「……!」

合馬桜華 :その言葉は、とても嬉しいもので

合馬桜華 :だからこそ、胸にちくりと刺さるものがあり

合馬桜華 :「うん! 全力でやろうなっ!」

合馬桜華 :それに返せるものを、満面の笑みと言葉以上に桜華は持っていなかった。

時雨 :「よろしくお願いいたします。私も是非、見てみたい」

時雨 :「トップアイドルの舞台……それを作り上げる側の、その熱を」

時雨 :(あるいは、それが潰える姿なのかも、しれないが……)

明日葉 セイ :「あなたもですよ」

合馬桜華 :「時雨さんも……ファイナルで会えるの、楽しみにしてるから」

明日葉 セイ :「時雨さんも、その真ん中にいてくれなきゃ」

合馬桜華 :なんかこれ、すっごい強そうな言葉だな、えへへ、などと内心照れつつ

時雨 :「ええ、私の姿も、お見せしますよ」

時雨 :「当事者だ」

灰色兎 :「合馬。」

合馬桜華 :「あ、はい。 合馬桜華です、兎の方」

灰色兎 :「正直な俺の判断としては」

灰色兎 :「お前は驚異ではない、お前はまだアイドルじゃあないからな」

灰色兎 :「偶然、できてしまっただけの素人だ」

灰色兎 :「ファイナルステージは偶然だけで潜れる死線じゃあねえ」

合馬桜華 :「ぐっ……まぁ、何一つ間違ってなくその通り……」

灰色兎 :「だが、だからこそ」

灰色兎 :「あるいは一番の脅威でもある」

灰色兎 :「お前が、一番読めない」

合馬桜華 :時雨についての話を聞いてから気になっていた兎の方のアドヴァイスは、思い描いた通り適切であった。

灰色兎 :「お前がアイドルになったとき、どんな輝きをその胸に宿しているのか」

灰色兎 :「それは全くの未知だ」

合馬桜華 :「未知……嬉しい言葉です」

灰色兎 :「素人という意味じゃそこの時雨も一緒だが」

灰色兎 :「こいつはある意味で既にアイドルを持っていた、と俺は見ている」

灰色兎 :「顔を変えられる、というのは何よりも"見られる"ことを意識した生態だからな」

明日葉 セイ :(そうか、この二人はももあちゃんや紅海月さんとは違って、アイドルに関してのキャリアが浅いんだ)

合馬桜華 :「もう、持っていた」時雨の方を見て、確かに彼(あるいは彼女)は色々なものを持ってそうに思えた

時雨 :鷹揚に微笑む。

明日葉 セイ :(でも、だからこそ……迫るような怖さはなくても、これからどうなるかわかんなくて、侮れない)

合馬桜華 :「ウチがまだ持っていない、アイドル」

明日葉 セイ :(……場に最適な顔を得たら。本当にアイドルになったら)

合馬桜華 :「手に入れてファイナルの舞台に立てたら……きっと、楽しい」

明日葉 セイ :(どれくらい輝くんだろう……おれは、それが、見たいな)

明日葉 セイ :(……で、それをさらにさらに乗り越えてみせる!)

明日葉 セイ :「うん。きっと楽しいよ」

合馬桜華 :「最強の舞台だもんなぁ……!」

明日葉 セイ :「最高のステージ、最高のパフォーマンス。みんなで踊って、最強を決めて……」

明日葉 セイ :「最高のアイドルに、なるんだ!」

合馬桜華 :(……)

合馬桜華 :(凄いな)

明日葉 セイ :「おれ、それしか考えてないんだ。ずっと」

明日葉 セイ :そわそわと、どこか緊張を帯びた顔で上を見上げる。

合馬桜華 :(これがこの街の……ううん、アイドルって生き方をできる人)

明日葉 セイ :「そうしなきゃ、だって、おれは、今まで……」

明日葉 セイ :腕を伸ばす。

明日葉 セイ :「今まで何してたんだ、これから何するんだってことになっちゃう」

合馬桜華 :わっと驚く、背が高い。

合馬桜華 :しかし不思議と恐怖感はないのは人徳だろう

明日葉 セイ :「ね」少女に微笑みかける。

合馬桜華 :「そっか……そうだよね!」笑い返して

時雨 :「一つきりの生き様ですか」ぽつりとつぶやく。

明日葉 セイ :「うん。アイドルじゃないおれなんて、おれじゃないって思ってる」

明日葉 セイ :「あ、そうじゃないやり方もあると思ってますよ、もちろん」

明日葉 セイ :「ただ、おれにとっては、チャレンジしなきゃいけない賭けだったんです」

合馬桜華 :(時雨サンの体質なら、沢山の生き様を選べる……んかな)

時雨 :「ええ。もちろん、それは素晴らしい」

合馬桜華 :「生きる価値がある行動、なんね!」

時雨 :「今の私は、本当に私なのか。そう思ってしまっただけです」

明日葉 セイ :「……顔が変わるから、ですか?」

合馬桜華 :「それってえっと……体質の?」

時雨 :「それだけではないかもしれません」

時雨 :「きっと……為すべき使命がある、のだと」

合馬桜華 :最大限気を使った表現、いやこの街ではどの程度が普通なのか、まだ分かっていない。

明日葉 セイ :「使命かあ」

時雨 :「貴方の輝きを見て、そう思ったまでです。曖昧な物言いを、すみません」

合馬桜華 :「……分かる気がする」

合馬桜華 :「セイクン見てると、ちょっと人生考えたくなる」

明日葉 セイ :「ええーっ、おれ全然考えないでわーってやってるだけだよ」

明日葉 セイ :わーっと手を広げる。

明日葉 セイ :「んっと、でも、二人がなんかの途中で、今アイドルをやってる……とかだとしても」

合馬桜華 :「明るくて、陽光で花びらが色変わるみたいに……へへっ」

明日葉 セイ :「でも、舞台の上は本物だから」

明日葉 セイ :「あの時の熱、まだあるでしょ?」

合馬桜華 :「……全然引く気しない」掌を見て

明日葉 セイ :(「こっから先は苦しいことだけだぜ」)

合馬桜華 :高い所で頭を冷やしても、ガンガンとあの熱気がリフレインするばかりだった。

明日葉 セイ :(「ぜんぶ、ぜえんぶ苦しいことだけ」)

明日葉 セイ :(「ステージの上、その瞬間以外はな」)

明日葉 セイ :(多分、逆ですよ、プロデューサー)

明日葉 セイ :(あんまりあの瞬間が熱すぎて、他が全部色褪せて見えるの)

明日葉 セイ :「ふふ、ならそれは本物だし、もし別のことすることになっても」

明日葉 セイ :「きっと残ってると思うんだ。それでいいと思う」

灰色兎 :己のアイドル、その胸中を知ってか知らずか。

合馬桜華 :(……そっか、別の事してても、か)

灰色兎 :彼が、そのひとつの目で眺めていたのは。

灰色兎 :「(あーあ、慣れない楽しさにはしゃいじゃってまあ)」

灰色兎 :「(でもいいのか?桜華ちゃん、お前の本当の目的はよ……)」


明日葉 セイ :ではここらで感情を取得したいと思います。時雨さんからかな。

時雨 :バッチコイ

明日葉 セイ :【撫子】の効果で自動成功だぜ

GM :あいよ、何で判定するんだい?

合馬桜華 :なにでも成功するから何宣言してもいいって良いですね

明日葉 セイ :特技自体はじゃあ、意気にしておきます

明日葉 セイ :意気込んだものな

GM :了解、では成功。表をどうぞ

明日葉 セイ :ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)

時雨 :ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)

明日葉 セイ :まあ、プラスの忠誠にしようかな……

時雨 :そうだなあ……共感っぽいところはあんまないんだけど……

明日葉 セイ :学ぶべきところは多い!と思いました

GM :ビガミ恒例のどう折り合いをつけるかタイム

明日葉 セイ :同業ー

時雨 :アイドルとしての要素には共感を覚える記憶もあるぜ

明日葉 セイ :やったー

明日葉 セイ :では、それからー

明日葉 セイ :【紅葉】を使用して、九ノ一の術で判定します。

明日葉 セイ :成功したら生命点1点消費してもう一回感情判定ができる!

明日葉 セイ :時雨さん、感情修正使う予定あります?

明日葉 セイ :もしよかったらここに投げていただけると……助かる……

時雨 :ないからここで使ってあげるね

明日葉 セイ :やったー

時雨 :共感で+1です

明日葉 セイ :感謝!

明日葉 セイ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗

明日葉 セイ :お前さあ

GM :おやおや

時雨 :ははは

明日葉 セイ :神通丸が……1個あります

GM :はい……

時雨 :つかっときつかっとき

明日葉 セイ :使う!

時雨 :おじちゃんが融通したるさかい

GM :よし、やりな!!

system :[ 明日葉セイ ] 忍具 : 1 → 0

明日葉 セイ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功

明日葉 セイ :しゃ!

GM :極端だなぁ

合馬桜華 :ほっ

GM :というわけで成功じゃい

明日葉 セイ :これで桜華ちゃんに感情を取得します。やっぱり意気で、自動成功

明日葉 セイ :生命点、頑健分を消費します

system :[ 明日葉セイ ] 頑健 : 1 → 0

GM :では表をどうぞ

明日葉 セイ :ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)

合馬桜華 :ET 感情表(6) > 狂信(プラス)/殺意(マイナス)

明日葉 セイ :また?

合馬桜華 :ふぁー

GM :忠義の人か??

明日葉 セイ :桜華ちゃんにもやっぱり、自分にないスタイルということで学んでいきたいなと思います

明日葉 セイ :リスペクト!

合馬桜華 :アイドルのセイくんならなんでもできちゃいそうだな、という狂信

明日葉 セイ :信じられている

時雨 :あっこれは提案なんですけど~

GM :無事感情が行き渡ったようじゃな

明日葉 セイ :えっと、そしたらですね。ちょっと取引きをしたく

明日葉 セイ :おっ

時雨 :居所交換しない~

明日葉 セイ :やっぱりーー

明日葉 セイ :殴りに来るかもなんですよね?

時雨 :はい

明日葉 セイ :こわい

合馬桜華 :殺意を隠そうともしない

合馬桜華 :感情表で殺意出したの私なのに

時雨 :でも私は戦闘になればなるほど忍具沸かせるからね

時雨 :忍具……ほしくないかい セイ君

明日葉 セイ :ぐぐぐ

明日葉 セイ :えっと、先にちょっとスムーズに済みそうな方をやりたく思います

時雨 :まあいやだったらこっちから居所渡すとかでもいいです

明日葉 セイ :ヘイ桜華ちゃん! 情報交換しようぜ!

合馬桜華 :いいよー!

明日葉 セイ :こちらが紅海月さんの秘密をお渡しする代わりに、ヴルフさんの秘密を出していただけると聞きました

合馬桜華 :そうしましょうかー

合馬桜華 :ヴルフ隊長の情報を渡すので海月さんのくださーい、で取引します!

明日葉 セイ :お願いします。交換します!

合馬桜華 :そういうわけでGMさんお願いします!

GM :了解~

GM :これ隊長は公開かな

明日葉 セイ :そうですね、自分がスピーカーなので

合馬桜華 :そうなるはずです、セイくんが全員に感情持ってるので

GM :というわけで全体公開です。

紅海月 :えっち!

明日葉 セイ :ふふっ

紅海月の秘密

あなたは実は『異街最強の地下アイドル』の名をほしいままに暴れまわっていた時期があった。

アイドルが何よりも好きなあなたは当然のようにアイドルになった、が、ある時気付いてしまったのだ、演るより見る方がすきだな、と……

『異街最強のアイドルオタク』の誕生である。


また、あなたは【プライズ:碧幕】を所持している。

"縄のヴルフ"の秘密

あなたは心から千十嵐リンネを信奉し、崇拝している。

あなたが千十嵐リンネの眷族となったのは、命惜しさからの服従でもなければ、敵に近づくための苦肉の策でもない。

異街を訪れる前のあなたは、心のどこかに満たされぬものを抱いていた。

忍びとしての血塗れた戦いも、"魃"の隊長としての名誉も、──そしてその隊員たちと過ごす日常も、あなたの渇きを癒すに足るものではなかった。

そんなあなたを変えたのが、千十嵐リンネとの出会いだった。

彼女は、あなたの人生の中心にあったその空虚さを埋めてくれた。それゆえに、あなたは彼女に心酔し、これまでのキャリアの全てを捨ててその眷族となったのだ。

しかし、その信仰心は必ずしも"忠誠"とイコールではない。

いまや満たされることを知ったあなたは、たとえ崇敬する主に背いてでも、己の人生を最良のものとすることを心に決めたのである。


あなたの本当の使命は【己の心に従うこと】である。

明日葉 セイ :で、居所ですが、交換はちょっと……んー

合馬桜華 :時雨さんのもらっておく手も

時雨 :合馬さんは居所いる?

時雨 :セイ君は実はもう持ってる ももあちゃんからの感情共有で

明日葉 セイ :そうじゃん

合馬桜華 :なるほど、失礼した

合馬桜華 :私はいいです、いる時は自分の手番で行きますわ

時雨 :三サイクル目に忍具沸かすためには今のうちに居所貰っておく必要があるぜ~

明日葉 セイ :じゃあですね、神通丸余分なやつあります?

時雨 :今はないです

明日葉 セイ :兵糧丸は?

時雨 :ある

明日葉 セイ :それと交換ならいいですよ

時雨 :う~ん、それもそうか

明日葉 セイ :あーーそうか

明日葉 セイ :ちょっと待ってね

時雨 :まあセイ君大変だもんねえ 【頑健】削れてるし

明日葉 セイ :いや、すいません、ちょっとリスクが大きかったな

明日葉 セイ :今回はなしとします

時雨 :はーい

時雨 :じゃあ合馬さんから兵糧丸もらって私は終わりね

合馬桜華 :あいあい

system :[ 合馬桜華  ] 忍具 : 2 → 1

system :[ 時雨 ] 忍具 : 3 → 4

明日葉 セイ :最後になんですけど、秘密の調査術の判定がひとつあったと思うんですが

明日葉 セイ :あれここでできますか

GM :できますよー

明日葉 セイ :じゃあチャレンジする! 意気で代用です

GM :やりな!

明日葉 セイ :2D6>=7 (判定:意気) (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗

明日葉 セイ :失敗! 以上です

GM :あいよ!!

GM :では結びのシーンをやって、〆ましょうか。

明日葉 セイ :はい!


GM :===

合馬桜華 :はしゃいでいる、それはそうだろう

合馬桜華 :何せ……

合馬桜華 :(いや)

合馬桜華 :もちろん、隊長や副隊長の事を忘れたわけではない。

合馬桜華 :顔を上げて、セイに向けて手を出す。

合馬桜華 :ただ、この街はあまりに眩しすぎて

合馬桜華 :「セイくん、もし今良かったら……」

明日葉 セイ :「え?」

合馬桜華 :「あの時みたいにダンス。 一曲だけ、ダメ?」

明日葉 セイ :「…………」がらんとしたステージ。照明も何もなく、観客は自分達だけ。

合馬桜華 :「今は、見せる人はいないけど」

明日葉 セイ :「……いいよ」

明日葉 セイ :広くもあるし、狭くも見える。このステージ。

明日葉 セイ :納得がいくまで、踊って、飲み込んでしまおう。

合馬桜華 :「ありがとっ!」柔らかな、儚い笑みを浮かべて

明日葉 セイ :そうして、本番の、もっともっと大きな舞台へと。

明日葉 セイ :自分も、とびきりのかわいいスマイル。

合馬桜華 :少年は大きかった。 心も、身体も。

明日葉 セイ :少女と並ぶと、どうしても身長が目立つ。そんなのはわかっている。

合馬桜華 :だけど、やっぱり感想は、あの時と同じ

合馬桜華 :「かわいいね、セイくんは」

明日葉 セイ :(……あの時、でも、わかったんだ。背が高いと……目立つ。良い意味でも)

明日葉 セイ :(そう)

明日葉 セイ :ふふ、と笑みを漏らして。前なら言えなかった一言を。

明日葉 セイ :「でしょ?」

明日葉 セイ :一瞬だけウィンクしてみせる。

合馬桜華 :眩しすぎるウィンク。しかし正面から受け止めて

明日葉 セイ :(そうして、観客の人が、少しでもおれをかわいいと思ってくれたなら。それ以上のことってない!)

合馬桜華 :……たとえ一刻の夢幻であろうとも、それを楽しむのは自由のはずだから。

合馬桜華 :____ローファーがステージの床で音を鳴らし、ステップを踏む。

明日葉 セイ :その横で、長い脚を優雅に操って踊る。少しだけ奇妙なダンスを。

明日葉 セイ :(ねえ、プロデューサー)

明日葉 セイ :(星は、遠いです。まだ掴めません)

明日葉 セイ :(でも、もっと手を伸ばせば掴めるかも、なんて夢を見られるようになった)

明日葉 セイ :(……それで十分、なんて思えないくらい、もっと激しい渇きも知った)

明日葉 セイ :(……それから。忘れてませんよ。おれがやるべきことだって)

明日葉 セイ :(だから……)

明日葉 セイ :くるりと回りながら目を伏せる。緑色の光を思い出す。

明日葉 セイ :(だからこそ、今は、踊る。踊らなきゃ)

明日葉 セイ :見えない衣装の見えないスカートの裾を摘まむようにして。

明日葉 セイ :未だ夢を見続けるアイドルの少年は、空に手を伸ばした。

灰色兎 :その光景を見つめる。

灰色兎 :ひかり輝くあの子達とはちがい、こちとら下賤な商売だ。

灰色兎 :少年少女の目を憧れで焼いて地獄へと引き連れる。

灰色兎 :一緒には踊ってやれない、代わりに歌ってもやれない。

灰色兎 :だから、せめてこの目だけは

灰色兎 :「(離さないでいてやる)」

灰色兎 :地獄よ、甘美であれと。

GM :ファイナルステージは、ゆっくりと迫っていた。

GM :===

サイクル2:時雨

GM :では続いてにいきましょう!

GM :3番手、出走!

時雨 :あいあい

GM :元気にいなないてください

時雨 :ブルルッ

時雨 :ももあちゃんに戦闘を仕掛けます!

真白ももあ :こわ~い

GM :やるんだな、ここで!

GM :ではやります、感情を持つ者は乱入もできますが

GM :名乗りはあるかしらっ

真白ももあ :セイくんだけだけど

真白ももあ :セイくんも秘密撮られる可能性でちゃうから

真白ももあ :しなくていいんじゃない?とおもうけどおまかせ

明日葉 セイ :今回は見守ります

時雨 :あかつき。氏も来れるんじゃないかな ももあちゃんに感情持ってたよね

真白ももあ :あったけ!?

紅海月 :ないよ~

GM :ないない

時雨 :記憶が混濁している……

真白ももあ :秘密抜いたけど感情はない!

GM :じゃあいくぜ

時雨 :失礼しました いくぜ

GM :前フリだ!シーン表を振りな!

時雨 :どれシーン?

真白ももあ :しぐがきめるのよ!

GM :お好きにシーン

時雨 :じゃあ異街にします!

GM :了解!ゴー!

時雨 :2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8

GM :おおっとぉ

GM :8.暗黒街へ足を踏み入れてしまった、追い剥ぎがあなたを狙う!あなたの得意分野を選びランダムで決定した特技で対抗、失敗すると生命点を1減少させる。

真白ももあ :同意なき……!?

時雨 :やっぱこれがねえとな!!

GM :では分野はなんとする!

時雨 :特技分野は器術で

GM :2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5

GM :針術。

GM :振りな!

時雨 :目標値7か……ももあちゃん感情修正をくれーっ!

真白ももあ :殴りに来るのにすごいな!?でもあげましょう

真白ももあ :+1!

GM :これから襲う相手にねだってるのウケるわね

時雨 :優しい! ありがとうございます

時雨 :2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 4[2,2]+1 > 5 > 失敗

真白ももあ :ああ……

時雨 :全然だめだ!

GM :ケケケー

時雨 :忍術を削ります

system :[ 時雨 ] 忍術 : 1 → 0

GM :ではやるか……


GM :===

GM :地下、暗黒ライブハウス『混沌』

GM :ここでは野良アイドルたちが違法なアイドルバトルに手を染める闇のリング。

GM :そんな場所に、ももあは招待されていた。

GM :そこはあらゆる定石が無視される残虐非道の勝負の場。

はぐれアイドル :「ぎ、ぎぃぃぃ!!」

はぐれアイドル :「あ、あんた時雨って言ったかい……」

はぐれアイドル :「つ、つよいねぇ……つよいつよい」

はぐれアイドル :「こ、このままだと負けちゃうねえ」

時雨 :「は、は……」息が上がっている。

時雨 :自分に足りないのは場数だ。何でもありのこの場だからこそ、映像では調べられない、舞台での戦い方がわかる、と考えて殴りこんだ。

はぐれアイドル :「だがここで死んではイビる・シスターズの名折れ!」

はぐれアイドル :「イビることにかけては天下一品!こんなこともあろうかと仕込んでおいたのさあ!!」

はぐれアイドル :そう言って取り出すのは、トゥシューズ

はぐれアイドル :「予め仕込んでおいた、靴底の画鋲を呪術を応用して貴様の足へと送りつける!」

はぐれアイドル :「奥義ィッィィ!!ウシミツ・プリマ」

はぐれアイドル :奥義炸裂!それと同時に力尽きる。

時雨 :「ぐっ、あああ!!」

時雨 :血を吐いて片膝をつく。

真白ももあ :(アイドル関係なくない???)

闇レフェリー :「勝負アリィィィ!!!!」

時雨 :「……実に恐ろしい、技でした」口を拭う。

闇レフェリー :「ウィナァア、シグッッッッッッッッッルゥウウウウウ!!!!!」

闇レフェリー :「おおっとぉ、ここで新たな挑戦者のようだ!」

時雨 :「しかしこちらは、ガラスの靴を履く覚悟です……ああ、時間でしたか」

GM :スポット・ライトが真白ももあを照らす。

GM :シコミ!出来レース!

真白ももあ :「え、えええ……」めちゃくちゃ嫌そうな顔をする

時雨 :「お待ちしていました。真白ももあさん」

闇オーナー :「ぐひひ、こいつはでかい興行だぁ~~金が動く、動くぞぉ~~~!!」

ダーク・ファン :「うおおおおおお!!!ももあだああああああ!!!」

ダーク・ファン :「ももあの血が見てえ、見てえよぉ!!!!」

真白ももあ :「血を求めないで……」

GM :あれよあれよとリングもといステージへと立たされる。

時雨 :「申し訳ない。私が参加できるステージはここしかなく」

闇レフェリー :「両者合意と見てよろしいですね!」

時雨 :「どうか、一曲。協奏していただけますか(Shall We Dance)?」

真白ももあ :「合意じゃないけど!?」

闇レフェリー :「よろしいですね!!!!!!」

真白ももあ :「もっとなにか……なかったの!?」

闇レフェリー :「では、本日のメインイベント!!!」

真白ももあ :「してないのに!?合意!?」

闇レフェリー :「試合開始!!!」

GM :強引にゴングが鳴らされる!試合開始だ!

時雨 :「お見せします。はぐれアイドル50人抜きで身に着けた」

真白ももあ :「はぐれアイドルって何!?50人もいるの!?」

時雨 ://ざあざあ//とノイズが混じる。姿が変わる。

時雨 :「私の新たなる、ステージを!」

真白ももあ :「……逃げ出そうとする方が危ない気がする」

真白ももあ :「うーん……わかった……かな?や、やるよ!」


GM :それでは戦闘開始です!

GM :両者プロットをどうぞ!

時雨 :待った!

真白ももあ :なにっ

時雨 :戦闘開始時、戦場をランダムに変更します!

GM :おや、何か……おありで?!

真白ももあ :なんだとぉ~?

時雨 :改訂版64p参照!

時雨 :BT 戦場表(5) > 雑踏:人混みや教室、渋滞中の車道など。この戦場では、行為判定のとき、2D6の目がプロット値+1以下だとファンブルする。

時雨 :雑踏!

真白ももあ :シーンプレイヤーなら好きに戦場を変えられるですって~?

時雨 :「戦場が変更された」ので、奥義発動!【掛矢】を使用します!

時雨 :奥義破りしますか?

GM :戦場は雑踏へ。

真白ももあ :くるっとる 奥義破りしません!

時雨 :わーい!

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

時雨 :いいね。雑踏に変更されたときは兵糧丸をゲットだ!

system :[ 時雨 ] 忍具 : 4 → 5

GM :初見の場合、奥義情報を取得しといてね。

真白ももあ :プロット前だからコストも関係ないってこと~?

真白ももあ :セイくん経由でもうもってるかな

時雨 :戦闘開始時だから1ラウンド目のコストになるかも~って感じ たぶん

GM :コストは一応関係ある、それ以上で踏まないといけなくなるからね。

真白ももあ :なるほどね

時雨 :いや、それ以下でもいい コスト使う行動ができなくなるだけ

時雨 :77p参照

GM :データ博士か?

GM :では改めてプロットを

時雨 :OK!

真白ももあ :プロットOK!

GM :揃ったようですね、いきます3

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

○戦場:雑踏

<プロット4>

(ももあ)

<プロット1>

(時雨)

真白ももあ :1!?

時雨 :2ラウンドあるからね

時雨 :一応命乞いしとこ

GM :ではまずプロット4

真白ももあ :なにもしません 時雨さんどうぞ

GM :では次1

時雨 :なにもしません 第二ラウンド行きましょう

真白ももあ :なんやこれ

GM :流れます、再びプロットをどうぞ

真白ももあ :OK!!

時雨 :OK!

GM :ではいきます3

GM :

GM :

GM :

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

○戦場:雑踏

<プロット4>

(ももあ、時雨)

時雨 :よし 先ももあさんですね

真白ももあ :あ~私から宣言なんだっけ……

GM :同プロット、なにやら肉薄が適応されるらしいです。

時雨 :そうだった……

真白ももあ :脱落宣言しようと思ってたのだが……

真白ももあ :それだととれないのよね忍具が

GM :>>同時攻撃の処理中、自分と同じプロット値のキャラクターを 攻撃の目標に選んだ場合、その回避判定にマイナス1の修正が つきます。これを肉迫修正と呼びます

時雨 :そうなんですよね~

GM :らしいです、よろしくおねがいします。

真白ももあ :でも忍具と情報どっちほしい?って言ったら情報だろうから

真白ももあ :脱落宣言していい?

時雨 :う~ん 遁甲符取れたら

時雨 :あげるよももあさんに

真白ももあ :まじ~~~~???

時雨 :この後戦闘だしね

GM :宣言オッケー。

真白ももあ :じゃあ脱落宣言やめてもいいですか?

GM :おっけー

真白ももあ :脱落せずに静観しましょう……

時雨 :じゃあ……ももあちゃんに災雷撃つね

真白ももあ :兵糧丸も別に欲しかったが……まあいいでしょう

真白ももあ :はい……

時雨 :兵糧丸は渡してるよすでに

真白ももあ :このまま命が削られなければもうけたってこと!

時雨 :判定します

GM :まあその場合戦場変更は発生しませんが。

GM :どうぞ、ゴー。

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功

真白ももあ :今雑踏だから……悪天候になりますね

真白ももあ :よけません……

時雨 :当たればね

真白ももあ :顔はやめてね

時雨 :よっしゃあ! おなかにするね♡

GM :というわけで回避放棄。

真白ももあ :戦術のおなかで受けましょう

時雨 :射撃1点です。

時雨 :災雷の効果で戦場を悪天候に変更。

時雨 :奥義を使用します。『輪転舞台甘瓦』

時雨 :奥義破りする?

真白ももあ :しません!

時雨 :よし! 【掛矢】を使用します

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

真白ももあ :あぶな

時雨 :成功!

時雨 :危ない本当に

時雨 :雑踏のままだったらファンブル

時雨 :というわけで遁甲符ゲット あとで花束と一緒に送るね♡

真白ももあ :ありがと♡

GM :成功だぜ、ではダメージが発生したためPC3は脱落。

system :[ 時雨 ] 忍具 : 5 → 6

GM :勝者のPC1は戦果の選択をどうぞ。

時雨 :真白さんの秘密を戦果にいただきます。

時雨 :セイ君に感情共有。

時雨 :確認しました。

GM :お渡ししました。

GM :では演出にいきましょう。


GM :===

GM :ミラーボールが周囲を狂ったように照らし回る。

GM :ハードでヘビーなリズムがフロアを揺らす。

GM :そうして、アイドルが動いた――

時雨 :「朝の無い繁華街 四季の無い胡乱な街」

時雨 :「君の視界に私はいなくて 私の未来に何があるの?」

時雨 :深く刺すようなシャウト! これが『混沌』で身につけた、存在感をアピールする低音だ!

時雨 :「ねぇ、金輪際もう不承?」

時雨 :「精魂尽きて、果てはオークション?」

時雨 :「抵抗するわ、叫ぶ21グラム!」

時雨 :熱をそのままぶつけるかのような声。観客をも飲み込むパフォーマンスがここにあるのだ!

ダーク・ファン :「うおぉぉ!なんてリリックだ!」

ダーク・ファン :「このパンチライン、どう応えるッ!?」

真白ももあ :ミウとエルナのライブに乱入した時雨たちのライブバトルを見て、自分のしてきたものとは違うのだと認識していた。

真白ももあ :そしてこの違法アイドルバトル場は輪をかけて。

真白ももあ :暴力の振るいあいだ。

真白ももあ :真白ももあは何もしない。ただ見ている。

真白ももあ :怖気づいたのではない。

真白ももあ :――ここは私のステージではない。

真白ももあ :「前に進むために、結果として誰かを傷つけることになっても」

真白ももあ :「自分から誰かを傷つけようと思ってしたことで結果的に自分が良い思いをするのとは、結果だけ見たら同じでも全然違うから」

真白ももあ :歌わない。――が、それはパフォーマンスの放棄ではない。

真白ももあ :真白ももあが、ただそこに立っている。

真白ももあ :それだけで。ミラーボールのギラギラとした輝きよりも、眩い輝きが存在する。

真白ももあ :「心に残りたいなら」

真白ももあ :「爪痕を焼きつければいい」

真白ももあ :「おいで」

真白ももあ :無防備に腕を広げる。

ダーク・ファン :「な、なんだとぉ!?」

時雨 :「……!」

時雨 :「ここで、貴方と戦えた」

時雨 :「その類稀なる機会に、感謝を」

時雨 :「私を飲み込み、傷つけ、育て上げてくれた混沌に、来てくれて」

時雨 :「ありがとう、真白ももあ!」心からの叫びをあげ、ももあさんに抱き着く。

時雨 :その耳元で囁く。

時雨 :「すみません、もう……立っているのも限界でした」

時雨 :「私に歓声をくれたこと、感謝します」

真白ももあ :「そ、そんな無茶を……?」

真白ももあ :「言ってくれれば……ボイトレとかダンス見るくらいしたのに……?」

時雨 :「はい、無茶……フフ、私が無茶を!」

時雨 :「嗚呼、楽しいですね……!」

GM :パフォーマンス炸裂!!

はぐれアイドルたち :「血だ!ももあの血だぁ!神の血だ!!」

はぐれアイドルたち :「浴びろ浴びろご利益があるぞぉ!!!」

時雨 :ももあさんに倒れこむようになって動けません。

真白ももあ :隠しもっていた小さなナイフで、観客から見えないように自分の腹を切っていた。

真白ももあ :どちらかが血を流さないと、納得しないだろう。

闇レフェリー :「勝負アリィィィ!!!」

真白ももあ :「……やっぱり、痛いね」

真白ももあ :時雨さんを抱きしめる。

真白ももあ :「あなたの勝ちだよ」

闇レフェリー :「ウィナアアアアッ!シッ・グッ~~~~~~~~~~~ゥゥゥル!!!!!」

闇オーナー :「げひぇひぇひぇよくやったぁよくやったぞぉ!!」

闇オーナー :「客の大半はももあに賭けた、大儲けじゃわ~~~い!!!」

GM :多くの客の手元で賭け札がゴミへと化した、だが彼らの表情に不満はない。

GM :この地下ライブハウスはじまっていらいの伝説、その目撃者になれたのだから……

真白ももあ :「私はね、もっとたくさんのアイドルやりたい人がアイドルやれるようになったらいいなって思ってるんだよ」

真白ももあ :聞こえているのか、時雨さんの耳元へ囁く。

真白ももあ :「だから時雨さんが……こんなになるまで頑張ってくれて嬉しいし、その努力に敬意を表します」

真白ももあ :「……だけどやり方はもうちょっと考えたほうがいいんじゃないかな?」苦笑して、肩を貸しながらリングを降りる。

時雨 :ざあざあと、雨のような──

時雨 :──体内をめぐる熱い血のような音が、後には残されて、歓声に溶けて消えた。

GM :===

サイクル2:合馬桜華

GM :それでは次の手番へ、おいでませPC4!

合馬桜華 :はーい

GM :登場希望PC/NPC、シーン内容、使用シーン表を教えてね

合馬桜華 :ちょっと登場指定をする前に、交渉を

GM :はいはい、なんでしょう

合馬桜華 :セイくん、今から調べるPさんか淀沼さんの情報を感情で流すので、それを条件にももあさんの秘密いただけませんか?

明日葉 セイ :おーっと

合馬桜華 :これなら取得じゃないんで他の人にバラ撒かれずにセイくんだけの情報になります

合馬桜華 :+αでエルナちゃんの情報も投げる用意はあります

明日葉 セイ :そうですね。了解です。そちらいただけるならももあちゃんの情報、お渡しします。

時雨 :自分とももあさんがシーンの端っこに出たいです

合馬桜華 :との事なんですが、RPもしないPCさんの登場だけ宣言って可でしょうか

合馬桜華 :可ならこっちがはじめる前にやる事だけ済ませてもらう形で

GM :あんま行儀良くはないけど可っちゃ可ですね

真白ももあ :完全にシーンプレイヤーの好意に甘える形ですけどね。これが大丈夫なら感情修正投げるために形だけ登場でRPはしませんもできるようになりますね

真白ももあ :私はそういったことをよくしてもらっていました

合馬桜華 :なるほど、それならえっと

合馬桜華 :……?

合馬桜華 :……ぜ、全員出てって事になる……

真白ももあ :全員集合だ

合馬桜華 :ああいや、受け渡しあるからセイくんでいいのか、感情修正は一人だけだもんな

時雨 :8時だよ

明日葉 セイ :自分は大丈夫ですよ

紅海月 :わしでる? でる?

合馬桜華 :そういえばメインで全員揃ったシーンがまだ無い

合馬桜華 :じゃあそういう形でお願いします、で 行動は

GM :はいな

合馬桜華 :淀沼さんの秘密抜きに行きます、シーン表は異街で

合馬桜華 :そんで登場で上の通りで、受け渡しある方は先にやってもらえると

GM :了解、ではシーン表の判定をどうぞ、2d6です

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 10[5,5] > 10

GM :あ、これはちょっと前回の特殊ギミックに関わるやつなので

GM :振り直しでお願いします、そーりー

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 8[4,4] > 8

合馬桜華 :あっ

GM :アハハ

GM :8.暗黒街へ足を踏み入れてしまった、追い剥ぎがあなたを狙う!あなたの得意分野を選びランダムで決定した特技で対抗、失敗すると生命点を1減少させる。

GM :被ったので一度の振り直しを認めます。

合馬桜華 :なおします

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10

合馬桜華 :こんな事ってある?

GM :笑ってる

合馬桜華 :もう一回!

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 9[3,6] > 9

合馬桜華 :ホッ。 これで8だったら困るよ

GM :9.異街の昏い海を眺め、"外"へと思いを馳せる。あなたが抱くのは郷愁か、見知らぬ世界への夢想か。

合馬桜華 :海辺で淀沼さんと会話します

真白ももあ :じゃあ描写とか始める前に処理だけすませちゃおうかな?

GM :了解。

時雨 :では、先に済ませておきます

GM :ヤッチャッテ

合馬桜華 :どうぞ

時雨 :海辺でももあさんと海水浴をします。背中にオイルを塗ってもらえるかな~?

真白ももあ :ぬってあげる~♡

時雨 :と手渡したサンオイルの中に遁甲符が!!!

真白ももあ :やった!!!!遁甲符を抜いてサンオイルをぬります。

system :[ 真白ももあ! ] 忍具 : 3 → 4

時雨 :ぬりぬりされつつ退散します 以上

system :[ 時雨 ] 忍具 : 6 → 5

真白ももあ :以上!ありがとうございました~

GM :では参りましょう。


GM :===

GM :港に船が着く。

淀沼九皐 :慌ただしく駆け出していく比良坂機関の草たち。

淀沼九皐 :帳簿を片手に積み荷を仕分ける。

淀沼九皐 :「まったく、もはや金であの吸血鬼を何とかできる次元にはないのだ」

淀沼九皐 :「だが、予算が降りてしまった以上はそれを使わねばならぬ」

淀沼九皐 :「難儀なものだな、そうは思わないか?合馬」

淀沼九皐 :振り返り、言う。

合馬桜華 :「宮仕えも相応の苦労があるんだなって、思います」軽く頭を下げて

合馬桜華 :「上の人も、現場の人も……お金でなんとかなるならソレが一番だと思うけれど」

合馬桜華 :積み荷を仕分ける忍者たちを横目に見ながら

淀沼九皐 :「金はまだ余っているのだ、合馬、お前ここで散れば、そうだな」

淀沼九皐 :「見舞金という形で"魃"にいくらか割いてやれるぞ」

淀沼九皐 :「そしてそれは奴らが今後の身を振る上で助けになるだろう」

合馬桜華 :「それは……後顧の憂いなく、全力出しに行けますね」

淀沼九皐 :冗談かどうかもわからぬ冷たい目、口元を笑みに歪め。

合馬桜華 :「ありがとう、ございます」

合馬桜華 :こっちも笑って返して

合馬桜華 :「死にたくないヤツの方が、死を背負ったやつより強いと思ってるんで、最終手段ですけど」

合馬桜華 :手数は多いに越した事なし、最悪なのは何もできないことだ

淀沼九皐 :「感謝を述べるか、ならせいぜい派手に逝け」

淀沼九皐 :「そうか、合馬」

淀沼九皐 :「だが覚えていくのだな、死にたくないヤツの方が、死を背負ったやつより強かろうがなんだろうが」

淀沼九皐 :「結局、死ぬかどうかに強さは関係がないのだ」

淀沼九皐 :「強さ故に死を引き寄せる者もいる」

淀沼九皐 :「弱さ故に死ぬ者もいる」

合馬桜華 :「……世界はいつも理不尽で、どっちに行ってもどうしようもない」

合馬桜華 :「それでも、足掻かなきゃ」

淀沼九皐 :「それは愚か者の言うことだな」

淀沼九皐 :「理不尽という言葉に預けて、諦めている、惰弱なやつの台詞だ」

淀沼九皐 :「賢明であることだ、結局の所、それしかないのだよ」

合馬桜華 :「……」

淀沼九皐 :「いいか、この世界は考えることを止めたものから死んでいく」

淀沼九皐 :「お前は、先を見ているか?」

合馬桜華 :「先を?」きょとんとした表情で

淀沼九皐 :「ヴルフを倒すことの意味を、意義をその小さな頭で確りと考えてはいるのか?」

淀沼九皐 :「忍務に忠実なことは、なるほど忍びの美徳だろう」

淀沼九皐 :「愚かな美しさだ」

淀沼九皐 :「私には使命感がある」

淀沼九皐 :「この世を守る、その手段を謗るものもいるだろう」

淀沼九皐 :「だがこれは、私の信念の元に行われる行動であり」

淀沼九皐 :「故に生であると宣言する」

合馬桜華 :「そうですね。 ウチも、淀沼さんみたいな戦い方は正しさの一つだって思います」

合馬桜華 :「……隊長を倒す意味、意義……」

合馬桜華 :「……心に留めておきます」

淀沼九皐 :「何も大義名分を得ろと言っているのではない」

淀沼九皐 :「その行為の果てに、お前が何を得るつもりなのだということだ」

合馬桜華 :「……」(あれ)

淀沼九皐 :「そういうことを、考えることもできない無能がこの世にはいくらでもいる」

淀沼九皐 :「哀れでならないな」

合馬桜華 :(もしかして、将来の心配をされている……!?)

淀沼九皐 :「しかし私は慈悲深い、そういう奴らを使ってやるのが私の仕事だ」

淀沼九皐 :「お前も無能な犬ならば、私に媚を売るが良い」

淀沼九皐 :「それを覚えておくことだな」

合馬桜華 :「憶えておきます……えっと、ありがとうございます」ちょっとムカっとはくるが、なんというか調子が狂う男だ、と思いつつ

合馬桜華 :その言葉から滲み出る感情と裏にあるものを読み取る


合馬桜華 :言霊術で情報判定振ります

GM :どうぞ!修正はあるのかな

合馬桜華 :いただけるのであれば

紅海月 :えいっ!+1!

明日葉 セイ :あ、自分も投げます?

紅海月 :それは!

紅海月 :うん……(何?)

合馬桜華 :海月さんが欲しいのね

明日葉 セイ :ちゃんとはっきり言ってごらん……?(?)

紅海月 :せ、セイちゃんの修正ほしいですぅ……

合馬桜華 :じゃあこっちはいいでーす、海月さんのシーンに投げに行きますねウチ

明日葉 セイ :はい、じゃあ保留!

紅海月 :ありがてえ……

合馬桜華 :では判定振ります

GM :はいよー

合馬桜華 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 6[1,5]+1 > 7 > 成功

GM :成功、では秘密を差し上げます。

紅海月 :さすがじゃ!

紅海月 :わしもみれるぜ~!グヘヘ

明日葉 セイ :あ、自分ももらえる! やったー

合馬桜華 :どーぞー

GM :お配りいたしました

紅海月 :うけとりました。どもども

明日葉 セイ :受け取りました!

真白ももあ :セイくんは私の秘密を桜華ちゃんに渡すのかな?

明日葉 セイ :そうですね。提案通り差し上げます。

合馬桜華 :あ、可能ならば処理だけここでお願いしちゃいましょうか

合馬桜華 :わーい

明日葉 セイ :ももあちゃんの秘密を桜華ちゃんに渡します。

真白ももあ :では感情共有で紅海月さんにもいって、オープンになりますね。

紅海月 :わ~い

GM :了解。オープン!

真白ももあの秘密

あなたは比良坂機関から秘密の忍務を受けてここにいる。

先んじて異街へと潜入調査を行っていた対吸血鬼の忍び集団【魃】の副隊長ハム、

彼女により千十嵐リンネへの対抗手段である【ビリジアン・ブルース】という存在が明らかになった。


あなたの【本当の使命】は【ビリジアン・ブルース】を入手し、それを持ち帰ることだ。

合馬桜華 :(……そっかぁ)

合馬桜華 :水平線上を揺れる波を視線が追う、波間に名状しがたき何かが見えた気がするが気にしない。

淀沼九皐 :その"言葉"に込められた術に気づく。

淀沼九皐 :「なるほど、この私に何の用かと思えば」

淀沼九皐 :「奪ったか……」

淀沼九皐 :「実に結構、調べるべきを知る勘があるわけだ」

合馬桜華 :「これも"使える"って見せる一環には、なりますかね?」

合馬桜華 :(なんか、副隊長とか隊長とか、千十嵐リンネとか)

合馬桜華 :(____終わったら、全部終わりって思っちゃってたかも)

淀沼九皐 :「お前は今まで実に狭い世界の中で生きていただろう」

淀沼九皐 :「あの小さな集団の偏った価値観の中で」

淀沼九皐 :「ただただ、依頼のあった妖魔を殺す、殺し続ける」

淀沼九皐 :「それだけで良かったはずだ」

合馬桜華 :「……そうですね。入ってからずっと、それでした」

淀沼九皐 :「だが、"親"であるヴルフとハーミィルはもういない」

淀沼九皐 :「巣立ちの出来ぬ雛は、ただ死ぬのみ」

淀沼九皐 :「あるいは、人間に愛想でも振りまいて別の籠の中で生きるか」

合馬桜華 :「___だったら、丁度良かった」

合馬桜華 :「ウチはきっとこの街に、独り立ちしに来たんです……全部終わらせて」

淀沼九皐 :「お前は今、己の意思で奪った」

淀沼九皐 :「巣を離れ、ひとりで狩りをしたわけだ」

淀沼九皐 :「まあこれしきで浮かれていたら、先は長くはないがな」

淀沼九皐 :「いちばん"死にやすい"時期だ」

合馬桜華 :ライブバトルちゃんと見ていてくれたんだなと思うと、言い知れぬ恥ずかしさと嬉しさと……何だろうこの感情は

合馬桜華 :「はい、浮かれず次に備えときます」

合馬桜華 :"そんな事"を許してくれないあたりも、この街の良い所かもしれない

淀沼九皐 :「全く、調子が狂うよ」

淀沼九皐 :「若さとは、実に愚かなものだ」

淀沼九皐 :「合馬、お前はここで死ぬ、おそらく、いやほぼ間違いなくだ」

合馬桜華 :「……」一度も見せたことのない、複雑な笑みで返す

淀沼九皐 :「私の言葉で、希望を持たせたくはないのでな。申し訳ない」

合馬桜華 :(___お見通しかぁ)

合馬桜華 :「良いですよ、そっちの方がひっくり返った時盛り上がるし……会ってたら正しいし」正確な予測であるからこそ

淀沼九皐 :「これに乗って、帰れと言ったところでお前のような愚かな若者は首を縦には振らんだろう」

淀沼九皐 :背後の、船を示し。

淀沼九皐 :「なるべく後始末が楽なように散るが良い」

合馬桜華 :「なるべく派手にやってやりますよ」

合馬桜華 :ニヒヒと笑って

淀沼九皐 :本当に、調子が狂う。

合馬桜華 :「___ありがとうございます」小さく呟く

淀沼九皐 :「(全く嫌気がさすな、自分の慈悲深さには)」

淀沼九皐 :おかげで、いらぬ希望を与えてしまうところであった。

淀沼九皐 :焼きが回ったか。

合馬桜華 :……希望を、もらった気がした。

合馬桜華 :(もしも、全部が終わって)

合馬桜華 :(それでも私が、生きていて良いんだったら)

合馬桜華 :(____この街で、生きてみたい)

合馬桜華 :船を背に振り返る、都市の光は眠る事はなく、宝石のように輝いていた。

合馬桜華 :(あの人たちや、あの子たちみたいに)

合馬桜華 :店で見た彼ら、裏路地で襲い掛かってきた彼女ら

合馬桜華 :ステージで見た異形の幼女に、異能の少女

合馬桜華 :変幻の存在に、己が生き様を貫く人、太陽のような生き方をする人

合馬桜華 :誰かのように生きて____

合馬桜華 :淀沼に礼をして、歩きだす

淀沼九皐 :「どいつも、こいつも言うことを聞きはしない」

淀沼九皐 :去っていく背中に、届くはずもなく。

淀沼九皐 :「この私の仕事を増やすだけ」

淀沼九皐 :「挙句の果てに、恨み言」

淀沼九皐 :「中でも満足そうに死んでいくやつなぞ、最悪の極みだ」

淀沼九皐 :「貴様らは愚かなのだから、私に使われていればいいものを」

淀沼九皐 :「どうしてそう命を賭けたがるものか……愚か、愚か、不快でならない」

淀沼九皐 :「私は、我々は生き残る」

淀沼九皐 :「たとえ、それがどのような形であろうとも」

淀沼九皐 :「たとえ、それが勝利でなくとも」

淀沼九皐 :「敗北でなければ、それで良しとする」

淀沼九皐 :眺める。

淀沼九皐 :「異街か……」

淀沼九皐 :「まったく、くだらない街だ」

GM :===

サイクル2:紅海月

GM :では、参りましょう。

GM :来な!PC5!

紅海月 :おうッ ワシだ!

GM :登場希望、シーン内容、表を述べなさいな!

紅海月 :登場希望は……明日葉セイ!

明日葉 セイ :はあい

紅海月 :並びに合馬桜華!そして……可能ならハーミィル・ムゥ・ムールことハム!

合馬桜華 :はーい!

ハーミィル・ムゥ・ムール :リリリリ

紅海月 :鳴っているぜ 歓喜の呼び出しコールが

紅海月 :で、シーン内容は桜華ちゃんの要請に応える感じで、プライズのなんやらがあったり

紅海月 :セイちゃんとはサイクル1での約束のあれこれを話したりします。

紅海月 :たぶん、どちらかの秘密を抜きにいくことになるかな。

紅海月 :表は……アイドルシーン表!カモン!

GM :了解!振りな!!

紅海月 :2d6 (2D6) > 6[1,5] > 6

GM :6.本番前、空っぽのステージの上。あなたは何を思うのだろうか。

GM :被ったので一度振り直しおっけー

紅海月 :あー。悪くないんじゃけどセイちゃんのでもやったなあ。

紅海月 :うし、振り直すか。

紅海月 :2d6 (2D6) > 7[2,5] > 7

GM :あは☆

紅海月 :なにぃ……?

紅海月 :こわいよぉ……

GM :7.野良試合を挑まれる、腕の見せ所だ!あなたは「簡易戦闘」を行う。

紅海月 :?????????

GM :桜華ちゃんが一度引いてたやつよぉ

紅海月 :イビられるじゃん!

GM :では……やっていきましょうか。


GM :===

GM :†暁†。ことあなた紅海月はフェス参加アイドルの合同ミニライブ、握手&サイン会の会場へとやってきていた。

GM :持ち回りで一曲ずつのパフォーマンスを終え、現在スケジュールは握手&サイン会へ。

紅海月 :「(しかし、改めて)」

紅海月 :「(またこちら側に立つことになるとはの)」

GM :異街住民のフェスへの意欲はなかなか強く、なかなかの列ができている。

紅海月 :「うむ、盛況盛況」

:「ウケる、参加権結局ゲットできてないのに席あるし」

:「頑張ってくださ―い☆」

紅海月 :「あん!?」

紅海月 :「ありがとのう! かかかっ。儂ぐらいになるとよう、もうそういう次元じゃねえのよ」

:「ちゃんと勝ち上がって優勝してくれっちょ」

紅海月 :「本選にどう出るかではなく。本選で、どう楽しませようか」

紅海月 :「そう、頭を悩ませているレベルよ」

:「したらこのサインCD売るから、オークションで」

紅海月 :「コリャ! 名前書いちゃる!」

紅海月 :「えーと……ぴちぴち巨乳ギャル狐ちゃんへ、と」

:「やだぁ~~売値が下がっちゃう~~」

:きゃいきゃいとCDを受け取って退場!

紅海月 :「気いつけて帰れよ~」

紅海月 :「かかかっ。ちょっとばかし邪な想いが見えたが」

紅海月 :「まだまだ儂も捨てたもんじゃねえな! かかかっ!」

客2 :「……ソノ、アノ……(極小音量)」

客2 :次の客は、なにやら様子がおかしい。

客2 :「……ゼ」

紅海月 :「おう、悪い悪い。お待たせ……む?」

紅海月 :「なんじゃ? 落ち着いて言うてみ」

客2 :「……ゼダ、……何故!?このような場所で!!!!!(爆音)」

紅海月 :「うおっ!」

客2 :チェックの上着に、バンダナ眼鏡。フル装備に身を固めた客。

客2 :タンクトップをパツパツに押し上げる筋骨隆々の肉体!

紅海月 :「(マツや初対面の時雨のようなオールドスタイルじゃな、こやつ)」

客2 :あなたはその顔に見覚えがあった。かつての面影は薄いがーー!!

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「紅氏!!!!拙者の顔を忘れたっ っとぁっ!!!言わせンヌでござるよ!!!」

紅海月 :「あれ……お前さん……」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「てっきり……博打でやらかして海の底へ沈んだものかと」

紅海月 :「"ヲ仙"じゃねえか! あんだ、その肉! 見違えちまってわからんかったよ」

紅海月 :「かかかっ。海月が溺れてたまるかよ」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「仇敵だというに、憎くてたまらないライバルだと言うに……紅氏が姿を見せないものだから……」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「拙者、張り合いを無くしすっかり筋トレなんぞに目覚めてしまったでござる!!!!」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「このタワワに育った肉体の責任を……今日はとってもらいにッ!!!ン来た!!!!」

紅海月 :「そりゃあ、悪いことしたのう……したか?」

紅海月 :「責任つったってよ、お前さん」

紅海月 :「何しようってんだよ。今からライブにでも連れ立つか?」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「五月蝿い!!羨ましい!!!毎日アイドルちゃんと近距離で!!!」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「全オタクを勝手に代表し……ソノ首取らせてもらう!!!!!」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :言うやいなやパンプアップ!!

紅海月 :にやり、と笑って。「なるほど。やはり、それだよな」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :肉は服を引き裂き膨れ上がる!咆哮!躍動!

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :行き場を無くした情熱が君へと襲いかかってくる!

紅海月 :「丁度、いい機会かもしれねえ」

紅海月 :「"アイドルオタク"として。ケジメの着け時の」

紅海月 :「のう!」


GM :それではやってきましょう。

GM :では分野指定。

GM :2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5

紅海月 :戦術かしら?

GM :戦術の

GM :あ、いやミスってる

GM :1dだ、最初の2を採用します

GM :体術の

紅海月 :ゲッ

GM :2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3

GM :砲術ですね。

紅海月 :ちと高いな…

GM :判定に失敗すると射撃1ぶんのダメージ。

紅海月 :やじゃあ……

GM :"高プロット宣言"を行うことで、失敗時のダメージに+1のリスクを負い、達成地に+2の修正をかけることが可能です。

紅海月 :かけよう。

紅海月 :高プロット宣言するぞ。

GM :修正は無しかしら?

紅海月 :いらん!

紅海月 :これは儂とヤツの戦いだ

GM :では振りな!

紅海月 :2D6+2>=7 (判定:絡繰術) (2D6+2>=7) > 7[3,4]+2 > 9 > 成功

合馬桜華 :見事

紅海月 :悪いなヲ仙……

GM :成功!

明日葉 セイ :やったぜ


異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「ウオオオオオ!!!」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!!!」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :掛け声とともにテンションをアゲていく!

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :次の瞬間、弾丸のように"ヲ仙"の身体が射出された!!

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「拙者と一緒にここで死ねェーーーー!!!」

紅海月 :恐ろしいほどの速度で迫りくる仇敵を前に。

紅海月 :男は。背広に手をかけて。

紅海月 :脱いだそれを闘牛士が持つマントのように構え!ひらりと身を躱す!

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「ンンオッ!??」

紅海月 :次いで、同時。手に握りしめた幾本ものサイリウム! "ヲ仙"が包まったマント目掛けて砲出!

紅海月 :幾重にも重なるその色の輝きは。

紅海月 :「忘れもしねえ」

紅海月 :「七十二時間・限界耐久・愛獲応援安行」

紅海月 :「共に飲まず食わず、寝る間も惜しみ」

紅海月 :「声を枯らして血反吐を吐いて、ブっ倒れるまで愛を叫んで」

紅海月 :「同じ光を見た同志のことはよ」

紅海月 :そっと"ヲ仙"の肩を抱き。

紅海月 :「憤るお前さんの気持ちは、よう分かる」

紅海月 :「アイドルオタクを卒業したつもりは、無ぇからな」

紅海月 :「だが、同じくらい、今の儂は」

紅海月 :「"真剣(ガチ)"さ。アイドルに」

紅海月 :「それでも、儂のことが許せねえなら、殴るなりなんなり好きにしろや」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「……」

紅海月 :「だが、どうせならよ……」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「本当は……怖かった」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「ただひとりで、トップを走り続けることが……」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「紅氏は、こんな恐ろしい立場にいたのでござるな……」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「拙者は……筋トレに、逃げたのでござるよ……」

紅海月 :「頂上は、いつだって孤独なもんさ」

紅海月 :「だが、お前さんはちゃんと正直に。儂に向き合ってくれたじゃねえか」

紅海月 :「嬉しく思うぞ」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「CD……良かったでござるよ……」

紅海月 :「かかっ。ありがとよ」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「最終日、出ないと許さないでござるよ……」

異街No2ドルオタ"ヲ仙" :「最前列へ駆けつけてやるでござる……前日から」

異街No1ドルオタ"ヲ仙" :「何故なら、拙者最早、異街ナンバー1のドルオタであるからして」

紅海月 :その言葉に、少々寂しそうに笑って。

紅海月 :「うむ。なら……百人力じゃの!」

紅海月 :「間近で目撃しろや! かつての仇敵が」

紅海月 :「ナンバーワン・アイドルになる様を、の!」

異街No1ドルオタ"ヲ仙" :「フッ……推せるぜ」

白髪のガード忍 :「心温まる交流してるとこ悪ィんだがな」

白髪のガード忍 :「退場な。暴れたから」

紅海月 :「………」

紅海月 :「すいません………」

異街No1ドルオタ"ヲ仙" :「あーこれこれ!磨羯の禁固室も久しぶりでござるなあ~~~」

異街No1ドルオタ"ヲ仙" :笑顔で連行されていく。

白髪のガード忍 :「オラ行くぞ! 面倒かけさせやがって!」

異街No1ドルオタ"ヲ仙" :「杉っち殿、なんか痩せた??今度リンネ様どこでやるのか教えてくれないでござる??」

異街No1ドルオタ"ヲ仙" :声が遠ざかっていく。

白髪のガード忍 :「自分で調べろ! 大体警備と顔見知りになってる時点でなァ……!」

白髪のガード忍 :ぼやきながら男を連行していく。

紅海月 :「達者でのう~~」

GM :一波乱があったものの、手慣れた磨羯一家のスタッフにより進行はまたたく間に元通り。

GM :こうして無事に握手&サイン会は幕を閉じたのであった。

GM :会場のロビーでは、呼び出した2人が既に待っていた。

GM :襲撃により少々待たせてしまったかもしれない。

紅海月 :アイドル時のスーツ姿とは打って変わって。いつもの和の装いで。

紅海月 :「悪い悪ぃ、てめぇから呼び出しといてよ」

紅海月 :「つい旧交を膨らませすぎちまった」

明日葉 セイ :「お疲れ様です!」

明日葉 セイ :背の高い、かわいらしいシャツにネクタイ姿の少年。

合馬桜華 :「凄かったです!」

合馬桜華 :その隣で、背の低い着崩した制服姿の少女がパチパチと拍手している

紅海月 :「えっうそ。見てたの……?」

紅海月 :恥ずかしげに頬を掻いている。

合馬桜華 :「ばっちし見てました」

明日葉 セイ :「見てましたー」

明日葉 セイ :「良かったですね、お知り合いとお話できて」

明日葉 セイ :その前段階も見ていたはずだが。

紅海月 :「うむ、うむ。切っても切れぬが腐れ縁」

紅海月 :「ま、会えてよかったよ。本当に、のう」

明日葉 セイ :「ふふ」

合馬桜華 :「いい友達ですね」

明日葉 セイ :にこにこと紅海月さんの方を見ている。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[え?そう?やだなああんな友達]

合馬桜華 :「戦って通じ合える間柄……ちょっと憧れちゃう」

ハーミィル・ムゥ・ムール :桜華の胸ポケットから、喋る電話

明日葉 セイ :「わっ、びっくりした」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あ、どもども、電話でっす]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[よろしくね~~]

明日葉 セイ :「電話さん……?」

紅海月 :「共に死線をくぐり抜けたいわば戦友に対しこやつ……」

紅海月 :「おっ、そういえば。セイはハミ見るの、はじめてか」

合馬桜華 :「あ、ウチの上司なんよ」

明日葉 セイ :「はじめて……ですね」

合馬桜華 :と、携帯を見せて

明日葉 セイ :「上司? え、妖精さんみたいなのじゃなくて?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[上司型・フォンです]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[最近の電話はハイテクだからね~~]

ハーミィル・ムゥ・ムール :アナログ感に満ちた姿で喋り続ける。

明日葉 セイ :「フォン型ではないんだ……」

明日葉 セイ :「あ、えっと、よろしくお願いします。明日葉セイです」

紅海月 :「まあ、成りこそ、もの珍しくなっちまったが」

紅海月 :「コミュるに影響はないしの」異街ではさほど気にすることでもない。

明日葉 セイ :「そうですね、じゃあお話できる電話さんってことで」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そういう感じそういう感じ、よしなに]

合馬桜華 :なぜかあわせてお辞儀している

紅海月 :「うし。で……そうさな。本題に入ろう」

明日葉 セイ :「あっ、はい」

紅海月 :「まず……桜華の件からか」

合馬桜華 :「はい、本題」

紅海月 :「最も。呼び出したのは、儂だけどよ」

明日葉 セイ :(……桜華ちゃんが呼ばれた理由……)

紅海月 :「何か聞きてぇことがあるのは、お前さんの方じゃねえのかな」

紅海月 :目を細めて問う。

合馬桜華 :「……そう、ですね」緊張した面持ちで息を吐いて

合馬桜華 :「ウチは、あのライブバトルが終わってからようやく、海月さんの人となりを知りました」

合馬桜華 :「『異街最強の地下アイドル』という伝説であり、『異街最強のアイドルオタク』でもあった人……」

紅海月 :こそばゆそうに頭を掻いて。

合馬桜華 :「そんな人が、仮初とはいえ信を置いてくれたこと、すっごい嬉しいです」

紅海月 :「アイドルに惹かれた少年少女の手を導いてやるのも、オタクの務めじゃからの」

紅海月 :気にするな、とばかりに手をぷらぷらと振る。

合馬桜華 :「おかげさまで、色々なモノを知る事が出来ました」

合馬桜華 :にっこり笑って

合馬桜華 :「この街の事とか、善い好敵手の事とか」セイの方をチラと見て

明日葉 セイ :ちょっとはにかむ。

合馬桜華 :「だからこそ……お願いがあるんです。」

合馬桜華 :「ウチは知りたい、この煌びやかな空間の裏で何が起きているのか……何が起きるのか」

合馬桜華 :「自分に何が出来るのかを」

合馬桜華 :「ウチは新参者です、無関係だって目を背けて我が道に夢中になってもいいのかもしれない」

合馬桜華 :「ほっといても誰かが何とかしてくれるかもしれない、だけど……」

明日葉 セイ :「…………」その言葉をじっと聞いている。

合馬桜華 :「そうはしたくないって思ったんです」

合馬桜華 :「この場所が好きだから」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[新参者っていうかさ、部外者だかんね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[桜華ちゃん大丈夫?ちゃんと目的が見えてるかなぁ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[まあ、僕があれこれ言える立場じゃあないけどね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[皆に後始末の迷惑をかけちゃってる身だからさ]

合馬桜華 :「もちろん忘れてないです、ウチはウチのする事をやります」

合馬桜華 :と、あかつき。と目を合わせ、まっすぐに見つめながら。

紅海月 :暫く押し黙って。噛みしめるようにその言葉を聞き届けたあと。

紅海月 :「桜華」

紅海月 :ぽつりと零す。

紅海月 :「お前さんが。この街を好きと伝えてくれたこと」

紅海月 :「今も尚。アイドルを心から楽しみつつも」

紅海月 :「自身の使命も全うせんと、ひたむきな努力を止めぬその姿」

紅海月 :「心から敬意を表しよう」

紅海月 :「だが」

紅海月 :「本心から言えば。儂は、信用しておらん」

紅海月 :「"合馬桜華"を。ではない」

紅海月 :「お前さんの上にいる者たちの思惑をだ」

合馬桜華 :「……」

明日葉 セイ :(……上)

紅海月 :「"魃"と言ったか。今は……実質的に。比良坂の、とある男の下に属しているんだったか」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[まだ、形式上はあれの下ってわけじゃないけどね]

明日葉 セイ :微かに長い睫毛を瞬かせ、耳を傾けている。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ここで成果をあげるとそれを回避できるってんで僕ら頑張ってるわけさ]

合馬桜華 :頷く

紅海月 :「頑張りすぎた結果がそれかよ。ったく」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[これも愛嬌があっていいだろう?可愛い電話ちゃんだよ]

紅海月 :「あやつの目的。……儂は知ってしまったからの」

紅海月 :「おそらく。セイも」

明日葉 セイ :(ああ……ハミ……ハムって、もしかして。そうか)

明日葉 セイ :「……はい。その話は、きっとそうだと思います」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ま、それについては僕も共犯さ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[いや主犯と言っていいかな]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[情報を調べ上げ、計画書の雛形を作ったのは僕だからね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[まああくまで案のひとつ、だけど]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[比良坂はそれを選択したわけだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[実際、いい手だと思うよ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[千十嵐リンネという敵の強大さを考えると、打てる手があるってこと自体、運がいい]

合馬桜華 :「副隊長……」

紅海月 :「正気かよ」吐き捨てるように。

明日葉 セイ :「……そう思う、人たちがいるのはわかります」

紅海月 :「一時は、共にアイドルについて語りあった仲じゃったのに、のう」

明日葉 セイ :けど、と言外に。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[アハハ、正気じゃあないんだよ、僕らはさ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[妖魔を殺すんだ、何としてでも]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[だって許せないじゃないか、あんなものに人間が脅かされているだなんて]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[僕らはそのためだけの組織なんだよ?残念なことにね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[紅くん、君の目にはこれが人類の緩慢な集団自殺にでも映るのかもね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[実際、そういうやつだと思っているが]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[妖魔に滅ぼされるよりは、よっぽどマシだ]

紅海月 :「お前らは、分かっちゃいねえんだ」

紅海月 :「この目に映る世界が」

紅海月 :「どれだけ色褪せて見えるのか。想像も及ぶまいて」

明日葉 セイ :「……紅海月さん」

合馬桜華 :「……店長」だからこそ、知りたかった。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[君こそ想像が及んでいないよ、僕らの妖魔に対する憎悪の深さをね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[魃は、皆そうだ、そういう連中だ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[この件に関して、話が通じるとは思わないことだね]

紅海月 :「おう。終わりだ終わり。電池抜いとけ、桜華」

明日葉 セイ :「……話せる電話さん、だと思ってたんですけど」

明日葉 セイ :「そっか。そうなんだ……」

明日葉 セイ :「ねえ、正気、ってなんでしょうね」

明日葉 セイ :「もしかしたら、こっちの方がよっぽどタガが外れてるのかもしれないけど」

明日葉 セイ :「でも、話せてよかった。それは本当です」

合馬桜華 :「……ありがとな、セイクン」

紅海月 :「分かったろう。桜華」

紅海月 :「儂の生きたい明日と、お前さんらが願う明日は違うものだ」

紅海月 :「しかし」

紅海月 :握りしめた手を開く。

紅海月 :掌の上には。真白ももあにも授けた、草色の丸薬。

紅海月 :それをぱちんと、指で弾き、二つに割って。

紅海月 :片方をひょいと桜華に渡してみせる。

紅海月 :「それでも、知りたいというのなら」

紅海月 :「腹ん中の探り合いは、ここまでだ」

紅海月 :「覚悟はええか。合馬桜華」

合馬桜華 :「……!」

合馬桜華 :「はい、できてます」

合馬桜華 :頷いて、丸薬を飲み込む

紅海月 :合わせて。一息にそれを飲み込んだ。

紅海月 :プライズ:碧幕の情報を合馬桜華さんに譲渡します。


紅海月 :先に言っておこうかな。同時に《兵糧術》で桜華ちゃんの秘密を探りたいです。

明日葉 セイ :感情修正+1投げます

紅海月 :やった~!

合馬桜華 :ウチのもいる?

紅海月 :いや!とっといて!

合馬桜華 :奥儀やらにとっとくのも手やと思うけど

合馬桜華 :はーい

紅海月 :ありがと~♥

GM :お渡ししやした、判定の方はどうぞ!

紅海月 :あざす!

紅海月 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 8[4,4]+1 > 9 > 成功

紅海月 :成功。

明日葉 セイ :ひゅー!

GM :伝播はセイくんのみかな

明日葉 セイ :ですかね

紅海月 :えーと、ですね!

紅海月 :受け取りました。

明日葉 セイ :受け取りました

紅海月 :よし、最後に……

紅海月 :奥義を使用します。

紅海月 :【売割!死延奇味】(ウルワ・シノキミ)効果は【追加忍法】。

紅海月 :追加する忍法は【一筒】。指定特技は《兵糧術》。

紅海月 :判定成功時に生命点1点減少させ、事前に指定した忍具を獲得。指定忍具は兵糧丸。

紅海月 :桜華ちゃん感情修正くれるかにゃ…?

合馬桜華 :どうぞー、投げるよ!

紅海月 :やった~!

紅海月 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功

明日葉 セイ :つよい

紅海月 :よし。では妖術を削って兵糧丸ゲット。

system :[ 紅海月 ] 妖術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 5 → 6

紅海月 :いじょ!


GM :紅海月特性の丸薬が、2人の身体に、精神にすら作用する。

GM :一瞬のうちに、様々な映像が脳裏で像を結び――そして

紅海月 :その本意を知る。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[な?僕らはそういう存在なのさ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[僕も、千十嵐リンネへの対処を諦めはしないよ]

合馬桜華 :「……」申し訳なさそうな顔をする

明日葉 セイ :「……桜華ちゃん」伝わってきた『何か』に、目を細める。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[なあ、きみたちももう知っているんだろう?アレの正体を]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[アレはやるぞ、本当に、人類を滅ぼす]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ただ強いだけの妖魔なら、こうも危険視しない]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[どれだけ強くても、一個体で世界そのものを相手にするのは限界があるからね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ただ、アレは感染し、増える]

明日葉 セイ :(……眷属)

紅海月 :「眷属化か」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[いいかい、未だどれほど凶悪な病、ウイルスであろうとも人類を滅ぼすに至っていないのはだね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[殺傷性と感染能力が反比例するからだよ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[伝染る前に、宿主が死んでしまっては広がりようがないからね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そこが、千十嵐リンネの恐ろしいところだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[アレは、感染者を"活かす"]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[善意と愛を持って侵略図を拡大する]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[人間ってのは、魅力的で強大な存在からのポジティブな感情をはねのけるのは実に難しいからね]

紅海月 :「幸福は病か。全く……」

明日葉 セイ :「…………」

合馬桜華 :「善意でもって世界を……」

明日葉 セイ :「あのあの、仮定なんですけど」

明日葉 セイ :「じゃあ、もっともっと魅力的で強大な存在がいたら、どうなります?」

明日葉 セイ :「リンネさんも霞んでしまうくらいの、すごい人」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[千十嵐リンネは、世界ツアーをやめるだろうね]

明日葉 セイ :「それだ」

合馬桜華 :「セイくん、それって」

明日葉 セイ :「それだ……!」

紅海月 :心底可笑しそうに顔を歪めて。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[彼女が世界を支配する大前提にあるのは己が何よりも魅力的な存在であることだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[絶対的に無敵で、人類の目標としてこれ以上無い存在]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[そうでなければ、感染の意味がない]

明日葉 セイ :緊張していた顔を、微かに緩める。

明日葉 セイ :「多分、それです。おれが探してたの」

明日葉 セイ :「勝てばいいんですよね。フェスのファイナルライブで」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[憧れを媒介し感染するウイルス、千十嵐リンネは最強であらねばならないんだよ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[気軽に言ってくれるなぁ……]肩をすくめる仕草が浮かぶような声色。

合馬桜華 :「あはは……ホントになぁ……」

明日葉 セイ :「だってそうでしょ。おれ、ずっとそのことばかり考えてたんですよ」

明日葉 セイ :「最高のステージにして、最高のパフォーマンスをして、最強のアイドルになる」

明日葉 セイ :「それが、最高のアイドル……リンネさんを止められるくらいの!」

明日葉 セイ :気軽、なはずがない。背中は冷や汗でびっしょりだ。

明日葉 セイ :でも、それを見せるわけにはいかない。アイドルだ。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[かつて、ここにも島の外から自らを最強と信ずるアイドルが送り込まれた]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[結果は……まあ無残なものだよ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[その子は死んで、隊員もいっぱい死んで、ヴルフくんまで敵の手に堕ちて]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[アドバイザーとして付いてきたはずの花屋敷ミトも、ちゃっかりあっちについている、なんだか姿がだいぶ変わってるけどね]

紅海月 :「……花屋敷ミトか」

合馬桜華 :「花屋敷……」

紅海月 :絞り出すような声のあと。少年に向き直る。

紅海月 :「のう、セイ」

明日葉 セイ :「はい」

紅海月 :「最高のアイドルになる、その決意。今も変わって、いないよな」

明日葉 セイ :「はい。変わりません。大丈夫」

紅海月 :「うむ。……しかし、これはどうだ」

紅海月 :「最高のアイドルになったあと」

紅海月 :「つまり、その手に夢を掴んだ、その先のことよ」

明日葉 セイ :「……なったあと」

明日葉 セイ :「考えてないわけじゃないです」

明日葉 セイ :「その後も、めちゃめちゃに輝きます。ただ」

明日葉 セイ :「多分、おれの思ってる『かわいい』には賞味期限があると思うんです」

紅海月 :「道理だな」

紅海月 :「人は。永遠に輝き続けることなど、できん」

明日葉 セイ :「そしたら、またそこでリンネさんが来ちゃうかも、ですよね?」

明日葉 セイ :「でも、ですよ」

明日葉 セイ :「おれはひとつ、呪いをもらいました」

明日葉 セイ :「『ひとりじゃないよ』」

明日葉 セイ :「おれだけじゃないですよ、最高のアイドルになれる人。きっと」

明日葉 セイ :「今だって、ほら。時雨さんも、ももあちゃんも、桜華ちゃんも、†暁†さんだっている」

明日葉 セイ :「星はひとつきりじゃないんですよ?」

紅海月 :「………」

合馬桜華 :「……」

紅海月 :そっと近づいて。その頬を撫でる。

紅海月 :「やがて」

明日葉 セイ :「わ」

紅海月 :「その珠のような肌は荒れ」

紅海月 :「天使のように澄んだ声は枯れ萎む」

紅海月 :「自身に輝きを見出していた」

紅海月 :「大好きだった者たちの顔は。やがて、違う輝きに魅せられていく」

紅海月 :「それでも。ひとつきりじゃなくても、いいと」

紅海月 :「お前さんは、言えるのか」

明日葉 セイ :「そのことを考えると、もう目の前が真っ暗になっちゃうんですけど」笑って。

明日葉 セイ :「でも、じゃあ、今進むのを止められますか?」

明日葉 セイ :「目の前にはステージがあって、おっきな問題も山積みで、おれが必死でやれば、もしかしたらって時に」

明日葉 セイ :「止められますか、おれを」

明日葉 セイ :「やれることをやります。誰とだって組みます。いくらでも輝いてみせます」

明日葉 セイ :「アイドルだから!」

明日葉 セイ :はあ、とそこまで言って息を吐く。

紅海月 :眩しげに目を瞬かせて。ふっと笑う。

紅海月 :「なーんじゃ」

紅海月 :「折角、動揺誘って、ライバル蹴落とそうとしたのによう」

紅海月 :「ぜんぜん、効いてねえじゃねえか!」

明日葉 セイ :「あっ、そうだったんですか! ごめんなさい」

明日葉 セイ :「おれ、そういうのわりと鈍くて……」

紅海月 :「ええ、ええ」

紅海月 :「分かってたからよ。──────そんで」

紅海月 :「つまらねえ話を聞かせちまった詫びだ」

紅海月 :懐から。淡く光る緑色のコインを取り出して。

明日葉 セイ :「つまらなくなんか、全然!」

明日葉 セイ :「……!」

明日葉 セイ :「それは……」

紅海月 :彼に、そっとそれを渡してみせる。

紅海月 :プライズ:愛しき草原を明日葉セイさんに譲渡します。

明日葉 セイ :受け取ります

明日葉 セイ :受け取りました

紅海月 :「元々、そういう約束だったからの」

紅海月 :「お前さんとも」

明日葉 セイ :「…………っ」

紅海月 :「"ふさわしい人に渡す"」

紅海月 :「……未だ藻掻き苦しみながらも」

紅海月 :「歩くことをまだ、諦めてはいない」

明日葉 セイ :小さなコインを握り締め、何も言えずにいる。

紅海月 :「ひとりのアイドルからの、な」

明日葉 セイ :「おれ、あの」

明日葉 セイ :「……ありがとうございます」小さな声で。

明日葉 セイ :「ありがとうございます。あの、さっきも啖呵切っちゃいましたけど」

明日葉 セイ :「やっぱり、好きだからやりたいんです。踊るのも、歌うのも」

明日葉 セイ :「それが、なんだかわかった気がします」

明日葉 セイ :大事そうに、コインをしまう。

紅海月 :ゆっくりと頷いて。機嫌よく笑う。

紅海月 :「礼などいらぬ」

紅海月 :「何故なら。来る竜誕祭」

紅海月 :「優勝するのは千十嵐リンネでも、明日葉セイでも、合馬桜華でもなく」

紅海月 :「この儂だからよ」

明日葉 セイ :「ふふっ」

明日葉 セイ :「じゃあ、全力で」

明日葉 セイ :「全員が全力でやれば、きっとどこまでだって届くと思うんです」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ふーん、ま、頑張ってね]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[本当にそうなってくれる分には万々歳だからさ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[桜華ちゃんも自分の仕事に集中できるってものさ]

合馬桜華 :自分の仕事、と聞いて頷く

紅海月 :「桜華」

紅海月 :「それを捨てて、好きな道を行け、などと」

紅海月 :「儂にも、誰にも言う権利などない」

紅海月 :「けどよ、儂は忘れてねえぞ」

紅海月 :「共に見た。あの景色が」

紅海月 :「きらきらと、眩しく見えた。っつー言葉は、の」

合馬桜華 :「はい、その言葉は……嘘でもおべっかでもないです」

合馬桜華 :「ウチは、自分で 今ココにいる事を選んだんですから」

合馬桜華 :好きな道なら、たぶん___

合馬桜華 :「忘れないでくださいね、ずっと」

合馬桜華 :「ウチが行く先がどうなったって」

合馬桜華 :笑みを返して

紅海月 :「見届けよう」

紅海月 :「共に同じ道を歩む限り」

紅海月 :「その行く末の先までは、な」

紅海月 :返すように。穏やかに微笑んだ。

GM :===

サイクル2:ゲリラ・ライブ・バトル

GM :これにてサイクル2を終了!

GM :では、おまたせしました第二回目のゲリラ・ライブ・バトルになります。

GM :参戦PCは3!

真白ももあ :ハア……ハア……

GM :残りの皆さんは観客席でお楽しみください

紅海月 :ワーワー

GM :登場してくれておっけーです、適宜野次等飛ばしてください。

時雨 :ワイワイ

明日葉 セイ :はーい

合馬桜華 :はーい

GM :ではやっていきましょう。


GM :===

GM :黄泉帰った、伝説のアイドル花屋敷ミト

GM :未だ無敗の謎の新人、滑皮ケイゴ

GM :この対決は、フェスにおいても特に注目の高い一戦であった。

GM :だが、観客席はどことなく浮ついた空気を漂わせていた。

GM :噂がある。

ホテルマン :「仕掛けてくるなら、ここだろう、と」

ホテルマン :「そういう噂だ」

プロデューサーR・A :「エエ……その可能性ハ……80%を超えています」

ホテルマン :「どうだい?強力な相手を、二人も前にきみの相棒は」

プロデューサーR・A :「苦戦はスルでしょうガ……問題はありまセン」

プロデューサーR・A :「データ通りに動けば、何も」

クユ :「時雨ももっかい乱入して全員倒すのは?」

クユ :観客席で、隣を見上げ。

時雨 :「うーん」

時雨 :「いや……やめておきましょう」

クユ :「ふーん、そう」

時雨 :「ももあさんに勝ってほしいですから」

時雨 :「……表のトップアイドルが、鮮烈に勝つのなら、不要な要素が少ない方が話題になります」

時雨 :「きっと本人も、辛い思い、でしょうが」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[実はCD持ってたんだよねえ、花屋敷ミトの]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[表のかつてのトップだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[表のアイドルって、桜華ちゃんにとっては一番馴染みがないんじゃない?どう?]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[異街のアイドルのがよっぽど専門分野っていうか]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[それとも隠れてCDとか聴いてたりした?]

合馬桜華 :「あはは、たしかにこの街に来るまでアイドルなんて全然だったですし」

合馬桜華 :「CDとかも全然聴いてなかったしなぁ……でも」

合馬桜華 :「花屋敷ミトって名前くらいは知ってますよ、有名人って方向でですけど」

合馬桜華 :「そんな人が妖魔の力に魅入られただなんて……」

合馬桜華 :「なんか、ちょっと嫌だし……勝って欲しいですね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ケイゴってやつに?]

合馬桜華 :「いーや、もう一人……きっと来るから」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ふぅん]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ま、そうなったらだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[元、只人が己のちからで妖魔を討ち果たすんだ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[たしかに痛快だね]

合馬桜華 :「たしかに!」

合馬桜華 :「見てみたいですね、輝きってヤツを」

合馬桜華 :そういって、ステージへと視線を投げる

宍戸れみふぁ :「……店長」

宍戸れみふぁ :「花屋敷……ミトですよ」

宍戸れみふぁ :「ほ、ほんものだ……」

紅海月 :「うむ。儂らの世代でその名を知らぬものはおらん」

紅海月 :「暫く見ねえとは思ったが……よもや」

宍戸れみふぁ :「それにあのケイゴって人」

紅海月 :「おう、"エージェント狩り狩り"の」

宍戸れみふぁ :「未だ無敗……それに見てきたんですよ、私ライブ・バトルを」

宍戸れみふぁ :「なんていうか、こう」

宍戸れみふぁ :「気持ち悪いくらい、完璧っていうか」

宍戸れみふぁ :「95点満点中の95点を見せられているっていうか、なんかそういう感じで」

紅海月 :「そうさな。歌、踊り」

紅海月 :「共に、正確にそれを刻むことは難しい」

紅海月 :「人は絡繰ではねえからの。故に、相当な修練を積み重ねたのだろう」

宍戸れみふぁ :「トップを目指す人って、あんなデタラメなひとばっかり……」

宍戸れみふぁ :「店長大丈夫?ほんとに」

紅海月 :「しかし、アイドルとは」

紅海月 :「如何にその欠けた5点を何倍にも増やすかよ」

宍戸れみふぁ :「そっかぁ……」

紅海月 :「かかかっ。儂の心配よりてめぇの心配をしろよ」

宍戸れみふぁ :「まあアイドルへの詳しさに関しては店長の右に出るものはいないもんね」

宍戸れみふぁ :「ちょっと気持ち悪いけど」

紅海月 :「もうちょっと優しく言ってくれない?」

灰色兎 :「真白ももあは、来るだろうな」

灰色兎 :「ここしかねえ、この最高のタイミングを」

明日葉 セイ :「……はい」

灰色兎 :「あれほどのアイドルが、外すわけがねえ」

明日葉 セイ :「きっと、そうです」

明日葉 セイ :目をきらきらさせて、ステージを見ている。

灰色兎 :「セイ……お前」

灰色兎 :「なんか、面構えが変わったか?」

明日葉 セイ :「え、そうですか? なんだろなんだろ」

明日葉 セイ :ぺたぺたと顔を触る。

明日葉 セイ :「肌の調子は絶好調です!」

灰色兎 :「おうよ、まるで違う」

灰色兎 :「足りなかったパーツが、ハマッたみてえじゃねえか」

明日葉 セイ :「……パーツ。やっぱり、そう見えますか」

明日葉 セイ :「だとしたら、もう無敵ってことですよね」

灰色兎 :「は、調子に乗んな」

灰色兎 :「ようやくスタートラインだよ、ったく」

明日葉 セイ :「ええー、そう上手くはいかないか……でも」

明日葉 セイ :「……ももあちゃん。前は圧倒されたけど。今なら」

明日葉 セイ :「しっかり応援できると思うんですよね」

灰色兎 :「そうだな、勉強させてもらおうじゃねえの」

明日葉 セイ :「はい! おれとは違う、ももあちゃんの戦い方」

明日葉 セイ :「じっくり見させてもらいます!」


GM :そうして、ステージ。

GM :向かい合う、老練な龍と若き虎。

花屋敷ミト :「まったく、皆、心ここにあらずって感じね」

花屋敷ミト :「悔しいことに、あなたも、そして私すらも」

滑皮 ケイゴ :「そりゃそうだ。そうでなきゃいけない」

滑皮 ケイゴ :「"舞台が整ってない"」

滑皮 ケイゴ :「みんなも俺も、そう思ってる」

滑皮 ケイゴ :「その意味は違えど、な」

花屋敷ミト :「ええ、それでも」

花屋敷ミト :「今日の主役は私」

花屋敷ミト :「皆が、復活の目撃者になる」

滑皮 ケイゴ :「ははは!」

滑皮 ケイゴ :「今日の主役が誰か──」

滑皮 ケイゴ :「それは花屋敷ミトかも知れないし、"もう一人"かも知れない」

滑皮 ケイゴ :「だが」

滑皮 ケイゴ :「今日一番の驚きを与えるのは、間違いなく俺だ」

花屋敷ミト :「期待しているわ」

花屋敷ミト :「私は、アイドルが好き」

花屋敷ミト :「ライバルが好き」

花屋敷ミト :「皆の、努力が、才能が、きらめきが」

花屋敷ミト :「なぜなら、私はそれを奪ってより強く輝く」

花屋敷ミト :「あなたたちが、より強大で、より愛らしいことを何よりも喜ぶ」

花屋敷ミト :「だから、歓迎するわ、真白ももあ」

花屋敷ミト :「ようこそ、私たちのステージへ」

花屋敷ミト :優雅に、その腕が円を描く。

真白ももあ :その動きに呼応するように。

真白ももあ :ステージの上が、突如眩く輝く。

真白ももあ :まるで照明が、自らの意思で、照らすべきものを見つけ歓喜を抑えられなくなったかのように。

真白ももあ :ライトが落ち着きを取り戻し、灼かれた目に視力が戻ると。

真白ももあ :「こんにちは!」

真白ももあ :そこにいるのが当然であるかのように、舞台の上に真白ももあが立っている。

真白ももあ :「お待たせ!みんな待っててくれた?」

GM :客席が、割れんばかりの歓声で応える。

真白ももあ :「ミトさん。楽しみましょうね」

真白ももあ :「ケイゴくんも。良いステージにしよう」

真白ももあ :歓声に手を振りながら、ステージの上の二人に微笑みかける。

花屋敷ミト :「真白ももあ……」

滑皮 ケイゴ :「どーも。いい登場の仕方だ」

花屋敷ミト :「私は、ひどく欲張りで」

花屋敷ミト :「欲しいものは奪わずにはいられない」

花屋敷ミト :「あなたは、きっと謝ることを望みはしないでしょうし、私が何を言っているのかもわからないと思うわ」

花屋敷ミト :「だから、勝って奪い返しなさい、あなたがトップ・アイドルであるならば」

花屋敷ミト :「私はそれを否定し、全てをねじ伏せ、奪い去る」

花屋敷ミト :「それが、私にとってのアイドル、トップであること」

花屋敷ミト :「私は花屋敷ミト、美麗なる簒奪者」

花屋敷ミト :「さあ、あなたたちを頂戴な」

真白ももあ :「輝きが強すぎて、他の人が霞んでしまうことを思い悩むのは、もうやめたんです」

真白ももあ :「もっとシンプルに。私はやりたいことをやります」

真白ももあ :「傷ついても、傷つけられても……」

真白ももあ :「私は歌うのが好きだから」

真白ももあ :「だから、たくさん歌います。それで、みんなも喜んでくれたらいいなって思います」

真白ももあ :「だからミトさんも、ミトさんのやりたいことをしてください」

花屋敷ミト :「ええ、私も」

花屋敷ミト :「そしてそこの坊やもね」

滑皮 ケイゴ :復活した花屋敷ミト。

滑皮 ケイゴ :ついに現れた真白ももあ。

滑皮 ケイゴ :かつてのトップアイドルと、今のトップアイドルの、誇りと信念を賭けた対峙。

滑皮 ケイゴ :いかに新進気鋭、無敗の新星とはいえ──

滑皮 ケイゴ :その横に立つ無名の男へ目を向けている人間など、ほとんどいない。

滑皮 ケイゴ :「まったく、困っちゃうねぇ」

滑皮 ケイゴ :"それがいい"のだ。

ホテルマン :「実に、"それがいい”」

ホテルマン :「見なよ、あの嬉しそうな顔」

滑皮 ケイゴ :視界の外からだからこそ、アンブッシュは成り立つ。

滑皮 ケイゴ :誰も賭けていないからこそ、大穴は成り立つ。

滑皮 ケイゴ :意識していないからこそ、サプライズは成り立つ。

滑皮 ケイゴ :「じゃあ遠慮なく」

滑皮 ケイゴ :「やりたいことをやるぜ。俺もね」

真白ももあ :「ケイゴくんは……サプライズが好きなんだよね?」

真白ももあ :「じゃあ、こういうのはどうかな?」

真白ももあ :その言葉と共に、曲が流れだす。

真白ももあ :恐らく、異街においてもよく知られている曲――

真白ももあ :『──満月の夜 ずっと明けないで 狼を待っているの』

真白ももあ :歌いだす。

真白ももあ :自分の曲ではない。無論、花屋敷ミトのものでも滑皮ケイゴのものでもない。

真白ももあ :『表』の世界でオリコンチャートを独占し続けた、他のアイドルグループのもの。

真白ももあ :自分の強さをただ見せつけるのではない。他者の攻撃をただ避けるのではない。

真白ももあ :ステージとして、見てよかったと思われる、完成度の高いものを。

真白ももあ :きっとアイドルとして舞台に立つ以上、ミトもケイゴも知っているであろう曲で。

真白ももあ :観客を楽しませたうえで勝利する。

真白ももあ :二人が乗ってくるかはわからない。曲が上書きされてしまうかもしれない。けれど。

真白ももあ :この3人でやるステージを届けたいという意思表明。

真白ももあ :そしてそれは譲歩でもなんでもなく――

真白ももあ :『それなら、勝てる』という計算。

真白ももあ :吉と出るか凶と出るか。ただの甘さなのかもしれない。それでも。

真白ももあ :勝つしかない。

花屋敷ミト :『――森のおうち いいえ開けないで 私ワインに毒を仕込んだの』

花屋敷ミト :彼女の生きた時代の曲ではない。

花屋敷ミト :しかし、歌えぬ道理は無い。なぜなら私は花屋敷ミトなのだから。

滑皮 ケイゴ :『──甘いチョコレートには ミントの寂しさが必要 そうでしょう』

滑皮 ケイゴ :その歌は、女性アイドルグループのもの。

滑皮 ケイゴ :見た目も、声域も、背格好も異なるその歌を──

滑皮 ケイゴ :完璧な振りと完璧な音程、完璧なパフォーマンスでこなしてみせる。

滑皮 ケイゴ :──完璧? いや、僅かに異なっている。

滑皮 ケイゴ :しかし、それは"外れている"というのではない。

滑皮 ケイゴ :『もしこの曲が、男性ボーカル向けにアレンジされたなら』──

滑皮 ケイゴ :聴くものにそう想像させる、"少し異なった完璧さ"だ。

花屋敷ミト :はじめて耳にした曲。だから、歌詞は己の内から。

花屋敷ミト :歌い、繋げ、時には振り回す。

花屋敷ミト :着いてこれるの?と悪戯そうに笑いさえして。

真白ももあ :歌い慣れた曲ではない。けれど。

真白ももあ :『あの有名なほかのアイドルの曲を真白ももあが歌ってくれたら嬉しい』という、ファンの願いに応えるかのように。

真白ももあ :期待以上の輝きで、他のアイドルの曲を歌い、踊る。

真白ももあ :(見てよかったって、思えるステージにしましょうね)

真白ももあ :微笑んで心の中でそう、ステージの上の二人に呟く。

真白ももあ :勝つのは――当然、自分だけれど。

GM :前哨戦、デモンストレーションの域を超えたそれが終わり。

GM :いよいよ、ここからはそれこそ全霊を賭けた演目。

花屋敷ミト :「歌いましょう」

花屋敷ミト :「踊りましょう」

花屋敷ミト :「たとえその身砕けても」

花屋敷ミト :「ステージと観客へ、そしてなによりも私へと最後の一片まで捧げなさい」


GM :開演です、それではデータを公開します。

花屋敷ミト :キャラシート

滑皮 ケイゴ :キャラシート


GM :それでは、戦闘を開始します。

真白ももあ :やったるワイ!!!!!!!!!!

GM :やったりましょう、では各自プロットを、またはプロット前宣言を。

真白ももあ :プロット前なし、プロットOK!!

サブGM :OK

GM :ではいきます、3

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 滑皮 ケイゴ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。


○戦場:平地

<プロット4>

(ケイゴ、ミト)

<プロット2>

(ももあ)

GM :ではプロット4から!

花屋敷ミト :choice('真白ももあ', '滑皮ケイゴ')

GM :choice('真白ももあ', '滑皮ケイゴ') (choice('真白ももあ','滑皮ケイゴ')) > '真白ももあ'

GM :いけた

花屋敷ミト :守りをとるか、攻めをとるか、考えものね

花屋敷ミト :でもここは攻めてこそ、ね

花屋敷ミト :長肢を使用、指定特技は《異形化》。

花屋敷ミト :2d6>=5 《異形化》 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

真白ももあ :あっ!?

花屋敷ミト :成功ね。

真白ももあ :演出修正入れて欲しかったが……!

真白ももあ :ケイゴくんの宣言前にふるんだ!?

GM :あー、戻ってくる前に済ませてしまおうかと思ってやってしまった

GM :じゃあここは巻き戻しますわね

真白ももあ :BIG THANKS……

サブGM :大変申し訳ない!!

GM :ではケイゴの宣言をどうぞでございます。

サブGM :とりあえず対象を

滑皮 ケイゴ :choice('真白ももあ', '花屋敷ミト') (choice('真白ももあ','花屋敷ミト')) > '真白ももあ'

真白ももあ :どうなっとるんや!!

滑皮 ケイゴ :おっ

滑皮 ケイゴ :【巡扇】でももあちゃんを攻撃。

GM :では改めて、判定を

花屋敷ミト :まずは私から

真白ももあ :まって!

GM :はい、修正等あれば。

真白ももあ :ミトさんの行動は長肢のみですか?このあと増える可能性もある?

真白ももあ :言えなければ言えないでも大丈夫です

GM :それはわからないな~~

真白ももあ :では、もうひとつしつもんしたいのですが

真白ももあ :チョイスでももあを狙うことになっていますが、射程の関係で届かなかった場合

真白ももあ :ケイゴくんに変えることはありますか?

GM :届かなくなっちゃったら、変えるでしょうね

真白ももあ :なるほど

真白ももあ :ありがとうございます

真白ももあ :大丈夫です!判定お願いします

滑皮 ケイゴ :おっ

真白ももあ :あっケイゴくんの判定は

真白ももあ :ガムをとばしてもらいま~す♡

花屋敷ミト :だ、そうよ、頑張ってね坊や

合馬桜華 :言い方!

紅海月 :Boo! Boo!

花屋敷ミト :2d6>=5 《異形化》 (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

花屋敷ミト :成功ね

花屋敷ミト :これによって接近戦とクリティカルヒットの間合いが戦闘中+1、まあクリティカルヒットについては持っていれば、の話なんだけど

真白ももあ :ケイゴ呆気せんのかい!

花屋敷ミト :どうやら目標はあなたみたいだからね、あくまで

GM :ではケイゴくんの方の判定をお願いしましょう。

時雨 :そこだー!

紅海月 :今じゃ!

真白ももあ :みんな!!!お願いします!!

時雨 :ステージにゴミが!ケイゴくんにマイナス1演出修正!

紅海月 :ステージにサイリウムが!同じくマイナス1!

明日葉 セイ :ライトがまぶしいのでこちらも-1!

合馬桜華 :くらえ副隊長フラッシュ! -1

真白ももあ :ありがとう……!

滑皮 ケイゴ :"混沌"のステージかここは?

ダーク・ファン :新旧トップの血を見せろぉ~~~~!!!

滑皮 ケイゴ :えーと雪蟲で-1に-4

滑皮 ケイゴ :sg#4>=5+5 (SG@12#4>=10) > 8[4,4] > 8 > 失敗

滑皮 ケイゴ :そらそうなる

真白ももあ :惜しかったね

GM :かわいそう

花屋敷ミト :では、奥義の使用を宣言するわ。

真白ももあ :やはりね……

花屋敷ミト :奥義!♪さよなら ようこそ日々よ♪(DRAGONBORNRemix)
効果は【クリティカルヒット】!指定特技は《鳥獣術》

花屋敷ミト :対象は、真白ももあ、あなたよ

真白ももあ :えーん!4点受けます!

滑皮 ケイゴ :おっと

花屋敷ミト :ん?

滑皮 ケイゴ :それに対してこちらも奥義発動するぜ

真白ももあ :!?

滑皮 ケイゴ :奥義【Hop to it and Hop】
効果は絶対防御、指定特技は《変装術》

真白ももあ :け……ケイゴ!!!!!

滑皮 ケイゴ :4点なんて……取らせるわけないだろうがァ~ッ!

花屋敷ミト :へえ、それがあなたのサプライズってわけ

滑皮 ケイゴ :花屋敷ミトのクリティカルヒットのダメージを4点軽減、ポイント発生無し!

真白ももあ :あ、ありがとう……

GM :では次へ参りましょう、プロット2!

真白ももあ :はい!

真白ももあ :【対空千手砲】対象はミトさん!

花屋敷ミト :ケイゴ、あなた地形変えなさいよ、あれとても鬱陶しいわ

滑皮 ケイゴ :ラウンド一回回ってもらわないとな~

GM :では判定をどうぞ

滑皮 ケイゴ :代わりにその判定に【呆気】!

真白ももあ :妨害はないのか……!?

真白ももあ :やはり……

GM :きたわね

真白ももあ :何点削るのかしら!

滑皮 ケイゴ :体術と戦術を潰してF値+2!

system :[ ポイントカウンター ] 滑皮ケイゴ : 0 → -2

真白ももあ :ファンブル値は4ってことね

真白ももあ :ではふりますわよ!

滑皮 ケイゴ :いや、がいとうがあるから

真白ももあ :3か

真白ももあ :ありがとうケイゴ……

真白ももあ :もしかして私のファンなのかな

GM :6ぐらいどばっと載せたらどうなんじゃい!!

GM :ではどうぞ

真白ももあ :しんでるんだよな

真白ももあ :2D6>=5 (判定:掘削術) (2D6>=5) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

真白ももあ :やったぁ♡

GM :つよ……

滑皮 ケイゴ :!?

時雨 :マジで12出すことある!?

真白ももあ :えんりょなーく、戦術を回復~♡

滑皮 ケイゴ :何たる……サプライズ……

system :[ 真白ももあ! ] 戦術 : 0 → 1

GM :ではスペシャルなアピールでポイントが2加算

真白ももあ :命中のスペシャルだから1d6ふるのかな?

GM :そういうのもあったな……

真白ももあ :じゃ、ふりますね~♡

真白ももあ :1d6 (1D6) > 2

真白ももあ :ちょっとプラス!

花屋敷ミト :9×3…

花屋敷ミト :どのみち避けるしか手はないわね

花屋敷ミト :2d6>=9 《縄術》 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗

花屋敷ミト :ふふ

滑皮 ケイゴ :あっ凪

滑皮 ケイゴ :まあ今は関係ないか

真白ももあ :射撃2点くらってくーださい♡

花屋敷ミト :体術と謀術で受けるわ。

GM :これにてポイントも+2

system :[ ポイントカウンター ] 真白ももあ : 0 → 4

真白ももあ :スペシャルで+1回復で+1で……4点!

GM :それではラウンド1を終了しますがなにか宣言はあるでしょうか

真白ももあ :私はないです!

滑皮 ケイゴ :実はないぜ

GM :可愛い子犬ちゃんがよ

累計獲得ポイント
真白ももあ:4点
花屋敷ミト:0点
滑皮ケイゴ:-2点

GM :では次!

GM :今回はここがファイナル・ラウンドとなります

真白ももあ :プロットちょっと考えます

真白ももあ :おまたせしました!

真白ももあ :プロット前なし、プロットOKです

サブGM :こっちもOK!

GM :ではいきましょう3

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 滑皮 ケイゴ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。


○戦場:平地

<プロット4>

(ケイゴ)

<プロット3>

(ミト)

<プロット2>

(ももあ)

GM :1か6かで悩んでるんだと思ってた

真白ももあ :こんがらがったからま、2でええかになった

花屋敷ミト :ふふ

GM :では参りましょう、プロット4から!

滑皮 ケイゴ :choice('真白ももあ', '花屋敷ミト') (choice('真白ももあ','花屋敷ミト')) > '花屋敷ミト'

滑皮 ケイゴ :今度はこっちか

花屋敷ミト :まったく……

花屋敷ミト :では来なさい

滑皮 ケイゴ :【巡扇】で花屋敷ミトを攻撃!

GM :修正等はありませんか?

真白ももあ :大丈夫!

時雨 :シナイヨ

GM :なければ、判定をお願いします。

真白ももあ :大丈夫ということでお願いしたいです

滑皮 ケイゴ :sg#4>=5 (SG@12#4>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

GM :対空千手判定御利益あるな……

花屋敷ミト :く、遠いわね……

花屋敷ミト :避けるわ

滑皮 ケイゴ :それに【呆気】!

真白ももあ :!?

花屋敷ミト :あ、こら!

花屋敷ミト :そ、それで…いったいいくら支払うのかしら

滑皮 ケイゴ :器術妖術謀術潰して残り1、F値+3!

真白ももあ :忍道が……発動する!?

滑皮 ケイゴ :残り1なので【忍道】によって当たれば射撃ダメージ+3!

滑皮 ケイゴ :……当たれば!

花屋敷ミト :く……

GM :修正等なければ振ります

滑皮 ケイゴ :マイナス付けてもいいんだぜ

真白ももあ :私からは平気です!

真白ももあ :みんなが私の性欲を助け、ミトさんと決勝に言ってほしければマイナスをつけてくれてもいいのですが

真白ももあ :多分そういう空気でもないので……

花屋敷ミト :2d6>=10 《鳥獣術》 (2D6>=10) > 10[4,6] > 10 > 成功

真白ももあ :せ、成功してる

花屋敷ミト :これが花屋敷ミトよ

滑皮 ケイゴ :……遁甲符!

花屋敷ミト :こ、この……!!

真白ももあ :本気じゃん……ケイゴ

滑皮 ケイゴ :これでもう完全にカラッケツだぜ

花屋敷ミト :2d6>=10 《鳥獣術》 (2D6>=10) > 4[2,2] > 4 > 失敗

花屋敷ミト :まだよ、神通丸。

花屋敷ミト :2d6>=10 《鳥獣術》 (2D6>=10) > 6[1,5] > 6 > 失敗

花屋敷ミト :っく……

滑皮 ケイゴ :当たった……!

system :[ ポイントカウンター ] 滑皮ケイゴ : -2 → -5

花屋敷ミト :器術のみを残して残り1。

滑皮 ケイゴ :まず減少分をマイナス

system :[ ポイントカウンター ] 滑皮ケイゴ : -5 → -1

滑皮 ケイゴ :でダメージ分をプラス

真白ももあ :これだけやってマイナスなんだ……

GM :それでは次、プロット3。

花屋敷ミト :choice('真白ももあ', '滑皮ケイゴ') (choice('真白ももあ','滑皮ケイゴ')) > '真白ももあ'

花屋敷ミト :では、引き続きクリティカルヒット。《鳥獣術》

真白ももあ :ん~破り得!奥義破り!

滑皮 ケイゴ :う~ん破……り!

滑皮 ケイゴ :どうせ破れんがスペシャルで回復する可能性はある

真白ももあ :ケイゴもしかして私の事好きなのかな

花屋敷ミト :い、いいわ……やりなさい。

真白ももあ :2D6>=9 (判定:生存術) (2D6>=9) > 8[3,5] > 8 > 失敗

真白ももあ :惜しいけど、まあ……

滑皮 ケイゴ :sg#4 (SG@12#4) > 6[2,4] > 6

滑皮 ケイゴ :だめ!

花屋敷ミト :では、妨害がなければ通るけど

真白ももあ :しないよね?絶対防御

滑皮 ケイゴ :妨害はせん!

GM :それではクリティカルヒット!

真白ももあ :ぬーっ!4点うけましょう

真白ももあ :どう振ればいいのかな

GM :ランダムで4点です

真白ももあ :普通に1d6を4回?

GM :四回振って、被った分は選択に回してください

真白ももあ :はいな!

GM :4d6でもいいよ

真白ももあ :頭が良い

真白ももあ :4d6 (4D6) > 10[1,2,3,4] > 10

真白ももあ :こんなきれいにわかれるんだ

GM :1逝ったぞ、1(キャッキャ)

真白ももあ :器術体術忍術謀術がけずれる!

system :[ ポイントカウンター ] 花屋敷ミト : 0 → 4

GM :それではプロット2!

真白ももあ :では【接近戦攻撃】をミトさんに。

GM :判定どうぞ。

真白ももあ :2D6>=5 (判定:結界術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功

花屋敷ミト :ケイゴ……恨むわよ

花屋敷ミト :スペシャルのみ。

サブGM :いや

時雨 :逆凪

時雨 :呆気で3上がって、最終出目6だった

真白ももあ :あっ

真白ももあ :なるほど

花屋敷ミト :あ、そっか

滑皮 ケイゴ :特に意味はないが絶対防御するぜ

真白ももあ :ミトさんとももあは同格じゃないといやな過激派か?

滑皮 ケイゴ :判定特技は変装術!

真白ももあ :じゃあ破っておこうかな

花屋敷ミト :ケイゴ、感謝するわよ

時雨 :これは演出修正+1

紅海月 :トップがひたみたい +1

明日葉 セイ :自分も+1 いけー

真白ももあ :でも4つ潰れてるから……13以上なんだよね~!

真白ももあ :みんなが演出くれたら9にできるんだけど……!

真白ももあ :桜華ちゃんはナシかな?

GM :どうなんだぁ~~い

合馬桜華 :あ、副隊長もうちょっと頑張って、1パーからが本番だから携帯

合馬桜華 :+1

真白ももあ :ありがと~~~~!!!!!

真白ももあ :じゃあ+4で判定します!!みんなありがとう!

GM :やりな!!

真白ももあ :2D6+4>=13 (判定:結界術) (2D6+4>=13) > 9[3,6]+4 > 13 > 成功

真白ももあ :ま、トップアイドルってこういうこと

GM :おおまえ

滑皮 ケイゴ :ピ、ピッタリだと

時雨 :ピッタリ成功することあるかね

紅海月 :みごと。

明日葉 セイ :やったね!

GM :ぴったり成功1点差。

真白ももあ :マジでみんなの力で勝てた~~~~~~~~

GM :劇的決着すぎる……

真白ももあ :ありがと=~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

system :[ ポイントカウンター ] 真白ももあ : 4 → 5

GM :あ、いやもう1点乗るな

GM :ミトの生命点がゼロに、ボーナス1

サブGM :あ、ゼロボーナス

system :[ ポイントカウンター ] 真白ももあ : 5 → 6

GM :されど、一手差。

真白ももあ :えへえへえへへへへ

GM :お見事にござる。

累計獲得ポイント
真白ももあ:6点
花屋敷ミト:4点
滑皮ケイゴ:-1点

GM :では、演出の方に参りましょう。


GM :===

花屋敷ミト :先んじて、動いたのは花屋敷ミト。

花屋敷ミト :「異街よ、見なさい」

花屋敷ミト :「これが、花屋敷ミト」

花屋敷ミト :彼女が歌い出す、軽いハミング。

花屋敷ミト :音が、白銀の蛹となって弾ける。

花屋敷ミト :周囲に生まれゆくのは、蝶の群れ。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[あれは……]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[わかる?桜華ちゃん]

ハーミィル・ムゥ・ムール :神妙な声。

ハーミィル・ムゥ・ムール :[彼女流にアレンジされてるけど……]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[魃が隊員、枯れ葉の"ツムジ"]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[彼女の技だ]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[魔王流であり、掛け合わされた血は……【土蜘蛛】]

ハーミィル・ムゥ・ムール :[奪ったのか?花屋敷ミト]

合馬桜華 :「魔王流……どっかで見た感じだと思ったら」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[ああ、そういえば君も"そう"だったね]

合馬桜華 :様々な想いが、胸中を擦過する

ハーミィル・ムゥ・ムール :[君の場合、後天的に血を入れた特殊なタイプだがアレは純正だ]

合馬桜華 :「はい、まぁ色々と違いますけど」

ハーミィル・ムゥ・ムール :[こんな姿でまた見ることになるなんてね……]

合馬桜華 :(どうやって、魔王流純正の血を自らに)

合馬桜華 :(この街なら、リンネならできる? そんな事が?)

合馬桜華 :「他人の力を、ここまで使いこなすだなんて……アレも一つの強さ、なんかな」ステージに視線をやって

花屋敷ミト :色とりどりのネオンに輝く蟲の群れ。

花屋敷ミト :「ここは、私の領域、私のステージ」

花屋敷ミト :奥義♪さよなら ようこそ日々よ♪(DRAGONBORNRemix)

花屋敷ミト :歌い出す、よく知られたメロディ。

花屋敷ミト :しかし大胆なアレンジを加えられたそれ。

花屋敷ミト :誰もが聴いたことのない、全く新しい歌詞で。

花屋敷ミト :♪――ゆっくりとわたし、乾いていった

花屋敷ミト :♪――ひび割れた隙間から大事な何かが漏れ出して
♪――必死に手を伸ばす

花屋敷ミト :♪――かしこいあなた、寂しそうに笑って
♪――それを受け入れて、生きていくのだと

花屋敷ミト :♪――さよなら、美しい日々よ
♪――それを受け入れて、生きていくのだと

花屋敷ミト :蝶が、舞う。舞い乱れる。

花屋敷ミト :あなたは、たしかに美しい。

花屋敷ミト :大輪の花でしょう。

花屋敷ミト :♪――ゆっくりとわたし、壊れていった

花屋敷ミト :♪――ひび割れた隙間ごし、覗き込む
♪――必死に手を伸ばす

花屋敷ミト :♪――愚かな私、嬉しそうに泣いて
♪――それを奪い取り、生きていくのだと

花屋敷ミト :♪――ようこそ、新しい日々よ
♪――それを飲み込んで、死んでいくのだと

花屋敷ミト :耳をくすぐる声。

花屋敷ミト :花屋敷ミトは、誰もをくすぐる。

花屋敷ミト :その声に、佇まい、踊り、脳裏にこびりつき、掻きむしる。

花屋敷ミト :はじめは、誰かに目を耳を奪われようと、気付けば彼女を追ってしまう。

花屋敷ミト :そうして、最後には全てを己の背景へと変えてしまうのだ。

花屋敷ミト :そうやって、君臨し続けてきた。

花屋敷ミト :♪――ここにいるよ
♪――ずっとここで、歌っていたの

花屋敷ミト :ああ、あなたたちが美しいほど。

花屋敷ミト :♪――聴こえていたよ
♪――ずっとここで、聴いていたの

花屋敷ミト :私はより美しく。

花屋敷ミト :♪――流行りの歌も歌えるわ
♪――隠れもせずに、隣へ立てる

花屋敷ミト :♪――ここへ来たよ
♪――ずっとここで、踊っていたいの

花屋敷ミト :歌詞を紡ぐ。
空も飛べる。
海も走れる。
全てを――手に入れる。

花屋敷ミト :蝶が舞う、ああ咲き誇れ美しい花たちよ。
私はその蜜を啜って、残酷に舞い踊る。

花屋敷ミト :蝶が、真白ももあを取り囲む。

花屋敷ミト :彼女の歌を、ダンスを、パフォーマンス、その全て。

花屋敷ミト :嬲り、ほどき、吸収する。

花屋敷ミト :恐るべき、簒奪のパフォーマンス!

真白ももあ :蝶の群れを眺めている。

真白ももあ :綺麗だ。

真白ももあ :蝶以上に、

真白ももあ :花屋敷ミトは綺麗だ。

真白ももあ :飲み込まれ、きっと私は彼女の一部に――

真白ももあ :そう覚悟した、そのとき。

滑皮 ケイゴ :『この命の火花は 君の目に映っている?』

滑皮 ケイゴ :横合いから聞こえるのは、昔の歌。

滑皮 ケイゴ :花屋敷ミトが現役時代、覇を競ったアイドルグループの人気曲。

滑皮 ケイゴ :『夜が明けたなら また会おう』

滑皮 ケイゴ :『今夜の月は 雲の中』

滑皮 ケイゴ :そのハスキーな歌声も、しっとりとした唄い方も──

花屋敷ミト :「(驚いた、瓜二つ……)」

花屋敷ミト :「(いや、"本物以上")」

花屋敷ミト :「(あの子たちが、あのまま成長を続けていれば、"こう"なっていただろうという)」

滑皮 ケイゴ :その歌は花となって、花屋敷ミトの蝶の群れへ雪崩れかかる。

滑皮 ケイゴ :いかに最新のアレンジ、最新のリミックス、最新verの歌詞であっても、本を正せば"往年の"曲。

滑皮 ケイゴ :圧倒的な歌唱力に"喰われ"ながらも、その中に内包された"歴史"に共鳴する。

滑皮 ケイゴ :蜜を吸われ、花びらを散らせて、喰われていった花々が──

滑皮 ケイゴ :掻き消えるとともに、彼女の蝶も一時散る。

プロデューサーR・A :「完璧でス」

プロデューサーR・A :観客席、あくまで冷静に舞台を眺め。

プロデューサーR・A :「ケイゴ・ナメカワ、彼ハ……」

プロデューサーR・A :「元々《変装術》を得意としていたヨウニ、他の観察、模倣、再現に才能がありましタ」

プロデューサーR・A :「ただ、実のところ、その能力の底は桁外れの物ダッタ、異能の域にあると言って良イ」

プロデューサーR・A :「発声、足運び、筋肉の躍動、その曲に込められた思い」

プロデューサーR・A :「それらは、全てデータでス」

プロデューサーR・A :「ならば、あとは組み合わせ、最高の状態で再現するノミ」

プロデューサーR・A :「このプロデューサーR・Aの支援を受けた彼は、理論上・絶対的に無敵」

プロデューサーR・A :「あなたタチ、アイドルが紡いできた膨大な歴史そのものが彼のパワー・なのでス」

花屋敷ミト :完璧なパフォーマンス、それを完璧なパフォーマンスが打ち消した。

花屋敷ミト :打ち消すのに、最適な、完璧なそれ。

花屋敷ミト :「厄介ね、全て見通されているよう」

花屋敷ミト :「でも、本物のアイドルの強さは、恐ろしさはこんなものではないわ」

花屋敷ミト :「あなたは、フェイク」

花屋敷ミト :「ただ、とてつもないフェイクね」

滑皮 ケイゴ :「へへ、分かるかい?」

滑皮 ケイゴ :にやりと口の端を上げ、歯を見せて笑う。

滑皮 ケイゴ :サプライズとは、『誰も知らないことをする』ことだ。

滑皮 ケイゴ :誰も知らないことをするには、誰が何を知っているかを知る必要がある。

滑皮 ケイゴ :「ウチのPちゃんは優秀だからな」

花屋敷ミト :「そう、羨ましいわね」

花屋敷ミト :「私のプロデューサーも、マネージャーも死んじゃったから」

花屋敷ミト :「でも、私の使い方は私が一番良く知っている」

花屋敷ミト :「見せてあげる、トップを名乗る意味を」

GM :王女と新兵の攻防。

GM :観客は沸き立つ。だがそれをよしとしないものがいる。

GM :このステージに立っているのは、ふたりだけではないと。

真白ももあ :蝶が散り、視界が開け。

真白ももあ :『本物のアイドル』が歌いだす。

真白ももあ :♪――ゆっくりとわたし、芽吹いていった

真白ももあ :♪――ひび割れた隙間から小さな若葉が萌え出して
♪――必死に手を伸ばす

真白ももあ :♪――かなしいあなた、寂しそうに笑って
♪――前を向くのは、つらいことだと

真白ももあ :♪――さよなら、哀しい日々よ
♪――光を受け入れて、生きていくのだと

真白ももあ :歌い、踊る。
何が具現するでもない。
肉弾戦をするでもない。

真白ももあ :♪――ゆっくりとわたし、歩んでいった

真白ももあ :♪――ひび割れた隙間ごし、覗き込む
♪――必死に手を伸ばす

真白ももあ :♪――寂しいあなた、嬉しそうに泣いて
♪――それを奪い取り、生きていくのだと

真白ももあ :♪――ようこそ、新しい日々よ
♪――それを受け入れて、共にいくのだと

真白ももあ :ただ、歌い踊るだけ。

真白ももあ :それだけで。

真白ももあ :ステージは真白ももあに味方する。

真白ももあ :見る者は真白ももあに心奪われる。

真白ももあ :♪――ここにいるよ
♪――あなたの隣で、歌っているの

真白ももあ :♪――聴こえていたよ
♪――ずっとここで、歌っていたの

真白ももあ :この場にいる全員が理解する。

真白ももあ :このステージは、真白ももあのものなのだと。

真白ももあ :"往年の曲"だろうがなんだろうが。

真白ももあ :その歌を紡ぐ彼女こそが主役なのだと。

真白ももあ :♪――あなたの歌も歌えるわ
♪――隠れもせずに、隣へ立てる

真白ももあ :ステージの上に、見られるために立っている者には。
『見られない』ことへの意味が、絶望が。誰よりも理解できるだろう。

真白ももあ :♪――ここへ来たよ
♪――あなたの隣で、踊っていたいの

真白ももあ :(ミトさん、楽しいですね)

真白ももあ :それでも真白ももあは笑いかける。

真白ももあ :ただ楽しいから。

真白ももあ :恐怖も、不安も、罪悪感も、
ずるいこともなにもかも、奪うと決めたから。

真白ももあ :あなたの喪失の悲しみも、耽る隙などあたえない。

真白ももあ :余計なことを考えずに、ただ、楽しく。

真白ももあ :歌えと。

真白ももあ :笑う。

花屋敷ミト :彼女の歌が打ちのめす。

花屋敷ミト :異街の呪いが花屋敷ミトを取り立てる。

花屋敷ミト :あれに見合う歌を、踊りを、何かを出せと。

花屋敷ミト :――しかし。

花屋敷ミト :「(ケイゴ、この子ったら的確に私のパフォーマンスを)」

花屋敷ミト :打ち消され、命が取り立てられてく。

花屋敷ミト :思わず、心を奪われる。

花屋敷ミト :真白ももあ、たしかに強いアイドルだ。

花屋敷ミト :だが、ここまでのパフォーマンスをするほどの者ではなかったはずだ。

花屋敷ミト :「(見誤った?いや)」

花屋敷ミト :「(あるいは、あれでまだ"蕾"であった?)」

灰谷 :「そうです、限界以上の"スペシャル"な演目」

灰谷 :「あなたが、真に欲していたもの」

灰谷 :「殻を、破れたようですね」

灰谷 :観客席、彼女の"行き詰まり"を把握していたマネージャーがその光景の真なる意味を噛みしめる。

滑皮 ケイゴ :花屋敷ミトの詩を散らしたその声が──

滑皮 ケイゴ :真白ももあの詩は、散らさない。

滑皮 ケイゴ :いや──散らせなかったのだ。

滑皮 ケイゴ :彼女の声は、ステップは、パフォーマンスは──

滑皮 ケイゴ :全てが事前のデータを上回っている。

滑皮 ケイゴ :まだ見せていない隠し玉があった? 否。その可能性は既に調査されている。

滑皮 ケイゴ :忍びとして覚醒したことでパフォーマンスに新たな力を得た? 否。そのデータは外界時代は勿論、異街に来てからの数少ないパフォーマンスからも得られている。

滑皮 ケイゴ :データに齟齬があった? 否、それこそ否! あの異装のプロデューサーが、そのようなヘマをするとは思われない。

滑皮 ケイゴ :即ち──この土壇場での、進化。

滑皮 ケイゴ :即ち──"彼女自身予期していなかったであろう"進化。

滑皮 ケイゴ :即ち──サプライズ!

滑皮 ケイゴ :そのすさまじい歌唱力よりも、その誰もが目を奪われるパフォーマンスよりも。

滑皮 ケイゴ :"それを為した自身さえ予期していない"最高のサプライズに、ほんの一瞬、心を奪われた。

滑皮 ケイゴ :「──なんてこった……!」

滑皮 ケイゴ :切歯扼腕し、額から汗を流しながら、

滑皮 ケイゴ :その口元が、笑顔になることを抑えられない。

滑皮 ケイゴ :「……ふう」

滑皮 ケイゴ :小さな吐息を一つ。

滑皮 ケイゴ :構えなおしたその唇から紡がれるのは──

滑皮 ケイゴ :『寄せては返す 波のリズム』

滑皮 ケイゴ :『さらさらとこぼれ落ちる 小さな粒にも──』

滑皮 ケイゴ :誰もが愛した往年の歌。

滑皮 ケイゴ :『こんなに更けた 街の夜にも』

滑皮 ケイゴ :『君の足跡は はっきり残って──』

滑皮 ケイゴ :みなが飛びついた流行の歌。

滑皮 ケイゴ :『吹きゆく冬の 風の中』

滑皮 ケイゴ :『僕らは集まり 向き合った──』

滑皮 ケイゴ :教え受け継がれた伝統の歌。

滑皮 ケイゴ :それらが渾然一体となって──彼自身の身体へと向かう。

滑皮 ケイゴ :「へへ……!」

滑皮 ケイゴ :その暴風に裂かれ、打たれながらも不敵に笑う。

滑皮 ケイゴ :(悪いな、Pちゃん、ホテルの兄ちゃん)

滑皮 ケイゴ :(──いや、あいつらはなんだかんだでこういうの好きそうだけど)

滑皮 ケイゴ :「やっぱり俺は、サプライズだからな……!」

滑皮 ケイゴ :猛獣の様な笑顔で、そう呟く。

滑皮 ケイゴ :──己の歌に裂かれ、打たれた傷には、それらの歌が"写って"いる。

滑皮 ケイゴ :そして歌うのは──遠いどこかで誰か歌った、誰も知らない歌。

滑皮 ケイゴ :『──祈りが俺を押し、呪いが俺を運ぶ』

滑皮 ケイゴ :『俺の心臓は軋み、喉はがなりたてる』

滑皮 ケイゴ :『髪型をキメて、歯ぁ食い縛って笑え』

滑皮 ケイゴ :『どうせ死ぬなら、顔を上げて死んでやれ!』

滑皮 ケイゴ :往年の/流行の/伝統の/誰も知らない歌が──

滑皮 ケイゴ :同一人物による埒外の四重奏となって、ステージに吹き荒れる!

花屋敷ミト :畳み掛けられる。

花屋敷ミト :息をつく暇もない。

花屋敷ミト :「(これは、返せない――)」

花屋敷ミト :「(ならば、それでいい)」

花屋敷ミト :学ぼう。

花屋敷ミト :自分は、最前線にいない。

花屋敷ミト :そこに今まさに再び経とうとしている、老兵でありルーキーだ。

花屋敷ミト :最新のモード、流行、敏感に取り入れ、己の力にする。

花屋敷ミト :かつてやっていたことだ。

花屋敷ミト :「(再び、挑戦者になれるなんてね)」

花屋敷ミト :これこそ、アイドルだ。

花屋敷ミト :立ち向かう姿、諦めない姿。

花屋敷ミト :暴風を受け、己の力を何倍にも高め、傷をちからに叩きつける。

花屋敷ミト :たった今、目の前で見せられたそれを再現する。

花屋敷ミト :「――ah♪ ah」

花屋敷ミト :「真白ももあ、私だって未完成」

花屋敷ミト :「受け取って、私の"最新"を」

花屋敷ミト :鱗粉を纏った暴風が、真白ももあを飲み込んでいく!

真白ももあ :ケイゴの暴風を学び、己のものへと昇華し叩きつけられ。

真白ももあ :彼女もまた、ただ、頂に立つ、『おわった』アイドルではなく。

真白ももあ :光を掴むため、夢へと駆けるアイドルなのだと知り。

真白ももあ :きらきら、きらきらとした鱗粉をまとう暴風に切りつけられながらも、嬉しくて。思わず笑みをこぼす。

花屋敷ミト :確信がある、これが最後の一撃。

花屋敷ミト :こちらも限界に近い、だがこの歌はトドメになる。

花屋敷ミト :それでも、それでも立ち上がるのだとしたら。

花屋敷ミト :それは――

真白ももあ :トップアイドル――頂点。それは、上がもうないという事。

真白ももあ :おしまい。転げ落ちるだけ。落ちてくるのを待たれるだけ――

真白ももあ :そんなことは、ない!

真白ももあ :『私』におわりなんて、ない!

真白ももあ :傷つけられると痛い。血が流れる。

真白ももあ :ダーク・ファンはきっと喜んでくれるだろう。

真白ももあ :本来のアイドルライブでは感じない痛みを感じて、本来なら止めてしまいそうな足を動かし、それでも踊る。

真白ももあ :ずっと孤独だった。

真白ももあ :誰も私に追いつけなかった。

真白ももあ :頂上で見る景色はいつも一人だった。

真白ももあ :当然だと思った。誰よりも輝きたいと、愛されたいと願い、叶ったのだから。

真白ももあ :けれど、心のどこかでは、寂しかったのかもしれない。

真白ももあ :明日葉セイにユニットを組もうと声をかけたのも、隣で同じ景色をみてくれる人が欲しかったからかもしれない。

真白ももあ :ここに来て、芽吹いたものがある。

真白ももあ :戸惑い、恐怖、不安、痛み――

真白ももあ :――そしてそれを消し飛ばし覆いつくすほどの、悦び。

真白ももあ :同じ目的に向かって肩を並べて走って行ける絆。

真白ももあ :『ひとりじゃないよ』

真白ももあ :人にかけたと思っていた呪いは、自分にもかかっていて。

真白ももあ :祝福として、今芽吹く。

真白ももあ :聞こえる。観客席から、私の勝利を信じて応援してくれるみんなの声が。


明日葉 セイ :「…………」それは、あまりに小さな声で。それでも、届けとばかりに。

明日葉 セイ :「ももあちゃん」

明日葉 セイ :「君は今、きっと」

明日葉 セイ :「世界で一番、幸せ、なんだね!」

明日葉 セイ :呪いを受けた。それは、芽吹いた。どちらの心にも。

明日葉 セイ :ぱっと明星が輝くような笑顔。

明日葉 セイ :スポットライトの太陽、サイリウムの海に埋もれるかもしれない。それでも。

明日葉 セイ :出会った時から感じている憧憬を込めた瞳、そして声。

明日葉 セイ :「綺麗に、光ってるよ! ももあちゃん!」


紅海月 :この身に宿る呪いをも。欲さんがため。

紅海月 :絶対に勝ち取ってみせると、少女は言ってのけた。

紅海月 :そう、甘くはないと思っていた。

紅海月 :躓き、泥の味を知るのも。成長には必要なものだから。

紅海月 :「しかし」

紅海月 :「いや……」

紅海月 :やはり。

紅海月 :真白ももあに、敗北は。

紅海月 :「似合わねえわな」

紅海月 :にい、と微笑み、息を大きく吸いこんで。

紅海月 :「あ、真白き翼をはためかせ」

紅海月 :「織り成せ蕩けし甘き夢!」

紅海月 :「魅せろや我らが!」

紅海月 :「も・も・あ~~~~ッ!」

紅海月 :あらん限りの熱量で。声援を送ってみせる。


時雨 :(──独りでは、ない)

時雨 :舞台をじっと見つめている。歓声に飲まれて、思考が巡る。

時雨 :(そうだ、彼女は──やはり本心を言っているんだ)

時雨 :(「アイドルとしてしか生きられない」「トップアイドルは、他者を蹴落とさなくてはそうあれない」)

時雨 :(──二つの命題に対して、真白ももあは挑んでいる)

時雨 :誰もが緊張していた。

時雨 :花屋敷ミトは警戒の糸を細く張り詰めていた。

時雨 :滑皮ケイゴは一瞬の驚きをも逃すまいと眼を光らせていた。

時雨 :だが、真白ももあは、彼女が作り出したステージは。

時雨 :──今まさに、歓びの熱狂に包まれていた。

時雨 :『「私はね、もっとたくさんのアイドルやりたい人がアイドルやれるようになったらいいなって思ってるんだよ」』

時雨 :(そうだ、これでいいのだ)

時雨 :技巧は必要だ。容姿は美しくあるほどいい。名声はあるに越したことはない。マーケティングの技術が最後にものをいうかもしれない。

時雨 :それでも。

時雨 :「それでも、私は、”楽しい”です! 真白ももあさん!」

時雨 :笑顔でサイリウムを振り上げ、叫んだ。

時雨 :それがきっと、一番自分も、”楽しい”から。


花屋敷ミト :暴風が晴れていく。

花屋敷ミト :その中に、見る。

花屋敷ミト :「最後の、この瞬間……」

花屋敷ミト :「あなたと私は、ほぼ、互角だった」

花屋敷ミト :「ならば、これから先」

花屋敷ミト :「飛ぶ力を使い果たし、墜落を始めた私と」

花屋敷ミト :「より強く咲き誇らんと輝くあなたとの差は――何?」

花屋敷ミト :眼前を、もはや最初の挑戦者を見下ろす王のものではなく。

花屋敷ミト :勇猛果敢に挑みかかる、挑戦者の目で睨む。

真白ももあ :女の子ってワガママで。

真白ももあ :アイドルって最高に輝いてる女の子で。

真白ももあ :私は最強のアイドルなんだから。

真白ももあ :私は、最強にワガママなの。

真白ももあ :傷ついても、血が流れても、痛くても、足を止めてしまいたくなっても!

真白ももあ :応援してくれる人が居る限り、絶対に輝き続けたい!

真白ももあ :花屋敷ミトの手をとり、煌めく笑顔で笑いかける。

真白ももあ :「アイドルって、一人じゃなれないから」

真白ももあ :「応援してくれる人がいることが、嬉しいって思う気持ちが私の方が強かったのかな?」

真白ももあ :わからない。そんなことはいい。

真白ももあ :一緒に踊ろう。もっと、ずっと!

真白ももあ :花屋敷ミトの手を引き、客席の方へ向かって駆け出し、手を伸ばす。

真白ももあ :それは、このステージが。

真白ももあ :『真白ももあのもの』として、終わったのだという合図。

花屋敷ミト :「(全く、この私を引き立て役にするだなんて)」

花屋敷ミト :「(いいわ、今日はあなたのステージ)」

花屋敷ミト :「(より、一層つよく輝きなさい)」

花屋敷ミト :「(いずれ、それも奪って私がトップに咲く)」

花屋敷ミト :「(挑戦者となったアイドルは、強いんだから)」

GM :歓声、拍手、途切れることはない。

GM :今ここに、ひとつの決着、伝説の行く末が更新されたのだ。

GM :そして、新たなる強敵の誕生も。

プロデューサーR・A :「なるほど……」

プロデューサーR・A :「本物とは、データ以上のちからを生み出す存在であるト」

プロデューサーR・A :「ならば、それも再現して見ませまショウ」

プロデューサーR・A :「お試し、なんて言っていた彼ですガ」

ホテルマン :「ああ、そうだ」

ホテルマン :「見ろよ、すっかり夢中じゃないか」


GM :これにて決着!勝者は真白ももあ!

GM :戦果を宣言してください。

真白ももあ :はい!!

真白ももあ :ケイゴくんの出場権をバリバリ奪い、秘密もいただきます!

GM :お、ケイゴくんでいいんですね。

GM :了解しました。

真白ももあ :

真白ももあ :まって

真白ももあ :ミトさん勝者じゃないの!?

真白ももあ :勝者だからダメかとおもってた

GM :ここは優勝者優先とします、PC数も少ないので。

真白ももあ :

真白ももあ :やった~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

真白ももあ :ミトさんの秘密と出場権をもらいます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

GM :おちついて

GM :それではお渡しします。

真白ももあ :ありがとうございます!お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!

GM :渡しました。

真白ももあ :びっくりするやつ裏でやったからもう一回びっくりしておこ

真白ももあ :?????????????????

時雨 :私もしとこう

時雨 :『   !?   』

明日葉 セイ :マジ????


GM :===

サイクル2:マスターシーン

GM :喝采に包まれる会場。

GM :誰もが彼女を見上げる。

GM :新たな最終日への挑戦者。

千十嵐リンネ :「そう、あるいは、のひとり」

千十嵐リンネ :赤を纏って、舞い降りる。

千十嵐リンネ :「まずは、おめでとう」

千十嵐リンネ :「新たなチャレンジャー、王の座を奪わんとする見目麗しき外界の歌姫よ」

千十嵐リンネ :真白ももあを前に、希族街の王が朗々とうたう。

千十嵐リンネ :「役者は揃いつつある」

GM :言うと同時、スポット・ライト。

GM :観客席、照らされるはスカイ・ブルーの少年。

GM :そして、王と同じく紅の少女。

灰色兎 :「お呼びのようだぜ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「いいんじゃない?かましてきなよ」

明日葉 セイ :緊張はあれど、怖れはもう置いてきた。ことにした。

明日葉 セイ :「はいっ!」

明日葉 セイ :「明日葉セイを、見せてきます!」

GM :席が割れ、道を作る。

GM :観客たちの顔に浮かぶのは、期待だ。

合馬桜華 :息を吸って、吐く。

合馬桜華 :服に手をかけ、制服を一瞬で脱ぎ捨てると

合馬桜華 :「はいっ! 行ってきます!」大分慣れてきた紅のアイドル衣装へと転じ、出来た道を駆け出していく。

明日葉 セイ :通路。その先に、青い衣装。

明日葉 セイ :ドレスともスーツともつかない服装の少年が、すっと、白手袋の手を差し出す。

明日葉 セイ :「行こう。舞台までは一緒に。ね」

合馬桜華 :「うん! この先がどうなろうとも!」

合馬桜華 :その手を取って

明日葉 セイ :そっと優しく握ると、そのまま、共に連れ立って先へ。

明日葉 セイ :光きらめくステージへ!

千十嵐リンネ :「ようこそ」

千十嵐リンネ :「そうして、ようこそ観客諸君」

千十嵐リンネ :「観客に、甘んじるつもりはない食えぬ連中も」

千十嵐リンネ :「ようこそ、ようこそ」

千十嵐リンネ :「最終演目は近づきつつある」

千十嵐リンネ :壇上は、王を含む5人。

GM :明日葉セイ。

GM :真白ももあ。

GM :合馬桜華。

GM :花屋敷ミト。

GM :そして、千十嵐リンネ。

センヒ :「おおっと、忘れてもらっちゃあ困っちまう」

センヒ :落雷と共に、降り刺さる。

千十嵐リンネ :「他の会場の決着もある、まだ参加者はいくらか増えるとは思うが」

千十嵐リンネ :「千両役者は揃い踏み、といったところか」

センヒ :「そうそう、そのことなんだけどさぁ」

センヒ :クルクルと舞い踊るセンヒ。

センヒ :「ちと、多くねえか?って」

センヒ :ステップ、スキップ。流れるように滑り出て。

千十嵐リンネ :「その方が楽しめるではないか」

センヒ :「ヒィちゃんは、勝てないと楽しく無いんだよね」

センヒ :流れるような所作。

センヒ :優雅にしなり。

センヒ :「だからさ、ここで消えてよ、おねーさま」

センヒ :瞬間、その手が、千十嵐リンネをなぞり。

センヒ :人の形が、”ほどけた”。

GM :赤、赤、赤。

GM :赤が、降り注ぐ。

センヒ :「アハ♪」

センヒ :ごくごくと、降り注ぐ赤を飲み干していく。

センヒ :「ヒ、ヒヒ、ヒ」

センヒ :「やっちゃった、やぁーーーーちゃった!」

センヒ :「できた♪できた♪できちゃった♪」

センヒ :「やっぱヒィちゃんってば、天才かも?」

センヒ :ぱしゃぱしゃと血溜まりで踊る。

センヒ :朱に染まった靴が貪欲に赤を飲み干していく。

センヒ :「暴力がぁ~~、結界によって阻害されるなら」

センヒ :「ソレを、踊りに限りなく近づければいいわけだろ??」

センヒ :「ホラ、コンナフウにな」

花屋敷ミト :「ッ!!」

GM :慌てて、迫る腕を遮ろうとする花屋敷ミト。

GM :だが、満身創痍の彼女は庇った腕ごと捻れて、吹き飛ぶ。

センヒ :「んだ?」

センヒ :「ち、殺せはしなかったか、やっぱアイドルって頑丈だな、流石に不意打ちじゃね―と無理か」

センヒ :ケラケラと笑って、周囲を見回す。

センヒ :「あ、安心しなぁ」

センヒ :「てめーらは最後のライブで喰ってやるからよ」

センヒ :「あくまで、アイドルとして、な?」

センヒ :「そうじゃないとこのフェスという儀式に認めてもらえないんだろう?」

センヒ :「安心して、お姉さま」

センヒ :「あなたの夢はヒィちゃんが叶えてあげる」

センヒ :「ヒィちゃんが、フェスで優勝して、磨羯のトップに、RIN-NEになるの」

センヒ :「そうして、千十嵐リンネというウイルスの"親株"の地位を手に入れる」

センヒ :「何せ、ヒィちゃんだって磨羯の眷属」

センヒ :「その下地となる血は、もう受けている」

センヒ :けたたましく、笑う。

GM :静寂に包まれた観客席。

GM :やがて、すべてを飲み干したセンヒが。

センヒ :「フフ、フ」

センヒ :「食べちゃった♪食べちゃった♪」

センヒ :「千十嵐リンネを食べちゃった♪」

センヒ :「どんなに強くても」

センヒ :「どんなに頑丈でも」

センヒ :「ヒィちゃん、殺すことと食べることは何より得意なんだよね」

センヒ :「無防備で、射程内ならさ、カミサマだってかじってやるぜ」

センヒ :「お、なんだよ」周囲をキョロキョロと眺めて。

センヒ :「なんとか言えよ、客席が冷えちまったじゃねえか」

センヒ :「盛り上げていこうぜぇ?」

センヒ :ニタニタと、笑いかける。

ガード忍 :「ど、どうなってんだ!?」

ガード忍 :「り、リンネ様が、死、……!」

ガード忍 :「け、警備主任……」

ガード忍 :「わ、我々はどうすれば……」

"縄のヴルフ" :「…………」

白髪のガード忍 :(アラートは……鳴ってねェ)

センヒ :「おおっと、ヒィちゃんをつまみ出そうだなんて思わねえこったな」

センヒ :「フェスが、その意思を見せてねえんだ」

センヒ :「可愛い可愛いセンヒちゃんは未だアイドル」

センヒ :「ひ、ひひ♪」

白髪のガード忍 :(踊りを暴力に近づければ……とか言ってたがそれか?)

白髪のガード忍 :(だが"違反"じゃねェにしろ、"非常用"のなんかが作動したってよさそうなもんだが)

白髪のガード忍 :(それすらねェってのは、……)

センヒ :「やっぱさ、いっぱい考えたわけよ」

センヒ :「ヒィちゃんってば、努力家だろ?」

センヒ :「勝てないなーって」

センヒ :「勝てないのよ、お姉さまには」

センヒ :「アイドルとしても、生物としても」

センヒ :「だったら殺すしかないじゃん?」

センヒ :「殺すことだけは、ヒィちゃん得意だからさぁ」

センヒ :「残りは、雑魚ばっか」

センヒ :「いーじーげーむ」

センヒ :「ヒハ♪」

センヒ :「ちゃんと喰ってやるよ、ヒィちゃんが」

センヒ :「あ、お前アレだろなんとか機関?クラマシンリュー?」

センヒ :紅い少女に興味を示し。

センヒ :「アレの仲間だ、ペケペケ、ばってん」

センヒ :「安心しな、お友達のとこに送ってやるからよ」

センヒ :「ヒィちゃんはお姉さまにみたいに残酷じゃないからよぉ」

センヒ :「命を賭けて挑んできた輩は、キッチリキッカリ殺してやったからよ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ああ、そうか、やはり……」

合馬桜華 :「副隊長……?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「おかしいと思っていたんだ、千十嵐リンネは殺傷を好まない」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「潜在的に、全ての知的生命を自らの眷属と見なしているからな」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「僕を、みんなを殺したのは君だな、センヒ」

センヒ :「そりゃ、そーでしょ!」

センヒ :「磨羯一家のブッ殺し担当」

合馬桜華 :「……!」

センヒ :「鬼のセンヒ様たぁこのヒィちゃんのことよ」

センヒ :「なんだなんだ、覚悟の上だろ?恨むなよ、よえーのが悪いんだから」

合馬桜華 :「恨みだけじゃない……失望したんよ」

合馬桜華 :「どんな怪物だろうと、ひとつのルールの下で人だろうが妖魔だろうが区別しない、平等……そういう場所と思ってたのに」

合馬桜華 :「こんなコスい真似ぇするやつも、いるってことに」

センヒ :「あ?なにいってやがんだてめー」

センヒ :「ルール違反なんてしてねえだろうがよ、ちゃんと、踊って殺した」

センヒ :「傑作だぜ」

センヒ :「失望ってのはな、見上げて言う言葉じゃあねんだよ」

センヒ :「負け惜しみっていうんだぜ、そういうの。雑魚が」

センヒ :ケタケタと牙を剝いて笑う。

合馬桜華 :ため息を吐く、心底から……碌でもない、と

合馬桜華 :ああ言えばこう言う、彼女にとっては暴力もそうでないものも全てが一緒なのだろう……貪欲の怪物だ

合馬桜華 :(こいつらと同じ血が……)

合馬桜華 :「それにまだ、負けてない」

合馬桜華 :「ウチが……ウチらがここにいる」

合馬桜華 :「食い残しや、喰らえるもんならやってみろ」

センヒ :「ヒハ♪」

センヒ :「いいね、いいじゃん、盛り上げていこうぜ」

合馬桜華 :自分の心臓に親指を立て、挑発とも決意ともとれる言葉を放り投げる。

センヒ :「てめーらもなんかねえのかよ、気の利いた囀りのひとつはよぉ」

明日葉 セイ :すう、と息を吸い込む。

センヒ :残りを、まるで腹をすかせた獣のように眺めて。

明日葉 セイ :『遊んで疲れた帰り道』テノールの声が響いた。

明日葉 セイ :『一番星 見つけたよ』アカペラのソロ。

明日葉 セイ :『手に取るには遠すぎて』たったひとりの歌。

明日葉 セイ :『諦めるにはまばゆくて』惨劇を薄めようとでもするかのように。

明日葉 セイ :『ただ 見つめてた』

明日葉 セイ :小首を傾げて、笑う。センヒにではなく、客席に向けて。

明日葉 セイ :『ねえ、今なら?』

明日葉 セイ :「……フェスを、しましょう」

明日葉 セイ :「あなたが認められたなら、ここはフェス会場です」

明日葉 セイ :「おれも、アイドルとして相対します」

センヒ :「そうこなくっちゃな」

明日葉 セイ :「言いたいことは、いろいろありますけど、でも」

明日葉 セイ :「おれがやることは最初から最後まで、何も変わってない」

明日葉 セイ :「最高のアイドル、です。あなたを遠く飛び越えて!」

明日葉 セイ :「明日葉セイです。覚えて帰ってね」客席に手を振る。それは。

明日葉 セイ :『血に塗れた舞台ではなく、懸命に歌う自分を覚えていて』

明日葉 セイ :そういう意思表示だった。

センヒ :「おう、残るはてめーだな、ストレンヂャア」

センヒ :「性懲りもなくやってきた」

センヒ :「なんつったっけ、ミントグリーン・シュガーボム?」

センヒ :「あいつらは、このヒィちゃんがぶっ殺してやったぜ?」

センヒ :「二番手ってこた、そう大したことはねえんだろ?」

GM :よく知る名前だ。

GM :先日、電撃引退を発表したツインのユニット。

GM :電撃引退、そのはずだった。

GM :真白ももあとトップを争った、ライバルのひとつ。

真白ももあ :「そっか……。……あなたに、殺された、んだ……」

真白ももあ :「……そもそも、暴力が振るわれて血が流れるようなアイドルのライブが、私の好みじゃないから」

真白ももあ :「殺さない程度に嬲るのがルールなのに、本当に殺しちゃうなんてヒドイ!っていうのは、違うと思うんだよね」

真白ももあ :「でも……リンネさんもミントグリーン・シュガーボムの二人も、すごく素敵な人だから」

真白ももあ :「やっぱりひどい目にあって殺されるのは……いやだな」

真白ももあ :「私も、死ぬのはいやだし……」

センヒ :「死は大トリ、サビのメロディ」

センヒ :「終点、花道」

センヒ :「それに価値を持たせるために、弱っちいてめえらは一生懸命生きてんだろ?」

センヒ :「ならば、このヒィちゃんがなってやるわけよ」

センヒ :「最強のアイドルにな、憧れに、終着点に」

センヒ :「誰もが救われる、終点にこのヒィちゃんによる死」

センヒ :「至上の価値が約束されているのだから」

真白ももあ :「桜も人もアイドルも、終わりがあるから綺麗なのかもしれないね」

真白ももあ :「だからってそれをはやめるのが良いわけじゃないし、勝手に奪われていいものでもないよ」

真白ももあ :「私は……暴力のライブバトルで、歌って踊ったキラメキは、直接殴るよりきっと人の心を撃てるって信じて歌ってきた」

真白ももあ :「だからあなたが歌を利用して暴力を、殺戮をしようとしても……」

真白ももあ :「アイドルとしての輝きで、真っ向からあなたと戦うよ」

真白ももあ :「アイドルの力では勝てないから、暴力に逃げたんだなって思われたくなければ、少しは相手してくれると嬉しいな?」

センヒ :「逃げるとか逃げないとか雑魚は理由をこね回すのに忙しくて泣けてくるな」

センヒ :「この暴力こそがヒィちゃんの歌、ダンス、アイドル」

センヒ :「人のスタイルにケチつけてないで自分のソレでねじ伏せりゃあいいだろうがよ」

真白ももあ :「力任せに殴ったらみんながいう事を聞いてくれるからなんでも暴力に正当性があるように理屈をこねてるようにも聞こえるけど?」

真白ももあ :「でも、そうだね。私は私のやり方で、私のすることをするだけだ」

センヒ :「怒ってんのか?学級会か?」

センヒ :「やだねえ、ステージだろここは」

センヒ :「歌えよ、それは歌詞じゃねえぞ」

真白ももあ :「やっぱり人が殺されたら、哀しいし怒るよ」

真白ももあ :「でもここで言い合ってても何も解決しない。だから、フェスで戦いましょう」

センヒ :「おうよ、お利口さんにできるじゃねえか」

センヒ :「それじゃあみんな、最終日にまた会おうぜーーー!」

センヒ :客席に向かって叫び。

センヒ :雷鳴とともに、消え去る。


ホテルマン :「……いやはや、たいへんなことになったな」

滑皮 ケイゴ :「だなあ。……ふむ」

滑皮 ケイゴ :ステージのあとの汗を流したまま、どこか腑に落ちない様子で腕を組む。

ミウ・シウ :「センヒ、あんのクソボケカスがぁあ」

ミウ・シウ :「ケイゴ、ミウとふたりで今すぐ追っかけてぶっ殺すぞ☆」

ミウ・シウ :その隣、今まで沈黙を守っていたミウ・シウは湯気でも出そうな有様で。

ホテルマン :「やめときなよ、大事なアイドルをふたりも同時に失いたくはないな」

滑皮 ケイゴ :「まあまあ落ち着きなって!」へらへら笑いながら、隣の小さなアイドルを宥める。

ホテルマン :「あと言葉遣いがあまり可愛くないぞ、ミウちゃん」

ミウ・シウ :「んがぎぎぎぐぐ、あ、あんなの!あんなの許していいわけ?!」

ホテルマン :「無論、許しちゃいないのは君の他にもいる」

ホテルマン :「正当な参加権を持った、最終日に挑むアイドルが、ね」

ミウ・シウ :「む……ぅ……」

ミウ・シウ :大人しくなる。

滑皮 ケイゴ :何の前触れもなく、異街の王の一人を──異街最大のアイドルを殺す。

滑皮 ケイゴ :それはまさしく──その良し悪しは別として──弩級のサプライズである……はずだ。

滑皮 ケイゴ :「う~ん、だがなあ」怒りや不快、悔しさではなく、やはり不思議そうな表情で首を捻る。

滑皮 ケイゴ :「な~んかちょっと……足りない……?」

滑皮 ケイゴ :そのサプライズの規模に対するサプライズ感。

滑皮 ケイゴ :理屈ではない。何より"サプライズ"を優先してきた忍としての、曖昧な感覚がそう言っている。

ホテルマン :「予想を裏切るのは良い」

ホテルマン :「ただ、期待には応えないといけない」

ホテルマン :「それが一流ってことだ」

ホテルマン :「それじゃないのかい?ケイゴ」

滑皮 ケイゴ :「ふぅ~む」

滑皮 ケイゴ :「たしかにそれか? それかも知れんね」

滑皮 ケイゴ :「それに」

滑皮 ケイゴ :「その前に、最大のサプライズを見ちゃったからかもなあ」

ホテルマン :「ああ、確かにね」

滑皮 ケイゴ :にやりと笑うその瞳は、次なるサプライズに燃えている。

ホテルマン :「お腹がいっぱいの時に運ばれてくるご馳走は、いくら好物だって嫌気がさすものだ」

クユ :「……」

クユ :「うーむ、これは」

クユ :「楽になったのでは?」

クユ :「リンネの方が、強かった、でしょう」

クユ :時雨見上げて、言う。

時雨 :「……」真剣なまなざしで舞台を見ている。

時雨 :「そうですね。しかしあの舞台では……暴力行為は禁止されています」

クユ :「でもやっていたが?」

クユ :首をかしげる。

時雨 :「センヒさんだけは、上手い抜け道を見つけたようです」

時雨 :「クユさんも、チェスなら大抵の相手には勝てるでしょうが、横でずっと邪魔をされていては難しいでしょう」

クユ :「それでもクユは勝つが」

時雨 :「そうでした」

時雨 :「ともあれ、センヒさんはその邪魔ができる。自分はされずにね──これは少し、大変です」

クユ :「時雨も勝て」

クユ :「次は、きっとだ」

クユ :「見るのが好きなのは、時雨だからしかたがない」

クユ :「でも、アイドルは見られるのがお仕事」

クユ :「クユが見てるのだから、次は勝つ、そうでしょ?」

時雨 :「……ええ」

時雨 :「楽しめるように、勝ちます」

時雨 :「不安にさせてしまいましたか」

クユ :「クユは不安など生まれてこのかた感じたことは無いが?」

時雨 :「それなら、私も」

時雨 :「クユさんが見てくれるなら、何も怖くはありませんね」

クユ :「世話が焼けるな」

時雨 :「すみません」困ったように笑う。

宍戸れみふぁ :あ然と、ステージを眺めている。

宍戸れみふぁ :「リンネ……さま……」

紅海月 :「レミ……レミ!」

紅海月 :その少女の肩を抱いて。

宍戸れみふぁ :「そんな……だって……」

宍戸れみふぁ :「リンネさまは、とっても強い吸血鬼で……」

紅海月 :「身体に異常は? 大丈夫か、お前さん!」

紅海月 :「眷属ってやつなんだろうが」

宍戸れみふぁ :「え?」

宍戸れみふぁ :「そういうのは、特に……」

宍戸れみふぁ :「ああ、でも」

紅海月 :ほっと息を撫で下ろして。「うん?」

宍戸れみふぁ :「なんだか、何か、大事な繋がりが……」

宍戸れみふぁ :「消えてしまったようで、心に穴が空いてしまったようで……」

宍戸れみふぁ :「いや、これって、眷属とか……そういうのじゃあないのかな」

紅海月 :がり、と唇を思わず噛み切る。血の味が口内に広がって。

紅海月 :沸きそうになる頭をばちん、と叩く。

宍戸れみふぁ :「眷属は、眷属間やその親と」

宍戸れみふぁ :「繋がっているんだそうです……」

宍戸れみふぁ :「強い眷属ほど、それをより感じ取れるって……」

宍戸れみふぁ :「私、それすらわからない……」

宍戸れみふぁ :「これが、眷属の繋がりが失われた喪失感なのか」

宍戸れみふぁ :「ただ、ただ私が悲しいだけなのか……」

宍戸れみふぁ :「弱くって、わ、わたし、本当に」

宍戸れみふぁ :「最高のアイドルを目指そうって、この前」

宍戸れみふぁ :「約束したのに」

宍戸れみふぁ :「リンネ様が、私の目をみてくれたのに……」

紅海月 :暫くその沈んだ瞳をじっと見たあとで。

紅海月 :ふぅ、と息を吐き。

紅海月 :ぴんと、その額を指で弾く。

宍戸れみふぁ :「店長……」

紅海月 :「レミ」

宍戸れみふぁ :ぼんやりと、紅海月を見上げる。

紅海月 :「お前さん、なんで眷属ってやつになること決めたんだ?」

紅海月 :「てめぇの"ちから"を増すため?」

紅海月 :「眷属って"ちから"を利用するため?」

紅海月 :「違うだろ」

宍戸れみふぁ :「歌が……届いたから」

宍戸れみふぁ :「あれは、きっと私のために作ってくれた歌だって」

宍戸れみふぁ :「そう思ったから……」

宍戸れみふぁ :「思えたから」

紅海月 :「その歌を」

紅海月 :「その想いを……」

宍戸れみふぁ :「RIN-NEに憧れて……そして……」

紅海月 :「そう」

紅海月 :「どうしようもなく、千十嵐リンネに」

紅海月 :「惹かれちまって」

紅海月 :「どうしようもなく、彼女がお前さん中で、大切な存在だったからだろ」

紅海月 :「答え合わせなんぞはもう、必要ねえわな」

宍戸れみふぁ :「私……これから……どうすれば……」

宍戸れみふぁ :「私……、私は」

宍戸れみふぁ :「……ちがう」

宍戸れみふぁ :震えが、止まる。

紅海月 :黙してその答えを聞く。

宍戸れみふぁ :「みんな、怖いはずだ」

宍戸れみふぁ :「強いつながりを失って、大事なひとを失って」

宍戸れみふぁ :「でも」

宍戸れみふぁ :「でも歌はある、もう、受け取った」

宍戸れみふぁ :「そうでしょう?そういうことなんだよね、店長」

宍戸れみふぁ :「そうか……」

紅海月 :僅かに口を歪ませて。「約束したんだろ?」

紅海月 :「もう、頼るわけにはいかねえと」

紅海月 :「てめぇひとりのちからで」

紅海月 :「光を授けられるんだって」

紅海月 :「お前さんは」

宍戸れみふぁ :「ちがう、ちがうんだよ店長」

宍戸れみふぁ :「そうじゃない」

宍戸れみふぁ :「私、受け取ってた」

宍戸れみふぁ :「いっぱい、いっぱい、もう、たくさん」

宍戸れみふぁ :「ずっと前から、もうひとりじゃあなかった」

宍戸れみふぁ :「私が私が、じゃあないんだ」

宍戸れみふぁ :「みんなが、私に何をくれたのか」

宍戸れみふぁ :「これから、何をくれるのか」

宍戸れみふぁ :「私の資質――」

紅海月 :「そうか」

紅海月 :「そうか─────」

紅海月 :胸中で。ぼそりと呟く。

紅海月 :貰っているのは。こちらも同様なのに。

千十嵐リンネ :『貴様の有り様は、ある意味で私に近しいところがある』

宍戸れみふぁ :「大事なものを、繋げて、届けたい」

宍戸れみふぁ :「私は、ただそのための受け皿になりたい」

紅海月 :「簡単じゃねえぞ」

紅海月 :「ようやっと、スタートラインに立ったってトコだ」

宍戸れみふぁ :「大丈夫、わかったの」

宍戸れみふぁ :「リンネ様が、何をやりたかったのか」

宍戸れみふぁ :「たぶん、だけど……」

宍戸れみふぁ :「足りないことは、誰かに聞けばいい」

宍戸れみふぁ :「きっと教えてくれる、繋がれる」

宍戸れみふぁ :「私たちには、絆があるから、リンネ様が残してくれた」

紅海月 :この少女の行く末が。

紅海月 :光り輝く道を征くのか。はたまた深い、暗き道に続いてゆくのか。

紅海月 :今は、誰にも分からないが。

紅海月 :「(ただひとつ、わかるのは、よ)」

紅海月 :「(子など持ったことは無ぇが)」

紅海月 :「(娘の独り立ちってのは、こうも──────)」

紅海月 :寂しげに頷いて、席を立つ。

紅海月 :「なら、儂も負けていられねえな」

紅海月 :「宍戸れみふぁ」

宍戸れみふぁ :「はい」

宍戸れみふぁ :今度は、まっすぐに、意思の籠もった瞳で。

紅海月 :「その大切なもの」

紅海月 :「届けてみせろよな」

紅海月 :「最高の舞台で」

紅海月 :「必ずや、待っているぞ」

紅海月 :「先達としてな」

宍戸れみふぁ :「待っててください……」

宍戸れみふぁ :「きっと、きっと追いつくから……」

宍戸れみふぁ :「追い越して、そして」

宍戸れみふぁ :その先を告げることはない。

宍戸れみふぁ :だが、たしかにれみふぁは何らかの答を得たようであった。

GM :===

サイクル3:紅海月

GM :それではいよいよ運命のサイクル3、最後の週へと入ってまいりましょう

GM :いくぜ!最初はこいつだPC5!

紅海月 :うむ。

GM :登場希望、シーン内容、表!

紅海月 :真白ももあさんと

紅海月 :デートを

紅海月 :します。

真白ももあ :やってやらぁ!!

GM :しな!

紅海月 :そして……許可が出れば……こいつを使うぜ!

紅海月 :デートシーン表だッ!

真白ももあ :バケビ1やバケビ3で使われた……あの!?

GM :使いな!

紅海月 :そうだ!やったぜ!

紅海月 :2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7

GM :ちぃ、他の表だったら簡易戦闘だったものを

真白ももあ :デートに戦がなくてよかった~

紅海月 :運がよい

GM :全部戦よ

紅海月 :

GM :7.大型のアミューズメント施設へとやってきた、ゲーセンカラオケボウリング、なんでもござれだ。

紅海月 :ビビったじゃねえか……!(簡易戦闘の前フリかとおもった)

真白ももあ :普通のデートでよかった

真白ももあ :アミューズメント施設なら普通にありそうですもんね

紅海月 :アミューズメントの定義にもよるが……

真白ももあ :あと普通に情報の交渉なんですけど

真白ももあ :兵糧丸とミトさんの秘密渡すので淀沼さんと桜華ちゃんの秘密ほしいです

紅海月 :わし

紅海月 :ヒィちゃんの秘密抜くつもりなんだけど

紅海月 :それはどうしよっかね

真白ももあ :それもほしい~♡

真白ももあ :もうここまできたら出し渋ったり交渉の材料にとか……

真白ももあ :あまり考えない方が良い気がする

紅海月 :ま、気が向いたらあとでなんか……なんかしてください(?)

紅海月 :貰ってから考え変わるかもしれんので

真白ももあ :そうね!基本私は手に入れたものは渡すつもりでいます、今のところは

GM :ではやっていきましょう


GM :===

GM :娯楽の殿堂狂楽区。

GM :ここは遊戯商店街、小さな区画がまるごとアミューズメント施設として君臨する場所である。

GM :ひとたび迷い込むが最後、しばらく遊びの文字は見たくもないと言うほど遊びたおさないと抜け出せぬと謳われる迷宮である。

遊び倒れ人形 :「ヨッ……トイデ」

遊び倒れ人形 :「オニイサン……イイモノハイッテルヨ……」

隣で倒れるぬいぐるみ :「タノシイ……タノシイ……」

GM :入り口でささやく謎の人形をかわして、エントランスで誓約書を書かされる。

誓約書 :「ここで死んでも自己責任、遊びでやったことだから、あーー楽しかった。」

真白ももあ :「わあっ、命がフランクですね!」

紅海月 :「異街のアミューズメント地区じゃからの。かかっ」

紅海月 :「アイドルのミニイベントなんかも時たま、やっててよ」

ホビアニ太郎 :「お兄さん、オイラと遊ぼうぜ!!」

紅海月 :「そんぐらいでしか、足を運んだことは無かったが……むっ」

ホビアニ太郎 :「オイラは勿論……命を賭けるぜ!!」

紅海月 :「くっ……ホビアニのか。厄介なのに目ぇ付けられたな」

真白ももあ :「ええー、物騒!」

真白ももあ :「知ってるんですか!」

ホビアニ太郎 :「気軽に世界の危機だぜ!!!」

ホビアニ太郎 :「仲間たちが力をくれるぜ!!!遊ぼうぜ!!!」

紅海月 :「命を担保に半死半生のデスゲームへと客を誘うクソマスコットだ」

真白ももあ :「それ仲間たちの命とか奪って強くなってない?」

紅海月 :「誘いを受けたが最後、24分間は拘束されちまう……」

真白ももあ :「あ、結構短いんですね」

ホビアニ太郎 :「乙女の祈りは隠された力を授けるぜ!!!遊ぼうぜ!!!」

紅海月 :「他番組との兼ね合いもあるからな」

真白ももあ :「そっか……この子もビジネスでやってるんですね」

ホビアニ太郎 :「チッ、よく見たらアベックかよ、帰ってNetflixでテラスハウスでも見てな!!」

ホビアニ太郎 :「オイラはホビアニを必要とする魂のところへ行くぜ!!!」

ホビアニ太郎 :走り去っていく。

真白ももあ :「アベックって……」

真白ももあ :「な、なんだったんでしょう。ホビアニを必要とする魂って……?」

紅海月 :「さあ……? オモチャ作りが趣味の男とかかなあ……」

紅海月 :「ま、何にせよ」

紅海月 :「遊ぶためだけに、お前さんを誘ったわけでもねえ」

紅海月 :「とはいえ少し、遊んで行ってから─────」

紅海月 :「二人きりになれる場所にでも赴くと、するかの」

真白ももあ :「……!はいっ!」

真白ももあ :「いま、アベックって言われて」

真白ももあ :「他の人からみたら、カップルに見えるんだなって、嬉しくなってたところなんです」

真白ももあ :「今日はよろしくお願いしますねっ」

紅海月 :「まったく、光栄な事だの」快活に笑って。

紅海月 :「応。精々、楽しんでいってくれや」


GM :ワクワクランドタワーを昇り、死亡遊戯街を抜け、へとへとになったあなたたち。

GM :休憩も兼ねて、腰を据えたのはカラオケルームだ。

採点くん :「歌うの♪、さもなくば死なの♪」

GM :謎のキャラクターを適当にあしらいつつ部屋へと入る。

真白ももあ :「異街ってどこでも命がけなんですね!」

紅海月 :「じゃなあ……」体力の差だろうか。既に疲労困憊だ。

真白ももあ :「私、空き時間に一人でカラオケに来ることはあっても、人となんて滅多に来ないから」

真白ももあ :「もちろんデートでなんて初めてだし、嬉しいです!」

紅海月 :ふっ、と息を零して。鷹揚に頷いてみせる。

紅海月 :「儂もだ」

紅海月 :「恥ずいから、あまりこんな事ぁ、言いたかねえんだが」

紅海月 :「儂もよ。女子と連れ立って遊んだりってのは、めっきりだったからの」

紅海月 :「楽しかったよ。この上なく」

真白ももあ :「えへへっ、そうなんですか?」

真白ももあ :「私なんて子供だから……全然相手にされてないと思ってたから」

真白ももあ :「なんだか嬉しいです、えへへ」

紅海月 :にっ、と笑って。一息吐く。

紅海月 :「さて」

紅海月 :「丁度いい頃合いだし……そうさな」

紅海月 :「まずは、改めて。本選出場確定、おめでとさん」

紅海月 :「……当初皆が願うようなステージには、成りえないものとなってしまったがよ」

真白ももあ :「ありがとうございます!紅海月さんの応援してくれる声が聞こえたから、一生懸命頑張りました」

真白ももあ :「そうですね……」

真白ももあ :「なんか……やっぱり、私はみんなとは違うんだなって、改めて思いました」

紅海月 :「……つーのは?」

真白ももあ :「『アイドル生命がおわる』とか、そういう比喩としてはあっても……」

真白ももあ :「本当に命が失われるわけじゃないから……」

真白ももあ :「改めて……紅海月さんとか忍者の皆は、本当に命のやり取りをしてるんだなって……」

真白ももあ :「分かったつもりになってたわけじゃないけど……むしろ、分かろうとしてなかったのかも」

真白ももあ :「私も死んじゃうのもって思ったら……すごく怖かったし」

真白ももあ :「目の前で……友達が……」

真白ももあ :「……それでも、ステージの上だから……泣いたりしちゃダメだなって思ったけど」

真白ももあ :「やっぱり……哀しいし、こわいです」

紅海月 :「うむ……そうさな」

紅海月 :「血で血を洗う争いが日常茶飯事であるのが忍びの常ならば」

紅海月 :「ちからと経験を会得したとて、世界のギャップにお前さんが戸惑うのは当然」

紅海月 :「昨日の友が明日骸になっている……なんて話ぁ、こと珍しくもない」

紅海月 :「"竜誕祭"の理こそあるにすれ。センヒが今だアイドルをやれている現状を、客が受け止められるんのも」

紅海月 :「そのあたりの価値観を、深層心理では理解してるのかもわからん」

紅海月 :「だが。決戦はステージで、奴もまた、アイドル」

紅海月 :「つまり、お前さんの土壌だ」

真白ももあ :「……、はい!」

真白ももあ :「リンネさんとも話したけど……私は暴力が得意じゃないから、センヒちゃんが暴力でステージをやるのがずるい、って言うのは簡単だけど」

真白ももあ :「センヒちゃんはセンヒちゃんの考えた、自分の一番輝ける方法をとってるだけなんですよね」

真白ももあ :「……だけど、だからこそ」

真白ももあ :「歌とか踊りとか……そういうものの力で、誰かにより好きだなって思ってもらえたら、もっと嬉しいし素敵だなって思いました」

紅海月 :「………そうだな」

紅海月 :「心から、儂もそう思う」

紅海月 :「そのちからを……万人が」

紅海月 :「いともたやすく、受け入れてくれれば」

紅海月 :「どれほど良いか」

紅海月 :言葉を切って。

紅海月 :「……約束」

紅海月 :「あったよな」

真白ももあ :「……はい」

紅海月 :「正直に言おう」

紅海月 :「あれから、状況も目まぐるしく変わった」

紅海月 :「儂は……まだ、迷っている」

紅海月 :「そこで……まずぁ、擦り合せをしたい」

紅海月 :「お前さんが抱えているもの」

紅海月 :「儂が抱えて、得てきたもの」

紅海月 :「総じた上で……今」

紅海月 :「この場で答えを出そう」

真白ももあ :「……そうですね。情報整理、情報収集……大事ですよね」

真白ももあ :「特に……私の事を信頼してもらうには、きっと……私の知ったミトさんのこと、知ってもらった方が良いと思うから」


真白ももあ :そういうわけでミトさんの秘密を紅海月さんに渡します。兵糧丸はまだだけどあとで渡すからね!

紅海月 :おっけぃ。ではこちらからは淀沼九皐さんの秘密をももあさんに渡します。

紅海月 :ミト・淀沼共にオープンかな?

真白ももあ :ですね!できれば桜華ちゃんの秘密も欲しいけど~……

GM :了解、ふたつを公開情報へ

紅海月 :順に行こうや……へへ……

真白ももあ :おっすおっす!では公開おねがいします!

花屋敷ミトの秘密

あなたの正体は比良坂機関によるスパイである。

眷属として磨羯一家へと潜り込んだあなたであるが、若々しいかつての全盛期を上回る美貌と肉体を手に入れたことである思いが抑えきれなくなった……

私だってできる!アイドルとして千十嵐リンネを倒すことが!

そうして【協力者】として真白ももあへちからと知識を与えた際、彼女の本来の【使命】と己の【使命】を取り替え奪ってしまったのだ。

あなたは【エニグマ:運命変転の呪】を有している。


運命変転の呪:解除/自動《傀儡の術》

淀沼九皐の秘密

あなたはアイドルなど一切信用していない。

歌や踊りで人類が救えるものかバカバカしい!

あなたの【本当の使命】は千十嵐リンネへの抗体であるプライズ【ビリジアン・ブルース】を用い"対千十嵐リンネワクチン"を完成させ、人類をアイドルなどに心動かすことなど無い存在へと変えることである。

紅海月 :公開、ありがとうございます。

紅海月 :そして……ここでやっちゃおう。

紅海月 :センヒちゃんの秘密を……抜く!

真白ももあ :がんばれ~~!

GM :何ィ

紅海月 :指定は《経済力》!

紅海月 :ゆらゆらの富パワーでしらべました

真白ももあ :それって失敗じゃん!

GM :薄汚い金の力がよぉ~~~~!!!

GM :貴様の店の稼ぎでどれだけできるか見せてもらおうじゃあねえか!

GM :振りな!!

紅海月 :ウオオオオ!レミ!マツ!みんな!わしにちからをくれ!

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

紅海月 :草草の草

GM :まあwwwwゆらゆらwwwwwだしなwwwww

真白ももあ :ゆらゆらの富を使うから!!!!!

紅海月 :ざけんじゃねえよ!!諦めてたまるか!

GM :オラ、楽しい楽しいファンブルタイムだぞ

紅海月 :神通丸を使うぜ!

GM :なんだとぉ

GM :命拾いしやがって、振りな!!

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

紅海月 :極端なんよ

真白ももあ :今度はめちゃくちゃいいな

GM :極端だなゆらゆら

GM :では秘密をお渡しします。

紅海月 :セイちゃんと桜華ちゃんにもよしなにおねがいします。

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 6 → 5

真白ももあ :もらえるならもらいたいけどな~♡

紅海月 :受け取りました。

紅海月 :なるほど……

紅海月 :????????????

紅海月 :なるほど。

紅海月 :ええとね

紅海月 :ももあさんには……渡したくないかなあ……。

真白ももあ :そうとはね……

紅海月 :う~~~んたぶんだけど

紅海月 :中の重要度的には大事かもしれないんだけど

紅海月 :PC側が全員今の時点で知る必要はねえし、致命的な自体には陥らないかな……?

紅海月 :みたいな?

真白ももあ :さっきのマスターシーンであんなに暴れたのに???

紅海月 :代わりに

紅海月 :桜華ちゃんのひみつをあげましょう。

紅海月 :兵糧丸ちょうだい♥

真白ももあ :やった~♡

真白ももあ :あげる!ファンブルで個数減ったからね……

紅海月 :うれぴ……

紅海月 :というわけで桜華ちゃんの秘密をももあさんに譲渡します。

system :[ 真白ももあ! ] 忍具 : 4 → 3

紅海月 :公開かしらね。

真白ももあ :しぐにもいくので公開情報になりますね

真白ももあ :兵糧丸を渡します。

紅海月 :で、手持ちの兵糧丸もつかっちゃお

紅海月 :妖術回復。

system :[ 紅海月 ] 妖術 : 0 → 1

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 5 → 6

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 6 → 5

真白ももあ :そういう判断をするってことはセンヒちゃんにエニグマがないと判断していますが

真白ももあ :なら……ミトさんのエニグマ解除……挑戦してくれると……嬉しいな~♡

紅海月 :ええよ

真白ももあ :やった~~~!

真白ももあ :とりあえずは桜華ちゃんの情報が公開されるところを見たいアルね

紅海月 :よろしくおねがいします。

GM :PC4公開情報かしら~~

真白ももあ :そうぜ!

紅海月 :ですな!

真白ももあ :私に来るということはしぐにいくということだからね!

GM :ではオープン。

合馬桜華の秘密

あなたの故郷はとある妖魔によって滅ぼされた。

村近くの深山にねぐらを構える人喰いの妖魔をかつて【魃】が捕らえたが、彼らのうちのひとりが裏切りその妖魔を逃してしまう。

その結果起きた惨劇の唯一の生き残り、それがあなただ。

あなたはそのまま【魃】の一員となり復讐のために生きてきた。この忍務に名乗りをあげたのはその妖魔が竜骨島にいるという情報を掴んだためである。

あなたの【本当の使命】は復讐を成し遂げることである。

真白ももあ :いただきました!

紅海月 :サンキュ!

紅海月 :あとはこれ!

紅海月 :【補給】!

紅海月 :遁甲符を狙うぞ。

真白ももあ :がんばれ~♡

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

紅海月 :あっぶね!

真白ももあ :やったね!

紅海月 :応援ありがと~!

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 5 → 6

GM :お店屋さんかよ??

紅海月 :お店やさんじゃから……

真白ももあ :お店やさんだから……

紅海月 :取り急ぎ情報交換、ここまでかな。

真白ももあ :このまま勢いでエニグマも……?

紅海月 :エニグマってシーン終わりじゃなくてもできる?

紅海月 :>解除判定

真白ももあ :今回は解除と判明が同時だけど、どうなんだろ?

真白ももあ :シーン終わりじゃなくてもできるかな?

紅海月 :わしが実際知ったのはこのターンってことも加味していただくと

紅海月 :どうなんじゃろう

GM :シーン終わりじゃなくてもいいよ

GM :というわけでこいつは判定に指定特技があり、解除まで一気に持っていけます。

紅海月 :ほほう……

真白ももあ :ありがと~~~!

GM :《傀儡の術》だ、挑むならばどうぞ!

紅海月 :あざます、じゃあ挑む!

真白ももあ :がんばって!

紅海月 :《経済力》で代用。目標判定達成値7

紅海月 :2D6>=7 (判定:経済力) (2D6>=7) > 10[5,5] > 10 > 成功

紅海月 :こんなもん

真白ももあ :さっすが~~~!!!

GM :神通丸での厄落としに成功しやがって

紅海月 :ガハハ!

GM :では解除です。

運命変転の呪

これが解除された際、真白ももあ本来の【使命】である「千十嵐リンネをアイドルとして打倒し、世界に平和を取り戻す」をあるべき場所へと置き直す。

紅海月 :取り戻したぜ。トップアイドルの使命をよ

GM :エニグマが解除されたため、真白ももあ、花屋敷ミト両名の秘密を更新します。

真白ももあの秘密

あなたは比良坂機関から秘密の忍務を受けてここにいる。

先んじて異街へと潜入調査を行っていた対吸血鬼の忍び集団【魃】の副隊長ハム、

彼女により千十嵐リンネへの対抗手段である【ビリジアン・ブルース】という存在が明らかになった。

あなたの【本当の使命】は【ビリジアン・ブルース】を入手し、それを持ち帰ることだ。

あなたの秘密は奪われていた!が、こうして取り戻し、あるべき形へと戻った。

あなたの【本当の使命】は千十嵐リンネをアイドルとして打倒し、世界に平和を取り戻すことである。

花屋敷ミトの秘密

あなたの正体は比良坂機関によるスパイである。

眷属として磨羯一家へと潜り込んだあなたであるが、若々しいかつての全盛期を上回る美貌と肉体を手に入れたことである思いが抑えきれなくなった……

私だってできる!アイドルとして千十嵐リンネを倒すことが!

そうして【協力者】として真白ももあへちからと知識を与えた際、彼女の本来の【使命】と己の【使命】を取り替え奪ってしまったのだ。

あなたの正体は比良坂機関によるスパイである。

眷属として磨羯一家へと潜り込んだあなたは比良坂機関から秘密の忍務を受けてここにいる。

先んじて異街へと潜入調査を行っていた対吸血鬼の忍び集団【魃】の副隊長ハム、

彼女により千十嵐リンネへの対抗手段である【ビリジアン・ブルース】という存在が明らかになった。

あなたの【本当の使命】は【ビリジアン・ブルース】を入手し、それを持ち帰ることだ。

紅海月 :忍び同士の精神感応。

紅海月 :魂の根。奥深い所でそれを繋げ合い、それを分かち合う。

紅海月 :直ぐに理解った。この少女の内に秘められしちからの、歪な構造に。

紅海月 :螺子を、無理やり、逆に嵌め込んでいるような。

紅海月 :「(かかっ。舐めるなよ)」

紅海月 :アイドルオタク、アイドルであると同時に。

紅海月 :己は。忍具・絡繰のエキスパートだ。

紅海月 :器用に、ひとつひとつ。それを外していくイメージ。

紅海月 :数分の間のあと。少女の頭をぽん、と撫でる。

紅海月 :「どうじゃ」

真白ももあ :「んむっ」ぽんと頭を撫でられ、目をぱちぱちする。

真白ももあ :「ええと……いろんなこと教えてくれて。そして……私の奪われてたものを、撮り返してくれて……ありがとうございます」

真白ももあ :「なんか……たぶん、私の為にすっごくおっきいことをしてくれたんだな、っていうのは……わかるんです。教えてもらった淀沼さんのこととか考えたら……余計に」

真白ももあ :「でも私はずっと、リンネさんを倒す、ドラゴンボーンフェスで優勝するって……そのためだけに頑張ってきたから、なんか……あれ、今更?みたいな」

真白ももあ :「逆に……」

真白ももあ :「……紅海月さんが背負ってる、つらいものを私が持てなくなっちゃって……ちょっと悲しいです」

紅海月 :「……かか」

紅海月 :「そう思ってくれるのは、素直に嬉しいけどよ」

紅海月 :「儂は正直、ほっとしたぜ」

紅海月 :「完全に決別する気で、いたからの」

紅海月 :「お前さんと」

真白ももあ :「……そうなんですか?」

真白ももあ :「やっぱり強いんですね」

真白ももあ :「私は……もし、紅海月さんと敵になっても」

真白ももあ :「殺したりはできないなあって、思ってました」

紅海月 :「あ、阿呆。アイドルとしての話じゃ!」

紅海月 :「儂にお前さんが殺せるわけねえだろ!」

真白ももあ :「……そうなんですか?」

紅海月 :「………」

紅海月 :「人類、全てが千十嵐リンネそのものになる、などという屈辱に甘んじるくらいなら」

紅海月 :「人類が千十嵐リンネに敗北しないこと。そこまでは分かるが」

紅海月 :「そこに。儂や、お前さんが求める世界はないし」

紅海月 :「仮に。淀沼とやらの思惑通りにことが進んだ場合───」

紅海月 :「断言しよう」

紅海月 :「遠からず、人類は皆死に絶えるだろうよ」

紅海月 :「感動なき世界が。どれほど退屈なものか」

紅海月 :「理解ってねえ。理解るわけねえし、理解ろうともしなくて、ええけどな」

真白ももあ :「………………」

真白ももあ :「……あの」

真白ももあ :「どうして……アイドル、やめたんですか」

真白ももあ :「あ、今はもちろん……やってるの知ってますけど!昔……やめたって聞いたから」

紅海月 :その言葉に。しばらく押し黙って。

紅海月 :「ううむ。……まあ、よ」

紅海月 :「演る側より、観る側の方が好きだから……ってのが、究極的には間違い無ぇんだが」

紅海月 :「他にも色々あるよ」

紅海月 :「視点が違えば、見えるものも違ってくる」

紅海月 :「演る側にぁ、演る側の苦悩があり、観る側にぁ、観る側の苦悶がある」

紅海月 :「その橋渡し……なんて言っちゃあ、自惚れだがよ」

紅海月 :「ま……体力的にも、限界近かったし。丁度ええと思ってな」

紅海月 :「……ファンには、悪ぃことしたが」

真白ももあ :「ふふ……」

真白ももあ :「前に……辛い人に寄り添ってあげられるから、アイドルが好きって言ってたから……」

真白ももあ :「自分ではそれがうまくできないと思ったのか……」

真白ももあ :「もしくは、そうやって寄り添ってくれる人に、寄り添える人がいなかったら寂しいから……自分がやろうと思ったのかなって思ってました」

紅海月 :「………恥ずいなあ、全く」

紅海月 :「お前さんと話してると、たまに全部見透かされてる心持ちにならあ」

紅海月 :「………」

紅海月 :「もう、"大事なもの"を手にする動機は、失くなっちまったようだの」

紅海月 :「どうするよ? 真白ももあ」

紅海月 :「ラストチャンスだぜ」

紅海月 :「今ならまだ、引き返せるかもしれねえ」

紅海月 :男の瞳の奥に光るのは、暗く、深い色の碧。

真白ももあ :「私が紅海月さんに会って……」

真白ももあ :「デートしてもらって……楽しくて。心配してもらって、応援してもらって、優しくしてもらえて、真剣に考えてもらえて、嬉しかったのは」

真白ももあ :「私に必要なアイテムを紅海月さんが持ってるからじゃない」

真白ももあ :「紅海月さんが素敵な人だから」

真白ももあ :「紅海月さんのことが、好きだから」

真白ももあ :「……ですよ」

紅海月 :「………」

紅海月 :「そうか」

紅海月 :初めて、目の当たりにした少女は。

紅海月 :画面越しに見るその姿よりも、ずっと輝いて見えた。

紅海月 :スポットライトの光を一身に浴びて、誰よりも楽しげに歌うその姿は。

紅海月 :異街で産声を上げ。混沌に揉まれ育っていった、逞しい異街のアイドルたちの中でも、その輝きは曇るどころか。

紅海月 :他者のそれをより際立たせた上で。さらにその輝きは増していく。

紅海月 :私は、ここに居るのだと。

紅海月 :主役の座は、私だけのものだと。

紅海月 :最早疑うべくもない。

紅海月 :この地上で。千十嵐リンネすら、その腹に納めたアイドル・妖魔センヒと肩を並べられる、最強のアイドルは彼女に他ならない。

紅海月 :光り輝く道を歩む少女。

紅海月 :しかし、同時に。

紅海月 :舞台から降り立った少女は。

紅海月 :等身大の。どこにでもいる、少女で。

紅海月 :当たり前に、未知の出来事に驚いて。

紅海月 :当たり前に、恋愛に興味があって。

紅海月 :当たり前に、夢のために苦悩する。

紅海月 :当たり前の感性を備えた、普通の少女だった。

紅海月 :彼女のことは、何も知らない。

紅海月 :ただ。

紅海月 :ステージの上で踊るでもなく。歌を披露するでもなく。

紅海月 :そこにいるだけで。

紅海月 :その背を支えてやりたいと思う。導いてやりたいと思わせる。

紅海月 :共に、手を取り合って。歩んでいきたいと思わせる。

紅海月 :人として。彼女がどれほど素敵な人かは、わかる。

紅海月 :風が吹き荒ぶ、からっぽの、この心に。

紅海月 :僅かに灯った暖かな火。

紅海月 :直にそれを伝えることは、簡単だ。

紅海月 :しかしそれは。

紅海月 :己の生き様を否定することになる。

紅海月 :───自己中で、碌でなしで。アイドル馬鹿の、糞野郎。

紅海月 :それでも。アイドルに魅入られちまった、その日から。

紅海月 :決めたのだ。

紅海月 :当たり前のものを切り捨てて、てめぇのような矮小な存在に夢を見せてくれる彼ら彼女らに。

紅海月 :己だけがそれを享受してたまるものかと。その一切を絶ってきた。

紅海月 :そして。彼女の決めた想いと、その生き様を否定することなど、己は断じて出来ない。

紅海月 :有ってはならないのだ。

紅海月 :彼女が。誇り高き"真白ももあ"で在り続ける限り。

紅海月 :到底。釣り合わぬのだ。

紅海月 :だから。これが、本当に最後。

紅海月 :辛くても幸せそうに振る舞うことは苦にならない、と彼女は言った。

紅海月 :だが。彼女がひとである以上。幸せであり続けることにどれほどの労力を要するのか。

紅海月 :どうしようもなくわかる。同じ景色を見たものなら。

紅海月 :そうあるべくして生まれた彼女にとって。

紅海月 :これは、己の勝手な言い分だろう。

紅海月 :しかし、それでも。この少女が。

紅海月 :頂点でただ、懸命に走り続けてきたこの少女が。

紅海月 :例え彼女が。愛し愛される人々に、もう十分に見返りを貰っているのだとしても。

紅海月 :己だけは。十二分に報いてやりたいのだ。

紅海月 :それが、幸せへと誘う救いの手でなくとも。

紅海月 :それが、身勝手な呪いだとしても。

紅海月 :それが、彼女の欲するものであるのなら。

紅海月 :この重荷は、ひとりの少女に背負わせていいものでは、決してない。

紅海月 :しかし、己には。是しか出来ぬ。

紅海月 :彼女の誠意に報いる方法。

紅海月 :───己が知る限りで。

紅海月 :いちばん、負けず嫌いで。わがままで。

紅海月 :不器用で、がんばり屋な少女のために。

紅海月 :己があげられる、唯一のもの。

紅海月 :呪いの、おまじない。

紅海月 :その、小さな真白き手を取って。

紅海月 :恭しく片膝を着き。

紅海月 :壊れ物を扱うかのように。優しく、愛しく、握りしめた手の甲へ。

紅海月 :そっと唇を寄せた。

紅海月 :まだ、まだ───。

紅海月 :幸せであれ、と。

紅海月 :プライズ・碧幕を真白ももあさんに譲渡します。

GM :それを!?

GM :よ、よかろう……

GM :ではプライズを譲渡します。PC3は既に情報を得ているため所持してるよって書いたり覚えたりしててね。

真白ももあ :所持……してるよ!!

紅海月 :よし。

GM :紅海月が持つ、呪いの一部が彼女に手渡される。

GM :その呪は、彼に深く根ざしているため、開放されることはない。

GM :今は、まだ。

紅海月 :「ま、約束したからよ」

紅海月 :「………」

紅海月 :「ドキドキしたか?」

真白ももあ :「…………」

真白ももあ :「……わ、わ」

真白ももあ :「えっと…………」

真白ももあ :「……しました、ドキドキ」

紅海月 :「くっ」

紅海月 :「ははっ」

紅海月 :ほんの、まばたきの間だけ。

紅海月 :少年のように、清らかに朗らかに。男は微笑んで。

紅海月 :間もなく、いつもの。人を喰ったような笑みを、その面に携えている。

真白ももあ :「……なんか」

真白ももあ :「私は……ダメなんだと思ってたんです」

真白ももあ :「普通の女の子が、テレビで見るアイドルに憧れても、自分ではなれないと思うように……」

真白ももあ :「私が……誰かひとりだけ、一番好きだと思った人に、一番好きだと思ってもらうのは……」

真白ももあ :「ダメなんだって、思ってたんです」

真白ももあ :「でも……」

真白ももあ :「いい、のかな……?」

紅海月 :良いに決まっているだろう、と。

紅海月 :この腕で、抱きしめられたらと、どんなに良いか。と思う

紅海月 :されど。今はまだ。

紅海月 :「勘違いするんじゃねえぞ」

紅海月 :「儂は……」

紅海月 :「情に絆されたわけでも……」

紅海月 :「善意でやっているわけでもねえ」

紅海月 :「言わば、これはハンデよ」

紅海月 :「お前さんがアイドルとして。最強たる、儂に挑むための、な」

真白ももあ :「ふふ……」

真白ももあ :「情にほだされたわけでも、善意でもないのに」

真白ももあ :「何を見ても……どんなに眩いものを見ても、かつて焦がれたそれを見ても、何も感じられなくなってしまったのに」

真白ももあ :「私に優しく、寄り添ってくれることを選んでくれたんですね」

紅海月 :「………五月蝿えな」きまりの悪そうに頭を掻いて。

紅海月 :「ドラゴン・ボーン・フェス。出場者は、どいつもこいつも常軌を逸した傑物揃い」

紅海月 :「“最凶”磨羯一家No.2─────いや、今やNo1の。鬼のセンヒ」

紅海月 :「“新星”明日葉セイに、“皓月千里”真白ももあ」

紅海月 :「“百花繚乱”合馬桜華に、“帰蝶”花屋敷ミトってトコと」

紅海月 :必ずや、共に舞台に上がると信じている────

紅海月 :「"千変万化"の怪人時雨。ううむ」

紅海月 :あと、ひとり。

紅海月 :その名を呼ぶべきものがいるが。

紅海月 :まだ、まだ。その時には至らず。

紅海月 :胸の内にだけ、その名を秘めておく。

紅海月 :「儂だって、たまに思うぜ」

紅海月 :「こんなロートルが、何出しゃばろうとしてんの?ってな」

真白ももあ :「……私、本当は」

真白ももあ :「紅海月さんは、アイドルに向いてないんじゃないかって思ってたんです」

真白ももあ :「アイドルは……ワガママで、ただ、自分が輝きたくて」

真白ももあ :「その身勝手な輝きに、人が惹かれるものだと思ってた」

真白ももあ :「大義名分がある方が、弱いと思ってたんです」

真白ももあ :「でも……」

真白ももあ :「誰かに寄り添う姿を良しとして……」

真白ももあ :「私を、私たちを……こんなに見て、愛して、寄り添ってくれる」

真白ももあ :「そんな在り方を貫けるなら……」

真白ももあ :「骨の髄まで、アイドルですね。紅海月さん」

紅海月 :「まっこと、嬉しい言葉だがよ……」

紅海月 :「儂ほど、欲深い人間もいねえ」

紅海月 :「………戦ってもいねえのに、諦めたくねえんだよ」

紅海月 :「観るものに夢を、希望を与えるものがアイドルだ」

紅海月 :「そこに小賢しい理屈の介在する余地などなく」

紅海月 :「結果だけだ。あるのはただ、純然たる結果のみ」

紅海月 :「てめぇで、てめぇの可能性を信じきれねえアイドルの背中見て」

紅海月 :「人が、救われ救えるわけが、ねえ」

真白ももあ :「私を救えたのは」

真白ももあ :「あなただけですよ」

真白ももあ :「紅海月さん」

紅海月 :「……たまたまだ」

紅海月 :「いいか。小娘」

紅海月 :「比良坂のにも、会うたら伝えとけ」

紅海月 :「最強は、儂だ」

紅海月 :「そんなモノに頼るまでもなく─────」

紅海月 :「全てを魅せつけて。勝利の栄光を手に取って。優勝の頂きに座し」

紅海月 :「ざまあみやがれと。最後に腹を抱えて笑うのは」

紅海月 :「かつての“異街最強の地下アイドル”様よ」

真白ももあ :「今だって」

真白ももあ :「私にとっては、一番の。最強のアイドルは、紅海月さんですよ」

真白ももあ :「……でも、そうだな」

真白ももあ :「紅海月さんに認められなきゃ、異街でアイドルやっていけないって言われたから……」

真白ももあ :「最強のアイドルオタクで、最強のアイドルの紅海月さんに認めてもらった私の方が強いのかな?」

真白ももあ :冗談っぽく、クスクスと笑う。

真白ももあ :「……あの、忍者の人って……本当にすごいなって、おもってて」

真白ももあ :「すごい大けがを負っても……丸薬とかで、たちまち治ったりするじゃないですか」

真白ももあ :「だから……私も、紅海月さんの……お役にちょっとでもたてたらな、って思って」

真白ももあ :ちいさなちいさなカップケーキを取り出す。

真白ももあ :ほんの少しだけ焦げたそのてっぺんには、桜色の丸薬がむりやりねじこまれている。

真白ももあ :「いっぱい作ったんだけど……これくらいしかうまくいかなくて」

真白ももあ :「……決勝、出ますよね?」

真白ももあ :「あの、絶対……死なないでください」

真白ももあ :「痛くなったら……食べて元気だしてください」

真白ももあ :「……勝ってくださいとは、言えないけど」

真白ももあ :「勝つのは、私だから」

紅海月 :張り詰めていた顔が、僅か。くしゃり歪んで。

紅海月 :桜色の丸薬を摘んで、懐に入れ。

紅海月 :「真白ももあ」

紅海月 :「先の花屋敷ミト、滑皮ケイゴとの一戦で」

紅海月 :「お前さんに勝ってほしい、と。心から願った理由が」

紅海月 :「かか。今、ようやっとわかった」

紅海月 :「……我慢ならねえのさ」

紅海月 :「他のアイドルが、真白ももあの光を。陰らせるかもしれない、という事が」

紅海月 :「絶対に、許せねえんだ」

紅海月 :「それを」

紅海月 :「この紅海月以外が、犯すことを」

紅海月 :少女のくれたカップケーキを、一口に平らげて。

紅海月 :「勝つのは、儂だ」

紅海月 :「貴様の"夢"も、"使命"も────何もかも、すべて」

紅海月 :「喰らってやるよ」

紅海月 :「儂の糧としてな」

紅海月 :アイドルとファンとして、背を支え合うでもなく。

紅海月 :男と女として。並び立ち、泣くも笑うも共に分かち合うでもなく。

紅海月 :最強のアイドルと、最強のアイドルとして───。

紅海月 :それが。アイドルとして生きる、この少女に対する、最大の敬意。

紅海月 :あの最高の舞台で、対峙するのだ。

紅海月 :己がすべてを。ぶつけ合うために。

真白ももあ :「アイドルは、一人じゃなれないから」

真白ももあ :「誰かに好きになってもらって、応援してもらえないとなれないから」

真白ももあ :「最強のライバルが……」

真白ももあ :「ただひとり、この人にだけは、幸せを祈って欲しいって思える人に、幸せを願ってもらえるから」

真白ももあ :「私は、無敵で最強のアイドルです。誰にも輝くのを止めさせない」

真白ももあ :「……紅海月さん相手でも!」

真白ももあ :笑顔で手を差し出す。

真白ももあ :あのときは、孤独なんだと思って。差し出された手を取れなかった。けど。

真白ももあ :「良いステージにしましょうね」

紅海月 :「約束しよう」

紅海月 :「最高のステージにしてみせんと」

紅海月 :その手を。硬く握りしめて。

紅海月 :堂々と。言ってのけた。

GM :===

サイクル3:明日葉セイ

GM :それでは次へ参りましょう。

GM :やった来たのは君かぁ~~??PC2!!

明日葉 セイ :うおーーー

GM :登場希望、シーン内容、表!!

GM :それぞれ元気よくどうぞ!

明日葉 セイ :あい! 紅さんとももあちゃんとプロデューサーとお話がしたく

真白ももあ :でるぜ!!

明日葉 セイ :やることは灰色兎プロデューサーの秘密を調べます

紅海月 :よかろうもん!

明日葉 セイ :シーン表はそうね……アイドルかな

GM :了解!振りな!

明日葉 セイ :2d6 (2D6) > 4[1,3] > 4

GM :4.オフの日だって必要だ。今日は心休まる馴染みの場所へ。

明日葉 セイ :おお

GM :セイくんは休みの日どこへ行くのカナ?

明日葉 セイ :これあれですね

明日葉 セイ :1サイクル目に行った喫茶店とかどうかな

GM :おっけー


GM :===

ダンス講師 :「あなた、何か火が着いているのは良いことなんだけど今日は流石に休みなさい」

ダンス講師 :「連日そうだと流石にブッ倒れるわよ、ハイになってるんじゃないの?」

GM :そうして、スクールを追い返されたきみは街を当てどもなく彷徨う。

GM :休日なんてものは、ここ最近すっかり馴染みのないものになってしまっていた。

GM :そういう時、自分は何をしていただろうか?

GM :目に入る、とある喫茶店。

GM :かつて真白ももあと話したそこ、自然と足が伸びた。

明日葉 セイ :(……ゆっくり、紅茶でも飲んで……ちょっとぼんやりしようかなあ)

明日葉 セイ :(ぼんやり……って言っても、いろいろ考えちゃいそうだけど)

明日葉 セイ :思いながら、そっと手を伸ばし、扉を開く。

灰色兎 :「なんだ、お前普段こんなとこ来てんのか?」

灰色兎 :続いて、入る。

GM :流行ってはいない。秘密の会合にはピッタリだろう。

灰色兎 :「なんかもっとキラキラした店が好きなんだと思ってたぜ」

明日葉 セイ :「いや、普段からってわけではないんですけども」

明日葉 セイ :「前に来て、こういう落ち着いたところもいいなって思ったんですよね」

明日葉 セイ :「キラキラを充電するのに良さそうっていうか」

明日葉 セイ :空いている席のひとつに近付く。

明日葉 セイ :「プロデューサーは、お休みはどうしてるんですか?」

灰色兎 :「俺か?」

明日葉 セイ :「ですです」

灰色兎 :「無心で穴を掘る」

明日葉 セイ :「……穴?」

灰色兎 :「心が空になって、色んなものが整理できる」

明日葉 セイ :「へえ……穴掘り瞑想法、みたいな」

明日葉 セイ :「おれもやってみようかな……?」

灰色兎 :「おう、身体も鍛えられるし良いんじゃねえか?」

明日葉 セイ :ちょうどいろいろ考えることもあったことだし、と。

明日葉 セイ :「あーーでも、腕太くなっちゃうのはいや!」

灰色兎 :「そうかよ」

明日葉 セイ :「なんかそういうアプリとかあればいいのにな……穴掘りアプリ……」

明日葉 セイ :言いながら席に着く。

灰色兎 :「おうおう、何でもデジタルで済まそうだなんて……」

灰色兎 :「おい見ろ、なんか面白そうな組み合わせだなアレ」

明日葉 セイ :「はい?」目をぱちくりさせ。

灰色兎 :少し離れたボックス席を示す。

明日葉 セイ :そちらを見る。

明日葉 セイ :「……あ」

真白ももあ :「紅海月さんって……すっごく激しいんですね♡」

真白ももあ :「びっくりしちゃいました♡」

明日葉 セイ :(……あれ、ももあちゃん?と……)

真白ももあ :「カラオケでも本気でコールしてくれるんですね~」

紅海月 :「かかかっ! どんなステージだろうと手を抜かねえのがオタクの務め故な」

灰色兎 :「警戒心が足りてねえ奴らだな、写真撮って河童に売ったろか」

明日葉 セイ :「そ、そういう勝ち方はなんか……良くないですよ!」

灰色兎 :「勝ちに良いも悪いもねえんだよ!」ぎゃいぎゃい

明日葉 セイ :「……でも、前の時はあんなに仲良かったかなあ」

紅海月 :「アイドルとして揺るぎない決意を固めたがそれはそれこれはこれ……おっ」

明日葉 セイ :「……あっ」

紅海月 :ちらりと。視線を少年たちの方へ。

真白ももあ :「あれっ、セイくん!?」

灰色兎 :「チッ、気づかれちまった」

明日葉 セイ :「あっ、こんにちは!」

真白ももあ :「えーっ!喋るウサギさんだ!」

真白ももあ :「可愛い~!」

明日葉 セイ :「プロデューサーが変なこと言うからですよー」

明日葉 セイ :「そうなんです!」

明日葉 セイ :「プロデューサー、すっっっごいかわいいんですよー!!」

明日葉 セイ :身を乗り出す。

明日葉 セイ :目をキラキラさせている。

真白ももあ :「プロデューサー?このウサギさんがプロデューサーさんなの?」

明日葉 セイ :「えへへ、もふもふします?」

紅海月 :「よう、セイ。そっちの兎はああ見えてもキャロレコの敏腕社長よ」

紅海月 :「口が悪すぎるのがアレだがよ」

真白ももあ :「えっ、もふもふしていいの!?」

明日葉 セイ :「いいですよね!」プロデューサーを振り返る。

灰色兎 :「俺をマスコットじみた目で見てんじゃねえよ、スキャンダル仕立て上げんぞてめェ」

灰色兎 :すこしご機嫌斜め。

真白ももあ :「あっ、可愛いって言われるのいやでしたか?ごめんなさい……!」

明日葉 セイ :「あ、ちょっとテンション低いみたいです。ごめんなさーい」

紅海月 :「(トラウマでもあんのかの)」

灰色兎 :「フン、きゃいのきゃいのと姦しいこった」

明日葉 セイ :「っとと、そう。ちょうどいいや。お話があって、えっと」

明日葉 セイ :「……こないだのステージ。ももあちゃんはおめでとう」

明日葉 セイ :前に会った時は、敬語を使っていたように思う。

明日葉 セイ :でも、なんとなく、今は普通に話せるような気がしていた。

真白ももあ :「あっ、ありがとう!セイくんもおめでとう!キラキラしててすっごくよかったよ!」

真白ももあ :敬語でなくとも、気を悪くした様子はない。むしろ嬉しそうだ。

明日葉 セイ :「えへへ……その後、大変だったよね」

真白ももあ :「うん……」

真白ももあ :「セイくんは堂々としてて、かっこよかったなぁ。セイくんがいなかったら、泣いちゃったかも」

明日葉 セイ :「そんなことないよ」

明日葉 セイ :「あのね、あの時、ももあちゃんがセンヒさんにいろいろ言ってくれて」

明日葉 セイ :「おれ、すごく良かったって思ってて」

明日葉 セイ :「おれはおれのやろうと思ったことをしたけど、ももあちゃんも桜華ちゃんもかっこよかったよ」

真白ももあ :「ふふ……優しいね。ありがとう」

明日葉 セイ :「……それで、えっと、改めて」紅海月さんの方を見る。

明日葉 セイ :「あの時おれが歌えたのは、多分、返してもらったもののおかげなんです」

紅海月 :にんまりと、穏やかな目で。「うむ。直前に渡したアレか」

明日葉 セイ :緑色のコイン。大事に今も持っている。

明日葉 セイ :「内緒ですよ。おれ、本当はすごく怖いし、何もできない自分が情けないし、だったんですけど」

明日葉 セイ :「あれがあったから、ほんのちょっぴりだけ、勇気が出た……と思ってます」

明日葉 セイ :「おれには歌があるじゃない、って」

紅海月 :「かかっ。ちょっぴりなどと。謙遜のすぎる奴だの」

紅海月 :「儂でさえ度肝を抜かれたセンヒの所業」

紅海月 :「トラウマにさえ成りかね無ぇ、鮮烈に焼き付いたあの光景を」

紅海月 :「お前さんはその勇気を持って、かき消してみせた」

紅海月 :「それを上書くほどの強烈な光でよ」

明日葉 セイ :「……お客さんが嫌な思いだけ持ち帰るのは、つらいですから」

明日葉 セイ :「かき消す、なんてできたかはわからないけど、やっぱり……」

明日葉 セイ :「できれば、希望とか、そういうのを届けたいって」

明日葉 セイ :「……昔、おれがずっと、憧れてた人たちみたいに」

明日葉 セイ :目を細める。子供の頃の思い出を振り返るように。

明日葉 セイ :「なんだろ。熱が……ほんのちょっとだけ足された、みたいな」

明日葉 セイ :「そういう感じがして、それで、その、紅海月さんが前に言ってたことも思い出して」

明日葉 セイ :「紅海月さんは、どうですか。熱。戻りました?」

明日葉 セイ :じっと、少し高いところにある青い目で相手の目を見つめる。

紅海月 :「熱。……ううむ」ちらりと対面に座る少女に視線をやって。

紅海月 :「フェアじゃあ、ねえか」

明日葉 セイ :「フェア?」

紅海月 :「ま、冗談みてえなハナシではあるんだが……」

紅海月 :「見せちまったほうが早えわな」

紅海月 :「ちょい、近う寄れるか」

明日葉 セイ :「あ、はっ、はい」

明日葉 セイ :不思議そうな顔で、それでもぐっと近付く。

紅海月 :「うむ」そう呟いて。少年の額に、己の額をこつんと当てる。

紅海月 :プライズ:碧幕の情報を明日葉セイさんに譲渡します。

明日葉 セイ :受け取りました

真白ももあ :「……近くないですか?」ちょっとムッとして二人の頭をひきはがす。

明日葉 セイ :「え、わ」

紅海月 :「かかかっ。眼福だったのによ」

明日葉 セイ :長い睫毛を二、三度瞬かせ。

明日葉 セイ :「……おれの方は、その、なんていうか……それどころじゃなくて」

灰色兎 :「なんだこいつ、異界だと思ってはしゃいでんのか?」シラけた目で真白ももあを

灰色兎 :「もちっとプロ意識持てよプロ意識を」

灰色兎 :「そこらへんの女子高生みてえなツラじゃねえか」

真白ももあ :「はしゃいでるとか……別に……そんなんじゃないです!」ぷーっと頬を膨らませて顔を反らす。

紅海月 :「そこがええんじゃろうが。のう」

灰色兎 :「はぁ、さいですか」

明日葉 セイ :「プロデューサー、あの、その、なんていうか……」いろいろと、いろいろと言おうとして。

明日葉 セイ :言葉に詰まって。

灰色兎 :「あ?ああそいつの事情か」

灰色兎 :紅海月を見て

明日葉 セイ :「そうです。そうなんですっ」

灰色兎 :「まあ俺は予め知ってたからな」

明日葉 セイ :「しっ…………」

紅海月 :「ゲッ。やっぱそうかよ」

明日葉 セイ :「知ってたんですか?」

灰色兎 :「お前もおかしなやつだよな、皮肉じゃなしに感心するぜ」

紅海月 :「含みがあったんだよなあ……顔つき合わせた時よう」

灰色兎 :「好きをこじらせると人間こうまでなれるたぁ」

明日葉 セイ :(……灰色兎プロデューサー。キャロルレコードの社長)

明日葉 セイ :(おれを見出して、育てて、ここまでにしてくれた人……人? 兎? 妖魔)

明日葉 セイ :(でも、おれ、この人のことちゃんと知らない、と思う)

明日葉 セイ :(知りたい、な。ほんとは、いつでも知りたい)

灰色兎 :「ん、ようやく俺のことが気になるってツラじゃねえか?」

明日葉 セイ :「なんでわかったんですか!」

灰色兎 :「お前顔に出すぎなんだよ」

灰色兎 :ククク、と笑い。

灰色兎 :「恨むか?色々と知っていたのにずっとそれを言わずにいた俺を」

明日葉 セイ :「う、恨むとかはないです。ただ、純粋に」

明日葉 セイ :「気になるんです。あなたが」

灰色兎 :「そうだ、気になるものは自分で選べ」

灰色兎 :「そうして、選び取って、時にはそれを奪い」

灰色兎 :「お前は完成していくんだ」

明日葉 セイ :ずっと、接していながら蓋をしていた疑問。違和感。

明日葉 セイ :目を閉じる。耳を塞ぐ。呼吸を止める。

明日葉 セイ :五感の力によらず、頭の中を研ぎ澄ませる。

明日葉 セイ :(ああ、そうだ。さっきのあのイメージ)

明日葉 セイ :(無心で穴を掘る)

明日葉 セイ :深い地中から、か細い何かを掘り当てるような気持ち。

明日葉 セイ :それは、ほんの微かな勘でしかない。

明日葉 セイ :でも、それで十分。

明日葉 セイ :(おれは、この人のことが)

明日葉 セイ :(知りたい。調べたい。思い出せ。探し出せ……!)


明日葉 セイ :灰色兎プロデューサーの秘密について第六感で調べたい……のですが

明日葉 セイ :その前にちょっと、ミウちゃんの秘密の調査術の判定を先にすることは可能でしょうか?

GM :忘れないようにか!よかろう!

紅海月 :修正いるかの?

明日葉 セイ :ありがとうございます。ではまず調査術で、これには修正はいいです

紅海月 :k!

明日葉 セイ :2D6>=7 (判定:意気) (2D6>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功

明日葉 セイ :しゃー!!!!

紅海月 :勝てる……勝てるんだ!

GM :お、成功してる。

真白ももあ :おお!成功するとは!

GM :ではついでにミウ・シウの秘密も公開情報になります。

明日葉 セイ :どうぞーーー

紅海月 :はずかしいひみつバレちゃうねえ


GM :===

ミウ・シウ :「な・な・な」

ミウ・シウ :「ないーーーーーー!!!」

ミウ・シウ :「なくなっている!!!?!」

ミウ・シウの秘密

あなたには【秘密】がある。それは一定の年月ごとに脱皮を行うということだ。

永遠のキッズアイドルであるところのあなたが『成長のシンボル』である脱皮を行うことなど断じてバレるわけにはいかない!あなたは脱皮した皮をある場所に隠している。

この【秘密】を知る者は自手番において《調査術》の判定の判定を追加で行うことが出来る。

判定に成功した最初のPCは【忍具:ミウシウの抜け殻】を得る。生を繰り返し命をやり直すミウ・シウの抜け殻は【神通丸】と同一の効果を持つ。

GM :===


明日葉 セイ :続きまして第六感でプロデューサーの秘密を調べたいと思います。

明日葉 セイ :感情修正くださいー!

真白ももあ :あげちゃう!+1!

紅海月 :いくぞ!+1!

明日葉 セイ :ありがとうありがとう

GM :怯えすぎててちょっと笑う

明日葉 セイ :いきます

明日葉 セイ :2D6+2>=5 (判定:第六感) (2D6+2>=5) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功

明日葉 セイ :たかいよ

真白ももあ :余裕じゃん!!

紅海月 :過剰

GM :高いねぇ

明日葉 セイ :びっくりしちゃったよ

真白ももあ :『パーツ』がはまって出目がよくなったのか?

明日葉 セイ :二人ともありがとね!

紅海月 :おみごと。

system :[ 明日葉セイ ] 忍具 : 0 → 1

GM :では人間スピーカーであるセイくんに抜かれた秘密は公開情報かな。

真白ももあ :ですわね!

明日葉 セイ :そうなります!

明日葉 セイ :ピーガガガー

紅海月 :/all

真白ももあ :シャウトだ

灰色兎の秘密

あなたの中には魃副隊長であるハム、そのバックアップの失われた半身がある。

潜入調査の過程でアイドルというものがすっかり好きになってしまったハムは、アイドルという存在を己の抱える忍務から守るため、己のバックアップを分割し片方を灰色兎へと託したのだ。

あなたの本当の【使命】は、己の集めた情報から計画が立ち上がってしまった比良坂機関真の目的である『対千十嵐リンネワクチン』の使用を阻止することである。

GM :忍びの超感覚、それが灰色兎の【秘密】を捉えた。

GM :情報が、流れ込んでくる。

明日葉 セイ :(……あ、そうか。なんか……何か引っかかると思った)目を閉じたまま思う。

明日葉 セイ :(あれだ。前に会ったあの人……人? 電話?)

明日葉 セイ :(ハムさんを思い出す感じが……して……)

明日葉 セイ :「……ぷはっ」息をずっと止めていた。さすがに苦しくなって口を開ける。

明日葉 セイ :「……っ、はあ……」流れ込んできた情報と、外界の光とがしばらく錯綜して。

明日葉 セイ :最初に、目に入ったのは、一つ目のプロデューサー。

灰色兎 :「おいおい、息も止める必要はねえだろ」

灰色兎 :「ま、そういうこった」

灰色兎 :コーヒーを啜る。

明日葉 セイ :「集中、したくって……」ふう、と肩で大きく息をひとつ。

明日葉 セイ :「穴、掘ってきました」

明日葉 セイ :「あなたを少し、見つけました」

明日葉 セイ :小さな兎のような姿の妖魔を、目を細めて見る。

明日葉 セイ :「やっと繋がった」

灰色兎 :「おう、穴掘りも良いもんだろ」

明日葉 セイ :「たまのオフにはもってこい、ですね」

灰色兎 :「そうだな」

明日葉 セイ :「……でも、そうすると、ええと」

明日葉 セイ :紅海月を、真白ももあを、順繰りに見て。

明日葉 セイ :「確認します」再度プロデューサーに。

明日葉 セイ :「結局おれのやることは、ひたすらに」

明日葉 セイ :「トップを目指して、ひた走る」

灰色兎 :「そういうこった」

明日葉 セイ :「これまでも、これからも、変わらずに」

明日葉 セイ :「…………」

灰色兎 :「知っての通り、俺には理由があった」

明日葉 セイ :「はい」

灰色兎 :「千十嵐リンネを何が何でも打倒しなければならない」

明日葉 セイ :「最初から言ってましたもんね」

灰色兎 :「連中の計画を止めるためにも、何よりも千十嵐リンネというインベーダーからこの星を守るためにも、だ」

明日葉 セイ :「はい。おれが考えてたのも、同じことでした」

明日葉 セイ :こくこくとうなずく。

灰色兎 :「ただ、やるからには俺は、自分の育てたアイドル以外にその役を渡すわけにはいかねえ」ギロリ、と残りのふたりを睨み。

明日葉 セイ :「……ふふっ」その様子に笑みを漏らす。

灰色兎 :「俺にはハムのやつが必死にかき集めた情報がある」

灰色兎 :「千十嵐リンネ、アレには多くの名前がある」

灰色兎 :「その起源は、太古の昔、オーロラに乗ってこの地に降り注いだ霊的生命体であると言われている」

明日葉 セイ :「ひええ」

灰色兎 :「恐竜がガオガオ言ってた頃からいるんじゃねえかって話だ」

明日葉 セイ :「恐竜ってガオガオ鳴くんですか!」

灰色兎 :「知らねえよ、良いだろ誰も聴いたことねえんだから」

灰色兎 :「いやリンネのやつは聴いてるのか?今度教えてもらえよ」

明日葉 セイ :「えっと、その……誰かがリンネさんになったら、ってことですよね」

灰色兎 :まるで、千十嵐リンネがまた生きているかのように、言う。

明日葉 セイ :血に染まった舞台を思い出す。

真白ももあ :「……ウサギさんはしらない……んですか?」

真白ももあ :「あの舞台で……リンネさんは……」

灰色兎 :「ああ、そうだな、そこらへんの感覚か」

灰色兎 :「説明がちいと難しいが、千十嵐リンネってのはその霊的生命体と吸血鬼の能力が融合して作り出された眷属のネットワーク、その総称と考えていい」

明日葉 セイ :「…………ええとええと」

明日葉 セイ :「わかった」

明日葉 セイ :「グループアイドルだ」

灰色兎 :「無論誰が"親"かはそれなりに重要だが……」

明日葉 セイ :「センターがリンネさんだった、そこが欠けちゃったけど、グループは健在、かな?」

灰色兎 :「そういうことだ」

灰色兎 :「先日まで"親”をやってた"千十嵐リンネ"の目的はだな」

灰色兎 :「グループ全体の繋がりを極限まで高め、センターの概念を無くすことだった」

灰色兎 :「アレは器を標榜していたんだよ」

明日葉 セイ :「……それで、みんなを同じにして……」

灰色兎 :「話をしたこともある、"皆が私を、この千十嵐リンネを使えばいい"と」

灰色兎 :「"誰もが、諦めることなく、託すこともなく、自分自身のちからを以って歌い踊る世界"」

灰色兎 :「"それをこの千十嵐リンネで実現する"と」

明日葉 セイ :「…………」

明日葉 セイ :簡単に理解が及ぶ、とはさすがに言えない。

紅海月 :肘杖を突きながら。気難しい顔で、ごきりと首を捻る。

紅海月 :あの日の少女の、言葉を思い出す。

紅海月 :『私たちには、絆があるから、リンネ様が残してくれた』

紅海月 :「(よもや────)」

灰色兎 :「お前らは、眷属の最終段階、"千十嵐リンネそのものになる”……ってのを」

灰色兎 :「たぶん、上書きされ、自分ってものが消えて無くなるとかそういう風に思っていたんじゃねえか?」

真白ももあ :「……ちがうんですか?」

灰色兎 :「むしろ、逆なんだよな」

明日葉 セイ :「ええっ」

灰色兎 :「リンネが、お前らに己を明け渡すんだ」

灰色兎 :「千十嵐リンネという器、そこでひとつに繋がる」

灰色兎 :「変化は避けられないだろう、他人と関わる、つながるってのはそういうことだからな」

灰色兎 :「それを世界規模でやろうとした」

灰色兎 :「不幸も、争いも、マジで消えるだろうな」

灰色兎 :「その理由がなくなっちまうんだから」

明日葉 セイ :「……でも、止めなきゃ、だったんですよね」

灰色兎 :「ああ」

灰色兎 :「実のところ、あいつが一番アイドルってものをわかってねえ」

灰色兎 :「完成しちまったら、駄目なんだよ……アイドルは」

明日葉 セイ :「…………」

灰色兎 :「世界をひとつに纏めて、みんなで、けれどたったひとりで、みんなのために、けれどたったひとりのために歌い踊り続ける千十嵐リンネ」

灰色兎 :「それは本当にアイドルなのか?」

明日葉 セイ :「……そっか。アイドルは……」

明日葉 セイ :「見てくれる人がいなきゃ……?」

真白ももあ :「……リンネさんは、私がステージに乱入した時、胸が高鳴ったっていってくれた」

真白ももあ :「本当は……傷ついても、争いがあっても……自分と違う他人を求めてたんじゃないかなって思ってます」

真白ももあ :「それって……誰でも持ってる、当たり前の感情だと思うから」

真白ももあ :「アイドルは一人じゃなれないから……」

明日葉 セイ :「……うん」

真白ももあ :「だから、私はリンネさんを応援したかったし、リンネさんに応援してほしかった……」

明日葉 セイ :自分は、彼女ほど"千十嵐リンネ"に個人的な思い入れを持っていたわけではない。

明日葉 セイ :圧倒的な王者で、憧れで、眩しくて。

明日葉 セイ :そのうち、いつか打倒する相手になって。脅威になって。

明日葉 セイ :そして今、やっと。

明日葉 セイ :「……やっと、ちょっとだけ、『リンネさん』のことが、わかったんだなあ……」

灰色兎 :「そうだな」

明日葉 セイ :目の前であまりに呆気なく消えてしまった相手への気持ちが、微かに揺れた。

灰色兎 :「見てくれる人は、いるというのが奴の考えだった」

灰色兎 :「観客も演者になり、演者もまた観客になる」

灰色兎 :「それは同一の千十嵐リンネという存在だからだ」

灰色兎 :「誰かのためにやることが、自分のためになる」

灰色兎 :「回り回って、ではなく、直接に接続される」

灰色兎 :「それこそが奴の考える真の幸福だった」

灰色兎 :「ただな、外部からの刺激が、恐怖が、不安がない世界からは」

灰色兎 :「新しいものは生まれ得ない」

灰色兎 :「新曲のない世界なんだよ、そこは」

明日葉 セイ :「それは、困ります」

明日葉 セイ :「嫌ですよ、おれ、チャートチェックしていろいろわくわくして聴いて……」

明日葉 セイ :「そりゃ外れはありますけど、たまに大好きな曲を見つけて」

明日葉 セイ :「そういうことの繰り返しで、ずっと、やってきてたのに」

真白ももあ :「……私は、絶対に負けない勝負で勝ってもそんなに嬉しくない」

真白ももあ :「負けるのは嫌だけど。負けるかもしれない勝負で勝つから、嫌いになるかもしれない人に好かれるから、嬉しい」

真白ももあ :「……リンネさんも、思い通りにならない愚かな人類を、慈しんでるように見えた」

真白ももあ :「だから……リンネさんが夢をかなえて全部リンネさんになったら、リンネさんは……つまんないんじゃないかなって。そう思ってます」

紅海月 :「かかかっ。じゃからかもな」

紅海月 :「儂らのような矮小な存在に、チャンスなど恵んでやったのはよ」

灰色兎 :「そうだな、実際のところ、己が打倒されるならば、それもまたひとつの幸福だと考えていただろう」

灰色兎 :「ただ業を煮やした」

灰色兎 :「貴様らが不甲斐ないなら、ここで終わりだぞ、と」

灰色兎 :「ま、当面の問題はセンヒだな」

灰色兎 :「アレにはアレで別の目的があるようだ」

明日葉 セイ :「そうですよね……」こくこく。

灰色兎 :「そしてそれは、厄介だ」

灰色兎 :「俺は正直、あれの企みは失敗すると思っている」

灰色兎 :「いいか、未だどれほど凶悪な病、ウイルスであろうとも人類を滅ぼすに至ってねえのはだな」

灰色兎 :「殺傷性と感染能力が反比例するからだ」

灰色兎 :「伝染る前に、宿主が死んでしまっては広がりようがねえからな」

明日葉 セイ :少し、ぽかんとした顔でそれを聞いている。

灰色兎 :「そこが、センヒの抱える問題だ」

灰色兎 :「ただ、その過程でどれだけの被害が出るかは計り知れねえ」

紅海月 :「………ったく」肩をやや震わせながら。

真白ももあ :「…………」被害。その顕著なものである千十嵐リンネは、自分と理想を語らってくれた彼女は、センヒに殺された。

真白ももあ :ただセンターの顔が変わるだけなのだとしても、自分にとってはその千十嵐リンネはただひとり、千十嵐リンネだ。……許すわけにはいかない。

明日葉 セイ :「……その、被害についてはわかりました。どうにかしなきゃ、と思います」

明日葉 セイ :「……と、あと、その、今言うことじゃないのかもしれないんですけど」

明日葉 セイ :「……本当に同じこと言うんだなあ……」

紅海月 :「かかっ」堪えきれないように吹き出して。

紅海月 :「好きをこじらせて、ねえ」

紅海月 :「よく言えたもんだな? ん?」

明日葉 セイ :「でも、やっぱりプロデューサーはプロデューサーで」

真白ももあ :「……ウサギさんも、アイドルが好きで……自分のやらなきゃいけないことと違くなっちゃったから……ウサギさんになったんですもんね」

灰色兎 :「同じことだ?」

灰色兎 :「あーーー、そういうことかよ」ポリポリと頭を掻いて。

灰色兎 :「チッ、気付いても言うなよ、そういうことは」

明日葉 セイ :「す、すいません、でも」

明日葉 セイ :「プロデューサーはやっぱり、自分とは別の人で。知るためにはただ黙っているだけじゃだめで、それで、おれはちゃんと穴掘って調べて」

明日葉 セイ :「そういうの……そういうのは、今こういう世界だからできることで、知れたら、嬉しくて」

明日葉 セイ :「……知ったら、もっと嬉しくなって」

明日葉 セイ :「だって、そうでしょ」

明日葉 セイ :「プロデューサーとおれは、ちゃんと同じ方向を向いてた!」

明日葉 セイ :「まだ、一緒にいられるんです」

明日葉 セイ :「あ、これはマスコット扱いをしてるわけじゃないんですけど」

明日葉 セイ :小さな妖魔を持ち上げるようにぎゅっと抱き締める。

明日葉 セイ :……見た目よりも力が強い。

灰色兎 :「……鬱陶しいやつだな」

明日葉 セイ :「あなたが選んだアイドルですよ!」

明日葉 セイ :「責任持って、ちゃんと見ててください」

灰色兎 :「そうだ、お前は俺の大事なアイドルだ、だからこれくらいは褒美にくれてやるよ」

明日葉 セイ :「えへへ」朗らかに笑う。

明日葉 セイ :……自分と彼とは、違う。ちゃんと話したり、調べたりしなければ、何もわからない。

灰色兎 :「俺は、まだまだ色々を知ってるが」

灰色兎 :「全て優しく教えたりはしねえ」

明日葉 セイ :『ずっと一緒』でいられる保証なんてないし、きっと隠していることもあるだろう。

灰色兎 :「ここには"ライバル"もいることだしな」

真白ももあ :(いいなぁ、マネちゃんもふわふわの……猫とかになってくれないかな)

灰色兎 :「ただ、真白ももあ」

真白ももあ :「えっ、はいっ」

灰色兎 :「お前には謝っておく」

灰色兎 :「俺には本来、まあ半分ほどだがお前の面倒を見る義務があった」

灰色兎 :「だが、もう俺は明日葉セイに夢中なんだ、こいつの方が可愛いしな」

灰色兎 :「だから、ま、もう半分とうまくやってくれ」

明日葉 セイ :「ひゃー」

灰色兎 :「アレはアイドルを守ろうだなんてさらさら思っちゃいないが」

真白ももあ :「ええ~~?セイくんもそりゃ、可愛いけどぉ……」クスクス笑っている。

灰色兎 :「お前はトップアイドルなんだ、一人でそれぐらい全部抱えて飛び越えられんだろ」

灰色兎 :「それでも、最後に勝つのはうちのセイだけどな」

明日葉 セイ :きゅっと大事そうにプロデューサーを抱き締める。

真白ももあ :「そうですね。それに私は……ウサギさんはいないけど」

真白ももあ :「一人じゃないですよ。応援してくれる人がいます」

明日葉 セイ :「じゃあ、一緒だ」

真白ももあ :「うん、一緒」

真白ももあ :「……でも、私の方が強いかも?どうだろうね、ふふっ」

真白ももあ :「私には、最強のファンがついてるからなあ」

明日葉 セイ :「どっちでも」

明日葉 セイ :「全力勝負!」

真白ももあ :「うん、全力!いいステージにしようね」

明日葉 セイ :「うん。絶対。絶対にね」

紅海月 :ふっ、と微笑みを零して。

紅海月 :「アオハルしてるところ、悪いがよ」

紅海月 :「てめぇらの人気全て平らげて勝つのは、この儂よ」

紅海月 :「優勝した暁には」

紅海月 :「かかかっ。人気を糧に稼ぎに稼ぎまくって。いっちょ、キャロル・レコードとかいうチンケな会社でも買収してやろうかの!」

紅海月 :「ウチで下働きさせてやるよ。チビウサギ」

真白ももあ :「わあ。じゃあ社長夫人にしてくれますか?」

明日葉 セイ :「なんでみんなそうやって盤外戦術をするんですかっ」

明日葉 セイ :「えっ」

紅海月 :「えっ」

灰色兎 :「よく言うぜ、カジノで内蔵まで毟られそうになってたやつがよ」

灰色兎 :「だからなんでさっきからこいつは色ボケてんだ?使い物になんのか?」続いて、首を回して。

明日葉 セイ :「ももあちゃん、気をつけてね……! その、聞かれないように、ね?」

灰色兎 :「駄目だなこりゃ、もうおしまいだ、良かったなライバルがひとり減ったぜ」

明日葉 セイ :「そういうやり方はあれなんですってばー!」

真白ももあ :「おわりじゃないですよ~。もっと強くなります!」

真白ももあ :「幸せでいることが間違いなんて、間違ってるもん」

灰色兎 :「鏡見て言ってみろ、クソボケが」

灰色兎 :「もともと間違ってるもんなんだよ、アイドルの有り様なんてもんはな」グルルと毛を逆立てて。

灰色兎 :何やらご立腹のようだ。

明日葉 セイ :「プロデューサーの哲学、まだまだいろいろ聞きたいなあ」

紅海月 :「逆鱗に触れたかの。兎のくせに」

明日葉 セイ :

明日葉 セイ :「また、よろしくお願いしますね!」

明日葉 セイ :にこりと、花のように微笑んで。

明日葉 セイ :(「完成しちまったら、駄目なんだよ……アイドルは」……だっけ)

明日葉 セイ :(おれも、そういうところがあるから見込まれたのかな?)

明日葉 セイ :以前、紅海月に聞かれたことがある。

明日葉 セイ :『最高のアイドルになったあとどうするのか』

明日葉 セイ :(多分、それならきっと、最高ももっともっと上があるんだと思う)

明日葉 セイ :(おれはずっとそこを追っかけて……でも、いずれ辞める時は来るだろう)

明日葉 セイ :(でもね)

明日葉 セイ :(今はきっと、その後も、おれはおれになれるんだと、そう思ってる)

明日葉 セイ :(全力で夢を追っかけて、がむしゃらに自分を認めさせて、星を掴み取って)

明日葉 セイ :(気持ちいいだろうなあ)

明日葉 セイ :(そうすれば、その後の人生ずっと、たとえ何かを諦めることになっても)

明日葉 セイ :(おれはおれだ)

明日葉 セイ :(それはリンネさんの考える世界にはないもので)

明日葉 セイ :(センヒさんにもきっと叶えられない)

明日葉 セイ :(おれが叶えるんだ)

明日葉 セイ :うん、と小さく頷く。そうして心の中に小さな穴を掘って。

明日葉 セイ :その決意を、しっかりと埋めた。

明日葉 セイ :いつかきっと、緑に芽吹くように。

GM :===

サイクル3:真白ももあ

GM :次へ行くぜ!

GM :PC3の召喚を宣言!

真白ももあ :うおーーーーーっ

真白ももあ :手札から召喚!

GM :場に設置し、登場希望、シーン内容、表を宣言させるぜ!

真白ももあ :登場希望はセイくんとうさP!シーン内容はセイくんの秘密を抜く予定!

明日葉 セイ :がおー

真白ももあ :表は迷うけどせっかくだからアイドルかな!

GM :はいな、どうぞ

真白ももあ :2d6 (2D6) > 7[2,5] > 7

真白ももあ :あっ

明日葉 セイ :あっ

GM :うへへ

真白ももあ :かぶったら振りなおしありなのでは~!?!?

GM :7.野良試合を挑まれる、腕の見せ所だ!あなたは「簡易戦闘」を行う。

GM :振り直してもいいよ

真白ももあ :やった!ふりなおします

真白ももあ :2d6 (2D6) > 9[4,5] > 9

真白ももあ :よし、戦は免れたか!?

GM :9.音楽シーンの調査も大事な仕事、レコードショップ、あるいはライブへ足を運ぼう。

GM :どこいく?

真白ももあ :せっかくだから今まで出てきたNPCのライブみたいな

真白ももあ :ミトさんは重傷かな

GM :そうかも

GM :そうじゃないかも

真白ももあ :ミトさんのライブみたいっていったらミトさんのライブやってくれる?

GM :ミトさんは今ちょっと忙しいから……

真白ももあ :そっか……

真白ももあ :じゃあ脱皮女か鼓膜破り女ライブやってくれる?

明日葉 セイ :妖怪

GM :せっかくだから鼓膜破りに出てもらおうか

真白ももあ :なるほどね

サブGM :!?

真白ももあ :ではエルナちゃんのライブをセイくんとうさPとみにいきます


GM :===

GM :ドラゴン・ボーン・フェス、第5ステージ。

GM :ファイナル・ライブへの参加権は失ったものの、依然フェスのスケジュールをこなし続けるアイドルもいる。なかなか盛況のようだ。

:「エルナーーーー!!!俺の一番はいつまでもお前のままだぞーーー!!」

GM :あなたたちは、所詮敗退したアイドルと侮ることはない。学べることはいくらでもあるはずだ。

GM :そうして、観客席に座る。

GM :あらかじめ、予定を合わせたのか会場でバッタリ出会ったのか。

GM :何にせよ今は並んで演目を眺めている。

日ノ原 エルナ :ステージの上、ライムグリーンとストロベリーピンクの少女が、輝くように溌剌と笑って歌う。

日ノ原 エルナ :『胸のリズムを唇に──』

日ノ原 エルナ :『心の熱を唄に灯して!』

日ノ原 エルナ :『無限の旋律、響かせ羽撃たけ!!』

日ノ原 エルナ :『消えない光よ、全てを照らせーーっ!!!』


真白ももあ :「わーっ!」歌声にあわせて楽しそうに緑とピンクのサイリウムを振っている。

真白ももあ :「ずっとこんな力強い歌声で歌えてすごいよねぇ。喉も腹筋も強いんだろうなぁ」

真白ももあ :隣のセイくんに笑いかける。

明日葉 セイ :「うんうん、間近でもすごかったけど、客席で聴いてもかっこいい!」

明日葉 セイ :後ろを気にして、少しだけ屈んで、楽しげに見ている。

灰色兎 :「パワフルさにかけてはあれに並ぶ者はそうはいねえだろうよ」

灰色兎 :「方向性は違えど、学ぶことは多いはずだ」

明日葉 セイ :「はいっ、あれくらいダイナミックに動いていいんだなあ、とか、ですね」

真白ももあ :「あれだけ動いて息切れしないで歌と両立させられるのはすごいねぇ」

明日葉 セイ :「細いのにねえ」

灰色兎 :「あの時は場の流れに助けられた面もある、1対1じゃわからねえぞ?」

明日葉 セイ :「それは本当にそう……」

明日葉 セイ :以前のゲリラライブの時は、多人数だったことが功罪半ばした、と思っている。

灰色兎 :「超一流ってのは場を、確信的に己のものにしてしまうちからがある」

灰色兎 :「そういう点では、千十嵐リンネはもちろんだが……花屋敷ミトなんかはその性能が図抜けていたな」

真白ももあ :「ミトさん……」少しだけ心配そうな顔をする。

真白ももあ :生きてはいるとの事だったが、センヒに吹き飛ばされ大けがを負ったはずだ。

明日葉 セイ :「凄かった、ですね。あの後は大丈夫かなあって思うけど……」

明日葉 セイ :「心配?」ももあちゃんに。

真白ももあ :「うん……心配」

真白ももあ :「やっぱり……知識としては教えてもらっても、本当にそういう血が流れるとか、人が死ぬとかは……慣れてないから」

灰色兎 :「まあ、あいつも今や吸血鬼じみたなにかだ、そのうち復活するだろ」

真白ももあ :「そう……ですよね!」

明日葉 セイ :「……んっと」少し言葉を選んで。

明日葉 セイ :「ももあちゃんはあの人と……いろいろあったんだよね?」

真白ももあ :「……ああ!うん、そうだね」

真白ももあ :「私のすることとミトさんのすることを取り換えてたみたいだね」

明日葉 セイ :「……うん、なんだかんだで、知っちゃってた」

真白ももあ :「大丈夫だよ、知られて嫌とかじゃないし」

明日葉 セイ :「ならいいけど、ミトさんのそれは嫌じゃなかった?」

真白ももあ :「うん、特に嫌じゃなかったよ」

真白ももあ :「……まあ、そのままだったら……私のやりなさいって言われてたことをやろうとしたら、紅海月さんを苦しめることになってたから……ちょっと困っちゃったけど」

明日葉 セイ :「そう……だよね」うなずく。

真白ももあ :「私は最初から最強のアイドルとしてリンネさんを倒せ、って言われてここに来たから。あれ、むしろ違ったの?みたいな」

真白ももあ :「あっ、だからね」

真白ももあ :「セイくんにお願いがあって。」

明日葉 セイ :「うん」

真白ももあ :「前、ユニット組んで欲しいって言ったでしょう?すぐには答え、出せないと思うけど……」

真白ももあ :「もし、私と組まない、ひとりでやるってことになって」

真白ももあ :「私はフェス、勝つつもりでいるけど。もし私が勝てなくて、セイくんが勝ったら」

真白ももあ :「ビリジアン・ブルースを……破壊してほしいんだ」

明日葉 セイ :「ふふ」

明日葉 セイ :少し面白そうに笑う。

明日葉 セイ :「あのね、ももあちゃん」

真白ももあ :「うん」

明日葉 セイ :「おれがプロデューサーのこと、ほんとには知らなかったみたいに」

明日葉 セイ :「ももあちゃんも、おれのことちゃんとは知らないでしょ」

真白ももあ :「……そうだね」

明日葉 セイ :「やっぱり、おれから教えるのはできないけど」

明日葉 セイ :「来て、って言うことはできる」

真白ももあ :「……!」

真白ももあ :「……うん」

真白ももあ :「セイくんがどんな人でも、私と目的が違っても」

真白ももあ :「私がセイくんのこと素敵な人だなって思ったこと、セイくんと組んだら楽しそうって思ったこと」

真白ももあ :「それに変わりはないから。たとえ傷つくことになっても、トゲトゲの幸せを思いっきり抱きしめて、思いっきり傷つこうって決めてた」

真白ももあ :「だけど、セイくんがウサギさんのこと知って、すっごく嬉しそうにしてるの見て……やっぱり、知ってそれでも手を取り合えたら、幸せだなって思ったんだ」

明日葉 セイ :「ももあちゃんは、ずっと強くて、優しくて、憧れるアイドルで」

明日葉 セイ :「ユニットの話だって嬉しい。これは本当」

明日葉 セイ :「そう言ってもらえるのが嬉しいのも、絶対に絶対に本当」

明日葉 セイ :「だから、だからこそ、だよ」

明日葉 セイ :「飛び越えて、こっちにおいで」

真白ももあ :「……うん!」

真白ももあ :「なんだっけ……穴を、掘るんだっけ?」

明日葉 セイ :「そう! プロデューサー直伝!」

真白ももあ :考える。リンネさんが言ってたような、みんなが『同じ』になる……そういうのとは、違うけれど。

灰色兎 :「げ、お前あのことべらべら人に喋ってんのかよ」

真白ももあ :想像は出来る。想いを馳せることはできる。どんなものを抱えているのか、寄り添うことはできるのか……

真白ももあ :暗い土の中に埋まっているのは、哀しみなのか、悦びの芽なのか。

真白ももあ :彫る。掘り当てる。深く知るために。


真白ももあ :というわけで、掘削術でセイくんの秘密を探ろうかと!

GM :何なの、流行ってるのアイドルで、穴掘り

GM :どうぞ

真白ももあ :アイドルといえば穴掘りだからね

真白ももあ :2D6>=5 (判定:掘削術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

真白ももあ :成功!

明日葉 セイ :おおっ

GM :成功、ではお渡しします。

真白ももあ :おねがいします!時雨さんにもいきますね


真白ももあ :「ふふふっ、なるほどね」

真白ももあ :穴が、心が、繋がった。気がした。

明日葉 セイ :「そういうこーと」

明日葉 セイ :相変わらず少しおかしそうにしている。

真白ももあ :「たとえ思ってたのと違くっても……怒ったり、責めたりはしないと思ったけど」

真白ももあ :「セイくんが思ってた通りの人で、よかった!」

明日葉 セイ :「うん。そこは安心して」

明日葉 セイ :「おれ、ずーっと、その通りやってて、嘘は全然ついてない!」

真白ももあ :「ふふふ。それは私もだよ」

真白ももあ :「ずっと、リンネさんを倒さなきゃって思ってて……」

真白ももあ :「よくわかんないけど、それにはビリジアン・ブルースがいる?ってきいて、よくわかんないからそうなんだーって思ってたけど」

真白ももあ :「まあ……それはもっと考えたほうがよかったっぽいけどね?」

明日葉 セイ :「わかんないよねえ、えらい人が言ったらそうかもって思っちゃう」

真白ももあ :「忍者のこと、全然知らなかったからね……」

真白ももあ :「でも今もやっぱり、最初からずっと変わらず、ドラゴンボーンフェスで優勝しなきゃなって思ってる」

明日葉 セイ :「うん」

真白ももあ :「それにはね、私はセイくんと組むのが一番近いかな?って思ったの。だから声をかけた」

明日葉 セイ :「ああ、それで……」

明日葉 セイ :「そっか、おれのこと、そう思ってくれてたんだ」

真白ももあ :「うん!そうだよ」

真白ももあ :「色々理屈もあるけどね。地元の人は地元の人応援したいだろうし、全然知られてなかった新人の子が一夜にしてトップスターなんて夢があるし……」

明日葉 セイ :(どうしておれが、ってのは考え飽きた、っていうのは、ちょっとだけ本当じゃない)

明日葉 セイ :(考えるのが、怖かったから、だから、もっと大きなもののことを考えるようにしてた)

明日葉 セイ :「……聞いてたら、ちょっと自信になったかな」

真白ももあ :「セイくんと私ならファン層かぶらないだろうから。男女ってことでマイナスも入るかもだけど……」

真白ももあ :「でもセイくんは、そういうの色々飛び越えちゃうくらい、特別な子だって思ったから」

明日葉 セイ :「えっへへへ」くすぐったそうに身体を折って笑う。

真白ももあ :「でも、声をかけようと思ったきっかけは、セイくんが不安かもしれないなって思ったから」

真白ももあ :「あんな大舞台で啖呵切って……周りを全部倒さなきゃいけない敵だと思ってたら……悲しいなって思ったから」

真白ももあ :「だから、たとえ組まなくても、全員が敵じゃないんだよって知って欲しかったのと」

真白ももあ :「結局は、私が……誰かと一緒に何かをしてみたかったからかな」

明日葉 セイ :「……おれは」

明日葉 セイ :「途中、ももあちゃんの、取り替えられた方の役割を知って」

明日葉 セイ :「なんとかならないかなって、ずっと探してた」

明日葉 セイ :「……あんな風に優しく誘ってくれた子と、衝突するのは嫌だったんだ」

真白ももあ :「……ふふ、ありがと。やっぱり優しいんだね」

真白ももあ :「でもきっと私……取り換えられたままでも、壊してたと思うな」

真白ももあ :「怒られちゃうだろうけどね」

明日葉 セイ :「強いなあ」

真白ももあ :「忍者のことあんまりわかってないだけだよ」

灰色兎 :「なあにヘラヘラ笑ってんだ、セイ」

灰色兎 :「俺は正直腹が立ってるぜ」

灰色兎 :「もっと怖がらせろよ、こいつを」

明日葉 セイ :「ええっ」

真白ももあ :「やだなあ……一番怖いと思ったから味方につけようと思ったんですよ?」

灰色兎 :「お前は最後までふたりで仲良く並んでゴールってタマじゃねえだろ」

灰色兎 :「少なくとも、表じゃそうだった」

明日葉 セイ :「ああ、そういう……」

灰色兎 :「最終的に御しきれると思って声かけたってんなら、ウチのもずいぶん安く見られたもんだな?ああ??」凄んでみせるが、いまいち迫力が足りていない。

明日葉 セイ :「あの、大丈夫ですよ、プロデューサー」

明日葉 セイ :「ももあちゃん、おれね」

明日葉 セイ :「ユニットは組めないと思う、ってそれは言おうと思ってたんだ」

灰色兎 :「うるせぇ、だいたいなぁ、俺は前からこいつは言いたいことが山程!!」モガモガ

明日葉 セイ :「少なくとも、今回のフェスの舞台ではね」

真白ももあ :「……うん、そっか」

明日葉 セイ :「だって、勝つのはおれだから」

灰色兎 :「おう、そうだ、よく言った」

明日葉 セイ :堂々と、まるで迷いなどなく。

真白ももあ :「そうだね……」

真白ももあ :「私が声をかけたのは……簡単にコントロール出来ると思ったからじゃない」

真白ももあ :「セイくんなら、私の輝きに潰されないと思ったから」

真白ももあ :「だから、その輝きを一人で放ちたいっていうんなら、仕方ないなって思う」

灰色兎 :「いちいち上から目線なんだよな……」

灰色兎 :「自分が潰される心配をしろってんだ」

真白ももあ :「だって『表』じゃ仲良くゴールしてなかったっていうから。それって、私が何かしなくても周りより目立っちゃっただけだもん」

灰色兎 :「じゃあ、これからここの恐ろしさを思い知るだけだ、ルーキー」

明日葉 セイ :目を細める。

明日葉 セイ :まばゆい輝き。表で誰よりも明るく照らしていた、本物の光。

明日葉 セイ :でも、それは、自分のものではない。

明日葉 セイ :自分には自分の光がある。

明日葉 セイ :「重なることは、あるとは思うよ。おれも、センヒさんやリンネさんのことはまずいと思うし」

明日葉 セイ :「あと、さっきの破壊の話。あれはまあ、見てくれた通りだし」

真白ももあ :「うん、そうだね。目的が同じで……足並みをそろえなくても、同じ方向を見てるって知れてよかった」

明日葉 セイ :「ももあちゃんの邪魔はしないで済むと思う。代わりに、めいっぱいぶつかろ」

真白ももあ :「うん!私も思いっきり戦えたら嬉しい」

真白ももあ :「まあ……それに、ユニット組む相手がフワフワして……スキャンダルおこしそうだったら困っちゃうもんね?」

明日葉 セイ :「じ、自覚があるんなら気をつけてね……?」

真白ももあ :「ふふっ……でも全然相手にされてないよ」

明日葉 セイ :「終わったら、わかんないじゃん?」

真白ももあ :「優しいから……1人のアイドルとして、応援はしてくれてるけど。そういう風には思ってもらってないと思うな」

真白ももあ :「そうなのかな?どうなんだろうね」

明日葉 セイ :「……確かめに行こっか、じゃあ。終わらせて、その先」

明日葉 セイ :「あのね、おれの目指すのはずっと変わんない。最高のアイドル」

灰色兎 :「最近の若い奴らは……」

灰色兎 :「どうなってんのかね、なあ、」ブツブツ

明日葉 セイ :「でも、そのためにはやっぱり、ステージが楽しくないと意味がないでしょう」

明日葉 セイ :まあまあ、とプロデューサーに声をかけて。

明日葉 セイ :「一緒に、お客さんをめいっぱい楽しませてあげようね」

明日葉 セイ :「そこは、絶対に絶対に、おんなじだと思ってるから!」

真白ももあ :「うん!おんなじ!一番輝いて、一番楽しまないと。いいものは生まれないから!」

真白ももあ :「花火って、いつか絶対消えちゃうけど……」

真白ももあ :「ずっと消えなかったら、きっと飽きちゃうと思うんだ」

真白ももあ :「だからいいのかなあって。詫びさびみたいな?」

真白ももあ :「だから、そのときにしかない儚い輝きでも、だからこそ……」

真白ももあ :「めいっぱい楽しんで、誰より一番輝こう!」

明日葉 セイ :「オッケー!」

明日葉 セイ :手を少し低い位置に差し出す。ハイタッチの構え。

真白ももあ :「おんなじステージは二度は絶対ありえない。だから私は好き」

真白ももあ :「最強で最高のステージに、いこう!一緒に!」

真白ももあ :横に並んでいなくても。正面から、同じ景色を見よう。

真白ももあ :低い位置に差し出された手に、少し背伸びして。ハイタッチをした。

GM :それは、和やかながらも確かな宣戦布告。

GM :最終日は――近い。

サイクル3:合馬桜華

GM :===

GM :ではやっちゃいましょう、次の手番を!

GM :カモンPC4!

合馬桜華 :はーい

GM :登場希望、シーン内容、シーン表を教えてプリーズ!

合馬桜華 :登場希望は時雨さんとセイくん、時雨さんの秘密を調べに行きます、シーン表は異街で

明日葉 セイ :はあい

時雨 :でるよお

GM :あいよ、シーン表を振りなぁ!

合馬桜華 :1d10 (1D10) > 7

合馬桜華 :

GM :2d6じゃてー

合馬桜華 :ミスってました失礼

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10

GM :おっけー

GM :あ、これ例の前回ギミックのやつ、申し訳ないもう一度お願いします。

合馬桜華 :2d6 (2D6) > 5[1,4] > 5

GM :5.狂楽区を訪れる。ここは娯楽には事欠かない、さあ何をしようか。

GM :ホテルマン支配する【カジノ】ですね。やかましい区画です。

合馬桜華 :また見学で発作が

合馬桜華 :にぎやかな場所だ!

GM :どういう流れで集まるのかしら

GM :桜華さんが呼び出す形?

合馬桜華 :せっかくだし血の雨ライブ帰りにバッタリ出くわした体で、セイくんはさっきの後でも

合馬桜華 :桜華はこの街面白そうだなーってうろちょろしているので

合馬桜華 :適当なお店覗いたり

明日葉 セイ :了解でーす


GM :===

GM :背徳の街、【狂楽区】。

GM :距離を見誤れば待ち受けるのは破滅であるが、適切に付き合えばこんなにも楽しい場所はない、との評。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「気をつけなよぉ、田舎者丸出しの顔で歩いていたらカモられるからね」

合馬桜華 :「気を付けなきゃいけませんね」

GM :降り注ぐネオンの怪しい光、笑いかける客引き。

GM :ここには誘惑が多い。

合馬桜華 :あのライブ後、副隊長に教えを請いつつ裏通りの店で一通り装備やら必要なものは揃えられたが

合馬桜華 :そのままこの区画に入ったのは、単なる興味もあるし、意識を逸らしていたかったのもあった

ハーミィル・ムゥ・ムール :「しかし気付けば桜華ちゃんと一緒にいることが多いねえ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「真白ももあがあんなに手がかからない子だったとは、良いことなのか悪いことなのか」

合馬桜華 :「ももあちゃん援護って仕事はしてますし、ええんじゃないでしょうか」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「なんかこっちの把握してないことし出かしてくれそうでちょっと怖くもあるがね」

合馬桜華 :「えへへ、そん時は勝負ですね……流石、トップアイドル」ビル光を通した曖昧な天の星を仰いで

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そんで、また何で狂楽区へ?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「賭け事なら止めといたほうが良いよ、昔花札で男衆におやつ全部取り上げられてびーびー泣いてたじゃない」

合馬桜華 :「その話は止めといてくださいよぉ……」顔を真っ赤にして

合馬桜華 :「まあ、見てるだけで楽しいって言うか……好きなので、見てるの」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ふうん」

合馬桜華 :あの時よりずっと人の減ってしまった部隊に思いを馳せつつ

合馬桜華 :「あと、ちょっと……会いたい人がいたんですけど」

合馬桜華 :「この辺探してればいそうな気がして」きょろきょろと見渡し

ハーミィル・ムゥ・ムール :「この辺ってこた、何?ホテルマン?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「あの人簡単にそこらへん出てくるからそんな印象ないかもだけど」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「一応王だから、気軽に会うのは難しいかもだよ」

合馬桜華 :「王っても色々いるもんですね……じゃなくて、今探しているのは時雨さんです」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ああ、時雨か」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そういや職場狂楽区だもんね、でもちょっとここからは外れてるかな」

合馬桜華 :「そうだったんだ……副隊長、心当たりとかあります?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「竜信教との境目くらいにあるんだよ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「今丁度働いてるんじゃない?案内しよっか」

合馬桜華 :「お願いします」と、言いながら歩きだす

ハーミィル・ムゥ・ムール :そうして、迷路じみた裏路地を行く。

合馬桜華 :紅海月が自分に仕込んできたナノマシン、その能力を逆に侵食する事で、彼の把握した情報の一部は手にしていた……もしかしたら、意図的に流してくれているのかもしれないけれど

合馬桜華 :(副隊長の事も……今の姿で半分だなんて)

GM :どんどんと奥ヘ奥へと入り込み、こんなところに本当に店があるのか?と桜華が疑念を抱き始めた頃に、その建物が現れる。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ここだよ、入ろうか」

合馬桜華 :「ここかぁ……」建物を見上げて

GM :「青の逆月亭。」そう名乗る看板をくぐる。

合馬桜華 :(いつか戻ってくれたら嬉しいんだけどな、仲良くやっていって欲しいし)

クユ :「今日は……」

クユ :「カザが買うだけ買って放置してある、このプラモデル」

クユ :「これを、ボトルの中で組み立てる」

クユ :触覚?のついた少女が、カウンター席、カメラの前で何やら作業に精を出している。

時雨 :「精密な作業ですね」

逆月亭の店主 :マスターと思われる男性が、開いてる席へどうぞと目配せをしてくる。

時雨 :カウンターに立っている、ノイズの走る人物が興味深そうにのぞき込んでいる。

時雨 :「いらっしゃいませ──おや」

合馬桜華 :「こんばんは!」

合馬桜華 :元気に挨拶して、小さく礼

時雨 :「合馬、桜華さん。これはこれは」

合馬桜華 :「名前、憶えて貰えてた」嬉しそうに

時雨 :「マスター、竜誕祭の最終日出場者ですよ。この店も話題になるかもしれません」

時雨 :「……もちろん、戦う相手ですから。研究していますよ」

逆月亭の店主 :「意気込み通りアンタが出てくれりゃあ、もっと話がはやいんだがね」

逆月亭の店主 :「客とバーテンじゃあ話が違う」

時雨 :肩を竦める。

合馬桜華 :「出ますよきっと、時雨さん全然目死んでないし」と、笑いながら

逆月亭の店主 :「まあ別に、俺はミーハーな客が欲しいわけじゃねえからな……」

時雨 :「作戦はあります」

合馬桜華 :カウンター席へ

合馬桜華 :「おお、やっぱりなんかあるんだ作戦……」

時雨 :「名付けて……ガード忍に変装してステージに乱入しちゃえ作戦」

合馬桜華 :「おっそろしく直截的な手だった」

時雨 :「私の見立てでは、五分といったところです……どうぞ」薄い赤のグラスを合馬さんに差し出す。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ふざけてるんだか本気で言ってるんだか……」

合馬桜華 :「あ、ありがとうございます」ここで気が付く、どうしようバーなんて来たことない

合馬桜華 :まぁきっとマナーとかには寛大な方であろう、そう思いながらグラスに手を付けつつ

合馬桜華 :「その作戦が本気かはともかく」

合馬桜華 :「今回のフェスには割と本気……ですよね?」

時雨 :「勿論です」

時雨 :「割と、ということでもなく、全力ですよ」薄く笑う。

合馬桜華 :「全力か……いいなぁ」笑みで返して

合馬桜華 :「時雨さんは、そういう性分なん?」

合馬桜華 :何でも全力で取り組む、みたいな熱血に見えるかと言われると怪しいが

クユ :「時雨は、クールだが熱いヤツ」

時雨 :「……ええ、そうだったのかもしれません」

クユ :目線も手元もそのままに。

クユ :「そういうキャッチコピーで売り出している」

時雨 :「そうですね」

合馬桜華 :「へぇ……」クユの言葉に

合馬桜華 :「じゃあさ、時雨サンにとって……」

合馬桜華 :「アイドルって、何なん?」

時雨 :「ふむ」口元に手をやる。

時雨 :「実のところ……私はそれに答えを持っているわけではありません」

合馬桜華 :「だから今回のフェスで探してるってコト?」

時雨 :「そうかもしれませんね。けれど私にとって、それは本質的な目標ではないのかもしれません」

時雨 :「クユさんが、最高の応援をしたいと言ってくれました。私にとって言えば、その応援に万全に応えられる姿が、アイドルということになります」

合馬桜華 :ボトルプラモしているクユの方を見て、視線を戻して

合馬桜華 :「愛されてるなぁ、キミ」クユに小さな声で

クユ :黙々と進めている。

時雨 :「勿論、多くのアイドルを目指している方のお話を聞きました」

時雨 :「私の在り方は……純粋ではないと否定する方もいましたね。アイドルは”偶像”であるべき、だと」

合馬桜華 :「ウチも、この街に来て色々な人と話したけど……みんな全然違ったなぁ」

時雨 :「ただ──アイドルは、”みんなのもの”では無い、と私は思いますよ」

合馬桜華 :「そっかぁ……そうよなぁー!」伸びをして

合馬桜華 :「一人のためのアイドル、時雨さんのアイドルもきっと悪くないし……むしろ誰かの為って、こんなロマンティックなのないし」

合馬桜華 :ねぇ、とクユを見て

時雨 :「合馬さんにとって、アイドルは、未だ”手段”ですか?」

クユ :「ロマンティックとかそういうのは、クユはよくわからない」

クユ :「それよりも」

クユ :「できた……エンジンが」鼻を鳴らす。

GM :言うと、ほぼ同時。

明日葉 セイ :そこに、ふとドアベルの音。

合馬桜華 :「どうだろ……実のところ、それ以前だったから」

明日葉 セイ :「こんにちはー。錺さんいます……っと」

明日葉 セイ :ドアを開けて、背の高い少年が入ってくる。

時雨 :「いらっしゃいませ」

合馬桜華 :「……」はっと、ドアの方を見て

明日葉 セイ :「あれ、いないな。お店かな」きょろきょろしている。

明日葉 セイ :そして、紅い少女と目が合う。

時雨 :「こんばんは、明日葉さん。錺さんは仕事です。」

明日葉 セイ :「あーっ、桜華ちゃん、時雨さんもだー」

逆月亭の店主 :「あいつなら急用だってとんぼ返りしてったよ」

明日葉 セイ :小さく手を振っている。

逆月亭の店主 :「渡すものは、俺が預かっておこう」

時雨 :ナッツの皿とバナナジュースをクユさんの前に置く。

時雨 :「お見事……」

明日葉 セイ :「ありがとうございます! これ、修理するもの」

合馬桜華 :「ややっ……どうも、こんばんはお兄さん」

明日葉 セイ :何かの入った箱をカウンターに置いて。

明日葉 セイ :「あと、オレンジジュースください!」

合馬桜華 :(手慣れてる、常連なんかな)

明日葉 セイ :「あ、えっとね。うちの手伝いしてくれてるスタッフさんが常連でね」

明日葉 セイ :「今日はちょっとその人に用があったんだけど、入れ違っちゃった。でも」

明日葉 セイ :「二人に会えたからよかったー」にこにこしている。

時雨 :「錺さん、そんな営業もしていたんですね」

合馬桜華 :「平和やなぁ……まあこっちも、会えて嬉しいけど」

明日葉 セイ :「なんの話してたの? 話してていいよ!」

合馬桜華 :「んー、セイくんは、とっくの昔に通り過ぎてそうな話」グラスを軽く弾いて

合馬桜華 :「それぞれ自分にとって、アイドルって何だろうなって」

明日葉 セイ :「わー、楽しそう」

合馬桜華 :「コレを楽しいと言うか、根っからのアイドルめ」

合馬桜華 :苦言を呈しながら、しかし笑っている

ハーミィル・ムゥ・ムール :「桜華ちゃん、きみにとっちゃただの手段だろ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「主義とかスタイルとか、僕はそんなに大事なものとは思えないけどなぁ」

明日葉 セイ :「ふんふん、そういう人がいてもいいんじゃないかって思いますね」

合馬桜華 :「結局、比べる所じゃ関係ないんでしょうけど」

明日葉 セイ :「いろいろな意見があった方が楽しいもの」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「僕らの中で一番そういうのから遠かったヴルフくんが、結局の所"魃"の中じゃあ圧倒的な、他の追随を許さない強さを持っていた」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「強いやつは強いし、弱いやつは弱い」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そういうもんだよ」

明日葉 セイ :「それはそうですね」うんうん、とうなずく。

合馬桜華 :「ウチも、そう思います」

合馬桜華 :「でも、強さは一つじゃないなって……改めて思ったんです」

合馬桜華 :「隊長がいなくなって、副隊長もこうなって、このフェスで色々な人と出会って……この街に来て」

合馬桜華 :「ウチの欲しい強さは、無敵が欲しいとか、存在故に強いとか……そういうのじゃないって、ずっと感じてた違和感がようやくハッキリした形になった気がして」

合馬桜華 :「だから……せめて時間があるうちには、もうちょっと話がしたいなって」三人と一機に笑いかけて

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ふぅん」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ねえ桜華ちゃん、それは本当に君に必要な強さなのかな」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「魃じゃあ、繰り返し教えられたはずだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「身内以外に、心を開くなと」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「結局、僕ら殺しが仕事なんだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「"まとも"でいちゃあ壊れちまう」

合馬桜華 :頷く、結局真白に近寄らなかったのもそれ故だ

ハーミィル・ムゥ・ムール :「なあ、君は一体"何の合馬桜華"としてここにいるんだい?」

明日葉 セイ :オレンジジュースを飲みながら、じっと「半分」を見つめている。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ま、とはいっても魃もおしまいだろうし、きみに所属意識を今更求めるつもりはないけどね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「これが終わったら、君の人生を君の好きなように生きてみるのもいいんじゃないかな」

合馬桜華 :「……」怒るでもなく、苦笑して

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ただ、事を終えたいなら」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「自分の立ち位置を見誤ると、真っ暗な穴に落ちちゃうかもだよ?」

合馬桜華 :「……ありがとうございます」ぺこりと、礼

明日葉 セイ :(……この人の言葉は、もしかすると、鏡映し、なのかな……)

合馬桜華 :「何の合馬桜華かは、本番まで取っておきます……ウチの戦いを、見届けてもらえたら」

合馬桜華 :「ただ、今ここには」心臓を叩いて

合馬桜華 :「あの日の、何もできなかった小さな女の子が、一緒にいます」

明日葉 セイ :「…………」目を伏せて、それを聞く。

合馬桜華 :「この忌まわしい身体と一緒に」と、時雨にノイズが走るの同時、桜華の右手が桜の花弁に包まれる

時雨 :「──」


合馬桜華 :異形化で秘密抜きます、セイくん感情いただけます……?

明日葉 セイ :はいっ! +1どうぞ!

GM :それではどうぞ

合馬桜華 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功

明日葉 セイ :わおわお

GM :ではお渡しします。

時雨 :共有はセイ君だけかな

明日葉 セイ :こちらにも来る予定

合馬桜華 :やったー! 感情共有でセイくんと店長にもプレゼント

紅海月 :ぐへへへ

時雨 :店長にもか

紅海月 :うけとりました。

明日葉 セイ :受け取りました

合馬桜華 :確認しました!


GM :合馬桜華の右手が桜に光る。

GM :秘められたちからが、時雨へと届く。

GM :そして、知る――彼(あるいは彼女)の【秘密】を。

時雨 :「──いかがでしたか?」

合馬桜華 :「……そっか」

時雨 :目を細めて笑っている。

合馬桜華 :「なぁ、その姿でいるの……」ノイズが走る肉体を眺めて

合馬桜華 :「辛くない?」

時雨 :「いえ、案外」手のひらを眺める。

時雨 :「ぼやけているので、苦しいということはありません」

合馬桜華 :「ぼや、けてる……」

合馬桜華 :「なのに、誰かのために何かしたり」クユの方見て

合馬桜華 :「ひたむきに楽しんだり、できるもんなんやな」セイの方を見て、あのライブバトルでの応援とパフォーマンスを思い返して

時雨 :「そんなに妙なことでしょうか」

合馬桜華 :「妙って言うか、むしろ……ううん、いや」時雨の話に耳を傾ける

時雨 :「私は、観測者であろうとしました」

時雨 :「それがあるべき形であると、思い──この街にもその目的を果たすために。」

時雨 :「しかし、その目的はある意味で頓挫してしまいました。クユさんのために」薄く笑う。

合馬桜華 :「頓挫? 観測者である事が?」クユの方を見て

時雨 :「ふふ、私もいろいろな人と出会ったのです」

時雨 :「強さは、一つではない。同時に弱さや苦しさも、一義的なものでは無い」

時雨 :「それだけです。この体であることは、私にとって大きな苦しみではなく」

時雨 :「その苦しみにも、クユさんが目的を与えてくれています」

合馬桜華 :「……」クユと時雨を見て

クユ :「クユは独り立ちしたほうが良いと思うが」

クユ :「時雨はまだまだ未熟なので仕方ない」

クユ :黙々と手を動かしつつ。

合馬桜華 :二人は、信頼しあっているのだろう、と思う

時雨 :「恐縮です」困ったように笑う。

合馬桜華 :「どんな身体でも、出会いがあって、一緒にいてくれる人がいて……そうしたら生きていける、か」

合馬桜華 :顔を伏せて……今にも泣きだしそうな表情で

合馬桜華 :「なぁ時雨さん」

合馬桜華 :「殴っていい?」

時雨 :「いやです」

クユ :「なんだ、喧嘩か?」

明日葉 セイ :げほ、とオレンジジュースを咳き込む。

クユ :「時雨は強いぞ、赤いの」

合馬桜華 :「知ってるで、白い子」

明日葉 セイ :「あのあの、お店の中は良くないよ」

時雨 :「そうですね。どうしてもというなら表に出てやりましょう」

合馬桜華 :「……もっと怯えてくれたっていいのに」

合馬桜華 :「理由の心当たり、ある?」

クユ :「クユはこれを組み立てるのに忙しい、あとでどっちが勝ったか教えると良い」

明日葉 セイ :「クユちゃんー」

時雨 :「……私のことを見たうえで、そのように言うのならば」

時雨 :「心当たりが無いとは言い切れないですね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「クック……ハハ、あまりいじめてやるなよ、桜華ちゃん」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「すまないすまない、ああ、僕が悪いんだ、さっきまで忘れてたけどね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「どうにも記憶に欠損が多くて困る」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「時雨はね、自分がわからないんだよ、それをずっと探してるんだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ああ時雨、久しぶりだね、相変わらずきみは正体不明のようだ」

合馬桜華 :「……そっか」困った様子で、視線を下げる

ハーミィル・ムゥ・ムール :「きみは僕のことなど覚えていないだろうから、こっちで名乗ったほうが良いかな」

時雨 :「……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「こんばんは、僕が"差出人"だ」

合馬桜華 :(殴り続けて、思い出すまでやる必要は無いか……)

時雨 :「そうでしたか」

時雨 :「驚いています……かなり」

合馬桜華 :「副隊長……」

合馬桜華 :「ウチにナイショの事多すぎません?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「このハーミィル・ムゥ・ムールが、桜華ちゃんへの"撒き餌"としてきみを壇上に呼び寄せたんだよ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「だからさっきまで忘れてたんだってば、メンゴメンゴ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :ヘラヘラと笑う携帯フォン。

合馬桜華 :「昔の携帯って、逆に折っても使えるらしいけど試してみます?」

合馬桜華 :苛立ちと羞恥の混じった表情で頭を抱えている

時雨 :「異街に呼んだときから、その目的のために?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「何せこの子は実のところ、戦闘能力の分野における潜在的な才覚はうちでも随一だと僕は睨んでいてね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「裏切り者を始末して、ついでに目障りな妖魔も処分する」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「僕の手持ちの駒じゃあ、一番の人材だったんだよ」

合馬桜華 :「ウチ、そんなんだったんですか……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「騙したわけじゃあないよ?伝えたことはぜんぶ本当のことだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「現に、これは君がずっとずっと待ち望んでいた舞台のはずだ」

合馬桜華 :「まあそれは……感謝してますけど」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ああ、それと、だ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「異街に呼んだ、ってのは知らないな」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「僕が送ったのはあのメッセージだけ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「きみは相変わらず謎が多いようだね」

時雨 :「む……そうだったんですね」

合馬桜華 :「謎の男……ね」

合馬桜華 :「でも、ハッキリしてる事はある」

時雨 :「残念です。この場でも全てを見通せるわけではないようだ」

明日葉 セイ :(謎の女かもしれないけど……どうなんだろ)

合馬桜華 :「ウチとあんたは"あの場所"で繋がってる……どんなになったって、忘れんでくださいよ」

時雨 :「……はい」

時雨 :「ぼやけては、いますが、呆けているわけではないですから」

時雨 ://ざあざあ//と小雨のような音がする。

合馬桜華 :彼の存在にとって自分のような存在はどれほどの価値を持つのだろう。

合馬桜華 :死を観測する者にとって、こんな……それでも、言わずにはいられなかった

合馬桜華 :「よし、じゃあ……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ああ、そうだね、突きつけてやればいい」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「役者も、舞台も整ったんだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「君の花道は、僕が敷いた」

合馬桜華 :「とりあえず」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「あとはきみひとりで踊り狂うがいいだろう」

合馬桜華 :「自分のやった事の一つを、受け止めておいてください」

合馬桜華 :と、桜の花弁をノイズの隙間に差し込む

合馬桜華 :センヒちゃんの秘密を渡しておきます

時雨 :あ、わーい

時雨 :公開情報だ

合馬桜華 :で、セイくんの秘密をもらえると嬉しいです

時雨 :はーい、セイ君の秘密を合馬さんに渡します。

センヒの秘密

あなたは時雨を愛している、信奉していると言っていいほどに。

あなたはかつての昔、"魃"という集団に命を奪われようとしていたところを時雨によって助けられた過去がある。

あなたの妖魔としての能力は【生物の命を奪う】ことに特化しているが、時雨があなたを助けたのはきっとそれに意味を見出してくれたからであろう。

現に時雨は『人の死に様を記録する』ことを目的としているのだという、嬉しくなったあなたは自分を亡き者にしようとしたものたちを時雨に捧げんと皆殺しにしたがそれでもまだ足りない、千十嵐リンネのちからがあれば完全なそれを成せるはずだ。

あなたの本当の【使命】は【ドラゴン・ボーン・フェス】の優勝によって千十嵐リンネのちからを奪い、全人類を抹殺し時雨へと捧げることである。

明日葉セイの秘密

あなたは自称プロデューサーである『灰色兎』からある【使命】を託されている。

それはこの世から【アイドル】を消してしまうという【ビリジアン・ブルース】という謎の存在、それの破壊である。

その方法は【最強のアイドルになって、最高の舞台で、最高のパフォーマンスをする】ことであるらしい。

つまり、あなたの【本当の使命】は変わらず最高のアイドルになることである。

合馬桜華 :花弁とノイズ、この世ならざる力のつながりを通じ、時雨へと情報が受け渡される

合馬桜華 :「……で、感想は?」目を開き、紅の瞳が時雨を見つめる

時雨 :「彼女が私のために、死を齎そうとしてくれていると」

時雨 :「恐ろしいですね。被害の想像もつきません」

合馬桜華 :「……喜んだりは、しないんやね」

時雨 :「たくさんあればいい、というものではありませんよ。それに……」

時雨 :「彼女を逃がした判断は、今の私がしたわけではない」

時雨 :眼帯に触れる。

合馬桜華 :「……」

時雨 :「……そう思うほどに、私も変わったようです」

合馬桜華 :「そう言って、過去から逃げるつもり……でも、なさそう」

合馬桜華 :(ああもう……もうちっと、悪役らしくやってくれたら助かったのに)

合馬桜華 :「じゃぁ、今の時雨さんはセンヒをどうしたいん?」

時雨 :「止めたいと思っています」

時雨 :「それが私のためであるというのなら、私は望んでいないということを伝える」

時雨 :「その後は彼女の反応を見てから考えます」

合馬桜華 :「向き合う気はあると」

時雨 :「逃げたら見てもらえないでしょう?」

合馬桜華 :グラスを掴む、ジュースを飲み干して

合馬桜華 :「上手い事言われてしまった……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「ま、時雨、きみが始末をつけてくれるってなら手間が省けるや」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「けど結局のところ、きみも裏切り者だからね、魃としては許すわけにはいかない」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そもそも、どこまで覚えているんだい?僕はさ、てっきりあの時死んだと思っていたんだよ、センヒに殺されてさ」

明日葉 セイ :(……重たい、現実の話)オレンジジュースを飲みながら。

明日葉 セイ :結んだ感情を通じて、情報は流れ込んできている。自分の得意な分野だ。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「思い出せるかい?きみは、ある時期うちに所属していたんだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「上から押し付けられた、謎の存在だったのだけどね」

合馬桜華 :「ウチが拾われるより前、ですよね多分」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そうだね、まさに桜華ちゃんがうちに入ることになった事件、そのときに行方が知れなくなっていた」

明日葉 セイ :(桜華ちゃんと時雨さん、ずっとアイドルをやるわけではないかもしれない二人の事情、か……)

時雨 :「正直なことを言うと、ほとんど覚えていません……というよりも、思い出せないようにしています」

合馬桜華 :「……」

時雨 :「圧縮して容量を多くしているというべきでしょうか」

合馬桜華 :その言葉に、拳を強く握る

ハーミィル・ムゥ・ムール :「センヒ、アレは桜華ちゃん、きみの地元で人を喰う鬼として恐れられていた」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「人身御供を要求し、村人たちを恐怖に陥れていた存在」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「だから、うちらが出張ることになったんだけど」

"鬼精" :「なるほど、興味深い」

"鬼精" :いつの間にか、カウンターの上。

明日葉 セイ :(……おれたちがどんだけ頑張ってキラキラした希望や夢を見せても、現実は……)

合馬桜華 :「うわっ……なに、これ」

明日葉 セイ :「うわ、びっくりした」

"鬼精" :クユに渡された皿のナッツを気ままに齧る、鬼精のすがた。

時雨 :「これはどうも、いらっしゃいませ。キビさん」

合馬桜華 :危うく握っていた拳を反射的にぶつけそうになって、もう片方の手で静止する。

クユ :「時雨、キビがクユのを勝手に食べてる」作業を止めることなく。

"鬼精" :「忙しいお前に代わってキビが食べてやっているのだ、気にするな」

時雨 :「後でまた盛りますよ」

合馬桜華 :「自由やなぁ……」

アカネ :「うぅぅ、もう飲めない」

アカネ :よく見ると、遠くのボックス席でシートに蹲っている。

アカネ :死角になっていたが、あなたたちが訪れるより前からいたようだ。

合馬桜華 :「こちらの人? らも、時雨さんのお知り合い?」

時雨 :「常連さんです」

明日葉 セイ :「いろんな常連さんがいるんですね」

合馬桜華 :「変な客が多いんやね……」

"鬼精" :「センヒ、と言ったな」

時雨 :「マスターの人柄です」

"鬼精" :「響きに心当たりがある」

合馬桜華 :「ん? 知ってるん?」

時雨 :「……」

"鬼精" :「こう書くのではないか、山姫(センヒ)と」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「へぇ、詳しいじゃないか」

合馬桜華 :「山の姫……」

明日葉 セイ :「お姫様……かあ」

"鬼精" :「ご同輩だ」

"鬼精" :「それは山姥(やまうば)だな」

"鬼精" :「深山住まい人を喰らう」

"鬼精" :「山の鬼だ」

明日葉 セイ :(人を喰う鬼がいて、それを退治する人がいて……厳しい、重たい、血の匂いのする話だ)

明日葉 セイ :(そういうところで、この人たちは生きていたんだな……)

明日葉 セイ :(……ふむ)少し考える。

"鬼精" :「それで、そいつは人身御供と引き換えに何をくれていたんだ?」

合馬桜華 :「えっ?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「知らないよ、特にそういう話は聞いてないね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「一方的に奪うだけだったんじゃないの」

合馬桜華 :頷く

時雨 :「妖怪というのは、神とは違うのではないですか?」

"鬼精" :「ふうむ、キビの場合は、取り引きだったからな」

"鬼精" :「気になっただけだ」

"鬼精" :「妖怪も神も同じものだ」

"鬼精" :「お前たちの見方、呼び方が違うだけ」

"鬼精" :「だがその見方、呼び方に左右され、かたちを大きく変えるのが神や妖怪だ」

"鬼精" :「なぜ、人身御供を一方的に要求していたかは知らんが」

"鬼精" :「キビは、おそらくそこにはお前たち人間側の事情もあると思うぞ」

"鬼精" :「神魔の類が人と関わるというのは、そういうものだ」

合馬桜華 :「……なにそれ」小さくつぶやく声は震えている

合馬桜華 :アレが人に益を齎していた?

合馬桜華 :(かもしれないだけ、だけど……)

合馬桜華 :「……ウチは本当に、何も知らないんですね。 たぶん今も」

"鬼精" :「そうか」

"鬼精" :「センヒは、あいどるとやらになろうとしているらしいな」

"鬼精" :「いや、もうなっているのか」

"鬼精" :「お前らや客どもがここ最近その話ばっかりをするのでキビは詳しくなったぞ」

明日葉 セイ :血に濡れた舞台を思い出す。それでも、フェスは彼女を受け入れたのだという。

"鬼精" :「あいどるは、その終着点は神になるということだろう?」

"鬼精" :「ならキビもあいどるだな」

合馬桜華 :「え?」

明日葉 セイ :「そ……そうなんですか?」

合馬桜華 :そうなの? という様子でセイの方を見る

明日葉 セイ :いや、どうだろう……という顔。

時雨 :「そうなんですか」アカネさんに尋ねる。

合馬桜華 :だよね、という顔

"鬼精" :「違うのか?人に恐れと救いをもたらす」

明日葉 セイ :「…………」

アカネ :「え?なになに、あれぇ、時雨さんなんで3人いるんですかぁ」ぐでぐで

合馬桜華 :「その理屈で言うと、センヒは神さん目指してるって?」

合馬桜華 :「……ありそうではあるけど」

時雨 :「……いえ、なんでも」お水を差し出しておきます。

明日葉 セイ :(もしこのままずっとひた走って、ずっとずっと昇り詰めたら……似てるようなものに……なるのか、な?)

アカネ :「何か言われたんですかぁ~~??キビさんが言ってること真剣に捉えちゃだめですよぉ、このひと、人間とはズレてんですから」

アカネ :ばたん。

明日葉 セイ :「そ、そうなんですか……」

時雨 :「ええ、ありがとうございます」

合馬桜華 :「この人もちょっとズレてへん?」

時雨 :「私もそう思いますよ、キビさん」

時雨 :「アイドルは”偶像”ではないですから」

合馬桜華 :女性としての色々をほっといて倒れたアカネを寝かせ直し、戻ってくる

"鬼精" :「そういうものか」

"鬼精" :「じゃあキビの方がえらいな」

合馬桜華 :「自己肯定感に溢れてる子が多いなぁ……」

"鬼精" :「お前たちも望みがあれば何でも言ってみるが良い、いくらか払えば叶えてやろう」

明日葉 セイ :(……でも、でも、もしたとえ話の範囲でも……みんなの祈りをもらって、それで、重苦しい現実を少しでも吹っ飛ばせるなら)

明日葉 セイ :(…………違うな)

明日葉 セイ :(現実に、立ち向かえるようにできるなら)

明日葉 セイ :(それは、素敵なことだ。きっと)

明日葉 セイ :「……おれの望みは、自分でなんとかしなきゃいけないんですよね」苦笑して。

明日葉 セイ :「あのあの、ふたりは結局……センヒさんをどうにかしないと、なんですよね」

明日葉 セイ :「その、多分そっちで忙しいんじゃないかって思って、フェスの方ってどうするのかなーと」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「どうするのかって、センヒはフェスに出場するんだろ?」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そして、出場するアイドルはフェスの呪によって守られている」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「だったら、壇上へ上がって始末をつけるしかないだろう」

合馬桜華 :「つまり、ウチらも行くって事ですね!」

明日葉 セイ :「やっぱりそうなる……」少し考えて。

時雨 :「なりますね」

合馬桜華 :「……ごめんね、セイくん」

合馬桜華 :「セイくんたちの素敵な舞台に、こんな理由で立つウチがいて」

明日葉 セイ :「ううん! こっちこそ勝手に人の話聞いちゃって、けど」

明日葉 セイ :「けどね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「今はアレが便宜上の千十嵐リンネである以上、うちらの方針は変わりはしない」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「誅伐さ、誅伐」

明日葉 セイ :(重苦しい現実がある。それはどうしようもない)

明日葉 セイ :(けど、けど、だ!)

明日葉 セイ :「さっき、ふたりは"あの場所"で繋がってるって言った。おれは、そこは知らないし、多分きっと知らないままだと思う」

合馬桜華 :悩んでいるセイをまっすぐに見つめている

明日葉 セイ :「でも、おれとあなたたちも、繋がってる」

明日葉 セイ :「今度立つステージで」

明日葉 セイ :「それは本当だし、嬉しいよ!」

明日葉 セイ :ぱっと笑顔を見せる。重さなど見せない表情で。

合馬桜華 :「そっか……」

合馬桜華 :「そう言ってくれるセイくんでいてくれて、ウチは嬉しいな」

明日葉 セイ :「いろいろ背負ってるのは、大変だと思う。立ち向かってるのも、すごい」

明日葉 セイ :「だから、上手く全部吹っ飛ばせるといいね」

明日葉 セイ :「ただ、勝つのはおれ!」

合馬桜華 :「ふふっ……」

合馬桜華 :「あっはっはっは! 流石セイくん、そうじゃなくちゃ!」

合馬桜華 :肩を叩こうとして長さが足りなかったので腕をバシバシ叩きながら

明日葉 セイ :「ふふふー」少しだけ痛そうにして。

合馬桜華 :(全部吹っ飛ばしたら……たぶん身体の半分くらい吹き飛ぶだろうけど)

時雨 :「私は、アイドルとして戦うつもりでしたよ」

時雨 :「ハムさんのメッセージは関係ありません」

時雨 :「それは最初にお伝えした通りです。私の目的はクユさんですから」

明日葉 セイ :「うん、それはそれで嬉しいな」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「千十嵐リンネが霊的生命体に感染し、吸血鬼のちからと結びつくことで新たな能力を獲得したように」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「センヒ、やつもまた自前の能力と結びつき特殊な能力を獲得している」

合馬桜華 :「特殊な能力……」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「千十嵐リンネをウイルスとみなすならセンヒは言わば"変異株"だな」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「センヒの能力とはすなわち殺傷し、喰らうことだ。感染を以ってそれを為す」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「頑張りたまえよ、フェスの優勝を掴むまで事を起こすことはないだろうが」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「もし仮にあれが優勝を遂げてしまったら」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そこから先は、桜華ちゃんの村で起きたことを世界規模でみることになるかも知れないね」

合馬桜華 :「……っ、そんな事は、絶対させません」拳を強く握る

合馬桜華 :あの凄惨な光景も、悲鳴も血も、片時も忘れた事はない。

合馬桜華 :だから魃に身を置いたし、あの日を繰り返させないために鍛錬を積んできた

合馬桜華 :自分の身体の使い潰し方として、これ以上無いほど適切な使い方だと思っていたから。

合馬桜華 :だから島に来た、あの日を繰り返さないために

"鬼精" :「ひとに不要と判断された魔の行く末など、まあそういうものか」

合馬桜華 :(____だけど)

"鬼精" :「まったく、おまえらは恐ろしいな」

"鬼精" :そう言って、口?へナッツを放り込む。

合馬桜華 :「……うん、ウチも恐ろしい」

合馬桜華 :時雨はこの島で、出会いと大きな変化を経て生きている

合馬桜華 :センヒも、時雨に出会って大きく変わったのだろう

合馬桜華 :「人間は一番怖くて、素敵な生き物だから」

合馬桜華 :じゃあ

合馬桜華 :自分はどうだろうか、この島に来て……同じ魔混じりの者たちが、あるいはそれ以上の異形の存在が普通の人間のように生きていられる場所を知って、はしゃぎもしたし

合馬桜華 :アイドル、舞台の上で人々に注目と喝采を浴びる、影の世界にはない在り方を知った

合馬桜華 :でも、結局それはカーテン一枚向こう側の出来事で、自分が望むのは

合馬桜華 :あの日の妖魔が、過去にいる怪物が、消えて無くなる事だけ。

合馬桜華 :(私一人だけ、あの日のまま)

合馬桜華 :今、目の前でナッツを盛る時雨に拳を叩き込んだら、それで彼のように変われるだろうか?

合馬桜華 :(違う、絶対に。 だって彼はもうあの日にいないから)

合馬桜華 :今目の前にいる存在は、少女と仲睦まじくやり取りをする青年の姿は

合馬桜華 :過去から来た妖魔の亡霊が、まして自分が、触れていいものには思えなかった。

明日葉 セイ :「……桜華ちゃん?」

明日葉 セイ :目の前で軽く手を振る。

合馬桜華 :「……あ」

合馬桜華 :はっとして顔を上げた、頬から涙が流れ落ちる

明日葉 セイ :「あ、ごめんね! いろいろ考えることあると思うんだけど……」

明日葉 セイ :「わあ」慌ててポケットからハンカチを取り出す。

明日葉 セイ :刺繍入りの白い清潔なもの。

明日葉 セイ :「拭いて拭いて、目が腫れちゃうよ-」

合馬桜華 :「あ、いや、ちょっと自分のコト考えてただけだから」

合馬桜華 :「ありがと……」

明日葉 セイ :「自分のこと考えて泣くってことは、しんどいってことでしょ」

明日葉 セイ :「ううん、何考えてるとかじゃなくて。辛いのは誰でも嫌だよ」

合馬桜華 :「しんどいうちは、忘れてないってコトだから」

合馬桜華 :「ちょっと嬉しいんよ、変な話やけど」

明日葉 セイ :「……おれは、うーんと、さすがにわかんない、んだよね。桜華ちゃんの気持ちの全部は」ゆっくり言葉を選ぶ。

明日葉 セイ :感情を結んでも、伝わらないものもある。当然だ。

合馬桜華 :「そりゃ」

合馬桜華 :「セイくんがわかったら困るって」笑う

明日葉 セイ :「うん」

合馬桜華 :「困るし……嫌や」

合馬桜華 :「セイくんが、こんな気持ち抱くような状況になるなんて」

明日葉 セイ :「そう。おれと桜華ちゃんは、違う。見てきたことも、感じたことも」

明日葉 セイ :「あなたと私は違うから」

明日葉 セイ :「けど、そんな人たちだってなんだか、ちょっとわかったようになる、そういう場所と仕事がある」

合馬桜華 :「……」

明日葉 セイ :「おれの仕事で、桜華ちゃんが今度立つ場所」

明日葉 セイ :「別に、何抱えててもいいんだよ」

明日葉 セイ :「今回、ステージの上はひとりじゃないから。それだけ覚えてて」

明日葉 セイ :「別にこの言葉を支えにとかだって、しなくていいから」

明日葉 セイ :「おれ、勝手だから。自分の好きなものを宣伝したくてたまんないだけ!」

合馬桜華 :「セイくん……」

合馬桜華 :「……ありがと」体を傾けて、しかし預けず

合馬桜華 :(あの場所じゃ、一人じゃない……か)

合馬桜華 :降り立ったステージの上、万雷の歓声と好敵手たち……の中にいた一人。

合馬桜華 :人もいない静まり返ったステージ、共に踊った

合馬桜華 :そして今、こうして目の前にいて、言葉をかけていてくれる男の子

合馬桜華 :これから、彼と一緒のステージに立つ

合馬桜華 :「……勝手やね、ホント」

合馬桜華 :「でも、セイくんの好きなもの一つ……うちも好きなものになりそう」

明日葉 セイ :「……よかった!」

明日葉 セイ :あどけないほどの笑顔で、心底嬉しそうに。

合馬桜華 :「だから、セイくんが大好きなセイくんでいてな」

明日葉 セイ :「ん。もちろん!」

合馬桜華 :「恥ずかしげもなく……」頬を赤らめて

合馬桜華 :「セイくんが悪い人に騙されんか心配になってきたけど」

合馬桜華 :「ま、その辺は兎の人が上手い事やってくれるか」

明日葉 セイ :「……むしろ、プロデューサーの口車に乗せられてるような気もするんだけど」笑う。

明日葉 セイ :「自分で選んだからね。その車。大丈夫だよ」

合馬桜華 :脳裏にうさ耳のハイエースに連れ込まれるセイの絵面が想像できて一瞬悪寒が走るが

合馬桜華 :「セイくんの信じた事だもんな、きっと違いない」笑って

合馬桜華 :財布を取り出し、両替を済ませてきた通貨をカウンターに置き

合馬桜華 :「なぁ、セイくん……全部終わったら……」

合馬桜華 :「このフェスの話な」

明日葉 セイ :「うん」

合馬桜華 :「全部終わったら……」

合馬桜華 :「……この街のセイくんが好きな場所、連れてって欲しいな」

合馬桜華 :「なんて、願い事。 おっけー?」

明日葉 セイ :「いいよー! あ、でもこそこそしなきゃかもね」

明日葉 セイ :「誰がどうなろうが、おれたちその頃は有名人だから!」

合馬桜華 :「トップスターだもんなぁ」

明日葉 セイ :「ねー」

合馬桜華 :笑って、代金を時雨の方にすいと出して

合馬桜華 :「見せてくださいね、待ってますから」

時雨 :「すぐそばで、お見せすることになります」

時雨 :「やはり私は、アイドルとして立つつもりですよ」

時雨 :「……貴方に、謝ったほうがよいでしょうか」

合馬桜華 :「別人なんやろ、だったらこっちも困るだけやし」

合馬桜華 :(変わってないなら、後で死ぬほど謝らせるけど)

合馬桜華 :「そう思ってくれただけで……」

合馬桜華 :自分が何を言いたかったのか分からないと言った様子で、ぱくぱくと口を動かす

合馬桜華 :「……まぁ、十分って感じだから」

時雨 :「そうですか」

時雨 :安堵とも軽妙ともつかない表情で、頷く。

合馬桜華 :「じゃ___また、舞台で」

合馬桜華 :そう言って扉をくぐり外に出て、路地を歩きだす

ハーミィル・ムゥ・ムール :「あとは、本番あるのみか」

合馬桜華 :「そうなりますね、やるっきゃないです」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「やっちゃってくれよ、実際のところ淀沼くんとは違い僕はきみに結構期待してるんだ」

合馬桜華 :「え、そうなんですか?」

合馬桜華 :「副隊長にそう言ってもらえると、気分上がります」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「うんうん、存分に上がってくれよ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「僕にはアイドルのことはよくわかんないけどね」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「戦士としてのきみの素質は、前にも言ったようにかなりのものだ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「舞台が、戦いであるならば」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「きっと何かを掴み取れるはずさ」

合馬桜華 :「何かを、掴む……」手を握ったり開いたりしながら

合馬桜華 :「そうですね、やってみます!」

合馬桜華 :ぐっ、と手を握って

合馬桜華 :そして

合馬桜華 :頭の中に渦巻く、時雨への思いと

合馬桜華 :沸きだしてくる真っ黒な感情

合馬桜華 :そして、あかつき。の言っていた、アイドルへの

合馬桜華 :想いと、情熱。 セイたちが見せてくれた、現実のそれら

合馬桜華 :全部が今、混ざり合わずに渦巻き

合馬桜華 :その底に、センヒがいる

合馬桜華 :自分が戦士でもアイドルでも、放置しておく理由がない

合馬桜華 :手の中の、半分の副隊長が保証してくれるなら……

合馬桜華 :もう半分の副隊長が選んで、選ばれた人と

合馬桜華 :この街の、中と外との力で、今度こそ……

合馬桜華 :「終わらせる」

GM :===

サイクル3:時雨

GM :それではとうとうこの時がやってまいりました、最後の手番です。

GM :PC1!ここに!

時雨 :はいさい!

GM :では言いなぁ、登場希望、シーン内容、表をよぉ~~~!!

時雨 :PCは出たい人出てもらう感じで NPCはクユちゃんとれみふぁちゃんと、あとセンヒちゃんです

時雨 :シーンはフェス最終日を控えてみんなで舞台観てる感じかな……? リハとかあるんじゃないですかね 時雨は最終日出ないけど……

GM :最終日でないの?

時雨 :出方がまだわからないからね

時雨 :表はどうしようかなあ 最後だしアイドルシーン表でいいか

GM :はいな、じゃあ振ってみて

時雨 :2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3

時雨 :低いぜ

GM :なんかこう、おもしれーのが

時雨 :なによ!

GM :3.プロモーションの撮影を行うことに。でもこんな際どい衣装とは聞いていないよ!

時雨 :きわどい衣装になっちゃったwww

時雨 :このプロモーションで最終日出ようとするのだいぶなりふり構ってないですね

GM :ええと、どうしよっかこれ……

GM :どういう流れでこれに全員?!

時雨 :さあw?

紅海月 :時雨の際どい衣装ときいて

時雨 :流れ的にはさっきの舞台前日でみんないるね~みたいなやつでいいと思うんで

GM :まあ最終的にそこへ着地しましょう。

時雨 :しぐだけエッチ衣装で参加します


GM :===

厄介なオタク :『あ?時雨なに?まだ参加の目処が立ってないの?』

厄介なオタク :『はぁ~~、どんくさいやっちゃな』

厄介なオタク :『こういうのはプロモーションが大事なんだよ、戦略だね』

厄介なオタク :『まあナキに任せとけって』

厄介なオタク :『それよりも落ち込んでないのかって??は?あんなの演出に決まってるでしょ』

厄介なオタク :『宇宙最強生物であるRIN-NE様が死ぬとかありえないっての』

GM :そうして、あなたの前に現れたのは数々のアイドルを舞台へと押し上げてきたという謎のカメラマン。

GM :撮影会場は、最終日の舞台である第一ステージ、空になったその壇上であった。いったいどのようなツテが?それは謎なのである、何故なら彼は謎のカメラマンなので!

謎のカメラマン :「いいよぉ~~~、よおしじゃあ次はこの衣装いってみようかぁ!」

クユ :「表情が硬い!」

時雨 :「は、はい」

時雨 :少女の姿になり、精一杯の笑顔を浮かべている。

時雨 :臍までが見えるざっくりと前が開いた衣装だ……スカートも一層短い。

クユ :硬い表情の少女から飛び出す叱責の数々!クユは本気である!

時雨 :あわや!というところで、しかし写真にはモザイクが……いや、これはブロックノイズ!

謎のカメラマン :「良いよぉ、謎めいてるよぉ~~~」

時雨 :怪人時雨の采配か、あるいは謎のカメラマンの謎の技術なのか……!? 年齢制限にかかることは無さそうだ!

時雨 :(しかし……このプロモーションで人気を博したとして)

時雨 :(そのときは舞台の上で別の姿になると意味がないのでは?)

時雨 :悩みつつもポール(舞台に自生している)に腕を伸ばし、背筋を反らす。

時雨 :カメラに向ける妖艶な笑顔は、さながら夜空……すなわちトップの舞台にかかる三日月だ!

クユ :「これはもういただいたな」

時雨 :「いただきましたか」

宍戸れみふぁ :「わ、なんか撮影してる」

宍戸れみふぁ :観客席から、ひょっこりと顔をのぞかせた橙色の少女。

宍戸れみふぁ :ててて、とステージへ近づく。

時雨 :「おや、貴方は……」ポールに片脚を絡ませ、背筋を反らしている。上下逆になった視線で橙色を認める。

宍戸れみふぁ :「時雨さんですよね、乱入してた」

時雨 :「たしか、†暁†さんと一緒にいらっしゃいましたね」

宍戸れみふぁ :「いつぞや席でもお近くに」

時雨 :「ええ、時雨と、そう名乗っています」

宍戸れみふぁ :「どうもどうも、宍戸れみふぁです」ぺこぺこと

時雨 :「れみふぁさん。貴方も……アイドル……いや、トップを目指していらっしゃるのですか?」

時雨 :「前日に最終日の会場に来る方など、そうはいませんしね」

宍戸れみふぁ :「……えっと」

宍戸れみふぁ :「ええ、はい」

宍戸れみふぁ :「やるからには、トップを」

宍戸れみふぁ :「私、まだ最終日を諦めない、そう決めたので」

宍戸れみふぁ :「やるぞーー!って、こうして休憩時間に見に来たんだ。このステージを」

時雨 :「……あの、センヒさんの姿を見て?」

時雨 :つつ、と足を降ろし、れみふぁさんに正面から向き合う。目線は並行だ。

宍戸れみふぁ :「えっと」

宍戸れみふぁ :「自分がどうなるか、どうしたいのか、だから」

宍戸れみふぁ :「そこに相手は関係ないかな、って」

宍戸れみふぁ :「いや、勿論一緒に歌うアイドルのことは当然大事なんだけど!」

宍戸れみふぁ :「ええと、なんて言ったら良いのかな……えへへ、私自分の考えを伝えるのがあんま得意じゃなくて……」

宍戸れみふぁ :「あ、アイドルになるのに、これってよくないですよね」

宍戸れみふぁ :困ったように眉を寄せ。

時雨 :「いえ、私も、似たようなものです」

宍戸れみふぁ :「だ、だから今、猛特訓してるんだ」

宍戸れみふぁ :「色んな人に手伝ってもらって……」

時雨 :「それは、素晴らしい」

時雨 :「私も自分の考えを……伝えようとすることは、あまりありませんでした」

時雨 :「敵ではなく、支えてくれる味方と、自分の心を見ている。貴方は、立派にアイドルですよ。きっとね」

時雨 :「それなのに、また強敵が現れた、と思ってしまうのは、私の性なのでしょうね」

時雨 :「特訓の成果はいかがですか?」

宍戸れみふぁ :「ま、まだわからない……」

宍戸れみふぁ :「けど、私やるよ!最後の一瞬まで諦めないって、そう決めたから!」

時雨 :「それなら、最終日でお会いできますね」

宍戸れみふぁ :「う、うん……」

時雨 :「もしかしたら、最後の一瞬を飾るのは私になるかもしれませんが」

宍戸れみふぁ :「きっとね……」

時雨 :「……」

時雨 :す、と右手を差し出す。

時雨 :「お互いに、頑張りましょう」

時雨 :「私も、まだ出場が決まっていない身ではありますが」

時雨 :「最終日の舞台の上で握手をすれば、これはもう、ほとんどファイナリストと言ってもいいでしょう」

宍戸れみふぁ :「うん!」その手を両の手で握り、ぶんぶんと上下へ。

時雨 :勢いに任せて薄く笑っている。

真白ももあ :「わあ~、時雨さんすっごくセクシーな恰好!」

真白ももあ :観客席の入り口から弾んだ声。

真白ももあ :「ここで撮影してるって聞いて気になったから見に来たけど。フェス最終日の出場権を得るためってやつ?」

真白ももあ :「じゃあ紅海月さんもセクシーな撮影会やるんですか~?」

明日葉 セイ :そこに、ガタン!という大きな音。

時雨 :「おや……もう本戦参加者が」

宍戸れみふぁ :「わ、ももあだ!」

宍戸れみふぁ :わたわた

明日葉 セイ :客席の陰に隠れていた少年が、頭をぶつけて痛そうにしている。

明日葉 セイ :「あたた……ごめん、様子見てたら出づらくて……」

紅海月 :「阿呆。儂がやったら異街中のオタクが殺到して撮影会どころの騒ぎじゃあなくなるわな」

紅海月 :少女のすぐ隣。かかかっ、と上機嫌に笑う、包帯まみれの和装の男。

真白ももあ :「こんにちはー!」とれみふぁちゃんに手を振る。

宍戸れみふぁ :「コ、コンンンチワ!」

時雨 :「ええ。常連さんの協力を得て……『セクシー路線でアイドル興味ない人にも顔を売り込もう作戦』です」

時雨 :「明日葉さん。あかつき。さんも」手を振る。

宍戸れみふぁ :「あ、店番サボってる!」

紅海月 :「こっちの台詞なんじゃよな?」

明日葉 セイ :「すごい作戦」

明日葉 セイ :ガタガタと前の方に出てくる。

宍戸れみふぁ :「ふーんだ、しばらく休むってちゃんと言ったもの!」

合馬桜華 :セイの背後から、ひょっこり顔を出す

時雨 :「合馬さんもいらしたんですね……」

合馬桜華 :「集まって何してんのかな思って」

明日葉 セイ :「時雨さんは……えっと、あ、そうか」

明日葉 セイ :「……ももあちゃん、あんまり知らなかったよね。時雨さんの……えっと、いろいろ」

真白ももあ :「うん……そうだね。結構時雨さんとはお話したけど、具体的な話は聞いてないね」

明日葉 セイ :「んっと、こっそり……というのも正直今さらだけど、多分知ってた方がいいと思う」

時雨 :「秘密の撮影会のつもりだったんですけどね」

明日葉 セイ :身を屈めて、ももあちゃんにこそこそと耳打ちをする。

時雨 :「文字通り秘密が明かされてしまうことになりそうです」セイ君を見て困ったように笑う。


明日葉 セイ :ももあちゃんに時雨さんの秘密をお渡します。

真白ももあ :いただきます!これで公開情報になるはず!

時雨 :あとプライズ?の秘密とか貰いたいな~

真白ももあ :そうですね、では今同時にやってしまいましょうか

真白ももあ :プライズの情報を時雨さんにお渡しします!

真白ももあ :プライズ:碧幕の情報ですね。これで公開情報になるはず。

紅海月 :いや~ん

合馬桜華 :セイくんにエルナさんの

合馬桜華 :秘密を渡します

明日葉 セイ :いただきます! 公開になるはず

時雨の秘密

あなたの内なる声たちが囁きかける。

『死を収集せよ。妖魔の血を集めよ。妖魔が人をころすさまを観察し、有益な情報とせよ。

収集の果て、最強の魔である【竜】を殺す存在に至れ。それがお前に、私に、我々に課せられた機能であり使命であるのだから』

あなたはかつてその声に従い観察のためにと、ある妖魔を逃し結果多くの命が失われた。あなたの記憶は曖昧であるが、あれはたしかにあったことだ。

今のあなたは以前とは違いあの行いは過ちであったのではないかと思うように変化しつつある。

そんなあなたの元へ送り主不明のメッセージが届く――「アレは異街にいる」。

あなたの【本当の使命】は過去に決着を付け、それを正すことである。

プライズ:碧幕

別名ビリジアン・ブルース。

これはPC5が体内に持つ【千十嵐リンネという妖魔の魅了、侵食に対する抗体】である。

誰よりも強く多くアイドルを摂取したPC5の身体は皮肉なことに唯一その抗体を獲得するまでに至ってしまった。

魅力に対する強い耐性を獲得した結果はPC5は現在何に対しても無感動な状態になってしまっている。このプライズが存在し続ける以上、PC5はその虚無感から解き放たれることはない。


【クライマックスライブ】の勝者はこのプライズの存在を破壊することが可能である。

また、このプライズの【秘密】は【情報の受け渡し】の対象になる。

追加効果として所有者はこの秘密を公開することで【絶対防御】に相当する効果を一度だけ使用することができる。

日ノ原エルナの秘密

あなたは歌が大好きなアイドルだ。

自分が唄うことは勿論、他人の歌を聴くことも好きなあなたにとって、異街中のアーティストたちがこぞって鎬を削る竜誕祭は、好きな歌を好きなだけ唄って好きなだけ聴ける、最高のイベントだ。

しかし、歌を愛するあなたにはわかる──今回の竜誕祭では、唄う歌の中に迷いや雑念に似たものを漂わせている者が何人かいる。

あなたの【本当の使命】は、一心に歌を唄い、聴き、競うことの楽しさを人々に伝えることだ。


この【秘密】を得た最初のPCは歌やパフォーマンスを楽しむ心を強くする。任意のアイドルバトルの発生しているシーン中に一度、命中判定か回避判定のダイスを振る前に判定値を+1してよい。

真白ももあ :「……うーん……なんか軽い言い方になっちゃうけど……時雨さんも大変だったんだね……」

真白ももあ :「あ、でも本当に他人事とかじゃなくてね!色んな過去があるから今の時雨さんがいるんだし……それで記憶があやふやなのとか絶対大変だし……」

真白ももあ :「でも、どんな過去があっても私が知って話してお友達になった時雨さんは時雨さんだから」

時雨 :「ありがとうございます」

時雨 :「存外……自分では慣れているつもりだったのですが」

時雨 :「こうして実際に、忘れているのを突き付けられたときは、驚きました」合馬さんを一瞥する。

時雨 :「…受け入れていただけることは、とてもうれしいですよ」

合馬桜華 :「……ウチは、忘れてなんかいないから」

真白ももあ :「……だからね、今日は時雨さんにお願いしたくて会いに来たんだ。最終日、ステージ出るつもりみたいだから……時雨さんが優勝したら、碧幕壊してほしいなぁって」

真白ももあ :「桜華ちゃんも出るよね?桜華ちゃんにもおねがい」

真白ももあ :「まあ……勝つのは私だけどね、ふふっ」

紅海月 :閉目してその言葉を聞く。

時雨 :「……わかりました」

時雨 :「ささやかな同盟関係、でしたからね。私たちは」

合馬桜華 :「アイツに、センヒに過去の責任とらせるのに必要なんだったら、ウチはするけど」

合馬桜華 :(……同盟)

紅海月 :「かっ、上手いこと言いやがって」ぼりぼりと頭を掻いて。

紅海月 :「これで一安心。儂も心置きなくアイドル楽しめる……などと言う気は。元より毛頭ねえ」

明日葉 セイ :「……終わったら、遊びに行くんだよね」桜華ちゃんに。

明日葉 セイ :「思い切り楽しむためには、やっぱり、後腐れなく……してもらえると。おれも助かる」

明日葉 セイ :「まあ、おれが勝ちますけど!」

合馬桜華 :「……終われたら、な」薄っすら笑って

合馬桜華 :「あと腐れなくなくやれるように、ウチも全力でやらせてもらうわ」

明日葉 セイ :「……『その後』の話をするってことは、そういうことだと思ったけど」

合馬桜華 :「ウチは、強いよ」

明日葉 セイ :「うん、全力で。よろしくね」

明日葉 セイ :「知ってる!」

明日葉 セイ :「一緒に踊ったんだからさ」

合馬桜華 :(いつだって)

合馬桜華 :(終わった後の事を考えなかったことはない)

合馬桜華 :(だけど、どうやって振り切ろうとしても、過去はついてくる)

合馬桜華 :胸に手を当てて、心臓の鼓動を感じながら、拳を握る。

淀沼九皐 :『その行為の果てに、お前が何を得るつもりなのだということだ』

合馬桜華 :(だからこれは、そのための第一歩)なんでそこにスリットが入っているのか不思議な服に身を包んだ時雨の方を見て

合馬桜華 :「ささやかに、同盟は継続ってことで」小さな声で

時雨 :頭を下げる。

宍戸れみふぁ :「なんか知らないけど」

宍戸れみふぁ :「良かったね店長、キテレツじゃないちゃんと普通のお友達ができて」

紅海月 :「くく。奇想天外さで言えば奴らも相当なもんだがの」

紅海月 :「友であることを否定はせんが」

紅海月 :「どのみち、優勝の座はただひとつよ」

明日葉 セイ :「あっ」橙色の少女を見て。

明日葉 セイ :「れみちゃん! れみちゃんれみちゃん!」

明日葉 セイ :ばたばたと長い脚で走ってくる。

宍戸れみふぁ :「あ、うぅ~~~セイちゃん」及び腰、今にも逃げ出しそうな姿勢で。

明日葉 セイ :「よかっ……たあ。最終日までに話したくて、あの」

宍戸れみふぁ :「や、やほーー」小さく手を振る。

明日葉 セイ :「逃げないでよー」

宍戸れみふぁ :「今のセイちゃんは、私にはマブシスギマス……」目をつぶってこうべを左右に振る。

宍戸れみふぁ :「なにとぞ、なにとぞオテヤワラカニ」

明日葉 セイ :「あのね、『受け取ったよ』って」

明日葉 セイ :「『ありがとう』って」

宍戸れみふぁ :「って」

明日葉 セイ :「それだけ。それだけでも眩しい?」

宍戸れみふぁ :紅海月と明日葉セイを見比べて。

宍戸れみふぁ :「……そっか」

宍戸れみふぁ :「店長、ありがとう……でも、もう大丈夫なの?」

紅海月 :「かかっ。前にも言ったろうが。お前さんに心配されるほど、儂はヤワじゃねえさ」

紅海月 :「笑って見とけや。"ゆらゆら"店長の、誰にも負けねえアイドルっぷりをの」

宍戸れみふぁ :「そっか、やっぱ強いね……」

宍戸れみふぁ :「私は、ずっと、ずっと、いっぱい助けられて来ちゃった」

宍戸れみふぁ :「『ありがとう』はこっちの台詞だよ、セイちゃん」

明日葉 セイ :「ううん」

明日葉 セイ :「助けになったらうれしい、ってものだったんだから。ちゃんと使ってもらえて良かったよ」

明日葉 セイ :「それで、もう大丈夫だと思ったんなら、それに越したことはないでしょ?」

明日葉 セイ :「巡って、おれに力をくれたんだ。これ。最高じゃない!」

明日葉 セイ :柔らかな笑顔で、ポケットを指す。

宍戸れみふぁ :「敵に塩を送った形になっちゃったかも」同じく柔らかく、はにかんで。

宍戸れみふぁ :「うん、私、そういえばちゃんと言ってなかった」

宍戸れみふぁ :「きっと、行くよ、最終日のステージへ」

明日葉 セイ :目を細める。意外でなかったわけは、もちろんないが。

宍戸れみふぁ :「それを諦めない、昔約束したよね、一緒にステージに立とうって」

明日葉 セイ :「覚えてる」

明日葉 セイ :「叶うね、きっと」

宍戸れみふぁ :「あの時思っていたのとはちょっと違うけど」

宍戸れみふぁ :「私、きみに負けたくない」

明日葉 セイ :「おれだって、だよ。全員に負けたくないし、ひとりひとりずっと見てる」

明日葉 セイ :「そこにれみちゃんが来るなら、もちろん、まっすぐに」

明日葉 セイ :「全力勝負!」

明日葉 セイ :「全部パーツの揃った本当のおれを見せてあげるから」

明日葉 セイ :「れみちゃんの晴れ姿も、絶対、見せてね」

宍戸れみふぁ :「う…うん!!」

センヒ :瞬間――大轟音。

センヒ :ステージを焦がし突き刺さった妖魔が煙幕の中から。現れ出る。

センヒ :「おやおや、お揃いじゃん」

センヒ :「雑魚が雁首揃えて健気に青春してんのか?」

センヒ :「面倒だ、ここで全員喰っちまおうかなぁ」

GM :周囲を見回す。

合馬桜華 :「っ……センヒ!!」

センヒ :「警戒心が足りてねえんじゃねえか?こんな一度に揃ってさあ」

センヒ :「フェスの結界が参加者を守っているとは言え」

センヒ :「このヒィちゃんから、それは本当にてめえらを守りきれる代物なのか」

センヒ :「試してみるって手もあるぜ?」

合馬桜華 :「お楽しみは本番まで、じゃないんやね」

センヒ :「んだよ、本気にしたか?可愛いじゃね―か」

センヒ :ひひ、と笑う。

合馬桜華 :湧き出てくる憎しみを抑えながら、凍り付くような笑みを返す

センヒ :「水くせえじゃねえか、ヒィちゃんだってファイナリストなんだぜ、混ぜてくれよ」

センヒ :「抱負でも述べりゃいいか?円陣でも組むか?」

センヒ :「ハ、ハハ」

合馬桜華 :「友情、努力、勝利ってガラには見えんけど」

合馬桜華 :そう言って、時雨の方をちらと見る

合馬桜華 :時雨が彼女に、事実を知ってどうするのかが、見たかった。

時雨 :「希族街の現トップと円陣を組めたら、きっといい──思い出になるでしょうね」

時雨 :「或いは、冥途の土産でしょうか」ぽつりと口を開く。

センヒ :「最終日とは特に関係ねえのが混じってるな」

宍戸れみふぁ :「ぅ……」

時雨 :「いえ」息を漏らすように笑う。

時雨 :「これから関係があるようになるんですよ」

紅海月 :底意地悪く口の端を歪めて。

紅海月 :「よう言うわ」

センヒ :「なんだ?お前ヒィちゃんと踊りたいわけ?」

センヒ :時雨のその目を、左右非対称の異形の瞳が覗き込む。

時雨 :「それは、そうです。最終日の舞台に立つために、こんな衣装まで」薄い布地をひらひらとさせる。

時雨 :「そしてトップに立つために。友情というよりも、皆さん敵情視察をしに来られたのかも」

センヒ :「ほんとに、健気だねえ」

センヒ :「全員ヒィちゃんが喰っちまうってのによ」

真白ももあ :「うーん……むしろ、時雨さんと踊りたいのはセンヒちゃんの方だと思ってたけど、違うの?」

センヒ :「あ?なんだてめぇ、知ったような口聞きやがって」

センヒ :「お前が何を知ってるってんだよ」

真白ももあ :「私も今は忍者の力が使えるからね。色々教えてもらったの」

真白ももあ :「センヒちゃんは、時雨さんに助けてもらったことがあるんでしょう?」

真白ももあ :「全員喰っちまう、っていうのも時雨さんの為なのかと思ってたけど。違うのかな」

合馬桜華 :(言われるの待ってた……?)

センヒ :「……ふうん?」

センヒ :「どこで調べたんだか、あのコソコソ嗅ぎ回ってた携帯電話からか?」

センヒ :「まあ、いいか」

センヒ :「つまり、何だ」

センヒ :「時雨も知ってるわけ?それを?」

センヒ :「ヒィちゃんを、覚えてる?」

時雨 :「正直なことを言えば」

時雨 :「他人の記憶として知り得ただけです。私自身は、覚えていない」

センヒ :「ふーん、相変わらずだな」

センヒ :「今も、自分が見つけられないでいるわけか」

センヒ :感慨深そうに、眺める。

時雨 :「当時の私もそうだったんですね」

センヒ :「当時は、なんていうかもっとぼんやりしてたな」

時雨 :「今はしっかりしていますか?」笑って尋ねる。

センヒ :「しっかりはしてねぇなあ」

センヒ :ケラケラと笑う。

時雨 :「そうですか」

センヒ :「でもいいんだよ、しっかりしなくたって」

センヒ :「時雨の形はヒィちゃんが与えてやるからよ」

センヒ :「それを、見てるがいいさ」

センヒ :「見るのが時雨の仕事なんだから」

時雨 :「……妖魔を逃がしたという、エピソードは私の中に確かにありました」

時雨 :「その結果を、観測することが私の使命であったから」

センヒ :「そうだ、あの時ヒィちゃんは世界に裏切られて、絶望の淵にあった」

センヒ :どこか、遠くを眺めるような顔。

センヒ :「嬉しかったぜ、本当にな」

時雨 :「──今ここで、センヒさんの姿を照らし合わせて、思います」

時雨 :「貴方を逃がすという選択は、きっと誤っていた」

センヒ :「あー」

センヒ :「そういうこと言っちゃう?だいぶ影響されてんじゃん」

センヒ :「でもそれはただの影響、いや反響か?」

センヒ :「時雨、お前自分ってものをまだ見つけられてないんだぜ?」

センヒ :「それは、本当にお前の意見なのか?」

センヒ :「正しいとか、正しくないとか」

センヒ :「そういうのじゃないだろ、ヒィちゃんと時雨の関係は」

時雨 :「やっと、手繰り寄せてきたんですよ」

時雨 :「与えてもらった目的ではありますが、それに向かいたいという意思は、私のものだと信じたいのです」

センヒ :「どうやら人間と関わって、自分を人だと勘違いしたようだがな」

センヒ :「どちらかというと、こっち側だろ?お前は」

センヒ :「ヒィちゃんは、ただ殺すだけの機能で」

センヒ :「時雨は見る機能だ」

センヒ :「それを有用だ、有用じゃないだ、正しいだ、正しくないだ」

センヒ :「ごちゃごちゃ言って振り回すのはいつだって外野の人間どもだ」

センヒ :「飽き飽きなんだよ」

センヒ :「だから、ヒィちゃんが絶対的な価値になってやるのさ」

センヒ :「リンネお姉さまの用意した枠組みに乗っかって、そいつをちょいといじる」

センヒ :「だから、ちゃんと人類は皆幸せにしてやるぜ?」

センヒ :「"価値のある死"そのものになるのさ、このセンヒ様が」

センヒ :「終着点にある、このセンヒから与えられる絶対的幸福という名の死」

センヒ :「人生とは、そのためのファン活動になる」

センヒ :「あらゆる不安から開放されて、それはどれだけの救いになるか」

センヒ :「時雨は、それを見ていればいい」

時雨 :「……”ただ”殺すだけの機能が、”価値”のある死になろうとしている」

時雨 :「センヒさん。私も形は違えど、同じことをしようと藻掻いているだけなんです」

時雨 :「”ただ”見るだけの、観客から、手を伸ばしたい」

時雨 :「足を踏み出して、舞台に立つ。”価値”のある当事者になりたい」

センヒ :「ふうん」

センヒ :「価値を、このヒィちゃんに与えたのは元々人間どもだ」

センヒ :「それなのに、途中で裏切り、取り上げた」

センヒ :「人間どもは、その責任を取る必要がある」

時雨 :「どうかあまり厳しいことを言わないでやってください」困ったように笑う。

センヒ :「じゃあなるほど、これは復讐なのか?」

センヒ :首をかしげ。

センヒ :「いや、そうでもないな、やっぱりヒィちゃんもヒィちゃんで人間のことが好きなんだな」

センヒ :「同じだと言ったな、時雨」

センヒ :「必死に手を伸ばそうとしている、誰かのために」

センヒ :「やだな、それ」

時雨 :「人間らしくて、私好みです」

センヒ :「時雨はヒィちゃんがあげるものだけ受け取ってて欲しい」

センヒ :「だからやっぱ、やるしかないよな」

センヒ :「この世界を、ヒィちゃんのものにする」

時雨 :「……やはり、それでは」

時雨 :「私はクユさんの応援すら受け取れなくなってしまう」

時雨 :「ですから、ええ。やりましょう」

時雨 :「明日一日、フェス最終日だけ。この舞台(せかい)は、私のものです」

センヒ :「時雨」

センヒ :「幸福なことなんだ」

センヒ :「幸福なことなんだよ、自らの機能に価値が与えられることは」

センヒ :「かつてそれを失ったヒィちゃんに、時雨がそれを再び与えてくれた」

センヒ :「ならば、ヒィちゃんはそれを返す」

センヒ :「時雨は、時雨の機能で幸福になるべきだ」

センヒ :「それに価値を得て、己の本懐を遂げる、そうだろ?」

センヒ :「違う自分になんて、どうしてなる必要がある、人間じゃああるまいし」

センヒ :「いや、人間だってそうだ」

センヒ :「誰もが、己の機能で幸福になりたいはずさ」

センヒ :「それができないから、代わりに何かを手に入れようと藻掻いている」

時雨 :「ありがとうございます、センヒさん。私も……そう思う。自らの機能を果たせることが、どれだけ、幸福か」

時雨 :「しかし。私は、それもまた」

時雨 :「自分の機能ではないことを。それを果たそうとする意志が見せるものも」

時雨 :「それは幸福では無いかもしれませんが」

時雨 :「しかし、輝いている」

時雨 :「紅炎のように、熱い力を持っている」

センヒ :「与えてやれる、与えてやれるんだぜヒィちゃんは」

センヒ :「強いからな」

センヒ :「与えてやった、与えてやったとも」

センヒ :合馬桜華を見る。

センヒ :「お前らは、戦いに価値を見出していた、命のやり取りに己の機能を見出していた」

センヒ :鬼狩りの集団、魃。

センヒ :「だから与えてやった、与えてやったとも」

センヒ :「戦いの果ての死、どうだ?至上のものだろう?」

センヒ :「お前もここに死にに来たんだろ、合馬桜華」

センヒ :「炎の輝きは、一瞬のものだ」

センヒ :「あとには、焼けた骨と、煤が残るのみ」

センヒ :「ならばその先にあるのは、死だ」

センヒ :「死だ、死、死、死、死!!」

合馬桜華 :「……!」

センヒ :「じゃあ結局正しいじゃん、全部ぜんぶ正しいじゃん」

センヒ :「殺してやるぜ、愛してやるぜ」

センヒ :「力いっぱい、抱きしめてやる」

センヒ :「ぜんぶ、ぜんぶな」

合馬桜華 :「ウチは……それを確かめる」

合馬桜華 :「終わった後に本当に何も残らないのか」

合馬桜華 :「煤と炎の中でも、輝くモノが」

合馬桜華 :「残り続けるのか……最後まで」

合馬桜華 :「だから、逆にお前を、 この力の限り抱きしめてやる……!」

合馬桜華 :何かを握りつぶすように、手を強く握って

センヒ :「そのちっぽけな手で、世界とヒィちゃんと時雨の間に割って入ろうだなんて」

センヒ :「健気で泣けてくるぜ」

センヒ :「救えるってのか?お前が、ヒィちゃんを」

センヒ :「人には救えなかったから、こうなっているのに」

センヒ :「救えるってのか?自分自身すら、救えちゃいねえのに」

合馬桜華 :「そうだ、アンタが自分を救えないくらいには、ウチも自分を救えない」

合馬桜華 :「だから救うんじゃない、終わらせる」

合馬桜華 :「ウチは強いからな」

センヒ :「キ、ヒ、ハ」

センヒ :「良いぜ、安心しな」

センヒ :「お前が負けても、幸せにしてやるよ」

合馬桜華 :「やってみなよ」笑顔で返す

紅海月 :「燃え盛る炎の煌きは一瞬。かかっ。間違いねえわ」

紅海月 :「然しよ。何かあ、忘れてやしねえか」

紅海月 :「揺らぎ、盛る。それから生まれるもの」

紅海月 :「熱よ」

紅海月 :「やがて消え失せ。あとには灰となっても」

紅海月 :「その暖かさを受け取ったものが」

紅海月 :「やがてまた。次の炎となる」

紅海月 :「それが生きるっちゅうことよな」

紅海月 :「てめぇはまだ、舞台に上がる権利すらねえ」

紅海月 :「お前さんの眼中になど、一切入っとらねえだろうがよ」

紅海月 :「必ずや。咲かせてみせようぞ」

紅海月 :「笑っちまうくらい、ドでかく」

紅海月 :「熱い熱い、花火をな!」

センヒ :「生にこそ価値がある」

センヒ :「二言目にはそればっかだな、てめーらは」

センヒ :「結局それは、己の死が無価値であるかもしれないという」

センヒ :「恐怖から目を逸らすための慰めでしかねえ」

センヒ :「死は、誰にも訪れる絶対的真実だ」

センヒ :「教えてやるぜ、ヒィちゃんがな」

センヒ :「そうして、時雨の機能にもまた価値があることを」

センヒ :「教えてやる」

明日葉 セイ :(……人は、いつか死ぬ)

明日葉 セイ :(花は枯れるし、みんな、居なくなる)

明日葉 セイ :(いつか、『かわいい』も萎れてしまう)

明日葉 セイ :(でも、でもでも)

明日葉 セイ :(でも!)

明日葉 セイ :「でも、おれの歌う歌は、そうではないんです」

明日葉 セイ :「いつかは滅びちゃう現実があって、そこに」

明日葉 セイ :「そこに、少しでも元気を持って立ち向かってもらえればって」

明日葉 セイ :「それだけの、ちっぽけなもので、世界よりも大事です」

センヒ :「そうか?」

センヒ :「本当にそうか?」

明日葉 セイ :「おれにとっては、そう!」

センヒ :「そういうのさ、よく聞くぜ」

センヒ :「だが本当に不滅なものが、あるのか?」

明日葉 セイ :「ありません!」

明日葉 セイ :「ないから歌うんです!」

センヒ :「弱っちいお前と比べて、少々耐久年数が長いってだけだろ」

センヒ :「死ぬんだぜ、歌もいずれ」

明日葉 セイ :「そうでしょう。CDだってすぐに売れなくなっちゃう」

明日葉 セイ :「でもだからって」

明日葉 セイ :「今ここでおれが歌わないでいる理由はないです」

明日葉 セイ :「星も、消えます」

明日葉 セイ :「だからって、掴まないでいる理由はない!」

センヒ :「そうだろ、いくら思いを繋ごうが、それも必ず途絶える瞬間がある」

明日葉 セイ :「だからですよ」

明日葉 セイ :「ひとりじゃないんだ」

明日葉 セイ :「おれが倒れたって、別の人が歌います。踊ります」

明日葉 セイ :「紅海月さんだって言ってたこと」

明日葉 セイ :「おれは、だから、おれのやりたいことを果たすだけ!」

センヒ :「受け取れなかった奴はどうなるんだ」

センヒ :「いるぜ、ひとりのやつは」

センヒ :「なんかさ、だんだん分かってきたわけよ」

センヒ :「お姉さまが一体何をしたかったのか」

センヒ :「何を言っていたのか」

センヒ :「ヒィちゃん、どんどんRIN-NEへと近づいていってるからな」

センヒ :「セイ、お前は強い」

センヒ :「人間どものなかじゃあ、ピカイチだろう」

センヒ :「なあ、幸福は、贅沢品か?歌は?」

センヒ :「それを歌え、受け取れるものたちだけの、特別な品か?」

センヒ :「世界を救うって、つまりそういうことだったんだよな」

センヒ :「感謝するぜ、お前のおかげでヒィちゃんはまた一歩お姉さまに近づいた」

センヒ :「やっぱ、救ってやらねえとなぁ」

真白ももあ :「……不滅なものがないんだったら」

真白ももあ :「時雨さんに助けてもらえて嬉しかったってセンヒちゃんの想いも、いつか消えちゃうの?」

センヒ :「そうだな、消える」

センヒ :「死は絶対だ、ヒィちゃんだっていずれ死ぬ」

センヒ :「だが、それは最後だ」

センヒ :「全部、全部を救ってやったあとの、最後」

真白ももあ :「それは……」

真白ももあ :「センヒちゃんが一人になるのは……」

真白ももあ :「寂しいことじゃない……?」

センヒ :「ヒィちゃんは死、そのものになるんだぜ?」

センヒ :「つまり、お前たちの終着点と同じ存在になっている」

センヒ :「一緒になれる、お姉さまとはアプローチが違うが、ヒィちゃんなりにな」

センヒ :「それを、ちっぽけなてめえの了見で寂しいことだと決めつけるのは、ちょっとムカつくことになっちまうな?」

真白ももあ :「そうだね……寂しそうだから、間違ってるから、可哀相だから救ってあげるとか、そういうつもりはないんだ」

真白ももあ :「ただ、センヒちゃんはやり方はめちゃくちゃだけど……」

真白ももあ :「誰かに見捨てられた人だとか、強くあれなかった人だとか……そういう人のこともすごく考えてるように見えて」

真白ももあ :「もしかしたら……優しい人なのかもなって思ったの」

真白ももあ :「……センヒちゃんのやったことを、しょうがないよって許すことは出来ないよ」

真白ももあ :「でも、センヒちゃんが時雨さんに優しくされたのが嬉しかったっていうのは……嬉しいんだ」

真白ももあ :「『歌は善人にも悪人にも平等に届く』……他のアイドルの子が言ってた言葉だけど」

真白ももあ :「悪いことをした人だから、ずっと苦しみ続けろ、絶対に良い思いをするな……そうは私も思わないし」

真白ももあ :「だから時雨さんに寄り添ってもらえたセンヒちゃんが嬉しくなって、その果てに幸せになれたらいいなって思うんだ」

真白ももあ :「……センヒちゃんの幸せを願ってるから、私もセンヒちゃんのファンなのかもね?」

真白ももあ :「でもセンヒちゃんのやり方だと、私や私が幸せになって欲しい人が幸せになれないから……」

真白ももあ :「全力で戦ってあなたを倒すね。ライバルとして」

真白ももあ :「センヒちゃんが間違ってるからじゃない。悪いことをしたから殺すんじゃない」

真白ももあ :「私は最高のステージで、最高に輝きに来た、最強のアイドルだから!」

センヒ :「幸せになれないだなんて、よく言うぜ」

センヒ :「死んだこともねえくせによ」

真白ももあ :「センヒちゃんもないでしょう?」

センヒ :「ああ、ないな」

センヒ :「だが機能についてはわかる」

センヒ :「人間どもの機能が、生きることであるなら」

センヒ :「やっぱりそれを認めて、価値を与えてやれるのは死以外にないわけだ」

センヒ :「抗いな、めいいっぱいよ」

センヒ :「"人間らしく"な」

センヒ :「全部、喰ってやるぜ」

時雨 :「センヒさん」

センヒ :「ん?なあんだ?」

センヒ :嬉しそうに、くるりと回って。

時雨 :「私は、一人、不死の存在を知っています」

時雨 :「文字通り、死にません。絶対に」

センヒ :「あ?んなのいるわきゃねえだろ」

センヒ :「そもそも生きてねえだろが、それ」

時雨 :「そうですね。もしかしたら本当は死ぬのかも」

時雨 :「けれど、もしそういう存在がいたら、です。生きていて、死なない」

時雨 :「センヒさんは、その人は、自分の手の外にやりますか?」

時雨 :「終着点が無いなら、自分の機能の外だから、救う必要は無いでしょうか」

センヒ :「生死のくびきのうちにいねえってことは」

センヒ :「そもそも、それはヒィちゃんたちの存在と重なっていねえだろ」

センヒ :「交流ができてるように思えても、そういう風に見えてるだけだ。もしそんなものがいたとしたら、だがな」

センヒ :「手の内にも外にも入らねえよ、論じるだけ無駄だってこった」

時雨 :「そうですか」頷く。

時雨 :「……それでも、私は」

時雨 :「そういう存在がいれば──もしもの、話ですが──よく見たいと、思いますよ」

センヒ :「絵に描いた餅を喰おうとしてるような話じゃねえか」

時雨 :「ええ、本当に」息を漏らす。

時雨 :「……先ほど私は、逃がしたのは誤りだったと思う、と言いましたね」

センヒ :「言ったな、ちょっとは傷つくんだぜ?ヒィちゃんも」

センヒ :「このセンヒの生は、時雨にとって誤りか?」

時雨 :「ええ、言葉が足りず。申し訳ありません」

時雨 :「逃がすのが誤りだった、というのは……『殺せばよかった』という意味ではありません」

時雨 :「話し合えば、良かった」

時雨 :「あの時の私には、見ていることしかできなかった。機能を果たすことだけが使命だと、思っていた」

時雨 :「けれど……機能を果たすことだけではない、と」

時雨 :「機能に何より誠実だった貴方に……別のやり方もあると、伝えられなかったことが、誤りだったと、思うのです」

時雨 :「センヒさん。私たちの関係は、正しいとか、正しくないとかいうものではありません」

時雨 :「一義で判断してほしくないのです」

センヒ :「そのわりにゃ、誤りなんて言葉を使ってるようだな?」

センヒ :「ヒィちゃんは、幸福を確信している」

センヒ :「そのためにやることをやる」

センヒ :「やってきた、殺して、殺して」

センヒ :「己の機能でそれを成し遂げる」

センヒ :「千十嵐リンネすら殺してのけた」

センヒ :「要するに、何なんだ」

センヒ :「言えよ、何故立ち塞がる」

センヒ :「正しいとか、誤りとかそういうんじゃなくて」

センヒ :「何故、ヒィちゃんをそう止めたがってる」

時雨 :「……」

時雨 :唇に触れる。

センヒ :「真心を込めな」

センヒ :「半端なものじゃ、このセンヒ様は満足しないぜ」

時雨 :「確かに、あくまで当時の私のことは……明確な記憶としてあるわけではない、ですね」

時雨 :「それでも、私がしてしまった、ことならば」

時雨 :「私のことを思って、私の目的を妨げようとする貴方に」

時雨 :「責任を取るためです」

センヒ :「結局、そういうことか」

センヒ :「正しさを、手に入れたいわけだ」

センヒ :「人間になりたがっている」

センヒ :「おお、哀れなピノッキオ」

センヒ :「わかるぜ」

センヒ :「ヒィちゃんも、あれに憧れた」

センヒ :「仲間に入れてほしかった、ひとりじゃないことは幸福だ」

センヒ :「わかるぜ、だけどヒィちゃんはもうそれにはならない」

センヒ :「時雨がヒィちゃんを置いて、人間になろうっていうなら」

センヒ :「余分な部分を、殺して、喰って」

センヒ :「お利口さんに、戻してやるよ」

時雨 :「……最後の一瞬まで、諦めたくないんですよ」

センヒ :「いいじゃねえか、人間っぽくてよ」

時雨 :「ええ」

センヒ :「だけど、ヒィちゃんは人喰いだ」

センヒ :「むかしむかしのお山の奥、あのひとときの、幸福な関係はきっともう成り立たない」

センヒ :「時雨が人になるってことは、まあ、殺さにゃならんよな、人喰い鬼は」

センヒ :「与えてくれるのか?価値のある死を」

センヒ :「二度も貰っちまったら、きっと幸せすぎて死んじゃうぜ」眩しそうに、目を細める。

時雨 :「私は貴方のことが、嫌いではありません」

センヒ :「そこは大好きだって言うもんだぜ」

時雨 :「……そうですね」笑う。

時雨 :「貴方のことが好きです、センヒさん」

時雨 :「だからこそ貴方から、生を奪うことはしません」

センヒ :「無理難題を言うじゃねえか、絵に描いた餅を喰おうってか?」

時雨 :左右別の、異形の瞳を覗き込む。

時雨 :「ええ」

時雨 :「異街のトップアイドルになるんですから」

時雨 :「その程度、叶えなくては」

センヒ :「ああ、そうか、そうだな」

センヒ :「お姉さまが言ってたよ」

センヒ :「"アイドルとは、正誤ではない"」

センヒ :「"ただ『好き』を以って、全ての理屈をねじ伏せる、超越者である"ってな」

センヒ :「お前らのことが、好きだぜ」

センヒ :「ああ、食い放題だな」

センヒ :空を見上げる。

センヒ :「じゃあ、舞台で」

センヒ :「うんとおめかしして来いよ?」

時雨 :「今よりはスカートを長くしておきましょう」

時雨 :じっと見る。それが自分の機能であるからだ。

時雨 :殺意の流れを感じる。それが彼女の機能であるからだ。


時雨 :感情判定をします。

GM :どうぞ

明日葉 セイ :修正いりますか

真白ももあ :セイくんは使えるならもう使いどころないしあげちゃっていいんじゃない?

時雨 :対象はセンヒさん。指定特技はお互いの機能を感じ取り、繋がり合う《絡繰術》で!

時雨 :せっかくなら貰っちゃいましょう

明日葉 セイ :じゃああげます。心置きなく+1して!

時雨 :やったー! 振ります

GM :振りな!

時雨 :2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功

時雨 :成功!

時雨 :ET 感情表(2) > 友情(プラス)/怒り(マイナス)

センヒ :ET 感情表(6) > 狂信(プラス)/殺意(マイナス)

真白ももあ :完璧なやつだすじゃん

時雨 :ふむ……彼女と平和に話をしたい。友情を取得しましょう。

センヒ :殺意で取ります。それすなわち愛なので。

時雨 :よし……

時雨 :以上だ


センヒ :そうして妖魔は、光と音を撒き散らし、天空へと落ち去った。

GM :ステージに、静寂が戻ってくる。

GM :先程までの喧騒が嘘であったかのような、静けさ。

GM :だが、この場はすぐにでも満たされる。

GM :先程までは、比べるまでもない熱と叫びに。

GM :ドラゴーン・ボーン・フェス。その最終日。

GM :それは、明日のことである。

GM :===

クライマックス

GM :幕が、上がる。

GM :ドラゴーン・ボーン・フェス最終日。

GM :その最終演目の、幕が。

GM :固唾を呑んで見守る観客たち。

GM :ステージの中央には――。

センヒ :「よく来たな、お前たち」

センヒ :「待ち望んだ、舞台だ」

センヒ :「あるいは、待ち望んだそれとは、違うかもしれねえな」

センヒ :「何せ、いないわけだここには」

センヒ :「磨羯一家、最強にして最高のアイドル、千十嵐リンネが」

センヒ :「だが、知ることになる、次のトップの姿を」

センヒ :「一体誰が、お前たちを次のステージへと連れて行くのか」

センヒ :「誰が、お前たちを真に幸福にするのか」

センヒ :「さあ、讃えな」

センヒ :「この中のひとりが、お前たちの新たなる星」

センヒ :「見上げ、眩しさに目を細めろよ!」

センヒ :両の手を広げる。


GM :ここからは、PCのエントリー。

GM :現在参加権を有しているのはPC2,3,4の3名です。

GM :残りの2名は生命点1を支払うことにより出場が可能です、その処理をお願いします。

紅海月 :PC5、生命点1払い、出場いたします。

system :[ 紅海月 ] 妖術 : 1 → 0

時雨 :PC1、体術の生命点を支払います! 出場!

system :[ 時雨 ] 体術 : 1 → 0


真白ももあ :「こんにちは!真白ももあです」

真白ももあ :スポットライトを浴びて輝く。

真白ももあ :眩い明かりに照らされたステージの上。そこが真白ももあの居場所であり、もっとも輝ける時だ。

真白ももあ :きっと、誰よりも。そう信じたい。

真白ももあ :「私はずっと、キラキラと楽しく歌いたくて歌ってきました。そしてそれはみんなにも届いて、きっとみんなの心もキラキラできるって」

真白ももあ :「でも今日は、いつもより欲張りです。こんな素敵な人達に囲まれて、それでも誰より一番キラキラしたいって思ってるから!」

真白ももあ :「一生懸命がんばるから、よろしくね~!」

GM :歓声が応える。

観客 :「ももあ~~~!!! 頑張れぇ~~~!!!!」

観客 :「もあもあ最高!! もあもあ最高~~~~~!!!!」

灰谷 :「いよいよ、ですね」

灰谷 :「絶対に、勝てるとは言いません」

灰谷 :「むしろ、何故勝てるかどうかもわからぬ勝負に己の全てを投げ出せる?」

灰谷 :「それは貴方が真白ももあだからです」

灰谷 :「であるならば、私にできることはそれを支えることのみ」

灰谷 :「こうしてここで、応援していることしかできないのは歯がゆいですが」

灰谷 :「アイドルと、客席の関係というものはそういうものでしょう」

灰谷 :「それ以外も、それ以上もありえない」

灰谷 :「ならば」すちゃりとサイリウムの束を取り出し、

灰谷 :「MO!MO!Aーーーーーーーーーーーーー!!」声を張り上げる。

GM :スポット・ライトが、切り替わる。

GM :桃色から、紅蓮。

GM :かの千十嵐リンネを彷彿とさせる、赤。

合馬桜華 :光の下で、血のように紅い髪をした少女が顔を上げる

GM :全くの、無名。

GM :外からの来訪者、アイドルとしての身の上も持たぬ。

GM :しかし、そのデビュウ・シーンで異街の心を鮮やかに奪い取った少女。

合馬桜華 :「____こんにちは、異街!」

合馬桜華 :「こんにちは、みんな!」

合馬桜華 :「ウチがこの場所にいる事を、不釣り合いって思う人とか」

合馬桜華 :「そもそもウチの事知らないって人も、いっぱいいると思う」

合馬桜華 :「なにせ、この街に来てアイドルはじめたもんで!」

合馬桜華 :「きっと、フェスがなければ」

合馬桜華 :「舞台を知る事も、立つことも無かったと思う」

合馬桜華 :「たくさんの偶然と、出会いに助けられて」

合馬桜華 :「今、この場所に立てているのは、輝かしい一時の夢幻だけれど」

合馬桜華 :「だけど、この一瞬に全てをかけて」センヒをチラと見て

合馬桜華 :「ウチの存在理由の全て……」小さな声で

合馬桜華 :「見せちゃるんだからね!」

観客 :「見せてくれーーーーーー!!!」

観客 :「はじめて目にしたときから応援してましたーーーーー!!」

GM :観客たちからの声援、それに混じって。

??? :「一時の夢幻じゃなくていい!!!!!」

"石火豪放"硫黄 硯 :羆の如き大男、野太い声で、団扇を握り、滂沱の涙。

"石火豪放"硫黄 硯 :「桜華!お前は、ずっと!!ずっとアイドルだった!!!」

"石火豪放"硫黄 硯 :「俺たちの、アイドルだった!!!」

"石火豪放"硫黄 硯 :「だから、これからも、ずっと、アイドルでいい!!」

"石火豪放"硫黄 硯 :「お前が、それを、望むなら!!!」

"シャルガン・カスカラ"譚 風風 :「オウカ~~!! 你真的真的太可爱了~~~!!!」

淀沼九皐 :「……何を言ってるんだ、こいつは」呆れ顔で。

淀沼九皐 :「はぁ、「やっぱり俺も行く」だなんて急に連絡があったものだから連れてきてみたら……」

合馬桜華 :「みんな……」

淀沼九皐 :「予算も無限じゃあないんだがな」

"波乱忍弩"更無 平次 :「合馬ちゃん!! メッチャメチャかわええやんか!!!」

"砕坊主"尾秘 蔵人 :「戦さばかりが道ではない!! これも一つの道ですぞ!!」

"虚々空照済"板ノ津 ロイ :「頑張れ……合馬、頑張れ!!」

"スィッタ"ファルハード・シャブディーズ :「合馬サン!!!」

"ズエヴ・アラヴォト"星 広啓 :声もなく、涙を流しながらサイリウムを熱烈に振る。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「あーあ、皆うかれちゃってさぁ」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「当初の目的ちゃんと覚えてる?」

"石火豪放"硫黄 硯 :「忘れりゃあ良い!!!そんなもの!!!」

"石火豪放"硫黄 硯 :「責任を取るのは、俺たち大人の仕事だろう!」

"石火豪放"硫黄 硯 :「あの子は、まだ子どもだ」

"石火豪放"硫黄 硯 :「自分の生き方を、選んだっていいんだ!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「え~~~~?今更言う~~~~??」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「……合馬さん」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「それが復讐でも、アイドルでも、それ以外のことでも」

"霊王楽寧"楽座 梟 :「使命に縛られなくていい! やりたいようにやりなさい!」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「使命はちゃんと果たしてほしいnッアッちょ畳むな!こら!!!こらーーーー開けろーーー!!!」

合馬桜華 :(みんな……)

サブGM :その声が聞こえるのとほぼ同時──

サブGM :ステージに、色とりどりに輝く紐や帯が現れる。

サブGM :観客席からは、それは単なる飾り付けの演出としか見えないだろう。

サブGM :しかし、ステージに立つ人々にはわかる──それら全てが、忍びをも害する殺傷力を秘めている。

"縄のヴルフ" :「…………」

合馬桜華 :「……!」

"縄のヴルフ" :警備担当として、ステージの下に立ったまま。

合馬桜華 :「隊長……!」

"縄のヴルフ" :しかし、その紐が、帯が、彼の権能であることは明白だ。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「出たねぇ、獲物そのいちが」

"縄のヴルフ" :『私を討つのであれば、好きにすればよいと言ったな』

"縄のヴルフ" :『その機会をやろう』

"縄のヴルフ" :飾り紐の複雑な結び目が、男の精神波を伝える。

合馬桜華 :「……このステージで、ですか」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「転身投射の術だ、どうやら本気のようだな」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「彼なりに、舞台に参加する意思はあるらしい」

"縄のヴルフ" :『その妖魔と同じだ』

"縄のヴルフ" :ステージの上での暴力行為が許されないのなら──

"縄のヴルフ" :演出に、必殺の威力を籠めればよい。

"縄のヴルフ" :『合馬』

合馬桜華 :「はい」

合馬桜華 :「己の位置を攻撃に用いる戦い方、何処でも通用すると言って教わったやり方でしたね」

"縄のヴルフ" :『お前にとって、家族を奪った仇がセンヒなら』

"縄のヴルフ" :『一人になったお前を忍びとし、日常に返さなかったのも──』

"縄のヴルフ" :『この島で任務に敗れ、いたずらに隊員の命を失ったのも』

"縄のヴルフ" :『"己の望み"のため、仇敵であるはずの吸血鬼の軍門に下ったのも私だ』

合馬桜華 :「それが、隊長のしたかった事なんですよね」

合馬桜華 :「だったら全部、ここで清算しましょう」

合馬桜華 :「……いや違うな、してもらいます」

合馬桜華 :「この場所は、どうやらソレを許してくれるみたいなので」

合馬桜華 :「筋書きが分かっているのだったら、後は幕を開くだけ……でしょ」

"縄のヴルフ" :『したかったこと、か』

"縄のヴルフ" :舞台の下に立つ男が、ふと目線を挙げ──

合馬桜華 :舞台の上にいる少女が、視線を合わせ

"縄のヴルフ" :真紅の少女の瞳を見──

"縄のヴルフ" :ちらと対峙するセンヒへ目を移し、また下げる。

"縄のヴルフ" :『ああ』

"縄のヴルフ" :『言うべきことは、隊員たちがすでに言った』

"縄のヴルフ" :『よいことでも、悪いことでも』

"縄のヴルフ" :『お前のやりたいことをやれ』

合馬桜華 :「……!」まるでそれは、父親に諭されているようで

合馬桜華 :裏切り者と追っ手だというのに、昔みたいで

センヒ :「ガードマンの分際で舞台に割って入ろうだなんて、身の程知らず」

センヒ :「と、思ったが今のお前は演出の一部なんだったな」

センヒ :「ならば、それも舞台か」

灰谷 :「ガードマンも、観客も、ここにいる全てが舞台の一部ですよ」ステージに向かって、独りごちる。

合馬桜華 :「……当然!」だから、思春期のただの娘のように、そう叫んで構える。

合馬桜華 :たぶん自分は、誰の願いとも違った道を、行ってしまうから。それでも、言葉を受け止めたから。

GM :切り替わる、紅から青。

GM :まるで、澄んだ、空色のような――

明日葉 セイ :空色のライトの中。ステージ上の大きなモニターが数回ゆるく点滅する。

明日葉 セイ :ジャック行為から流れるように切り替わったのは……一本の短いオープニングムービー。

明日葉 セイ :動画リンク

明日葉 セイ :ずっと星に憧れていた少年が、一匹の灰色の兎と出会い、やがて走り出す。

明日葉 セイ :今彼が置かれている状況に対してはあまりにも呑気で、ささやかなメルヘン。

明日葉 セイ :(だから、いいんだ。きっと、その方が)

明日葉 セイ :足を踏み出す。照明が当たる。

明日葉 セイ :新しい衣装は青にほんの少しの緑色を混ぜた、深みのある色。

明日葉 セイ :王子様の華麗な正装のようでもあり、お姫様の豪奢なドレスのようでもあり、どちらでもない。

明日葉 セイ :後ろになびく裾が揺れる。誰の目にも『明日葉セイ』を印象づけるように。

明日葉 セイ :笑顔。手を大きく振る。

明日葉 セイ :ずっと奥の席からも感じるはずだ。『今、自分を見た』と。

明日葉 セイ :(現実が、死が、侵略が、静かな滅びが迫ってたとしたって)

明日葉 セイ :(おれはずっと『かわいい』を貫くし、みんなには、少しだってそんな怖いもの、近づけてあげない!)

明日葉 セイ :「こんにちはー! 明日葉セイですっ!」

明日葉 セイ :「やっと! やっとここに来ました。最高のステージに!」

明日葉 セイ :本当にやっと、なのだけど。客はそんなことは知らなくていいのだ。

明日葉 セイ :暴力があろうと、血が流れようと、自分は舞台を輝かせ、守るだけ。

明日葉 セイ :「だから今日は! 思いっきり楽しんでいってね!」

明日葉 セイ :高い上背。大きな手と低い声。でも、ここまで来たらもう誰にも笑わせない。

明日葉 セイ :自虐はかわいくない。だから、高らかに自分が笑う。

明日葉 セイ :「見えてるよ、奥の席まで」

明日葉 セイ :「おれ、背が……視点が!高いからね」

明日葉 セイ :それは、何よりも嬉しいことだから。

明日葉 セイ :「だからこれからさらに大きな、最高のアイドルになります。応援よろしく、みんな!」

明日葉 セイ :みんな、と共に。

明日葉 セイ :彼を唆して、走らせて、そうして、一番傍で見守っていてくれていた誰かのことを思いながら。

観客 :「セイーーーーーーーーーー!!!」

観客 :「セイく~~~~~ん!!!」

観客 :「(失神)」

観客 :「あ……目、合った……(落涙)」

ダンス講師 :「なったじゃない……とびっきり可愛く……」

灰色兎 :「この景色は、見えていた」

灰色兎 :「あの日、お前をひと目見たときからな」

灰色兎 :「だが、こっから先は俺も知らねえ光景だ」

灰色兎 :「見せてくれよ」

灰色兎 :「そのために、こんな因果な商売やってんだ」

灰色兎 :色んなアイドルを届けてきた。

灰色兎 :その一方で届けられず、夢破れその道から降りていった子たち。深い失望を何度も味わった。自分自身への、だ。

灰色兎 :「なのに、やめられないでいる」――なぜなのか。

灰色兎 :「これを、この光景をまた見られるなら」

灰色兎 :「俺は世界一の恥知らずで良い」

灰色兎 :「行け、セイ。俺のアイドル」

明日葉 セイ :(見えてますよ、プロデューサー)

明日葉 セイ :(聞こえてます)

明日葉 セイ :(行ってきます! 夜空の果てまで!)

GM :スポット・ライトが、落ちる。

GM :出場枠は、あとみっつ。そのはずだった。

GM :しかし、花屋敷ミトは重傷の報。

GM :ならばあとふたつ、2番と3番ホールでその枠をめぐる戦いが繰り広げられたはずだ。

GM :あるいは、勝者不在の共倒れ。

GM :これにて、役者は出揃ったのだろうか?

GM :客席から、小さなざわめきと動揺が波紋のように広がっていく。

センヒ :「どうやら、間に合わなかったようだな」

センヒ :「ならば、お前らも待ちきれねえだろ?」

センヒ :客席に、問いかける。

GM :その返事を、遮って――

紅海月 :べべん!

紅海月 :フロア中に響く、三味線の音。

紅海月 :気づけば、舞台に一匹の獣絡繰。

紅海月 :人々の心まで打つ、弦の音が。段々と激しく、情熱的に奏だれて。

紅海月 :舞台袖から虹色の光。

紅海月 :ステージに立つは、枯れた緑髪を一つ束ね。着丈に寸分の狂いもない、その身にぴしと纏ったダーク・ストライプスーツの男。

紅海月 :「あいやしばらく、あいやしばらく」

紅海月 :「浜の真砂と、千十嵐が」

紅海月 :「歌に残せし、あいどるの」

紅海月 :「“好き”は尽きねえ、竜骨島」

紅海月 :「その星空の夜瞬く────」

紅海月 :「知らざあ、言って聞かせやしょう」

紅海月 :「"異街最強のアイドルオタク"にして」

紅海月 :「"最強"のアイドルの座ぁ、今宵貰い受けん」

紅海月 :「†暁†サマの、推参よ!」

観客 :「キャーーーーーー!!!」

観客 :「海月ーーーー!!借金返せーーーー!!」

ヲ仙 :「ベニ!ベニ!ベニセィYHAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

ヲ仙 :256色に光り輝く扇を振り回す。

"極大門松" :「──言いたいことがあるんだよ!」

"違法イカ@airハ-70" :「やっぱり†暁†かっこいい!」

"ピザ吐き隊" :「好き好き大好きやっぱ好き!」

"ふわのん" :「やっと見つけたお姫様!」

"極大門松" :(お姫様??)

"違法イカ@airハ-70" :(お姫様ではないやろ)

"ピザ吐き隊" :(お姫様ではなくね?)

"違法イカ@airハ-70" :「俺が生まれてきた理由!」

"ピザ吐き隊" :「それはお前に出会うため!」

"ふわのん" :「俺と一緒に人生歩もう!」

"極大門松" :「世界で一番愛してる!」

四人 :「あ! い! し! て! る!!!」

ヲ仙 :「フ、まさか貴様らと肩を並べて応援する日が来るとはな……」

ヲ仙 :「拙者だって!」

ヲ仙 :「あ! い! し! て! る!!!」

"違法イカ@airハ-70" :「……うおっなんやこの筋肉ダルマ!?」

ヲ仙 :「拙者の顔を忘れたか貴様ら!!」

ヲ仙 :「まあこの筋肉量だ、見間違えるのも無理はない」

ヲ仙 :「マッスルに免じてこの場は許そう」

ヲ仙 :ポージング。

ヲ仙 :「だがこれを見て思い出すが良い!!」

ヲ仙 :「この日のためにさらなるバージョンアップを遂げた……」

ヲ仙 :「拙者の新奥義!祭凛生夢(さいりうむ)越鳥大車輪!~~~~~~~!!!ッットァアアーーーーーーーー!!!」

ヲ仙 :びかびかびかびか

ガード忍 :「そこーー、規定量違反だぞーーー!!!」

ヲ仙 :「拙者の情熱と愛は規定には収まらンンン~~~~~~!!!!」

紅海月 :「馬鹿野郎どもが……」いの一番に目に入った、彼らの姿を目にして。ぽつりと呟く。

紅海月 :「……今宵。儂がお前さんらに魅せるパフォーマンスは」

紅海月 :「かかっ。こんな野郎に応援を注ぐ、奇特な"†暁†"のファンにとっちゃあ」

紅海月 :「望むものとは、少し違うことになるかもしれねえ」

紅海月 :「然し」

紅海月 :「約束しよう」

紅海月 :彼らと共に声を張り。同じ光を見たあの日あの時、浴びていた熱は。

紅海月 :最早。この胸に残されてなどいない。

紅海月 :しかし。不甲斐ない、てめぇなんかの為に。

紅海月 :己の背中を推す、彼らの熱に。

紅海月 :「(応えねえのは、男が廃る)」

紅海月 :「きっと、その目に映る輝きは」

紅海月 :「生涯、忘れられねえ光景になる」

紅海月 :「この儂の生き様─────しかとその目に、焼き付けてけやァ!」

ガード忍 :「ほーら、ちょっとだけお説教聞こうねー、あとで席に戻してあげるからね―」

ヲ仙 :「パワーーーーーーー!!!(断末魔)」

GM :再び、照明が落ちる。

GM :これで、出揃ったのか。

GM :いよいよ、始まるのか。

クユ :「そうはいくめーべらんべー」

客ドワーフ :「お嬢ちゃん、ほんとに来るんかい?アンタのお友達ってのは」

客エルフ :「うぅ~~ん、SNSによると、第2ステージは激戦の末壊滅&崩落」

客エルフ :「生き残ったアイドルなどいないのでは?とのことですが」

クユ :「フッ、おふたりさんは、知らないから」

クユ :「まー見てなさんな、よ、と」

- :自信ありげな少女の様子に、首をかしげる、エルフとドワーフ。

- :その手に持ったSNSの画面に、ざ、ざ、と……ノイズが走る。

- :ステージにスマホのカメラを向けている観客は多い。

客エルフ :「やや、面妖な!」

- :その画面を、ノイズが走る、影が横切る。

- :ゆっくりと客席から舞台に近づくその後ろ姿は、乱れた調子で、男性のようにも女性のようにも見え。

- :しかしカメラの画面から目を離した先には、誰もいない。動揺が広がる──いや。

時雨 :舞台中央の巨大スクリーンに、その人影は映っている。

時雨 :『お待たせ──しました』

時雨 :所々負傷しているようにも見える。その黒髪のアイドルは、うすくほほ笑む。

アカネ :「待ってましたぁーーーー!!」

アカネ :「あ、キビさんサイリウムは食べちゃ駄目ですよ!」

厄介なオタク :「おうおう、ちゃんと勝ってきたようだな」

厄介なオタク :「ま、せいぜいリンネ様の前座として盛り上げてもらおうじゃねえのよ」

時雨 :『今から、そちらに!』

時雨 :助走をつける。画面に向かって走り、飛び込む。

- :画面にぶつかると同時に一瞬の暗転。パン、とブロックノイズが弾けて、キラキラと舞う。

時雨 :スポットライトが光る。その中央に、長い黒髪の青年が物憂げに立っている。

時雨 :「この度は──いや、挨拶は飛ばしましょう」

時雨 :「私は、一人の少女のために」

時雨 :「私を見てくれる彼女のために、ここまで、登ってきました」

時雨 :「たとえどのような困難であろうとも、乗り越えてきました」

時雨 :「もう少し──もう少しで、『べりーきゅーとな素敵で無敵のアイドル』に手が届く」

時雨 :「その使命を果たすため。私も──歌います」

時雨 :「歌い、踊り、輝いて──トップに立ちましょう」指をす、と上げる。

時雨 :「時雨(しぐる)と──そう名乗っています。お見知りおきを」

観客 :「時雨ーーーーーーー!!!」

観客 :「私よ!私を見て名乗ったわ!!」

観客 :(時雨……私のために……)

観客 :「時雨~~~! きゅーとだぞ~~~!!」

白髪のガード忍 :「……アイツ、マジで最終ステージまで来たのか」

白髪のガード忍 :「今は警備だから応援はできねェが──」

白髪のガード忍 :「夢はでっかく。優勝狙いやがれ」にやりと笑い、またガードとしての顔に戻る。

時雨 :「…………ありがとうございます」じっと、観客席を愛おしそうに眺めて。

クユ :「今こそ、あれを」

客エルフ :「無事できたのですか?」

客ドワーフ :「馬鹿野郎、俺を誰だと思ってんだ」

客ドワーフ :「鍛造はバッチリよ、このメタル・バンド・ドラゴン:サイリウム……」鈍く輝くそれを取り出す。

客ドワーフ :「お前こそ、出来てんだろうな?」

客エルフ :「貴方こそ、私を誰だと?光核へのエンチャントはこの通り」光り輝く水晶を取り出す。

クユ :「抜…刀!」つるぎと宝玉が組み合わさる。

クユ :光り輝くそれを抜き放つ、観客席を聖なる光が貫く。

時雨 :「クユさんでしょうか、ふふ」突如現れた光の剣を見て笑う。

ガード忍 :「規定違反ーーーーー!!!」ピピーーーー

白髪のガード忍 :「今日はこんなヤツばっかりだなマジで!!」

クユ :「やめろぉ、それを返せぇ~~~」すがりつく

白髪のガード忍 :「クユじゃねェか!? それにこの……誰だコイツら!?」

ガード忍 :「終わったら返すから!まったく…ンナもん持ち込んで」なんとか引き剥がしながら

時雨 :「嬉しいですが、それでは、半分の目的しか、果たせません」

時雨 :「私は、ここに──トップを目指す挑戦者(アイドル)として、だけではなく」

時雨 :「共に時間を分かち──夢を見せる、希望(アイドル)として、立っています」

時雨 :恒星よりもキラキラと輝き。

時雨 :淀んだ暗闇を吹き飛ばし。

時雨 :兎のように月を超え。

時雨 :地の底よりも浮かび来る。

時雨 :(使命や、機能を──果たすだけ、ではない)

時雨 ://ざあざあ//と雨のような、ノイズのような。

時雨 :熱い血潮が流れるような、音が聞こえる。

時雨 :「そうでしょう」舞台を振り返る。

時雨 :ファイナリスト──そして、センヒを視界に収めつつ、ターン。

時雨 :「一緒に……夢のような時間を、楽しみましょう!」

時雨 :黒髪を二つに結び、ブロックノイズが光を反射させる、輝く姿となる。

センヒ :「来てくれたじゃあねえか、約束どおり」

センヒ :「いいぜ、時雨も、てめぇらも」

センヒ :「めいいっぱい、愛し合おうじゃねえの」


ホテルマン :「……揃いましたね、役者が」

プロデューサーR・A :「絶好の、データ収集でス」

ミウ・シウ :「前から思ってたんだけど、何その服、イカれてんの?」

滑皮 ケイゴ :「見たいねぇ、最大最高のサプライズ」

プロデューサーR・A :「フッ、データに基づく最適な装いですヨ、お嬢サン」

ミウ・シウ :「(絶句)」

日ノ原 エルナ :目を輝かせ、手にサイリウムを持ってうずうずしている。

真渕カヅキ :「私、このような催しにははじめて来ました」

ホテルマン :「賭けるかい?きみの支援する真白ももあと……そうだな、おれは前回に引き続け時雨へ」

真渕カヅキ :「良いでしょう、いくらから始めます?」

ホテルマン :「お、良いねぇ……それじゃあさ」

ミウ・シウ :「まあたやってら……」

ミウ・シウ :「明日葉セイ……」

ミウ・シウ :「アンタ、ミウちゃんが譲ってやった出場権なんだから」

ミウ・シウ :「ブザマはぜってー許さないかんね」

禿鷹のタロー :「ククク、まさか千十嵐リンネ不在の最終日たぁ」

禿鷹のタロー :「大荒れじゃねえぁ、なぁ?」

草原コヨリ :「あい、ボス!そうっすね!!」

禿鷹のタロー :「研修期間とはいえおめーにはこれに関して記事を書いてもらうからな、目ン玉かっぽじってよく見ておけよ」

草原コヨリ :「あい、かっぽじりやす!!」

滑皮 ケイゴ :「真白ももあ、か」

- :「いいんですか?」

- :彼の後ろ、誰も座っていないように見える席から声が聞こえる。

滑皮 ケイゴ :「いーのいーの」手をひらひらとして答える。

滑皮 ケイゴ :「花屋敷ミトの開いた枠にあやかってリベンジ、ってーのも考えたけど」

滑皮 ケイゴ :「いいもん見せてもらったからな。今回は見学ってワケ」

滑皮 ケイゴ :「それに──今日もなんか、見られるかも知れないしな」

滑皮 ケイゴ :会場に漲る"サプライズ"の気に、笑みを深くする。

滑皮 ケイゴ :「お前もよーく見ときな、まいむ」

"クリスタル・ディンゴ"滑皮 まいむ :「はあ」

"クリスタル・ディンゴ"滑皮 まいむ :「私は兄さんと違って普通にライブ見に来たんですが……」

"クリスタル・ディンゴ"滑皮 まいむ :「それに、私は時雨さんを応援してますので」

"クリスタル・ディンゴ"滑皮 まいむ :サイリウムを持ち、落ち着いて構える。

日ノ原 エルナ :胸を高鳴らせ、ステージから目を離さない。

日ノ原 エルナ :(ああ、やっぱり)

日ノ原 エルナ :──何があっても、この瞬間は最高!

日ノ原 エルナ :「みんなーーーーっ!!!」

日ノ原 エルナ :「楽しんでねーーーーーーーーっっっ!!!!」

日ノ原 エルナ :大声で、ステージの皆へと叫ぶ。

GM :こうして、演者はとうとう出揃った。

GM :最強の――最高のアイドルの頂きは果たして誰の手に。

GM :客席は、今からそれの目撃者となるのだ!


GM :というわけで、クライマックスライブことクライマックスバトルです。

GM :この戦闘は通常のクライマックスと同様の処理を行います、ポイント制とかはなし!

GM :参戦NPCはセンヒ、縄のヴルフの2名。

GM :勝利条件は、自分以外をすべて脱落させることです。

GM :ではデータを公開します。


センヒ :キャラシート

"縄のヴルフ" :キャラシート


GM :それでは、やっていきましょう。

GM :クライマックス・ライブ……開演です!

GM :それでは皆のもの

GM :プロットをお願いします。またそれ以前に宣言がある方はお願いします。

"縄のヴルフ" :【技縛】を使用。

真白ももあ :でたわね

紅海月 :ゲ~ッ

時雨 :プロットデキタヨ

紅海月 :プロOK

真白ももあ :プロット前忍法なし、プロットOK!!

明日葉 セイ :オッケーです

"縄のヴルフ" :プロットを一つ指定し、同じ場所にいたら《封術》に成功しないと奥義を使えなくなる

GM :やらし~~

真白ももあ :やっぱ触手生えてるやつはやらしいな

時雨 :やらしい触手だぜ

紅海月 :判定失敗しろ~~

"縄のヴルフ" :2D6>=5 (判定:封術) (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功

紅海月 :やりおるわ

"縄のヴルフ" :よし

サブGM :これダイス分けるのが難しいので、二回開けるうちの一個目がヴルフ自身で二回目が技縛のやつでお願いします

GM :あいよ

GM :ではいきます

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。


○戦場:平地

<プロット6>

(時雨、センヒ)

<プロット5>

(セイ、紅海月、ヴルフ)

<プロット4>

【技縛】

<プロット2>

(ももあ、桜華)

GM :それではやっていきましょう。

GM :まずはプロット6から。

GM :それでは時雨さん、宣言をどうぞ。

時雨 :演ろうぜセンヒちゃあん!! 【接近戦攻撃】!!

センヒ :情熱的だな、折角だから応えてやるぜ。時雨に【血騰】

時雨 :ハハハ!

GM :それではいくぜ

時雨 :2d6>=7 (2D6>=7) > 8[3,5] > 8 > 成功

時雨 :指定特技は《絡繰術》!

センヒ :2d6>=7 《水術》 (2D6>=7) > 10[5,5] > 10 > 成功

センヒ :オーケイ、踊ろうぜ

時雨 :言われなくともよ!回避の目標値は7!

時雨 :2d6>=7 (2D6>=7) > 7[3,4] > 7 > 成功

GM :では回避の方をやっていきます

センヒ :2d6>=7 《水術》 (2D6>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功

センヒ :やるじゃねえか

時雨 :そっちこそ!

時雨 :ともあれ行動は以上だ!

GM :続いてプロット5!明日葉セイ>紅海月>ヴルフ

GM :宣言をどうぞ

明日葉 セイ :はい!

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。

明日葉 セイ :対象はセンヒとヴルフ。

明日葉 セイ :【揺音】の効果で見切り判定が発生します。

GM :厄介な……

紅海月 :《土竜吼》。対象は"縄のヴルフ"。指定特技は《掘削術》。

センヒ :とりま、見破るぜ

明日葉 セイ :あ、一応見切りは見敵術(一応)

"縄のヴルフ" :【時雨】、対象は時雨と†暁†。

紅海月 :わしはもう知っているので見切りなし。

時雨 :なんでこっち狙うの~~~~

紅海月 :ギャッ!!!

真白ももあ :時雨に【時雨】っていいたいからでしょ

"縄のヴルフ" :啖呵切ったはいいが合馬まで届かんのだ

紅海月 :かわいいね

センヒ :じゃあ見敵からいくぜ

時雨 :かわいいね セイ君ねらお?

明日葉 セイ :まって♡

"縄のヴルフ" :こちらも見切り判定

センヒ :2d6>=7 《瞳術》 (2D6>=7) > 8[3,5] > 8 > 成功

センヒ :フフン

明日葉 セイ :ぐげー

紅海月 :君出目つよすぎん?

センヒ :ヒィちゃんだぜ?

時雨 :さっすがセンヒちゃん

"縄のヴルフ" :sg#5>=10 (判定:封術) (SG@12#5>=10) > 3[1,2] > 3 > ファンブル

紅海月 :グゥ……(納得)

紅海月 :

明日葉 セイ :しゃーー!!!!

時雨 :なんだこのおじさん

センヒ :駄目だな―オッサンは

真白ももあ :あっ凪

"縄のヴルフ" :う~む

"縄のヴルフ" :使うか……神通丸……

明日葉 セイ :持ってんの

紅海月 :待ちな

紅海月 :奥義切る。

真白ももあ :何!?

時雨 :あらここで

合馬桜華 :このタイミングで!?

紅海月 :【うるわしのきみ】。効果は追加忍法。

明日葉 セイ :ええっ

センヒ :んだとぉ

"縄のヴルフ" :もう一つの追加忍法が!?

紅海月 :追加忍法は《魔薬》。

紅海月 :儂の兵糧丸をコストに、その神通丸を無効とする。

明日葉 セイ :紅さん……!

"縄のヴルフ" :く、では凪のままだ

センヒ :ヒ、ハこいつはピンチじゃねえのオッサン

時雨 :そのまま判定も失敗してくれ~~

センヒ :こちら対抗なし、2点受けるぜ。

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 6 → 5

センヒ :謀術、戦術失点。

"縄のヴルフ" :対抗なし、【磐】分と戦術で受ける

明日葉 セイ :やったー!

紅海月 :では土竜の判定。

GM :行くが良い

紅海月 :2d6>=6 (2D6>=6) > 8[3,5] > 8 > 成功

紅海月 :成功。

紅海月 :掘削術の接近1ダメじゃあ~!

GM :同時処理なので回避はまだいけるかな

紅海月 :ですね。

"縄のヴルフ" :こちらも【時雨】の判定。同時なのでまだ凪ってはいない

"縄のヴルフ" :SG#5>=5 (判定:砲術) (SG@12#5>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

紅海月 :ギャワ~~ン

GM :では回避をお願いするぜ

時雨 :勘弁してね

"縄のヴルフ" :【村雨】によって回避のF値+1

紅海月 :砲術か……

紅海月 :クソァ!!

時雨 :《砲術》は……【村雨】の効果で回避は7以下でファンブル!

真白ももあ :しぐの回避に感情修正!+1!

紅海月 :桜華ちゃんわしにもくれないか!

時雨 :いらないよ~ファンブルしなければ成功だからね

GM :いや、ファンブル値の問題で

真白ももあ :あっそうとは じゃあ大事にもっておこう

GM :今投げるのは無駄になるかな

真白ももあ :ムッ

紅海月 :あっまじ?

"縄のヴルフ" :掘削術だいぶ遠いな……

真白ももあ :だからおうちもってかえる

時雨 :2d6>=8 (2D6>=8) > 4[2,2] > 4 > 失敗

時雨 :ファンブルかあ

GM :めっちゃ遠いならあり

紅海月 :気合でいきます

サブGM :SG#5>=9 (判定:縄術) (SG@12#5>=9) > 6[1,5] > 6 > 失敗

紅海月 :2D6>=7 (判定:絡繰術) (2D6>=7) > 8[3,5] > 8 > 成功

紅海月 :避けた!

時雨 :ダメージが追加されたりするような奴は特にないかな……?

紅海月 :ヴルフさんのダメージ時

紅海月 :《忍細工》を使用。

紅海月 :さらに接近1点ダメージ追加。

GM :出やがったな

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 5 → 4

真白ももあ :オタクのおじさんつよ……

"縄のヴルフ" :choice('器', '体', '忍', '謀', '妖') (choice('器','体','忍','謀','妖')) > '忍'

"縄のヴルフ" :choice('器', '体', '忍', '謀', '妖') (choice('器','体','忍','謀','妖')) > '妖'

紅海月 :妖術おいちい

センヒ :おいおい、オッサンボロボロじゃねえか

時雨 :私は戦術に射撃1点受けます! 残り生命点3!

system :[ 時雨 ] 忍具 : 5 → 5

system :[ 時雨 ] 戦術 : 1 → 0

時雨 :センヒちゃんこっちも心配して♡

"縄のヴルフ" :兵糧丸を使用、妖術を回復

紅海月 :野郎~~~~~

真白ももあ :食べるな!

明日葉 セイ :むしゃむしゃしてる!

センヒ :ヒィちゃん以外に殺されんなよ♡

"縄のヴルフ" :次ラウンドに持ち越したらまた魔薬が飛んでくるからな

時雨 :魔薬はラウンド1回……だがこれでヴルフは忍具を二つとも吐いたことになるね

時雨 :まあ忍具いくつ持ってるかわからんけど

GM :それではプロット2

GM :真白ももあ>合馬桜華

真白ももあ :はい!

GM :宣言をどうぞ

真白ももあ :【対空千手砲】をヴルフに!

合馬桜華 :【神槍】をヴルフに

GM :ふぁんぶるおじさん……

真白ももあ :命中ふりますね!

真白ももあ :2D6>=5 (判定:掘削術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功

GM :どうぞ

GM :続けてどうぞ

真白ももあ :ただの射撃1ダメージですわね、凪だから~~

合馬桜華 :SG>=5 (判定:手裏剣術) (SG@12#2>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

GM :つよいなきみたち

合馬桜華 :後の先乗せて射撃3点

"縄のヴルフ" :流石に通せんなそれは

"縄のヴルフ" :奥義を使用。

真白ももあ :【追加忍法】じゃないの!?

紅海月 :嘘でしょ!?

合馬桜華 :そこなんだ驚くの……

GM :克服したんよ、もうシラフなんよ

紅海月 :そんな………

GM :グループセラピーがんばったもんね

時雨 :占任さんの治療生活

"縄のヴルフ" :《維糸撚解》 効果は絶対防御、指定特技は《縄術》

"縄のヴルフ" :三点は弾く。真白ももあの一点は通るか

真白ももあ :ちくちく……

"縄のヴルフ" :謀術で受ける

合馬桜華 :オーライ!

GM :それではラウンド2へ!

GM :各自プロットをお願いします。

GM :ミドルまでのノリで処理しようとしてた

GM :演出も行います。

GM :奥義とダメージ発生、あと忍具とその無効のやり取りかな。

GM :セイ【奥義】→【土竜吼】→受けファンブルキャンセルのキャンセル→返しで【時雨】

GM :続けて千手砲と神槍、槍の方を奥義で受ける。


センヒ :「は、ハ」

センヒ :「それじゃあ、やるぜ、野郎ども」

センヒ :「ミュージック・スタートだ」

GM :最初に躍り出たのは、明日葉セイ。新衣装を優雅に可憐に翻し。

明日葉 セイ :くるりと回って、お辞儀をひとつ。そうして。

明日葉 セイ :歌が、響く。

明日葉 セイ :『遊んで疲れた帰り道 一番星 見つけたよ』

明日葉 セイ :『手に取るには遠すぎて 諦めるにはまばゆくて』』

明日葉 セイ :『ただ 見つめてた』

明日葉 セイ :『ねえ、今なら?』

明日葉 セイ :あの時、センヒの前でひとりアカペラで歌った曲。

明日葉 セイ :今なら、照明がある。音がある。歌うためのステージがある。

明日葉 セイ :最高のステージが!

明日葉 セイ :『歩き出した靴跡には キラキラ星のかけら』

明日葉 セイ :『歩き疲れ 振り返ると ゆらゆらミルキーウェイ』

明日葉 セイ :弾けるような音の真珠が、砕けて、弾けて。

明日葉 セイ :スピーカーから高らかに舞い上がる。

明日葉 セイ :ドローンは飛び回り、銀色の星屑を撒き上げる。舞台にも……客席にも。

明日葉 セイ :『ああ 届くよ あの高い彼方』

明日葉 セイ :『天のてっぺん 極星の場所にも!』

明日葉 セイ :『紺のビロード 夜空に映る 光を君に』

明日葉 セイ :『君に』客席にマイクを向ける。

明日葉 セイ :『君に』再度自分の口元に。

明日葉 セイ :『君に』それから、ステージの共演者に向けて。

明日葉 セイ :あの時言えなかったこと。『受け取れなかった奴はどうなるんだ』。

明日葉 セイ :何度でも叫ぶよ。何度でも言うよ。『おれがいるよ』って。

明日葉 セイ :『君に』さあ、声をちょうだい。

明日葉 セイ :『君に』それは、おれの光になる。

明日葉 セイ :『あげる!』

明日葉 セイ :『ブライトライト・スターリー……』

明日葉 セイ :『ナイッ!!』

明日葉 セイ :弾けるようなジャンプ。流れ下る流星。

明日葉 セイ :それは確かに力を持って、そこにあった。

GM :空色が歌い、流れる。

GM :観客が、返す。

GM :『君に』と。

GM :確かに貰った。受け取った。

センヒ :「たいしたパフォーマンスだ」

センヒ :「誰に仕込まれたんだか……だがそのキモを見破れねえヒィちゃんじゃあねえぜ」

センヒ :夢中にその眼を奪う幻惑のダンス、耳を奪う声。

センヒ :しかし、センヒの左右非対称の魔なる目がその足さばきを、体重移動を見極めていく。

センヒ :「見えたぜ、次からは対応してみせる」

サブGM :優しくも力強い、空色の唄に──

サブGM :飾り紐の編み索が、機結びが、"代価"を奪われ解けていく。

"縄のヴルフ" :「………!」

"縄のヴルフ" :ステージの下にある我が身にも、その"代価"はフィードバックされる。

"縄のヴルフ" :(……ならば!)

"縄のヴルフ" :解けるのを免れたリボン帯の一本が、空色を掻い潜って舞う。

"縄のヴルフ" :それはさながら柔らかな風に吹かれて舞うように──

"縄のヴルフ" :しかしてそのパフォーマンスの秘奥を解析すべく、空色を"知覚"していこうとする。

紅海月 :声が響く。

紅海月 :こぶしを利かせた男の歌声に。吹かれ舞う縄の一本が。殴られたかのように宙で弾かれ、地へと落ちる。

紅海月 :『くらげのほね』。

紅海月 :サイリウム・ダンスを主とするパフォーマンスで人気を博したアイドル。†暁†こと、紅海月が歌う、唯一の曲。

紅海月 :己が歌う、たったひとつの"恋焦歌(ラブソング)"。

ヲ仙 :「これ……は?」

紅海月 :それは、何処にでもあるような、ありふれた話。

紅海月 :望まれた才も、愛すべき親も、育むべき友も。

紅海月 :何もかも持たずして産まれ生きてきた男が。

紅海月 :1人の少女に救われた話。

紅海月 :孤独に流れ流れた果て。とある忍びの里でふたりは出会い。

紅海月 :何の因果か、男の作った兵糧丸をひとつ、口に含んだ少女は。

紅海月 :美味しい、と。微笑んでくれた。

紅海月 :たったのそれだけ。

紅海月 :しかし、それでも。

紅海月 :救われたのだ。己は。

紅海月 :きっと、そのひとにとっては。なんてことのないこと。

紅海月 :しかし、そんな小さい切欠で。許されたような気がしたのだ。

紅海月 :己は、この世界に、居てもいいのだと。

紅海月 :与えられたような気がしたのだ。

紅海月 :ちっぽけな自分にも。確かに価値があるのだと。

紅海月 :故に、進むことができた。

紅海月 :『やうやうと 朧なりゆく 我が思ひ』

紅海月 :歌詞を紡ぐ度、髪が、肌が、喉が、節々が枯れる。

紅海月 :感動を失った己が、他者に真の感動を伝える術などなし。

紅海月 :故に。残った己が全てを薪に、魅せつけてやるしかない。

紅海月 :かつて己が感じたような、暖かな光を。

紅海月 :この歌を聞く、すべてのひとへ。

紅海月 :そのひとの顔も、名前も。

紅海月 :最早、思い出すこと叶わなくとも。

紅海月 :唄い続ける。

紅海月 :灰になり、朽ち果て。

紅海月 :それが、己が記憶に───

紅海月 :

紅海月 :"存在しない時間"となっても。

紅海月 :

紅海月 :『あつきなしとて』

紅海月 :『"閏我偲君(うるわしのきみ)"』

紅海月 :

紅海月 :この物語を耳にするものたちが。

紅海月 :愛を知らぬ、けだものであれば。

紅海月 :この歌に響くものは、何もないだろう。

紅海月 :海を見たことが無いものに、その広大さが想像できないように。

紅海月 :しかし。

紅海月 :己の生き方さえも変えてしまった。

紅海月 :愛の味を、知ってしまった、ひとであるのなら。

紅海月 :最大の共感性を以って。その手を止めてしまうだろう。

紅海月 :暖かな幻に思惑を削られる。

紅海月 :在り得たかもしれない可能性に。

紅海月 :かりそめの時を紡ぐ"閏"のように。

紅海月 :─────"くらげのほね"のように。

ヲ仙 :「『くらげのほね』……」

ヲ仙 :「まさか……†暁†って……」

ヲ仙 :「いや、まさか……」

"縄のヴルフ" :空色から落ちた帯は──

"縄のヴルフ" :地へ横たわる己を忘れたように、数瞬動きを止めた後──

"縄のヴルフ" :糸へと解け、唄へと溶けた。

"縄のヴルフ" :「………」

"縄のヴルフ" :その唄と、帯の解けてゆく先へ、僅かに目を擡げる。

"縄のヴルフ" :(──だが、今は)

"縄のヴルフ" :帽子を深く被り直し、コートの下の手を手繰る。

"縄のヴルフ" :それと同時、緑と青の飾り紐が、殺意ある美意識を以ってステージを彩る。

時雨 :センヒの機能は”殺す”ことにある。なればこそ、先んじて仕掛け、攻撃の勢いを”殺させる”。

時雨 :その目論見は成功していたが、それだけに回避までに気が回らない。

時雨 :いわんや、ステージの外からの襲撃においては。足を取られる。

真白ももあ :"縄のヴルフ"が舞台の演出を駆使し、攻撃を仕掛けてくるというのなら。

真白ももあ :避けられないものがある。操る力が徐々に鈍っていくのを自覚せずにはいられないだろう。

真白ももあ :――『どうして、真白ももあの味方をしないのだ?』

真白ももあ :そんな、空間からの圧力を感じる。

真白ももあ :真白ももあのトップアイドルとしての力に後付けで加わった忍びの力、その融合。

真白ももあ :『真白ももあのステージ』にするために舞台が動き始める。

真白ももあ :舞台の流れにそれでも逆らおうとする、必死に逆らえば逆らうほど――

真白ももあ :ばきん、と。

真白ももあ :空間にひずみがうまれ、『違和感』が具現化し、弾丸のようなそれが直接ヴルフに襲い掛かる!

"縄のヴルフ" :(……これほどか、真白ももあ!)

"縄のヴルフ" :固結びが→引き解け結びへ。

"縄のヴルフ" :仲士結びが→蝶結びへ。

"縄のヴルフ" :舫い結びが→縦結びへ。

"縄のヴルフ" :固い結び目が勝手に解け、別の結びへ変わってゆく。

合馬桜華 :ひずみに続いて、踏み出す。

合馬桜華 :位置を辿る、自身の居場所と相手の居場所

合馬桜華 :その動きは、拔の一因として眼前の男に叩き込まれた殺しの動きであり

合馬桜華 :ステージの上では、目まぐるしく連なるステップのようであった

センヒ :「ヒ、ひ」

センヒ :「卓越した殺しの技は」

センヒ :「最早、美しきDANCEであり」

センヒ :「つまるとこ結局、同じ境地へ到達したってわけか」

センヒ :「気が合うじゃねえか、アヴェンヂャア」

合馬桜華 :(……そうやろうな)

合馬桜華 :スカートの内から、黒銀に光る大苦無を抜き放ち

合馬桜華 :会場の全員の視線が、ももあの空間がひび割れるのに目を奪われる一瞬を逃さず

合馬桜華 :投擲。

合馬桜華 :巨大な刃は、空中でいくつもに分かたれてヴルフへと迫る

サブGM :全ての間隙を縫って投げられた刃が、神速を以って飛来する。

サブGM :その投げる動きすらダンスの一部となって、誰ひとりその存在に気づくものはない。

サブGM :飛び来る刃が男の眼前へと迫り──

"縄のヴルフ" :コートの内側、つ、と手を捻る。

ハーミィル・ムゥ・ムール :「そう、あの男には"これ"がある」

"縄のヴルフ" :その手の内で、一本の"縄"の撚りが解け、糸へと変じていくとともに──

"縄のヴルフ" :迫りつつあった刃も、繊維状に『解けて』舞い散る。

"縄のヴルフ" :「……しかし」

"縄のヴルフ" :(ここでこれを切ることになるとはな)

合馬桜華 :完全に行動を予測していた、などと恰好はつけない。

合馬桜華 :だが、致死の一撃を黙って受ける男でないことは、知っていたから

合馬桜華 :次の一矢を番え、舞い踊りながら引き絞る

"縄のヴルフ" :無傷とは行かない。飛び来る刃こそ"解した"が、それに意識を集中したがため、歪みへの対応は叶わなかった。

"縄のヴルフ" :(……合馬桜華。……真白ももあ)

ハーミィル・ムゥ・ムール :「さあて、コレを超えて」

ハーミィル・ムゥ・ムール :「縄のヴルフの喉元へ迫れるのか、見せてもらおうじゃないの桜華ちゃん」


GM :それではラウンド2

GM :プロットをし、ダイスをスライドしてください。

GM :およびにプロット前宣言があればどうぞ

紅海月 :プロットOK。

"縄のヴルフ" :【技縛】使用

真白ももあ :プロット前なしプロットOK!

明日葉 セイ :オッケー、前はなし!

"縄のヴルフ" :2D6>=5 (判定:封術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功

"縄のヴルフ" :よし

紅海月 :クッ

GM :成功してくねぇ~

時雨 :OKよ~

サブGM :今回も一回目ヴルフ二回目縛りで

合馬桜華 :おっけーです

GM :それではいきます

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。


○戦場:平地

<プロット6>

(センヒ)

<プロット5>

【技縛】

<プロット4>

(セイ、紅海月、ヴルフ)

<プロット3>

(ももあ)

<プロット2>

(時雨)

<プロット2>

(桜華)

センヒ :プロット6、センヒの行動。

センヒ :ん~~~

センヒ :やあっぱ、ここっきゃねえよな

センヒ :【猟犬】を使用。プロット1へ移動。

センヒ :そのまま【交叉】で攻撃。

センヒ :てめえの射程と火力が一番厄介だからなあ

センヒ :振り回させてもらうぜ。

センヒ :指定は《刀術》、《怪力》で代用。

センヒ :2d6>=6 《怪力》 (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功

センヒ :避けな。

紅海月 :桜華ちゃん回避に感情修正いる?

合馬桜華 :欲しいかな

紅海月 :やる!+1どうぞ。

合馬桜華 :SG>=6+1 (判定:骨法術) 回避 (SG@12#2>=7) > 5[2,3] > 5 > 失敗

紅海月 :おちいねえ……

時雨 :あらま

サブGM :

合馬桜華 :ん?

真白ももあ :式がちがうね

合馬桜華 :あ、ごめんなさい成功です

紅海月 :お!

合馬桜華 :目標値に+1してた!

センヒ :んだよ

サブGM :5出てる+1なので成功!

明日葉 セイ :おおっ

紅海月 :やるねェ

時雨 :よかったよかった

合馬桜華 :ふー、セーフ

GM :それでは次、プロット4

GM :セイ>紅>ヴルフ

GM :宣言をどうぞ。

明日葉 セイ :はい!

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はセンヒとヴルフ。

紅海月 :《土竜吼》。対象はヴルフ。

明日葉 セイ :ヴルフさんには【揺音】の効果で見敵術の見切り判定が発生します。

センヒ :そりゃ破るぜ。

"縄のヴルフ" :【時雨】、対象は明日葉セイと紅海月。

"縄のヴルフ" :見切……らん!

センヒ :2d6+1>=9 《瞳術》 (2D6+1>=9) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功

センヒ :は、雑魚が

明日葉 セイ :ぬー!

時雨 :マジかよ

紅海月 :うぬ~ん

センヒ :言っただろ、次からは対応できるってよ

明日葉 セイ :言われてました! すごい!

紅海月 :クソ

紅海月 :切るか

紅海月 :遁甲符。

紅海月 :振り直せい!

明日葉 セイ :うおおおお

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 4 → 3

サブGM :オイオイオイ

時雨 :やった~!

真白ももあ :とばすじゃん!おじさん!

センヒ :ちぃ

センヒ :もっかい破りゃいいだけのことだ

サブGM :しぐヒィちゃんに感情修正しない?

センヒ :2d6+1>=9 《瞳術》 (2D6+1>=9) > 4[2,2]+1 > 5 > 失敗

紅海月 :ッシャ!

明日葉 セイ :ひゃー!!!

時雨 :しても無駄だったっぽいね

明日葉 セイ :紅さんありがとう!!!

真白ももあ :するわけないんだよなぁ

合馬桜華 :ナイス連携

紅海月 :ワハハ

真白ももあ :紅海月さんありがと~♡

時雨 :お見事

センヒ :てめぇ~~ドルオタ風情がぁ~~~~

紅海月 :そのドルオタ風情の符で2点ダメ食らうんじゃぞ♥

センヒ :体術忍術で受けるぜ。

"縄のヴルフ" :器術妖術で受ける

紅海月 :では土竜の判定。

紅海月 :指定特技は掘削術。

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

紅海月 :くらいなさ~い

"縄のヴルフ" :これは……奥義しかないな

紅海月 :なにっ

"縄のヴルフ" :絶対防御、指定特技は《縄術》

紅海月 :あっそうそう

紅海月 :回避振ってからでもええんじゃない?

"縄のヴルフ" :ああそうか、あまりにもピンチ過ぎて忘れてた

真白ももあ :かわいいね

合馬桜華 :隊長!?

"縄のヴルフ" :SG#4>=10 (判定:走法) (SG@12#4>=10) > 9[4,5] > 9 > 失敗

紅海月 :こっわ

時雨 :あらまあ

"縄のヴルフ" :い、1足りん

センヒ :オッサンもうちょっと頑張ってくれよ

"縄のヴルフ" :私が落ちたら次は貴様がタコ殴りにされる番だぞ

センヒ :ひとりで全員コロス!

"縄のヴルフ" :奥義使用、指定特技は縄術!

真白ももあ :奥義破り!

紅海月 :破るぞ!

明日葉 セイ :破ります

時雨 :まあ振りましょう

合馬桜華 :なんかデフォルメ小劇場のノリみたいに!

GM :宣言揃ったかな

真白ももあ :桜華ちゃんは奥義破りする?

合馬桜華 :あ、申し訳ない、やります

GM :後出し不可なので、破るなら先に言っててね

GM :ではお願いします。

時雨 :2d6>=6 (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

合馬桜華 :SG>=7 (判定:歩法) (SG@12#2>=7) > 9[4,5] > 9 > 成功

明日葉 セイ :2D6>=6 (判定:衣装術) (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

紅海月 :2D6>=8 (判定:身体操術) (2D6>=8) > 7[3,4] > 7 > 失敗

真白ももあ :2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功

時雨 :危ないな!

紅海月 :最高~~~~~

明日葉 セイ :ふいー

"縄のヴルフ" :く……

"縄のヴルフ" :体術損傷によって脱落。

紅海月 :あ、残1か

真白ももあ :やった~~~!!!!

紅海月 :こわかった……

時雨 :これで【技縛】はもうないですね……

"縄のヴルフ" :とはいえこのプロット値での攻撃は受けてもらう

紅海月 :びええ……

"縄のヴルフ" :SG#4>=5 (判定:砲術) (SG@12#4>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功

真白ももあ :ん~センヒちゃんの攻撃は終わってるからしぐにはいらないだろうし、あげちゃおうかな。セイ君に修正+1!

明日葉 セイ :ありがとー!!!

紅海月 :桜華ちゃん修正くれる?

合馬桜華 :えーっと

合馬桜華 :どうぞ!さっきのお礼!

紅海月 :やったぜ。

明日葉 セイ :じゃあ回避振ります。身体操術で。

明日葉 セイ :2D6+1>=8 (判定:身体操術) (2D6+1>=8) > 10[5,5]+1 > 11 > 成功

明日葉 セイ :やったーー

紅海月 :代用絡繰術。

紅海月 :2D6+1>=7 (判定:絡繰術) (2D6+1>=7) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功

真白ももあ :やったね!

紅海月 :うし。

GM :ちぃ~~~

GM :血が見たいよぉ~~~

紅海月 :やだぷ~~~!!!

真白ももあ :ダークGMだ

サブGM :ダーク・ファンが

合馬桜華 :後で嫌になるほど見ることになるから……

GM :というわけで……縄のヴルフ……脱……落?

真白ももあ :そうだぜ!

明日葉 セイ :うおー

GM :そんな、無敵の隊長が……

時雨 :早すぎる……

紅海月 :すまねえなあ……

真白ももあ :リンネタン萌え萌え隊長だろ!

GM :まさか一回も縛ることできずに……

明日葉 セイ :きゅっ

"縄のヴルフ" :脱落だな……

GM :反省室へ送ってやる!

GM :続いてプロット3

真白ももあ :はい!

GM :真白ももあ、宣言をどうぞ。

真白ももあ :【喘縄】をセンヒちゃんに!

センヒ :やめろそれはまじでやばい

紅海月 :ギャハハハ!

真白ももあ :やめろといわれてやめるやつはいないんだよなぁ!

真白ももあ :ふります

真白ももあ :2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗

真白ももあ :げ~っ

時雨 :あらまあ

紅海月 :ももあさん?

合馬桜華 :こんな事ってある

センヒ :ヒ、ヒ

明日葉 セイ :そういうこともある……

真白ももあ :使いましょうね、神通丸を

時雨 :えらい!

system :[ 真白ももあ! ] 忍具 : 3 → 2

紅海月 :さすが(掌クル)

センヒ :素直に逆凪してろ!!

時雨 :修正いる?

真白ももあ :じゃあもらいたい!

時雨 :あげゆ~

真白ももあ :ありがと~~~!!!!

真白ももあ :2D6+1>=5 (判定:縄術) (2D6+1>=5) > 11[5,6]+1 > 12 > 成功

真白ももあ :極端!

明日葉 セイ :ひゅー!

紅海月 :極端のいつものバケビ出目

時雨 :

サブGM :矩形波の民がよ……

センヒ :くそーーー、逆鱗分がぁ~~~

GM :成功、では次へ。

GM :プロット2の時雨。お願いします。

時雨 :じゃ、ヴルフ君落ちたし……がんばってやりたいこともやっていこう

真白ももあ :ヒン

時雨 :【災雷】。う~ん、セイ君かな

明日葉 セイ :ぎえー

時雨 :振るぞ~

真白ももあ :コストたりてるのん?

合馬桜華 :多分なんか特殊忍具で

時雨 :呪紋があるからね~ 実質コスト+2だよ

サブGM :あっそうか、なんか……見たことないやつが

真白ももあ :なるほど!失礼いたした

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

時雨 :成功! 回避は《召喚術》

真白ももあ :雨になっちゃったよーえーんえーん

GM :なんかみんな調子いいっすね

明日葉 セイ :回避します

紅海月 :いい天気だなあ

時雨 :命中しなきゃ平地のまま

明日葉 セイ :えーと、意気かな

明日葉 セイ :平地のままがいい人ー!

明日葉 セイ :修正くれたらがんばれるかもー!

真白ももあ :平地のままがいいけど修正はもうあげちゃったのーーー!

明日葉 セイ :さっきはありがとーー

明日葉 セイ :ないか、ないね! 振ります!

明日葉 セイ :2D6>=9 (判定:意気) (2D6>=9) > 9[4,5] > 9 > 成功

明日葉 セイ :やったあ

真白ももあ :やった~~~!!!

真白ももあ :セイくんだいすき~~!!!

時雨 :うそー

明日葉 セイ :えへへー!

紅海月 :う~んみごと

時雨 :しかたないね! 以上

GM :それではプロット1、合馬桜華。

合馬桜華 :センヒに【言霊術】の接近戦攻撃

GM :どうぞ!

合馬桜華 :SG>=5 (判定:言霊術) (SG@12#2>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

紅海月 :つよい

明日葉 セイ :安定!

時雨 :やりよる

真白ももあ :戦のプロ

センヒ :2d6>=7 《瞳術》 (2D6>=7) > 10[5,5] > 10 > 成功

紅海月 :マジ?

真白ももあ :よけてる!?

合馬桜華 :ももあさん

センヒ :今日のヒィちゃんは絶好調だぜ

合馬桜華 :ももあさん、何とは言わんがここだと思う

紅海月 :なにかあるのかにゃ?

真白ももあ :私からはなにもしません!ごめんね!

センヒ :忍具のことなら、7は怪しいな

合馬桜華 :了解です!

合馬桜華 :以上で!

GM :それでは演出の方を、やっていくぜ。


GM :===

GM :パフォーマンスは、アピールは苛烈を極めていた。

GM :いかな"吸血狩り最強の武人"とは言え、ここステージでは門外漢。

GM :その結果が、今敗北という形で実を結ぼうとしていた。

紅海月 :数多に纏めた手中のサイリウムを強く握りしめる。ステップ&ターン。

紅海月 :赤・橙・黄・緑・青。

紅海月 :束ねしは五重。暴力的なまでに輝く虹の奔流が男の持つ"縄"、その全てを飲み込まんと迫る。

サブGM :五色の輝きがステージを──

サブGM :そして、ステージを飾る紐や帯を鮮やかに照らす。

"縄のヴルフ" :男が用いる縄術において、縄の色には意味がある。

"縄のヴルフ" :色、長さ、本数、太さ、撚りのかけ方、結び目の形や位置や大きさを、呪の象徴として"記述"するのだ。

"縄のヴルフ" :その象徴たる色を、紅の虹が塗り替える。

"縄のヴルフ" :おりしも──"存在の力を以ってステージを書き換える"業を受けた直後のこと。

"縄のヴルフ" :性質を書き換えられ、変化しやすくなっていたところに打ち込まれるそれは──

"縄のヴルフ" :転身投射によって縄との霊的繋がりを深くしている今の男にとって、致命の一撃となり得た。

"縄のヴルフ" :「………!」

"縄のヴルフ" :そのフィードバックを受け、命が削られていく感覚の中、手元に手繰った縄へ気を籠め、"縄の呪"を再構成しようとする。

"縄のヴルフ" :変化を押し止め、またサイリウムを"解く"べく、渾身の呪力を縄へ──

合馬桜華 :___その縄を、掴み止める。

合馬桜華 :それは存在による干渉、呪いとまじないに対する現実の干渉。

合馬桜華 :現が、ステージの影で霊となっていた男とつながり

合馬桜華 :(拾われた時から、訳の分からん人やと思ってた)

合馬桜華 :引きずり出す。

合馬桜華 :今この瞬間、この場では、男の事を知る混ざりモノである合馬桜華しかできない技。

合馬桜華 :(今も分かってるだなんて言えないし、知りたくもないとも思ってる……けど)

合馬桜華 :演出が、演出家を舞台に引き込む。

合馬桜華 :(恨みが消えないように、恩も消えない)

合馬桜華 :(だから隊長、これがウチができる最後の恩返しで敵討ちです)

合馬桜華 :ステージの最前列超えて目の前

合馬桜華 :手が届くと錯覚させる位置に、縄のヴルフを立たせる。

"縄のヴルフ" :「……!」

"縄のヴルフ" :本来ならば、誰にも知覚されなかったはずの術式。

"縄のヴルフ" :それを掴み、引き寄せた少女。

"縄のヴルフ" :それは"虹"に色を乱されたせいであったかも知れない、

"縄のヴルフ" :"領域”にステージを奪われたせいであったかも知れない、

"縄のヴルフ" :"空色"や"ノイズ"の輝きに身を削られていたせいであったかも知れない。

"縄のヴルフ" :しかし、しかし何よりも──

"縄のヴルフ" :(この短い間に)

"縄のヴルフ" :初めて襲ってきたときは、なす術もなく"出禁"にされていた彼女が。

"縄のヴルフ" :(成長したものだ)

紅海月 :「まっこと。子の成長というんは末恐ろしいわな」

紅海月 :「のう」

紅海月 :「お前さん。"千十嵐リンネ"が喰われた際」

紅海月 :「なんで、動かなかったんだ?」

紅海月 :「それが、てめぇの務め」

紅海月 :「てめぇの、心に従った結果だから?」

"縄のヴルフ" :「………」

"縄のヴルフ" :「心に、か」

"縄のヴルフ" :「そうだと言えばそうでもあり──違うと言えば、違う」

"縄のヴルフ" :ステージに立つ人々を眺め、

"縄のヴルフ" :会場に集う人々を見る。

"縄のヴルフ" :「己の思い、──」

"縄のヴルフ" :求めたものを追ったつもりではあった。

"縄のヴルフ" :しかし、それは"本当に求めていたもの"だったのだろうか?

"縄のヴルフ" :「結局」

"縄のヴルフ" :「縛られていたのかも知れんな」

"縄のヴルフ" :だが、責は果たした。

"縄のヴルフ" :それだけでいいとは言えないが、少なくとも悪くはない。

センヒ :「なんだ、ここで退場かよ」

合馬桜華 :「……縛られていてくれたんだったら」

合馬桜華 :「みんな、喜びます……だってそれは、捨てられなかったものだから」

合馬桜華 :「隊長は最後まで、"縄のヴルフ"でいてくれた」

合馬桜華 :少しだけ、羨むような眼で男を見て。

センヒ :「最後までつまらねえ男だったな」

センヒ :緑、赤、縄を見回して。

センヒ :「酷なことを言うなぁ」

センヒ :「何ができたよ、あの場で?」

センヒ :「慌てて駆けつけりゃ、おねーさまが甦るのかい?」

センヒ :「今までただぼんやりと、観客席に座ることすら出来ずに」

センヒ :「ただ、劇場の前で演目表を眺め続けていた男に」

センヒ :「壇上で何ができたよ?ああ、おい、ヴェテランさんはずいぶん残酷なことを仰るなあ!」

センヒ :「ハハハ、ハ」

センヒ :「ヒ、ハ」笑う、嗤う。

センヒ :「呼ぶか、呼ぶか、縄のヴルフとその男を」

センヒ :「それを投げ捨てて、仲間を裏切ってまで、何か別のものになれるかと」

センヒ :「こうして一世一代の賭けに出た男を」

センヒ :「お前は何も変わっちゃいねえと」

センヒ :「見ろ、これが、これが終わりか?」

センヒ :「価値ある終わり??」

センヒ :「ハハハ、ヒ、ハ!!!」

センヒ :「くだらねえ!くっっだらねえ!!」

センヒ :「やっぱり、やっぱり、やっぱり終点には」

センヒ :「このヒィちゃんがなってあげるしかねえよなあ!!!」

真白ももあ :「……やっぱり……センヒちゃんは、優しい人な気がするな」

真白ももあ :「その優しさの出力の仕方が……トゲトゲした形をしてるのは、わざとなのかそうじゃないのか……わからないけど」

真白ももあ :「ヴルフさんの生き様を否定していないから……その終わりに違う意味を見出されてるのを見て、自分がちゃんと終わりを与えなきゃって思ってるのかなって思った」

真白ももあ :(……だから何ができるとかじゃない。私はただ……センヒちゃんも悲しい思いをしたら、いやだなって思うだけ)

真白ももあ :(私はどこまでも、ワガママだから)

真白ももあ :そして、そんな自分の思考とは裏腹に。

真白ももあ :”場”は発動する。

真白ももあ :ステージの上の真白ももあとセンヒの目が合う。

真白ももあ :瞬間。あるいはそんな想いを抱くはずなどなくとも、センヒの心に疑念が浮かぶ。

真白ももあ :『本当に自分がいていいのだろうか?』

真白ももあ :『真白ももあのステージではないのか?』

真白ももあ :心にそんな声が囁かれたのを皮切りに、人間が誰しも持つ冷たい感情――

真白ももあ :不安、焦燥感、恐怖。そういったものが心に渦巻く。

真白ももあ :そして一度芽生えたそれは、縄のように心に絡みつき、動きを鈍らせるだろう。

センヒ :「―――ッ」

センヒ :「ずいぶんと、コスい手を使うじゃねえか」

センヒ :「異邦の"王"がよ」憎たらしく、その顔を歪め。

真白ももあ :「どうしてか、私とステージに立った人って潰されちゃうんだよねぇ」

真白ももあ :微笑む。

GM :===


GM :それではラウンド3へと行くぜ!

GM :事前宣言は縛りおじさんが退場したからなしかな

真白ももあ :なしだぜ!

紅海月 :ゆっくりおやすみ

紅海月 :プロットOK。

明日葉 セイ :オッケー!

合馬桜華 :OK

真白ももあ :私もプロ前なしOK!!

時雨 :OKぜ

GM :ではいきます

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。


○戦場:平地

<プロット6>

(センヒ)

<プロット4>

(時雨、セイ、桜華)

<プロット3>

(ももあ、紅海月)

GM :それでは行きます、プロット6。

センヒ :奥義を使うぜ。『♪おねがいワシリーサ♪』、効果は【範囲攻撃】指定特技は《瞳術》。

紅海月 :範囲!?

真白ももあ :ヤダーッ

センヒ :目標は、もちろんお前ら全員だよ。

時雨 :きゃ~

明日葉 セイ :うわー

時雨 :まあ対抗手段もないので 器術謀術で受けるよ 残り1点

system :[ 時雨 ] 謀術 : 1 → 0

system :[ 時雨 ] 器術 : 1 → 0

真白ももあ :範囲は失うとこ選べるんですね

真白ももあ :戦術と体術で受けます

明日葉 セイ :妖術と謀術で受けます。残り4

system :[ 真白ももあ! ] 体術 : 1 → 0

system :[ 真白ももあ! ] 戦術 : 1 → 0

紅海月 :忍術と譜術で受けよう。

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 妖術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 謀術 : 1 → 0

合馬桜華 :頑健2点で

system :[ 合馬桜華  ] 器術 : 1 → 1

system :[ 合馬桜華  ] 頑健 : 2 → 0

GM :続いて4。

GM :桜華>セイ>時雨の順で宣言をどうぞ。

合馬桜華 :【神槍】対象はセンヒ

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象は……センヒで!

GM :単体攻撃しやがって!

時雨 :ん~

真白ももあ :雨ふらせたらホンマに射程のびた桜華ちゃんとめられるんか!?おん!?

時雨 :【陽炎】【災雷】かなあ……対象は……合馬さんにしとくか

時雨 :私は止められないよ

紅海月 :しぐ 生きて

真白ももあ :止める気ないのにふらすな~~~!!

時雨 :でも止められないっていう認識がみんなの中にあればいいじゃん?

GM :元気いっぱいですね、やったりましょう。

GM :では順に判定をどうぞ。

合馬桜華 :SG>=5 (判定:手裏剣術) (SG@12#2>=5) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

紅海月 :

時雨 :すご

合馬桜華 :頑健回復

真白ももあ :ひえー

明日葉 セイ :うわあ

センヒ :こんにょ

センヒ :とりあえず奥義破りからいくぜ。

センヒ :ここで抱え落ちしちゃあアレだしな、【回想】を乗せるぜ。

真白ももあ :おおっ回想だ

センヒ :2d6+3>=9 《瞳術》 (2D6+3>=9) > 4[2,2]+3 > 7 > 失敗

センヒ :……?

紅海月 :うーむ

合馬桜華 :縄が生きたか、助かった

センヒ :いや、使う……使うぞ神通丸

紅海月 :お?使う?神通丸使っちゃう?

センヒ :やめろ!

センヒ :だが使う!

紅海月 :やらないよ♥

時雨 :www

センヒ :振るぞ!

センヒ :2d6+3>=9 《瞳術》 (2D6+3>=9) > 4[1,3]+3 > 7 > 失敗

紅海月 :がんばった

センヒ :これが運命なのか……

時雨 :結局ファンブルして【喘縄】が喰いこむ

真白ももあ :ぎゅぎゅ♡

合馬桜華 :えっと、何点増えるんでしたっけ

センヒ :兵糧丸持ってても、縄分で落ちる。

時雨 :じゃあスペシャルは関係ないのかな

GM :一応同時なので、桜華ちゃんの分も避けます。

紅海月 :スペって避けられるんだっけ?

センヒ :スペは避けられる。

紅海月 :はぇ~~!

GM :一応スペシャル時に避けにくくする忍法とかもあったはず

時雨 :頑張って避けてね

時雨 :感情修正いる?

センヒ :どうせ落ちること確定してるしなー

センヒ :いらないかなー

時雨 :は^い

センヒ :2d6>=7 《水術》 (2D6>=7) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

真白ももあ :うける

センヒ :は?

紅海月 :マジで言ってる?

センヒ :これは……

明日葉 セイ :ええっ

時雨 :範囲は生き延びましたね

真白ももあ :いや、桜華ちゃんのぶんをよけたから

真白ももあ :範囲で落ちるんじゃない?

紅海月 :いや

真白ももあ :それともダメージ0になってから回復の処理?

時雨 :センヒちゃん残り1だっけ?

紅海月 :兵糧丸あれば

紅海月 :生きるくない?

センヒ :残り2

合馬桜華 :2ですね

真白ももあ :範囲の2と縄の1で

真白ももあ :兵糧丸あってもおちるのでは

時雨 :あー縄

紅海月 :スペだと生命1回復だよね?

センヒ :スペ回復で1上がるから

時雨 :1点回復ですね

真白ももあ :そうねぇ……じゃあ生き残るのかな

センヒ :だが、しかし

センヒ :持っていないのだ……

時雨 :兵糧丸ないよね

紅海月 :あっ……

明日葉 セイ :そうなんだ……

真白ももあ :もってないんかい!

センヒ :落ちるぜ……

時雨 :じゃあこちらも命中判定を センヒちゃん輝いてたよ 最後にいい死にざま見せてくれてありがと

真白ももあ :完全に悪役のセリフ

時雨 :2d6>=5 【陽炎】 (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功

時雨 :2d6>=5 【災雷】 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

時雨 :www

紅海月 :しぐ…?

真白ももあ :雨ふらないやったーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

紅海月 :動揺したのか…?

時雨 :ダメだあダイス運が

紅海月 :神通ないのけ!?

時雨 :ミドルで使っちゃった

GM :行け!凪へ!!

時雨 :凪です

紅海月 :クゥ~ン

GM :続いてはプロット3

GM :ももあ>紅の順で宣言をどうぞ。

真白ももあ :あいあい!センヒちゃんが落ちても今のプロ3の段階では特になにもないということね

紅海月 :イベあるのかにゃ…?

真白ももあ :とりあえずかちあがるしかねぇ~

真白ももあ :【喘縄】を桜華ちゃんに!

紅海月 :う~~~んすまねえな桜華 《土竜吼》を桜華に。

合馬桜華 :神槍避けられボロボロのキャラに何てことを

真白ももあ :ボロボロ……?スペシャルで……?

紅海月 :バケビの鞍馬はボコボコにされる運命なのかも

真白ももあ :じゃあふりますね~

真白ももあ :しぐ修正とかくれない?

時雨 :いいよ~ +1!

真白ももあ :ありがと~~~!!!

真白ももあ :2D6+1>=5 (判定:縄術) (2D6+1>=5) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功

真白ももあ :おっし!

合馬桜華 :うわー

真白ももあ :判定に-1,ファンブルしたら接近1点ネ!

紅海月 :じゃあ……《掘削術》イキマスヨ

紅海月 :セイちゃん修正くれたりしないかナ……

明日葉 セイ :んーー

真白ももあ :私はビジブルを破壊してくれる確率の低い所から狙っています

明日葉 セイ :あげる♡

紅海月 :みんな破壊してくれるいうたけども!

合馬桜華 :こっちに欲しかったなー!

紅海月 :ガハハ!すまねえな桜華!

合馬桜華 :低いって言うか関係ないの! ウチ!

真白ももあ :だからだよ♡

紅海月 :2d6+1>=4 (2D6+1>=4) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功

合馬桜華 :ほんと部外者だなウチ

合馬桜華 :避けます、掘削術だったな

紅海月 :いえす! 当たると接近1でござる

合馬桜華 :SG>=8 (判定:骨法術) (SG@12#2>=8) > 6[2,4] > 6 > 失敗

紅海月 :追加とくにないです!

合馬桜華 :頑健削ります

紅海月 :かって!!

system :[ 合馬桜華  ] 頑健 : 1 → 0

真白ももあ :まだHP6なのおかしいでしょ

合馬桜華 :そこに実質6点がもう一人いるでしょう

紅海月 :真白ももあ・合馬桜華・不死身コンビの可能性…?

合馬桜華 :あ、ウチは以上です

GM :それでは演出の方をやっていきましょう。


GM :===

センヒ :「ちっ……さっきから手応えがありゃしねえ」

センヒ :「ここいらで、一発かましてやろうか、なあ?」

センヒ :「今からここは、ヒィちゃんの舞台だぜ、拝みな」

センヒ :奥義、『♪おねがいワシリーサ♪』

センヒ :ステージが、切り替わる。

センヒ :周囲を飲み込んでいくのは、木々のざわめき。

センヒ :苔むした岩、湿った空気。

センヒ :石段が、せり上がる。

センヒ :大鳥居の向こうには、センヒのステージが。

センヒ :「詣で参れや」

センヒ :篝火が焚かれ、百鬼夜行をバックダンサーにイントロのリズムを取る。

センヒ :その口から、歌声が――。

センヒ :♪――満たしてワシリーサ

センヒ :♪――ひとときの逢瀬じゃ足りない 満足できない

センヒ :♪――チャイムを鳴らしてコケ・コッコー

センヒ :♪――おせっかいな人形は戸棚に閉じ込めて

センヒ :♪――ずっとここにいればいい
♪――私のために笑ってよ

センヒ :♪――歌ってワシリーサ
♪――一人きりの時間は寂しい、満たされない

センヒ :♪――私も素直を歌うよ「ばか・やーだ」!
♪――ハンサムな王子様なんか、スープにしてやる

センヒ :♪――ずっとここにいればいい
♪――私のためにドレスを編んでよ

センヒ :♪――白色の騎士が通る
♪――外へ出て 自販機でコーヒーを買おう それからふたり公園のブランコでさ

センヒ :♪――赤色の騎士が通る
♪――学校なんてサボってさ 川辺で魚が跳ねるの眺めるの

センヒ :♪――黒色の騎士が通る
♪――ずっとずっと語り明かそう 眠くはならないそんな魔法

センヒ :♪――文句をつける連中は 髑髏の炎で焼いちゃってさ

センヒ :♪――叶えてワシリーサ
♪――闇色の魔法を歌うよ「ばかばか・やーだ」!

センヒ :♪――きれいな言葉に 透明な心 塗って潰してダンスダンスダンス!
♪――行かないでワシリーサ あなたが孤独を教えたの
♪――何も言わずに踊ってよ

センヒ :それは、愛の歌。

センヒ :魔法使いから、シンデレラへ。

センヒ :0時の鐘が鳴ったなら、魔法使いの私は森の小屋でひとりきり。

センヒ :だから行かないで、一緒に遊んでよ。

センヒ :今までの暴力的なそれをかなぐり捨て、繊細なステップと透き通る声で歌い上げられる。

センヒ :今まさに、主役として舞台を押し流す。アイドル―山姫としての本気のパフォーマンス。

GM :それが、壇上の5人を穿つ。

GM :孤独を嫌う魂が、死へと寄り添うための。

GM :醜くも、間違いつつも、藻掻いて、藻掻いてたどり着いたひとつの境地。

センヒ :「これが……ヒィちゃんの歌だ」

センヒ :「応えてみろよ、お前の怒りで」

センヒ :アンサーを待っている。

センヒ :否定してみろと、なぜならお前は人間なのだから

センヒ :化け物を、許してはならないのだからと

合馬桜華 :「……応えるわ、ウチの全部で」

合馬桜華 :センヒの歌を、気持ちを、正面から受け止める

合馬桜華 :(そうだ、ウチが求めていたのは……)

合馬桜華 :___脳裏に浮かぶのは、蹂躙されつくした故郷の風景。

合馬桜華 :自分をあの凄惨な地獄へ追い込んだ、相手と……命をかけて、向き合う事。

合馬桜華 :___何もかもが、死に絶えていた。

合馬桜華 :視線を上げる、少女の眼を"二色の虹彩をした眼が"見つめ返す。

合馬桜華 :___何もかもが?

合馬桜華 :紅海月が用立ててくれた衣装が、黒々と染まり、形を保てなくなっていく

合馬桜華 :(ごめん、店長)

合馬桜華 :__自分は?

合馬桜華 :怪物の報いとして、誰一人として生きてはいなかったあの場所で、ただ一人生きて帰った少女。

合馬桜華 :魔に逢うて、その血を受けた、娘。

合馬桜華 :____ただの偶然だったのか、あるいは気まぐれだったのか、少女は知らない……だが、どちらにしろ。

合馬桜華 :「私は桜華、合馬桜華!」空間に、センヒやリンネと似た波長の声が響き

合馬桜華 :「センヒ、アンタの血を受け育ったこの世でただ一人の人間だッ!」

合馬桜華 :____センヒの歌が、重なる。

センヒ :「あー、あ」

センヒ :「そうか、お前あの時の」

センヒ :「化け物として、生贄と引き換えに何かを与えないといけなかったからな」

センヒ :「今までの約束は”村の安全”、だがそれは破られちまった」

センヒ :「だから、代わりにあげられるものが無いかって」

センヒ :「死にかけのガキに、命を与えてやったんだっけ」

合馬桜華 :「そう、だからアンタは」

合馬桜華 :「ウチにとっては、命の恩人で……そして仇」

合馬桜華 :ヴルフは"村を守ってくれなかった人"で"忍としての師匠"だった。物事は表裏一体ばかりだ

合馬桜華 :「何もかもが嫌になりかけた、滅茶苦茶に戦った。だけど……アンタが生かしてくれた」

合馬桜華 :暴力性を捨てた彼女と、寄り添う、あるいは向き合う。

合馬桜華 :旋律を一つ一つ、解いてはつなぎ直す、それは師の技のように。

センヒ :「(懐かしいもんじゃねえか)」

センヒ :「(おかしな島だ、因縁がゾロゾロ集まってきやがる)」

センヒ :すこし、昔を思い出す。

センヒ :――分け入って、分け入って、更にその奥の。

センヒ :深山、幽界、わが故郷。

センヒ :麓の人間たちは、生贄を寄越した。

センヒ :頼んだ覚えはない、山で食べるものには困ってはいなかった。

センヒ :それまでに、迷い込んだ人間を襲って喰らうことはたしかにあった。
だがそれはそういうものだ。

センヒ :山に入るということはそういう理の内に身を置くということ、猪も熊も人を襲って喰らう、ヒィと何が違うものか。
知恵をつけた今ならわかる、あれは体よく利用されていただけだ。口減らしの。

センヒ :同族親族、殺すに理由がいる。都合の良いソレは山に住んでいた。

センヒ :ヒィは、それでも嬉しかった。

センヒ :最初に寄越された老婆は、ヒィの話し相手になってくれた。

センヒ :ニコニコと「鬼さまに喰われることで、このばばが役に立つのですから、こんなにありがたいことはない」と。

センヒ :ならばと7日目の夜に殺して喰ってやった。

センヒ :8日目の夜はやたらに落ち着かず、ぐるぐると山中を駆け回ったものだが今ならあれが寂しさであったとわかる。
ヒィは次の生贄が楽しみになっていた。

センヒ :繰り返される献上。
恐怖と畏敬の日々。
豊作を感謝されたこともあった。ヒィは田んぼに何もしていないが感謝されて悪い気はしない。

センヒ :繰り返される、綿々と。

センヒ :だが、交流は唐突に途絶えた。

センヒ :ヒィは忘れられたのだ。兆候はあった。

センヒ :それは寂しいことであったので、催促に行った。

センヒ :奪い、殺し、喰らった。
それこそが人とヒィの交流の正しい形。絆であり、友情であり、愛であるはずだから。

センヒ :そうして、殺して、殺して、殺した頃に奴らが来た。

センヒ :「(だいじな思い出だ)」

センヒ :「(ヒィにとって、化け物にとってそれは、間違いなどではない)」

センヒ :「(だから、ヒィちゃんは殺すことでお前らを幸せにしてやるのだ)」

センヒ :「(化け物にとっての正しい形のままに、我々の関係を美しく、完璧に昇華する)」

センヒ :「(それを一番近くで見ていて欲しい、全てを諦めていたヒィちゃんにもう一度熱をくれた時雨には)」

センヒ :「叶わぬかもしれんなぁ」

センヒ :目の前の、赤い少女を見る。

センヒ :「因縁、愛にせよ憎悪にせよ」

センヒ :「それは絆に違いない」

センヒ :「こんなにも、ヒィちゃんを想っていてくれて」

センヒ :「今やお前に夢中だ合馬桜華」

センヒ :全員を敵に回して、勝てるはずであった。

センヒ :だが、ここ、今この瞬間

センヒ :この女ただひとりが、誰よりも強大な敵であることを――それこそこのセンヒにとっては千十嵐リンネより

センヒ :「なあ、お前何になりたい?」

センヒ :「おねーさまは言っていた」

センヒ :「ステージは、この宇宙で一番ワガママになれる場所なんだと」

センヒ :「お前は、ヒィちゃんを殺して、そうして、その先で」

センヒ :「何になりたい?」

合馬桜華 :「ウチは、自分でいたい」

合馬桜華 :「この身体も、血も、全部そのままの自分として」

合馬桜華 :「合馬桜華として」

合馬桜華 :強くありたい。

合馬桜華 :願ったのは、元々そうあるからでも、己の欲望を満たすためでもない

合馬桜華 :自分であるだけで生じる異形の欲求に、自らの中にある妖魔の力に

合馬桜華 :負けないために、強くありたい。 そう願って……願った理由が、今分かった。

合馬桜華 :だってそれは、自分ではない___彼女(センヒ)だから。

センヒ :渾身の歌であったはずだ。

合馬桜華 :「……この絆は糸や」

合馬桜華 :「絡まり絶対途切れやしない」センヒの動きを、一瞬先読みして、合わせる。 彼女と同じように、舞踏という形にして。

センヒ :どんな反撃も届かない、それこそ千十嵐リンネでもなければ。

センヒ :だから殺した。

千十嵐リンネ :『なあ、センヒ。ステージに"絶対"はないぞ』

千十嵐リンネ :『私はいつだってこう思っている』

千十嵐リンネ :『明日は負けるかもな、と』

センヒ :歌が、ダンスがほどかれていく。

センヒ :思いの金糸を編み合わせ、作ったはずの無敵のドレス。

センヒ :「食い込み、絡まっていたか……」

センヒ :だから、強く引けばそこからほつれる。

合馬桜華 :「それだけ沢山……想われてたって事やろ」

合馬桜華 :「想って、想われて」

センヒ :「孝行者だな、アヴェンヂャア」

合馬桜華 :「半分だけな」

センヒ :「いや、これは正義なんてものじゃねえか」

センヒ :「愛しているぜ、リヴェンヂャア」

センヒ :「お前と歌えてよかった」

合馬桜華 :「ウチも、歌えてよかった」

合馬桜華 :血による共感と、半分の心を乗せて

合馬桜華 :場のイニシアチブを握り、歌をつなぐ……それは、孤高だった彼女に対する復讐でもあったのかもしれないが

合馬桜華 :動画リンク

合馬桜華 :思いの丈を乗せて、歌を紡ぐ。

合馬桜華 :纏う気配が、徐々に妖の側へと振れていく。

合馬桜華 :抑えていたものを解放し、たった一人の血の繋がった相手に向けて、放つ。

合馬桜華 :だが___最高潮の一歩手前、その寸前で歌を抑える

合馬桜華 :___時雨では、救いだろう。

合馬桜華 :___合馬桜華では、復讐になる。

合馬桜華 :___真白ももあは、紅海月は、敗北だろう。

合馬桜華 :他の誰でもない、もう尊敬する師の半分が惚れ込んだ男

合馬桜華 :「……セイくんっ!!」少年の名を、呼ぶ。

明日葉 セイ :……ステージを照らすのは。それは照明。

明日葉 セイ :音を紡ぐのは、それは裏方の音響装置。

明日葉 セイ :それは静かに進行し、場を相応しく調え……。

明日葉 セイ :見せてはならないものを、観客から隠し続けている。

明日葉 セイ :舞台下の警備主任。それが討ち取られる様。そして眼前の会話。

明日葉 セイ :この場には、演者の他にも大勢の人間がいて……。

明日葉 セイ :そのほんの一握りは、彼の傘下にある。

明日葉 セイ :青い照明が、点った。

明日葉 セイ :だから明日葉セイもまた、主役になることができる。

明日葉 セイ :舞台がまた変わる。背後には赤い緞帳の投影。

明日葉 セイ :オープニングムービーから繋がるひとつのメルヘン。

明日葉 セイ :アコーディオンとオルゴールの響き。可愛らしいワルツが鳴り響く。

明日葉 セイ :全員が鎬を削る舞台ではなく、まるでおとぎの国にでも迷い込んだような。

明日葉 セイ :(場違い? そうかもね。でも、必要なんだ)

明日葉 セイ :(この会話を、ただの見せ物にしちゃわないためには。みんなにはこっちを見てもらわないと)

明日葉 セイ :歌が、始まる。

明日葉 セイ :『飛び出したのは 退屈なんかじゃなくて』

明日葉 セイ :『曖昧アリス お砂糖はいかが?』

明日葉 セイ :『追いかけたのは 白でも黒でもなくて』

明日葉 セイ :『意地悪ラビット 本当は内緒』

明日葉 セイ :あの日、道端での出会いがなければ、きっと自分はここに立っていなかった。

明日葉 セイ :でも、ひとりじゃないから偉い、なんてことはない。絶対に。

明日葉 セイ :(……本当にひとりで居たいのなら、別にいいよ。でもさ)

明日葉 セイ :(……そうじゃ、ないんだよね)

明日葉 セイ :『間違えたキノコ かじったのはいつからか』

明日葉 セイ :『魔法がなくても世界は 大してマトモでもないし』

明日葉 セイ :(ねえ、同じなんだよ)

明日葉 セイ :(みんなぐちゃぐちゃに迷って、苦しんで、進んで)

明日葉 セイ :(おれは誰がどう正しいとか、そういうジャッジを下せる立場じゃない)

明日葉 セイ :(ただ、何度だってこう言うだけ!)

明日葉 セイ :『さあ 飛び込んでごらん ここにいるよ』

明日葉 セイ :『ずれた地球の真ん中で』

明日葉 セイ :『がらくたと愛と希望は 君のためにも歌う』

明日葉 セイ :(……時雨さんはただひとりのためのアイドルになるって言ってた)

明日葉 セイ :(おれは、みんなのため、未来のために立ってる、けど)

明日葉 セイ :「今だけは」

明日葉 セイ :「この歌、君たちに向けて。歌います」

明日葉 セイ :マイクに向けて、誰もが『自分に向けて』言われたと夢見るような声音を放つ。

明日葉 セイ :舞台の上に立つ、センヒと桜華とにも、それは届いているはずだ。

明日葉 セイ :だってそれは、まさにそのふたりに対して差し出された言葉だから。

明日葉 セイ :「ここにいるよ」

明日葉 セイ :周りをごらん。おれもいるよ。他のみんなだって!

明日葉 セイ :不足? 部外者? 無関係? 知ったことか。

明日葉 セイ :後で何か責めをもらうかもしれない。構うものか。

明日葉 セイ :因縁と言えば、僅かな邂逅と会話だけ。

明日葉 セイ :そういう自分がセンヒに手を差し伸べるということ。それが。

明日葉 セイ :あの時、舞台の上で共に踊ってくれた彼女への。

明日葉 セイ :こちらに歩み寄ってくれた紅い少女への返答になるような気がして。

明日葉 セイ :白い手袋。手を伸ばす。星が流れ落ちる。

明日葉 セイ :花がひらひらと落ちるように、流星、ひとつ。

合馬桜華 :「見てセンヒ、星が綺麗や……あの山と一緒で」

センヒ :頑なな鎧が剥がれ落ち、そこに残されたのはむき出しの心。

センヒ :ハートを、流れ星がまっすぐに貫いて――

センヒ :「ああそうか――ここが、終点」


:「まだだよ!」


GM :凛とした声が、ステージを走る。

GM :彼女が、そこに立っている。

GM :観客席の最上段。

GM :真っ直ぐに、見下ろして。

宍戸れみふぁ :「"わたしたち"、まだ歌える、踊れるよ!」

宍戸れみふぁ :息を切らせ、何故だか満身創痍の装いで。

宍戸れみふぁ :それでも、燃える闘志をその目に宿し。

宍戸れみふぁ :「間に、合った……」

宍戸れみふぁ :駆ける、目指して、スポット・ライトの下。

宍戸れみふぁ :ひらり、壇上、飛び乗って。

宍戸れみふぁ :「届けに来たよ……色んなものを」

宍戸れみふぁ :今度こそ、スポット・ライトを浴びて天を指す。

宍戸れみふぁ :【焦がれて焼けた瞳でも】

宍戸れみふぁ :【想いに 星屑 拾い繋いで流るるままに】

宍戸れみふぁ :【何するものぞ一番星】

宍戸れみふぁ :【私 あなたと天の川】

宍戸れみふぁ :【千十嵐リンネの眷属、宍戸れみふぁ、ここにオン・ステージ!】

宍戸れみふぁ :「だよっ!」

宍戸れみふぁ :宣戦布告の口上が突き刺さる。

宍戸れみふぁ :その目は、壇上で輝く星星へ。

明日葉 セイ :「…………」それはもちろん、また争う相手が増えた、ということでもあるのだけれど。

GM :

明日葉 セイ :「いらっしゃい、れみちゃん。うれしいよ」

宍戸れみふぁ :立っている。

宍戸れみふぁ :しっかりと、踏みしめている。ステージを。

宍戸れみふぁ :つまり、彼女には資格がある。ファイナリストとしての。

宍戸れみふぁ :「ふぅ」

宍戸れみふぁ :大きく息を吸って。

宍戸れみふぁ :「来たよ、私」

宍戸れみふぁ :「約束のステージへ」

宍戸れみふぁ :「子供の頃の、夢物語」

宍戸れみふぁ :「身の程なんて知る必要はない」

宍戸れみふぁ :「みんな、みんなここにある」

宍戸れみふぁ :「ねぇ、ももあ」投げかける相手は、異邦の王。

宍戸れみふぁ :「最強のアイドルって、その条件ってなんだと思う?」

真白ももあ :「わあ……難しいこと聞くね」

真白ももあ :「でもやっぱり……」

真白ももあ :「誰よりも輝いてる事、かな?」

宍戸れみふぁ :「最強のアイドル、それについていっぱい考えたよ」

宍戸れみふぁ :「みんなと話し合って」

宍戸れみふぁ :「唸って、頭捻って」

宍戸れみふぁ :「なんてことは無い話なんだ」

宍戸れみふぁ :最強のアイドル、その条件を知ってる?

宍戸れみふぁ :いちばん歌が上手な子? ――そうかもね

宍戸れみふぁ :いちばん笑顔が素敵な子? ――そうかもね

宍戸れみふぁ :いちばん巧みに踊れる子? ――そうかもね

宍戸れみふぁ :あるいは、いちばん運がいい子? ――それかも

宍戸れみふぁ :「最強のアイドル」

宍戸れみふぁ :「それはね、とびきり素敵な物語を持っている子」

宍戸れみふぁ :「みんなが思わず夢中になる、応援せずにはいられない物語を」

宍戸れみふぁ :「でも、皆が求める物語のかたちは、それぞれ、人によって違うものだから」

宍戸れみふぁ :「つまり、最も多くの物語を持っている子が最強のアイドルってことになるよね」

宍戸れみふぁ :「連れてきたよ」

宍戸れみふぁ :「ここに、ここにみんな連れてきた」

宍戸れみふぁ :「そして、みんなみんな連れて行く」

宍戸れみふぁ :「ここに、全部集めて」

宍戸れみふぁ :「私が、トップに立つ」

宍戸れみふぁ :その指は、天を指し示している。

宍戸れみふぁ :「私ね、たどり着いたんだ」

宍戸れみふぁ :「なったの、RIN-NEに」

宍戸れみふぁ :「みんなに会いに行った」

宍戸れみふぁ :「私たちには、絆があるから、それを辿ってね」

宍戸れみふぁ :「色んなものから解き放たれた、心の世界で」

宍戸れみふぁ :「みんなへ、同時に会いに行った」

宍戸れみふぁ :「話をしたよ、稽古をつけてもらったり」

宍戸れみふぁ :「時には、戦って」

宍戸れみふぁ :「私、弱いから何度も負けて」

宍戸れみふぁ :「それでも、立ち上がって、立ち上がって、皆のちからを借りて」

宍戸れみふぁ :「ひとつひとつ、勝利を積み上げて」

宍戸れみふぁ :「さっき、ようやくミトさんを倒して、私は出場権を手に入れた」

宍戸れみふぁ :「そうして急いで走ってきたの」

宍戸れみふぁ :れみふぁの姿が、ぼやけて、新たなる像を結ぶ。

花屋敷ミト :「そう、私のすべてをこの子へ託した」

花屋敷ミト :そこに立つのは、花屋敷ミト。

花屋敷ミト :「ふふ、【使命】があるはずなのにね」

真白ももあ :「……ミトさん……」

花屋敷ミト :「なんでそうしたかって」

花屋敷ミト :「結局、強欲なのよ、諦め切れない」

花屋敷ミト :「真白ももあ、私やっぱりあなたに勝ちたいわ」

真白ももあ :「……ふふふ」

真白ももあ :「ミトさんが……れみふぁちゃんから奪うんじゃなくて、託すなんてどうしてだろうって思ったけど」

真白ももあ :「嬉しいな。そこまで私に勝ちたいと思ってくれたんですね」

真白ももあ :「……最も応援できる物語を持つ子が最強、か」

宍戸れみふぁ :れみふぁが像を結ぶ。

真白ももあ :「その考え方も素敵ですね。『みんなつれてきた』っていうのは分からないけど……でも実際にミトさんも目の前に見えた」

宍戸れみふぁ :「そう、物語」

真白ももあ :「れみふぁちゃん自身だって……たくさんの人の力を借りて、たくさんたくさん努力した。素敵な物語を持ってる」

宍戸れみふぁ :「リンネ様は、いえ、私には欲しい物があったの」

真白ももあ :「ほしいもの?」

千十嵐リンネ :像を結ぶ、紅。

千十嵐リンネ :「――敗北だ。」

真白ももあ :「……敗北」

GM :千十嵐リンネ、その登壇に会場が揺れる。

GM :――大歓声。

千十嵐リンネ :「最強無敵の千十嵐リンネが、最強無敵のままに」

千十嵐リンネ :「何の面白みなく、優勝を掻っ攫う」

千十嵐リンネ :「それは、弱い物語だ」

千十嵐リンネ :「ク、ク」

千十嵐リンネ :「私は手に入れた。敗北の物語を」

千十嵐リンネ :「そして挑戦者になった、劇的な復活、リターンマッチ」

千十嵐リンネ :「誰かが私を殺せるとしたら、センヒ、お前だろうと思っていた」

センヒ :「おねーさま……」ポカンと、紅を眺める。

千十嵐リンネ :「信じていたぞ、お前の"殺意"を」

真白ももあ :「……リンネさん。心配したんですよ?心配っていうかすっごく悲しかったんだから!」

真白ももあ :「……無事、なのかどうかは……いまいちわかんないけど。でも……とりあえずは……無事?なのかな?」

千十嵐リンネ :「悲しむな、私はここにいる、いや……ずっといたのだ」

宍戸れみふぁ :「私が、見つけて連れてきたよ」

千十嵐リンネ :「そう、今やこの宍戸れみふぁこそがRIN-NEであり、私であり」

千十嵐リンネ :「私たちだ」

千十嵐リンネ :「おそらく、この千十嵐リンネ単独では成せなかった。ここへと到達することはな」

千十嵐リンネ :「弱く、ちからを持たないれみふぁだからこそ」

千十嵐リンネ :「皆がちからを貸し、手を差し伸べ」

千十嵐リンネ :「ついぞ私が到達に至らなかった、"全共鳴"の境地へまで至った」

真白ももあ :「……思わず応援したくなるれみふぁちゃんだから、できた……ってことかな」

明日葉 セイ :(……れみちゃんが……)

明日葉 セイ :目まぐるしい状況を掴もうと、じっと言葉に耳を傾けている。

宍戸れみふぁ :「そう、それが私のアイドルだったの」

宍戸れみふぁ :「足りないものは、借りればいい」

宍戸れみふぁ :「そして手を取って、私に関わる全てをステージに連れて行く」

明日葉 セイ :「……れみちゃんは前に、おれのこと眩しいって言ったけど」

明日葉 セイ :「……とんでもないな。そっちだって、キラキラじゃん」

真白ももあ :「……ひとりじゃないから。それは私も、アイドルの大きな力だと思ってるよ」

真白ももあ :「思わず応援したくなる子で、たくさんの応援を受けて。みんなと一緒に夢を掴む。素敵な物語だね」

真白ももあ :「でもね、私は」

真白ももあ :「そういう理屈を全部叩き潰してきたの」

真白ももあ :「物語があるから、可哀相な過去があるから、こうだから、ああだから……」

真白ももあ :「そういう理屈を全部吹き飛ばすくらい、ああ、素敵だ、好きだなって思わせて」

真白ももあ :「何も考えられなくなって、夢中にさせてきた」

真白ももあ :「強くて面白くない、負けて欲しい。そんな祈りさえ」

真白ももあ :「吹き飛ばして、好きだという呪いに変えてきた」

真白ももあ :「私は決めてた。リンネさんを夢中にさせてみせるって」

真白ももあ :「だから、れみふぁちゃんが、リンネさんが、RIN-NEが、どれだけ素敵で応援したくなる物語を持ってても」

真白ももあ :「ねじふせて、勝って、夢中にさせてみせる」

宍戸れみふぁ :「それがあなたの物語」

宍戸れみふぁ :「それも、手に入れるよ」

宍戸れみふぁ :「全部、全部手に入れるんだ」

真白ももあ :「うふふっ、あーげない」

宍戸れみふぁ :「私、やっぱり諦めきれなかった」

宍戸れみふぁ :「セイちゃん、どう?何にでも成れるって」

宍戸れみふぁ :「そう言われたら」

宍戸れみふぁ :「ガーリーでキュートな身体、転がるような鈴の声」

宍戸れみふぁ :「全部ぜんぶ手に入るって言ったら、どうする?欲しい?」

明日葉 セイ :「……ふっ」思わず吹き出すように笑って。

宍戸れみふぁ :「ずっと、ずっと苦しんでたよね」

明日葉 セイ :「ははっ、そっか。そうだよね」

明日葉 セイ :「れみちゃんが知ってる時のおれは、そうだったかも」

明日葉 セイ :「今も、欲しくないって言ったら、きっと嘘だけど」

明日葉 セイ :「でもね。おれには1個、素敵な物語ができました」

明日葉 セイ :「最高を目指して歩き出して、飛び立った明日葉セイは」

明日葉 セイ :「……自分のことが好きみたいなんだよ。今、とっても」

明日葉 セイ :「おれが大好きなおれを、みんなに見てもらいたいの!」

宍戸れみふぁ :「そっか、強いね……」

宍戸れみふぁ :「強くなったんだ」

宍戸れみふぁ :「あの時より、ずっとずっと」

明日葉 セイ :「そうかもしれない。れみちゃんもね」

宍戸れみふぁ :「でも、みんながみんな、強いわけじゃあない」

明日葉 セイ :「そうだね」

宍戸れみふぁ :「諦める必要はないって、今日は言いに来たの」

宍戸れみふぁ :「踊ればいいよ、私の脚で」

宍戸れみふぁ :「歌えばいいよ、あの子の声で」

宍戸れみふぁ :「足りないものは、ここに全部揃っているから」

明日葉 セイ :「受け取った。それはそれとして」

宍戸れみふぁ :「このフェスに上がれなかったアイドルたち」

宍戸れみふぁ :「今も、どうしようもない困難を前に諦めてることを強いられているすべての人に」

宍戸れみふぁ :「私たちを捧げるの」

明日葉 セイ :一歩、前に進む。

明日葉 セイ :「強いわけじゃないみんなの傍にいるのは、おれだよ?」

明日葉 セイ :「おれの中にみんなを入れることは、できないね。でも」

明日葉 セイ :「みんなの心の中に、少しずつ違うおれはいるから」

明日葉 セイ :「れみちゃん、君とは違ったやり方で、おれはみんなといる」

明日葉 セイ :「おれのことを好きになってもらうから、ね」

宍戸れみふぁ :「ずっと、ずっと大好きだったよ」

宍戸れみふぁ :「きみも、手に入れる」

宍戸れみふぁ :「そしたら、きっともっと好きになるよね」

明日葉 セイ :「おれだって、れみちゃんが大好きだよ。でも」

明日葉 セイ :すっと、人差し指を立てて、前に。

明日葉 セイ :「そう簡単に手に入るものじゃないの」

明日葉 セイ :「天のてっぺんにある、一番綺麗な星は!」

宍戸れみふぁ :「大丈夫、私たち天の川だもの」

宍戸れみふぁ :「行こう!ほら」

宍戸れみふぁ :手を差し伸べる。センヒへ。

宍戸れみふぁ :「あとはあなただけ」

センヒ :「連れてって……くれるの?」

宍戸れみふぁ :「もちろん!」

宍戸れみふぁ :「まだ、あきらめたくないでしょう!」

センヒ :「ヒィちゃん……」

センヒ :「まだ、時雨と踊っていない」

センヒ :絞り出した、その声に。

宍戸れみふぁ :「踊ればいい、歌えばいい、ずっとずっとここで」

宍戸れみふぁ :「私たちの中で」

センヒ :センヒが、解けて金糸になる。

宍戸れみふぁ :それを受け取って、編み上げる。

宍戸れみふぁ :新しいドレスを。

宍戸れみふぁ :新しい私を。

合馬桜華 :「……っ!」手を伸ばす、とどかない。

宍戸れみふぁ :すべてここにいる。ただ単一の"宍戸れみふぁ"には収まらない。

宍戸れみふぁ :千十嵐リンネでもなく(千十嵐リンネであり)、花屋敷ミトでもなく(花屋敷ミトであり)、センヒでもなく(センヒであり)、すべての眷属でもなく(すべての眷属であり)

宍戸れみふぁ :「RIN-NEの、古い古い名前を教えてあげるね」

宍戸れみふぁ :「それは、まだ"わたし"が"千十嵐リンネ"と出会う前」

宍戸れみふぁ :「この星の人々と、その交流の中で付けられた」

ルベル・アウローラ :「ルベル・アウローラ」

ルベル・アウローラ :編み上げられた、この場にふさわしい。"最新"のアイドル。

ルベル・アウローラ :アウローラ。

ルベル・アウローラ :それはまさしく、太古の昔この地へ降り注いだ紅いオーロラであり。
知と創造の到来を告げる"暁"の女神の名前でもある。

ルベル・アウローラ :「ごきげんよう」

ルベル・アウローラ :「今日この日を、ずっと、ずっと待ちわびてました」

ルベル・アウローラ :「最高のステージ、やろうね!」

ルベル・アウローラ :無邪気に、愛しそうに、すべてを見回して。

ルベル・アウローラ :ひとりひとりに、笑いかけ

ルベル・アウローラ :「“新星”明日葉セイ、貴方を貫いて」

ルベル・アウローラ :「“皓月千里”真白ももあ、私たちを、ねじ伏せて」

ルベル・アウローラ :「“百花繚乱”合馬桜華、鮮烈に、焼き付けて」

ルベル・アウローラ :「"千変万化"時雨、センヒは、ここで待ってるよ」

ルベル・アウローラ :「"曙光"紅海月、私たちの夜は、これから」

ルベル・アウローラ :「相手になるよ、この"全人魅倒"の、ルベル・アウローラが!」

ルベル・アウローラ :そうして、最後のひとりに目を向ける。

ルベル・アウローラ :舞台の袖、力なく倒れ伏す――男。

ルベル・アウローラ :「頑張ったんだね」

ルベル・アウローラ :「ずっと、ずっと頑張っていたもんね」

ルベル・アウローラ :「私は、叶えるよ」

ルベル・アウローラ :「もう、我慢なんてしなくていい」

ルベル・アウローラ :「そのためのちからは、ここにあるから」

ルベル・アウローラ :「だから、きみもステージにおいでよ」

ルベル・アウローラ :あたたかな、闇色の光が包み込む。

ルベル・アウローラ :「私たちを、分けてあげる」

"縄のヴルフ" :人知れず倒れ臥していた男が、その帽子の下で瞼を開く。

"縄のヴルフ" :(ああ)

"縄のヴルフ" :("成った"のか)

"縄のヴルフ" :眷属としての感応で知っていた。千十嵐リンネが更なる進化を求めていたことを。

"縄のヴルフ" :彼女との対話の中で聞かされてもいた。"別の物語"を必要としていることを。

"縄のヴルフ" :討伐隊長として知っていた。センヒは手段によっては、ステージ上でも殺人ができるということを。

"縄のヴルフ" :警備主任として、そして"縄"の呪をステージの術式と同期させた故に知っていた。センヒの手段でも誤魔化せない、細かい非常アラートを無効化できることを。

"縄のヴルフ" :己のすべきことは成った。

"縄のヴルフ" :──だが。

"縄のヴルフ" :進化を求めていた千十嵐リンネのため、センヒの行動を見逃したことも、

"縄のヴルフ" :重い使命と運命を担った合馬桜華のため、精算すべき敵として立ったことも。

"縄のヴルフ" :時雨を恋うて舞うセンヒを止めなかったことも。

"縄のヴルフ" :全て後悔はない。

"縄のヴルフ" :もう己の役割は終わった。

"縄のヴルフ" :これから、"アウローラ"が勝つにせよ、挑戦者たちが勝つにせよ、

"縄のヴルフ" :そこに己が存在する必要はない。そして、その資格もない。

"縄のヴルフ" :──だというのに。

"縄のヴルフ" :だというのに、何故、"アウローラ"は己に生命を分け与えたのか?

"縄のヴルフ" :そして何故、それを受けた己は──

"縄のヴルフ" :眷属として呑み込まれることを望まず、部外者として立ち去ることも望まず、ただこの身を起こしたのか?

"縄のヴルフ" :「我慢、など」してはいない、はずだ。

"縄のヴルフ" :「本当の、望みなど」これ以上、ありはしない──

日ノ原 エルナ :「──違うっ!!!」

日ノ原 エルナ :歓声に沸く観客席の中から、一際大きな声が響く。

日ノ原 エルナ :未だステージ袖、客席から見えていないはずのその男の、

日ノ原 エルナ :ただ一人ごちた、聞こえていないはずのその呟きへ。

日ノ原 エルナ :「ヴルフさん!!」

日ノ原 エルナ :真剣な表情で叫び──懐から、何かを取り出す。

日ノ原 エルナ :それは"縄”だ。

日ノ原 エルナ :ピンクに輝く左撚りの縄と、グリーンに煌めく右撚りの縄。

日ノ原 エルナ :回想を使用します。

サブGM :──今よりも少し前。

サブGM :ドラゴンボーン・フェスの時期が迫り、狂楽区の王と稀族区の王が、角遂を繰り広げていた頃。

サブGM :日に日に熱を高めていく異街の中、いつも通りにライブをしたその帰り。

"縄のヴルフ" :一人の男に、声を掛けられた。

日ノ原 エルナ :見知った顔ではあった。少し前から、稀族街でのライブやフェスの警備主任として立つようになった男。

日ノ原 エルナ :演者として挨拶したことはある。しかし、それ以上のかかわりはないはずだった。

日ノ原 エルナ :「えっと……? ヴルフさん、ですよね?」

"縄のヴルフ" :「……ああ」

日ノ原 エルナ :「その、どうしたんですか? こんなところで」

日ノ原 エルナ :「今度のライブの警備体制とかの打ち合わせだったらこの前したはずだし……」

日ノ原 エルナ :「!! ひょっとして、私のファンとか!?!?」

"縄のヴルフ" :「……日ノ原、エルナ」

"縄のヴルフ" :その声は真剣な色を帯びている。

日ノ原 エルナ :そういった浮ついた話でないというのは、その声色から察しがついた。

"縄のヴルフ" :「これを──託したい」

"縄のヴルフ" :懐から取り出したのは、二本の縄。

"縄のヴルフ" :ピンクに輝く左撚りの縄と、グリーンに煌めく右撚りの縄。

日ノ原 エルナ :「えっ……と……??」突然差し出されたそれの意味を図りかね、呆気に取られる。

"縄のヴルフ" :「……まともな面識もない相手に頼むことではないとは、分かっている」

"縄のヴルフ" :その口調には、どこか切迫したものが漂っている。

"縄のヴルフ" :「しかし今、私が"これ"を持っている訳には行かない」

"縄のヴルフ" :「託すべき相手を探して──」

"縄のヴルフ" :「日ノ原エルナ。お前に頼みたいのだ」

日ノ原 エルナ :今ひとつ、要領が掴めない。

日ノ原 エルナ :しかし──

日ノ原 エルナ :「……分かりました」

日ノ原 エルナ :なんとなく、その帽子の庇に隠れた瞳の奥に、何か尊い光を見た気がした。

"縄のヴルフ" :「……すまない。恩に着る」深々と頭を下げる。

日ノ原 エルナ :「でもそのっ、貰ってどうすればいいんですか? なんかお水とかやった方が!?」

"縄のヴルフ" :「……何もしなくていい」

"縄のヴルフ" :「……いや、何かする必要があるなら」

"縄のヴルフ" :「"分かる"。これを手にすれば」

"縄のヴルフ" :そう言って、男は二色の縄を手渡し──

日ノ原 エルナ :それを受け取った瞬間、頭の中に"情報"が溢れだす。

サブGM :男が元は千十嵐リンネの討伐隊だったこと。

サブGM :その部隊はすでに壊滅したこと。

サブGM :そしてその部隊には──

サブGM :1組のアイドルがいたこと。

サブGM :──ミントグリーン・シュガーボム。

サブGM :外界で名を馳せる、双子のツインアイドル。

サブGM :その音源は異街にも"輸入"され、多くの人が彼女たちの曲を聞いている。

サブGM :その二人が討伐隊に選ばれて──

サブGM :忍びとしての力を与えられ、異街でアイドルとして舞い、

サブGM :そして、死んだ。

サブGM :そのはず、だった。

サブGM :──ミントグリーン・シュガーボムは、外界でもトップに近い人気を誇るアイドルではある。

サブGM :しかし、文字通りのトップであるかと問われれば、やはり真白ももあにその座を譲らねばならない。

サブGM :にもかかわらず、その二人が、"真白ももあより先に選ばれた"のはどうしてだったのか?

サブGM :ミントグリーン・シュガーボムの二人は、双子である。

サブGM :彼女たちの家には、特殊な血が流れていた。

サブGM :それは古き"力"の血筋。

サブGM :神の裔とも、それを降ろす巫女の昆とも、誰とも知れぬ呪師の末とも言われるその一族は──

サブGM :しかし、永き時の流れるうちに血は薄まり、只人と変わらない力しか持たぬようになった。

サブGM :しかし、数年前──十年には届かぬ、しかし五年には余るほどの昔。

サブGM :その中の一人が、先祖返り的にその血の権能を強く持って生まれた。

サブGM :そのことを後から知った比良坂の者たちは考えた。

サブGM :──ほかの一族でも、"きっかけ"さえあればその力を取り戻すのでは?

サブGM :彼らの考えは、彼らにしてみれば不本意なほどささやかではあるが、正しかった。

サブGM :──異街でのライブの最中。乱入したセンヒの手によって、殺されるその刹那。

サブGM :コインを通して得た忍びとしての力と、眼前に迫る絶対確実な『死』への生命的抵抗が──

サブGM :薄れ果てたはずのその血の権能を、ほんの一瞬、ほんの少しだけ、蘇らせた。

サブGM :ほんの少しだけ。

サブGM :『時が巻き戻る』

サブGM :ほんの一瞬。

"縄のヴルフ" :その一瞬の隙に、男が伸ばした"縄"が、二人の命を絡め取って引き出し、その縄の中に避難させた。

サブGM :──

日ノ原 エルナ :その"縄"の語る言葉が──

日ノ原 エルナ :まさに今だと言っている。

日ノ原エルナの秘密

あなたは歌が大好きなアイドルだ。

自分が唄うことは勿論、他人の歌を聴くことも好きなあなたにとって、異街中のアーティストたちがこぞって鎬を削る竜誕祭は、好きな歌を好きなだけ唄って好きなだけ聴ける、最高のイベントだ。

しかし、歌を愛するあなたにはわかる──今回の竜誕祭では、唄う歌の中に迷いや雑念に似たものを漂わせている者が何人かいる。

あなたの【本当の使命】は、一心に歌を唄い、聴き、競うことの楽しさを人々に伝えることだ。


この【秘密】を得た最初のPCは歌やパフォーマンスを楽しむ心を強くする。任意のアイドルバトルの発生しているシーン中に一度、命中判定か回避判定のダイスを振る前に判定値を+1してよい。

日ノ原 エルナ :「ヴルフさん!!!」

日ノ原 エルナ :観客席から、声を限りに叫ぶ。

日ノ原 エルナ :「あの日の預かり物──今、返しますーーっ!!!」

日ノ原 エルナ :渾身の力で投げられた縄は、ステージの上へと届き──

- :ピンクの縄が、

- :グリーンの縄が、

サブGM :ステージの術式に"受け入れられ"、解けて──

サブGM :二つの人型を模る。

夜岸 呂奈 :「ミントグリーン・シュガーボム、夜岸 呂奈」

夜岸 江奈 :「同じく、ミントグリーン・シュガーボム、夜岸 江奈!」

夜岸 江奈 :「……っと、おお~」周囲を見渡し、物珍しげな表情を浮かべる。

ルベル・アウローラ :「ようこそ、ファーストチャレンジャー」

ルベル・アウローラ :「はじめまして・また会いましたね」

夜岸 呂奈 :「リンネさんかしら? 随分見た目が変わってるみたいだけど……」

ルベル・アウローラ :「うん、私はリンネ」

ルベル・アウローラ :「そうであって、そうでない」

ルベル・アウローラ :「今は、ルベル・アウローラと」

夜岸 呂奈 :「なるほど──」

夜岸 呂奈 :「よろしくお願いします、アウローラさん」

夜岸 江奈 :「フシギ系ツインテ女子、カワイイ系のイケメン、セクシー系の女の子、方向は違うけどセクシー系のお兄さん」

夜岸 江奈 :「あっ! ももあいるじゃん!? あ~そっか、あたしらが死んだから……」

真白ももあ :「うん。でも死んでなかったんだね。よかった!」

夜岸 江奈 :「そうなんだよねぇ! いや~死んだと思ったけど死ななくて良かった!」

明日葉 セイ :(カワイイって言われた……!)喜んでいる。

夜岸 呂奈 :「ちょっとだけ、前までとは違いますけどね」少し含みのある微笑みを浮かべる。

真白ももあ :「ちがう……?コインで忍者の力を得た……とかじゃなくて?」

夜岸 江奈 :「まあそれもそうなんだけど。それだけじゃないんだよな、これが」

夜岸 呂奈 :「お見せするのが、一番早いかしら」

夜岸 江奈 :「あ~、そうだな。……なあ、みんな」

夜岸 江奈 :「ちょっと残念なんだけど、あたしら今回演(や)りに来た訳じゃないんだ」

夜岸 呂奈 :「ちょっとどころか、すごく残念ですけれど」

夜岸 呂奈 :「でも、その残念さを推してでも、やりたいことができたのですわ」

夜岸 呂奈 :そう言いながら、取り出したのは──

夜岸 呂奈 :半分に割れた、黄金に輝く一枚のコイン。

夜岸 江奈 :「そうなんだよなぁ」

夜岸 江奈 :ちょっと悪戯っぽく笑みながら、こちらももう半分を懐から出す。

夜岸 江奈 :「アイドルっていうのは、応援されるものだけど」

夜岸 呂奈 :「応援するものでもありますわ」

夜岸 江奈 :「あたしらが唄った歌が」

夜岸 呂奈 :「人の夢を支える」

夜岸 江奈 :「せっかく応援した夢を、勝手に諦められちゃあ」

夜岸 呂奈 :「アイドルとしての名折れ、ですわ」

夜岸 江奈 :「だから、改めて応援しに来たのさ」

夜岸 江奈 :手を伸ばし、コインの左辺を掲げる。

夜岸 呂奈 :同じく右辺を。

"縄のヴルフ" :その先にいるのは──ただ一人、誰からも見られず、ステージの袖に臥せる男。

夜岸 江奈 :「思い出せ!」

夜岸 呂奈 :「思い出せ!」

サブGM :その言葉とともに、コインの左右を重ね──

サブGM :二人の身体が、ピンクとグリーンの縄となって解け、男の身体を包む。

サブGM :そして、男の身体も──

サブGM :ワインレッドの縄となり、同じように解けてゆく。

- :……ああ。

- :解けてゆく身体を意識しながら──今更ながらに思い出す。

- :己に結ばれた全ての因果を捨てることができず、一度は諦め、手離した"願い"を。

- :圧倒的で、全てを救うような千十嵐リンネの唄。

- :その巨大すぎる相手に、むしろ輝きを増したミントグリーン・シュガーボム。

- :暴力的で、人とは相容れない、しかし真情から湧き出だすセンヒのステップ。

- :その全てが、眩しかった。

- :──そして。

- :気ままなようでいて経験に裏打ちされたミウ・シウの舞い。

- :轟く愛を叩き付けるような日ノ原エルナの唄。

- :あらゆるアーティストのそれを昇華する滑皮ケイゴのパフォーマンス。

- :その身を吸血鬼に堕として、しかし一層研ぎ澄まされた花屋敷ミトの演技。

- :魃にいた頃はもっと朧気だったはずの怪人が、"生"を見て活き活きと踊る様も。

- :己の資質に悩んでいた少年が、それを後推す者と出会って花開いた様も。

- :それまで裏のことなど何も知らなかった少女が、それでも王者として毅然と唄う様も。

- :一人生き残り、魔と"混じった"少女が、ステージを楽しみ、その仇と唄を通して対話する様も。

- :暗い何かを秘めた男が、失われたはずの情熱を燃やし、己の愛を語る様も。

- :「羨ましかったのだな」

- :あまりに馬鹿馬鹿しく。

- :己の血塗られた道にも、人々の明るい道にも相応しくないと思った願い。

- :己の"本当の願い"は──

- :「アイドルとして、立ちたい」

- :「どんなに無様であっても、己の足で」

サブGM :解けた三色の縄が、絡み合い、組み合ったその後に──

サブGM :ひとりの、人影がある。

- :「────」

- :ピンクとグリーン、二色の髪を靡かせて。

- :ミントグリーン・シュガーボムの姉妹に似た、少女のようなかんばせの──

- :しかし、それとは異なる"何か"を二色の瞳に秘めた、"誰か"が立っている。

合馬桜華 :「あなたは……!」

ルベル・アウローラ :「誰もが、舞台に立てばいい」

ルベル・アウローラ :「ようやく、来てくれたんだね」

紅海月 :僅か、驚愕に目を見開く。──或いは、"ルベル・アウローラ"の姿を、直に目の当たりにした時にも勝るほどに。

紅海月 :後。堪えきれないように笑い出す。

紅海月 :「まさか、こうまで……」

紅海月 :「いや」

紅海月 :「……よう、アイドル」

紅海月 :「名前は?」

- :「名前か」

- :「"縄のヴルフ"は死んだ。己の役割を全うして」

- :「夜岸呂奈と夜岸江奈なら、このような手段を取らずともここに立てた」

- :「……人に助けられ、ルールの抜け道を突いて」

- :「無様に、格好悪く、ステージに立っている私は」

"ヴルフ" :「ただの、"ヴルフ”だ」

"ヴルフ" :その言葉とは裏腹に、楽しげな表情で笑う。

合馬桜華 :「ヴルフ、さん」

合馬桜華 :「あなたと、同じ舞台に立てて嬉しいです」

合馬桜華 :幼子のような笑みを返し

合馬桜華 :ヴルフに向けて手を伸ばす。

"ヴルフ" :「ああ」

"ヴルフ" :その手を取る。

"ヴルフ" :忍びとして、敵同士としてなら、決して取るべきでない、その手を。

灰色兎 :「はっ……」

灰色兎 :眩しそうに、あるいは悔しそうに、照れくさそうに

灰色兎 :舞台の光を見上げる。

灰色兎 :「これだから、やめらんねえのよ」

灰色兎 :なぁ?そうだろ?

:ああ、そうだね。

ルベル・アウローラ :「揃った。出演者が」

ルベル・アウローラ :「それでは、開演の改メだ」

ルベル・アウローラ :今ここを、舞台を見守るきみたちへ。

ルベル・アウローラ :あげよう、贈ろう。

ホテルマン :「……元々の、宍戸れみふぁへの、ダメージが大きいな」

ホテルマン :「相当無茶をしたようだ。ボロボロで、万全には程遠い」

ホテルマン :「その上、ヴルフへとちからを分け与えている」

ホテルマン :「だが……」

ホテルマン :ニヤリと笑う。

ホテルマン :「しかしどうやら彼女はそこにこそ勝機を見出しているようだね」

ホテルマン :「負けてもおかしくない、不安定な状況」

ホテルマン :「それこそが自分にちからを与えるという狂気的なまでのアイドル信仰」

ホテルマン :「ピンチはチャンス、奇跡の復活劇、リベンジマッチ」

ホテルマン :「リンネちゃん……はは、たいしたギャンブラーじゃあないか!」

ルベル・アウローラ :そう、私たちはチャレンジャー。

ルベル・アウローラ :きっと応援したくなる、最強の物語を持っている。

ルベル・アウローラ :誰もが復讐を夢見ている。理不尽な何もかもに。

ルベル・アウローラ :アイドルは、それに立ち向かい、ぶっ壊す存在なんだよ。ファンに代わって、ね。

ルベル・アウローラ :みんなは託せばいい、いくらでも。
全部全部受け取って。

ルベル・アウローラ :「きみたちへ、ぶつけてやるんだから!」

GM :戦闘の再開となります。

GM :千十嵐リンネ改め、ルベルアウローラはヴルフへと生命点と己の力の一部を譲渡。

GM :これによりヴルフの生命点は4回復、奥義がひとつ追加されます。

GM :ではルベルのシートを公開します。

ルベル・アウローラ :キャラシート

GM :譲渡によりルベルの生命点は12へ。

GM :ルベル・アウローラについての追加説明です。

GM :彼女はすべての眷属の属性を有するため、本人の奥義に加え、眷属の奥義を使用することが可能です。

GM :その際の奥義情報は引き続き所持していると見なしてオッケー。

GM :例えばルベルアウローラがセンヒの奥義を使用する際、センヒの奥義情報は公開状態にあるので全員が奥義破り可能です。

GM :また千十嵐リンネの眷属のいずれかの秘密や感情を所持している際は、それをすべて適応し処理することが可能です。

サブGM :追加として、ヴルフの行動ルーチンですが

サブGM :今までは原則敵(センヒ)側として動いていましたが、これ以後はどちらに対しても攻撃・防御その他行うようになります。

GM :===

ルベル・アウローラ :「それでは」

ルベル・アウローラ :「はじめよう」

ルベル・アウローラ :いまここにある、ありったけを、燃やして。

ルベル・アウローラ :カツン、とヒールがステージを叩く。

ルベル・アウローラ :ごう、と火の手があがる。

ルベル・アウローラ :集った、"彼女たち"、”私たち”

ルベル・アウローラ :その全ての熱が。

ルベル・アウローラ :ステージを、包み込んで――。


GM :それでは戦闘を再開します。

GM :それではプロットタイム!

GM :およびにプロット前前言があればどうぞ!

時雨 :プロットOK

合馬桜華 :OKです

紅海月 :プロ前なし。プロOK。

真白ももあ :プロット前なしプロットOK!

明日葉 セイ :プロットOK宣言なし!

"ヴルフ" :プロットOK

"ヴルフ" :技縛は……しま……せん!

真白ももあ :え!?

紅海月 :なにっ

明日葉 セイ :なんだと

時雨 :舐めた真似をしてくれるな

GM :僕は何の要請もシテナイヨー

GM :では、やろうか……

GM :3

GM :

GM :

GM :

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ "ヴルフ" ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

○戦場:平地

<プロット6>

(ももあ、ルベル)

<プロット5>

(紅海月)

<プロット4>

(ヴルフ)

<プロット3>

(セイ、時雨)

<プロット1>

(桜華)

GM :それでは参りましょう、プロット6から

GM :ももあさん、宣言をどうぞ。

真白ももあ :はい!

真白ももあ :【喘縄】をルベルちゃんに。

ルベル・アウローラ :ふむ。

ルベル・アウローラ :ではまず【獣化】。これを【夜雀】効果で成功へ。

ルベル・アウローラ :続けて【奥義】を使用。

紅海月 :あん!?

合馬桜華 :あら

時雨 :なんじゃらほい

明日葉 セイ :なに……

ルベル・アウローラ :【アッサンブラージュ:山姫】効果は《範囲攻撃》、指定特技は《瞳術》

ルベル・アウローラ :これはセンヒの奥義情報に対応しているよ。

紅海月 :ウッギャ~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

時雨 :破るしかないぜ~!

真白ももあ :奥義破り!するけどみんな目標値どんなもんですか?

真白ももあ :回想を切るか迷っています

紅海月 :8かな

時雨 :《憑依術》から7

明日葉 セイ :9!

ルベル・アウローラ :目標はPC1,2,3,5

合馬桜華 :ヴルフちゃんは殴らないんですね

合馬桜華 :7です(目標値)

真白ももあ :あ、みんなもできたら奥義破り挑戦してくれるとありがたく………へへへ

明日葉 セイ :破るよ!

真白ももあ :奥義破りをしその際回想きります。

時雨 :破るよ~修正貰えた方がいいかな

紅海月 :クソ~どうしよ

明日葉 セイ :ちなみに回想って、判定時宣言でもいいですか?

明日葉 セイ :今しなきゃ?

GM :判定前でいいよ

真白ももあ :私の目標値は9ね!回想で+3されて6だからしぐから修正もらえると嬉しいかも!

時雨 :プロット値的に修正無駄かな

真白ももあ :ところが……平地なので

真白ももあ :いみがありまーす!!

真白ももあ :よね……?

真白ももあ :ファンブル値-1ついてるから私

サブGM :あっそうかF値さがるのね

紅海月 :えらい

時雨 :ファンブル値-1でファンブル値5ですよね

GM :あ、でも今が判定前に相当するので。

合馬桜華 :オマケみたいに強い効果くっついてくる

時雨 :5出たら凪じゃない?

明日葉 セイ :ああ、そうか

明日葉 セイ :ももあちゃん

GM :使うなら、今宣言をお願いしたい。

真白ももあ :あっそっか、じゃあ意味ないのか

明日葉 セイ :自分の回想を切ります

真白ももあ :じゃあしぐ修正は大丈夫!ありがとね!

明日葉 セイ :で、こっちに修正をもらう、のは?

時雨 :じゃあそっちに投げましょうか!

明日葉 セイ :こっちが回想を切り修正をもらい、ももあちゃんはそのまま、がいいかと思うんですね

時雨 :自分はももあさんから貰って目標値6に

時雨 :回想はまあ……ロール的にやりたいこともあるんじゃないかな

真白ももあ :よくわかりましたね

合馬桜華 :セイくんこっちに修正もらえる?

紅海月 :あ、ならわしが出そうか修正

紅海月 :桜華に

明日葉 セイ :あ、そっか、了解。そしたら自分が切ってもあんまりかな?

合馬桜華 :振ります

明日葉 セイ :まって

明日葉 セイ :じゃあ桜華ちゃんに修正を+1、自分は回想なしでいきますか

時雨 :セイ君はそうですね たぶん行けるでしょ!な感じ

真白ももあ :ロール的にっていうか 切らずに死にたくない

真白ももあ :のでなんかセイくんもそういうかんじなら譲り合いの精神

紅海月 :わかるわかるよその気持ち

真白ももあ :でも切るならここで切りたいな~とはおもってる

時雨 :それなら切っちゃいましょ

明日葉 セイ :じゃあももあちゃんに!

真白ももあ :あいあい!じゃあ回想を切って奥義破りをするッス!

時雨 :回想なんて使わずに勝てるくらいでええんじゃ

"ヴルフ" :せっかくだし私も破り挑戦しようかな~ と思ったけどまた凪ったらやだしな

明日葉 セイ :じゃあ自分は桜華ちゃんに+1、時雨さん分は結局浮く感じかな

時雨 :出揃ったかな? †暁†さんは振る?

紅海月 :びびってんじゃあねえ!

紅海月 :わしは参加しない! ごめん

合馬桜華 :ええにゃで

明日葉 セイ :おけ!

紅海月 :桜華がでるなら

真白ももあ :ヴルちゃん大丈夫だよ~がんばろ~

紅海月 :感情投げる!

合馬桜華 :(なぜかウチが言う)

時雨 :感情修正は感情複数あってもラウンド1回ですよ

GM :高プロットは怪しいからね

"ヴルフ" :縄のときに3出してるから4は怖いんだよなあ

合馬桜華 :ああ、重ねられないのか、じゃあ店長の分いただいておきます

紅海月 :うす!+1!

明日葉 セイ :自分は保留ね。了解

GM :それでは各自判定をどうぞ。

合馬桜華 :SG+1>=7 (判定:見敵術) (SG+1@12#2>=7) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功

真白ももあ :あ、いや、一回の判定に複数重ねられるけど

紅海月 :たのんだぞ……みんな……

時雨 :いや、重ねるのはできる 主体側がラウンド1回

明日葉 セイ :2D6>=9 (判定:人脈) (2D6>=9) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

明日葉 セイ :!?

真白ももあ :一人が何回もはだめってこと!

紅海月 :セイ……

真白ももあ :まあ判定いきます

時雨 :2d6>=6 (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功

真白ももあ :2D6+3>=9 (判定:結界術) (2D6+3>=9) > 8[2,6]+3 > 11 > 成功

真白ももあ :はあはあ……

時雨 :荒れておるのお

明日葉 セイ :ダイス…………

GM :暴れるじゃん

紅海月 :元気だそーぜ!!!

明日葉 セイ :うおーーーーぶっとばす

サブGM :またヤバダイスが戻ってきた

GM :それでは奥義不発。

真白ももあ :よかったあ~~

GM :PC3の判定をどうぞ。

真白ももあ :はい!

真白ももあ :2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗

真白ももあ :は~~~????

時雨 :ももあさ~ん

真白ももあ :ここで縄入るの……おいしいとおもうから……

紅海月 :ももお~~~

GM :ナーギッギッギッギ(鳴き声)

真白ももあ :符……を……誰か……

真白ももあ :もっ……てたら……

真白ももあ :投げ……

紅海月 :【在庫切れ】

サブGM :ナギナギの実

時雨 :ももあさんに渡しちゃった♡

明日葉 セイ :抜け殻しかない……

真白ももあ :うそでしょ?????

ルベル・アウローラ :いいんだよ

紅海月 :しぐ無いのマジ?

真白ももあ :こんな忍具モリモリ太郎たちがいてゼロ!?

時雨 :渡したってももあさんに

ルベル・アウローラ :私のプレッシャーを前にそうなることは、恥ずかしいことじゃあないんだから

合馬桜華 :あれ、時雨さん取得分は……そうか肝心のももあさんが持ってるのか

紅海月 :なるほどお~~~

真白ももあ :その5つの忍具は全部兵糧かしぐぅ~!?

真白ももあ :なら仕方ない!凪です。

GM :続けてプロット5!

紅海月 :わしじゃよ

GM :宣言をどうぞ!

紅海月 :【接近戦攻撃】。対象はルベル。指定特技は《身体操術》。

GM :判定をどうぞ。

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

紅海月 :うし。

合馬桜華 :良い出目

時雨 :やれやれ~

ルベル・アウローラ :避けるよ

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《水術》 (2D6>=9) > 9[3,6] > 9 > 成功

紅海月 :????

時雨 :あららあ

ルベル・アウローラ :ふ、私を誰だと思っているんだい?

紅海月 :マジかよ……手番おわり。

ルベル・アウローラ :最新最高最強のルベル・アウローラさまだよ?

紅海月 :陰らせてやる~~~

GM :続けてプロット4!

"ヴルフ" :私だ

GM :どうぞぉ

"ヴルフ" :【時雨】、対象は……

"ヴルフ" :ルベル様と紅海月だな

紅海月 :わし!??!?!?!??!?

紅海月 :来いや!!!

ルベル・アウローラ :やれやれ、やんちゃだなあ

"ヴルフ" :SG#4>=5 (判定:砲術) (SG@12#4>=5) > 4[1,3] > 4 > ファンブル

ルベル・アウローラ :やんちゃだなあ

真白ももあ :ヴルちゃん……

合馬桜華 :た、たいちょー

"ヴルフ" :!?

紅海月 :まだ馴染んでないようだな

時雨 :ルベルさま格高すぎ

"ヴルフ" :う~む凪に引っ張られている……

GM :続けてプロット3!

時雨 :【災雷】をヴルちゃんに

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。ルベルとヴルフに。

紅海月 :雨が降る^~~~~

ルベル・アウローラ :ではまず奥義破りから。

紅海月 :破りません。

真白ももあ :破りません!

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《瞳術》 (2D6>=9) > 6[3,3] > 6 > 失敗

明日葉 セイ :や った

ルベル・アウローラ :それはどうかな?

合馬桜華 :いっけえー!

明日葉 セイ :ええー

真白ももあ :なにっ

時雨 :今逆凪か……?

合馬桜華 :なにっ

明日葉 セイ :やってよー

時雨 :なんだ!?

合馬桜華 :忍具か!?

ルベル・アウローラ :ふふ、これってファンブルだよね

紅海月 :そうじゃな。

時雨 :見るからにそうだぜ

真白ももあ :でも……命中判定じゃないのか!?

真白ももあ :獣を解放できるのは……!

紅海月 :そうじゃな。

GM :かみのちからでなかったことにします。

GM :なかったことになりました

紅海月 :神風おつかれさまです

明日葉 セイ :なむなむ

時雨 :あっじゃあこちらも判定しますね

GM :おっけー、どうぞ

時雨 :セイ君の修正はもう使ってたから……素振りかあ

GM :

GM :ちょっとまってね

時雨 :待ちます

ルベル・アウローラ :センヒの《殺意》を使って-1の修正を送るよ。

時雨 :愛してるぜえ

GM :どうぞ

真白ももあ :こっちからも修正おくって打ち消そうかとおもったが

時雨 :2d6>=6 (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功

真白ももあ :雨やだからいいや ふってるしね

時雨 :それぐらい込みで愛してるさ

紅海月 :雨乞い成功!

明日葉 セイ :雨だー!

真白ももあ :なんで雨ふるのーーーーー!!!!

時雨 :ヴルちゃんに射撃1点 そして悪天候に!

サブGM :成功しおって~

ルベル・アウローラ :やるじゃないか

真白ももあ :私の街透が……

紅海月 :よしよし

時雨 :いままで見逃してやっていたが

時雨 :異街のステージが表と同じでどこも平地だと思うなよ トップさんよお!

真白ももあ :えーんえん

GM :地形変更持たずに地形装備を持ってくるのは迂闊、これは実際その通り

GM :ヘヘ、次へ行くぜ。

ルベル・アウローラ :っと、その前に

ルベル・アウローラ :奥義が通ったため、生命点は10へ。

紅海月 :げんきいっぱいか?

真白ももあ :2削れて10ってなに?

真白ももあ :ヴルちゃんは「体術だけ残して三つ損傷……」と呟いていました 裏で ファンブルしたショックから立ち直れていないのかもしれませんね

明日葉 セイ :けずったぞーーー

紅海月 :えらいぞ

時雨 :このままうちのアタッカーに眠らせてもらうか

合馬桜華 :セイくんが偉大過ぎる

GM :ありがとうございます、次からは表で言いな元隊長!!

"ヴルフ" :普通に場所を勘違いしていたな

GM :それでは続いてプロット1!

合馬桜華 :【神槍】対象ヴルフ

合馬桜華 :踊りましょ

GM :では判定をどうぞ。

合馬桜華 :SG>=5 (判定:手裏剣術) (SG@12#2>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功

紅海月 :ナイス!

時雨 :これ縄あるから失敗じゃない?

紅海月 :あっ……

真白ももあ :だれがそんなひどいことを

合馬桜華 :失敗ですね、誰かさんの縄のおかげで(半ギレ)

サブGM :あっそうか、縄食らってた

時雨 :踊りましょ~

GM :ケヘヘ、まだまだ踊れるぜぇ~~

"ヴルフ" :何とか生き延びたな

合馬桜華 :札もらえれば倒せるかもですけど、どうします?

時雨 :ないない 次行きましょ

真白ももあ :ここで符が出てきたらぶちぎれるけど……

合馬桜華 :どうしますってか任せるしかないんだけど

真白ももあ :私の時ないっていわれたから……

明日葉 セイ :知っての通りない!

紅海月 :もももう使ったんじゃっけ

真白ももあ :あ!あたしのあるじゃん

真白ももあ :ん-ーー

紅海月 :まあでも切るタイミングは難しいよな

時雨 :難しいよね

真白ももあ :私は正直まだヴルフさんおとしたくないんだよなぁ……

GM :自分を勘定に入れ忘れるの、あるある

明日葉 セイ :ここは悩むのはわかる

紅海月 :そうなあ…

合馬桜華 :あいあい、感情もらわなかったウチのミスやなコレは

時雨 :ならここは無しでいいでしょう いこいこ

真白ももあ :ルベルちゃんに使う時だったら使ったんだけど!ごめんね!保留で!

明日葉 セイ :こっちもすまないね

真白ももあ :保留じゃない 使わないでいきます

紅海月 :っしゃあ! 次10ダメでたおす!

合馬桜華 :はーい

GM :それでは演出に移ります。


GM :===

ルベル・アウローラ :「あの子(わたし)の出番はまだ終わっちゃいない」

ルベル・アウローラ :炎が、青白く変化する。

ルベル・アウローラ :『アッサンブラージュ:山姫』その姿は、山ノ怪へと

ルベル・アウローラ :「良いぜ、まだ踊ろう、もっと踊ろう、ずっと、ずっと踊ろう!」

ルベル・アウローラ :歌に木の葉舞い、更にキレを増したダンスが襲い来る。

ルベル・アウローラ :再演の枠を超えたパフォーマンスが演者たちを打ち据えようと暴れ狂い――

真白ももあ :すべてのひとの『おわり』になることで孤独でなくなろうとしたセンヒ。

真白ももあ :それがすべてと『おなじ』になることは彼女の救いなのかもしれない。

真白ももあ :幸せなのかもしれない。でも、それでも、それでも!

真白ももあ :私は私のために、負けるわけにはいかない!

真白ももあ :ステージの上で踊るのならば、ステージの上に立つ他の人の邪魔にならないよう動きを気をつけることは必須だ。

真白ももあ :邪魔にならないように気をつけられるということは、何をすれば邪魔になるかも分かるという事。

真白ももあ :美しく舞いながら、センヒのダンスの前に立ちふさがる。十全に踊れないように。

真白ももあ :どうしてか、頭をよぎる。幼い頃からの記憶。

真白ももあ :小さい頃は身体が弱かった。

真白ももあ :ベッドの上から繰り返し見た映像の中のアイドルは輝いていて。

真白ももあ :今のアイドル。ちょっと前のアイドル。ずっと前のアイドル。

真白ももあ :たくさん見た。未来のアイドルを夢見て。

真白ももあ :中でも好きなのは花屋敷ミトだった。

真白ももあ :孤高で美しく、誰も寄せ付けないようでいて、それでいて目が離せない。

真白ももあ :ミトさんみたいなアイドルになりたいと、無邪気に思っていた。

真白ももあ :(でも、ミトさんの使命が欲しいって意味ではなかったよ!)

真白ももあ :

真白ももあ :大義名分がないといけないと思っていた。

真白ももあ :手術を受けることになった。

真白ももあ :成功すれば、みんなと同じような生活が送れるようになるとのことだった。

真白ももあ :それほど難しい手術ではなかったとはいえ、手術の前はやっぱり不安で、ミトさんの歌を聞いて紛らわせた。

真白ももあ :手術にはお金が必要だった。

真白ももあ :一生をかけても稼げないほどの莫大な金、というわけではなかったけど。

真白ももあ :ごく一般の家庭、そして娘が入退院を繰り返して貯蓄などほぼなかった背景もあり、父と母は親戚に頭を下げてお金を借りた。

真白ももあ :(事情が事情だし、返さなくていいって快く出してもらえたらしいけどね)

真白ももあ :

真白ももあ :手術は成功し、普通に暮らせるようになった私は思った。

真白ももあ :『アイドルになって、手術のお金を返したい!』

真白ももあ :――本当にお金を稼いで返したいのなら、アイドルなんかやるべきじゃない。

真白ももあ :本当は、ただ、私がアイドルになりたかっただけ。

真白ももあ :でも、そういう大義名分がないといけないと思っていたから、そう言ってオーディションを受けた。

真白ももあ :けど、徐々に感じるようになる。

真白ももあ :大義名分なんかある方が弱い。

真白ももあ :本当は、ただ自分がキラキラ輝いて、誰より愛されたいだけなのに。

真白ももあ :歌って踊って、喜んでもらえて嬉しいとか。救われたって言ってもらって、やってよかったなって思うとか。

真白ももあ :そういうのは後からついてくるものであって、世界平和のためにアイドルになることを目指すなんて気持ち悪い。

真白ももあ :初めは誰しも、ただやりたいから。輝きたいから。その想いがなければアイドルへの道など踏み出さなかったはずだ。

真白ももあ :綺麗な言葉の盾で身を隠さないと耐えられない人間より、むき出しのギラギラした気持ちだけで思い切り傷を受けられる人間の方が強い。

真白ももあ :だから、真っすぐに「やりたい」を貫ける明日葉セイは脅威だった。

真白ももあ :(味方になってほしかったけど……でも、向いてる方向は同じだから、ね)

真白ももあ :

真白ももあ :大義名分がある方が弱い……そう、思っていた。

真白ももあ :

真白ももあ :だから、人類の救済を本気で望む千十嵐リンネや、彼女の信じる『終わりの救い』を与えることで人々の役に立とうとするセンヒ、

真白ももあ :物語がある方が強いという理屈のもと、全てを受け入れ全てになり、全ての人を満たそうと囁き理屈で納得させようとする、

真白ももあ :宍戸れみふぁ及びルベル・アウローラよりは、私の方が強いだろうと。

真白ももあ :証明しなければならないと思った。

真白ももあ :ずっとむき出しのこの身で戦っていた私の方が、輝けるのだと。

真白ももあ :……でも。

真白ももあ :

真白ももあ :夢を見させられてしまった。

真白ももあ :

真白ももあ :存在しないはずの時間で。

真白ももあ :存在してはいけない想いを。

真白ももあ :誰よりもアイドルが好きな癖に――

真白ももあ :苦しみに寄り添って、温かく支えてあげられるなんて。綺麗ごとを本気で信じていて。

真白ももあ :その熱が、想いが、失われたのは、どれほどの絶望だったのか。

真白ももあ :それから救われる、唯一のチャンスがやってきたのに――

真白ももあ :何も知らない、無知で馬鹿な私の為に。

真白ももあ :みすみす手放して。

真白ももあ :私の力になろうとしてくれた。

真白ももあ :身を守るための嘘なんかじゃない。本心からの優しさに。

真白ももあ :どうしようもなく、救われてしまったから。

真白ももあ :

真白ももあ :初めて、思う。

真白ももあ :

真白ももあ :どうしようもなく輝いて、誰よりも輝いて、その結果のトップじゃなく。

真白ももあ :勝ちたい。

真白ももあ :勝って、救いたい。

真白ももあ :だって私は助けてもらった。

真白ももあ :ううん、そんな大義名分じゃなくて――

真白ももあ :好きな人を苦しみから解放するのは、自分であって欲しいから。

真白ももあ :アイドルとしては間違っているのかもしれないけれど。

真白ももあ :いつだって、自分のワガママを貫き通してきたのが、真白ももあだから!

真白ももあの秘密

あなたは比良坂機関から秘密の忍務を受けてここにいる。

先んじて異街へと潜入調査を行っていた対吸血鬼の忍び集団【魃】の副隊長ハム、

彼女により千十嵐リンネへの対抗手段である【ビリジアン・ブルース】という存在が明らかになった。

あなたの【本当の使命】は【ビリジアン・ブルース】を入手し、それを持ち帰ることだ。

あなたの秘密は奪われていた!が、こうして取り戻し、あるべき形へと戻った。

あなたの【本当の使命】は千十嵐リンネをアイドルとして打倒し、世界に平和を取り戻すことである。

真白ももあ :本当は間違っているのかもしれない。でも、今は、世界とか、人類とか、全部どうでもよくて。

真白ももあ :ただ勝ちたいから!ルベルの中のセンヒの力を、妨害する。誰も殴れないように。

ルベル・アウローラ :「"愛に障害は付き物”だもんなァ」

ルベル・アウローラ :「いいぜ、そうやってヒィちゃんたちを睨んでいろよ」

ルベル・アウローラ :「必要なもん、全部になってやるからよ」

真白ももあ :「私はそれでは満たされない。だから……ごめんね。あなた(あなたたち)の邪魔する」

ルベル・アウローラ :その姿が炎にぶれて。

ルベル・アウローラ :「ああ、実に、実にいい"歌詞"だね」

ルベル・アウローラ :「満たされない、それは本当かな?未知を前にして」

ルベル・アウローラ :「でも、ひとは未知への恐怖、それに対して虚勢を張ることで、こうやって力強く生きてきたんだ」

ルベル・アウローラ :「そうやって歌は育ってきた」

ルベル・アウローラ :「私は歌が好きだ」

ルベル・アウローラ :「だから、きみたちのすべてが愛おしい」

ルベル・アウローラ :「さあ、もっと、もっとだ」

ルベル・アウローラ :「次は、何を――?」

明日葉 セイ :そのやり取りをしっかりと視野には入れながら。

明日葉 セイ :「みんなーっ!」明日葉セイは、あくまで客席に向けて明るい声を上げる。

明日葉 セイ :渦巻く熱を、振り払うように。

明日葉 セイ :「おれは、世界で一番かわいいアイドル、目指してます! 知ってるよね!」

明日葉 セイ :轟くような声でレスポンスが返ってくる。大好きな時間。

明日葉 セイ :「それは絶対変わんない。おれは『かわいい』を絶対に捨てません。ただ」

明日葉 セイ :「ドラゴンボーン・フェス、ファイナルライブ。今ここで、特別に!」

明日葉 セイ :「解禁してあげる」

明日葉 セイ :「『かっこいい』」

明日葉 セイ :「だから言って! 『セイくんは誰よりも、かわいくてかっこいい、最高のアイドル』!」

明日葉 セイ :手で差し招いてからマイクを客席に。その声は、何よりも力になる。

明日葉 セイ :自分の在り方の何を変えるわけでもない。ずっとここにあったことだ。それは、みんな知ってくれている。

明日葉 セイ :やや遅れて、会場に響くコールに、満足げに手を振って。

明日葉 セイ :「じゃあ、見てて」

明日葉 セイ :ダンッ!

明日葉 セイ :長身を、ひらひらとした衣装をものともせず、連続で宙返り。

明日葉 セイ :マントのように、ドレスのように裾がなびき、広がり、華やかな曲線を描く。

明日葉 セイ :(ももあちゃん、チャンスをもらうね。そう、おれがなりたいのは、お姫様でも王子様でもなくて)

明日葉 セイ :(おれだから!)

明日葉 セイ :着地の勢いのまま、すらりと長い脚で鮮やかな回し蹴り……当てるためのものではない。

明日葉 セイ :センヒの攻撃が、踊りに限りなく近づけたものであったとすれば。

明日葉 セイ :その動きは、攻撃に限りなく近づけた舞踊。傷つけ合うためではなく、魅せるための武術。

明日葉 セイ :『殺陣』だ。

明日葉 セイ :ただしこのステージの上では、その軌跡は青い流星の形となり、弾け、砕け、彩り……。

明日葉 セイ :今まさに相対するふたりに雪崩かかり。

明日葉 セイ :そして、どこかあどけないかわいらしさはそのままの、最高の笑顔を照らし出した。

ルベル・アウローラ :それを、笑顔で――憧れに満ちた表情で受け止める。

ルベル・アウローラ :ルベル・アウローラは演者であり、観客でもある

ルベル・アウローラ :すべて、ここにある(いる)のだから

ルベル・アウローラ :「もっと、ずっと」

ルベル・アウローラ :「いちばん、ちかくで」

時雨 :降り注ぐ流星、ステージに跳ねるそれらに、連なるように。

時雨 :潜んでいた影が、飛び降りる。

時雨 :「落ちてきたの、流星群のように」

時雨 :「貴方のきらめく瞳、それをいちばん近くで」

時雨 :「落ちてきたの、桜吹雪のように」

時雨 :「貴方の照れた笑顔、それに触れるくらいに」

時雨 :「落ちてきたの、枯れて色づく木の葉みたいに」

時雨 :「貴方の体温が、遠くても感じ取りたくて」

時雨 :着地する。数々の星屑が、再び跳ねて舞台に舞う。

時雨 :「落ちてきたの、通り雨みたいに」

時雨 :「それはなにより突然で」

時雨 :ルベルの目の前。ぐいと立ち上がる。

時雨 :「落ちてきたの、白い雷みたいに」

時雨 :「それは痺れるくらい強烈で」

時雨 :その衝撃は、かの山姫がステージを突き破った光景をなぞる様に。

時雨 :「ねえ、落ちてきたの」

時雨 :「──落ちていたの、貴方との恋に」

時雨 :舞台の【契約】を従える。ブロックノイズが舞う。

時雨 :深い山のように、降りしきる雪のように。

時雨 :ルベルの瞳の奥の彼女のための舞台を、今になって。

時雨 :「──ずっとここにいればいい、なーんて」

時雨 :ステップを一つ踏み、再び距離を取った。

ルベル・アウローラ :♪――おちていたの、誰かとのひとときに

ルベル・アウローラ :♪――でもあなた、ずっとここにはいられない

ルベル・アウローラ :「大鍋に、閉じ込めてあげようワシリーサ」

ルベル・アウローラ :「あなたの大事な、角の生えた可愛いお人形の手の届かない場所に」

ルベル・アウローラ :「どう?今もそう?」

ルベル・アウローラ :「たったひとりの女の子のためだけに、ここに立っている?」

ルベル・アウローラ :「きみが、ひとになるために」

ルベル・アウローラ :「なにか新しいものを手に入れるためにそこに立っているのなら」

ルベル・アウローラ :「悲しくて、切なくて、たまらないけれど」

ルベル・アウローラ :「それは、それでいい」

ルベル・アウローラ :「でも、ただただ、そのために」

ルベル・アウローラ :「誰かのためだけに立っているのなら」

ルベル・アウローラ :「それは、ヒィちゃんより、その子の方が可愛くて」

ルベル・アウローラ :「お前になんか興味がないって」

ルベル・アウローラ :「そうだったら、ただただころしてやろうかって」

ルベル・アウローラ :「思っていたよ、さっきまでは、ちょっとね」

ルベル・アウローラ :「信じても良いのかい、それは、私を思って」

ルベル・アウローラ :「私のために、きみを削って」

ルベル・アウローラ :「ああ、もどかしい、今すぐきみを手に入れたいな」

ルベル・アウローラ :「そしたら、全部、わかっちゃうよね」

時雨 :首を振る。なんて難しいのだろう。

時雨 :歌が万能だの、音楽は世界共通だのと、どうして言えるのだろう。

時雨 :けれど、ルベルは、その難しさを、解くこと自体を放棄している。そう思う。

時雨 :「悪いですが、まだ、まだステージは始まったばかり」

時雨 :「アンコールの拍手も鳴らないうちに、ステージの評価を下すつもりですか?」

ルベル・アウローラ :「ふふ、ふふ、ふ」

時雨 :「わからせて、見せます」

ルベル・アウローラ :「そうだよ、そうしなきゃ」

時雨 :「ふふ」笑う。頬を伝うのは、溶けた雪か、汗だろうか。

ルベル・アウローラ :「実はね、私はここに歌を毀損しにきたんだから」

ルベル・アウローラ :「どんなに、胸を打つ切実な歌詞であっても、メロディであっても」

ルベル・アウローラ :「受け取る側に、用意がなければそれは届かない」

ルベル・アウローラ :「歌が届くためには、最適な状態ってものがいる」

ルベル・アウローラ :「それが、もどかしい」

ルベル・アウローラ :「私は、ここで到達する」

ルベル・アウローラ :「バベル以前の絶対言語によって歌われる、問答無用、凶悪無比、絶対暴力としての新たなる"歌"へ」

ルベル・アウローラ :「その歌は、誰の心にも届いて」

ルベル・アウローラ :「皆に感動を与え、すべてがこの"ルベル・アウローラ"へと感染するでしょう」

ルベル・アウローラ :宣告する。

ルベル・アウローラ :「抗って、ねじ伏せて、見せて、見せてよ」

ルベル・アウローラ :「歌が、踊りが、アイドルが」

ルベル・アウローラ :「本当に尊いものならば、世界を救えるならば」

ルベル・アウローラ :「"お前がそんなことをしなくてもいい"と……ここで、証明してみせてよ!」


GM :それでは、次のラウンドへ行くぜ!

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを5 に変更しました。

system :[ サブGM ] がダイスシンボルを4 に変更しました。

真白ももあ :ダイス隠してもろていいか?

GM :それではプロット前行動があればどうぞ

紅海月 :ありませぬ。プロOK。

真白ももあ :プロット前なしプロットOK!!

合馬桜華 :なし、OK

明日葉 セイ :なしOK!

時雨 :OK

"ヴルフ" :技縛りはせ……ぬ!

"ヴルフ" :プロットもOK

GM :ではいくぜ

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ "ヴルフ" ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(ももあ)

<プロット5>

(ヴルフ)

<プロット4>

(セイ、紅海月)

<プロット3>

(時雨)

<プロット2>

(桜華、ルベル)

GM :それではやってきましょう

GM :まずはプロット6、PC3!

真白ももあ :はい!

真白ももあ :え~~~~どうしよ……

紅海月 :ガトリングうつ?うつ?

真白ももあ :ガトリングはうつんだけど、

真白ももあ :ヴルフにうって手番来る前に倒すか

真白ももあ :ルベルちゃんにあてるか悩んでる

紅海月 :ヴルちゃん生命点あといくつだっけ 3?

合馬桜華 :

"ヴルフ" :1

真白ももあ :1だよね?

紅海月 :マジか

時雨 :同じだね♡

"ヴルフ" :このターンは生き延びたい

紅海月 :先にいっておくとわしもルベルねらいです

時雨 :丁寧な命乞いだ

真白ももあ :生き延びたら私にいいことありますか?

GM :妙な交渉をやめろぉ!

"ヴルフ" :ある 上手くいけば

真白ももあ :じゃあ信じましょう

真白ももあ :【対空千手砲】をルベルちゃんに!

真白ももあ :ふっていいかな!

GM :いいぞ

真白ももあ :2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功

真白ももあ :おし!

ルベル・アウローラ :縄だっけ?

紅海月 :掘削だね

真白ももあ :縄入ってない!

真白ももあ :あっそうそう

真白ももあ :縄じゃないね

ルベル・アウローラ :だよね、うん

真白ももあ :でも目標値は同じ!ごめん!

ルベル・アウローラ :避けるよ

真白ももあ :掘削術でよけてくだち!

ルベル・アウローラ :2d6>=8 《刀術》 (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功

紅海月 :回避宣言100%の女

真白ももあ :まだあと2回ある!

ルベル・アウローラ :まずは、1

紅海月 :そうじゃん(そうじゃん)

時雨 :そうだそうだ!【対空千手砲】の効果!

ルベル・アウローラ :2d6>=8 《刀術》 (2D6>=8) > 11[5,6] > 11 > 成功

ルベル・アウローラ :2d6>=8 《刀術》 (2D6>=8) > 6[3,3] > 6 > 失敗

真白ももあ :ひゃっほーーーー!

ルベル・アウローラ :うーん

ルベル・アウローラ :それじゃあ1点入るよ。

真白ももあ :はい ペチ

ルベル・アウローラ :生命点は9へ。

時雨 :やったぜ! もう終わりだなあルベル・アウローラ!

時雨 :常人なら腕一本吹き飛ぶダメージ! 立ってられるはずがねえ!!

ルベル・アウローラ :腕いっぱいあるから大丈夫だよ

紅海月 :ひえ

真白ももあ :【みんな】ってそういう?

時雨 :ひっ、ヒィ~~~~!?

明日葉 セイ :こっちだって千手あるやい

GM :それではプロット5、ヴルフ。

GM :宣言を!

サブGM :頼むぞ……

真白ももあ :ついついしてきた

"ヴルフ" :奥義を使用します。

紅海月 :エ!!!

真白ももあ :なにっ!何加忍法なんだ!?

紅海月 :つい……つい……

時雨 :奥義だと!??!?

GM :ンニィ~~~???

"ヴルフ" :《ディメンション・ストリング》、指定特技は縄術

"ヴルフ" :効果は……追加忍法!

真白ももあ :し っ て た

明日葉 セイ :きたきたーー

紅海月 :つ、追加忍法じゃと~~~~~!?

真白ももあ :終わったらセラピーにいこうね

合馬桜華 :追加忍法からは足を洗ったんじゃないんですか!?

時雨 :なんでそんな奥義を……

GM :完治したって言ってたじゃない!!

"ヴルフ" :使用する忍法は【残光】!

"ヴルフ" :対象は……ルベル様!

"ヴルフ" :F値的に特に意味はないが回想を使用します!

"ヴルフ" :振り……ます!

GM :振りな!!

"ヴルフ" :SG#5+3>=6 (判定:走法) (SG+3@12#5>=6) > 9[3,6]+3 > 12 > 成功

真白ももあ :やった~~~~!!!!!!

紅海月 :ナイスゥ~~~~~!!

明日葉 セイ :ナイスくん!

"ヴルフ" :追加忍法なので回避は指定特技扱いです

GM :ぬおーー

"ヴルフ" :なので縄術

ルベル・アウローラ :もー

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《水術》 (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

紅海月 :加減しろや!!!!!!!!!!!

真白ももあ :遁甲符

ルベル・アウローラ :ごめんね、最強で

真白ももあ :ふりなおしてくーださい

ルベル・アウローラ :しょうがないなー

時雨 :振り直しをくらえ~!

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《水術》 (2D6>=9) > 6[1,5] > 6 > 失敗

ルベル・アウローラ :あらら

真白ももあ :やった~~~~!!!!!

紅海月 :ヨカッタ……

"ヴルフ" :ウオ~ッ

system :[ 真白ももあ! ] 忍具 : 2 → 1

明日葉 セイ :ナイス符!!!!

時雨 :グッド!

"ヴルフ" :残光の効果によってサポート忍法を一つ未修得にします

ルベル・アウローラ :えー、なになに

ルベル・アウローラ :んー、じゃあ夜雀かなー

ルベル・アウローラ :そうしなよー

ルベル・アウローラ :それがいいよー

"ヴルフ" :【獣の解放】かな~やっぱり

ルベル・アウローラ :こらこらー

紅海月 :ありがとお;;

ルベル・アウローラ :しょうがないなあ

ルベル・アウローラ :【獣の解放】が未習得扱いに。

GM :続いてプロット4!

GM :セイ>暁の順に宣言をどうぞ

明日葉 セイ :はい!

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はルベルとヴルフ。

紅海月 :【土竜吼】。対象はルベル。指定特技は《掘削術》。

ルベル・アウローラ :奥義、破るよー

"ヴルフ" :破りたいが、まず見切りをしていないのだな

ルベル・アウローラ :うーん、ここが使いどきかなー

真白ももあ :なにをする気だ……!?

紅海月 :なんじゃ…

ルベル・アウローラ :奥義破りに【回想】を乗せるよ。

明日葉 セイ :キー

ルベル・アウローラ :とりあえず判定するね。

"ヴルフ" :見切るだけ見切るか

ルベル・アウローラ :2d6+3>=9 《瞳術》 (2D6+3>=9) > 7[2,5]+3 > 10 > 成功

ルベル・アウローラ :大正解~

時雨 :流石ルベル様ね

明日葉 セイ :おのれのれー

紅海月 :うめえなあ

"ヴルフ" :と思ったが絶対無理だなこれ?

時雨 :貴様ら原人とはレベルが違うんでゲス

"ヴルフ" :まあ宣言したから振ろう

真白ももあ :スペったらワンチャン

時雨 :スぺ狙いで振るがいいでゲス

合馬桜華 :失うものはないという事を賭け金に賭けしましょう

"ヴルフ" :SG#5>=14 (判定:走法) (SG@12#5>=14) > 5[1,4] > 5 > ファンブル

明日葉 セイ :あっ

真白ももあ :おもろ

"ヴルフ" :ふっ

紅海月 :おつかれ~

"ヴルフ" :さっきので乏しい運を使い果たしたな

ルベル・アウローラ :私のちからで私に逆らうからだよー

時雨 :ミグシボは……まだ死んでねえ!

GM :では†暁†さんも判定をどうぞ。

紅海月 :ざつだんのしつもんがあるのですが

紅海月 :縄食い込み引き継ぎにかんして

時雨 :センヒちゃんが【喘縄】受けてたことについてですね

時雨 :その状態は引き継ぐの~?

GM :引き継がないよ!

紅海月 :おっけ~!

真白ももあ :そうだろうなとおもっていました

時雨 :許せねえな

紅海月 :わしがスペだせば解決なんじゃよね。

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功

真白ももあ :あらためてルベルちゃんをえっちに緊縛するからね……

紅海月 :オラ!!!

紅海月 :掘削で回避せよ!!!

GM :ルベルは眷属の情報を持った新NPC扱いだからね!

紅海月 :なるほどなあ

ルベル・アウローラ :2d6>=8 《刀術》 (2D6>=8) > 8[2,6] > 8 > 成功

ルベル・アウローラ :うん、ま、こんなものかな

紅海月 :なんじゃよもう~~~~~~~~><

時雨 :出目良すぎるよ!

紅海月 :手番おわり。

合馬桜華 :まぁ何もかも近いものな……

時雨 :じゃプロ3?

GM :イエス、続いてプロット3

時雨 :【陽炎】【災雷】をルベルちゃんに。

GM :どうぞ

時雨 :で、【陽炎】用の特技が死んでいるので 先に兵糧丸食べるね 器術回復

system :[ 時雨 ] 器術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 忍具 : 5 → 4

紅海月 :おいしいね

真白ももあ :やっぱりもってる たんとおたべ……

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

ルベル・アウローラ :避けるね

時雨 :成功! 【陽炎】と【災雷】の悪天候時の効果を合わせて回避には-4だよ 《召喚術》

紅海月 :エグすぎ

ルベル・アウローラ :2d6-4>=5 《召喚術》 (2D6-4>=5) > 3[1,2]-4 > -1 > 失敗

ルベル・アウローラ :うーん

時雨 :あと1低ければファンブルだったのに~

真白ももあ :-1ってでるんだ

時雨 :ともあれ何も無ければ射撃接近1ずつどうぞ

ルベル・アウローラ :じゃあ-2。生命点は7だよ。

GM :続いてプロット2!

GM :桜華さんは雪蟲の効果で命中と回避に-1の修正がついています。

紅海月 :あと肉薄修正(小声)

時雨 :【残光】喰らってたから残り6じゃない?という指摘が

GM :あ、そうだったね

GM :サポート忍法に夢中になってた

サブGM :あっそうか、一応あれ攻撃力もあるんだ

サブGM :自分で忘れてた

真白ももあ :使った側も……

GM :おさらい肉薄修正!

GM :これは同プロットの相手からの攻撃に対するリアクションに、-1の回避修正がつくよ!

真白ももあ :じゃあ次は桜華ちゃんの宣言かな?

GM :イエス、宣言をどうぞ。

合馬桜華 :【接近戦攻撃】、対象ルベル

明日葉 セイ :感情修正いりますか!

合馬桜華 :どっちかというとこの後の攻撃の回避に欲しい

明日葉 セイ :りょ!

ルベル・アウローラ :それじゃあこっちは、どうしよっかなぁ

真白ももあ :ひなたぼっこしておわりにしない?

紅海月 :ぽかぽかじゃぜ

ルベル・アウローラ :まあ全員射程のほうがいいよね

ルベル・アウローラ :【流星雨】を使用するよ。

紅海月 :コストたりる?

ルベル・アウローラ :あ、足りてない!

時雨 :ルベルちゃん……あの……

時雨 :れみふぁちゃんの要素が出てるね……

紅海月 :れみ………

紅海月 :店番……

明日葉 セイ :れみちゃん……

真白ももあ :接近戦攻撃しか出せないんじゃないのぉ~?

ルベル・アウローラ :じゃあ迷ってた方にしよっか

真白ももあ :なにっ

サブGM :店いま空っぽなんでしょうね

ルベル・アウローラ :奥義を使用するよ。

紅海月 :ああん!?

合馬桜華 :店を人質は笑う

ルベル・アウローラ :『アッサンブラージュ:千十嵐リンネ』。効果は《範囲攻撃》だよ、指定特技は《詐術》

紅海月 :しょ……初見?

真白ももあ :な、なにぃ!

ルベル・アウローラ :ももあに届かないのは残念だな―

明日葉 セイ :なんだと……

時雨 :なんでそんなことするんじゃ

ルベル・アウローラ :目標はPC1,2,4,5

ルベル・アウローラ :もちろんこの奥義は今が初披露だよ。

紅海月 :なすすべがないぜ。

GM :それでは桜華さんの判定からやっていきましょうか

時雨 :クライマックスで初見範囲2発とかマジ?

合馬桜華 :やっぱ感情もらっていいです?

明日葉 セイ :感情修正どうぞ! +1

GM :脅威度判定では、まあ適正を大幅には上回ってないしなんなら結構弱体化させているからな……

紅海月 :わしもあげちゃお

紅海月 :+1じゃ

合馬桜華 :ありがと!

合馬桜華 :SG+1>=5 (判定:言霊術) (SG+1@12#2>=5) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功

合馬桜華 :補正込みで成功、こっちも肉薄はありますよね、回避ー1です

ルベル・アウローラ :2d6-1>=7 《瞳術》 (2D6-1>=7) > 6[3,3]-1 > 5 > 失敗

真白ももあ :やった~~~!!!

ルベル・アウローラ :うーん

紅海月 :肉薄きいたぜ。

明日葉 セイ :うおー

合馬桜華 :言ってみるもんだ、接近1点です

ルベル・アウローラ :それじゃあ削れて残りの生命点は5。

GM :そして各自範囲攻撃分を削ってください。

時雨 :兵糧丸一個食べる! そして妖術だけ残します

system :[ 時雨 ] 器術 : 1 → 0

system :[ 時雨 ] 忍具 : 4 → 3

明日葉 セイ :忍術と体術を削ります……

合馬桜華 :器術忍術で

system :[ 明日葉セイ ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 明日葉セイ ] 体術 : 1 → 0

紅海月 :ライフで受ける! 器術と戦術が落ちる。

system :[ 合馬桜華  ] 器術 : 1 → 0

system :[ 合馬桜華  ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 器術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 戦術 : 1 → 0

GM :それではやっていくぜ、演出の方をよ!


GM :===

GM :ルベル・アウローラの宣告がステージに響き渡る。

GM :新しい歌を聞かせてやると。

GM :それは、お前たちすべてを幸せにするものであり、また既存の歌の価値を貶めるものだと。

GM :不安と興奮が観客席を包み込む。

ルベル・アウローラ :「あたらしいものが、観たいでしょう?」

GM :たとえその先が、ある種の破滅であっても。

GM :そうだ!と返す観客たち。

GM :困惑で返す観客たち。

GM :それにまじり、返答のひとつとして――壇上。

サブGM :輝く星が流れ、雷が白く光る。

"ヴルフ" :ステージの術式は、縄の呪を通して先ほどすでに受けている。

"ヴルフ" :そして当然、直にこの身で受ける分、衝撃はそれより一層強い。

"ヴルフ" :身を穿つこの舞いが、体を毀つこの唄が。

"ヴルフ" :それが、こんなにも──

"ヴルフ" :こんなにも、心を躍らせるとは!

"ヴルフ" :照明の中、光を浴びて、静かに唄いだす。

"ヴルフ" :『暗い、暗い、夜のなか』

"ヴルフ" :『長い、長い、道のりを』

"ヴルフ" :『歩み、歩み、歩み来た』

"ヴルフ" :静かに響くその唄が、次第に力を帯びてゆく。

"ヴルフ" :『初めて聴いたあの歌が』

"ヴルフ" :『私を前へと連れてゆく』

"ヴルフ" :『暗い幾夜を越えたのは』

"ヴルフ" :『きっと此日の為だろう』

"ヴルフ" :忍びとして、"魃"として、眷属として、警備主任として。

"ヴルフ" :"縄のヴルフ"としての生は、虚ろではあったが、無為ではなかったらしい。

"ヴルフ" :──しかし、それがどうしたのか?

"ヴルフ" :男は笑う。

"ヴルフ" :忍びとしての在り方も、眷属としての在り方も──

"ヴルフ" :"魃"としての責務も、警備主任としての責務も、いまや思い返そうとは思わない。

"ヴルフ" :"価値のある死"も、"勝利ではなくとも敗北ではない生"も、知ったことではない。

"ヴルフ" :人類の命運も、"アウローラ"の結末も、ビリジアン・ブルースの行方も。

"ヴルフ" :ばかりかフェスの勝敗さえ、今は頭にない!

"ヴルフ" :「今」

"ヴルフ" :この瞬間。

"ヴルフ" :借り物の姿と借り物の立場。

"ヴルフ" :恥も知らず、身の程も知らぬ、愚かな男は──

"ヴルフ" :それでも、ステージの上で、輝くように笑っている。

"ヴルフ" :「私は立っている」

"ヴルフ" :「私は唄っている」

"ヴルフ" :「私は、ここにいる」

"ヴルフ" :ならば──

"ヴルフ" :想い回《めぐ》らすことなど、何もない!

"縄のヴルフ"の秘密

あなたは心から千十嵐リンネを信奉し、崇拝している。

あなたが千十嵐リンネの眷族となったのは、命惜しさからの服従でもなければ、敵に近づくための苦肉の策でもない。

異街を訪れる前のあなたは、心のどこかに満たされぬものを抱いていた。

忍びとしての血塗れた戦いも、"魃"の隊長としての名誉も、──そしてその隊員たちと過ごす日常も、あなたの渇きを癒すに足るものではなかった。

そんなあなたを変えたのが、千十嵐リンネとの出会いだった。

彼女は、あなたの人生の中心にあったその空虚さを埋めてくれた。それゆえに、あなたは彼女に心酔し、これまでのキャリアの全てを捨ててその眷族となったのだ。

しかし、その信仰心は必ずしも"忠誠"とイコールではない。

いまや満たされることを知ったあなたは、たとえ崇敬する主に背いてでも、己の人生を最良のものとすることを心に決めたのである。


あなたの本当の使命は【己の心に従うこと】である。

"ヴルフ" :その手が金の糸となって解け──

"ヴルフ" :風とともに、ルベルの身体を包む。

"ヴルフ" :収斂する"眷属"のその糸は、しかし彼女の姿を飾らない。

"ヴルフ" :糸編み込めば布となり、布を解けば糸となる。

"ヴルフ" :彼女の"衣装"へ触れたその金糸は──

"ヴルフ" :その中に内包された"眷属"の一部を、糸として解いた。

"ヴルフ" :そして。

"ヴルフ" :縄を解けば紐となり、紐を解けば糸となる。

"ヴルフ" :糸あざなえば紐となり、紐あざなえば縄となる。

"ヴルフ" :解けた金糸が再び戻り、元通りの手を形作る。

"ヴルフ" :『つぎはぎの歌を唄おう』

"ヴルフ" :『例え音が外れていても』

"ヴルフ" :『馬鹿らしい歌を唄おう』

"ヴルフ" :『たとえ皆に笑われても』

"ヴルフ" :『誰のためでもない歌を』

"ヴルフ" :『私のための歌を唄おう』

"ヴルフ" :アイドルにはあるまじき、自分ひとりのための歌を。

"ヴルフ" :光を浴びて唄う姿は、しかしたしかにアイドルだった。

ルベル・アウローラ :「ああ」

ルベル・アウローラ :「原初の歓喜、うぶごえの歌」

ルベル・アウローラ :「何よりも、シンプルで、力強く、わがままな」

ルベル・アウローラ :輝く糸に縫い留められて。

ルベル・アウローラ :「歌おう」

ルベル・アウローラ :「きみのための歌を」

ルベル・アウローラ :この場の皆が私を見ている。

ルベル・アウローラ :私も、皆を見ている。

ルベル・アウローラ :なんて素晴らしいのだろうか。

ルベル・アウローラ :続き、迫りくる青い流れ星。

ルベル・アウローラ :なんて美しいのだろう、もはや呪いは祝福へと昇華された。

ルベル・アウローラ :「私からも、おめでとうを」

ルベル・アウローラ :皆が、皆。

ルベル・アウローラ :己のために歌っているし、踊っている。

ルベル・アウローラ :誰かのために歌っているし、踊っている。

ルベル・アウローラ :その思いを受け止めて、あるいは託し壇上へ熱を注いでいる。

ルベル・アウローラ :宿願をはたし、たったひとりで踊り続けるRIN-NEは、アイドル足り得るのか。

ルベル・アウローラ :ファンと私の関係は、他人であるからこそ成り立っている。

ルベル・アウローラ :関わり、絆を紡ぐことで願いは願いで在れる。

ルベル・アウローラ :満たされ、完結してしまった世界からは憧れは生まれない。

ルベル・アウローラ :完成してしまったものは、先がない、憧れたり得ない。

千十嵐リンネ :『わかってる、わかっているよ兎さん』

千十嵐リンネ :――それでも私は……

灰色兎 :『そうか、それじゃあ今後俺たちは別々の道を行く、そういうことになるな』

ルベル・アウローラ :何故、いきものは歌い踊るのか。

ルベル・アウローラ :ヒトは勿論、鳥に、魚に、虫だって歌い、飾る。
それは求愛のためで、己の一部を未来へ継承させることが目的だ。

ルベル・アウローラ :何も生殖に限った話ではない。いのちと文化を両翼にあらゆる生物が未来を目指す、愛はそのための道具なのだ。

ルベル・アウローラ :何故、ひとは歌い踊るのか。

ルベル・アウローラ :誰かが、そこにいるかもしれないから。
誰かが、自分を見つけてくれるかも知れないから。

ルベル・アウローラ :わたしと、あなたが"そこ"にいるのかも知れないから。

ルベル・アウローラ :きっと、いずれ、すべていなくなってしまう。それでも言わずには――『ここにいるよ』と!愛は、そのための祈りなのだ。

ルベル・アウローラ :貝や珊瑚が歌うのを聴いたことがある?
木々や、土くれが踊るのは?

ルベル・アウローラ :ある星では、精神活動を伴った気象現象が生命体として君臨していた。それは春に歌い、夏に踊り、秋に吟じ、冬に眠る。

ルベル・アウローラ :ある星では、鉱石に似た樹木がその木の葉のざわめきを以って愛を歌っていた。それはとてもとても小さな声で、でも喜びに満ちていた。

ルベル・アウローラ :ある星では、ある種の完全性を獲得した生物がただ存在し続けていた。それは完全であるが故生殖を必要とせず、また歌を持たなかった。

ルベル・アウローラ :それは、歌えず、死ぬこともできずただ有り続けることに飽いて、誰かを欲しがった。
様々な宇宙を旅し、多くの歌と滅びを眺めてきた。

ルベル・アウローラ :ある時、ちっぽけな星にたどり着く。

ルベル・アウローラ :幼稚な生命が満ちていてひどく騒がしく、"彼女"はそこをいたく気に入った。

ルベル・アウローラ :"彼女"はその時間の多くを、地中の眠りの中で過ごした、遠くから聞こえる歌声たちは心地がよかった。

ルベル・アウローラ :たまに起きては、地上のいきものにちょっかいを出した。

ルベル・アウローラ :近くで聞く歌は、素晴らしかった。

ルベル・アウローラ :千十嵐リンネは、ケチな悪党のひとりに過ぎなかった。

ルベル・アウローラ :吸血鬼の血を与えられた彼女はそれなりに悪事を働き、それなりに被害を出して、やがて人々の手によって木の棺に封じ埋められた。

ルベル・アウローラ :長い時間が経つ。

ルベル・アウローラ :すくなくとも、ひとひとりの精神にとっては。

ルベル・アウローラ :ずっと、ずっと暗く静かな場所にあった。

ルベル・アウローラ :千十嵐リンネを封じた聖なる場所は、やがて取り壊されその上には劇場が建った。

ルベル・アウローラ :訪れた変化。

ルベル・アウローラ :繰り返し心に染み込ませた演目の数々、今でもそらで演れる。
無為なる日々に、一滴ずつ落とされる救い。

ルベル・アウローラ :やがて、たまらなくなった。

ルベル・アウローラ :『ここに、いる』
『ここに、いるの』
『私も、皆と歌いたい』

ルベル・アウローラ :その、小さな悲鳴が"彼女"へ届いた。

ルベル・アウローラ :「そうして、アウローラは千十嵐リンネと出会った」

ルベル・アウローラ :「単一生物にただ憑依するだけの存在であった"私"が、吸血鬼の能力と出会うことで」

ルベル・アウローラ :「"繁殖"と"歌"を手に入れた」

ルベル・アウローラ :「願ってやまなかった、不完全な存在になれた」

ルベル・アウローラ :「一方で千十嵐リンネは、届けたかった」

ルベル・アウローラ :「嬉しかったあの瞬間を」

ルベル・アウローラ :「今も、誰かがきっとひとりで震えている」

ルベル・アウローラ :「アウローラ(わたし)はこの地に満ちたい、千十嵐リンネ(わたし)は皆と歌いたい」

ルベル・アウローラ :「その果てに、ある種の破綻が待っているのだとしても」

ルベル・アウローラ :「憧れ、挑むことをやめられない――歪んだ願いが、私たちにとってのアイドルだから」

ルベル・アウローラ :その願いを携えて、ここに立っている。

千十嵐リンネの秘密

あなたの正体は【知的生命体の精神に寄生する、ウイルスによく似た宇宙生物】それに感染した吸血鬼である。

あなたは愛や感動といった感情を媒介に感染者を増やし、それを眷属化するという特殊な生態を獲得している。

あなたの目的は全人類を千十嵐リンネと言う名の幸福な病に感染させ救済することである。

眷属の感染段階は以下のものである。

フェーズ1:眷属の加護を得る、能力の増大

フェーズ2:ウイルスの親株である【千十嵐リンネ】との精神感応を得る

フェーズ3:眷属間での精神感応を得る

フェーズ4:存在が【千十嵐リンネ】そのものへと至る。


また、あなたは【エニグマ:竜誕祭呪秘一一四】を所持している。

ルベル・アウローラ :華麗なステップで流星をいなす。

ルベル・アウローラ :それはもう、見せてもらったよ。

ルベル・アウローラ :もっと、もっとをぶつけてくれないと!

ルベル・アウローラ :「今度は、私の歌を届けるね」

ルベル・アウローラ :『アッサンブラージュ:千十嵐リンネ』

ルベル・アウローラ :「お気に入りのナンバーを、届けるよ」

ルベル・アウローラ :メロディが、流れ出す。

厄介なオタク :「このイントロはッ!!!」

ルベル・アウローラ :ルベル・アウローラの身体から夜が染み出し、周囲を覆っていく。

ルベル・アウローラ :「千十嵐リンネで『♪ミッドナイト・ドア・ノッカー♪』」

ルベル・アウローラ :♪――とばりがおりる あかりもおちる

ルベル・アウローラ :♪――われらの時間がやってくる

ルベル・アウローラ :♪――通りの真中を 踏みしめて回るの
♪――わたしたち夜でしか踊れない

ルベル・アウローラ :♪――告げ口のカナリアも ほんとのあなたをしらないあいつらも 今は眠りについている

ルベル・アウローラ :♪――ノック・ノック・ノック
♪――レッスンしている時間はないよ 足を踏んでも構わないから

ルベル・アウローラ :♪――ねむりにおちる きもちがはやる
♪――われらの世界がやってきた

ルベル・アウローラ :♪――まちじゅうの 扉をノックして回るの
♪――わたしたち夜でしか笑えない

ルベル・アウローラ :♪――おいでよ あそぼうよ だれにも見せないあなたを連れ出してさ

ルベル・アウローラ :♪――ノック・ノック・ノック
♪――わたしそこへは入れない だからあなたが夜へとおいで

ルベル・アウローラ :♪――世界中 夢に踊り出すまでさ
♪――起きているのは きっとわたしたちだけだもの

ルベル・アウローラ :♪――紅い月がほんとを照らすよ
♪――まちじゅうの 心を叩いて回るの

ルベル・アウローラ :♪――夢うつつ まどろみに溶けて溢れ出た だれにも見せないあいつらをさらって
♪――明けない夜に 歌いあかすの

ルベル・アウローラ :千十嵐リンネの楽曲においては、代表作と言えるナンバーではない。

ルベル・アウローラ :新機軸、と評されたそれ。

ルベル・アウローラ :「私が目指す、絶対言語の楽曲は、全人魅到のウルトラポップな応援歌」

ルベル・アウローラ :「しかし、実際のところ」

ルベル・アウローラ :「私は、悲しい歌、独りよがりな歌が好きだ それは寄り添うためのものだからだ」

ルベル・アウローラ :「それもこれも、私が至る新世界には不要なものになるだろう」

ルベル・アウローラ :「自らで、それを破壊することになろうとはな」

ルベル・アウローラ :しかし、もう止まれない

ルベル・アウローラ :止まる気もない。踊り続ける。

ルベル・アウローラ :長い長い時を、異街のトップアイドルとして君臨してきた"王"の演目がアイドルたちをねじ伏せる。

ルベル・アウローラ :夜がざわめき、月が照らす、まんまる、真っ赤な。

ルベル・アウローラ :蝙蝠が踊り、狼の遠吠えがベースラインを刻む。

ルベル・アウローラ :ゴチックな町並みの石畳を真っ赤なヒールが噛み砕き、リズムを刻んでいく。

時雨 :雪舞う雲は切り裂かれる。血のような紅に照らされる。

時雨 :支配したはずの【契約】も無理やり飲み返されている。

時雨 :「それでも──」//ざあざあ//

時雨 :「私は、曇りを愛したい。隠され、隔たれていることを」

時雨 :「寂しさを、抱いていたい」ブロックノイズの雨が降る。

紅海月 :踏み出そうとした筈の足が、手が。

紅海月 :紅く染まる月を眼にした途端、ぴたりと止まる。

紅海月 :「(儂の)」

紅海月 :「(いちばん、好きな曲だ)」

紅海月 :ルベル・アウローラにして。千十嵐リンネが送る、愛の存在証明。

紅海月 :【契約】が、身を蝕む。

紅海月 :臓腑がひっくり返るような感触。獣のような悲鳴が口から出ようとするのを必死で堪えて。

紅海月 :しかし、笑う。

紅海月 :「やはり、よ」

紅海月 :「失くしちまうのは、惜しいよな」

明日葉 セイ :星をいなされ、月に照らされ、足が力を失う。

明日葉 セイ :勇ましいダンスが、鈍っていく。それでも。

明日葉 セイ :「……おれは、両方好き」

明日葉 セイ :「悲しい歌も、楽しい歌も。ポップスもロックも」

明日葉 セイ :「バラードもアップテンポなやつも、全部、全部」

明日葉 セイ :「レコードショップや配信でずらっと新曲が並んで、気分に合わせて替えて聴くの」

明日葉 セイ :「全部違う星の煌めきが好き!」両手を大きく広げ。

明日葉 セイ :「天の川、なんてひとまとめにしたって、やっぱりひとつひとつは光なんだよ、れみちゃん!」

ルベル・アウローラ :「ふふ、本当に欲張り」

ルベル・アウローラ :「一番星は、そうじゃなくっちゃね」

ルベル・アウローラ :「じゃあ、私が最後になるのはおっきく、真っ暗闇のブラック・ホールかな」

ルベル・アウローラ :「たくさんの星をぎゅぎゅっと詰めて、光も何もかも飲み込んで」

ルベル・アウローラ :「そのなかは、誰も見たことがないけど」

ルベル・アウローラ :「幸せが詰まっているよ」

ルベル・アウローラ :ついにお披露目となった千十嵐リンネの十八番。

ルベル・アウローラ :ステージを掌握し、並ぶもの無しとセンターに立つ。

ルベル・アウローラ :その、紅い月夜の光に。

合馬桜華 :光を受け、体が傾ぐ。

合馬桜華 :圧倒的な演出の暴力。 これが、リンネの唯一無二性なのだろう

合馬桜華 :(……だからこそ)

合馬桜華 :少し惜しい、と思ってしまう。 自らそれを手放すのだから

合馬桜華 :「もったいないな……」

合馬桜華 :異形の少女が軽くステップを踏み、空間をかける

ルベル・アウローラ :「足さばきで私と勝負に出る?」

ルベル・アウローラ :「いいよ、踊ろうか」

ルベル・アウローラ :リズムを穿つ。

ルベル・アウローラ :「リヴァーダンス、千十嵐リンネはこの演目が得意だった」

ルベル・アウローラ :タップダンスをベースに編み出された、アイリッシュの若く新しい演目。

ルベル・アウローラ :「文化を流れる大河に見立てた、いい名前だよね」

ルベル・アウローラ :「吸血鬼でも、その河は渡れる」

ルベル・アウローラ :「溺れずに、いられるかな?」

ルベル・アウローラ :「合馬桜華!誕生したての、この場で最も若いアイドルのひとり!」誘うように、弾み踊る。

合馬桜華 :テンポが弾ける、全を一とし一を全とする彼女とは、そもそも出力が違う

合馬桜華 :「そっか……はじめて知ったわ、千十嵐リンネのコト」

合馬桜華 :「ソレは得意だったやなくて、今も得意って言って良いんじゃないの」

ルベル・アウローラ :「今も得意だよ、でもそれはもう特別なことではなくなったんだ」

合馬桜華 :単純なフィジカルで、彼女のダンスには追い付けない、だから

ルベル・アウローラ :笑う。

ルベル・アウローラ :「あらゆる踊りが、私にとって最も得意」

ルベル・アウローラ :「そういう存在として、完成しつつあるの」

合馬桜華 :「存在が、完成する……完結する」

合馬桜華 :言葉を通して、その意味を削っていく

合馬桜華 :力を解き放った自身の身体を見る

合馬桜華 :好き放題できるのは後どれくらいか、彼女に付き合っていられるのか、わからない。

合馬桜華 :(たぶん、これが最後や)

合馬桜華 :「……全身全霊万能も悪くないけど、やっぱりウチは」

合馬桜華 :「星空の滅茶苦茶さの方が好きみたいだから」

合馬桜華 :「ウチが勝って、アンタには……誰でもない自分になってもらう」

合馬桜華 :「センヒを、賑やかな一人になんてさせるもんか」

合馬桜華 :声を出す度、詩を唄う度、空間に花弁が舞い世を歪める。

合馬桜華 :この力を与えた女に対して、桜華は立ち向かう以上にできる恩返し(フクシュウ)を知らない。

GM :魔の領分。呪いとは、絆と縁のちから。

GM :何よりも深く忌まわしい、あるいは祝福された"血”を辿って――

ルベル・アウローラ :「ッ―――」

ルベル・アウローラ :弾けた脚は、瞬時に新たなかたちを取る。

ルベル・アウローラ :見た目の上では新品同様。しかし、そのちからは確実に削がれつつある。

ルベル・アウローラ :「いいね、きみどんどん可愛くなってってるよ」

ルベル・アウローラ :「みんなも、どんどん素敵になっていってる」

ルベル・アウローラ :「絶体絶命かもね」

ルベル・アウローラ :だが、ルベル・アウローラはそれこそを望んでいる。


GM :===

GM :それでは改めて、いくぜ次ラウンド!

合馬桜華 :OK、プロット前はないです

時雨 :プロットOK

真白ももあ :プロット前なしプロットOK!!

紅海月 :プロおk

明日葉 セイ :OK宣言なし

"ヴルフ" :OK、縛らん

GM :それではいくぜ

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 紅海月 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ "ヴルフ" ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 合馬桜華  ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

○戦場:悪天候

<プロット5>

(ももあ、ルベル、ヴルフ)

<プロット4>

(時雨、セイ、紅海月)

<プロット1>

(桜華)

GM :それではプロット5から。

GM :PC3、宣言をどうぞ!

真白ももあ :はい!【喘縄】をルベルちゃんに!

ルベル・アウローラ :ここへ私の、みんなの願いを叶えに来たんだよ。

合馬桜華 :多分みんな縄なんで決まらないのって思ってるから甘んじて受けて

ルベル・アウローラ :奥義、『アッサンブラージュ:花屋敷ミト』、効果は【クリティカルヒット】、指定特技は《鳥獣術》。対象は真白ももあ。

真白ももあ :やめろや!!!

紅海月 :初見につき破り不可じゃあ…

真白ももあ :いぃ~!?じゃあ情報いってるのは時雨とセイちゃんかな!?

真白ももあ :奥義やぶるけどかなり遠かったはず!

時雨 :《鳥獣術》は7

明日葉 セイ :破りたいですね。9で回想切ると6になるよ

真白ももあ :9ですね……!

時雨 :破りますよ 修正を貰っておきたいところ

真白ももあ :しぐに修正渡す~~!!

真白ももあ :+1!

明日葉 セイ :こっちはどうしよう、修正

明日葉 セイ :余裕ありそうだったら誰かもらえると回想込みで安定しますが

合馬桜華 :セイくんそこまでしなくても、ももあさん最悪防御あるから

時雨 :あったほうが盤石ではあるけど

紅海月 :セイちゃんに今わたすか

紅海月 :桜華の神槍にプラスあげるかでまような

明日葉 セイ :いや、あのね、ちょっとやりたいことがあるの

合馬桜華 :自分のリソース大事にした方が、こっちから感情は投げられるから

合馬桜華 :なるほど>やりたいこと

サブGM :そういえば感情結んでない二人も戦闘にこそ出てないけどシーンには出てたけど

真白ももあ :回想を切りたいときにきるのが一番いいとされている

時雨 :回想やりたいんなら止めねえ~

サブGM :これは奥義情報はなし?

GM :なしなし

紅海月 :あいわかった

サブGM :了解です了解です

明日葉 セイ :じゃあ、修正はいいや。これを使わせてください!

明日葉 セイ :【プライズ:愛しき草原】の効果を使用します。

真白ももあ :おっ

紅海月 :出た!

合馬桜華 :うん?

明日葉 セイ :GMが貼った方がいいかな?

GM :おうらい。

時雨 :おっ コイン

GM :回想時に自分で貼ってもいいよ!

真白ももあ :何の効果があるんだ……!

紅海月 :あっいいですねそれ

明日葉 セイ :じゃあそうします。効果は【回想】

明日葉 セイ :+3修正いただきます

真白ももあ :えーそうなんだ!

時雨 :へー!

明日葉 セイ :あと8だったわ。5になる!

紅海月 :実質もう成功だぜ~~~!

真白ももあ :フラグたてないで!

明日葉 セイ :やめてきんちょうする

合馬桜華 :がんばれー

真白ももあ :では奥義破りに挑戦するのはももあ・時雨・セイ、私がしぐに修正+1,セイちゃんがプライズ効果で+3。かな?

紅海月 :ですね。

時雨 :あい

明日葉 セイ :はい

真白ももあ :奥義破りの挑戦って今だっけ?

GM :ヴルっちの宣言先かな

"ヴルフ" :【時雨】、対象はルベル様と真白ももあ。

真白ももあ :おい!!!!!!!

真白ももあ :さっきのラウンドであんなに情けをかけたのに!?!?

紅海月 :生きて……

"ヴルフ" :それにはもう報いたが……

GM :ルベル様狙ってるだけありがたく思わんかぃ!!

真白ももあ :アイテムまで使ってあげたのに……!30秒口きいてあげない!

"ヴルフ" :獣剥がしたし……

合馬桜華 :符の恩を時雨で返してる

GM :おうおう、それじゃあやってもらおうか。奥義破りをよう!

真白ももあ :やったるワイ!

時雨 :いくぞー!

明日葉 セイ :うおー

GM :というわけで宣言者は判定どうぞ

時雨 :2d6>=6 (2D6>=6) > 4[2,2] > 4 > 失敗

時雨 :逆凪!

明日葉 セイ :2D6+3>=8 (判定:意気) (2D6+3>=8) > 4[2,2]+3 > 7 > 失敗

真白ももあ :2D6>=9 (判定:生存術) (2D6>=9) > 4[2,2] > 4 > 失敗

GM :おやおや

明日葉 セイ :えっ

紅海月 :オイオイオイ

真白ももあ :うそじゃん

サブGM :オイオイオイ

時雨 :遁甲符はもう使っちゃったしね

紅海月 :み、ミウちゃんの皮……(小声)

花屋敷ミト :私の執念が勝ったわね

明日葉 セイ :んんんんんんん

サブGM :あっそうか皮あるのか

合馬桜華 :一応ももあさんもプライズあるよとだけ

GM :そうそう、ももプライズもある

真白ももあ :カワもあるよ!

明日葉 セイ :んんんんんんんん

合馬桜華 :セイくんはプライズまで切ったから

GM :ただプライズ切ったからには成功しておきたいというのもわかる

サブGM :まあその辺はやりたいこと優先で

GM :心情として

合馬桜華 :それもわかる

明日葉 セイ :ちょっとまってね

真白ももあ :遁甲符をセイくんに。

真白ももあ :振りなおしお願いします。

明日葉 セイ :……えっ

明日葉 セイ :ありがとうございます!!?

system :[ 真白ももあ! ] 忍具 : 1 → 0

明日葉 セイ :2D6+3>=8 (判定:意気) (2D6+3>=8) > 10[5,5]+3 > 13 > 成功

GM :じゃあ、やりな!

明日葉 セイ :しゃーーー

紅海月 :ナイス~~~~~~~~

時雨 :グッドグッド

明日葉 セイ :感謝! いろいろありがと!

花屋敷ミト :おのれ……潰すわ、ゆらゆらを!

紅海月 :なんでじゃ!

GM :では続いて縄を振りな!

真白ももあ :ふるっす!

真白ももあ :2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功

真白ももあ :やっとね!

明日葉 セイ :うおー

紅海月 :最高のアイドル

GM :成功するな!

GM :ではヴルっちお願い

"ヴルフ" :よし

"ヴルフ" :SG#5>=5 (判定:砲術) (SG@12#5>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功

真白ももあ :成功すな

"ヴルフ" :危なかったが成功

時雨 :ももあさんの回避に感情修正+1しておきましょうね

真白ももあ :ありがと~~~!!!

真白ももあ :じゃあヴルフっちのやつの回避ふるね!

ルベル・アウローラ :ちょっと遠いな……

真白ももあ :2D6+1>=7 (判定:生存術) (2D6+1>=7) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功

真白ももあ :うおー!友情パワー回避!

紅海月 :えらい

真白ももあ :F値1上昇みたいなのがあった気がするが問題ないね

ルベル・アウローラ :2d6-1>=8 《生存術》 (2D6-1>=8) > 7[3,4]-1 > 6 > 失敗

ルベル・アウローラ :うーん

真白ももあ :これは逆凪じゃな~い~?

紅海月 :そのうんうんいうのをやめなさ~い

ルベル・アウローラ :逆凪ではないよー

真白ももあ :そっか1上昇ならまだセーフか

真白ももあ :6にいる気分だった

紅海月 :待ちな!

真白ももあ :なにっ

時雨 :エ?

合馬桜華 :うん?

明日葉 セイ :なになに

紅海月 :……なんでもないぜ!

紅海月 :勘違いでした

ルベル・アウローラ :そっか

明日葉 セイ :なあんだ

"ヴルフ" :分かる分かる

時雨 :ふう、ひやひやさせやがって

真白ももあ :一息つけてよかった

"ヴルフ" :私も今勘違いしかけたのでな

GM :ええと、これで1点かな

サブGM :そうですね1点

ルベル・アウローラ :生命点は残り4。

GM :続いてプロット4!

GM :セイ>暁>時雨の順で宣言をどうぞ。

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。ルベルとヴルフに。

紅海月 :【接近戦攻撃】。対象はルベル。指定特技は《身体操術》。

時雨 :逆凪中につきパスだよ チャオ☆

ルベル・アウローラ :やだなー、破るよ。

ルベル・アウローラ :ヴルフは?

"ヴルフ" :見切りに失敗しておりますので……

ルベル・アウローラ :こいつぅ

合馬桜華 :そういえばそうでしたね……

"ヴルフ" :見切りもせん 凪りそうなので

真白ももあ :凪ったところでルベルちゃんが破れなければ死ぬだけじゃない?

紅海月 :ルベルの破りにヴルちゃんのいのちがかかっている

時雨 :ヴルちゃん……

合馬桜華 :他人のダイスで生き死にが決まるって怖いな……

"ヴルフ" :それは見切ったところで同じなのでな……

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《瞳術》 (2D6>=9) > 10[4,6] > 10 > 成功

明日葉 セイ :うそーー

紅海月 :ホホホホ……

真白ももあ :成功すな~~~!!

ルベル・アウローラ :まあ、ルベルさまってこと

時雨 :-1入れても成功だねえ

明日葉 セイ :命拾いしたな!

紅海月 :では……いいかな。

GM :どうぞ

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗

紅海月 :神通丸使う。

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 3 → 2

合馬桜華 :迷いが無い

真白ももあ :ゆらゆらパワー!

紅海月 :2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

紅海月 :うし。

明日葉 セイ :やた!

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《水術》 (2D6>=9) > 4[1,3] > 4 > 失敗

紅海月 :よし。

ルベル・アウローラ :うわーん

合馬桜華 :よし!

紅海月 :ダメージ時。

時雨 :お!凪だ!

サブGM :あっついに!

紅海月 :回想を使用。

真白ももあ :おお!!

明日葉 セイ :いけーー

時雨 :【喘縄】も発動するね!

ルベル・アウローラ :流石にこれは使うよ

紅海月 :接近。2ダメージ……あん!?

真白ももあ :ダメージ時に回想をすると……接近戦攻撃1が追加になるというあの回想!?

ルベル・アウローラ :神通丸、降り直しだね。

紅海月 :奥義を使う。

時雨 :コイツ妖魔のくせに……

サブGM :まや……まや……

真白ももあ :紅海月さん~♡

ルベル・アウローラ :そんなぁ

明日葉 セイ :うおーー

ルベル・アウローラ :破る!破るぞ!!

紅海月 :【うるわしのきみ】。【追加忍法】は魔薬!

紅海月 :指定特技は兵糧術!

紅海月 :ふれい!

ルベル・アウローラ :2d6>=5 《兵糧術》 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

紅海月 :ぐっすん

真白ももあ :クーン

時雨 :うわあっまじか

ルベル・アウローラ :いえい☆

明日葉 セイ :気持ち切り替えてこ!

ルベル・アウローラ :では改めて

ルベル・アウローラ :2d6>=9 《水術》 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗

真白ももあ :まあ破れなくても特技的に危なかった可能性もある

紅海月 :やったぜ。

明日葉 セイ :あっ

真白ももあ :凪だねぇ

ルベル・アウローラ :えぇえ

時雨 :やったーー!!!

紅海月 :オラッ2ダメージ喰らえ!

サブGM :"運命"

時雨 :ダイス腐ってるか~!?

サブGM :あと縄

真白ももあ :縄もあるよ~♡

ルベル・アウローラ :縄込みで3点。

ルベル・アウローラ :残り1。

紅海月 :あっどうしょうかな……

紅海月 :ちょっとそうだん

真白ももあ :たしかに桜華ちゃんの神槍通ったら回想なしでもいけるね

紅海月 :おまたせい

紅海月 :忍具を切る。

ルベル・アウローラ :やる気だねえ

紅海月 :《忍細工》。ダメージ1点上乗せ可能。

紅海月 :接近3ダメと縄の

紅海月 :1ダメ……どうじゃ!

ルベル・アウローラ :うぅむ、仕方がない。

ルベル・アウローラ :最後の奥義を使用するよ。

紅海月 :なにぃ~~~!?

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 2 → 1

ルベル・アウローラ :『アッサンブラージュ:宍戸れみふぁ』、効果は【不死身】。指定特技は《生存術》

時雨 :不死身だ!!!

紅海月 :ふ、不死身~~~~~~~???

真白ももあ :ダレるから嫌いって言ってたじゃん!!!

真白ももあ :何故二回も!?

時雨 :読みを外させるためでしょ

ルベル・アウローラ :助けてダイスさまー

ルベル・アウローラ :1d6-1 (1D6-1) > 2[2]-1 > 1

紅海月 :ワハハ

ルベル・アウローラ :

真白ももあ :

明日葉 セイ :はーーー

時雨 :やったやん!回復してる!

紅海月 :死にはしないよね……?

ルベル・アウローラ :うん……そうなんだけど……

紅海月 :よかった~

GM :それでは引き続きルベルの生命点は1。

GM :プロットは1へ!

GM :PC5、宣言をどうぞ

合馬桜華 :【神槍】対象はルベル

合馬桜華 :セイくん感情もらえますか

紅海月 :感情修正を投げる。

明日葉 セイ :感情修正+1あげます

紅海月 :+1じゃ。

合馬桜華 :せんきう

合馬桜華 :何もなければ振ります

GM :振りな!

合馬桜華 :SG+2>=5 (判定:手裏剣術) (SG+2@12#2>=5) > 10[5,5]+2 > 12 > 成功

紅海月 :"最強"

明日葉 セイ :えらい!

真白ももあ :よしよし!!

合馬桜華 :一瞬ビビったが普通に成功だった

時雨 :グッド

ルベル・アウローラ :おのれぇ、魃ゥゥ

真白ももあ :回避もできないよねぇ!

紅海月 :そうか凪

ルベル・アウローラ :回避不能!落ちます!

真白ももあ :うおーーー!!!!!

合馬桜華 :ヨシ!

紅海月 :やった~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

真白ももあ :神にかった~~~~~~~~~~!!!!!!!!!

明日葉 セイ :うおーーーーーーーーーーー

時雨 :よっしゃ!

GM :それでは、やってくぜ、演出を。


GM :===

ルベル・アウローラ :「あの子(わたし)はきみのために、ここに来たんだよ」

ルベル・アウローラ :『アッサンブラージュ:花屋敷ミト』

ルベル・アウローラ :蝶が舞う。

ルベル・アウローラ :かつての青ざめたそれではなく、血の滴るような赤の蝶。

ルベル・アウローラ :「私ったら」

ルベル・アウローラ :「ほんと、負けず嫌いで、意地っ張り」

ルベル・アウローラ :「あなたをいただくわ、真白ももあ」

ルベル・アウローラ :「騙し討みたいなかたちじゃなくて、今度は正面からね」

ルベル・アウローラ :鱗粉が光を乱反射し、より凶悪さを増した簒奪の群れが真白ももあへと殺到する!

真白ももあ :「……!」自分ではどうにかできそうにない……!そもそも忍びとしての戦いなんて慣れてない!

真白ももあ :「……でも、やっぱり……憧れの人にここまで追いかけてきてもらえたのは……嬉しいですよ!」

真白ももあ :ぎゅっと目をつぶる。痛みが襲うのを覚悟する。

明日葉 セイ :「……それなら、ごめん」声。

明日葉 セイ :「おれが、止めるから」

明日葉 セイ :歌声が、響く。流星が蝶の色を染めていく。

明日葉 セイ :紅い翅が、光を映して、蒼く。

明日葉 セイ :蝶の勢いを殺していく。

ルベル・アウローラ :「明日葉セイ……あなた、本当に強くなったわね」

明日葉 セイ :「……ありがとうございます」

明日葉 セイ :(……花屋敷ミトさん。懐かしいな。昔のライブ映像を見たこと、あった)

ルベル・アウローラ :「でも、昨日今日強者に成り立ての貴方が」

ルベル・アウローラ :「この私の、積み上げたプライドとキャリアに」

ルベル・アウローラ :「立ち向かえるのかしら!」

明日葉 セイ :「だからこそ、です!」

ルベル・アウローラ :花屋敷ミトが舞う。その勢いが増すと同時に蝶たちもその勢いを吹き返し、

ルベル・アウローラ :じりじりと、青を削って――

明日葉 セイ :(……そう。あの時は)そんなつばぜり合いの中。思い出すのはなぜか、ひとりの女の子で。

明日葉 セイ :(隣に、いたんだ。一緒に)

明日葉 セイ :(今は、この人の奥にいるはずの)

明日葉 セイ :(……れみちゃん!)

明日葉 セイ :……本当は、何度だって諦めようとした。

明日葉 セイ :子供の頃、ただただ『かわいい』と持て囃されて舞台に立っていた時の幸福な記憶は、すぐに終わりを告げる。

明日葉 セイ :背が伸びるのは早かったし、成長に応じて周りは『かっこいい男の子』を求めてくる。

明日葉 セイ :それが嫌で、劇も辞めてしまった。一緒にいてくれたのは、幼馴染の彼女くらいで。

明日葉 セイ :(勝手だよね。女の子の役をやらせてたのも、止めさせたのも、みんななのにね)

明日葉 セイ :失った幸福と同じものを感じたのが、アイドル。それも、とびきりかわいい女の子の。

明日葉 セイ :彼女と並んで、目を輝かせて画面を見た。

明日葉 セイ :最新の人たちから、少し昔の人たち、親世代まで。

明日葉 セイ :自分もこうでなければならない、とすら思った。憧れで胸が苦しかった。

明日葉 セイ :苦しくて、苦しくて、いっそ、何もかも諦めてしまえば楽なのに、とも思った。

明日葉 セイ :ただ、隣の幼馴染は反対に、途中で立ちすくんでいるようにも見えた。

明日葉 セイ :(……ああ、それじゃあ、こうすれば)

明日葉 セイ :(おれは、諦められるのかも)

明日葉 セイ :(届かない星にいつまでも手を伸ばして、バカみたいにもがき続けることを)

明日葉 セイ :(ごめんね、れみちゃん。れみちゃんは届くといいと思う。これも本当だよ)

明日葉 セイ :(でも、少しだけ、おれは、ずるいことをします)

プライズ:愛しき草原

アイドルを愛するも、それを目指す勇気が持てないでいた幼きれみふぁに与えられたキラキラと光り輝く記憶のカケラ。

『自分の好きを分けてあげる』、そうしてれみふぁは一歩前に踏み出した。

今まで幾度となくれみふぁを支えてきたがいつまでも頼るわけにはいかない、本来の持ち主である明日葉セイにこれを返却し、もう自分ひとりのちからで歌い踊れるのだということを見せてやるのだ。


このプライズを所持する者は【アイドルに対する愛と情熱。踊り歌う勇気】がほんのちょっぴり湧いてくる。

またこのプライズの持ち主はこれを公開することにより【回想】を行うことが出来る。

宍戸れみふぁ :『そう言って、彼女はあなたに差し出した。緑色に輝くコインを。』

宍戸れみふぁ :『「きっと、今の店長にひつようなものだから、私なんかより」』

紅海月 :『コインの意味はもちろん知っている。』

紅海月 :『それが、宍戸れみふぁにとって、かけがえのない、価値あるものということを』

明日葉 セイ :紅海月から『帰ってきた』、一枚の緑色のコイン。

明日葉 セイ :それは、確かに自分が昔彼女に渡したものだった。

明日葉 セイ :『おれの好きを分けてあげる』

明日葉 セイ :それは、本当の善意だけからのものではなかった、と思う。

明日葉 セイ :他人に熱を分けてしまえば、自分は少し楽になれるのではないか、と。

明日葉 セイ :そうして、宍戸れみふぁは笑顔で夢に飛び立った。

明日葉 セイ :明日葉セイは。

明日葉 セイ :……諦めきれなかった。いつまでも。

明日葉 セイ :いつまでも、いつまでも。何が欠けても、溢れ返る熱が、前に進めと叫んで止まなかった。

明日葉 セイ :交わした小さな約束が、それを後押しする。

明日葉 セイ :(なら、進むしかない)

明日葉 セイ :背が伸びて、声が低くなって、肩幅が広くなって、少しずつ夢から遠ざかるたびに、むしろ足は早まって。

明日葉 セイ :彼の好きなアイドルは、希望を届けるものだ。現実に立ち向かう勇気をくれるものだ。

明日葉 セイ :……叶わない現実には折れてもいいよ、と歌ってくれるようなものでは、なかったから。

明日葉 セイ :そうして、それでも兎を追って舞台にたどり着いた。本当の自分にたどり着いた。そのさなかに。

明日葉 セイ :宍戸れみふぁは戻ってきた。思いも寄らぬ形で。

明日葉 セイ :歌を、歌おう。あの頃みたいに。

明日葉 セイ :(……おれが何もしなかったら、平和だった?)

明日葉 セイ :(違うよね。おれはずるかったけど、でも、誰かが誰かを励ますことに意味がないような世界だとしたら)

明日葉 セイ :(そんなのは、やっぱりおかしいと思う)

明日葉 セイ :(だって、おれの好きは帰ってきた。紅海月さんが取り戻してくれたんだ。大事なパーツを)

明日葉 セイ :(それに、なんでだろう。苦しいとか、そんなのは違うでしょうとか、こんなのってある?とか。いろいろ考えてるけど)

明日葉 セイ :青い光が、さんさんと降り注ぐ。

明日葉 セイ :(あなたたちの在り方や希望はおれとは絶対に違うけど。立ち向かわなきゃならないけど)

明日葉 セイ :「でも、やっぱりどっかうれしいよ、れみちゃん」

明日葉 セイ :目の前の、別の姿をしたアイドルに、いつか憧れたアイドルに向けて、まるで幼馴染に話しかけるように。

明日葉 セイ :「約束、叶ったね。どんな形でも」

明日葉 セイ :「ここからは、約束の先。そして、おれは」

明日葉 セイ :「昔から、諦めだけは悪くて、それでここまで昇ってきたんだよっ!」

明日葉 セイ :叫ぶような歌声が、蝶の翅を揺らす。

ルベル・アウローラ :蝶の群れが、散り、晴れていく。

ルベル・アウローラ :青い閃光は、花屋敷ミトの姿をも吹き散らし。

ルベル・アウローラ :「こうなるって……わかってた」

ルベル・アウローラ :「セイちゃんは、ずっと、ずっと私の憧れで」

ルベル・アウローラ :「つよくて、可愛くて、かっこよくて」

ルベル・アウローラ :「だから、私が諦めなければ……絶対に会える」

ルベル・アウローラ :「最高のステージで」

ルベル・アウローラ :「わかってたよ!」

明日葉 セイ :「……れみちゃんは、知らなかった?」

明日葉 セイ :「おれがね、ずーっと今まで、羨ましいって思ったのは、れみちゃんだけだよ」

ルベル・アウローラ :「ええ!?」心底驚いた、という顔。

ルベル・アウローラ :なんで?理由がない。

ルベル・アウローラ :だって、私はいつだってもらってばっかりで、からっぽで……。

明日葉 セイ :「だって、かわいくて、元気で、優しくて、一緒にいてくれて」

明日葉 セイ :「……受け取ってくれた。おれの、あんまり良くない気持ちも」

明日葉 セイ :「いいな、ってずっと思ってた。ねえ」

明日葉 セイ :「羨ましいと思うのは、おれと君が違うからでしょう」

明日葉 セイ :「だからおれは、そっちには行けない」

明日葉 セイ :「ずーっとここで、ちょっとだけ離れたところで、すごいことを成し遂げた君を、羨ましく思ってる」

明日葉 セイ :「それは、止めたいとかとは、全然別のこと」

明日葉 セイ :「ちっぽけなおれの気持ちが、そこまで背中を押せたなら、嬉しいよ、やっぱり!」

ルベル・アウローラ :「素敵だね」

ルベル・アウローラ :「本当に、素敵」

ルベル・アウローラ :「ここには素敵なものがいっぱいで」

ルベル・アウローラ :「やっぱり、みんなにそれを見てほしいから」

ルベル・アウローラ :「乱暴だけどね」

ルベル・アウローラ :「"愛は蹂躙と知れ"」

ルベル・アウローラ :千十嵐リンネの、キャッチ・コピー。

ルベル・アウローラ :「ルベル・アウローラ。私の、その極大の愛で……世界を蹂躙するの」

ルベル・アウローラ :ありがとう、セイちゃん。

ルベル・アウローラ :色んな人にちからをもらってここへと来た。

ルベル・アウローラ :でも最初のそれがなければ、一歩たりとも踏み出せなかった。

ルベル・アウローラ :きみが、私の中にいるよ。

ルベル・アウローラ :今でも、いるよ。

ルベル・アウローラ :世界中を集めて、自慢してやるの。

ルベル・アウローラ :ここに、こんなにもいいものがあるよって。

ルベル・アウローラ :息を吸う。

ルベル・アウローラ :新たなる歌を生むために。

ルベル・アウローラ :この舞台、狂騒に相応しい名を。

ルベル・アウローラ :『♪紅演華炎のグラン・ギニョーカ♪』

ルベル・アウローラ :♪――������ーー��

ルベル・アウローラ :それは、音とも、声とも違っていた。

ルベル・アウローラ :♪――���~���~����

ルベル・アウローラ :強引に、頭蓋を揺すり、心臓を叩き。問答無用の感動を流し込む。

ルベル・アウローラ :便宜上、"歌"と呼称する他無い。

ルベル・アウローラ :♪――���■■���~���■�

ルベル・アウローラ :歌が襲いかかる。

ルベル・アウローラ :湧き上がるのは、圧倒的な安堵。

ルベル・アウローラ :このまま、一緒に。愛に沈んで。ただ、安らかに。

ルベル・アウローラ :行こう、新しい世界に。

ルベル・アウローラ :そこは、ちょっと静かだけど、誰も傷つくことのない世界。

ルベル・アウローラ :旧人類へ、さよならの鎮魂歌。
新人類へ、おはようの子守唄。

ルベル・アウローラ :それが、ステージを、客席を、侵略し、蹂躙し――

ルベル・アウローラ :歌が今、まさに完成へと向かって――

"ヴルフ" :『それでも』

"ヴルフ" :ピンクの糸/歌が、グリーンの紐/詩が、そしてワインレッドの縄/唄が。

"ヴルフ" :紅き蝶/歌と、紅き枯葉/詩と、紅き月光/唄と、紅き歌/詩/唄/█とせめぎ合い──

"ヴルフ" :互いにほつれ、絡み合い、金の糸へと解けてゆく。

"ヴルフ" :愛とは蹂躙であり、愛とは絆であるのなら。

"ヴルフ" :これはきっと愛ではない。

"ヴルフ" :──そうとも、私は。

"ヴルフ" :あなたになりたいのではなく。

"ヴルフ" :あなたとともに唄いたいのだ。

"ヴルフ" :『唄え、唄え、喉嗄らせ唄え』

"ヴルフ" :『いつか去る日の来たときに』

"ヴルフ" :『そのときに吐く最後の息を』

"ヴルフ" :『悔やまぬよう惜しまぬよう』

"ヴルフ" :『唄おう、唄おう、唄うのだ』

"ヴルフ" :金の飛沫となりそうな己の身体を、解けては編み直し、解けては撚り直しながら──

"ヴルフ" :楽しげに笑い、唄う!

ルベル・アウローラ :編曲、あるいはカヴァーソング、Remix。

ルベル・アウローラ :新たなる、価値の創造。

ルベル・アウローラ :「(介入し――これを既存の価値観における"歌”にとどめようと?)」

ルベル・アウローラ :「(解いて、結ってはお手の物……か)」

ルベル・アウローラ :「(でも……足りない、足りないよ、きみだけじゃあ)」

ルベル・アウローラ :「(私たちは広大無辺なる輪唱、ここに集いし凛晶)」

ルベル・アウローラ :「(さあ、まだ……あるんでしょう!?)」

紅海月 :紡がれる、唄にして歌。

紅海月 :此度ほど、歯がゆい想いをしたことなど、あったろうか。

紅海月 :誰も彼もが、命を賭して、己の存在を証明せんと。全身全霊で。

紅海月 :かつて有り余る程に湧き上がってきた筈の熱は。今だ────。

紅海月 :

紅海月 :空っぽだったてめぇの人生。

紅海月 :もう少しばかりは、生きてやってもいいかと。

紅海月 :何かを求めて行く末に。たどり着いたこの島で。

紅海月 :気に入らねえ輩はぶちのめし。手に負えねえ輩からはケツまくり。

紅海月 :出会ったのだ。

紅海月 :ひとりの少女に。

紅海月 :客など、誰一人としていない、がらんとした、小さな小さなハコで。

紅海月 :お世辞にも上手いとは言えない歌と、覚束ないステップを刻み。

紅海月 :健気に笑顔を振りまいていた女。

紅海月 :阿呆らしいと思った。

紅海月 :つい、口にも出した。

紅海月 :──お前さんのことなんざぁ、誰も見てねえ。

紅海月 :──なのに何故、そこまでヘラヘラ笑っていられるのかと。

紅海月 :終えたばかりの舞台の上。汗も拭わずに、ううんと首を捻って、少女は語る。

紅海月 :『ううん。あんまり、考えたことなかったけど』

紅海月 :『好きだからかな?』

紅海月 :『歌は好き。目の前にいるひとも、遠くのひとも、同じ暖かさを一緒に共有できるもの』

紅海月 :『ダンスも好き。身体ぜんぶで、私はここにいる、私は生きているって全身で表現できるのが、堪らなく嬉しい』

紅海月 :『でもやっぱり────』

紅海月 :『アイドルをしているときが、わたし、いちばんきらきらできるから』

紅海月 :くすりと、笑って。

紅海月 :『それに───』

紅海月 :『誰も見てないなんてこと、ないよ』

紅海月 :『現に、あなたはずうっと、見てくれてたでしょう』

紅海月 :『そこに、ひとりでもわたしを見てくれるひとがいれば───────』

紅海月 :じい、と。

紅海月 :赤みかかった、翡翠色の瞳で。

紅海月 :『"わたしたち"は、まだまだ歌えるし、踊れるの!』

紅海月 :

紅海月 :時は経ち。

紅海月 :気まぐれに、アイドル志望の少女をアルバイトとして雇ったのも。

紅海月 :きらきらと輝く、その瞳の色に。懐旧と情熱を見たから、なのかもしれない。

紅海月 :

紅海月 :あの日、あの時。

紅海月 :その少女が、“わたしたち”と言葉にした意味が。

紅海月 :今、この瞬間。

紅海月 :漸く、分かったのだ。

紅海月 :きっと、確信していたのだろう。

紅海月 :己も、また───

紅海月 :タイを解き、ジャケットを脱ぎ捨てる。

紅海月 :懐から取り出したる、海のように深い青と、草原のように雄大な緑の入り混じった丸薬。

紅海月 :"命弄丸(みょうろうがん)"。

紅海月 :兵糧術と身体操術のスペシャリストである、紅海月が生み出した、禁術にして禁薬。

紅海月 :己が肉体を作り替え。僅かの間、望む姿に変わり得る秘薬。

紅海月 :寿命を代償に、無理矢理に、歪に。

紅海月 :二度と使うことは無いと。固く誓った筈のそれを。

紅海月 :噛み砕く。

紅海月 :「ルベル・アウローラよ」

紅海月 :その愛は───果たして。

紅海月 :「儂をも、超えうるのか?」

紅海月 :忍びとしては、いいとこ二流。忍具作りがちょいと得手なだけの、冴えねえ爺。

紅海月 :然し。

紅海月 :譲れねえ想いがある。誇りがある。

紅海月 :儂だ、儂だ。

紅海月 :この街で、この島で、この世界で、この星で。

紅海月 :「一番、てめぇらを愛しているのは」

紅海月 :「この儂だ」

紅海月 :蹂躙出来るものなら、してみせろ。

紅海月 :生半可な愛だったら、承知しねえ。

紅海月 :儂がすべて、喰らってやるよ。

:瞬間、舞台の上を、嵐が吹き荒ぶ。

:赤が、朱が、赫が、緋が。

:全てを照らし出していく。

:音速飛んで亜音速。幾重にも、幾重にも。

:刻む紅、千と十。

:やがて。

:晴れ晴れとした舞台の上に立つ、アイドルの中。

:一際小さな体躯のシルエットの姿が露わになる。

:碧色の幕を上げるように。

:ターコイズと翡翠色の入り混じった、ウェーブかがった髪をばさりと広げ。

:一度は脱ぎ捨てたそれ。

:海月を模した冠を。

:深海より這い出し、かつての地下の王。

:此処に在りと。

:頭に載せて、強気な表情で、全てを仰ぎ見る。

ヲ仙 :「や……」

ヲ仙 :「やは……り……」

:「ア、お控ぇなすって、お控ぇなすって───────」

:「遅ればせの仁義、失礼さんで発しやす」

:「向かいましたるお兄イさん、お姉イさんには、初のお目見えと心得やす」

:「生地見捨てて旅立ちて。御行く末は竜骨の」

:「波に揺ら揺ら漂いて。今は狂楽、片隅の」

:「表稼業と発しますは、狂楽区に住まいを構えます、初代由良由良(ゆらゆら)紅海月」

:「裏稼業と発しますァ───」

夜光みつき :「姓は夜光(やこう)、名はみつき」

夜光みつき :「今は遥昔。───“異街最強の地下あいどる”、でェありんす」

ヲ仙 :「か、帰ってきた」

ヲ仙 :「帰ってきたんだ!」

夜光みつき :「早速、聴いてけや」

夜光みつき :"異街最強の地下アイドル"。ファストナンバー。

夜光みつき :『やっと───』

夜光みつき :『会えたね 悠久の時を越えて』

夜光みつき :『揺れてるMy Heart! 無理だよ抑えられない』

夜光みつき :『変わるの 夢中にさせてあげる』

夜光みつき :『踏み出すMy Step! 遅すぎるなんてきっとない』

夜光みつき :『1000m果てだって ひとっとび♪』

夜光みつき :『(ぶすり!)あれれ痺れてダ〜ウン?』

夜光みつき :流星の如く現れて。流星の如く消えた、"伝説の地下アイドル"。

夜光みつき :瞬間的に、圧倒的なトップセールスを誇った、その名。

夜光みつき :『みつきに・やみつきっ♡』

夜光みつき :舞台に立つアイドル、会場で固唾を飲み見守る観衆すべて。

夜光みつき :ふわり、とポリプのような形を模した光が届き渡る。

夜光みつき :ルベルの灯す安らぎとは異なる温かさにして。それは。

夜光みつき :絶え間なく、湧き上がる───────熱!

夜光みつき :己たちは、どうしようもなく────

夜光みつき :アイドルが、大好きなのだ!

紅海月の秘密

あなたは実は『異街最強の地下アイドル』の名をほしいままに暴れまわっていた時期があった。

アイドルが何よりも好きなあなたは当然のようにアイドルになった、が、ある時気付いてしまったのだ、演るより見る方がすきだな、と……

『異街最強のアイドルオタク』の誕生である。


また、あなたは【プライズ:碧幕】を所持している。

"ピザ吐き隊" :「……や、夜光みつきがぁ!?」

"極大門松" :「あ、"あかつき。"氏ぃ!?」

ヲ仙 :「うおーーーーーーー!!!!ミツミツぅーーーーーーー!!!」

ヲ仙 :滂沱の涙。

ヲ仙 :「ああ、生きてまた……目にすることができるとは……」

ヲ仙 :「思い出の墓標に、花まで添えたと言うに!!」

"違法イカ@airハ-70" :「おお……"お姫様"で合っとるやんけ……」

"ふわのん" :「女の子になっちゃう……!」

ヲ仙 :「え、でも……あかつき。氏がミツミツだったってことは……」

ヲ仙 :「拙者今まであんなことや……こんなことを……ミツミツ相手に……?」

ヲ仙 :「松ゥ、これ終わったらよぉ……介錯頼むわ……」真剣なまなざし、少々真剣すぎるかもしれない。

"極大門松" :「ヲ仙氏のアイドルへの線引き……! 見た目は変わっても健在でゴザルな……!」

ヲ仙 :「だが、しかし、しかし今は!!」

ヲ仙 :「全身全霊で応援させていただくのみぃ~~~~~~!!!」

ヲ仙 :「ハァ~~~~~~ゆっらゆっら☆み・つ・きーーーーーー!!!」

"極大門松" :「そう!」

"違法イカ@airハ-70" :「やっと!」

"ピザ吐き隊" :「見つけた!」

"ふわのん" :「お姫様!」

夜光みつき :「愛してるぜ。プランクトンども♥」

夜光みつき :ばちん、とウィンク。

ヲ仙 :「うおーーーー!!今夜は赤潮!!!」

ルベル・アウローラ :「ふふ、あは」

ルベル・アウローラ :思わず歌が止まる。

ルベル・アウローラ :「すごい、会場の一部を瞬時に取り返しちゃった」

ルベル・アウローラ :「未完成とは言え、歌を超えた歌」

ルベル・アウローラ :「あらゆる精神障壁をすり抜けて、直接心臓を撫でる私たちの歌だってのに……」

ルベル・アウローラ :「店長……本当に"最強"だったんだね」

夜光みつき :「言ったろうが。"先達"として待っていると」

夜光みつき :「未完成だからこそ」

夜光みつき :「完全に憧れて止まない」

夜光みつき :「故に───辿り着いてはならない。歪な愛にして」

夜光みつき :「情熱」

夜光みつき :「それこそが、アイドルの形……なのかもしれぬ、のう」

夜光みつき :「わしは。まだまだ、"観て"いたい」

ルベル・アウローラ :「ふふ、あは」

ルベル・アウローラ :「すごい、本当にすごいよ」

ルベル・アウローラ :「私、本当は思っていた」

ルベル・アウローラ :「収まりきるものじゃあなければいいって」

ルベル・アウローラ :「歌が、きみたちが」

ルベル・アウローラ :「こんなものに収まらなければ、それはきっと希望だから」

ルベル・アウローラ :「やがて、あまねく全てに届くかも」

夜光みつき :「わしには、広すぎるわ」

夜光みつき :「精々……そうさなあ」

夜光みつき :「千里の先」

夜光みつき :「それだけ、照らしゆく光さえ、あればよいの!」

ルベル・アウローラ :「手を、伸ばし続けて」

ルベル・アウローラ :「歌い続けて、喉が枯れても」

ルベル・アウローラ :「そうでないと、倒されてなんかやらないんだから」

ルベル・アウローラ :歌は尽きた、ならば作ればいい。今この場で歌詞の2番。

ルベル・アウローラ :これが、全身全霊、きっと最後のパフォーマンスになる。

ルベル・アウローラ :到達する。完全なる絶対言語に。

ルベル・アウローラ :「私の歌を、終わらせない」

夜光みつき :「夜が明けるには、まだ早い」

夜光みつき :「知っておるか」

夜光みつき :「"桜"が。この世でいちばん─────」

夜光みつき :「美しく輝く、その刻を」

ルベル・アウローラ :「ああ、ずるいな」

ルベル・アウローラ :思わず返してしまいそうになる。

ルベル・アウローラ :”言葉”で、"歌詞"で、古い"歌"で。

ルベル・アウローラ :なぜ、そうも魅力的なのだ。

ルベル・アウローラ :私たちが、捨て去るすべてのものたちは。

ルベル・アウローラ :舞台を、見渡す。

ルベル・アウローラ :ありがとう、ここへ来てくれて。

ルベル・アウローラ :私と、歌いに来てくれて。

ルベル・アウローラ :様々な因縁がある。

ルベル・アウローラ :だが、それも、これも、全部、全部。

ルベル・アウローラ :この瞬間は――。

ルベル・アウローラ :「ヴルフ、私にもわかるよ」

ルベル・アウローラ :「"今"が、いちばん愛おしい」

ルベル・アウローラ :「未来なんて、考えられないくらい」

ルベル・アウローラ :「そのために、歌ってきたはずなのに」

ルベル・アウローラ :迫る、紅を見る。

ルベル・アウローラ :♪――いま、このひとときが

ルベル・アウローラ :♪――永遠であれば、他になにもいらない

ルベル・アウローラ :♪――この一瞬の裏切りを、切り取って

ルベル・アウローラ :♪――閉じ込めてしまいたい

ルベル・アウローラ :「あなたも、そう?」

合馬桜華 :「もちろん」異形のものに置き換わった片目から流れ落ちる紅の涙

合馬桜華 :桜の花弁が、ステージの上で流れて揺れる。

合馬桜華 :「今この瞬間が、一番自分らしくいれた場所だからな」

合馬桜華 :♪____永久に咲け咲け百花繚乱、刻も距離をも飛び越えて。

合馬桜華 :♪___溢れる想いを歌にして、貴方の下に送ります。

合馬桜華 :桜が、舞い散る。

合馬桜華 :センヒがそうであるように、リンネがそうであるように、ルベルがそうでしかあれないように

合馬桜華 :桜華の中の妖魔の血にも、性質がある

合馬桜華 :与えられた死の血から派生したそれは

合馬桜華 :"永遠性の否定"

合馬桜華 :永遠に続くものを終わらせる、誰であろうが効果を発揮するが誰にも力を発揮しない権能

合馬桜華 :♪____永久に咲け咲け百花繚乱、今日も明日も繰り返し。

合馬桜華 :「セイくんの歌が、あの子を。 ヴルフの想いがリンネを」

合馬桜華 :「みつきちゃんのアイドルが、アンタ自身を」

合馬桜華 :「そして唄われた想いが、ルベル・アウローラを……一歩踏み出させてくれた」

合馬桜華 :「ココは素敵な場所だって、アンタたち皆が教えてくれた」

合馬桜華 :笑って、紡がれる歌は

合馬桜華 :ルベル・アウローラの外殻を、ネットワークを解いていく

合馬桜華 :「だから、もうちょっと続けてみん?」

合馬桜華 :桜華の肉体の一部が、桜の花弁となり散っていく

合馬桜華 :満開の桜は、散る時こそ最大の美しさを見出す

合馬桜華 :そういう異能で、そういう生き方だ

合馬桜華 :「自分自身でいる事を、明日も"誰か"に歌えるように」

合馬桜華 :苦無を開き、十字の手裏剣へ

合馬桜華 :くるくると回り、勢いを乗せ……普段のように投げ放つのではなく、桜吹雪を少女へと向ける。

ルベル・アウローラ :ほどけていく、眷属間のネットワーク。

ルベル・アウローラ :「(ああ、私もただの宍戸れみふぁとして……皆の前に)」

ルベル・アウローラ :「(ちがう……それだけは)」

ルベル・アウローラ :捕まえる、強く。

ルベル・アウローラ :「私たちは」

ルベル・アウローラ :「ルベル・アウローラとして退場するの」

ルベル・アウローラ :「みんなのちからで、ここに立った」

ルベル・アウローラ :「だれひとり、欠けさせない」

ルベル・アウローラ :「でも、嬉しかったよ」

ルベル・アウローラ :「"私"に話しかけてくれて」

合馬桜華 :「分かるだけの歌が、ここにはあるんよ」

ルベル・アウローラ :「(ああ、大好きな歌の数々に)」

ルベル・アウローラ :「(打ち倒される、それ以上の幸せがあるものか)」

ルベル・アウローラ :「(私たちは憧れたり得ただろうか?)」

ルベル・アウローラ :「(足りなかったのだ、結局)」

ルベル・アウローラ :「それって、未完成ってこと」

ルベル・アウローラ :「まだまだアイドル、やれちゃうね」

合馬桜華 :「もちろん!」

合馬桜華 :「終わるって事は、次ははじまり……やろ!」

合馬桜華 :絶対ならざる桜吹雪を胸に抱き、笑いかけるのは

合馬桜華 :この街で、この場所で紡がれる彼女の未来に、希望を持っているから

ルベル・アウローラ :私の幕を下ろそう。

ルベル・アウローラ :やがて上がるであろう、次のステージの幕のために。

ルベル・アウローラ :「結局、歌で返しちゃったな」

ルベル・アウローラ :絶対言語の、あたらしい"うた"ではなく、内より湧き出た歌で。

ルベル・アウローラ :「それが敗因?」

ルベル・アウローラ :「いいえ、私の歌が強すぎたんだね」

ルベル・アウローラ :「まだまだ、それは負けてない」

ルベル・アウローラ :「でも、うたはずっと見ているよ」

ルベル・アウローラ :「君たちを救うチャンスを、虎視眈々と伺い続けている」

ルベル・アウローラ :「だから、止めないで」

ルベル・アウローラ :「いずれ、その輝きが、失われてしまうものだとしても」

ルベル・アウローラ :「次へ繋いで、広がって」

ルベル・アウローラ :「ごきげんよう、異街の諸君」

ルベル・アウローラ :「ルベル・アウローラでした」

ルベル・アウローラ :深々と礼。

ルベル・アウローラ :顔を上げると同時、その姿は闇となって散り散り。

GM :あとには、何も残さず。

合馬桜華 :闇を、桜吹雪が抱き。

合馬桜華 :「……」息を吸って、吐く。

合馬桜華 :動画リンク

合馬桜華 :苦無を仕舞、扇を軽く振り、スポットライトを仰ぎ、視線を戻し

合馬桜華 :敵対者に向けてではなく、一人の偉大な演者へ向けて

合馬桜華 :合馬桜華は、礼をした。

合馬桜華 :(ここまでは、アイドルの時間)

合馬桜華 :(ココからも、アイドルの時間や)

合馬桜華 :血のように桜吹雪を流しながら振り返り、ステージに立つ5人を見る。

GM :===

GM :それではやろうぜ、生存競争をよぉ

GM :次のラウンドへ行くぜ、各自プロットとあればプロット前宣言をしな!

真白ももあ :プロット前なしプロットOK!!

夜光みつき :プロOK

明日葉 セイ :全てがOK!

合馬桜華 :OKです、前も無し

時雨 :ok

"ヴルフ" :OK、縛らず

GM :おうらい

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ "ヴルフ" ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 夜光みつき ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(ももあ)

<プロット4>

(時雨、セイ、ヴルフ)

<プロット3>

(夜光みつき/紅海月)

<プロット1>

(桜華)

GM :ではいきます、プロット6から。

真白ももあ :はい!

真白ももあ :セイくんに相談ですが

明日葉 セイ :はい

真白ももあ :このターン、範囲攻撃に私を含めないでくれるならセイくんを狙いませんが

真白ももあ :いかがいたしますか?

明日葉 セイ :なるほどね

時雨 :セイくん!ももあさんは狙うべきでは!?

明日葉 セイ :今ももあちゃんだいぶ……元気ですよね

真白ももあ :心は震えてるよ

明日葉 セイ :こっちだってそうだわい

GM :そうだねー、結構リードは大きいね、プライズもあるし

サブGM :現状の生命点はもも桜華が4、セイくん2、しぐみつヴルフが1

明日葉 セイ :じゃあですね。回答しません、というのは?

明日葉 セイ :含めるかもしれない。含めないかもしれない

真白ももあ :含めない約束をしてくれるなら狙わない

GM :忍者らしくて結構じゃないの

GM :結局ももあさんの行動によって対応を変える、とも言えますしね

明日葉 セイ :そういうこと

GM :イニシアチブを取り返す良い宣言だと思います

サブGM :バトロワですからね

夜光みつき :解説たすかる

真白ももあ :私からは「含めない約束をしてくれるなら狙わない」としか言えませんわね

GM :そうは言っても先に行動するのはももあさんなので

GM :このプロットでこれを言ったセイくん側に主導権がある状態ですね

GM :上手いんじゃないでしょうか、さあ決めなももあ!選ぶのはきみだ!

真白ももあ :いやだなぁ……狙わないでくださいじゃなくて見逃してあげてもいいけど見返りが欲しいって意味ですよぉ?

真白ももあ :狙わない約束がもらえないなら狙います。

GM :お、強気

GM :ならばいけい!

サブGM :聖先輩要素が出てきたな

夜光みつき :そうなんじゃ

明日葉 セイ :こちらはかわらず!

真白ももあ :【喘縄】をセイくんに!

真白ももあ :じゃあふります、修正無意味だよね

真白ももあ :2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

真白ももあ :よし!

夜光みつき :出目がこわいよ

合馬桜華 :PC相手だと外れないなぁ

GM :縛っていくねぇ

GM :続いてプロット4!セイ>時雨で宣言をどうぞ

明日葉 セイ :回避します、で、ちょっとまってね

明日葉 セイ :あ、そうか

真白ももあ :あっ回避できないよ!

GM :あ、縄はね

明日葉 セイ :回避ないんだ!!

GM :うん……

夜光みつき :おそろしい忍術だ…

明日葉 セイ :まあいいよ!

サブGM :サポートなのでね……

真白ももあ :問答無用でマイナス1にファンブル値上昇!

GM :だから酔って作った忍法なの

夜光みつき :ファンブル値は……上がらないぜ!

真白ももあ :そうだった あたしが酔ってた

時雨 :ファンブル値上昇はないね ファンブルしたとき接近戦1点

真白ももあ :ファンブルしたとき接近戦ダメージ1ね

サブGM :奥義型にとってはF値上昇の方がマシ説ありますね

明日葉 セイ :宣言! 奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。

夜光みつき :ミウ皮あるし大丈夫やろ……

明日葉 セイ :ここでなんですが

明日葉 セイ :ももあちゃん、元気ですよね

真白ももあ :心は泣いてるよ

明日葉 セイ :みんながんばっていかない?

夜光みつき :ほ~~~ん?

GM :元気だねー

時雨 :目標に含まないでくれるならももあさん倒すまでセイ君は攻撃しません!

真白ももあ :へーしぐそういうこというんだ

夜光みつき :わしは攻撃届かないしな ももに

明日葉 セイ :まあ、今はそうだが

夜光みつき :自分含まないんなら特になにかする予定ないかな

時雨 :【土竜吼】届くよ 雨で

真白ももあ :特技がつぶれて……

夜光みつき :代用遠すぎるねん

時雨 :そっかあ

明日葉 セイ :正直ももあちゃんとタイマンするのは自信がないので、

明日葉 セイ :対応しないでいてくれるなら含めないよ!

夜光みつき :じゃあやぶらないかな~

時雨 :破らないよ~

合馬桜華 :する理由が無いのでしません

GM :破ってほしくないから目標を絞るというのは全然ありですね

"ヴルフ" :再三だがそもそも見切れていないのだな

明日葉 セイ :ヴルフさん……

真白ももあ :ヴルフ!見切って破れ!

夜光みつき :気合入れろ!

"ヴルフ" :見切りで2,3回凪ってるんだこっちは!

夜光みつき :げんきだしてこ

明日葉 セイ :じゃあ、まとまったようなので、ももあちゃんとヴルフ対象に範囲攻撃を。

真白ももあ :つらいな~ちょっとプロット高いし遠いから破らない ヴルフは失うものないんだから破ってよ!

"ヴルフ" :仮にここで見切れたとしてもそのターン中には破れんからな……

真白ももあ :破らないとここで死ぬのよ!いいの!?

夜光みつき :どうもこうもねえよ!

GM :どうもこうもね

時雨 :どうもこうもない

GM :ももあがヴルフに絶対防御使うなら話は変わってくるけど

"ヴルフ" :では一応破りチャレンジするので

"ヴルフ" :破り? 見切りか

夜光みつき :ドジっこ

GM :やりな!

サブGM :あ、その前にしぐとヴルフの宣言が

GM :忘れてた

GM :しな!

真白ももあ :先にしぐかな?宣言

時雨 :【陽炎】【災雷】をももあさんかな~

夜光みつき :えぐし

真白ももあ :どうしてそういうことするの~??

時雨 :絶対防御あるから

GM :ソウダネ……

"ヴルフ" :【時雨】、対象は合馬と……

"ヴルフ" :どうしたものかな、生命点には真白ももあ削りでよさそうだが

真白ももあ :なんでタコ殴りにするんですか?

"ヴルフ" :全員に狙われてるから別でもいいという説もある

真白ももあ :そうだよ!可哀想だよ!

夜光みつき :セイちゃん削ると わしとしぐとセイちゃんがおそろになって

夜光みつき :ハラハラできるな♥

明日葉 セイ :やだ☆

時雨 :緊張しますねえ

明日葉 セイ :おれほっといても縄があるよ

夜光みつき :そうなんだよな……かわいそう……

真白ももあ :成功すれば無関係なんだよなぁ縄は

明日葉 セイ :全部成功すれば無関係なんですよね? やりますよ

夜光みつき :それでこそアイドルじゃ

時雨 :えっと結局【時雨】の対象誰だ

真白ももあ :悩んでると思う

サブGM :ちょっと待って

"ヴルフ" :いや、対象単体、合馬のみにしよう

合馬桜華 :おいで

GM :それでは処理を。

GM :見切り判定からどうぞ

"ヴルフ" :SG#4>=11 (判定:走法) (SG@12#4>=11) > 5[1,4] > 5 > 失敗

"ヴルフ" :凪りはしなかった!

夜光みつき :えらい

合馬桜華 :えらい

GM :田舎に帰んな!おっと帰る場所は裏切ったんだったなぁ~~~

GM :続いてPC1!

GM :【陽炎】【災雷】の判定どうぞだよ

サブGM :あ、破り判定は?

サブGM :ももあちゃんの

真白ももあ :やぶらぬよ~

GM :あれ破らないじゃなかったっけ

夜光みつき :破らないいうてたね

GM :うむ、ヨロシクネ

サブGM :あっそうだったすみません!

時雨 :振りまーす

時雨 :そういえばまた【陽炎】の特技死んでるじゃないか!

時雨 :ええい振ってやれ

GM :ヤッタリナー

時雨 :2d6>=15 (2D6>=15) > 4[2,2] > 4 > 失敗

GM :おおっと

時雨 :逆凪! だがまだ同プロット

真白ももあ :なぎぃ

夜光みつき :しぐうーっ!

時雨 :【災雷】を命中させてやるよ~!

真白ももあ :それって災雷ふれるんだ!?それはそうか

サブGM :やっぱり陽炎って怖くない?

時雨 :2d6>=5 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功

時雨 :成功! 《召喚術》マイナス2で避けてね

真白ももあ :うーんうーんちょっとなやんでるからまってね

真白ももあ :【災雷】は回避放棄でプライズ使います。

夜光みつき :おっ

時雨 :おおっと

明日葉 セイ :おお

真白ももあ :紅海月さんからもらったビリジアンブルース!効果は一度【絶対防御】!

GM :出たわね。

時雨 :これを見れたなら良しとしましょう!

真白ももあ :範囲攻撃の2は謀術と妖術で受ける……!

時雨 :戦場変更になるのはプロット終了時だから、凪だねえ

夜光みつき :ふふふ

GM :それでは続いてヴルフ

"ヴルフ" :SG#4>=5 (判定:砲術) (SG@12#4>=5) > 3[1,2] > 3 > ファンブル

system :[ 真白ももあ! ] 妖術 : 1 → 0

system :[ 真白ももあ! ] 謀術 : 1 → 0

"ヴルフ" :おっと?

時雨 :あらまあ

明日葉 セイ :そういうこともある

夜光みつき :ココフォリアーッ!

"ヴルフ" :特にリカバリ手段はなし!

"ヴルフ" :元魃同士仲良く凪

GM :やぱり田舎の侍にステージはまだはやかったかぁ???

GM :続けてプロット3!PC5の宣言をどうぞ

夜光みつき :かーっかっか!

夜光みつき :もちろん使うのは【接近戦攻撃】。

夜光みつき :対象はそうだな~~~~

夜光みつき :どうしようかな~~~

夜光みつき :ヴルフはまあ桜華ちゃん狙うかな~思うし

夜光みつき :セイちゃんかしぐだよな

夜光みつき :あっ…

夜光みつき :もしかしてヴルフ……

真白ももあ :mou

真白ももあ :死んで……

合馬桜華 :倒れたファイターへの追撃は危険ですよ!

"ヴルフ" :範囲攻撃への対応を失念していたが……

明日葉 セイ :ごめんね☆

GM :し、しんでる……

"ヴルフ" :まだ足掻く!

真白ももあ :個人的にはしぐこわいんだよな 兵糧丸はもってるだろうし 望郷とか持ってる可能性もある

夜光みつき :ええーっ!

真白ももあ :しかも私狙うっていってるしね~~

真白ももあ :えっなんかあるのヴルフ!?

時雨 :あるの!

"ヴルフ" :奥義を使用します

"ヴルフ" :《維糸撚解》 効果は絶対防御、指定特技は《縄術》

"ヴルフ" :最初に使ったほう!

夜光みつき :あっそれか

真白ももあ :あ~なるほどね

明日葉 セイ :ああ

合馬桜華 :ああ、なるほど

"ヴルフ" :破らば破れ!

合馬桜華 :破ります

真白ももあ :私は破らない!

夜光みつき :やぶらんけど

夜光みつき :桜華ちゃんに修正投げる。

夜光みつき :+1じゃ。

明日葉 セイ :我は縄の民……ここは破らない

明日葉 セイ :桜華ちゃん目標値いくつ?

サブGM :同値だからしぐも振れるよ

合馬桜華 :7+1

合馬桜華 :今7になってます

明日葉 セイ :んー、もう一個積んどくか

明日葉 セイ :+1あげます

合馬桜華 :わーい

時雨 :自分はパスです!

GM :おっけー、じゃあ振ってくださいな

合馬桜華 :はーい

合馬桜華 :SG+1>=7 (判定:歩法) (SG+1@12#2>=7) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功

夜光みつき :やるねェ

明日葉 セイ :いったー

真白ももあ :やぶった!

合馬桜華 :成功、破って倒してるないつも

時雨 :破ったか

"ヴルフ" :よくぞ破った 脱落!

GM :それではヴルフ、ここに脱落!よくぞ戦った!

GM :では改めてPC5!

夜光みつき :がんばった

夜光みつき :ウス

夜光みつき :しぐ

夜光みつき :わしに狙われて ここからリカバリある?

時雨 :あるよ~

真白ももあ :兵糧丸あるよ!しぐは!

夜光みつき :おっけ~!

夜光みつき :じゃあ殴ろっかな

時雨 :いやセイくん狙ってほしいっていうことはできるけど……まあ任せるしかないな

合馬桜華 :合意の上で乱暴する気だ

夜光みつき :セイくんも正直迷ってんだよな

夜光みつき :回想とミウ皮あるし

明日葉 セイ :そうなんだ……

真白ももあ :しぐの追加忍法の2つめが見えてないのがこわすぎる

時雨 :まあ回想はこっちもあるよ!

夜光みつき :あっそうだな

明日葉 セイ :でも縄の前では微々たるものじゃない?

夜光みつき :奥義回想-回想皮だと

夜光みつき :う~んしぐのほうが脅威度でかいかなあ

時雨 :ていうかみつきちゃんは、ももあさんに対してはどういうスタンスなのかな

夜光みつき :攻撃が当たらないんで

夜光みつき :凪ったらワンチャンくらいかな

夜光みつき :あと自分は狙わないと公言しているのでまあ……

夜光みつき :あえて積極的に狙う必要もないかな…と

時雨 :完全協力で勝ち譲るわけではないということね 了解です

夜光みつき :もちろんよ

GM :ケケケ、皆自分の方針を話しすぎなくらいだぜぇ~~~???

夜光みつき :ぜんぶうそじゃよ☆←ヒトデ

夜光みつき :じゃしぐ殴るね~

夜光みつき :2d6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功

夜光みつき :《身体操術》で避けるんじゃよ~

時雨 :ぎえー! 逆凪で回避不可

夜光みつき :あっ凪じゃん

夜光みつき :かかかっ!これで貴様は脱落よ~~!!

GM :命中でござる

時雨 :では1点受けて……あったよ兵糧丸!

夜光みつき :でかした!

GM :なんとあ!

真白ももあ :まさかの!

時雨 :妖術残してギリ耐える、でいいのかな

夜光みつき :びええ~~ん

夜光みつき :手番おわり。

時雨 :泣き顔もあるんだ かわいい

GM :続けてプロット1!

合馬桜華 :何もしません

GM :しないんだ

合馬桜華 :下手打って共通の敵になりたくないもの!

合馬桜華 :というわけで終了!

真白ももあ :な、なら退場してもいいのよ……!

GM :う、うん

夜光みつき :奥義を……打つタイミングを……

夜光みつき :はかっているのではないか? そうおもいます

合馬桜華 :奥儀も回想も残ってるの!!

GM :それでは、行くぜ次ラウンド

真白ももあ :マイナス1をうける1d6を振る奥義なら……今使っても平気とは思うけど……

真白ももあ :

夜光みつき :そんな奥義あるんですか?

真白ももあ :ラウンドのおわりに

真白ももあ :奥義うちます

GM :おや

夜光みつき :アッ!?

サブGM :終わりに!?

真白ももあ :奥義『アマテラス』指定特技は生存術。

真白ももあ :内容は勿論追加忍法だよ!!!!

夜光みつき :大草原

真白ももあ :使う忍法は【誘導】!

サブGM :追加忍法だ~~~~~~~!!!!!!

GM :笑う

真白ももあ :持ってきてないわけねーーーーーーーーだろ!!!!!!!!!!

合馬桜華 :PCの半分が追加忍法なんですけど

GM :あはははは

時雨 :ハハハ

夜光みつき :クソ笑ってる

合馬桜華 :流行ってるんだね……

時雨 :何やってるんだこの子!!

GM :見事、ではどうぞ!

明日葉 セイ :なるほどね

真白ももあ :こわい……!こわい……!ふります……!

真白ももあ :たのむ

真白ももあ :2D6>=7 (判定:縄術) (2D6>=7) > 9[4,5] > 9 > 成功

真白ももあ :よかったああああああああああああ

夜光みつき :やりおるわ

真白ももあ :高所に変更!!!!!!!!!

夜光みつき :は?????

時雨 :死ぬ~!

明日葉 セイ :ww

GM :はははは、楽しくなってきやがったぜ

明日葉 セイ :おれの死が目の前に

合馬桜華 :ファンブル1点ダメージの高所かぁ……

夜光みつき :やめろ~~~~~~~~~~~~~~

真白ももあ :紅海月さんは狙わないってぇ~

夜光みつき :コケたら死ぬんじゃあ~~~~~~

サブGM :縄付いてると一回コケただけで2点入る地獄の戦場

GM :では戦場は高地へ!

GM :次ラウンドゴー!プロットをしな!!

真白ももあ :え、演出は!

真白ももあ :おわってからやる!?

GM :演出は……やるよ

GM :忘れてなんかいないよ、ホントダヨ

真白ももあ :ソッカァ

GM :ホントダヨ

GM :というわけでやるぜ、演出


GM :===

GM :炎が、闇が、煙が晴れる。

GM :あとに残されたのは、焼けただれ、くすぶり、焦げたステージ……などではない!

GM :輝きは消えない、依然6名のアーティストを乗せたファイナル・ライブの舞台としてそこに有り続ける。

明日葉 セイ :静かなバラードを歌いながら、奇妙なライバルたちを見回す。

明日葉 セイ :ひとりじゃない。このステージの上では。少なくとも、これまでは。

明日葉 セイ :『桜舞う日にまた会えたなら』合馬桜華。南の蠍の心臓のような紅。

明日葉 セイ :『海月は夏とゆらゆら揺れる』紅海月。熱を失ってなお煌めく赤色巨星。

明日葉 セイ :『時雨の秋は傘差し歩き』時雨。怪しく揺れ動く、鯨座の変光星。

明日葉 セイ :『真白い雪も静かなダンス』真白ももあ。全天で最もまばゆい天狼星。

明日葉 セイ :(れみふぁちゃんは、一番星って言ってたけど。それも憧れたけど)

明日葉 セイ :(今おれがなりたいのはね。一番明るくはないけど、天の一番の北、中心にある星)

明日葉 セイ :(北極星!)

明日葉 セイ :『千のヒットナンバー 知ったかぶる振りで』

明日葉 セイ :『不器用なドレミファに 合わせて歩いてく』

明日葉 セイ :『君といる輪廻の中 オーロラに揺れるもの』

明日葉 セイ :『好きの熱 歌と想いは きっといつまでも』

明日葉 セイ :姿を消した強大な相手。未だ残る相手。

明日葉 セイ :……彼の気持ちはわかる、痛いほど、と思った。

明日葉 セイ :「あなたは、無様なんかじゃない。おれとやり方は違うけど」ヴルフに呟く。

明日葉 セイ :「わかるよ。素敵な歌、ありがとう」

明日葉 セイ :青い光が照らす。周囲を、目が眩むほどに。

明日葉 セイ :『明日降る流星に どうか思い出して』

明日葉 セイ :『祈りながら僕ら きっとここにいると』

明日葉 セイ :『何もかも買えちゃう街で ひとつ取り逃した』

明日葉 セイ :『その代わりがいつしか とても大事になって』

明日葉 セイ :あえて、マイクから口を離す。口だけを動かして、観客を煽る。

明日葉 セイ :歌声が、さざめくように響く。

明日葉 セイ :(『「自分らしさ」なんて引きずって どこまでも行くだろう』)

明日葉 セイ :(『全部受け入れ傷ついて どこまでも行くだろう』)

明日葉 セイ :光が、ステージの中心から。

明日葉 セイ :最も眩しい光と、眩しさに憧れた魂を目がけて。

明日葉 セイ :降り注ぐ。

真白ももあ :降り注ぐ光にうたれ、よろめく。……本来ならものすごい大けがなはずだけど、よろめくだけで済んだのはこの地で受けた忍者の力のおかげだろう。

真白ももあ :「やっぱりセイくんは素敵なアイドルだね……!」

真白ももあ :(雨に星に……ひどいお天気だなぁ)苦笑しながらも膝はつかない。

"ヴルフ" :どこまでも明るく輝く星。

"ヴルフ" :(ああ──)

"ヴルフ" :その輝きに目を細め、唄う。

"ヴルフ" :『暗き昼を越え、長き夜を越え』

"ヴルフ" :『闇を突き破って、飛び立って』

"ヴルフ" :『探しに行こう、私の宝物たち』

"ヴルフ" :『あの唄追って、あの星追って』

"ヴルフ" :長き虚ろの中にいた己にとって──

"ヴルフ" :唄とアイドルは、まさに北辰だった。

"ヴルフ" :この光の中でなら、倒れてもいい。

"ヴルフ" :だからこそ、倒れるまで唄い続ける!

"ヴルフ" :色とりどりに輝く糸が、光の紐となり──

"ヴルフ" :虹霓の縄となって、その極星を迎え撃つ!

合馬桜華 :輝く糸、天の星、光反射し輝く雨粒の雫。

合馬桜華 :その中に飛び込み

合馬桜華 :『明るい夜を見上げ、長き夜を越え』

合馬桜華 :『輝きの前へ、跳び上がり』

合馬桜華 :『探しに行こう、あなたの宝物』

合馬桜華 :縄の中心にいるヴルフに寄り添う

合馬桜華 :「まだ終わらないなら」

合馬桜華 :「終わるまで一緒にいる、それが無為な永久にならないために」

合馬桜華 :桜華の胸から、傷口から流れ噴き出る桜の花弁が、雨の中で舞う

合馬桜華 :そして、呼応するかのように、縄の輝きが増していく

合馬桜華 :力を高める、際限なく。 その一瞬に全てを出し切らせられるように。

合馬桜華 :「あなたが思うままに、輝けるために!」

合馬桜華 :ステージの上を、光が覆う

合馬桜華 :一人の憧れが、一瞬舞台を染め上げる。

"ヴルフ" :「……──!」

"ヴルフ" :虹を撚った縄が、光の紐が、輝く糸が──

"ヴルフ" :本物の光となり、本物の輝きとなり。

"ヴルフ" :そして本物の、虹となる。

"ヴルフ" :縄としての権能も、紐としての力も、糸としての自在さも失って──

"ヴルフ" :一瞬、舞台に溢れたそれは。

"ヴルフ" :まさしく、本物の煌めきだった。

"ヴルフ" :「……ふ」

"ヴルフ" :その煌めきの去った後には、一人の男が立っている。

合馬桜華 :「……楽しかった?」去るまで、虹を眺めながら。

"ヴルフ" :「ああ」

"ヴルフ" :「不思議な心地だ」

"ヴルフ" :「悔しくはあるが、悔いはない」

"ヴルフ" :「合馬、桜華」

合馬桜華 :「……はい」答えがながら、その二色の目を見る。

"ヴルフ" :一本の"金色に輝く糸”が、桜華の衣装へはらりと落ちて──

"ヴルフ" :桜結びの、飾りを作る。

"ヴルフ" :妖魔の血を受けたあなたには分かるだろう。

"ヴルフ" :それは、解かれたセンヒの権能の一部。

"ヴルフ" :その金色の輝きが──

"ヴルフ" :己の中にある《永遠を否定する力》の制御の助けとなるのが、分かるはずだ。

合馬桜華 :「……!」

合馬桜華 :「(最後の最後に……)」

"ヴルフ" :「"侘び"か、"餞別"かと考えたが」

"ヴルフ" :「やはり、"礼"と言うべきだな」

"ヴルフ" :ステージに立つアイドルたちを見回す。

"ヴルフ" :青色の雨を、空色の星を、桃色の月を、紅色の虹を──

"ヴルフ" :そして、桜を。

"ヴルフ" :「ありがとう」

"ヴルフ" :そう言って、ふ、と息を吐く。

"ヴルフ" :「ああ」

"ヴルフ" :「楽しかった」

"ヴルフ" :笑顔とともに、その身体が解け──

夜岸 江奈 :「いてっ!」

夜岸 呂奈 :「あら」

サブGM :後に残るのは、二人のアイドル。

サブGM :そして──

- :ワインレッドの糸が、風に吹かれて飛んでゆく。

合馬桜華 :視線から消えていく糸を、目で追って

合馬桜華 :手を伸ばして、けれど掴めなくて

合馬桜華 :だから、笑って送り出す。

夜岸 江奈 :「行っちまったなあ」

夜岸 呂奈 :「あら、そうでしょうか?」

夜岸 呂奈 :「こんな最高のステージで、最高のデビューを飾って」

夜岸 呂奈 :「一度負けたくらいで、素直に消えられるようなら」

夜岸 江奈 :「こんなバカなこと、初めからしてない、か!」

合馬桜華 :「あはは、すごいなぁ……アイドルって」

- :小さな糸は、風に吹かれて遠ざかっていく。

- :頼りなげにふわふわと揺られながら──

- :しかし、金糸のように消え去ることはなく。

- :会場の外の明るい空へ、吹かれていった。

夜光みつき :「(その内よ)」

夜光みつき :「(酒でも酌み交わそうや)」

夜光みつき :「(てめぇの人生すら変えちまった、推しの話でも肴に、の)」

夜光みつき :彼方へ吹かれた小糸を見据え、ふっ、と笑い。

夜光みつき :ふわり、と。

夜光みつき :スカートを広げて。音もなく、目の前のアイドルに降り立つ。

夜光みつき :"逗留者"の前へ。

夜光みつき :「切欠は、たった一人の少女のため」

夜光みつき :「迫る因縁すらも、此度はしかと見据え、舞台に上がることを決意した者」

夜光みつき :「時雨よ」

夜光みつき :「マジに悪いがよ。わしぁ、お前さんの過去に……あまり、興味はねえ」

夜光みつき :「脛に傷あるやつなんざぁ、この異街。星の数ほどいやがるからの」

夜光みつき :「だが」

夜光みつき :「今や、お前さんも。この輝きに魅せられた内のひとり」

夜光みつき :「アイドルとしての。"怪人時雨"には。尽きて止まねえのさ」

夜光みつき :「もっと、もっと─────。観ていたい。側で、近くで、共に」

夜光みつき :「お前さんが奏でる歌も」

夜光みつき :かつん、とヒールでステージを打ち。

夜光みつき :「刻むステップもな」

夜光みつき :───くるり廻る。片膝を曲げ、小さな手でスカートの裾を軽く持ち上げて。

夜光みつき :「"シャル・ウィー・ダンス"、ってか?」

夜光みつき :その手を伸ばす。

時雨 :「──私は、いまだよそ者ではありますが」

時雨 :「この舞台の外が、関係ないのは、同じです」

時雨 :指を絡め、手を取る。

時雨 :至近距離だ。どうやら──絡めとられたらしい。

夜光みつき :ぐい、と少女を引き寄せて。

夜光みつき :虹掛かる雨の中、舞台を駆ける。

夜光みつき :地下の王が纏う、数多の球状の光が。

夜光みつき :光の渦となって。二人を飲み込んでゆく。

夜光みつき :『虹時雨』

夜光みつき :『"越(く)"ゆべき夢の』

夜光みつき :『道なれや』

夜光みつき :さあ。着いてこい。まだまだ、まだまだ。

夜光みつき :存分に魅せてみろや。

夜光みつき :へばっちまったら、是迄までよ。それとも────。

夜光みつき :これが──────あるべき終わりか?

時雨 :光の渦に目もくらむ。ぐるぐると巻き込まれていく。

時雨 :目の前の少女は、その活力に限りが無いのかのように──さらに、可憐を振りまいていく。

時雨 :(──まだ、ですよ)

時雨 :足に力を入れる。取られた手を高くつき上げ、腰に手を回す。

時雨 :(フィナーレには、まだ遠い)

時雨 :少女を抱き留める形。光の渦にノイズが混じり、零れていく。

時雨 :そして、大きく歌を奏でられず、細かなステップを刻めずとも、観客を魅了する術は、まだある。

時雨 :すなわち、演出を奪う。自分が目立つことは、誰かを影にする、それだけのこと。

時雨 :『──”百(もも)”の、歩みに』

時雨 :『翳す、水月──』

時雨 :夜光みつきが──紅海月が、真白ももあに助力していることは気づいている。

時雨 :ならば、そのパフォーマンスを受け、逃がす先は──渡り来た王に。

時雨 :スポットが集まる。渦が雨となる。

時雨 :それはまた、彼女たち以外の影となるはず────

真白ももあ :アンチ・アイドルウィルス――『ビリジアン・ブルース』。

真白ももあ :それが自らの命を削って可愛らしい少女の姿になってまでアイドルに憧れ、

真白ももあ :そこまでしてステージに立ったのに、『苦悶の橋渡しをしたい』と応援する側に回り、そこでファンの中で"一番"になった彼の中に、どうして生まれたのか。

真白ももあ :いつだって誰かの苦しみに寄り添おうとして、助けようとする優しすぎる彼は、怖かったのだろうか?

真白ももあ :アイドルが、誰かに寄り添い一緒に泣くのに疲れてしまうのを見ることが。

真白ももあ :どれほど支えたいと願っても、手を伸ばしても届かずに、海の泡と消えてしまうアイドルたちを見ていくのが。

真白ももあ :もう傷つきたくないと、もう好きになりたくないと。自分自身そんなこと思いたくないのに。心を守ろうとしたのだろうか?

真白ももあ :なら私は言わなくちゃいけない。

真白ももあ :真白ももあはてっぺんでいつだって輝き続けると!

真白ももあ :……だから、悲しまなくて大丈夫だよって。

真白ももあ :……でも、命を削ってアイドルやってた紅海月さんが、その心を犠牲に人類を救う鍵になってたのは、なんだか彼らしいな。

真白ももあ :ビリジアン・ブルースを外に持ち帰る気などさらさらない。

真白ももあ :ルベル・アウローラだって完全に消滅したわけではない。いつ脅威が甦るかわからないだろう。

真白ももあ :でも、だからってその対処法が感動のない世界だなんて、行きつく先はルベル・アウローラのやろうとしたことと同じだ。

真白ももあ :だから人類の脅威を打倒するのは――もっともっと大きな輝きじゃないと!

真白ももあ :こんなにもアイドルはたくさんの輝きがあって素敵なんだから、『おなじ』になったりなくしたりしちゃダメって伝えないと!

真白ももあ :己を穿とうとする雨の束を見据え。

真白ももあ :握る。一本のサイリウムを。

真白ももあ :赤、橙、黃、緑、青、藍 、紫と。

真白ももあ :その筒の中で、ふわりと色を変えていく。

真白ももあ :柔らかな光の軌跡が、激しく暗い雨から真白ももあの身を守る。

真白ももあ :私がすっごく素敵なアイドルだから世界は大丈夫、って証明することの助けになってくれたら……

真白ももあ :ビリジアンブルースが、紅海月さんの苦しみが、世界を救ったってことになるよね?

真白ももあ :「嵐の中のライブもかっこいいけど……」

真白ももあ :「客席からよく見えないのはもったいなさすぎ、でしょ!」

真白ももあ :

真白ももあ :光が溢れる。

真白ももあ :次の瞬間。雨雲は晴れ、衣装が紅を基調としたものに変わっている。

真白ももあ :声が響く。

真白ももあ :『表』に住む人間なら誰しも、あるいは異街の者でさえも。

真白ももあ :誰しも聞いたことがある曲。脳に直接響くような、心臓に向かって歌われているかのようなその歌。

真白ももあ :聞こえるはずのないコールの幻聴すら伴って響くそれは――『ズワイガニ対ヴァンパイア』。

真白ももあ :心に渦巻く。蟹を食べたいという感情!

真白ももあ :「♪ズワイガニもヴァンパイアも(ズワパイ!ズワパイ!)」

真白ももあ :「♪同じ人間なんだから(ズワパイ!ズワパイ!)」

真白ももあ :「♪タラバガニとは違うんだから(うおーっ タラバガニ!)」

真白ももあ :「♪手を繋ぎ 時に拳で語り合おう(言いたいことが、あるんだよ!でもやっぱり言わないしゃーいくぞ!)」

真白ももあ :何の因果か、ほんのすこーしだけ、失敗したクッキーをひとつ、口に含んだ彼は、

真白ももあ :美味しい、と。微笑んでくれた。

真白ももあ :しかし、それでも。救われたのだ。私は。

真白ももあ :きっと、そのひとにとっては。なんてことのないこと。

真白ももあ :しかし、そんな小さい切欠で。許されたような気がしたのだ。

真白ももあ :私は、憧れを、抱いてもいいのだと。

真白ももあ :ひとつの世界でしか生きられないと思っていた自分にも。

真白ももあ :手を差し伸べてくれる世界はあるのかもしれないと。

真白ももあ :故に、弱くなることが出来た。

真白ももあ :「♪蟹を(カニカニカニカニズワイガニ!)」

真白ももあ :「♪食べると(カニカニカニカニタラバガニ!)」

真白ももあ :「♪みんな(異柳!異柳!)」

真白ももあ :「♪無口になる(特大かにしゃぶキャンペーン!)」

真白ももあ :歌詞を紡ぐ度、輝きが溢れ弾ける。

真白ももあ :孤高を失った私は、人々の祈りを反射して輝く力は弱くなってしまったかもしれない。

真白ももあ :故に。魅せつけてやるしかない。

真白ももあ :自分自身の内から溢れる情熱で、自らを燃やし輝く光を!

真白ももあ :「♪ヴァンパイアを(パイパイパイパイヴァンパイア!)」

真白ももあ :「♪食べると(きゅうきゅうきゅうきゅう吸血鬼!)」

真白ももあ :「♪みんな(花屋敷!花屋敷!)」

真白ももあ :「♪元気になる(行こう!献血キャンペーン!)」

真白ももあ :悲しい歌を歌って、誰かの胸に響かせ涙を流させることが、簡単だとは決して言わない。

真白ももあ :でも、どうしようもなく明るくて、馬鹿らしい曲は、ただの悪ふざけで存在しているわけじゃない。

真白ももあ :私たちの歌は、何かの問題を、具体的に解決したりすることはできない。

真白ももあ :キミの会社にいってムカつく上司をぶっ飛ばす事はできないし、キミの学校にいってイジワルなあの子にコラッて言う事もできない。

真白ももあ :だけど、あまりに明るくて、馬鹿らしい曲を歌って。

真白ももあ :あんまりにもあんまりにも、キラキラと輝いていて。

真白ももあ :ああ、どうしてか分からないけど、胸が熱くなるなって。

真白ももあ :なんか分かんないけど、前を向けるなって。

真白ももあ :そう思わせてこそのアイドルでしょう?

真白ももあ :舞台がせり上がる。

真白ももあ :この輝きは、高く高くのぼり、あまねくものを照らさなければならないから!

真白ももあ :私は千里じゃ満足できないの!

GM :真白ももあが高みに至る。

GM :ここまでおいで、そうしなければあなたの歌も、ステップも届きはしないと。

GM :だがそこは、針の上を跳ねて進む茨道。

GM :繰り返される佳境が、今また更新されたのだ。

GM :===


system :[ 時雨 ] 忍具 : 3 → 2

GM :それでは次のラウンドへ移行します。皆プロットをお願いします。

時雨 :OK

合馬桜華 :OKです

夜光みつき :おうけい

真白ももあ :お待たせしました プロット前なしプロットOK!!

明日葉 セイ :OK!

GM :それではいきます

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 真白ももあ ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 夜光みつき ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

○戦場:高所

<プロット6>

(セイ)

<プロット5>

(ももあ)

<プロット4>

(夜光みつき/紅海月)

<プロット3>

(桜華)

<プロット2>

(時雨)

GM :それではやっていきましょう。

GM :まずはプロット6、宣言をどうぞ。

明日葉 セイ :はい!

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。

明日葉 セイ :対象は、ももあちゃんと紅海月さん

真白ももあ :勿論奥義破り!

明日葉 セイ :来い!!!!!

夜光みつき :あ~ん

夜光みつき :ちょいおまち

時雨 :自分は奥義破りはしませんね

真白ももあ :できればしぐにも参加してほしいのじゃが~

合馬桜華 :しません

真白ももあ :参加してくれたら生き残ったあかつきにはしぐを狙わないでおくのじゃぁ~

明日葉 セイ :ももあちゃん、強いですよ

GM :ホホホ

真白ももあ :もう体力2しかないよぉ

時雨 :もうこの段階でその交渉は通じないよw

明日葉 セイ :ここで落としておいて、おれとやりましょうよ

時雨 :セイくん倒せたら次こっちでしょ!

真白ももあ :このラウンドでってこと!

時雨 :セイ君の奥義が通ればそもそもこのラウンドであなたに狙われることはないんだよ

夜光みつき :つーか

夜光みつき :高所なんで

夜光みつき :接近しぐまで届かないのじゃあ…

真白ももあ :ここで我々を生かしてセイくんを倒した方が将来的に得だよ!

明日葉 セイ :そうかな? ほんとに?

夜光みつき :じゃこれ破るしかねえなあ

明日葉 セイ :縄も千手もこわくない?

時雨 :我々って、つまり紅海月さんと組んでるじゃないですか

明日葉 セイ :おれはこれしか武器がないよ

夜光みつき :そうかな……そうかも

時雨 :合馬さんも脱落したら、切り捨てられるの誰ですか!?

明日葉 セイ :おれは時雨さんと最後まで戦いたいな!

真白ももあ :追加忍法抱え落ちしたくないよ~~~~~~~~~~

真白ももあ :追加忍法ジャンキーのナケちゃんならわかるでしょ~~~~~~~~~!?!?!?!

夜光みつき :望郷あるんじゃないの? 正体見たりって感じだな

明日葉 セイ :そこの同情をさそうな!

真白ももあ :もう回想はきってるよ!

GM :勝負は無情なり

時雨 :正直私も……勝ちの目でもセイ君を最後に残したいしね

夜光みつき :じゃあなんとかするか

夜光みつき :兵糧丸を使う。

時雨 :何っ!!

夜光みつき :譜術を回復。

GM :そこはリスクを背負ってプロット6にいったセイくんが先手を取ったわけですからね

GM :抱え落ちいやだーは通らねえぜ!気持ちはわかるがな!!

夜光みつき :で、《経済力》で奥義破り。目標判定達成値は7かな

真白ももあ :全くもってその通り

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 0 → 1

明日葉 セイ :なるほどね!

真白ももあ :あたしは掘削術!目標11……!

真白ももあ :もちろんしぐもセイくんも修正くれないもんね……

夜光みつき :桜華ちゃん修正くれるかな?くれるかな?ワクワク

明日葉 セイ :さすがにね

真白ももあ :なんで紅海月さんと感情ないの?(素)

夜光みつき :さあ…?

GM :ウケるw

合馬桜華 :あ、無いんだ

真白ももあ :桜華ちゃんは修正ナシかな?

合馬桜華 :はい投げません

夜光みつき :びええ

真白ももあ :まあその方が安心感はある!

真白ももあ :じゃあいきますかぁ……

system :[ 紅海月 ] 忍具 : 1 → 0

夜光みつき :うーし

真白ももあ :2D6>=11 (判定:掘削術) (2D6>=11) > 7[2,5] > 7 > 失敗

夜光みつき :2D6>=7 (判定:経済力) (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗

真白ももあ :びえーーーーーーーーーーーーーーーーーっ

明日葉 セイ :うん

GM :おー???

夜光みつき :なんてこった

時雨 :高所で……逆凪か

合馬桜華 :

合馬桜華 :高所ダメージが……

真白ももあ :どのみち2だから死ぬよ!

夜光みつき :まあもともと範囲2で死ぬけどねえ

真白ももあ :範囲攻撃で!

明日葉 セイ :そういうこと

時雨 :それもそう

真白ももあ :なすすべなし。脱落!

GM :これ以上はなしかな

夜光みつき :うむ。

system :[ 真白ももあ! ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 真白ももあ! ] 器術 : 1 → 0

夜光みつき :脱落じゃの

GM :では、両者脱落!!

明日葉 セイ :やった……

system :[ 紅海月 ] 体術 : 1 → 0

system :[ 紅海月 ] 謀術 : 1 → 0

真白ももあ :アイドルが恋愛なんてしてるからいけないんじゃないか?

明日葉 セイ :この賭けには勝った!

GM :仲良しだなあ!イチャついてなんかいるからより純粋な方にパワーですり潰されるんだよぉ!ヒャハハハハ

夜光みつき :見事だったぞ。

明日葉 セイ :お疲れ様

明日葉 セイ :ふたりともありがとね!

合馬桜華 :強かったよ

合馬桜華 :このなわといて

GM :しかしここで、新星代表がふたりの王を落とすのは

GM :見事ですね

GM :続いて行きましょう、プロット3!

GM :宣言をどうぞ

合馬桜華 :参の人がんばれー

合馬桜華 :とか思ってたけど私なんだよ

GM :そうだぞ、どうぞ

合馬桜華 :生命力1点、謀術潰して

合馬桜華 :【魔血】で取得した忍法宣言します【獣化】

合馬桜華 :判定に回想乗せます、セイくん修正もらえたりする?

system :[ 合馬桜華  ] 謀術 : 1 → 0

明日葉 セイ :了解。あげます!

合馬桜華 :ありがとー! セイくんしゅきー

合馬桜華 :他が喧嘩してるのに一人暢気なもんだなこの復讐者

GM :では判定の方をどうぞ

合馬桜華 :では振ります

合馬桜華 :SG+1+3>=5 (判定:異形化) (SG+4@12#2>=5) > 6[3,3]+4 > 10 > 成功

合馬桜華 :よし!

GM :成功。

合馬桜華 :これで神槍が4点、接近戦が3点に化けるぞ!

GM :コワイナー

合馬桜華 :何を撃つんだよコレで

GM :それで、桜華さんはこれにて退場を宣言なさるそうですが、それは変わらず?

合馬桜華 :あ、いや 奥義振りたいんでもうちょっと残ります

GM :了解。

GM :では続いてプロット2。宣言をどうぞ!

時雨 :合馬さんに……【災雷】を!

GM :修正等処理し、振り給え!

時雨 :で………たぶんここ、かな

真白ももあ :なにっ

時雨 :回想シーンを……使用します

真白ももあ :追加忍法が……!?

夜光みつき :そっちかぁ~

明日葉 セイ :ふおお

GM :どんどん開いていく。

時雨 :【災雷】の判定に達成値+3……そして

時雨 :奥義を使用します。使用するのは【望郷】だあ!!!

夜光みつき :

真白ももあ :やっぱりな!!!!

時雨 :読まれ切ってたよ!

明日葉 セイ :そんな気はしてた

合馬桜華 :きたー!

GM :HAHAHA

時雨 :奥義破りなければ……回復させていただく

サブGM :やっぱり望郷じゃないか

明日葉 セイ :ちょっとお待ちを

明日葉 セイ :一応、指定特技なんですっけ

時雨 :《憑依術》……です!

夜光みつき :人脈ちょうちかいね

時雨 :ちょうちかい

GM :ですがセイくんはプロット6で縄状態、おまけにまだ現在は高所というリスクがありますね

明日葉 セイ :それなんですよ!!!!!

時雨 :逆凪すれば、縄込みで死ぬが……

明日葉 セイ :これはもうしょうがない。通します

合馬桜華 :セイくん、感情欲しい?

合馬桜華 :あ、破らない了解

時雨 :いみないからね

真白ももあ :いいのかい、体力全快になるかもしれないよ!

時雨 :ファンブル値敵に

明日葉 セイ :そうそう

合馬桜華 :ああ、そうか6だから

合馬桜華 :なるほどなぁ

合馬桜華 :めっちゃリスキーな賭け通したんだな

明日葉 セイ :ここで事故死するのはギャンブルではない、無謀だ

合馬桜華 :ホテさんが客席からニッコニコで見てるだろうさ

時雨 :では……命中判定いいでしょうか

合馬桜華 :あ、ウチは破りません!

合馬桜華 :

時雨 :先に回復かな。

時雨 :1d6 (1D6) > 5

夜光みつき :フホホw

明日葉 セイ :ww

真白ももあ :主人公

サブGM :全快!?!?

時雨 :……全快だオラッ!!!!

system :[ 時雨 ] 器術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 体術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 忍術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 謀術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 戦術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 謀術 : 1 → 2

夜光みつき :どっかの奥義打つより

system :[ 時雨 ] 戦術 : 1 → 2

system :[ 時雨 ] 謀術 : 0 → 1

system :[ 時雨 ] 戦術 : 2 → 1

GM :強い、強すぎる

夜光みつき :望郷打ったほうが回復するんじゃねえか?

合馬桜華 :やってくれたー!

合馬桜華 :や、やめろ

GM :不死身に謝って

真白ももあ :ふじなんとかくんは反省して

サブGM :望郷は-1ありませんからね

明日葉 セイ :つまり三回当てればいいんですね、わかりました

合馬桜華 :ミウちゃんとルベルさんがこっち睨んでる

明日葉 セイ :オッケー!

真白ももあ :しぐは割と人脈近いけどね……!

時雨 :じゃあ……命中判定行きます

GM :行きな!

時雨 :ちなみにコストは呪紋2個で足りてるよ

時雨 :2d6+3>=5 (2D6+3>=5) > 6[1,5]+3 > 9 > 成功

時雨 :成功! 《召喚術》で避けてね

合馬桜華 :裏取引があったので回避放棄

GM :では通ります。

時雨 :……ありがとう!

合馬桜華 :戦術潰します

system :[ 合馬桜華  ] 戦術 : 1 → 0

時雨 :戦場は悪天候に、なります!

真白ももあ :もっとお客さんに顔みせなよ~

GM :それでは全ての処理が終了!演出の方に移ります!

時雨 :雨なんか貫通するぐらい輝くよ


GM :===

GM :人類愛から新世界を目指したルベル・アウローラ。

GM :彼女の退場、状況は大きく動きつつあった。

GM :今、この場にあるのはただのプライドであり、情熱であり、歌い踊る喜び、それのみだ。

ルベル・アウローラ :『あら、私だって最後にはそれだけだったよ?』

GM :失礼しました。それではステージの方を見てみましょう。

ルベル・アウローラ :『セイちゃんは、やる気に満ちているね』

ルベル・アウローラ :『あの子、本当はすっごい我が強くて闘争心バリバリなんだから、それこそそれを隠さない真白ももあより上かもよ?』

ルベル・アウローラ :『真白ももあは、流石に堂々としたものね、王の自覚をもってこの場に立っている』

ルベル・アウローラ :『夜光みつき、ふふ、伝説の帰還。今この場で最も注目を集めてるのは、悔しいことに"彼女"かしら』

ルベル・アウローラ :『合馬桜華、なんだかずいぶんスッキリした顔しちゃって、ただただ歌い踊るのが楽しいだけって感じだね』

ルベル・アウローラ :『時雨、あれは――なにか、とびきりのことを企んでるみたいね。舞台にいちばん必要な、サプライズ!だっけ?観客席の子犬ちゃん』

GM :そうして、最初に動いたのは青い流星、明日葉セイ。

GM :もう彼を無名の新人アイドルだとは誰も思ってはいないだろう。思えるはずがない。

GM :"外"と"旧"。ふたりの王を前に躍り出る。

明日葉 セイ :足が前に出たのは、まだ動けるから。それだけ。

明日葉 セイ :そうして、周りにはまだライバルたちが居て、生き生きとそれぞれの光を放ち。

明日葉 セイ :観客席はサイリウムの銀河。

明日葉 セイ :(……ああ、今、おれは。この時は)

明日葉 セイ :(『最高』の中心にいる!)

明日葉 セイ :『星を望むなら北極星(ポーラ・スター) 巡りゆく空に瞬いて』

明日葉 セイ :『夜毎移りゆく天の火の 神話の行く手の舵になれ』

明日葉 セイ :高らかに歌い。

明日葉 セイ :そうして、すぐ傍のふたりを見る。

明日葉 セイ :……一番最初、あの撮影会で一緒に居たふたり。

明日葉 セイ :アイドルの話をした。『緑色』の話をした。ユニットの誘いを受けた。

明日葉 セイ :結局、受けはしなかった、でも後悔はしていない誘い。呪いの話もしたっけ。

明日葉 セイ :いつの間にか、キラキラの祝福に変わっていた言葉。

明日葉 セイ :緑のコイン。やがて返ってきた、自分の一部。

明日葉 セイ :歌いながら、ねえ、と呼びかける。

明日葉 セイ :「ねえ、ももあちゃん、紅……みつきちゃん」

明日葉 セイ :「楽しい?」

真白ももあ :にっこりとセイくんに笑いかける。

夜光みつき :「かかかっ」

夜光みつき :「今更、その問いに返す答えなど。必要あるまい」

夜光みつき :眩しげに、少年を見やる。

明日葉 セイ :「……ふふ」穏やかに笑って

明日葉 セイ :「おれも、もちろん楽しい。みんな好き。みんなの輝きが好き」

明日葉 セイ :「勝つのはひとりだけど、みんながそれぞれに違うことが、こんなにも、嬉しい!」

明日葉 セイ :そうして、最後の最後、勝者だけができること。ビリジアン・ブルースの破壊。

明日葉 セイ :そのことに関してはもう心配はいらない、と思った。それは、使命の放棄などではなく……。

明日葉 セイ :「おれが、全力で好きなことして、全力で勝ちに行ける!」

明日葉 セイ :それが、どれほど喜ばしいことか。

明日葉 セイ :いや、最初からそうだった。最初からそうなのだ。ずっと。

明日葉 セイ :いかな高所であろうと、明日葉セイは、まっすぐに駆け上がるだけ!

明日葉 セイ :「ありがとう、ふたりとも。いてくれて」

明日葉 セイ :輝きでかき消すのではなく。暴力で押しやるのではなく。ただ、手を差し伸べて。

明日葉 セイ :「……一緒に、踊ろう!」

明日葉 セイ :その行くべき道を照らす。それが、明日葉セイの勝利だ。

夜光みつき :紡ごうとした筈の声が。

夜光みつき :踏み出そうとした筈の足が。

夜光みつき :伸ばそうとした筈の手が。

夜光みつき :止まる。

夜光みつき :止まってしまう。

夜光みつき :「(ああ────)」

夜光みつき :「分かってたさ」

夜光みつき :てめぇが器用なのは精々、小手先のそれ。真っ当な泳ぎ方など知らぬ。

夜光みつき :今までさんざ、波に身を任せ。漂っていただけだ。

夜光みつき :揺ら揺らと、ゆらゆらと。

夜光みつき :やはり。演者にして観者。かの“ルベル・アウローラ”のようには、己は成れない。

夜光みつき :

夜光みつき :

紅海月 :「やっぱり、儂ぁ」

紅海月 :「演るより、見る方がすきだからよ」

紅海月 :ありのままで、如何応にも輝きを放つ、明日葉セイを。

紅海月 :愛しくも、妬ましい、その星の輝きを。

紅海月 :しかと胸に懐き、崩れ落ちる。

真白ももあ :明日葉セイから差し出された手に、丁寧にお辞儀。

真白ももあ :そしてくるりとターン。手は取らない。反対向きへ踊りだす。

真白ももあ :楽しい?と聞かれたときに向けた笑顔の意味。

真白ももあ :楽しい訳がない。

真白ももあ :ステージで歌い踊るのは楽しい。でも。

真白ももあ :もう分かっていた。私は明日葉セイに負けたのだと。

真白ももあ :悔しい!

真白ももあ :悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい!!!

真白ももあ :ここで笑って楽しかったなんて言える良い子だったら最初からステージになんてあがらなかった!

真白ももあ :いつだって勝ちたかった、でも今までのいつどんな時より今は絶対に勝ちたかったのに!!

真白ももあ :だって私は勝たなきゃいけなかった!

真白ももあ :私が助けてあげたかったのに!

真白ももあ :彼の苦しみには意味があったんだって、手を差し伸べてもらえたのは正しかったんだって、証明したかったのに!

真白ももあ :……ああ、だからなのかな。

真白ももあ :私はいつだってワガママで……自分のやりたいことをやってきた。

真白ももあ :……って、自分に言い聞かせてきた。

真白ももあ :でも、それは本当は、私がワガママに勝手にやってるって言ってることで、

真白ももあ :誰かが喜ぶこともわかってた。

真白ももあ :優しくないフリをしていただけ。

真白ももあ :強いフリをしていただけ。

真白ももあ :本当はいつだって、誰かの笑顔が嬉しかった。

真白ももあ :喜んでくれる誰かの為に、歌い、踊り、笑ってた。

真白ももあ :でも、今は、

真白ももあ :完全に私のワガママだった。

真白ももあ :アイドルじゃなくヒトだった。

真白ももあ :私が私の為に勝ちたかった。

真白ももあ :……だから、負けたのかな。

真白ももあ :アイドルに。

真白ももあ :でもね、だからね、少しだけ願ってしまうの。

真白ももあ :セイくんに声をかけたのは、きっとみんな、私に負けて欲しいと思うだろうから。

真白ももあ :セイくんに勝ってほしいと、思うだろうから。

真白ももあ :セイくんと組んだら、そうしたら少しでも、私にも幸せを望んでもらえるだろうと思ったから。

真白ももあ :だけど、もしかして、もしかしたら。

真白ももあ :私が助けたいと願った人は、私に勝ってほしいと思ってくれていたかな。

真白ももあ :アイドルとしては間違ってるけど。

真白ももあ :ヒトとして。願ってしまう。

真白ももあ :ふわり、ステージから落下。

真白ももあ :サイリウムの銀河へ、客席へ乗り出す。

真白ももあ :最後はただのひとつの星として。

真白ももあ :サイリウムの輝きに、混じり溶け消えた。

明日葉 セイ :……それを、じっと見送って。差し伸べた手をややあって戻す。

明日葉 セイ :極星の座は、ただひとつだけ。孤独なものかもしれない。けど。

明日葉 セイ :あなたたちのくれた輝きは、いつでも、ここに。

明日葉 セイ :熱は、ここに。

明日葉 セイ :胸を両手で押さえ、最後のフレーズを。

明日葉 セイ :『高く舞い上がれ』憧憬と、信頼とを込めて。

明日葉 セイ :『北極星!』

明日葉 セイ :流星のように尾を引く後奏が、ステージを青に染めた。

合馬桜華 :舞台が青に染まる、世界が変わる

合馬桜華 :消えた者がいる、去る者がいる

合馬桜華 :変わっていく、全てが

合馬桜華 :髪飾りについた桜結びされた糸に、軽く触れ

合馬桜華 :「____まだ、やってみるか」そして、桜華の身体より吹き出る華の勢いが増す。

合馬桜華 :

合馬桜華 :___女の子がいた。

合馬桜華 :頭が良いわけでも無く、特別優れたところがあるわけでも無く、しかし劣るところがあるわけでもない

合馬桜華 :けれど愛されていた、幸せな女の子だった。

合馬桜華 :幸せである事に無自覚でいられるほどに、恵まれた少女だった。

合馬桜華 :ただ、歌が好きで、絶対に言わないけど次に家族が好きで

合馬桜華 :歌手なんてささやかな夢を抱いて、やがてそれを忘れて普通に生きるだろう

合馬桜華 :繰り返しの中の只一人でしかなかった女の子だった。

合馬桜華 :___そうは、なれなかった。

合馬桜華 :口喧しかったけれど、大好きだった両親も

合馬桜華 :いつもちょっかいをかけてくる、うざったい男の子も

合馬桜華 :ささいな口喧嘩をして、明日謝ろうと思っていた親友も

合馬桜華 :みんな

合馬桜華 :一夜のうちに、意味のない屍の山へ変わった。

センヒ :『よう、遊びに来たぜ』

合馬桜華 :『ぁ____』

合馬桜華 :それをやったのは怪物だった、少女の知らない誰かの欲望(ルール)で解き放たれた、美しい殺戮者だった。

合馬桜華 :交わるはずのなかった世界が、少女の日常を砕き。

合馬桜華 :その肉体も、引き裂くはずだった

合馬桜華 :____怪物は女の子を、死なせなかった。

合馬桜華 :怪物の理屈(ルール)で、血と肉と臓物の雨の中で第二の生を与えた。

合馬桜華 :女の子は、人ではないものになった。

合馬桜華 :そして、自分の日常を守ってくれなかった人たちに拾われ

合馬桜華 :けれど、彼らの憎む血を持っているはずの女の子を、彼らは妹のように愛してくれて

合馬桜華 :だから女の子は、いつも異形に変わっていく自分の存在に怯えながら、彼らを愛そうとして……擦り切れそうになりながら、日々を送っていた。

合馬桜華 :____そしてふたたびの裏切りが、少女の世界を変えた

合馬桜華 :異能者たちの生きられる街……

合馬桜華 :そこで生きてきた男、力を持ってもなお輝き続ける少年

合馬桜華 :かつての自分とは違う存在になろうとしている、仇の一人だった男

合馬桜華 :何かを必死に追い求める、裏切った隊長

合馬桜華 :……そして、変わった怪物。

合馬桜華 :怪物は優しいと、誰かが言った。

合馬桜華 :そんな事は分かっていると、女の子は思った。

合馬桜華 :だがそれだけを肯定してしまえば、どうなるか

合馬桜華 :あの屍の山を、優しさによって理解してしまったら……

合馬桜華 :"それ"を少女はできなかった。

合馬桜華 :仇たちを、仇たちのままにしておけなくなった

合馬桜華 :かつて自分がそうされた報復として、血と傷によって報わせる事が正しいのかと悩んだ、それが楽だと擦り減った心は言っていた

合馬桜華 :____スポットライトが、あたった。

合馬桜華 :この街で生まれた、ただの仮初にすぎなかったはずの関係と立場は

合馬桜華 :そこでの出会いは

合馬桜華 :ただ歌を届けたいと大きな声願う少女、自分の存在と世界をパフォーマンスに変える異形

合馬桜華 :そして、全人魅倒になろうとした女の子

合馬桜華 :知らない世界は、かつて夢見たものにどこか近くて遠く

合馬桜華 :美しいものが、許しと復讐を同居させてくれた

合馬桜華 :星の輝きが、それを導いてくれたから

合馬桜華 :ありがとうと言いながら、自分の痛みを相手に伝えることができた。

合馬桜華 :自分の我儘を、貫いて……貫き通せた。

合馬桜華 :だから女の子は、今も生まれた時と同じ合馬桜華という名前で

合馬桜華 :青いステージの上で、自からの血を誇りながら、立っている

合馬桜華の秘密

あなたの故郷はとある妖魔によって滅ぼされた。

村近くの深山にねぐらを構える人喰いの妖魔をかつて【魃】が捕らえたが、彼らのうちのひとりが裏切りその妖魔を逃してしまう。

その結果起きた惨劇の唯一の生き残り、それがあなただ。

あなたはそのまま【魃】の一員となり復讐のために生きてきた。この忍務に名乗りをあげたのはその妖魔が竜骨島にいるという情報を掴んだためである。

あなたの【本当の使命】は復讐を成し遂げることである。

合馬桜華 :

合馬桜華 :桜華の身体がうっすらと紅の光を纏い、巧みに動き回る照明に巻かれて桜の花弁が散る。

合馬桜華 :「……さぁ、まだこっから、ショーは続けられなければいけない……よな!」

合馬桜華 :「見せてくれるって言ったんだから、ウチの願いも持って行ってくださいよね……時雨さん!」

時雨 :「──」

時雨 :(ああ、背負うもの、か)

時雨 :まただ。彼女の願いも、背負わなくてはならない。

時雨 :不死の同居人の希望も、致死の戦姫の殺意も、少しも離さず、身を振り続けてきた。

時雨 :みな、そうだ。誰もが背負っている。使命であったり、プライドであったり、夢であったり、祈りであったり。

時雨 :舞台の上で踊り歌う、それはなんて、重いことだろう。

時雨 :舞台の外のことなんて、捨ててただ楽しめればいいと、そう思うのに。どうしても手放せないでいる。

時雨 :(きっと、そういうことなんだ)

時雨 :私たちは、背負わずにはいられない。繋がらずにはいられない。

時雨 :ひとつになってしまえば楽なのに。けれども距離を取ったまま、つながりを見守り続ける。そういう選択をせずにはいられない。

時雨 :それを伝えにいこう。今示しにいこう。

時雨 :「──はい」

時雨 :桜の少女に笑顔を向けて、一歩を前に。

時雨 :──ああ、なんて重いのだ。

時雨 :──この不確かな身体では、上手く支えられないかもしれない。

時雨 :桜吹雪と流星が、時雨の姿を覆う。

時雨 :ノイズが鳴る。

時雨 :ゆっくりと眼帯に触れる。

時雨 :”怪人”時雨は、ずっと見続けてきた。そういう機能の存在だった。

時雨 :いつから機能を果たす、重要な器官を封じたのだろう。それすらも覚えていない。

時雨 :理由は明確だった。それを封じることが、それに頼っていた過去をも封じることだったから。

時雨 :──この街で、変わりたかったのだ。

時雨 :(けれど、本当に変わるなら)

時雨 :眼帯を外す。桜吹雪と流星が、ブロックノイズと化して混ざり合っていく。

時雨 :「貴方も、舞台に立つべきだ!」

時雨 :ざあざあ。

時雨 :ざあざあ。

時雨 :ざあざあ。

時雨 :そこに立っていたのは、外套を纏う男性。アイドルというには、少々華の無い姿。

時雨 :右眼からは、涙のように、何かを映す……ブロックノイズが流れ続けている。

時雨 :男が口を開く。

時雨 :「登場が遅れて──申し訳ない」

時雨 :「過去との決別のため。現在との和解のため。そして、未来を見て、触れて、共有するため」

時雨 :「おれにも歌わせていただけるでしょうか?」

時雨 :舞台の中心に。青い世界はそのままに。

時雨 :しかし高みは既にない。流星とサイリウムが、満天の星空のように、彼を見ている。

時雨 :「おっと、いけません。名乗りが、必要だ」

時雨 :「おれのことを覚えてもらわなきゃならない。応援してもらわなきゃあ、とても立てやしない」

時雨 :すう、と息を吸う。右手にはマイク。

時雨 :「おれは、竜を討つために生み出された存在」

時雨 :「そのために血を見てきた者。魔を見てきた者。死を見てきた者」

時雨 :「伝承によって形作られた、人造にして贋造の英雄。識別コードは──」

時雨 :声を張る。観客席を見渡す。

”シグルド” :「”シグルド”、そう呼ばれていました」

時雨/”シグルド”の秘密

あなたの内なる声たちが囁きかける。

『死を収集せよ。妖魔の血を集めよ。妖魔が人をころすさまを観察し、有益な情報とせよ。

収集の果て、最強の魔である【竜】を殺す存在に至れ。それがお前に、私に、我々に課せられた機能であり使命であるのだから』

あなたはかつてその声に従い観察のためにと、ある妖魔を逃し結果多くの命が失われた。あなたの記憶は曖昧であるが、あれはたしかにあったことだ。

今のあなたは以前とは違いあの行いは過ちであったのではないかと思うように変化しつつある。

そんなあなたの元へ送り主不明のメッセージが届く――「アレは異街にいる」。

あなたの【本当の使命】は過去に決着を付け、それを正すことである。

”シグルド” :「──けれど、今は。ただ示すためにここにいる」

”シグルド” :「変われるということを。償えるということを。繋がれるということを。ああ──言葉じゃ足りません」

”シグルド” :「明日葉セイ! おれの挑戦を──受けてくれますか」

”シグルド” :マイクを高く、掲げた。

明日葉 セイ :(「お前が、場に最適な"顔"を獲得できたなら……」)

明日葉 セイ :(「あるいは一番の敵になれるかもな」)

明日葉 セイ :かつてプロデューサーが言っていた、その言葉を噛み締めながら。

明日葉 セイ :ふと、笑って。

明日葉 セイ :「はい」

明日葉 セイ :「もちろんです。最後まで」

明日葉 セイ :「最高のステージを」

明日葉 セイ :「あなたの紡ぐあなたを」

明日葉 セイ :「見せて!」

”シグルド” :「当たり前です……ああ、なんて重い身体だろう」

”シグルド” :「約束で、契約で、絆でがんじがらめだ」

”シグルド” :「言葉にしなくたって、最高だ!」

GM :誰が、想像し得ただろうか。

GM :紅き王が墜ち。

GM :異邦の王が墜ち。

GM :古き王も墜ちた。

GM :舞台に立つは、無限の輝きを放って尚成長を続ける超新星。

GM :対峙するは、全ての光を喰らって我がものとし、朧な光で輝く暗黒星。

GM :その戦場に紅の花弁が添えられて――。

GM :今、最後のたたかいが始まろうとしていた。

GM :===

GM :行くぜ次ラウンド!では各自プロットの方をお願いします!

”シグルド” :OK

明日葉 セイ :OKです

合馬桜華 :OK

GM :ではいきます。

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ ”シグルド” ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 合馬桜華 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(桜華)

<プロット5>

(セイ)

<プロット3>

(”シグルド”/時雨)

明日葉 セイ :うむ

”シグルド” :うむ

GM :それでは行くぜ。

GM :まずはプロット6!PC4!

合馬桜華 :宣言通り脱落します

GM :了解、では合馬桜華脱落!

GM :続けてプロット5!

明日葉 セイ :はい!

GM :PC2、宣言をどうぞ

明日葉 セイ :はい

明日葉 セイ :【接近戦攻撃】をシグルドさんに。指定特技は意気だ!

明日葉 セイ :悪天候で間合いが伸びているはず!

”シグルド” :えっ範囲じゃないの!?!?

明日葉 セイ :で、縄で達成値-1、加えて回想を切り+3、計+2にします。

”シグルド” :い、《意気》は……やべえぜ

GM :攻撃に回想を切りに行った、攻めの姿勢だ

GM :では判定をどうぞ!

明日葉 セイ :応!

明日葉 セイ :2D6+2>=5 (判定:意気) (2D6+2>=5) > 6[3,3]+2 > 8 > 成功

明日葉 セイ :よし

”シグルド” :回避!!

GM :振りな!

”シグルド” :目標値……10!!

”シグルド” :2d6>=10 (2D6>=10) > 4[1,3] > 4 > 失敗

”シグルド” :ぐわああああ

明日葉 セイ :やあったーーーーーー

”シグルド” :接近戦ダメージは……

”シグルド” :1d6 (1D6) > 6

明日葉 セイ :!!!!!!!!!!

”シグルド” :妖術じゃねーか!!!!

GM :ようじゅちゅ

”シグルド” :最高か? ちくしょう!

明日葉 セイ :最高だな!

system :[ ”シグルド” ] 妖術 : 1 → 0

GM :では続けてプロット3!

”シグルド” :オス

GM :PC1!宣言を!

”シグルド” :【陽炎】【接近戦攻撃】! 指定特技は《絡繰術》!!

”シグルド” :2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

”シグルド” :2d6>=5 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

明日葉 セイ :あっ

”シグルド” :ダメだあ

明日葉 セイ :あぶねーーー

GM :おぉぉ

GM :では、演出は桜華さんの退場に絞り

明日葉 セイ :あっ、回想ー

GM :要請がない限り今後はってそうだっただ回想

GM :そういうのはやる

”シグルド” :そんなにかからないだろうし、最後までやらない?

GM :ですね

明日葉 セイ :はあい

GM :回想もそれに乗っけちゃいましょう

GM :決着までデータ処理を優先します。

明日葉 セイ :おけ!

GM :では処理の方からやってきます。

GM :勝者が決定した後、桜華さんの退場も含め演出を行います


GM :ではプロットをどうぞ!

”シグルド” :OK

明日葉 セイ :OK

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ ”シグルド” ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(セイ)

<プロット5>

(”シグルド”/時雨)

”シグルド” :寄った寄った!

明日葉 セイ :うおー

GM :では参りましょうプロット6、PC2!宣言を

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はシグルドさん。

”シグルド” :奥義破り!《人脈》は7!

”シグルド” :2d6>=7 (2D6>=7) > 9[4,5] > 9 > 成功

”シグルド” :成功!

明日葉 セイ :ぬー

GM :では次へ!宣言判定どうぞ!

”シグルド” :セイ君のダイス運がわからないが……安全策でいきます

”シグルド” :【接近戦攻撃】!

GM :よおし、やっておしまい!

”シグルド” :2d6>=6 (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

明日葉 セイ :うおーーーー

”シグルド” :なんなんだ

GM :シノビガミらしくなってきたな(?)


GM :では次へ!プロットゴー!

明日葉 セイ :OK

”シグルド” :OK

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ ”シグルド” ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

○戦場:悪天候

<プロット3>

(”シグルド”/時雨)

<プロット1>

(セイ)

”シグルド” :射程内

明日葉 セイ :なるほどね

GM :ではプロット3から!宣言判定どうぞ!

”シグルド” :【接近戦攻撃】! 5が出てくれりゃあいいんだよ!!!!

”シグルド” :2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

”シグルド” :成功! 《絡繰術》

明日葉 セイ :うーーーん、これは

明日葉 セイ :ちょっとまってね

GM :はいな

明日葉 セイ :まあ、回避振ります!

明日葉 セイ :縄で-1 ちくしょう

明日葉 セイ :2D6-1>=10 (判定:衣装術) (2D6-1>=10) > 6[1,5]-1 > 5 > 失敗

”シグルド” :よしよしよし

明日葉 セイ :失敗! 1点通してください

”シグルド” :接近1点!

GM :接近1、ランダムにひとつ落としてください

明日葉 セイ :えーと、残り2なので

明日葉 セイ :1d2 (1D2) > 2

明日葉 セイ :戦術が消えました

system :[ 明日葉セイ ] 戦術 : 1 → 0

GM :あ、1d6でいいですよ

明日葉 セイ :あ、そうなの! どうしましょ。振り直しはアリですか?

”シグルド” :1d6で もう消えてたら好きなところ消していい

GM :それで、既に削れてる分野になった場合は選択して削れます

”シグルド” :自分は振り直しOK

GM :おっけー振り直し

明日葉 セイ :ちなみに、振り直さないのはアリですか?

明日葉 セイ :あ、でもそうか、変か

明日葉 セイ :振ります

GM :ふっちゃいなー

明日葉 セイ :1d6 (1D6) > 4

”シグルド” :じゃあ好きなところ消しちゃえ~

明日葉 セイ :謀術だったので、同じく戦術を。

明日葉 セイ :変わらず、器術が残ってます

GM :おっけー、ではプロット1!宣言判定をどうぞ

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。シグルドさんに。

”シグルド” :奥義破りします! 目標値は7

GM :どうぞ!お破り!

”シグルド” :2d6>=7 (2D6>=7) > 7[3,4] > 7 > 成功

明日葉 セイ :ぬいー

”シグルド” :ジャスト!

GM :これは大きい


GM :では次へ!プロットゴー!

明日葉 セイ :OK

”シグルド” :OK

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ ”シグルド” ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

○戦場:悪天候

<プロット4>

(セイ)

<プロット2>

(”シグルド”/時雨)

”シグルド” :間合いだ!

GM :それではプロット4から!宣言判定をどうぞ。

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象シグルドさん。

”シグルド” :奥義破り!!

GM :破りな!

”シグルド” :2d6>=7 (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗

”シグルド” :ああああ

GM :おおっとぉ

明日葉 セイ :凪ではなかった……!

”シグルド” :体術と忍術で……!

system :[ ”シグルド” ] 体術 : 1 → 0

system :[ ”シグルド” ] 忍術 : 1 → 0

GM :では続けてプロット2!宣言判定どうぞ!

”シグルド” :【接近戦攻撃】、しかない!!!

GM :いけーー

”シグルド” :2d6>=5 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

”シグルド” :ハハハ!!

明日葉 セイ :うおおおおお

GM :あはははは

GM :わからなくなってきやがってたぜ


GM :では再びプロット!

明日葉 セイ :OK

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ ”シグルド” ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

○戦場:悪天候

<プロット5>

(セイ)

<プロット2>

(”シグルド”/時雨)

明日葉 セイ :

”シグルド” :しまった!

GM :うまい

GM :ではプロット5!宣言判定をどうぞ

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はシグルドさん。

GM :破りますか破るでしょうとも、判定をどうぞ

”シグルド” :破る!

明日葉 セイ :来い!

”シグルド” :2d6>=7 (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗

明日葉 セイ :おっと

GM :うわーーーーーー

”シグルド” :あああああ

”シグルド” :まずいな、もう

”シグルド” :器術だけ残して、謀術戦術を失います

GM :とうとう残り1vs1までに持ち込んだ!劇的!!

system :[ ”シグルド” ] 謀術 : 1 → 0

system :[ ”シグルド” ] 戦術 : 1 → 0

GM :ではプロット2、宣言判定をどうぞ

”シグルド” :あ、何もないです……


GM :では次へ!プロットゴー!

明日葉 セイ :OK

”シグルド” :OK

GM :

GM :

GM :

GM :

system :[ 明日葉 セイ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ ”シグルド” ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(セイ)

<プロット5>

(”シグルド”/時雨)

GM :おおっと、これは読み切ったか

GM :ではいきましょう、プロット6、宣言判定をどうぞ

明日葉 セイ :奥義使用。範囲攻撃で指定特技は人脈。対象はシグルドさん。

GM :では……破りな!

”シグルド” :奥義破り! 目標値は、13!

”シグルド” :2d6>=13 (2D6>=13) > 8[4,4] > 8 > 失敗

明日葉 セイ :……っ

”シグルド” :………失敗!!

GM :これにて……

GM :決ッ着ッ!!

明日葉 セイ :勝ちましたよ。プロデューサー!!!!!!!!

GM :しかしながら、見事なファイトでした、シグルド!

明日葉 セイ :シグルドさんもありがとう、本当にヒヤヒヤした

明日葉 セイ :マジで

GM :そして見事な逆転、明日葉セイ!

明日葉 セイ :うおーーーーーーーーーーー

GM :それでは、やっていきましょう……演出を。


GM :===

GM :場に残るは、全てが新人アイドル。

GM :まさかの状況、この3人のいずれかを一番の目当てにこの会場を訪れた観客は、残念ながら多くはないだろう。

GM :残念??とんでもない!

GM :観客たちの興奮が、声援が、輝く瞳がそう示している。

GM :絶演に次ぐ絶演。

GM :しかし、またひとりの演者が退場の挨拶にとセンターへと踊り出ることになる。

合馬桜華 :小さく礼をして、向き合う二人を見る。

合馬桜華 :片や流星の少年、片や竜の男

合馬桜華 :彼らの行く先がどうなるか、この場で最後まで見届けたい気持ちはある

合馬桜華 :だけど、自分の存在は

合馬桜華 :この場所に、いるだけで影響を与えてしまうだろうから

合馬桜華 :「___セイくん、時雨さん」舞台は、そういう場所なのだろうから

合馬桜華 :自身の中に宿る血を、輝く糸の力を借りて封じ込めながら

合馬桜華 :なるだけ、小さく……小さくなって

合馬桜華 :「頑張ってな、アイドル」桜吹雪に覆われ

合馬桜華 :消えた後に、少女の姿はない

合馬桜華 :元からそこにいなかったように、その姿は消えて、桜の花弁が僅かに散るのみ

合馬桜華 :過去と未来の伝説でもなく

合馬桜華 :その場にいた者の記憶だけが

合馬桜華 :そのアイドルがいた事の、証明だった

合馬桜華 :動画リンク

合馬桜華 :____雨が落ち、桜は咲いて、季節が過ぎる。

GM :桜が舞い――あとに残されたのは。ふたり。

GM :魅せつけ合うパフォーマンスに次ぐパフォーマンス。

GM :まるでお互いを飲み込むように、高め合うように。

GM :今、目覚めたてのフレッシュなアイドルの本能は次から次へと新しい演技に歌にを生み出していく。

明日葉 セイ :前へ、前へと急かされるように踏み出す。

明日葉 セイ :これまでは少しだけ俯瞰する位置にいた……が、それだけでは我慢できない、そう思った。

明日葉 セイ :(……おれ、もしかすると、少し足りなかったのかな)

明日葉 セイ :(誰かを踏みつけて勝つ覚悟も……誰かに蹴落とされて、負ける覚悟も)

明日葉 セイ :(でもさあ、でも)

明日葉 セイ :(そんなものなくたって、最高の気分で勝つって、証明したっていいじゃん!)

明日葉 セイ :ステップを踏む。共演相手に、近付いていく。

”シグルド” :桜の花弁をつまむ。ふっと吹き飛ばす。

明日葉 セイ :目を細め、それを微かに目線で追う。

”シグルド” :「セイくん──きっと君は、嬉しいと思っているんでしょうね」

明日葉 セイ :「わかります?」

”シグルド” :「最高の舞台で、最高の共演者と競う──おれだって、その感覚がないわけではありません」

”シグルド” :「ただ、割と──おれは、マジですよ」

”シグルド” :ばり、と何かを引き裂くような音が鳴る。

”シグルド” :”シグルド”が、赤い雷を手のひらに集約させ、大回りなダンスの要領で薙ぎ払う。

”シグルド” :桜の花弁が裂かれる。それと同時。

”シグルド” :雷が霧散する。”シグルド”の右腕が、光る透明の縄に締め付けられている。

”シグルド” :「く──アッハ! なるほど、こうなるんですね!」

”シグルド” :「本当に、よくよく──センヒさんは上手くやったらしい!」

”シグルド” :右腕の稼働を封じられてなお笑う。トントン、とステップを刻み始める。

明日葉 セイ :「…………」じっと、その腕を見ている。

明日葉 セイ :「マジ、は。そっちの方ですか? アイドルは?」

明日葉 セイ :笑顔のまま、試すように見ている。

”シグルド” :「ここが舞台で、セイさんがアイドルなら」

”シグルド” :「あの方法じゃ通らないだろうとは思ってました。おれの言う、マジっていうのは」

”シグルド” :男が笑う。それは凄惨とも言える強い笑顔。

”シグルド” :「それでも、おれにできることをなんでも!! 舞台に叩きつけられて、やれることを力の限り、試すことです!」

”シグルド” :左腕は動く。両脚はステップを刻める。

”シグルド” :そう、ここは、戦いの場ではないのだ。

明日葉 セイ :「おれのやることは、みっつ……実質ふたつかな」

明日葉 セイ :「ひとつは、勝つこと」そして、ビリジアン・ブルースの破壊。

明日葉 セイ :「もうひとつはね、このステージを最高に盛り上げて、みんなを最高に楽しませて」

明日葉 セイ :「ああ、よかったね。明日も頑張ろうね、次のアルバム楽しみだなあって」

明日葉 セイ :「そうやって帰ってもらうこと!」

明日葉 セイ :「これはただのおれの仕事で、わがまま。だけど」

明日葉 セイ :「舞台に叩きつけたりはしないです。だって、それは楽しくないもの」

”シグルド” :「──悪いことをしました。折角の舞台を、試すべきではなかったかな」

”シグルド” :「どう埋め合わせをすれば?」

明日葉 セイ :「……試したいならいいですよ。おれが修正する」

明日葉 セイ :「全部埋め合わせて、『楽しかった』ことにする」

明日葉 セイ :「おれはそれをやります。何があっても」

”シグルド” :「わかりました。おれも示して見せる」

”シグルド” :「おれたちは適応して、変わることができる」

”シグルド” :「セイさんが埋め合わせることがないくらい、皆を楽しませて見せますよ、この竜殺しが」

明日葉 セイ :「ふふ、そう。あなたは、アイドルになる……じゃなくて」

明日葉 セイ :「もう、今! アイドルなんですから!」

明日葉 セイ :人差し指を立て、高々と天井に向ける。

明日葉 セイ :爆発するように、音楽が流れ出す。

明日葉 セイ :超高速のギターと電子音が、ピコピコと奏でる音の波に乗って。

明日葉 セイ :合わせて、呪文のような祈りのような、まくし立てるような早口の歌声が。

明日葉 セイ :『ぼくがどこまでもとぶそのうちゅうのうなばらのかたすみにちっぽけなわくせいがあってそこできみがないていたとしたってぼくはかならずそれをみつけだすよ』

明日葉 セイ :『そんざいすらあやふやなかなたあふれるひかりまぶしいぎんがはじまりよりもおわりにちかいばしょだとしてもそんなのはぜんぜんかんけいないんだ』

明日葉 セイ :(……見てますか。今)

明日葉 セイ :(聞いてますか、今!)

明日葉 セイ :

明日葉 セイ :(「あの、プロデューサー。えとえと、ちょっと見てほしいものがあって」)

明日葉 セイ :(「これ、なんですけど……」)

明日葉 セイ :そう言って、甘いピンク色の表紙のノートを差し出した。

明日葉 セイ :出会いから、少しだけ経ってからのことだ。

明日葉 セイ :

明日葉 セイ :最高のアイドル。

明日葉 セイ :目指すつもりだった。目指せと言われた。ただ、像は明瞭ではなかった。

明日葉 セイ :最強、とは似て非なるものである気もした。争い合うようでも、孤高のようでもあり。

明日葉 セイ :諦めきれずに走り続けるたびに、少しずつ、少しずつ、見えてきたようで。

明日葉 セイ :少しだけ、狭めて考えてみた。ただの人ひとりの生において、『最高』とは何か?

明日葉 セイ :(今まさに、ってタイミングで、ここしかないってところに居合わせること、じゃないかなあ)

明日葉 セイ :出した答えがこれだった。

明日葉 セイ :それは、人生でほんの僅かに訪れる、歓喜の瞬間。

明日葉 セイ :たとえば、ある日の道端での出会いのように。

明日葉 セイ :たとえば、自分が今まさに、この最高のステージに立って光を浴びているように。

明日葉 セイ :では、アイドルはただの人とは何が違うのか。

明日葉 セイ :(偶像、神様、それとも結局普通の人。定義?はなんでもいい。ただ、届く範囲が広い)

明日葉 セイ :(自分そのものじゃなくても、声が、映像が、姿が、グッズが、たくさんの人の下に広まる)

明日葉 セイ :(ここぞという心震えるタイミングを、場所を提供する、その機会がずっと多い)

明日葉 セイ :(ライブなんて特にそうだよね。一度に大勢の人と大切な時間を過ごせる)

明日葉 セイ :(幻でもいい。何か美しいものをチラッとだけでも見せることができるんだ)

明日葉 セイ :(最高の時を。つまり)

明日葉 セイ :(おれの中の『最高のアイドル』は、たくさんの人になるたけ多くの『最高の時』を与えることができるもの?)

明日葉 セイ :(なるほど、フェスで優勝するくらいのアイドルなら、それはそういうものだよね)

明日葉 セイ :(てことは、じゃあやっぱり、おれはみんなにその『最高の時』を持って帰ってもらいたい)

明日葉 セイ :(そのためには、最後までずっと、ステージは楽しくなきゃだし……)

明日葉 セイ :(その最高には……最高をみんなに届けるのには、必要な人が居る)

明日葉 セイ :(おれだけじゃ、だめなんだ)

明日葉 セイ :『ひとりじゃないよ』真白ももあはこう囁いた。

明日葉 セイ :『ここにいるよ』自分はずっとそう歌ってきた。

明日葉 セイ :その言葉を、もっと前から学んでいたような気がする。

明日葉 セイ :時には先を行き、時には操り、時には背後で自分を押してくれていた存在。

明日葉 セイ :今も大きな一つ目で、ずっと自分を見てくれていることを、知っている。

明日葉 セイ :彼の手のひらの上で踊り幻を振り撒くのは、心地よいものだと感じていた。

明日葉 セイ :(疑うことはない。おれは、ずっと最高のアイドルでいられた。今もいられる)

明日葉 セイ :(盛り上がりは最高潮。パフォーマンスは順調。共演も全力。最後の最後の時まで、大丈夫。だっておれには)

明日葉 セイ :(最高のプロデューサーがついているんだから!)

明日葉 セイ :『アイドル・明日葉セイ』は自分だけのものではない。皆で作り上げた。

明日葉 セイ :そうして、ファンの皆の中にまたそれぞれの『明日葉セイ』が居て、輝きを伝えている。

明日葉 セイ :それは瞬く星空のようで、何より愛おしかった。

明日葉セイの秘密

あなたは自称プロデューサーである『灰色兎』からある【使命】を託されている。

それはこの世から【アイドル】を消してしまうという【ビリジアン・ブルース】という謎の存在、それの破壊である。

その方法は【最強のアイドルになって、最高の舞台で、最高のパフォーマンスをする】ことであるらしい。

つまり、あなたの【本当の使命】は変わらず最高のアイドルになることである。

明日葉 セイ :

明日葉 セイ :……灰色兎に見せたノートは、昔から密かに書きためていたものだった。

明日葉 セイ :中身は、歌詞。

明日葉 セイ :ほとんどは一蹴された。ただ、幾らかは手を入れれば、と認めてもらえた。

明日葉 セイ :今回のフェスでも、何曲かセットリストに入っている。

明日葉 セイ :形ではない、大切な宝物になった。最高の。

明日葉 セイ :(もうひとつ、プロデューサー)

明日葉 セイ :(おれをかわいいって言ってくれて。夢中って言ってくれて)

明日葉 セイ :(踊らされたっていい。幻だって、いいんだ)

明日葉 セイ :(ただの明日葉セイの『最高』は、やっぱり、あなたです)

明日葉 セイ :(ありがとうございます。ずっと)

明日葉 セイ :それは、舞台の上では誰にも見せない、言えない、物語として消費もさせてあげない。

明日葉 セイ :本当の秘密だ。

明日葉 セイ :

灰色兎 :「(この光景を……忘れないだろう)」

灰色兎 :「(忘れるものか)」

灰色兎 :ああ、でもしかし。

灰色兎 :記憶の細部はきっと色あせていく。

灰色兎 :アイドルに、消費期限があるように。

灰色兎 :いのちが永遠でないように。

灰色兎 :だから、せめてもの抵抗にと、美しい思い出という絵の具でそれをべたべた塗り、飾りつけて。

灰色兎 :「(それすら、嫌だ、嫌で、嫌でたまらない)」

灰色兎 :「(なぜ、今以外があるのか)」

灰色兎 :「この美しい時間が終わって、明日が来てしまうのか……」

千十嵐リンネ :「それは、新しい歌を聞くためにだろう?」

千十嵐リンネ :いつの間にか、隣に座った紅が。

千十嵐リンネ :「クク、お前、そんな顔で自分のアイドルをみるのだな」

千十嵐リンネ :「私の目がとびきり良ければ、あの時それを拝めたか?」

灰色兎 :「うるせえ……」

灰色兎 :「お前な、全部、全部わかってるくせによ」

灰色兎 :「それが、わかってたくせによ」

GM :新しい歌を聴こう、そのために生きていこう。

千十嵐リンネ :「いいじゃないか、おかげでこんなものが観れた」

千十嵐リンネ :眩そうに、嬉しそうに舞台を眺める。

灰色兎 :「チッ……」

灰色兎 :「お前も、出せよ新曲」

千十嵐リンネ :「ああ、きっとな」

GM :いま、ステージは何度目になるかもわからぬ最高潮を迎え――

明日葉 セイ :……プロデューサーに認められた曲を、叫ぶように歌う。正確には、『音数が関係ないからなんとかなる』という理由でだが。

明日葉 セイ :『そうやってうまれたきらきらのいのちいのりたしかなさいわいとともにぼくらはきくだろうみみをすませふつふつとつぶやくまんてんのほしぞらのした』

明日葉 セイ :「……あたらしいうたを!』

明日葉 セイ :『鳴らせ! 真珠色のスピーカー!』手を差し上げる。

明日葉 セイ :『走れ! お気に入りのスニーカー!』あふれ出す、それは星でも光でもなく。

明日葉 セイ :『幾つもの君の中から『ほんとう』を探し出したなら』熱が。

明日葉 セイ :会場に渦巻く、心の熱、魂の熱。形のない、色もない、大きなうねり。

明日葉 セイ :『ああ もう何も怖くないね 開宴と終焉の間で』

明日葉 セイ :それが、渦巻く。舞台の上だけではない。その場全てに。まるで恒星の傍にでも居るように。

”シグルド” :(そうか、こうなのか)

”シグルド” :笑顔と、歌と、共感と、輝きと、そして熱。──これが、アイドルなのか。

”シグルド” :眼帯越しで認識していたそれよりも、それはずっと眩しい。熱に圧され、浮かされそうになる。

”シグルド” :(そう、おれにとってこれは、記憶でしかない。実感じゃなかった)

”シグルド” :あるいは、時雨としてなら。このすべてを支配するような熱狂も、変幻自在に乗りこなすことができたのだろうか。

”シグルド” :(──いや)

”シグルド” :苦笑する。マイクを握る手に力を籠める。

”シグルド” :(おれはここから始まるんです。ここにおれが、生まれたんです)

”シグルド” :(過去にけりをつけるために。時雨でない、”シグルド”が、他の途を辿ることができると示すために!)

”シグルド” :『──ねぇ、ちょっとだけ、いいかな』
『すこし寒いよ。月が見てる夜だから』

”シグルド” :『震えたって、足は出ないかな』
『着こんだって、声は出ないかな』

”シグルド” :『悩んだって、いずれ凍えてしまうのかな』

”シグルド” :『ぼくには寒い夜だから、そんなことを考えてしまうよ』

”シグルド” :『誰かが見てくれてるはずだって。か細い声が届くかな。月が見てる夜だから』

”シグルド” :『”やだやだ”なんて、言わないで、お願い』

”シグルド” :『──ねぇ、ちょっとだけ、そっちに行ってもいいかな』

”シグルド” :深い、遠雷のような声。熱に搔き消されることを承知で。

”シグルド” :聞いてくれる誰かに届けるための声を。示すための声を。

”シグルド” :楽しむための声を、歌い続ける。

明日葉 セイ :大きく掲げられた手のひらが、さっと翻される。

明日葉 セイ :やかましいほどに鳴り響いていた音楽が、徐々に緩やかに。

明日葉 セイ :弾丸のような歌声が、すっと収まり。

明日葉 セイ :「歌って!」

明日葉 セイ :シグルド向けて差し出される手。

明日葉 セイ :取られなくたって、構わない。

明日葉 セイ :「そのまま、歌って! 踊って!」

明日葉 セイ :ひとりでいたって、別に構わない。でも、それでも。

明日葉 セイ :『ここにいる』と。それだけは言いたかった。

”シグルド” :(──なんて、傲慢で、可憐だろう)

”シグルド” :(星のよう、それも)

”シグルド” :(おれたちを重力で掴んで離さない、青い星みたいだ)

”シグルド” :右腕は動かない。だから。

”シグルド” :左手のマイクを懐にしまって。

”シグルド” :”最高のアイドル”の、手を取った。


GM :万雷の拍手が会場を包む。

GM :今ここに、ドラゴン・ボーン・フェス。その優勝者が生まれたのだ。

クユ :光を乱反射してキラキラと輝く瞳がステージを見る。

クユ :「……ふむ」

クユ :「勝ったのは、明日葉セイ」

クユ :「だから、あれが一番良い歌で、一番良い踊り」

クユ :「なのに、クユには時雨がいちばんだ、今も」

クユ :「変なのでは?クユはおかしい?」

客ドワーフ :「嬢ちゃん……」

客ドワーフ :「それはちっとも変なことではねえ、お前さんは正しい」

客エルフ :「ええ、そういうものなんですよ」

クユ :「そういうものなんだ……」


GM :これにて、勝負が決しました。

GM :勝者、PC2、明日葉セイ。

GM :戦果を選択してください。

GM :なお、この瞬間にプライズ:ビリジアンブルースを所持しているPCはそれを破壊することが可能です。

真白ももあ :まじで!?!?

真白ももあ :破壊する破壊する破壊する破壊する破壊する超破壊する

GM :勝者がだよ

紅海月 :そうじゃよね?

真白ももあ :あっ はい

明日葉 セイ :あ、なるほど

真白ももあ :かえります

紅海月 :みてような

サブGM :『勝者が所持していた/取得した場合』かな?

明日葉 セイ :取得のち破壊か

合馬桜華 :なるほどね

明日葉 セイ :ではももあさんの所持するプライズ:ビリジアンブルースを破壊します。

GM :了解しました。

GM :ちょっと言葉足りてなかったね、ソーリー

GM :それでは明日葉セイがビリジアンブルースを取得、そして破壊。

GM :お疲れさまでした、クライマックスフェイズ終了です。

GM :次回からEDを行っていきます。

GM :===

エンディング:時雨

GM :あっけなく、日常は戻ってきた。

GM :あの狂騒はどこへやら、異街の住人たちはまた己の仕事に、あるいは次の祭りを探して各々の生活へ。

GM :そうして、それはここ"逆月亭"でも変わりなく。

アカネ :「変わりないってことは、まあガランとしてて過ごしやすいってことなんですけどね~~」

逆月亭の店主 :「言うな……」

逆月亭の店主 :「俺はな、困っているんだ」

逆月亭の店主 :「どうして、デカいモニターなんか買ってしまったんだろうな、俺は……」

逆月亭の店主 :そう言って、壁にかけられたソレを眺める。

"鬼精" :「いいではないか」

"鬼精" :「おおきな画面でゲームをすると、気持ちがいいぞ」

クユ :「負けん」コントローラーを握りしめ。

クユ :あれからのクユはというと。

クユ :アイドルとその応援に関しては何やら満足したらしく、次のことへと興味が移っているようだ。

"鬼精" :「手札ゴミだな、クユよ」デカい画面を眺めながら。

クユ :「トップで解決する」

クユ :今はカードバトルに夢中であるらしく、"伝説のレアカード"を求め連日ダンジョンに挑んでいるのだとか。

"鬼精" :「それを出したらどうだ、相手が勘違いして対抗を空打ちしてくるかもしれんぞ」

クユ :「騎士道精神に反する」

"鬼精" :「お前は騎士ではなく化け物側だろうが」

クユ :「それもそうか」シュピピーン

"クテン" :「トラップカードって概念があるゲームに騎士道精神は存在しねェだろ」

クユ :「明後日に大会があるからな、午後からはまたダンジョン」

"鬼精" :「うむ、見事伝説のカードを手に入れにんげんどもを蹂躙するが良い」

GM :あれから、いくつかの変化があった。

GM :おおきなことは、ひとつ。

GM :希族街の王について。

宍戸れみふぁ :『私が、王様なんてできるわけないでしょぉおお!!』

千十嵐リンネ :『嘆くな、週1で代わってやろうではないか。それにあの時は見事トップをやっていたではないか』

GM :己の身体を失った千十嵐リンネ。彼女は現在宍戸れみふぁの肉体に間借りするかたちで存在しており、事実上の特殊な王座変更というかたちになった。

宍戸れみふぁ :『買えばいいでしょう!新しい身体なんて!そして王さまを続ければいいでしょう!』

千十嵐リンネ :『いやだ、この状況を楽しみたいからな』

GM :そういうわけで、今の希族街は毎日てんやわんやの大騒ぎである。

GM :トップの交代、およびにナンバー2の失踪。

GM :そう、ナンバー2の失踪である。

"鬼精" :「まあ、ここにいるんだがな」

アカネ :「え!?そうなんですか?」

"鬼精" :「なんか消えかけてたから、腹の中に収めた」

アカネ :「え?!食べちゃったの?!?」

"鬼精" :「これは持ち帰る」

"鬼精" :「キビの山で暮せばいいだろう」

"鬼精" :「幸いアカネ、お前という管理者もいることだしな」

アカネ :「えぇぇ~~~~??」

"鬼精" :「人と魔には適切な距離感というものがあるだろう」

"鬼精" :「ここは、それを狂わせる」

"鬼精" :「コレは一度人から離れるべきだな」

"鬼精" :「その後、改めて学びを得た上でどうするかはキビの預かり知るところではない」

アカネ :「それっていざってときは私やその子孫がどうにかしろってことなのでは?責任丸投げ???」

"鬼精" :「責任なんてものはひとの理屈だろう、払うなら魔と関わったひとの側だ」

アカネ :「……そうなんでしょうね、そっちに言わせりゃ……ああもう」ブツブツ

アカネ :「それで、時雨さんって……」話題を切り替えるように、顔をあげて。

アカネ :「続けるんですか?アイドル」

”シグルド” :「ふむ」店内のモップがけをしていた手を止める。

”シグルド” :「悩みどころです。モニターの減価償却をするためにはもう少しがんばったほうがいいでしょう」

”シグルド” :「それに、彼らの戦い方も、実に学ぶべきことが多かった」

”シグルド” :「ただ、おれの”目的”が、今は別のところにありますからね」

”シグルド” :「クユさんは舞台ではなく召喚フィールドにお熱のようで。追及するのも寂しいものですよ」

クユ :「そう、時雨はクユと伝説のカードを手に入れる」

クユ :「メイン盾なので」

アカネ :「(盾なんだ……)」

”シグルド” :「騎士になれれば光栄ですね。クユさんは回復役ですか?」

クユ :「クユはバッファー」

クユ :「ヒーラーはえるふ。火力がどわーふ」

"クテン" :「またあのなんたらドラゴン倒しに行くのか?」

クユ :「クテンも来る?タンクはもうひとりいてもいい」

"クテン" :「あ~」少し考える様子。

"クテン" :「フェスも終わって、しばらくはデカい仕事もなさそうだしなァ。一攫千金目指すのもいいが」

"クテン" :「まァ、今はまだいいわ。実入りも結構あったしよ」

"クテン" :「ここんとこフェスでバタバタしてたからな。ちょっと休暇だ」

"クテン" :「俺が休むのに飽きてもまだ攻略中だったら、そんときゃ仲間に入れてくれ」

クユ :「わかった」

GM :驚くほど平穏な日々が続いている。

GM :"シグルド"を異街に呼び寄せた謎の依頼人からの連絡も無い。

ハーミィル・ムゥ・ムール :『それじゃ僕は帰るけど』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『ん?ああ、こんな身体だしね、比良坂のつてで斜歯の方にでもご厄介になってみようかなって』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『きみを?呼び戻す?』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『いやいや、時雨、や"シグルド"だっけ?』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『うちだって一時預かりの立場だったんだ、きみの元々の所属がどこかなんて知らないんだよ』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『それじゃあ、よき成長を』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『きみが果たして竜殺しの英雄なのか、あるいはドン・キホーテなのか見届けたい気持ちはあるがね』

ハーミィル・ムゥ・ムール :『僕は僕の方法で魔を殺し続けることにするよ、"観客"――見ているだけってのは性に合わないからね』

GM :こうして、異街を騒がせた来訪者のいくらかは、来たところへと帰っていった。

クユ :「ふむ、逆転勝利」

クユ :ファンファーレの鳴り響く画面を見つめる。

クユ :「本番に合わせて、紙の方も調整しておかねばならないが」

"鬼精" :「待ち合わせまでそんなに無いのではないか」

クユ :「じゃあ帰りに決闘道(ロード)に寄っていく」

"鬼精" :「おう、勝ってこい」

クユ :クユは、色んなものに興味を持っている。

クユ :毎日のように、あたらしいものに手を出す。

クユ :逆月亭に設置されたカメラに、色々なことを流している。店のチャンネルはそこそこの人気があるようだ。

クユ :「時雨は、何かしたいことはないの?」

クユ :「たまにはクユの方が手伝ってやっても良い」

”シグルド” :「……」

”シグルド” :何度か目をまばたきする。

”シグルド” :「したいことといえば、そうですね」

”シグルド” :「勝ちたいですね、次は」

クユ :「それは実に良いこと」

”シグルド” :「勝って、誰かの記憶に残る……それが英雄としてのおれの在り方だったはずです」

”シグルド” :「けれど、それだけじゃないな」

”シグルド” :「時雨も残っている。誰かの記憶に。あれは戦うことも勝つことも求めていなかったが、そうあることができた」

”シグルド” :「二つの間は近いようで遠い。まずは橋を架けられるところを探したいですね」親指と小指を立ててジェスチャーをする。

クユ :「ふむ」

クユ :「クユには欲しい物とかそういうのは実際よくわからないので……」

クユ :「勝利というのは、明確な価値であるとされているので、わかりやすくて良い」

クユ :「たぶん、好ましく思ってる」

クユ :「だからとりあえずそれを、集めてる」

”シグルド” :「そうだったんですね。慧眼です」

クユ :「時雨の言っていることは、ちょっとクユの目的とは違うようだ」

”シグルド” :「価値……価値か、そうですね」

クユ :「クユはいつかそれもわかると良いと思う」

”シグルド” :「おれだって具体的にはわかっていないんですよ」困ったように笑う。

”シグルド” :「けど、いつか一緒にわかることができたら、嬉しい」

”シグルド” :「そう思います」

”シグルド” :キビを一瞥する。奥を覗き込むことはできない。

”シグルド” :「──いつか一緒に」

"鬼精" :「クク」

"鬼精" :「難しいぞ、それは」

"鬼精" :「現に、そういう思いが悲劇を生んだのだろう」

"鬼精" :「キビも、そういうものをたくさん見てきた」

"鬼精" :「だが、お前らひとはやめられない」

"鬼精" :「望むことをな」

"鬼精" :「"シグルド"、お前のそれはやはりひとだよ、ひとの欲望の形をしている」

"鬼精" :「願いがあれば、いつでもキビにいってみろ」

"鬼精" :「いくらか払えば、叶えてやるとも」

アカネ :「……」(わかってますよね、という顔)

”シグルド” :「考えておきます」

”シグルド” :「人らしくなりたいという望みを、妖怪にかなえてもらうのもぞっとしませんね」

”シグルド” :「……さて」モップをしまう。

”シグルド” :「そろそろ行きますか、クユさん? 盾でもなんでも、やれますよ」

”シグルド” :「成長中、ですから」

クユ :「うむ、では改めてぱーてぃーめんばーを紹介する」

クユ :コントローラーを置き、立ち上がる。

クユ :「時雨は、前にちょっと会っただろう」

クユ :「えるふというのは森に住んでてな、背が高く、耳が尖り草の匂いがする」

”シグルド” :「草の……」

クユ :「どわーふというのは地下に住んでてな、」解説を続けながら店の出口へ向かう。

”シグルド” :「土の……」

アカネ :「いってらっしゃーい」

逆月亭の店主 :「おう、いってらっしゃい」

"鬼精" :「土産を、忘れるな」

"クリスタル・ディンゴ"滑皮 まいむ :「お気をつけて~」

"クテン" :「オウ、勝ってこいよ」

”シグルド” :手を振って……少し考え。

”シグルド” :ステップを踏み、くるりとターンする。一礼。

”シグルド” :逆月亭を後にする。日常から非日常へ。新しいあり方へ。

”シグルド” :「……そういえば、クユさんはおれのことを時雨と呼びますね」

”シグルド” :「結構、生まれ変わった気持ちなのですが。違和感はないですか?」

クユ :「クユだって、毎日変わってるが?」

クユ :「そのたびに呼び名を変えるのは、効率的ではない」

”シグルド” :「それもそうですね」

クユ :「うん」

時雨 :「では……おれも”時雨”でいいか」

時雨 :「あれは識別コードにすぎないし、こちらの方が馴染み深いです」

時雨 :「それに、クユさんに呼んでもらえるほうがいい」

クユ :「ふむ」

クユ :「ではクユが時雨に名前をつけたことになるな」フフンと息を吐いて。

時雨 :「ありがとうございます」微笑む。

時雨 :こつこつと、石畳の上を歩いていく。

時雨 :それは、最高峰にまで登るステップでは無いけれど。

時雨 :地続きの、新しい世界に、きっと繋がっている。

GM :===


エンディング:明日葉セイ

GM :カラフル&ポップな照明に包まれた店内。

GM :パンケーキ専門店『フェアリィ・リング』

GM :その味や夢に満ちた空間は異街のそういうものに目がない多くの人を虜にしている。

GM :連日の長蛇の列を作ってもおかしくはない店であるが、そういうことにはならない。

GM :なぜならその店は毎日、ランダムな場所に現れる文字通り"幻"の店なのである。

GM :その日の店の位置を他人に教えた人物は、店に二度と出会えなくなるという噂であり、招かれた幸運な客がその至上の味にありつけるという曰く付きの店なのだ。

灰色兎 :「いや、なんで俺まで……」

灰色兎 :額にシワを寄せて、メニュー表を睨みつける。

明日葉 セイ :「だって、一対一だと見られたらあんまり良くないでしょう?」

明日葉 セイ :「保護者がいれば怪しくない! 完璧!」

合馬桜華 :「そうそう、今をきらめくトップアイドルやもんね」

合馬桜華 :店内を興味深そうに見ている

明日葉 セイ :「あと、ここの店内にプロデューサーは絶対合うと思ったので」

明日葉 セイ :指でフレームを作る。

明日葉 セイ :「うん、かわいいー」

明日葉 セイ :「来てくれてありがとうね、桜華ちゃん」

灰色兎 :「は?合う?」げっそりと周囲を見回して。

灰色兎 :「いや俺に合うのは屋台のおでんがいいとこだろうが……」ブツブツ

明日葉 セイ :「はいっ、バッチリです。明日葉セイプロデュースですよ」

合馬桜華 :「たしかに、世界観が同じな気がする兎氏」

合馬桜華 :「約束やったからね、一応コレでも楽しみにしてたんよ」来てくれてありがとう、という言葉に

明日葉 セイ :にこにこと、とても楽しそうにしている。

明日葉 セイ :「そう、約束!」

明日葉 セイ :「ちゃんとおれも叶えなきゃって思ったから。よかったー」

明日葉 セイ :「桜華ちゃん、すぐいなくなっちゃったから」

明日葉 セイ :フェス決勝の話をしている。

明日葉 セイ :気が付けば春に散る桜のように姿を消していた彼女、少し心配をしていたのだが。

合馬桜華 :「あはは、ごめんな……ウチがあの場所でやる事は終わってたから、な」

明日葉 セイ :「うん、そうかなとは思ってた。そこは、お疲れ様」

灰色兎 :「ふうん」

灰色兎 :「合馬桜華、そうは言うがな、お前」

灰色兎 :「正式にやるつもりはねえのか?」

灰色兎 :「俺のツテで話をかければ、お前の面倒をみたいって奴はいくらでも現れるぞ」

灰色兎 :「俺はいちどに複数を見る気はねえが」と、付け加えて

合馬桜華 :「正式にって……アイドルを?」

灰色兎 :「そうだ、その素質について口を挟むやつなんざいねえだろ」

明日葉 セイ :「うんうん、それはそう!」

灰色兎 :「あれを見ちまったあとだとな」

合馬桜華 :複数見る気は無い、という言葉に セイくんは本当に大切にされてるなぁと思いつつ

明日葉 セイ :「向いてると思うよ。えっと、無理にとは言わないけど」

合馬桜華 :「ありがと、セイくん」

合馬桜華 :「全部終わった後にアイドルになる……は、考えた事なかったなぁ」

合馬桜華 :周囲はプロに特能者にであったし。

合馬桜華 :「たしかに、アリな道ではあるんだろうけど」

合馬桜華 :「ん-……でも、いいかな」と、半分になったメロンソーダをゆっくりかき混ぜながら

灰色兎 :「そうか」

明日葉 セイ :「えーっ、あ、そっか…………」明らかにがっかりした顔をする。

灰色兎 :「まあ、興味がないのは"幸い"なことだ」

明日葉 セイ :「そっかーーーーーー」椅子にもたれる。

合馬桜華 :「あはは、ゴメンな……戻っても、センヒがおらんしな」

灰色兎 :「世の中にゃもっとマシな幸福なんざいくらでもある、ある意味安心したぜ」

明日葉 セイ :「今日おれ、桜華ちゃんに言いたいことがあったんだけどなあー。ほんとはみんなに言いたかったんだけど」

明日葉 セイ :「多分、みんな今おれに会いたくはないだろうし……」

合馬桜華 :「言いたい事? 何?」

合馬桜華 :興味津々

明日葉 セイ :「『来年のフェスで、おれに挑戦しに来ない?』」

合馬桜華 :「あはは」

明日葉 セイ :「本気だけど、あの、わかってるよ」

灰色兎 :「椅子投げられるぞそれ……」呆れ返った顔で

明日葉 セイ :「みんな事情があるもの。ずっとアイドルするとは限らないし、ここからも帰ったり……」

明日葉 セイ :「だって」

合馬桜華 :「セイくんは時々大胆やなぁ」

灰色兎 :「だいたいなぁ、もう王様気取りか!!たまたま優勝した!殻を破ったばかりのピイピイひな鳥が!!」

明日葉 セイ :「ひえ」

明日葉 セイ :「だってだってだって」

明日葉 セイ :「だって、一緒に楽しくやろうがダメなら」

明日葉 セイ :「そう言うしかないじゃないですか」

明日葉 セイ :「『また会おうね』の代わりには」

明日葉 セイ :やたらと積み重ねられたパンケーキをつつく。

灰色兎 :「ほんと、大したやつだよお前は」

灰色兎 :「いい意味でも悪い意味でもな」

明日葉 セイ :「おれ、だってみんな好きだもん」

明日葉 セイ :「ずっと、楽しかったんですよ」

灰色兎 :「そういう点じゃあ、俺の想定の上を行ったわけだ」

合馬桜華 :「言われなくても、来る人らは来るんとちゃうかな……楽しみやね」

灰色兎 :「見定めたつもりだったが、それでも掘り出し物だったな」

明日葉 セイ :「えへへ」

明日葉 セイ :「来てほしいなあ……絶対来てほしい」

明日葉 セイ :「だって、れみちゃんは物語の話をしてたけど」

明日葉 セイ :「何か大きなことが終わったら、全部終わっちゃうわけじゃないでしょ」

明日葉 セイ :「ページは続くし。おれもだけど。こうしてパンケーキも食べられるし」

明日葉 セイ :もぐ、と結構大きな一口を。

明日葉 セイ :「おいしいーー」

合馬桜華 :「真っ直ぐやね、セイくんは」

明日葉 セイ :「そうなのかな。視野が狭いのかも」

灰色兎 :「そうだ、こいつはほぼ本能で動いてるだけだ」

明日葉 セイ :「だから突っ走れる、のかなあ……って」

灰色兎 :「とんだ猛獣だよ」

明日葉 セイ :「猛獣ってなんかかわいくない!」

灰色兎 :「はいはい、そうかいそうかい」

灰色兎 :「まあその分俺みたいのが苦労するはめになるんだが」

明日葉 セイ :「そうですよ! せめて猫にして!」マフラーをついつい引っ張っている。

合馬桜華 :「おつかれさんですよ、名コンビ?」

明日葉 セイ :「名コンビですって、プロデューサー!」ぱっと笑顔になる。

明日葉 セイ :「……あ、そだ」

明日葉 セイ :「桜華ちゃんにね、プレゼント!」

明日葉 セイ :携帯端末を取り出す。

明日葉 セイ :「うちのドローンが撮ったやつからトリミングした画像があって、いろいろ」

明日葉 セイ :「桜華ちゃんのもいいショットがあったから、ちょっと渡すね」

明日葉 セイ :何枚かの画像が送られてくる。解像度はさほど高くないが、躍動感のある写真。

合馬桜華 :「わぁ……!」

合馬桜華 :(あらためて、とんでもない恰好で跳ねたり歌ったりしたなぁ)

合馬桜華 :「ありがと!」画像を大切に保存しながら

明日葉 セイ :そして、あの場にいた全員が映った写真も。

明日葉 セイ :「アイドルにならなくても、でも、たまに思い出してね」

明日葉 セイ :「こんなに輝いてた桜華ちゃんがいたこと」

合馬桜華 :「うん……この一日の事は、死ぬまで忘れんわ」

合馬桜華 :(だからこそ、この一日で終わりにしたくなったんやろうな)

明日葉 セイ :「あ、ついでについでに、おれもー」

明日葉 セイ :「おれも輝いてたの、忘れないで!」えへへ、と笑う。

明日葉 セイ :「アイドル、見てもらわないと、誰かに覚えてもらわないと、意味がないから」

灰色兎 :「これだよ、調子のいいやつ」

灰色兎 :「まあ、だからお前は強いんだけどな」

合馬桜華 :「もちろん! どんなになったってセイくんの事は忘れんよ!」

合馬桜華 :「せやなぁ、だからこそのアイドル……か」

明日葉 セイ :「やった!」

明日葉 セイ :「そう。だから、これからも良かったら、見てて」

明日葉 セイ :「おれ、アイドル続ける限りは絶対頑張るから」

明日葉 セイ :「……って、そうか。あれ? 桜華ちゃんは、元のところに帰るんだっけ?」

合馬桜華 :「んー……」

合馬桜華 :「色々次第やけど、残ろうかと思ってる」

合馬桜華 :「この街に、いたいなって思えたからな」

明日葉 セイ :「……そか」

灰色兎 :「まあ、なんとかなるだろ」

明日葉 セイ :「うん、おれ、ここしか知らないけど、いいとこだよ」

明日葉 セイ :「だいぶ変なとこみたいだけど」

灰色兎 :「ヴルフがいない以上ハーミィルは魃の継続は望まないだろうし」

灰色兎 :「淀沼なんかは事後処理がシンプルになるって喜んで"死亡扱い"に協力するだろうさ」

灰色兎 :「……」(しまった、という顔)

合馬桜華 :「流石、詳しいんですね」

灰色兎 :「少々出しゃばりすぎたな……」

灰色兎 :「俺からはコレ以上は特に言わねえ、だから突っつくなよ」

明日葉 セイ :「プロデューサーがいろいろ知ってると嬉しいので、いいと思います」にこにこしている。

合馬桜華 :「つんつんってするのはセイくんだけの特権?」

明日葉 セイ :「どうですか、プロデューサー? おれ以外にそういうことされるのは?」わざと真面目な顔を作る。

明日葉 セイ :「まあ、おれもそんなにいじってるわけじゃないけど!」

灰色兎 :「突くな、刺すぞ」角?を大きく掲げて。

明日葉 セイ :「刺せるんだ……! すごいですねー」

灰色兎 :「はぁ……これだよ」

合馬桜華 :「アハハ、仲がよろしいみたいで何より」

灰色兎 :ずずずと、コーヒーを啜る。

合馬桜華 :「……好きな事できるようになったなら、よかったです」小声で

灰色兎 :「これ以上は言わねえとは言ったが」ピクリと身体を揺らし。

灰色兎 :「まあ、これくらいは言っておくか」

灰色兎 :「なあ桜華、好きなことならずっとしていたよ」

灰色兎 :「かつてのハーミィルにとっての好きなことはアレだった」

灰色兎 :「隊員の命を道具に、妖魔を殺して回るのが本当に好きだったんだ」

灰色兎 :「好悪は善悪とは別の軸にある」

灰色兎 :「そこのセイはこれから多くに夢と希望を与えるだろう」

灰色兎 :「その一方で、多くのライバルに絶望を与えるはずだ」

合馬桜華 :「……」

灰色兎 :「俺は、我慢はしねえ、そしてさせねえ」

灰色兎 :「そのためにここに在る、その過程でどれほどの屍を積み上げようとな」

灰色兎 :「結局、"俺たち"のウマが合ったのは、そこだ」

灰色兎 :「そのためにならどれだけでも他人を利用してやれる」

灰色兎 :「お前も、そのうちのひとりだ、だった」

灰色兎 :「だからよ、俺は、あいつは嬉しかったんだぜ」

灰色兎 :「そんな都合なんてよ、全部振り落としてただただステージを楽しんでいた、あの瞬間のお前が」

灰色兎 :「……『良いステージだった。』」

灰色兎 :「これが、俺(あいつ)からお前に送る最後の言葉だ」

合馬桜華 :「ありがとうございます、そう言ってもらえたら」

合馬桜華 :「めっちゃ嬉しいです」

明日葉 セイ :シロップのたっぷりかかったパンケーキを口にしながら、黙ってその言葉を聞いている。目を細めて。

明日葉 セイ :甘くてほろ苦い。

明日葉 セイ :(……良いステージ、本当にそう)

明日葉 セイ :(桜華ちゃん、おれやっぱり、君にダンスを誘ってもらえたこと)

明日葉 セイ :(あれはずっと覚えてるよ)

明日葉 セイ :差し伸べて、取ってもらえなかった手を、開いて、閉じて。

明日葉 セイ :下ろされたマイクのことを思い出して。

明日葉 セイ :(多くのライバルに絶望を、そうかもしれない)

明日葉 セイ :(だから、だからこそ、途中で下りた君が)

明日葉 セイ :(楽しいままでいてくれた君が)

明日葉 セイ :(君との約束が、おれには、すごく、大事だったんだよ……!)

明日葉 セイ :「……やっぱり」

明日葉 セイ :「良かったのかも。桜華ちゃんはアイドルとは別の道を選んで」

明日葉 セイ :「大事にしてね。楽しかった思い出、ね」

合馬桜華 :「うん!」

合馬桜華 :「セイくんも忘れないでほしいな」

合馬桜華 :「あの日、あの場所にだけいた」

合馬桜華 :「合馬桜華ってアイドルを」

明日葉 セイ :「……もちろん」

明日葉 セイ :(ずるいなあ)

明日葉 セイ :(楽しいところだけ持って、気持ちいい顔をして、じゃあねって)

明日葉 セイ :(スッキリ、新しいところに行って……記憶だけ残して)

明日葉 セイ :(君は多分、1個、小さな伝説になってると思うのに)

明日葉 セイ :(合馬桜華、突然現れて、花吹雪のように去っていった、謎のアイドル)

明日葉 セイ :(……それは、おれにはなれないものだから)

明日葉 セイ :「もちろん、絶対忘れない!」

明日葉 セイ :(代わりに、ずっと刻み込んであげる!)

明日葉 セイ :『テッペン』を獲った。でも、それで終わりではないという。

明日葉 セイ :皆、それぞれの事情がある。やりたいこと、やるべきことがある。

明日葉 セイ :道は再度交わるとも限らない。でも。

明日葉 セイ :それでも、おれは覚えているから。皆で探り探り、ぶつかり合った時を。

明日葉 セイ :覚えて、いるから。ここで。天のてっぺんで。

明日葉 セイ :『ここにいるよ』

明日葉 セイ :……またね。

GM :そうして、ひとときのお茶会が終わり。それぞれが帰路へ。

GM :ふたりは己が拠点。キャロル・レコード本社。

GM :雑居ビルの一角。

GM :ゴミゴミとした事務室と、小さなスタジオを残すのみ。

灰色兎 :「(本当はここも畳んじまうつもりだったからな)」

灰色兎 :「(あの時、最後にここだけが残されていた)」

灰色兎 :「(今更俺にできることは無いと思っていた)」

灰色兎 :「(リンネの奴にも、フェスに対しても)」

灰色兎 :「(だが、とんだもの急に託されて)」

灰色兎 :「(そして、あの夜道でお前の顔を見た時に、何かが始まってしまった)」

灰色兎 :とぼけた顔でこちらを眺める長身を見返す。

明日葉 セイ :「? どうかしました?」

明日葉 セイ :「美味しかったですね、パンケーキ! しばらくは茹でササミだけど」

灰色兎 :「(ままならねえ思い、行き場のないでっかい情熱とパワーが空回りしてて)」

灰色兎 :「そうかい、そりゃ良かったな」

灰色兎 :「それ以上にあれこれよりハードになってくぞ」

明日葉 セイ :「それはそうですよね」うんうん、と頷く。

灰色兎 :「正式に専属コーチとなったアイツだってずいぶん張り切っていたじゃねえか」

ダンス講師 :『セイ……あなたが"カッコいい"を解禁したと言うなら……』

ダンス講師 :『教えてやれることがあれもこれもあるわ!!』

ダンス講師 :『今まで溜め込んでいた私の愛と鬱憤をその身で激しく受け止めることね!!!』

明日葉 セイ :「あはは、先生、情熱的だから」

明日葉 セイ :「だから、ずっと助けられてきました」

灰色兎 :「あいつも、実はそこそこのやつなんだぜ、今じゃ奥様方相手に愛想を売ってるがな」

灰色兎 :「お前はなんというか、”まあ、いいか”とか”もう、いいか”とか思ってたやつに熱を与えるのが上手えんだよ」

明日葉 セイ :「……いろんな人がいて、いろんな経歴があるんですね」少し感慨深げに。

灰色兎 :「(だから、だからあの時俺は……)」

明日葉 セイ :「熱を……」

明日葉 セイ :「それ」顔をぐいと近づける。

明日葉 セイ :「プロデューサーにも、あげられてました?」

灰色兎 :「……それを言うにゃ、お前はまだまだヒヨッコだ」

灰色兎 :「図に乗んじゃねえ」

明日葉 セイ :「そのうち教えてくれるんですね!」

明日葉 セイ :「やったあ!」

灰色兎 :「ほんと調子いいやつだな……」

明日葉 セイ :楽しげにかかとを上げて下ろす。ジャンプすると下に響くので。

明日葉 セイ :「調子いいですよ。フェス終わってからもばっちり」

明日葉 セイ :「…………」

明日葉 セイ :「ついでだし、今話しちゃおっかな」

明日葉 セイ :「あのあの、これは多分怒られると思うし、むしろ怒ってほしいし」

明日葉 セイ :「ほんとにやることじゃないんですけど」

灰色兎 :「またもごもごとわけのわかんねえ前置き付けやがって」

明日葉 セイ :「フェス終わった直後に、ほんのちょっとだけ思っちゃったことがあるんですよね」

明日葉 セイ :「『今ここで急に引退でもしたら、みんなの中の明日葉セイは、この最高のまんまでいられるのかな』」

明日葉 セイ :「やらないですよ」

明日葉 セイ :「特に、さっきの聞いた後でそんなの、できっこないし」

明日葉 セイ :「でも、本当に最初の頃のおれなら、もしかしたらふらっとしちゃったかもしれない」

灰色兎 :「クク」

明日葉 セイ :「ずっと、怖かったから。時間が経って、アイドルできなくなること。なら、今って」

灰色兎 :「やらねえよ、お前は結局な」

灰色兎 :「ルベル・アウローラを名乗る"最終アイドル"が結局歌詞を紡ぐことをやめられなかったように」

灰色兎 :「花屋敷ミトがああしたように」

灰色兎 :「結局どいつもこいつも我儘で」

灰色兎 :「その内に抱えた熱に振り回される運命なのさ」

明日葉 セイ :「お見通しだ……」

明日葉 セイ :「……おれは、我儘です。確かに。この先が見たくてたまらないし」

明日葉 セイ :「でもね、多分……ミトさんあたりとは別のやり方をするんじゃないかなって気がしてます」

明日葉 セイ :「おれ、ずっとアイドルやってきて、いろんな人に会いました」

明日葉 セイ :「『アイドル・明日葉セイ』って、おれ個人だけじゃ無理なんだなってことも、よーくわかりました」

明日葉 セイ :「曲があって、衣装があって、舞台があって、演出、メイク、プロデュース、他にもたくさん」

明日葉 セイ :いつか、こんなことを聞いた。

明日葉 セイ :『アイドルの終着点は神である』と。

明日葉 セイ :(そうなような気もするし、ちょっと違うような気もするんだ)

明日葉 セイ :(おれにアイドルが降りて、そうしてアイドルのおれが出来上がるの)

明日葉 セイ :(そういう風に、みんながしてくれるの)

明日葉 セイ :(だから、おれは巫(かんなぎ)なんじゃないかなって)

明日葉 セイ :(それが降ろせなくなる時が、ずっとずっと嫌だったけど……)

明日葉 セイ :「アイドルを作る側に回るのも、きっと、好きなんじゃないかなあって」

明日葉 セイ :「少なくとも、これからしばらく、終わりを考えてビクビクするのは、嫌です」

明日葉 セイ :「全部、前向きな道にしたい!」

明日葉 セイ :「そんで、そんで、できたらずっと、プロデューサーの周りをうろうろしてたいんです」

灰色兎 :「お前が俺を夢中にさせている限りは、俺はお前の隣にいてやるよ」

灰色兎 :「アイドル、明日葉セイの隣にな」

明日葉 セイ :「ふふっ」

灰色兎 :「(そして、その向こうに確実にある"終わり")」

灰色兎 :「(それを、迎えたら……)」

灰色兎 :「(改めて、友人になってみてもいいじゃねえか……なあ、リンネ)」

灰色兎 :「(今度、会いに行ってみるか……こちらからな)」

灰色兎 :己のアイドルを見上げる。

灰色兎 :このようなこと、以前なら考えもしなかったことだ。

灰色兎 :優秀なアイドルは、それを観るものの世界を変えてしまう。

灰色兎 :「(ほんと、大したやつだよ)」

明日葉 セイ :千十嵐リンネとプロデューサーの繋がりは、少しだけ人に聞いた。

明日葉 セイ :まず、いいなあ、と思った。永く美しいまま歌い続けられるその様。

明日葉 セイ :でも、羨ましくはなかった。自分には自分の、プロデューサーとの関わり方があると思ったからだ。

明日葉 セイ :(ねえ、プロデューサー)

明日葉 セイ :(リンネさんとは違うやり方で叶えたい、おれの夢。これは内緒なんですけど)

明日葉 セイ :(おれもプロデューサーみたいな仕事をしたとして)

明日葉 セイ :(別にケンカ別れするとか、そういうのじゃなくて、別々に、別々のアイドルを見つけて)

明日葉 セイ :(ふたつの光、合わせて、ぶつけて)

明日葉 セイ :(最高のステージを作り上げて、それを一緒に見るの)

明日葉 セイ :(それで、言ってあげるんだ。『勝つのはおれです』って!)

明日葉 セイ :(どんな顔、するかな?)

明日葉 セイ :(世界の危機でもなんでもない、最高のステージ)

明日葉 セイ :(一緒に、作りましょう)

明日葉 セイ :「プロデューサー! ハグしてもいいですか!」くるりと突然振り向く。

灰色兎 :「何いってんだ急に」

明日葉 セイ :「ゆっくり言った方がいいですか!」

灰色兎 :「駄目だ、お前俺をフワフワのぬいぐるみかなんかだと思ってるだろ」

灰色兎 :「前々から言ってやりたかったが」

明日葉 セイ :「思ってませんよ?」

明日葉 セイ :「少なくとも今は」

明日葉 セイ :「別に、人間のおじさんだって、抱きつきたかったと思う」

灰色兎 :「だったら尚更駄目じゃね―か!お前はアイドルなんだぞ!」

灰色兎 :「軽々しくそんなことをなぁ!」ギャアギャア

明日葉 セイ :「すみません、おれ、我儘なので」

明日葉 セイ :「やるって決めたらやるんです。知ってるでしょ?」

明日葉 セイ :「あなたが選んだ、アイドルですよ」

明日葉 セイ :えいや、と腕を伸ばす。

灰色兎 :「おーまえーなぁ……」

灰色兎 :苦虫を噛み潰したように。

灰色兎 :「本当に、我儘なやつだよ」

灰色兎 :あるいは、あの場の誰よりも。

灰色兎 :だから、勝利を手にすることができた?

灰色兎 :わからない、結果で語っても意味はない。

灰色兎 :先行きの不透明な険しい道を、それでも進み続けるしか無いのだから。

灰色兎 :「(様々な苦難がお前を襲うだろうさ)」

灰色兎 :「(俺が、それを連れてくる)」

灰色兎 :「(だから、せめて祈れることがあるとしたら……)」

灰色兎 :この子のステージが、幸せなものでありますように。

明日葉 セイ :……そっと、腕の中に(半ば無理やり)相手を収めて。

明日葉 セイ :もつれた毛を少しだけ直してあげたりしながら。思う。

明日葉 セイ :『ステージの上、その瞬間以外は全部苦しいことだけ』かつてそんなことを言われた。

明日葉 セイ :確かに、舞台は熱と光に溢れ、眩しかった。比べれば、現実はずっと色褪せて。

明日葉 セイ :(……でも、やっぱり思うんですよ。これだって捨てたものじゃない)

明日葉 セイ :(次のステージのために走る助走は、素敵なものだから)

明日葉 セイ :あの日、兎を追いかけて穴に飛び込んだ。そういう気持ちだった。

明日葉 セイ :落下するつもりが、いつの間にか飛んでいるようでもあって、周りは輝く星空で。

明日葉 セイ :ここが、地の底なのか、天の果てなのか、未だにわからない。

明日葉 セイ :(……もしかしたら、こうなのかな。ここは、天のてっぺんに一番近い……)

明日葉 セイ :(最高の、地獄です)

明日葉 セイ :腕に軽く力を込めて、最高のプロデューサーを抱き締めて。

明日葉 セイ :もう少し、この時間が続けばいいな、と。それだけ思った。

GM :===

エンディング:合馬桜華

GM :あれから、慌ただしくいくつかのことが起きた。

GM :合馬桜華の今後について。

淀沼九皐 :「ふむ、その選択でいいのだな」紫のスーツを纏った、神経質そうな男。

淀沼九皐 :ことを終え、出航を待っている。

合馬桜華 :「はい、ウチはこの島に残ります」

合馬桜華 :船を見上げていた視線を戻しながら、頷く

淀沼九皐 :「お前は、実によく働いた」

淀沼九皐 :「千十嵐リンネ撃退、その要素のひとつとして役目を果たした」

淀沼九皐 :「今ならば、この私が口を利いてやろう」

淀沼九皐 :「忍務に失敗し解体される組織の末端ではありえない待遇を約束してやれる」

淀沼九皐 :「無論、この私の下で働くならば、だが」

合馬桜華 :「あはは、ありがとうございます。」

合馬桜華 :「それも、悪くないとは思ってたんですけど……」

合馬桜華 :「ここらで一区切り、付けたいと思って」

合馬桜華 :「自分の事も、周囲の事も」

合馬桜華 :「もちろん、淀沼さんや今回知り合った人らがピンチなら、手は貸すつもりですけどね!」

淀沼九皐 :「フッ」鼻で笑い。

淀沼九皐 :「報告書に書くことが面倒になるだけだ、気持ちだけ受け取っておこう」

合馬桜華 :「面倒事は日常茶飯事って感じでしたけど……じゃ、気持ちだけって事で」

淀沼九皐 :「合馬桜華、改めて言う。私には使命感がある」

淀沼九皐 :「そのために生きている」

淀沼九皐 :「お前も、いずれ己の使命を見つけるだろう」

淀沼九皐 :「それまで、自らの頭で物事を選択し」

淀沼九皐 :「誰の下にも付かず、生きていく」

淀沼九皐 :「惜しいな、折角優秀な"駒"になれそうな人材だったものを……」口の端を歪め。

淀沼九皐 :「ならば、お前は上に立て、己自身の主として、それを飼いならしてみよ」

合馬桜華 :「……はい」自分自身の胸に手を当てる

合馬桜華 :「(センヒの血を持つ人間として、ウチにやれる事が何かはわからないけど)」

合馬桜華 :「(それでも、何か意味を得なくちゃ)」アイドルだったのが、今は何もなし

淀沼九皐 :「後処理は私の方でやってやる。せめてものの追加報酬だ」

淀沼九皐 :「合馬桜華、お前はここで千十嵐リンネと戦い死亡した。そのような扱いになるだろう」

淀沼九皐 :「だからこの先、この島を飛び出、再び我らの世界に返り咲こうと言うならば」

淀沼九皐 :「新しい"名"を手に入れるが良い」

淀沼九皐 :「不愉快なことに、ここにはそういう手段が豊富だろう」

合馬桜華 :選択肢を広げてくれている、と思えてしまう言葉に、頷き

合馬桜華 :「もしその気になったら……その時はまた、お訪ねしますね」

淀沼九皐 :「そうでない限り、我々は抜け忍としてお前を処分しなければならなくなるからな」

淀沼九皐 :「私は戦いが好きな連中とは違い、"優秀な"忍びの相手など御免だ、疲れるだけだからな」

合馬桜華 :「できれば、優秀さは別んところぶつけてもらっておきたいですし」

合馬桜華 :「気を付けておきます」

合馬桜華 :「えっと、淀沼さん」

淀沼九皐 :「何だ?」

合馬桜華 :「色々と、ありがとうございました」ぺこりと、礼をする。

淀沼九皐 :「フ、私の下で働く気もない者に愛想など振りまかれても迷惑なだけだ」

淀沼九皐 :「好きに生きろ、合馬桜華」

淀沼九皐 :「できれば、私の目に入らぬようにな」

淀沼九皐 :「皮算用はしたくないものだ」

合馬桜華 :「……はい!」

合馬桜華 :「好きに生きれるチャンスをもらいましたから」

合馬桜華 :「(この人との、魃との出会いがなかったら、ウチはここにはいなかった)」

合馬桜華 :「(生き方は決められなくても、間違ってはいなかったのかもしれない)」

GM :そうして船は去った。

GM :男は振り返りもせず。

GM :合馬桜華の第二の家族たちを乗せて、"外"へと帰っていった。


GM :そうして、合馬桜華の新しい生活が始まった。

GM :安普請のアパート。生活費は、此度の忍務の報酬がある。

GM :死亡扱いの桜華に支払うことはできないソレは、魃の人員らが"遺族"として受け取った。

GM :それをそのまま桜華に渡し、彼らは帰っていった。

GM :たったひとりの目覚め、第一の故郷でも、第二の故郷でも誰かが必ずそばにいた。

GM :それがない、今はまだ、ひとりで生きていくのだ。

合馬桜華 :借り端末をそのまま貰い受けた安物の武骨な任務用スマートフォンの画面に、不釣り合いな華やかな映像が映っている

合馬桜華 :ベッドの上でそれを見ていた少女は、ふと視線を上げて窓の外を見る

合馬桜華 :賭けをする街、歓楽の町、商業……この島の非日常な日常は、止まるところを知らず燃え盛っている。

合馬桜華 :「私自身の、使命」投げかけられた言葉をつぶやき、手を少し振ると、桜の花弁が舞う。

合馬桜華 :「(これから、何ができるだろう……ううん、何でもできるのかもしれない)」

合馬桜華 :アングラニュースサイトで噂される、憶えのある特徴を謎の新人アイドルの話題を流し読みしてクスリと笑いながら

合馬桜華 :半分制服を脱いだ、外では絶対にできない格好で室内を適当に歩き、屋台で買ってきておいた怪しげな銀色のたこ焼きのような何かを電磁レジに放り込み暖めつつ思考を巡らせる。

合馬桜華 :「(何をしよう、生きるも死ぬも一人っきりにまた逆戻り)」

合馬桜華 :けど不思議と、何もない気分ではないし、寂しいだけでもない。

合馬桜華 :「(セイくんのところの演出さん、護衛とか探してないかな。店長のことはバイト減ったし……)」すぐに考えつくのは、簡単な縁ばかりで

合馬桜華 :護衛に用心棒…大体暴力関係に行ってしまうのは、そればかり考えてきたから。

合馬桜華 :一時の輝きがすぎれば、またいつも通り

合馬桜華 :「(なんとなく、それだけは嫌なんやけどな)」

合馬桜華 :「ん……」淀沼だったか、あるいは魃の誰かか、に渡された冊子の束を適当にめくって

合馬桜華 :「(……なんか、勉強してみるのも良いか)」学校? らしきもののパンフレットを抜き出し

合馬桜華 :「(夢見心地の学生気分、だなんて許してくれる場所じゃなさそうやけど)」

合馬桜華 :「(そういやセイくん学校とか行ってるんやろか、聞いとけば……あ、聞けば良いのか)」

合馬桜華 :任務でなし、特に縛るものもない、ちょっと彼の立場的にプライベートは考えなければいけないだろうが

合馬桜華 :笑みを浮かべながら、ベッドに寝転がる

合馬桜華 :「なぁセンヒ、どっかで見ててな……ウチは、やってみるから」

合馬桜華 :「(私の名前は合馬桜華、復讐者で、アイドルで……)」

合馬桜華 :次になりたいものは

合馬桜華 :「普通の、女の子」

合馬桜華 :スワイプした画面の動画が切り替わり、別の動画が再生される

合馬桜華 :動画リンク

合馬桜華 :うるさい音楽と街の雑音に包まれながら

合馬桜華 :桜の花弁の舞う中で、少女はゆっくりと目を閉じた。

GM :===

エンディング:紅海月

GM :異街の路地の裏の裏、曲がりくねった道の先。

GM :その店は、そこにある。

GM :訪れるのはよほどの物好きか、道に迷った酔客か、あるいはあるいは……

GM :今日も今日とて商売繁盛とは言わないものの、開店中の札はかかっている。

GM :店の名は――、

宍戸れみふぁ :「ゆらゆら」

宍戸れみふぁ :「相変わらず閑古鳥で安心するぅ~~~」

宍戸れみふぁ :カウンターでぐったりと伸びる、宍戸れみふぁ。今にも溶けて流れ出てしまいそうだ。

紅海月 :「かかかっ。随分とお疲れのようじゃねえか。希族街の長どのよ」

紅海月 :いつもの和装に、ばっさりと切り落とした髪。

宍戸れみふぁ :「もうやだ、その名前で私を呼ばないでぇ……」

紅海月 :カウンターの上で肘杖を突きながら、店の長が今日も快活に笑う。

宍戸れみふぁ :「しがないバイト、ただのばいと……」

紅海月 :「ま、偶にでも。こうして顔出してくれるだけで、ありがてえもんだ」

紅海月 :「お前さんの古参のファンが、此処には大勢いるからの」

宍戸れみふぁ :「……聞いてくださいよ」

宍戸れみふぁ :「聞くも涙、語るも涙、宍戸れみふぁ物語……」

"極大門松" :「そうでゴザルよれみふぁ氏……!」

"ピザ吐き隊" :「いくらでも聞くからな……」

宍戸れみふぁ :「では……」


宍戸れみふぁ :~~回想~~

宍戸れみふぁ :「ひーーーん、こんなにお仕事あるだなんて知らなかったよぉ~~~~!!」

宍戸れみふぁ :うず高く積まれた書類の山!

磨羯会計長"塩丸" :「れみふぁさん、折角ですので」

磨羯会計長"塩丸" :「あなたには覚えてもらいます、様々を……」鰻の顔をした半魚人が、さらなる紙束を持って現れる。

宍戸れみふぁ :「ひーーーーん」

千十嵐リンネ :『ハハハ、私も知らなかったぞ、こんなに仕事があっただなんてな』

宍戸れみふぁ :「え、なにどゆこと?」コソコソ

千十嵐リンネ :『私は実務はほぼその鰻を筆頭に他へと押し付けていたからな』

千十嵐リンネ :『たまに判子を押したり音頭を取ったりはしたが……』

宍戸れみふぁ :「え、ナニソレ、詐欺だ!!」ガターンと椅子を倒し立ち上がる。

磨羯会計長"塩丸" :「む何事」

磨羯会計長"塩丸" :「いや,さてはバラしやがったな姉御のやつ!!」

磨羯会計長"塩丸" :「総員集合!囲め!!逃がすな!」笛が鳴らされる。

宍戸れみふぁ :「チクソウ!!ってやらぁ!!!」

宍戸れみふぁ :~~回想~~


宍戸れみふぁ :「私の脱出劇で映画が一本は作れますよ……」

宍戸れみふぁ :ぐでーんと、やる気のない姿もあらわに。

紅海月 :「ううむ。最後のガラスをブチ破るシーン、涙無しには見れぬ……」

"極大門松" :「ま、磨羯中枢の包囲網から抜け出したんでゴザルか……」

紅海月 :急須から熱い熱いお茶を淹れてやる。

宍戸れみふぁ :「リンネさまも週イチだって言ってたのにそらすら守ってくれず、変なときだけ起きてくるし……」

宍戸れみふぁ :「あの人、も、めっちゃぐうたらになっちゃったんですよ!」

宍戸れみふぁ :「全然頼りにならない!!」

"違法イカ@airハ-70" :「リンネ様にそれ言えるのもれみふぁちゃんだけやろなあ……」

紅海月 :「ま。判子押すでも、音頭取るでも。そのカリスマ性を持ってして、今まで一人でこなしてた立場だ」

紅海月 :「それが今や"ふたり"。浮かれる気分はまあ、わからないでもねえ」

紅海月 :「それだけ、お前さんを面白がってる訳でもあらあ」

紅海月 :「愛されてるじゃねえの」

宍戸れみふぁ :「なにが『久々の休暇だ、楽しまない手はないぞ☆』だ!値千金のウインクでごまかそうとしやがって!!!」ガルルル

紅海月 :「どうどう」

宍戸れみふぁ :「おまけに私の休暇だってのに急に表に出てきて地下クラブ荒らしたり路上で歌いだしたり」

宍戸れみふぁ :「やりたい放題ですよ!何だ!王のつもりか!!!」

"ピザ吐き隊" :「王では?」

"極大門松" :「拙者、RIN-NE様にウインクされたらなんでも許しちゃうでゴザルなぁ……」

宍戸れみふぁ :「……そうだが……」

紅海月 :「儂もあんまり耐える自信ないな……」

紅海月 :「それを踏まえても、貴重な休みにこうして訪れてくれるんのぁ」

紅海月 :「やっぱり、嬉しいわな。……かかかっ」

紅海月 :「……最終ステージ、お前さんの顔を見て。どれだけホッと胸を撫で下ろしたことか」

紅海月 :「遅刻もいいところだったがよ」

紅海月 :意地悪く、からかうように微笑んで。

宍戸れみふぁ :「あれは……ほんと花屋敷さんがしぶとくて……」

宍戸れみふぁ :「あのひと何なら逆に主導権乗っ取って出場する気満々でしたもの……」

宍戸れみふぁ :「死闘の数々でした……」

宍戸れみふぁ :「れみふぁ修行編だけで三部作の映画が作れますよ……」ぐでぐで

紅海月 :「やはりハングリーさが、卓越してるの。あやつ……」

"極大門松" :「ううむ……無理とは知っていても、その光景是非見たかったでゴザルな……」

"違法イカ@airハ-70" :「てか、最終ステージと言えば」

"違法イカ@airハ-70" :「あかつきニキのアレ……アレ……何!?」

"違法イカ@airハ-70" :「マジで全然知らなかったんやが……」

紅海月 :「おう、その、なんだ」ぽりぽりと頬を掻いて。

紅海月 :「黙ってて悪かったがよ。……まあ人に歴史有り……ってやつだの。うん」

宍戸れみふぁ :「私ぜんぜん知らなかった……」

紅海月 :「度々、此処で話をしてる内にも、ファンだっただの、あの曲が好きだったの、話題に上がるから」

紅海月 :「言うにも言い出せなくてよ」

宍戸れみふぁ :「気になって現役時代の動画とか探してみたんですけど」

宍戸れみふぁ :「オークションで法外なプレミアついてて手が出せなかった……」

宍戸れみふぁ :「もしかしてここにいる誰かだったら持ってたり?」

"ピザ吐き隊" :「競り負けたことなら……」

宍戸れみふぁ :「そっかー、やっぱプレミアつくだけのことはあるんだなー」

在りし日のヲ仙 :『やぁああっと、手に入れたでござる、上映会、来てくれるよな?!』

在りし日のヲ仙 :『え、そう……忙しいなら、うん』

在りし日のヲ仙 :『しかたないよね、うん、楽しんで……』

"極大門松" :「──ってヲ仙殿が前に」

紅海月 :「ううん……」少し迷った様子で。

紅海月 :「少しだけなら……見るか、今……」

紅海月 :とてとてと、店内を忙しなく動き回る獣絡繰をひょいと抱き上げて。

紅海月 :耳元のボタンをぽちりと押す。

紅海月 :壁に向かって放たれる、プロジェクターめいた光!

紅海月 :

紅海月 :

夜光みつき :『夜を彷徨う 気ままにあたし空中遊泳♪』

夜光みつき :『やっとみつけたの はじめてのぬくもり♪』

夜光みつき :『すいちゅ〜♡ ふわふわ漂って♪』

宍戸れみふぁ :「うわっ」

夜光みつき :『すい〜ちゅ♡ みたいに甘い甘い♪』

宍戸れみふぁ :「うっわ…」

宍戸れみふぁ :「……」

宍戸れみふぁ :(壁と隣を交互に見比べる)

宍戸れみふぁ :「えっぐ」

宍戸れみふぁ :「うひゃーーー」

宍戸れみふぁ :(壁と隣を交互に見比べる)

紅海月 :(目を覆う)

紅海月 :「終わり!終わり終わり!」

紅海月 :よいしょ、と獣絡繰を床に下ろし。しっしと手を払う。

"極大門松" :「みつきちゃ~~~ん!!! ……あっ」消えた動画を名残惜しそうに見つめる

"違法イカ@airハ-70" :「はっや」

"ピザ吐き隊" :構えかけたサイリウムを渋々仕舞う。

宍戸れみふぁ :「店長もうやらないの?こんなに可愛いのに?」

紅海月 :「あんなに世界一可愛い、愛されクラゲプリンセス・アイドルに」

紅海月 :「タダで成れるわけもねえ」

紅海月 :「それ相応の対価って奴を払ってる」

紅海月 :「事実、あの姿でいるのぁ」

宍戸れみふぁ :「はぇ~~」

紅海月 :「メッッッッッッッッチャ痛い」

紅海月 :「肉体的な意味でね?」

"極大門松" :「あれ痛いんでゴザルか!?」

宍戸れみふぁ :「でもここで無為に過ごすよりよっぽど有意義な命の使い方では?」

紅海月 :「なんてこというんじゃ……」

宍戸れみふぁ :全く他意の感じ取れない顔、本心からの言葉であるらしい。

紅海月 :「要は、てめぇの身体を無理矢理にあのサイズまで作り替えて、縮めている訳だからな」

宍戸れみふぁ :「ははーん、その過程でダメージがあるということは」

宍戸れみふぁ :「ずっとあのままでいればいいのでは?」

紅海月 :「この子何言ってるの?」

宍戸れみふぁ :※他意はないらしい。

"違法イカ@airハ-70" :「ヲ仙は喜びそう」

宍戸れみふぁ :「え、でもよりアイドルに向いてる身体なら、そっちを使うべきでは」真剣な目。

紅海月 :「まるで、†暁†がアイドルに全く向いてねえみたいな言い草じゃねえか」

"極大門松" :「あれはあれで!」

宍戸れみふぁ :「いや店長のままもカッコよかったですけど」

宍戸れみふぁ :「こっちには勝てないでしょ」もう写っていない壁を指差して。

宍戸れみふぁ :※他意は

紅海月 :「は~~~~? やってみなければわからんじゃろ……」

紅海月 :ぶつぶつと拗ねたようにそっぽを向く。

宍戸れみふぁ :「あ、やってみる気あるんだ」

宍戸れみふぁ :「わーい、やったー、言質取っちゃった~~♪」

紅海月 :しまったという表情で。

紅海月 :「まあ、よ……」

紅海月 :「紆余曲折あったが。ここまでようやっとたどり着けたのは」

紅海月 :「レミに、マツに、ピザに、ふわのに、イカに、ヲ仙に」

紅海月 :「てめぇらの後押しが、あったからこそ」

紅海月 :「その恩を返す、責任っちゅうのが儂にはある」

紅海月 :「しかし……」

紅海月 :思いつめたような表情で。「まだ少し、迷っている気持ちもある」

紅海月 :「……悪いがよ、もう少しだけ。待っててくれや」

"極大門松" :「責任?」

宍戸れみふぁ :「ふーん」

宍戸れみふぁ :「待ってなんかあげないけどね」にんまりと笑う。

紅海月 :「えぇ~?」

宍戸れみふぁ :「私も、セイちゃんも、どんどん先へ行っちゃうよ?」

宍戸れみふぁ :「あとから追いつこうだなんて、そうはいかないんだから」

紅海月 :「ひんひん泣きじゃくってた小娘が。言うようになったじゃねえか」

"ピザ吐き隊" :「責任とか言い出したら、まず借金とか返すべきでは」

宍戸れみふぁ :「そうだそうだ!」

"違法イカ@airハ-70" :「あ、なんか言っとるやつおったな応援のときに」

"極大門松" :「ほらアレ、"影視の"ゴーシュ殿でゴザルよ。前にチケ落札するのにそこそこ借りた」

紅海月 :「…………」

紅海月 :「儂ら、仲間じゃよな?」

紅海月 :「………い」

紅海月 :「幾ら出せる?うん?」

"極大門松" :「ないでゴザルが……」ドラゴボのチケットですっからかんだ

紅海月 :「あいつ全然待ってくれねえんだよ! いいじゃねえか、1日や10日くらい……」

"違法イカ@airハ-70" :「年単位やろ! あんときまだ枯れてなかったんだから!」

紅海月 :「そうだっけ……」

宍戸れみふぁ :「貧乏なおじちゃん、摩羯で雇ってあげよっか??」

紅海月 :「ガキが……!大人を舐めるな!」

紅海月 :「雇用条件だけお聞かせくださいますか!?」

宍戸れみふぁ :「えへ、あは……これが、ちから……」ゾクゾク

"極大門松" :「れ、れみふぁ殿が"力"に……」

宍戸れみふぁ :「でも寂しくなるなー」

宍戸れみふぁ :「ほんと、あの時が全部嘘だったみたい」

宍戸れみふぁ :「セイちゃんはあの調子だけど、桜華さんは普通の女の子やりたいって言ってるし」

宍戸れみふぁ :「時雨さんは何考えてるのかイマイチわかんないし」

宍戸れみふぁ :「ももあは当然"外"に帰っちゃうでしょ?」

宍戸れみふぁ :「まあ、でもすぐ寂しさなんか感じられなくなるくらいたいへんになっちゃうだろうけど」

宍戸れみふぁ :「新人もどんどん出てくるだろうし」

宍戸れみふぁ :「他のライバルたちもリベンジに燃えてるからなー」

宍戸れみふぁ :「この前ケイゴくんに新しい演技見せてもらったんだけど」

宍戸れみふぁ :「アレヤバいですよ、すごい通り越してキモいですよ、頭の中にスーパーなコンピューター入ってるんじゃないの?あのひと」

宍戸れみふぁ :カウンターの下で足をぱたぱたと揺らし、とりとめもなく。

紅海月 :一瞬の間だけ、目線を下げて。

紅海月 :「……かかっ。頭ン中ってよりは、外部に付いてるんだろうけどよ」

紅海月 :「立派なあの……ほら……スーツの丈が短い……」

宍戸れみふぁ :「ああ、なんだっけ、ロバートさん」

"極大門松" :「れみふぁ殿よりヘソ出てるでゴザルからなあの人」

宍戸れみふぁ :「ミトさんには、今なら"外"に戻ってリベンジできるんじゃない?って聞いてみたんだけどね」

宍戸れみふぁ :「『私はもう外ではちゃんと死んだもの、ここでやり直すわ』だって」

宍戸れみふぁ :「外は、外で、そこでちゃんと生きている者たちのための戦場だからって」

宍戸れみふぁ :「やたらに真剣ですよねあのひと、やっぱり」

紅海月 :「根がクソ真面目なんだよな……故に少々、儂らにはズレてるように見える台詞も吐くが」

紅海月 :「ま、そこも"花屋敷ミト"の魅力のひとつだわな」

宍戸れみふぁ :「ミウちゃんはこの前新曲がウィークリーのトップ取ってましたよ」

宍戸れみふぁ :「いまいちばんの強敵かも」

紅海月 :「同じ系統モチーフのよしみっつうか、妙に愛着湧いてなあ、あの子には」

紅海月 :「かかかっ。まだまだ伸び代があるの」

宍戸れみふぁ :「エルナさんは何か、秘密特訓をしているんだとか」

宍戸れみふぁ :「この前動画があがっていたんだけど……」

宍戸れみふぁ :「なんか、洞窟の中で松明焚いて訓練してた……」

紅海月 :「どういう訓練??」

宍戸れみふぁ :「ガラス瓶を歌で粉々にしてたけど……」

紅海月 :「その歌聴くのはファンなんじゃけど……」

紅海月 :「しかし、うん……かつてよりも更に、力強くなって、帰ってくるであろうの」

宍戸れみふぁ :「強敵、だね……」ゴクリ

宍戸れみふぁ :「ま、そういうわけで」

宍戸れみふぁ :「待っててなんて言ってるひとのために空けとく席なんか余ってないよーだ」

宍戸れみふぁ :「せいぜいそこで羨ましそうにサイリウム振ってることだねっ」

紅海月 :「全くだ」ふっ、と息を吐いて。

紅海月 :「皆が全力、皆が全霊で上を目指し、ひた走っている」

紅海月 :「今の中途半端な儂じゃあ、勝負にすら値しねえ」

紅海月 :「かかっ、しかしよ」

紅海月 :「借りは必ず返すのが、この儂よ」

紅海月 :「また、必ず、相見えようぞ。今度は……」

紅海月 :「儂が、"挑戦者"としてな」

宍戸れみふぁ :「ふーん?」ニヤニヤと

宍戸れみふぁ :「ま、言ってましたものねリンネさま」

宍戸れみふぁ :「挑戦者の立場は、一番強い武器だって」

紅海月 :「それがどれだけ、観てる者にも、勇気を与える立場かは」

紅海月 :「儂も、よおく知っているからの」

宍戸れみふぁ :「もはやそっちのがプロだもんね……」

宍戸れみふぁ :「あ、でもあっちではずっと地下だったんだから」

宍戸れみふぁ :「プロだった瞬間ないのか、あっち」

宍戸れみふぁ :※他意は

紅海月 :「所詮アマチュアっていいてぇのか!?おん?」

紅海月 :「おうおう!表出るか?」

宍戸れみふぁ :「ステージの上でならいくらでも勝負は受け付けるよ~ヘヘヘ」

紅海月 :「プロ意識……!」

"極大門松" :「ううむ、れみふぁ殿もすっかりプロの顔付きでゴザルな……」

"極大門松" :「嬉しくもあり、一抹の寂しさもあり……」

紅海月 :「店番も居なくなっちまったからの……」

紅海月 :「なので」

紅海月 :「今日はもう店じまいじゃ!」

紅海月 :終わり終わり、と両手をぶんぶん振る。

宍戸れみふぁ :「お客も来ないしねー」

"ピザ吐き隊" :「いつものことでは?」

宍戸れみふぁ :「いつものこといつものこと」

宍戸れみふぁ :「あー、変わらないって素晴らしいぃ」

"違法イカ@airハ-70" :「来たとしてもヲ仙とか艶GELくらいやろ、閉めとけ閉めとけ」

宍戸れみふぁ :「じゃあみんな、またねー」

紅海月 :「おう、またの」

紅海月 :ひらひらと手を振る。

"極大門松" :「……あ、その前に」

"極大門松" :敬礼して暖簾を潜ろうとしたところで、ふと振り向く。

"極大門松" :「いや~なんというか……」

"極大門松" :「一介のドルオタとしては、†暁†氏の雄姿もみつきちゃんの艶姿も、是非もう一回……」

"極大門松" :「いや何度でも! 見たいんでゴザルが」

"極大門松" :「ただその……ねえ?」

"ふわのん" :咳払いをひとつする。

"ふわのん" :「門松くんはこう言いたいのだ」

"ふわのん" :「紅海月くん個人として、一番"幸福"な択を取ってほしいと」

紅海月 :「マツ……」

"極大門松" :「アイドルならアイドルでもいいし、オタクならオタクでもいい」

"極大門松" :「別にそれ以外でもいいんでゴザル」

"極大門松" :「"あかつき。"氏のスタンスは分かるけども、貸し借りとか気にしなくてもいいんでゴザル」

"ふわのん" :「気にするようなタマだったら借金も返しているだろうしな」

宍戸れみふぁ :「やーさしーんだー」

宍戸れみふぁ :「『クク、"幸福"になりたいならば、そのまま店に居座っている方が分の良い賭けだぞ』」

宍戸れみふぁ :暖簾をくぐる。

"極大門松" :「り、RIN-NE様!?!?」

宍戸れみふぁ :「じゃ~ね~~」

宍戸れみふぁ :「さぁて、どこまで逃げ切れるか……」

宍戸れみふぁ :脱兎とばかりに駆け出していく。

紅海月 :「……どうじゃか、まったく」

"ふわのん" :「まあそれはともかく」

"ふわのん" :「推しの幸せを願うのがオタクであるし」

"ふわのん" :「オタ友達が幸せになるのも、我々は願っているから」

"極大門松" :「そう! みつきちゃんが一般男性と結婚しても笑顔で見送るでゴザルから……!」

"極大門松" :「やりたいようにやるでゴザルよ!」

紅海月 :「かかっ。最後だけは有るまいが」

紅海月 :「……儂は、本当に」

紅海月 :「良い繋がりに、支えられた」

紅海月 :「ありがとよ」

紅海月 :「お前さんらの言葉、しかと胸で受け止めた」

紅海月 :「さ、行った行った。それ以上残っちょると」

紅海月 :「全員、儂の仕立てた戦闘服でアイドルデビューさせちゃるぞ」

"ピザ吐き隊" :「なるか……アイドルによ……」軽口を叩きながらも暖簾を潜る。

"違法イカ@airハ-70" :「てかお前語録以外も喋れたんか」隣に話しかけつつ、敷居を跨ぐ。

"ふわのん" :「【契約】でね……あっそろそろ時間制限が  ダメみたいですね」後ろをチラと振り返り、外へ踏み出す。

"極大門松" :「──それでは! "あかつき。"殿!」ビシッと敬礼をして、最後に店を去る。

紅海月 :その背を、路地の角を曲がるまで、見送って。

紅海月 :カウンターへと座り、冷めた茶を啜り。

紅海月 :天井を見上げる。

紅海月 :思えば。

紅海月 :散々、てめぇ勝手で生きてきた、ツケなのかもしれねえと。

紅海月 :ビリジアン・ブルースなどという、忌まわしき呪いがこの身に生まれたのは。

紅海月 :やること成すこと。全て中途半端だった。

紅海月 :アイドルへと成り。分かったのは。舞台から見える景色は。今までに見たことがないほど、美しく煌めいていて。

紅海月 :同時に。そこに立つ、尋常ならざる彼ら彼女らの努力を知ってしまった。

紅海月 :観るだけでは、知り得なかった、アイドルたちの苦悩。

紅海月 :支えねばならぬと思った。

紅海月 :寄り添わねばならぬと思った。

紅海月 :舞台に上がるたび、新鮮で、美しいそれを我らに見せてくれる者たちへ。

紅海月 :それが、己にできる、せめてもの恩返しだとも思ったから。

紅海月 :地球上の、すべてのアイドルを救ってやりたいなどと、思い上がっていたつもりはないが。

紅海月 :しかし、この“異街”の。せめて己の、目の前で。

紅海月 :夢を見せてくれるアイドルの力には、なってやりてえと。

紅海月 :然し。地下の王などと囃され、最強のオタクなどと自ら名乗りをあげても。

紅海月 :結局、てめぇはひとりの人間で。

紅海月 :土台、無理な話だったのだ。

紅海月 :それを望もうが、それを望まなかれようが。

紅海月 :去っていく背を。止める事は出来なかった。

紅海月 :その苦しみを、悲しみを。

紅海月 :己は。分かち合うことが、出来なかった。

紅海月 :載せた想いが。大きければ、大きいほどに。

紅海月 :それが無くなり、途方に暮れる、喪失感もまた。

紅海月 :───結局。己がどれだけ、粉骨砕身、身を削っても。

紅海月 :皆、居なくなってしまう。

紅海月 :置いて行かれてしまう。

紅海月 :気づけば。有り余るほどに、湧き上がっていた筈のそれが。

紅海月 :冷めてしまっていて。

紅海月 :入れ込みすぎない日々は。随分と、楽だったが。

紅海月 :それでも、もう一度、立ってみるかと。

紅海月 :可能性があるにも関わらず、泣きじゃくる少女を導かんがため。

紅海月 :苦楽を共にしてきた仲間への、感謝の想いも込めて。

紅海月 :あれよあれよという間に。そうして。

紅海月 :己は。

紅海月 :出会ったのだ。

紅海月 :寝ても覚めても。

紅海月 :思い返すのは、己の隣で楽しげに笑う、彼女の表情。

紅海月 :ステージ上で見せる、圧倒的な輝きと。

紅海月 :手から紡ぎ出した、あの虹の光。

紅海月 :首をごきりと鳴らし、店を出る。

紅海月 :『開店中』の札を裏返し。路地を征く。

紅海月 :歩き出す。海月が揺れる。

紅海月 :そうして街の、人の波間を掻き分け泳ぐ。

紅海月 :“最高のアイドル”の熱に充てられ、今やその枷は解かれた。

紅海月 :今の己の、頭の内を占めるのは。たったひとりの少女だけ。

紅海月 :己の内から湧き出て止まぬ。是と例えようも無い───

紅海月 :唯、燃え滾る。この想いを。

紅海月 :告げるために。

GM :===

エンディング:真白ももあ

真渕カヅキ :「以上で、ええ」

真渕カヅキ :「お疲れさまでした。あとのやり取りに対面は必要ないでしょう」

真渕カヅキ :「狂楽の王との賭けに勝てなかったのは少々悔しいですが、それはあちらも同じでしょう」

真渕カヅキ :「私も、楽しかったです」

真渕カヅキ :「良いステージでしたよ、真白ももあさん」

真渕カヅキ :「それでは、もう会うこともないでしょうが」

真渕カヅキ :そう言うと、真渕カヅキは頭を下げて、部屋をあとにした。

灰谷 :「……」あとに残されたのは。

灰谷 :「実に、実にお疲れさまでした」

灰谷 :「私は、無論あなたの勝利を信じていた」

灰谷 :「しかし、その一方で千十嵐リンネが敗北するする姿、これもイメージすることができていなかった」

灰谷 :「ですが、その点における不安はありませんでした」

灰谷 :「何故なら、アイドルとは観客のイマジネーションを超えるものであるからだ」

灰谷 :「ももあさん、あなたは何も無敗のアイドルというわけではない」

灰谷 :「膝をつく姿を誰よりも見てきた」

灰谷 :「それでも、私はあなたの勝利以外、考えていませんでしたよ」

灰谷 :「……悔しいですね」

灰谷 :「ですが悔しがっている暇など無い」

灰谷 :「次の公演に間に合って良かった、チケットは完売御礼。まあこれはいつものことですが」

灰谷 :「ファンの皆様には復活の……いや、"新生"真白ももあをお見せすることができるでしょう」

灰谷 :「無論、契約上ここで得た異能、異界に関する知識の数々は返却およびに封印が施されることになるでしょうが」

灰谷 :「貴方がここで掴み、得たものは確かにあなたの"アイドル"が血肉にしたはずだ」

灰谷 :「私と貴方の秘密の関係が失われることに少々寂しさもありますが」

灰谷 :「それよりも、次の公演が楽しみでならない」

真白ももあ :曖昧な表情で聞いている。どうせこの話も忘れるのだ。

真白ももあ :無様だと思う。

真白ももあ :優勝したのは明日葉セイ。この異街の人間だ。

真白ももあ :なら最初から私なんて別に来る必要はなかった。

真白ももあ :勿論、自分がしたことが全く無駄だったとは思っていない。

真白ももあ :セイくんやリンネさん、ミトさん、センヒちゃん……ここで行われた、世界の命運をかけた戦いの中心にいたたくさんの人とここで関わった。それが結果に無関係だったことはないだろう。

真白ももあ :けれど、私は誰かの糧になるために人生を賭けに来たわけではない。

真白ももあ :結果が出せなければ全て。

真白ももあ :その上、記憶もなくなってしまう。

真白ももあ :『表』に戻った私はここでのことをきれいさっぱり忘れている。本当にただちょっと長い間寝ていただけのようなものだ。

真白ももあ :起きたら全部忘れてる。長い夢を見ていたような気がするが、所詮は夢。ぼんやりとも思い出せない。

真白ももあ :……期待にも応えられなかった。

真白ももあ :灰谷マネージャーが4年も私の面倒を見て、トップアイドルにまで導いてくれたのは、今回のフェスで優勝させる為だっただろう。

真白ももあ :利用されていただけとも言えるが、それはこちらだって同じ。腹の中にあるものがなんであろうと、私をここまで育ててくれたことに変わりはない。

真白ももあ :灰谷マネージャーだけではない。私には想像もつかないほどの沢山の人たちが、打倒千十嵐リンネのため、真白ももあならそれが出来ると信じて送り出したのだろう。

真白ももあ :…………それに。

真白ももあ :想像を絶するような絶望的な苦しみから解放される千載一遇のチャンス。それを手放してさえ、助けてもらったのに。

真白ももあ :彼の苦しみには意味があったのだと、彼の優しさは間違っていなかったのだと、証明したかったのに。

真白ももあ :ビリジアンブルースを託してもらって、その力を借りたのに。絶対に勝ちたかったのに。勝てなかった。

真白ももあ :……灰谷マネージャーをはじめとした打倒千十嵐リンネ派の忍者たちの目的は、千十嵐リンネウィルスが世界を支配することの阻止。

真白ももあ :紅海月さんを苦しめていたビリジアンブルースは、無事破壊された。

真白ももあ :どちらも、根本的な目的は果たされている。

真白ももあ :けれど、それを果たすのは真白ももあであることを、私は私に望んでいた。

真白ももあ :目的も果たされているのだし、精一杯もがいて届かなかったことを、誰も責めはしないだろう。

真白ももあ :それでも私は勝ちたかった。精一杯頑張ったんだから仕方ないねとかじゃなく、勝ちたかった。

真白ももあ :でも勝てなかった。

真白ももあ :来年のフェスに挑戦し直せばいいとか、表で結果を出すことで挽回できるとかじゃない。

真白ももあ :私はどうしても、今回のこのフェスで勝ちたかったのに。

真白ももあ :だから悔しい。でも、この悔しさをバネにすることすら許されない。

真白ももあ :それは私が負けたから。

真白ももあ :だから、無様だと思う。

灰谷 :「……なにやら、ごちゃごちゃと余計なことを考えているようですね」

灰谷 :「あなたはよくよくひとりで戦いたがる」

灰谷 :「言ってくだい、そのために私はいるのですよ?」

真白ももあ :「……寝てる間にパワーアップしたかったんじゃなくて」

真白ももあ :「負けて悔しいから頑張るぞって思いたかったけど、それができないから残念ってだけだよ」

真白ももあ :「……でもさ、そう言うなら……お世話になった人に挨拶してくるくらいはいいでしょ?」

灰谷 :「思ったじゃないですか」

灰谷 :「負けて悔しいと」

灰谷 :「あなたは寝ていたのですか?今まで」

真白ももあ :「そうだね。完全な無駄になるとは思ってないけど……」

真白ももあ :「つらいとか苦しいとかくやしいとかも私のものだから。取られたくないよ」

真白ももあ :「……でも無理なんでしょう?だからそこまでは……ワガママ言わないからさ」

灰谷 :「無理、とまでは言わないでしょう」

灰谷 :「あなたが比良坂機関の諜報員として活動を行う、そのつもりがあるならば」

灰谷 :「そのちからと記憶は危険であれど、有用なものになる」

灰谷 :「だが、それは今までの生活との決別を意味するでしょう」

灰谷 :「アイドルとしての活動自体は続けられるでしょうが」

灰谷 :「それはある意味でアイドル真白ももあとしての死を意味する」

真白ももあ :「ミトさんみたいな感じかぁ」

灰谷 :「あなたの悔しさからすると、本末転倒でしょうね」

真白ももあ :「うん。そういういいとこどりしようとして中途半端になるのは、『真白ももあ』じゃない」

灰谷 :「花屋敷ミトはまた少し違うでしょう、あれはどちらかというと"第二の生"のようなものだ」

灰谷 :「忍びとは、己の心を殺し忍務に望むもの」

灰谷 :「花屋敷ミト、あれほど自由に、己の人生を謳歌できるとは思わない方が良い」

真白ももあ :「比良坂の諜報員として、っていうのでミトさんって思い浮かんだけど……」

真白ももあ :「たしかに全然己の心殺してないねあの人」

灰谷 :「ええ、あのひとはあくまで此度の作戦に対する協力者であり、比良坂所属の人材というわけではない」

灰谷 :「ことを細かに報告すれば、彼女を自由にさせまいとする一派も出てくるでしょうが」

灰谷 :「そこは、この灰谷がもみ消して見せますよ」

真白ももあ :「がんばるじゃん~」

灰谷 :「私はアイドルが好きですからね」

灰谷 :「元々芸能と政治は切っては離せない」

灰谷 :「比良坂機関の諜報員は芸能界にも数多く存在していますが」

真白ももあ :「じゃあファン活動するには政治家になるのが早いんだ……」

灰谷 :「私が、この仕事をしているのは純然たる趣味です」

真白ももあ :「趣味」

灰谷 :「本当は、あなたをここに送り出したくはなかった」

灰谷 :「このような危険な忍務に、手塩にかけたアイドルを」

灰谷 :「しかし、千十嵐リンネを倒すならば真白ももあをおいて他にいないであろうと思ったことも事実」

灰谷 :「結果、私は後者をとった」

真白ももあ :「マネちゃん……」

真白ももあ :「……恨んだりはしてないよ。結局生きてるし」

真白ももあ :「…………ただ、」

真白ももあ :「怒んないの知ってるけど」

真白ももあ :「……勝てなくてごめん」

灰谷 :「ええ、そうですね、怒りませんよこれくらいじゃあ」

灰谷 :「そしてあなたがやるべきは、謝罪などではなく、夢を見続けさせること」

灰谷 :「ファンと、そして私に」

灰谷 :「それさえわかっていれば、あとは何もいりません」

真白ももあ :「……うん」

真白ももあ :「…………ありがと」

灰谷 :「こちらこそ、ありがとうございます」

灰谷 :「勝利こそ逃しましたが……」

灰谷 :「あの時の、あの瞬間のあなたは誰よりも輝いていた」

灰谷 :「今まで、いちばん美しい真白ももあでした」

真白ももあ :それを自分が忘れてしまうのは悔しいけど。

真白ももあ :灰谷マネージャー、ただひとりでも、胸に宿し続けてくれているのなら……良かったと思った。

灰谷 :「お世話になった人に挨拶をしたいのでしたね」

灰谷 :「良いでしょう、時間ならば私が稼いでおきます」

灰谷 :「存分に、しかしあまり遅くはなりすぎないように」

真白ももあ :「……うん、ありがと」

真白ももあ :さすがに少ししおらしく笑って。

真白ももあ :「じゃあ、いってくるね」

灰谷 :「ええ、いってらっしゃい」


GM :===

GM :"商工業区"の港。
遠くに、船が見える。

GM :帰りの船だ。紫のスーツの男が"草"へと指示を飛ばしているのが見える。

GM :夕暮れの異街。

GM :千十嵐リンネが退き、一日に陽の光がほんの少し増えた、新しい風景の一部。

GM :あたりにいるのは、作業員に、遠くで釣りをする中年、その獲物を狙う猫くらい。

紅海月 :それと。

紅海月 :寄せては返す、波を虚ろな目で眺め。其処に佇むひとりの男。

真白ももあ :「……あれ」

真白ももあ :「紅海月さん!?」

真白ももあ :その姿をみつけ、驚いた声を上げ駆け寄ってくる。

真白ももあ :「こっちから会いに行こうと思ってたんですよ」

紅海月 :「よう、モモ」

紅海月 :「かかっ。会いに行くつもりだったのは、こちらも同じ」

紅海月 :「ならば、男の方から出向くのが筋じゃろが」

真白ももあ :「えー、髪めっちゃ短いじゃないですか。暑くなったんですか?」

真白ももあ :「もしかしてお見送りに来てくれたんですか?」

紅海月 :「うむ、薬の副作用でな。……鬱陶しかったら、丁度いい」

紅海月 :「………ま、そうだ」

紅海月 :「此処はよ。楽しいだけの場所じゃねえ」

紅海月 :「人と魔が。生と死が混じり合い、その境目を曖昧にさせる、危ねえ危ねえ場所よ」

紅海月 :「忍びの力を得たとはいえ……まだまだ、お前さんにも想像の及ばない危険が、山程ある」

紅海月 :「……さっさと、帰ったほうが、身のためだ」

真白ももあ :「…………」その言葉をじっと聞いてから。

真白ももあ :「……あの、副作用って……どこか悪いんですか」

真白ももあ :「病気……?」

紅海月 :「ん? 悪い悪い、心配させちまうような言い方だったかの」

紅海月 :「"夜光みつき"に成ったあとは、代謝が良くなるってだけのハナシよ」

紅海月 :「老い先短ぇ命を削って、代わりに得た輝きだ」

紅海月 :「これくらいは、有って当然の代償だが」

紅海月 :「ま、もう成ることは、ねえだろう……うん。多分の」

真白ももあ :「ああ、なるほど……今どこか悪いわけじゃないならよかったです」安心したように微笑んで。

真白ももあ :「みつきちゃん、すっごく可愛かったです。ビックリはしたけど……でも、そんな危険ならもう」

真白ももあ :「…………」

真白ももあ :ならないでほしい、と言いかけて、口をつぐむ。

真白ももあ :「ええと……それで、そうなんです。ここから……もう、帰るところで」

真白ももあ :「本当に、お世話になりました」

真白ももあ :「……それで、最後に一つだけ……お願いしたいことがあるんです」

紅海月 :「願い?」

真白ももあ :「まだちゃんとマネちゃんに聞いてないからダメって言われるかもなんですけど……」

真白ももあ :「あ、でも別にマネちゃん以外の異街の人に頼んでもいっか。えっと、とにかくなんですけど」

真白ももあ :「……私の、紅海月さんへの想いを。抜き出してコインにしてもらって……それを、紅海月さんに持っていて欲しいんです」

真白ももあ :兎のプロデューサーには、異街だからはしゃいでいるのかと言われたが。

真白ももあ :人が人を好きになるのを管理できる人間などいないだろう。

真白ももあ :……自分が人であることを諦めていたのが、少しだけ希望を抱いてしまったのは、異街という非日常だからこそだったかもしれないが。

真白ももあ :いつか離れなければならないのだから想いを抱いてはいけないなんて、いつか引退するのだからアイドルをやるのは無意味だとか、

真白ももあ :いつか死ぬのだから生命は無意味だとか、そういうのと同じ事だ。

真白ももあ :だから思いっきり好きになって、思いっきり離れたくないと泣けばいい。

真白ももあ :……そう思っていたが。

真白ももあ :正直、……よく、分からない。

真白ももあ :自分に、離れたくないと泣く資格などあるのか。

真白ももあ :最初から、相手にされていなかったような気もする。

真白ももあ :覚悟や優しさに報いることも出来なかったのだから、合わせる顔がないというのもある(顔合わせてるけど)。大人しく去るのが良い気もする。

真白ももあ :それでも。こんなに悲しくて悔しいのに。

真白ももあ :きっと私の想いを抜き出したコインは、どうしようもなく輝いて、美しいものであると分かるから。

真白ももあ :単純に、無くしてしまうのは勿体ないと思うし……その輝きをなかったことにしないで、知って、持っていて欲しいと思うくらいには、やっぱり好きだから。

真白ももあ :「きっと、もう二度と会えないですけど!もし、もしかしてもしかしたら、何かでまたもう一度会えたら」

真白ももあ :「私は何も覚えてないだろうけど……そしたら」

真白ももあ :「それでも……返さないでほしいんです」

真白ももあ :「こんなに大事な想いを捨てた自分を……許せなくなってしまうから」

真白ももあ :「ワガママばっかりだけど……受け取って、持っていて欲しいんです」

真白ももあ :「……お願い、出来ますか?」

紅海月 :真白ももあが。異街を訪れていた日数は。そう長いものではない。

紅海月 :考えに、考え抜いて。

紅海月 :それでも、大切な己の想いを無かったものにはしたくないと。

紅海月 :「──────」

紅海月 :言え。

紅海月 :もちろん。己も、大切に。いつまでも、いつまでも。

紅海月 :また、会えたら。

紅海月 :「………い」

紅海月 :「今から、少しだけ」

紅海月 :「みっともねえ、姿を、見せる」

紅海月 :そう断りを入れてから。温かいものが、頬を伝う。

紅海月 :「嫌だ……」

紅海月 :「儂ぁ、その想いを、忘れて、ほしくなど」

紅海月 :「忘れてほしい、わけがねえ」

紅海月 :「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなよ、畜生……!」

紅海月 :ああ、嫌だ……!

紅海月 :彼女の前では。頼れる大人の男でありたかった。

紅海月 :しかし、最早抑えきれぬのだ。

紅海月 :「その微笑みも」

紅海月 :「不器用ながらも、沢山の想いが詰まった菓子も」

紅海月 :「愛を囁く唇も」

紅海月 :己だけだ。己だけのものだったのに。

紅海月 :この先、彼女の隣を。

紅海月 :己の知らない男が寄り添うかもしれない。その姿を想像するだけで。

紅海月 :「身が張り裂けそうになる」

紅海月 :「気が触れそうになる」

紅海月 :吐きそうになる。全く、笑える。

紅海月 :幾ら齢を重ね。賢しく振る舞ったつもりでも。結局のところ。

紅海月 :どこまでも、どこまでも。

紅海月 :薄汚くて、醜くて。子供じみた独占欲が。

紅海月 :離れない。離したくない。

紅海月 :折角、取り戻した、この想いが。

紅海月 :最愛のものが。

紅海月 :また、己から去っていってしまう。

紅海月 :この少女と。

紅海月 :いつまでも、いつまでも。共に居られるのであれば。どれだけ────。

紅海月 :「しかし」

紅海月 :「それを、お前さんに求めるわけには、いかねえ」

紅海月 :全てを捨てて、側に居てくれなどと。

紅海月 :それは、"真白ももあ"ではない。

紅海月 :この先、彼女に、救われるであろう者たちを。

紅海月 :己のエゴで、殺すわけには。己と同じ想いを味合わせる訳には。

紅海月 :よろよろと、近寄って。頭ふたつぶんは低い、その身体を。

紅海月 :ひしと抱きしめる。

紅海月 :「よかろう」

紅海月 :「こう交わす言葉すら、お前さんは」

紅海月 :「忘れてしまうやもしれぬ」

紅海月 :「しかし」

紅海月 :「はっきりと言う」

紅海月 :記憶ではなく、そのたましいに。

紅海月 :刻みつけるように。

紅海月 :「あの虹の光を、見たときに」

紅海月 :「儂の、今までやった行いは」

紅海月 :「無駄ではなかったのだと」

紅海月 :「そう思わせてくれたのは」

紅海月 :「救ってくれたのは」

紅海月 :「確かに、ももあ」

紅海月 :「お前だけだ」

真白ももあ :「…………………っ」

真白ももあ :彼の泣き顔を驚いて見つめ、さらに抱きしめられ、目を瞬かせていたが。

真白ももあ :「よ、よか」

真白ももあ :「よかっ……」

真白ももあ :「わたし、紅海月さんになんにもできてないって」

真白ももあ :「悔しかったんです……」

真白ももあ :「私、本当は忘れたくなんかない」

真白ももあ :「離れたくなんかない……!」

真白ももあ :「でも、そう思ってるのは自分だけかもって、だって、なんにもできなかったから」

真白ももあ :「紅海月さんが好きなのは、最強のアイドルの真白ももあかもしれないから」

真白ももあ :「だからそんなこと言っちゃダメだって思って」

真白ももあ :「綺麗な、良い子のアイドルの真白ももあでお別れした方が良いと思って」

真白ももあ :「でも、やっぱり」

真白ももあ :「行きたくないです」

真白ももあ :「一緒に居たいです……!」

真白ももあ :気づけば自分もぼろぼろと涙を流し。

真白ももあ :抱きしめる彼にしがみついていた。

紅海月 :「阿呆……」

紅海月 :「確かに、アイドルとしての真白ももあを、儂は愛している」

紅海月 :「裏と表があってこそのコインだろう」

紅海月 :「ヒトとしての、お前さんも……」

紅海月 :「かかかっ。最強のアイドルだか、なんだか、知らねえが」

紅海月 :「"真白ももあ"を世界で一番、愛しているのは」

紅海月 :「この儂よ」

紅海月 :「誰にもその座を、譲るものか」

真白ももあ :「………………!」

真白ももあ :「私はたくさんの人に……きっと、愛してもらってるけど」

真白ももあ :「私も……私を一番愛してくれてるのは」

真白ももあ :「あなただと、思います」

真白ももあ :「ふふ……」

真白ももあ :「……あのね、私、夢があるんです」

紅海月 :「あまり、その気にさせるなよ」

紅海月 :「抑えられなくなっちまう」こくりと頷いて

紅海月 :「聞かせてくれ」

真白ももあ :「小さい頃の夢は、キラキラ輝くアイドル。それは叶いました」

真白ももあ :「でも、私はここで終わりじゃない。夢を叶えて終わりじゃないし、誰かに越えられるべき壁でもない。私は続いていくんです」

真白ももあ :「私ね、国を作りたいんです」

真白ももあ :「……って言い方をしてるけど。要はアイドルの芸能事務所ですね。それを作りたいんです」

真白ももあ :「本当に芸能事務所って形なのか分からないし、でもそういう要素がある以上今の事務所にお世話になってるのに感じ悪いから、不思議ちゃんな感じで国って言い方して誤魔化してるけど」

真白ももあ :「アイドルやるのも、歌って踊るのも……すっごく楽しいのに。特に歌って踊るのなんて、みんな小さい頃は幼稚園とかでやらせれるのに、大きくなったらそんな機会は失われちゃって」

真白ももあ :「分かりやすい道筋としてはアイドルだけど、でも、そのアイドルって道はすっごく狭い。才能と素質があって、外見が整ってて、性格がよくて、血が滲むような努力をしてて当たり前」

真白ももあ :「その中で、チャンスを掴めるかどうか。掴めたって、そのまま駆け上がっていけるかどうか。それは一番頑張った人に与えられるんじゃない。運命が気まぐれに微笑むかどうかでしかない」

真白ももあ :「それってすっごく勿体なくないですか?」

真白ももあ :「だからもっと、機会を作りたいんです。アイドルやりたい人がもっとたくさんできるように……アイドルってほどではなくても、歌って踊って楽しいってもっと気軽に思えるように」

真白ももあ :「って言っても、具体的な計画があるわけじゃなくて。なんとなく、私がアイドルとしてすっごく成功して、人脈とかいっぱい作ってなんとかならないかな~みたいなふんわりしたやつなんですけど」

真白ももあ :「……別に、ここから始めてもいいですよね」

真白ももあ :「この世界の王のひとりは、れみふぁちゃん……とその中のリンネさんで。きっとそういうの盛り上げるの、力になってくれるんじゃないかと思うし」

真白ももあ :「"最強の地下アイドル"にして、"最強のアイドルオタク"」

真白ももあ :「"最強のアイドル"が、ただ一人だけ見初めた、ただ一人愛するあなたが」

真白ももあ :「ここにはいるんですから」

紅海月 :「まったく、まったく」

紅海月 :「茨などと称するのが優しすぎるぐらい、困難な道程であろうな」

紅海月 :「しかし」

紅海月 :「やはり、お前さんは」

紅海月 :「夢を見るより、夢を見せる側の人間だ」

紅海月 :「異街の勢力図すら、変わるかもしれぬのう……」

紅海月 :「そのための。地盤作りでも、しておくか」

紅海月 :「儂は儂で。やることがあるからの」

真白ももあ :「やること……ですか?」

紅海月 :「己をここまで支え、応援をくれた野郎共への恩返しに」

紅海月 :「あの時、差し伸べられた手を。もう一度掴むためにな」

紅海月 :「この熱を取り戻してくれた、大恩人だが」

紅海月 :「惚れた女に、土の味を噛み締めさせた野郎でもある」

紅海月 :「ケジメを付けさせなきゃあ、よう!」

真白ももあ :「……ってことは、また挑戦するんですか?フェス」

紅海月 :「来年も、その再来年も」

紅海月 :「祭りは続く」

紅海月 :「精一杯、力になってやりてえ」

真白ももあ :「ふふっ、じゃあライバルになるのかな」

紅海月 :「どうだかの……」

紅海月 :「もう一度、ステージの上に立つお前さんを」

紅海月 :「目の当たりにしたら、正直……うむ」

紅海月 :「己の想いを抑える自信が、あまりねえ」

真白ももあ :「ふふふふっ」嬉しそうにクスクス笑う。

真白ももあ :「私は本気で叩き潰しますけどね」

真白ももあ :「でもやっぱり、好きな人にそう想ってもらえるのは……嬉しいです」

真白ももあ :「……あの、……あらためて」

真白ももあ :「一緒に……居させて、もらえますか?」

紅海月 :己の額と、彼女の額を。こつんと付けて。

紅海月 :潤んだ琥珀色の瞳を、しかと見据える。

紅海月 :「おう」

紅海月 :

紅海月 :「お前さんの人生だ。幸福な人生を歩んでほしいと、切に願っている」

紅海月 :「しかし」

紅海月 :「それでも、こうして────傍で、同じ熱を分かち合いたいと、共に願ってくれるのなら」

紅海月 :「ずっと一緒だ」

真白ももあ :「……はい」

真白ももあ :「ずっと、一緒です……」

真白ももあ :彼の体を、ぎゅうっとさらに抱きしめる。

真白ももあ :灰谷マネージャーをはじめ、次の公演のチケットを買ってくれたファン。

真白ももあ :ただでさえミンシュガの電撃引退に悲しむアイドルファンは混乱の渦に飲み込まれるだろう。

真白ももあ :たっくさんのひとに迷惑かけちゃうけど……

真白ももあ :迷惑かけたくないなんて思うなら、最初からアイドルやってない。

真白ももあ :ここであった大切な事。大切な想い。ひとつも忘れたくなんかない。

真白ももあ :ここから育っていく想いは、芽吹いていく未来は、きっともっともっとキラキラ輝いていて。

真白ももあ :動画リンク

真白ももあ :きっと、もっともっと、美しいものになるだろう。

真白ももあ :続いていく。

真白ももあ :全部は思い通りにならなくて、苦しいことや辛いことがたくさんあっても。

真白ももあ :全部大切な自分のものだ。

真白ももあ :誰にも渡さない。

真白ももあ :ここで、彼の隣で生きていく。

真白ももあ :新しい歌を届けて、聞くために。

エンディング:マスターシーン

GM :===

灰谷 :なんとなく。

灰谷 :こうなる気はしていた。

灰谷 :だから、私は黙ってこの島を出よう。

灰谷 :顔を合わせず、黙って。

灰谷 :きっと言ってしまうから。

灰谷 :『貴方の口から、正面から』

灰谷 :『私は、我々はもう必要がないと、言ってください』

灰谷 :『それが、きっとけじめであるはずだ』と

灰谷 :おそらく、それを迫ることがある種の誠実さでもあるはずだ。

灰谷 :だが、私はここを去る。

灰谷 :黙ってここを。

灰谷 :「私の……最初で、最後の我儘で、いじわるですよももあさん」

灰谷 :どうかお幸せに。

夜岸 江奈 :「あ、ももあのマネさんじゃん」

灰谷 :「おや、うっかり電撃引退をしてしまったアイドルではないですか」

夜岸 呂奈 :「もう出向のはずなのに、お一人……ということは」

夜岸 江奈 :「ってことは、フラれた──ってことぉ!?」

灰谷 :「ええ、情けないことにその通りです」

夜岸 江奈 :「へえ~、あの真白ももあがねぇ。やるもんだなあ、あのお兄さん」

夜岸 呂奈 :「外の世界なら、大スキャンダルですわね」

灰谷 :「小さなつまらぬ幸福に、我々が敗北した」

灰谷 :「ですが、道理でしょう」

灰谷 :「アイドルとは、歌とはその小さな、つまらぬ幸福のためにあるのですから」

夜岸 江奈 :「ふうん? 中々ロマンチックじゃん」

夜岸 江奈 :「でもさ、きっとその程度じゃ済まないよ」

夜岸 江奈 :そう言って、にやりと笑う。

夜岸 呂奈 :「そもそも、この島に私たちが来たのは」

夜岸 呂奈 :「"島の中の王様"が、外に出てこようとしたからですわ」

夜岸 呂奈 :「"小さな幸せ"を得て、さらに進化した真白ももあが」

夜岸 呂奈 :「王様として、世界に宣戦布告する姿──」

夜岸 江奈 :「想像できるだろ? 特に──」

夜岸 江奈 :「マネさん。あんたにはさ」

灰谷 :「いえ、失礼ですが私とあなた達では真白ももあ観の違いというものが純然として存在する」

灰谷 :「私の真白ももあは、ここ異街で死にました」

灰谷 :「例え何が阻もうと、目の前のファンとステージから逃げるものは真白ももあではない」

灰谷 :「ならば、敗北したのはまた彼女自身でもある」

灰谷 :「花屋敷ミトあたりは、それをきっと許さず、彼女がまだ芸能に関わろうとするならば正面から叩き潰そうとするでしょうね」

灰谷 :「ですが……」

夜岸 江奈 :「ですが?」

灰谷 :進化した真白ももあ、か

灰谷 :「アイドルとは、イマジネーションを超える存在です」

灰谷 :「彼女が、この先"アイドル"で有り続けられるならば」

灰谷 :「超えて、壊してしまえばいいでしょう」

灰谷 :「私の浅はかな"解釈違い"などというものは」

夜岸 江奈 :「なんていうか……」

夜岸 呂奈 :「難儀な人ねえ……」

灰谷 :「そうなのですよね、困ったことに」

灰谷 :「未来が、そうであるならば……」

灰谷 :「それも面白い」

灰谷 :「私の育てた次のアイドルで、彼女を叩き伏せてやりましょう」

灰谷 :「後悔させてやりますよ、この私を手放したことを」不敵に笑う。

灰谷 :「それで、あなた達はこれからどうするつもりなので?」

灰谷 :「表で謎の新人ユニットが電撃デビュー、そういうのも、面白いでしょうね」

灰谷 :「はたまた、ここでの因縁、未練に絡め取られるも良しか。どこかの、私にとってはもうアイドルではないただの少女がそうであったように」

夜岸 江奈 :「私ら、もう忍者の力は手放せなくなってるからさあ」

夜岸 江奈 :指先を少し"解いて"見せる。縄の術式によって"命"は取り留めたものの、肉体はそれまでの人間のものとはかなり変質している。

夜岸 呂奈 :「少なくとも、あなた方の提案には乗れませんわね」

灰谷 :「ですか、ならばここは良い」

灰谷 :「ここははぐれもの、あいまいなもの」

灰谷 :「様々なものを受け入れる果ての地だ」

夜岸 呂奈 :「比良坂さんがもうちょっとご寛容なら、私たちもももあちゃんも帰れたのですけれど」

夜岸 江奈 :「ま、ももあも、私たちも」

夜岸 江奈 :「すぐに"戻る"から、安心『しないで』待っててよ」

灰谷 :「そうですか、それは安心『できる』」

灰谷 :「"戻る"程度では置いていかれるアイドル道」

灰谷 :「どのような、思いも知れぬ方法で」

灰谷 :「行く先に忽然と立ちはだかってくれるのかと恐々しておりましたが」

灰谷 :「それならば、敵ではない」

灰谷 :「ハ……ハハ、失礼」

灰谷 :「ご無礼を、少々当てつけのようなことを言ってしまった」

灰谷 :「お元気で、おふたりとも」

灰谷 :「ここは、はぐれの流れる果ての地です」

灰谷 :「千十嵐リンネが、"外"を目指したように」

灰谷 :「アイドルの本流はあくまで、我々の世界だ」

灰谷 :「そのプライドというものがある」

灰谷 :「それを手放し、ここに根を下ろしたものに負けてやる道理など無い」

灰谷 :「それだけは、言っておきますよ」

夜岸 江奈 :「はは! そりゃお互い様」

夜岸 呂奈 :「なるほど、田舎の僻地の果ての果て。けれど、だからこそ」

夜岸 江奈 :「"挑戦者”になれる!」

夜岸 呂奈 :「ですから、さよなら。"また会う日”まで」

灰谷 :「ええ、"また会う日”まで」

エピローグ

GM :===

ミウ・シウ :「いえーーーーーい☆」

ミウ・シウ :「みんな盛り上がってるぅ~~~~~~~???」

ミウ・シウ :「オラオラァ、返事が小さいぞ~~~~☆」

"ピザ吐き隊" :「ミウミウ~~~~!!!」

観客 :「こっち見て~~~~~!!!!」

ミウ・シウ :「見ておいてね、今日こそこいつら全員海底に沈めてフジツボのおうちにしてあげるんだから☆」

日ノ原 エルナ :「潰されてなんてあげないよ!!」

"違法イカ@airハ-70" :「エルナ~~~!!」

観客 :「何も聞こえないけどかわいいぞ~~~!!!」

日ノ原 エルナ :「そう! 特訓の成果!! みんなに見せてあげる!!!!」

プロデューサーR・A :「ミス・ミウ・シウ。あなたの新曲は既に解析済み……」

プロデューサーR・A :「ケイゴ、見せてやるのでス、新たなあなたヲ……」

観客 :「ケイゴ~~~!!!」

"ふわのん" :「あのときの刺戟が素敵だった」

滑皮 ケイゴ :「完璧なデータと、完璧なパフォーマンス」

滑皮 ケイゴ :「これを越えるには、俺をも驚かせるサプライズしかないぜ!」

花屋敷ミト :「前口上が長いわ、さっさと演りましょう」

花屋敷ミト :「まとめて、魅せてあげるわ」

"極大門松" :「ミトさ~~~ん!!!」

観客 :「いつまでも推すぞ~~~~!!」

- :「いや」

- :天井の飾り紐が解け、一つの人影を結ぶ。

- :そこに立つのは、ワインレッドの髪を靡かせた、少女のような顔立ちの男。

- :「もう一人。仲間に入れてもらおうか」

ミウ・シウ :「ふーん、チャレンジャーってわけ?」

"リコス・リコリス" :「"ヴルフ"改め、"リコス・リコリス"」

花屋敷ミト :「(スリスリ・リス……?)」

"リコス・リコリス" :「新人アイドルとして、挑戦させてもらおう」

GM :開かれたチャリティ・コンサート。

GM :そこに集ったアイドルに、突如として現れた挑戦者。

GM :会場のボルテージは高まる一方である。

ステージを見上げる少女 :きらきら輝く舞台を、潤んだ瞳で見上げる少女。

ステージを見上げる少女 :精一杯のオシャレに身を包み、サイリウムを握りしめ。

ステージを見上げる少女 :「私も、なれるかな……」誰にでもなく、放った言葉に。

宍戸れみふぁ :「そんなの、わかんないよ」

ステージを見上げる少女 :「わ、え、れみふぁだ!」返事に、それ以上に放った人物に驚いて。

宍戸れみふぁ :「なるはずだったんだけどね、誰でも、望めばそれになれる世界に」

宍戸れみふぁ :「でも、そうはならなかった」

宍戸れみふぁ :「だから、わからない」

ステージを見上げる少女 :「わからない……」

宍戸れみふぁ :「でも、そんなことは関係なかったんだ」

宍戸れみふぁ :「私には、あの人達には」

宍戸れみふぁ :ステージを、見る。

ステージを見上げる少女 :「私には……」

宍戸れみふぁ :「関係ない?そう思える?」

宍戸れみふぁ :「誰も保証はしてくれない、ステップを待ってはくれない」

宍戸れみふぁ :「失敗を、許してはくれない」

宍戸れみふぁ :「それでも、それでもって思える?」

宍戸れみふぁ :だったら。

宍戸れみふぁ :「おいでよ、私は、私たちはそこにいるよ」

宍戸れみふぁ :「待ってはいない、そんな余裕はないもの」

宍戸れみふぁ :「でも、あなたが私の前に現れたなら」

宍戸れみふぁ :「全力で、歌って踊るよ」

宍戸れみふぁ :「それを、【約束】してあげる」

ステージを見上げる少女 :「……」

ステージを見上げる少女 :答えは出ない、色んなことが、あたまのなかでぐるぐるとまわって。

ステージを見上げる少女 :それは、小さな少女には重すぎて。

ステージを見上げる少女 :でも、それでも。

ステージを見上げる少女 :ステージを見る。

ステージを見上げる少女 :その向こうにある、【約束】のステージを。



竜骨島逗留奇譚 第二章『紅演華炎のグラン・ギニョーカ』

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