日記@
最初のうちは夫婦仲睦まじく暮らしている様子が書かれているが
2月のある時震えたような文字にならない文字が書かれた後しばらく空白になっている。


その後、わけのわからない記述が続く。
曰く、
大量に古い書物を手に入れた。「混沌」と名乗る神に出会うことができた。その冒涜的な知識と呪文の数々は常識を容易に溶かし切った。
次にユゴスよりのものに接触。遺体すら蘇らせられるのではないかと期待するが、叶わなかった。
次に接触した彼らは精神交換で現代にも数多く存在し、接触するのは楽だった。未来の技術を使えばあるいはと思ったが、
残念ながら彼らは人の死に興味がなくひどく落胆した。が、死体をこれ以上損傷させず維持する方法を得た。
そして時間遡行。これは応用ができるかもしれないと思い今一度混沌に教えを乞うことにしたが、これが失敗だった。
時を操作する術を試そうとした途端、『何か』に見つかった。身の毛のよだつようなあの化け物は確実に私を追ってくる。
何か対策を立てなければ。時間がないというのに。





日記A
8月
見つけた!とうとう、死を超える方法を見つけた!
それは脳すら自ら固定化し、知能を持つ。
私の求めていたものは、これだ。

9月
奇跡だ。実に順調だ。研究と実験を始める

10月
完成した。
実行は、あらゆる最終調整をした上で行う。
アリス、もうすぐ会えるよ。




日記B
11月

どうして。
こんなものアリスではない。

こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。
こんなものアリスではない。





日記C
12月
研究が足りないのか…いや、これで正しいはずだ。
数だ。数をこなさなければならない。
大丈夫、いつかは妻にたどり着く。
研究を続ける。トライアンドエラーだ。
アリス。待っていてくれ、アリス。


1月
ダメだ あきらめては 何か手段を なにか…

2月
できることならなんでも試す 素材なら金で買える。
電子メール一通で命が買える時代なのだということを
考えれば私自身もさほどくるっていないのではないかと錯覚するものだ。

アリスに会えればそれでいい。それだけでいい
最早あれらの管理も面倒になってきた…



日記D
3月
大量に作成した結果として、奇跡的に比較的良質な個体が1体だけ完成した。
ダメだ 足りない これも、アリスとは程遠い
こんなものアリスではない

まだ届かないのか

4月
猟犬を凌ぐ術はきっともう長くはもたない
どうして どうして君に会えない
どうすればいい アリス
アリス!

(日記はここで途切れている)