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雨後の話 GM:ナケミン


PC1:十九川 ヤコ(とくがわ やこ)(キャラシート)PL:ガントス
PC2:鳴無 色葉(おとなし いろは)(キャラシート)PL:しろい
PC3:水瀬 一理(みなせ いちり)(キャラシート)PL:さささ
PC4:芹野 成海(せりの なるみ)(キャラシート)PL:占任

メインログ雑談ログ
関連セッション
墨流しの話

目次



『本日は足元の悪いなか』

洗い流される。
血が。檻が。轍が。
道が。森が。私が。

『皆様お集まりいただき』

遠くより降りてくる。
深くから湧き上がる。

『誠に──』

そして、新きを知る。

====


現代忍術バトルRPG・シノビガミ

『雨後の話』


====


プリプレイ

GM :というわけで始めてまいります!

GM :まずは~~~PC紹介だぜ!

GM :今回は皆さま継続PC!

GM :ぜひどんな成長をしたか、あるいは変わり果てた姿になったのか、ご紹介いただければありがたいです!

GM :まずはPC1! 十九川さんお願いします!

GM :キャラシート

十九川ヤコ :あーい!

十九川ヤコ :鞍馬神流のシノビ、十九川ヤコです。

十九川ヤコ :18さい、ご覧の通りのギャルです。イェイ☆

GM :ギャルだ~!

十九川ヤコ :ヤコの家名でもある十九川家は主に隠忍狩りで名を馳せた家系であり

十九川ヤコ :ヤコはその一族の八代目にあたります。

GM :サラブレッド!

十九川ヤコ :なのでその名に違わず、妖魔狩りにおいては結構な功績を挙げたりしています。

十九川ヤコ :こないだも生まれたばかりの妖魔の赤子をタコ殴りにしたよ。

GM :その若さで……!

GM :あっでも赤子殴ってるならトントンですね

十九川ヤコ :そーだし。

十九川ヤコ :妖魔の権能を行使できる長刀「一魔降(いとまごい)」と魔のものだけを映して分かつ小刀「二色乞(ニシキゴイ)」の二刀流の剣士でもあります。

十九川ヤコ :詳しくは……ナケミンGM・墨流しの話をチェックだ!

GM :褐色巨乳二刀流退魔ギャル剣士が出るログが!?

十九川ヤコ :あるんだぜ……

GM :誰かがリンクを貼っているかもしれないな……

鳴無色葉 :『墨流しの話』ログ

鳴無色葉 :そんなものが!?

十九川ヤコ :イタチっち!

十九川ヤコ :ありがたい……

GM :気づかないうちにログが!?

GM :まさに忍びの早業……ありがたい

十九川ヤコ :そんな感じで実力は確かなものの、自由に俗世を謳歌するチャラついた姿勢が里のお偉いさん方に疎まれていたりしています。

十九川ヤコ :なにやらそのせいで今回は不穏な気配が……するぜ

GM :ふしぎね

十九川ヤコ :データ面は背景「梟雄」を用いた戦国変調を活用した集団戦攻撃主体のいやらしい戦法を低プロ後の先からバシバシ飛ばしていく形ですね。

十九川ヤコ :リスペックめちゃくちゃ悩みましたが、結局あんまりデータ弄れませんでしたね。割りとなんか……完成されている気もしてて これで

GM :梟雄とは、渋いところをついてきますね

十九川ヤコ :そうなんですよ。レアですよね。

GM :戦国変調表という、ちょっといつもと違う変調を使いこなせる背景です! レアですので覚えておこう!

十九川ヤコ :要チェックや!

十九川ヤコ :新たに背景・攻撃訓練を得たことにより集団戦攻撃と陽炎のダイスを一緒に振れるのと

十九川ヤコ :忍具一つ、追加購入したぐらいですね。

十九川ヤコ :今回は奥義改造も適用可なルールですが……奥義がどうなるかは……見てのお楽しみだぜ!

GM :追加された忍具がどう戦況に影響するのか! 興味津々です

十九川ヤコ :そんなかんじです!

GM :はーい 基本はそのままに、盤石さに磨きがかかりましたね 本当にギャルか?

十九川ヤコ :あーしに死角はないし

GM :そんな二天一流、十九川さんのハンドアウトは、これだ!

PC1の【使命】

あなたは降魔忍者の一族・十九川家の正統後継者でありながら、忍びの古い慣習を疎み、現代的な自由な生活を送っている。

そんなあなたの元に、忍びの隠れ里・古夜からの使いが現れる。

その内容は、より強い忍びを婿として迎え入れ、忍びの血を濃くするための儀式「雨採の儀」に参加せよ、というものであった。

逃げてもよいが、それでは因習に負けたのと同じである。どんな忍びも自分の婿に相応しくないと、実力を見せつければ文句は言えないだろう。

自分の生きたいように生きるため、あなたは儀式の場である古夜に向かうことに決めたのだった。


【使命】婚姻を断り、因習を断つ。

十九川ヤコ :あたしが……コンイン~~~~!?

GM :そろそろいい人はいないのかい……?

十九川ヤコ :うるせ~~~! 子の顔はまだ見せてやらん! 長生きしろ!

GM :ヤコ……

GM :というわけで、因習婚姻をぶち破ろう! という使命です。はりきってくださいね。

十九川ヤコ :がんばるぞい!

GM :使命を達成できないと一生隠れ里で暮らすことになります

十九川ヤコ :イヤッッッッ!!

GM :ヤコ……

GM :というわけでよろしくお願いします!

十九川ヤコ :おなえしゃ~~~す!


GM :続きましてはPC2、鳴無さん! お願いします!

GM :キャラシート

鳴無色葉 :うむ!

鳴無色葉 :自己紹介ってなんだ?

GM :カレーライスのことだよ

鳴無色葉 :ククク……やはりな。甘口が好きだ

鳴無色葉 :鳴無色葉(おとなしいろは)。外見年齢は20代くらいの女です。

鳴無色葉 :その正体はなんかすごいイタチの血を引く……なんかめっちゃずっと生きてる忍び!お医者さんの面もある。

GM :長命人外! あまりに格が高い…………

鳴無色葉 :相変わらず変換しづらく読みづらいけどすまぬな。婚姻でもせんと苗字は変わらんからな。

鳴無色葉 :尊大な態度で振る舞っていますが、情弱のインターネット長命者オタクです。

鳴無色葉 :長命なので背景の【長命】をとって戦国編キャラになりました。

GM :カタカナ部分がなんか変なんだよな

鳴無色葉 :別に比良坂の麝香会総合病院から抜けたわけではないから今まで通り真面目な公務員として接してくれよな。

GM :今回のイタチちゃんは古流だ! 20年前のネットスラングとかも使うかも

鳴無色葉 :前回もだいたいそれくらいのネットスラングを使っていた気がするが、気のせいだろう

鳴無色葉 :心優しきイタチなので【非殺】もとってきました。

鳴無色葉 :麝香会総合病院の使命達成においても裏柳生やるにあたってもマジで邪魔なんですけど、まあキャラ的には非殺なので……

GM :流儀を捨てていく姿勢、個人的には嫌いじゃないですよ

鳴無色葉 :す、捨ててはいない!トクガワに仇なすものを倒せばいいんだろ!

GM :とんちを聞かせていく

GM :重要文化財損壊や無銭飲食するだけで心優しいシノビだぜ!

鳴無色葉 :そうだぜ!

鳴無色葉 :データ的には、スペシャル型として作ってこなくても勝手にスペシャルすることが分かったので陰湿カップから抜けました。

鳴無色葉 :自分より低いプロットを殴った時は回避マイナス1ファンブル値+2で回避を求め、こちらを殴ってきたらその忍法を使い物にならなくしてやりたいです。

GM :かなり許せないぜ~

鳴無色葉 :甲賀にして【虹海月】【朽木】でみんなの撒いた変調をパクパクして強くなろうかとも思ったんだけどみんなが陰湿カップ続けてくれるか不安になったから抜けちゃった

鳴無色葉 :これが陰湿カップのジレンマなんですね

GM :【小詰】を使用すれば、自分が回避した攻撃忍法の命中判定には以降マイナス4修正! 正気とは思えない

GM :陰湿だと思います。

鳴無色葉 :

鳴無色葉 :爽やかイタチなのだが……?

鳴無色葉 :そんな感じです!よろしくお願いします!

GM :はーい そんな鳴無さんのハンドアウトはこちらだ!

GM :PC2の【使命】

PC2の【使命】

あなたはPC1、十九川ヤコの知人である。友人かもしれないし、ライバルかもしれない。

十九川ヤコは歴史ある退魔の一族の後継者であり、そしてその古い慣習に嫌気が指している人物だった。

そんな彼女が、一族の長になる者として婚姻の儀に呼ばれたという。もし婚姻が成立すれば、彼女は鞍馬の隠れ里から離れることはできなくなるだろう。あなたと出会う機会も無くなってしまうに違いない。

あなたは十九川ヤコの御供として、彼女を手助けするためについていくことに決めた。


【使命】十九川ヤコの婚姻を阻止する。

鳴無色葉 :絶対にガワコを結婚なんかさせんぞ!!

鳴無色葉 :一緒にスイパラに行かねばならんからな

GM :お友達を笑顔で見送ってあげてね!

十九川ヤコ :イタチっち……

鳴無色葉 :阻止するんだってば!

GM :すい……ぱら……?

GM :緑の原っぱならあるぞい……

十九川ヤコ :いっぱいメロンパフェたべような

鳴無色葉 :タンポポおいしいね……

十九川ヤコ :ぺっしなさい

GM :というわけで、頑張って因習にNO!しに行きましょう! 時代は令和だぜ!

鳴無色葉 :そうだぜ!flashも使えなくなったんだ!

GM :戦国時代からアップデートされてないような奴らはダメだよなァ~!

GM :よろしくお願いします!

鳴無色葉 :お願いします!


GM :次! PC3、水瀬さん! おねがいします!

GM :キャラシート

水瀬 一理 :はあい

水瀬 一理 :「水瀬一理、と申します。普段は司書をしております。本日は貸し出し中……もとい出張ですね」

水瀬 一理 :「これ実感なんですけど、人が少ない場所の方が不審者目線って強いんですよね。通報しないでね」

水瀬 一理 :比良坂機関の下位流派、公安隠密局所属、水瀬一理(みなせ・いちり)です。25歳男性。

GM :ツインテールの男性……顔にはシール……

GM :不審だぜ!

水瀬 一理 :最先端です!

水瀬 一理 :普段は『国立日読資料室』という小さくて人が全然来ない図書館で働く司書で、職場には何かとヤバい本を取り揃えているそうです。

水瀬 一理 :先日は預言書がひとつ増えました。来客もちょっと増えたみたい。

水瀬 一理 :先の通り、糸目に長髪ツインテ、顔に『禁帯出』のシールでどこに行っても目立つ定めの男です。

水瀬 一理 :今回はおめでたいお話ということでちゃんと礼服着てきましたよ。ちょー歩きにくいですね。

GM :ほんとだ。ロングコートじゃなくなっている

水瀬 一理 :マナー守らないといけないですしね

GM :田舎だから礼服って袴に羽織なんじゃ……?

水瀬 一理 :余計歩きにくいじゃないですか

GM :そうですね。

水瀬 一理 :ただでさえ裾が草だらけになるのに……。

水瀬 一理 :えーと、穏やかで飄々とした性格ですが、信念:忠でもあり、仕事に関してはそこそこのやる気で部下と頑張っているようです。

水瀬 一理 :今回もがんばるぞう

水瀬 一理 :成長的には、前回のデータをベースに順当アップデートした感じで、中忍頭になりました。

水瀬 一理 :【内偵】で情報収集を自動成功させたり、【沈黙】で奥義破りしにくかったり、

水瀬 一理 :【凶手】【雀蜂】コンボでスペシャル確率上げた集団戦攻撃+追加ダメージを食らわせたりとかする予定です。ここまでは前と同じで、

水瀬 一理 :今回は【一角】を増やして回避もしづらくなったはず。

水瀬 一理 :当てるぞ~~~

GM :命中率を上げましたね!

GM :前回は命中せず悲しみを背負っていましたからね……

水瀬 一理 :誰かが妨害するから……

水瀬 一理 :背景も増えまして、長所が【梟雄】【身分】、短所が【目撃者】【疑心暗鬼】。

水瀬 一理 :梟雄とかあんまり見ないので緊張してます。

GM :梟雄! 珍しいですね、久しぶりに見ました

鳴無色葉 :どんな背景なんだ?

GM :念のため説明しておきましょう。戦国変調表という、ちょっといつもと違う変調を使いこなせる背景です!

水瀬 一理 :使いこなせるかな~~

GM :きっと大丈夫!

鳴無色葉 :なるほど……初めて聞いたから説明助かるぞ

十九川ヤコ :そんな効果をもった背景があるんだ~

GM :エニグマを調べると追加で情報判定ができる【身分】は強力ですね。使えるかは……わからないけど

水瀬 一理 :そう、わからないのだ……でも【内偵】でやってみたかったので取りました。

水瀬 一理 :なんかどんどん感情ド下手になっていく傾向にありますが、とにかく情報は得意なので結びに来てくれてもいいのよ!

GM :【疑心暗鬼】の効果で、【秘密】を知らない相手に水瀬さんから感情判定を行えないですね。

水瀬 一理 :そうなんです

水瀬 一理 :公安だから仕方ないの

GM :こんな不審な成人男性に感情を結ぶ奴なんているのか~!?

GM :実際の動きを楽しみにいたしましょう

水瀬 一理 :(沈黙)

水瀬 一理 :そういう感じです! よろしくお願いします!

GM :はーい そんな禁帯出水瀬さんのハンドアウトはこちら!

PC3の【使命】

あなたは上司にあたる忍びの御供として、鞍馬神流の隠れ里に出向くことになった。

隠れ里にある十九川という忍びの大家が、初めて女性の後継者を擁した。そのため、優秀な忍びを婿として迎え入れる婚姻の儀を行うことになったという。あなたの上司は婿の候補として、比良坂機関に派遣されたのだ。

鞍馬の里に比良坂の者が迎え入れられれば、得られる情報は多い。宮仕えの身として、婚姻の儀をサポートしなければならない。


【使命】上司を十九川家の婿として迎え入れさせる。

GM :十九川とかいう鞍馬の連中がいるらしいっすよ!

GM :上司の婚活をサポートしよう!

水瀬 一理 :不思議と聞いた名字!

十九川ヤコ :あーしだし!

水瀬 一理 :ほんとだ

水瀬 一理 :お仕事ですから仕方ないし、おめでたい席ですしねえ

十九川ヤコ :しょんな…

水瀬 一理 :婚活、現代っぽいじゃないですか

GM :そうだそうだ

十九川ヤコ :婚活退魔編ってことかよ!

水瀬 一理 :そうだよ(?)

水瀬 一理 :がんばっていきますよ!

GM :よろしくお願いします!

水瀬 一理 :よろしくお願いします!


GM :最後! PC4、芹野さん! おねがいします!

GM :キャラシート

芹野 成海 :はい!

芹野 成海 :芹野 成海(せりの なるみ)、目つきの悪い20代の女です

芹野 成海 :表の仕事にも裏の仕事にも真面目ですが、本人の性格は短気で結構雑なのでよくイラついています

GM :まじめな公務員女性だ!

芹野 成海 :文化庁参加の『文化特設調査室』という部署に所属しており、なんかヤバげな文化財とかを調べたりするのが本来の任務です

GM :ヤバい遺産がよく転がってるからね シノビガミ世界には

芹野 成海 :たまたま巻き込まれた篠伏での事件をなんとか収めた功績で昇進しましたが、中間管理職になっちゃったので仕事量も増えました(【書類仕事】)

芹野 成海 :「借りを作るのが嫌」「必要以上踏み込みたくない」という自分ルールがあり、できるだけそれに従って動いています

芹野 成海 :が、最近ちょっと怪しくなりがちでもあります

芹野 成海 :データ的には梟雄集団戦で前回とあんまり変わりません。根が追加分から出てきたのでちょっと安定するかな? くらい

GM :頑張ってる人ほど仕事が増える 現代日本の怖い話

芹野 成海 :弱点は【冷たい心】、+の感情補正を受けられません

芹野 成海 :もう一つ新たに追加された弱点は【書類仕事】、ドラマシーンで三回以上判定すると三回目からF値が1上がります

GM :梟雄…………梟雄……

鳴無色葉 :なんだ?それ

鳴無色葉 :初めて聞くな

十九川ヤコ :そんなのあるの?

水瀬 一理 :へえー

芹野 成海 :実は梟雄という背景を取っていまして……

GM :GMもほとんど見ないのでついついルルブを確認してしまいました

GM :戦国変調表という、ちょっといつもと違う変調を使いこなせる背景です! 要チェックだ!

鳴無色葉 :そうだったのか……

鳴無色葉 :初めて聞いたから助かる

十九川ヤコ :すっごい効果じゃん!

水瀬 一理 :わあー、便利ですねえ

芹野 成海 :なかなか見ない背景ですからね

芹野 成海 :そんな感じ! よろしくお願いします!

GM :はーい! 中忍頭になった従者管理能力を見せてくれ!

GM :そんな芹野さんのハンドアウトはこちら!

PC4の【使命】

あなたは踏み込むつもりなどなかった。

まず、鞍馬神流の隠れ里・古夜に到達してしまったこと。あなたは比良坂が管理している伝統建築物の点検を行っていただけだ。

その内に張り巡らされた人避けの結界を越えるつもりもなかったし、ましてや古夜に到達したものは婚礼の儀の参加者として認められる──逆に言えば、参加せずには帰れないなどと知る由もなかった。

そして、儀式の当事者である人物が、あなたの知人である十九川ヤコであることも予想外であった。顔を合わせてしまった以上、話を聞かないわけにいかない。


【使命】婚姻の儀をできるだけ早く終わらせる。

鳴無色葉 :…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

十九川ヤコ :せりのん…………………………………………………………………………………

芹野 成海 :早く帰らないと書類が……

水瀬 一理 :おつかれでーす

芹野 成海 :まあついでに話くらい聞いてやるわよ

GM :なんか圧が強い部外者がいるな

GM :突然の時間外労働にも対応! これができるビジネスマンだ!

鳴無色葉 :まあ、元からめちゃくちゃにしてやりに来てますからね

十九川ヤコ :あーしの里どうなっちゃうんだろ

GM :めちゃくちゃになる

芹野 成海 :謎の儀式に参加させられてしまう

GM :ともあれ、がんばってお友達の危機を眺めましょう! ビールはないが

芹野 成海 :怪しげな儀式なんてとっとと終わらせて帰るぜ! 仕事があるからな!

GM :その意気! よろしくお願いします!

芹野 成海 :よろしくお願いします!

GM :PC紹介は以上! 皆様前回の事件を超えて、よりいっそう磨きがかかったように思います。

GM :彼女たちに襲い掛かる事件とは……!


GM :というところで、『雨後の話』、やっていこうと思います。よろしくお願いします!

鳴無色葉 :よろしくお願いします!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

水瀬 一理 :よろしくお願いします!!!

十九川ヤコ :よろしく
      おねがい
      します!
      !!!!
      1189

芹野 成海 :よろしくお願いします!!!

GM :元気いっぱいでよろしいね。

GM :OP始めていきます。

GM :====

GM :====


【OP:十九川ヤコ・鳴無色葉】

GM :──████市・篠伏町。

GM :──渋谷スクランブル。

GM :ビルが建ち並び、大型ビジョンが人波を見下ろしている。篠伏町の東よりに位置する、流行の発信地である。

GM :渋谷という名称は、偲ぶ谷──古きを偲び、新しきを知ろうという思いが変じたものであることは疑いようはない。歴史書にも載ってる。

GM :十九川・鳴無の二人は、休日の人波をするりとかき分けるように、街を歩いていた。

GM :久しぶりの晴れ間が、人肌の温度を高めている。

十九川ヤコ :「でさ~。イタチっちとゴーリューするまでに」

十九川ヤコ :「あっそうじゃん。気になってたパンプス、見に行っちゃおって。お店覗いて、見てみたけど」

十九川ヤコ :「ね~~んだわ。見事に。25.5cmが」

十九川ヤコ :道行く女性たちより、少しだけ背の高い、灰がかった髪を二つ括りにした女が。

十九川ヤコ :得物を納めた、布製の竹刀袋(ギラギラにデコられている)二本をダルそうに担いで、傍らを歩く女に愚痴を呟いている。

鳴無色葉 :「パンプス……ああ、南瓜のことか」

鳴無色葉 :「農作物の成長具合は人間には制御するのが難しいからな」

鳴無色葉 :「種まき前の段階から我に相談してもらえれば助言を与えられたのだがな。ククク……」

鳴無色葉 :頭から獣の耳の生えた女が口を開く。黙っていれば涼やかな印象を与える整った顔立ちだが、喋る内容は聞いての通りだ。

十九川ヤコ :「パンプでキングなアイツの話じゃないってば~」

鳴無色葉 :「ならクイーンか?」

鳴無色葉 :「プリンセスかもしれん。女の子はみんなお姫様だからな」

十九川ヤコ :「あは。色葉っちは経験豊富だもんな」

十九川ヤコ :「ホントにあったり? お姫サマやってたりしてた時期とか」

鳴無色葉 :「ククク……」

鳴無色葉 :「ある……と言いたいところだが、ないな」

鳴無色葉 :「むしろ、最も我から遠い部類だ」

鳴無色葉 :「歴史の表舞台に立つわけにはいかんし、婚姻とかもできんからな」

十九川ヤコ :「んあ、それもそっか。体質的なイミでもそうだし」

十九川ヤコ :「世を偲んでこその忍びだもんな」今歩きゆくこの都市の名前の語源でもあったはずだ。ウソくせ~郷土資料で見た記憶がある。

十九川ヤコ :「にしても婚姻、婚姻ね……」

鳴無色葉 :「お、お前は婚姻に憧れがあるのか?ガワコ」

十九川ヤコ :「ううん。どうかな」

十九川ヤコ :「あーしがこんなんなるまでは」

十九川ヤコ :「結婚っつーのは、なんか……なんだろ、儀式?というか」

十九川ヤコ :「それは、大きな機械のシステムの一部に組み込まれたもので」

十九川ヤコ :「あたしがなにをどうしようが、勝手に進められていくモンだと思ってたし」

十九川ヤコ :「ま、十九川を絶やす気はあたしだって無いし」

十九川ヤコ :「それでいっか、とも思ってたけど」

十九川ヤコ :「最近は……へへ」

十九川ヤコ :色葉の瞳を伺うように覗き見る。

十九川ヤコ :「いろんな人と出会う中で」

十九川ヤコ :「もうちょっと、道中楽しんで。頂上まで行けたらな……みたいな」

十九川ヤコ :「気持ちが湧きつつあります。はい」

鳴無色葉 :「ああ、なるほどな……。ククク!」

鳴無色葉 :「我からすれば思い合った二人が恋愛の末結ばれるのが主流となった今の方が珍しくはあるが」

鳴無色葉 :「家の為だとか、自分の意思と関係なく結ばれていく者たちをたくさん見てきた」

鳴無色葉 :鳴無色葉は不老長生の存在である。本人曰くもう何千年生きているか覚えていないとのことだが、物忘れが激しいので正確な年数は定かではない。

鳴無色葉 :だが、むしろそれ故か他人の人生には興味があった。――簡単に言えば寂しがり屋で人が好きなのだ。

鳴無色葉 :「我は別にそれを悪いこととは思わん。そうして婚姻を結んだ者が皆不幸であったとは到底見えなかったし――」

鳴無色葉 :「逆に、想い合った者同士で結ばれた者が皆、絶対に幸福な人生を送ったかと言えばそうでもない」

鳴無色葉 :「だが、我々はギャルだからなあ?自分の生き方は誰かから強制されたものでなく、自分のやりたいように楽しく決めてナンボだろ?」

鳴無色葉 :そう言ってニヤリと笑う。

十九川ヤコ :「わはは。そういうことだよな、先輩」

十九川ヤコ :「どっちが良い悪いとかじゃなくて」

十九川ヤコ :「あーしは、あーしが選んだ選択のセキニンを、人任せにしたくないんだよな」

十九川ヤコ :「だから、そういうのも、出来れば自由に選びたいし……」

十九川ヤコ :「これから、甘味を堪能しまくるのも、また自由なのだぜ」

鳴無色葉 :「……そうあまり背負わんでもいい。お前の覚悟や悩みを否定する気はないが、たかが100年も生きられん人間が背負えるものなどたかがしれている」

鳴無色葉 :「だが、そうだな。すいーつをたくさん食べるのは賛成だ」

鳴無色葉 :「やっぱりギャルといえばすいーつだからな」

鳴無色葉 :「……案外、こういうのミッチの方が呼んだら来てくれるのかもしれんな。アイツのいるところ、簡単に出られるかどうかは知らんが……」

十九川ヤコ :「あ~~。あーしも、フォンデュ食べてから。会ってないカモ」

十九川ヤコ :「多忙そうだから心配だし。また見たいし。イケメンがご飯を美味しそうに食べるところ」

十九川ヤコ :「忙しいといえば……せりのんもなんかヤバそうだね」

十九川ヤコ :「ダル絡みスタンプ送っても10回に1回は返してくれるのに。最近は全然だ」

鳴無色葉 :「そうなのか?あー……なんか昇進したとか言ってたな……」

鳴無色葉 :「じゃあオススメアニメ百話見せたの悪いことしたな……」

十九川ヤコ :「何それヤバ」

鳴無色葉 :「もしかしてだから返ってこなかったのか?」

十九川ヤコ :「原因それだったらウケちゃうな」

十九川ヤコ :「けどそっか。昇進したんだせりのん」オメデトオメデト、と手を叩き。

鳴無色葉 :「アイツなんだかんだ我には甘いからな……」

鳴無色葉 :「給料が安い安いとボヤいていたが少しはマシになってるといいんだがな。我の飲食代も払わないといけないんだし」

鳴無色葉 :「今日はガワコが払うんだぞ」

十九川ヤコ :「ええ~~~?」

十九川ヤコ :チッと脳裏で舌打つ女性の気苦労を偲びつつ。

十九川ヤコ :「長命種としてのプライドはないんすか? 未成年のオンナに奢らされちゃっていいの?」

鳴無色葉 :「クク……だってこれ、使っちゃいけないんだろ」

鳴無色葉 :財布から聖徳太子の書かれた百円札を取り出す。

鳴無色葉 :「どれが使ってよくて使ってよくないのか……わからん」

十九川ヤコ :「なにそれ? 符?」

鳴無色葉 :「そうかもしれん。術に取り入れるか……」

十九川ヤコ :「スマホさえ持ってれば、今はどこでもペイペイ出来ちゃうらしいかんね」

十九川ヤコ :「ド田舎でもない限り……」

GM :二人の朗らかな会話が響く。

GM :”人の波の中心”で。

GM :静寂。人はいるにもかかわらず、歩行音や息づかいすら聞こえない。

GM :小柄な人物が歩いてくる。あなたたち二人を見据えている。

《代弁者》 :「警戒する必要はない」片手をあげる。

《代弁者》 :「僕は鞍馬の代弁者(メッセンジャー)だ。十九川ヤコ……間違いないね」

十九川ヤコ :咄嗟に握りしめた、抱えていた得物の柄頭を、僅かに緩めて。じろりと視線を飛ばす。

鳴無色葉 :「こんなけったいな方法取られて警戒するなと言われてもなぁ?」

鳴無色葉 :その言葉とは裏腹に、一見特に警戒する様子も見せず不敵に笑っている。

十九川ヤコ :「このヒトとは初対面だけど。そういう立場の忍びが鞍馬に居るのはジジツ」

《代弁者》 :「我ながら古臭い方法だと思うよ。でもまあ、メリットは一つある」

《代弁者》 :「誰の言葉か明白だ」

《代弁者》 :《代弁者》が軽く咳払いをする。

《代弁者》 :話始めると、子供のようであった声は、初老の男性の威厳あるものに変わっている。

《代弁者》 :話し方や立ち振る舞いまで一変し……十九川ヤコには、それが誰のものかは、考えるまでもなかった。

十九川七丈 :『──十九川家、七代目当主』

十九川七丈 :『十九川七丈である』──あなたの父親の言葉であった。

十九川ヤコ :「─────────」ひゅ、と無意識に喉が鳴る。

十九川ヤコ :その姿形は、少年のように見える忍びのままの筈であるのにもかかわらず。

十九川七丈 :『八代目当主、十九川ヤコ』

十九川七丈 :『古夜への帰投を命ずる』

十九川七丈 :『お前を当主として、正式に任ずるため』

十九川七丈 :『婿入れ。婚姻の儀を執り行う』

十九川七丈 :『身を清めて参れ』

《代弁者》 :「──アー、ゴホン」

《代弁者》 :「言伝(メッセージ)は以上。僕の仕事も終わり」

十九川ヤコ :ただじっと。噛みしめるように、その言伝を耳にして。

鳴無色葉 :「……身の危険という点を考えれば合理的ではあるが。『個』を蔑ろにされているようで気に食わんな」

鳴無色葉 :「まあ、普通にしていたら会えない娘に言葉を贈りたいという気持ち自体は悪くはないが」

鳴無色葉 :ヤコを庇うように前に出る。無意味なこととは知っている。が――ヤコの様子を見たら、そうせずにはいられなかった。

《代弁者》 :「手紙やメールより確実だと言ってほしいね」

十九川ヤコ :「……ふふ。うちは、いつもと変わんないから」

十九川ヤコ :いつもより大きく見える背に、わずかに微笑んで。

十九川ヤコ :「父上からの言伝、確かに承りました。お仕事オツカレ、“代弁者”」

《代弁者》 :「ご理解感謝」

《代弁者》 :「じゃあね」

《代弁者》 :手を振ると、街の喧騒が戻ってくる。

鳴無色葉 :「……お前だけが危険に晒されるのが気に食わんと言ってるんだぞ。無論、どうにかする自信があるということだろうが」

鳴無色葉 :≪代弁者≫に向けた言葉も、届かなかったのだろうと思っている。

GM :あなたたちとすれ違い、《代弁者》は消えた。

鳴無色葉 :「あー……」≪代弁者≫の消えた渋谷の町に視線を彷徨わせて。

鳴無色葉 :「……どうするんだ?」

鳴無色葉 :「今の、お前の……父親だろ?」

十九川ヤコ :「ん、んん~~~。改めて言うのもハズいんだけど」

十九川ヤコ :「まあ……そう。あたしの父上。十九川の七代目」

十九川ヤコ :「……悪いけどさ」

十九川ヤコ :「スイパラは、また今度ってことで」

十九川ヤコ :力無く笑う。

鳴無色葉 :「……その名付け方、あと二、三世代で苦しくなってきそうだよな」

鳴無色葉 :「それ自体は構わん。本当に、『また今度』があるんならな」

鳴無色葉 :「だが……あるのか?」

十九川ヤコ :「あるぜ!……って。自信満々に言えたり出来れば、良かったケド」

十九川ヤコ :「ん~。今回ばかりは、ちょっと分からないかもな」

鳴無色葉 :「……お前はそれでいいのか?」

鳴無色葉 :「言ってただろ。さっき」

鳴無色葉 :「機械の一部みたいに決められると思ってたけど、今は違うって」

十九川ヤコ :「そうだよ」

十九川ヤコ :「だから、あたしは。ちゃんと里に戻って、ケジメつけてくる」

十九川ヤコ :「古臭い、忍びの、退魔の家だからさ」

十九川ヤコ :「今までみたいな、半ば黙認されてたそれとは、ワケが違う、っつーか」

十九川ヤコ :「そういうことをカタチにして、示すんなら」

十九川ヤコ :「覚悟、決めなきゃいけないんだよね」

十九川ヤコ :「文字通り、命がけで」

鳴無色葉 :「…………なら、『今回ばかりは分からないかもな』じゃないだろ」

鳴無色葉 :「絶対ケジメつけて、お前はお前らしく生きなきゃだろ」

鳴無色葉 :「…………『命がけ』でって言われると、まあ弱いんだが……」

鳴無色葉 :「いつだってこの一瞬に全力で命を燃やしてるのが我々ギャルってもんだろ?」

十九川ヤコ :「………あは」

十九川ヤコ :「まったくさ。こんなに長居、するつもりじゃなかったんだけどな」

十九川ヤコ :「あんまりに居心地が良いもんだから……うん」

十九川ヤコ :「そうだね。流星のように輝くギャルのド根性」

十九川ヤコ :「いっちょ見せてやりますわ。里のお偉方やお婿さん候補たちにも」

十九川ヤコ :「……だから、待っててくれる?」

鳴無色葉 :「……ふん、ククク!」

鳴無色葉 :「このままではダメだと思いながらズルズル深入りする気持ちは我もよく分かる」

鳴無色葉 :「………本当はな、家の言いなりになって婚姻を結ぶことそのものが悪いこととは思わん。さっきも言ったが、それで幸せに生きるものもたくさんいる」

鳴無色葉 :「婚姻自体は良いことだと思う。我は得られぬものだからこそ、憧れる気持ちもある」

鳴無色葉 :「だから……これは単に我のワガママだ。お前との『また今度』がないのは、嫌だ」

鳴無色葉 :「本当は定命の者の人生に深入りすべきではないとも思っているが……ちょっとのズルくらいは許されるんだろ?」

鳴無色葉 :「我々ギャルは強欲でワガママであるべきだからなぁ?」

鳴無色葉 :「……『待っててくれるか』だと?そんな不安そうな顔してる『ダチ』を置いていけるほど、我も白状ではない」

鳴無色葉 :「お前の家がどれだけ強くて怖かろうと、ついていってやろうじゃないか」

鳴無色葉 :「ギャルの鬼退治には桃が必要だからな?」

十九川ヤコ :「へ───────?」

十九川ヤコ :ぽかんとした表情。一拍置いたあと。

十九川ヤコ :「で、でもでも。イタチっちにもお仕事あるし」

十九川ヤコ :「しかも、本当に、価値観がその……」

十九川ヤコ :「あなたのお耳とか見て、気分を害するようなこと言われるかもだし」

十九川ヤコ :あわてたようにまくし立て。

十九川ヤコ :「………マジでいいの?」

鳴無色葉 :「いいんだよ。我がそうしたいんだから」

鳴無色葉 :「言っただろ?単なる我のワガママだ、って」

十九川ヤコ :むぅ、とか。あぁ、とか。ぐぎぃ、とか。ぶつぶつ呟いたあと。肩を下ろして。

十九川ヤコ :「………ん」

十九川ヤコ :「あの」

十九川ヤコ :「正直、正直ね」

十九川ヤコ :「スッゲ~~~~嬉しい」

十九川ヤコ :「……………アリガト」

鳴無色葉 :「……くく、ククク!お前はまだ子供なんだから、無理に肩肘張らんでいいんだ」

鳴無色葉 :隣にいる、長身の女を抱きしめると、少し背伸びして頭を撫でる。

鳴無色葉 :「それに、ガワコは我のママなんだからな。新しいパパはこの目で確かめないといけないからな」

十九川ヤコ :「ママになった覚えはないし……パパはまだ待ってほしいし……」

十九川ヤコ :呆れたように文句を垂れたあと。

十九川ヤコ :小さくも頼りがいのある、この友の手の感触に。くすぐったそうに目を細めた。

GM :人肌の温もり。

GM :対照的に、気温に先ほどまでの暑さはなく。

GM :太陽は雲に隠れつつあった。

GM :====

【OP:水瀬一理】

GM :──████。

GM :──第伍拾壱號書架。

GM :図書館、と形容すべき空間である。

GM :外観は一冊の本にすぎないが、その内部には超自然的な空間と蔵書が収められている。

GM :比良坂機関が所有する”移動書架”の一である。

GM :あなたは上司とともに、この書架に”載って”移動していた。

五行 :「んん、さて。そろそろですかねェ」

五行 :スーツにコート、両手には黒の革手袋。

五行 :花の香りを纏う、眼鏡の人物──比良坂機関の上司にあたる忍び、”五行”である。

五行 :「こうして来てみると、苦労も実に感慨深いものですねェ」

五行 :紅茶のカップに入れたスプーンを回している。

五行 :「鞍馬の隠れ里・古夜。位置を突き止めるまでは可能でした」

五行 :「しかし結界を破り、潜入するというのは手間でしたからァ」

五行 :「日読資料室にご協力いただけたのには、感謝してるんですよォ」

五行 :向かいに座る人物に向けて、にっこりとほほ笑む。

水瀬 一理 :「お力になれ、何より」にこりと微笑む。というよりは、元から笑っているように目を細めている。

水瀬 一理 :長い髪を二つに結って、服装はかっちりしたスーツ。頬になぜか「禁帯出」と描かれたシールを貼っている。

水瀬 一理 :こちらも紅茶を軽くすすり、スプーンを回している。ペン回しの要領で。

水瀬 一理 :「いいお味で、格別ですね」

五行 :「わかります? 趣味でして」

水瀬 一理 :「そうなんですか! 私もペン回しには結構自信が」回している。

五行 :「こだわりは人それぞれですねェ」

五行 :「ああ、しかし……これが飲めなくなるかと思うと。なんとも複雑な気分です」

五行 :「海外の茶葉も使っているのでねェ。古夜では調達できるかどうか」

水瀬 一理 :「隠れ里、ですね……」

水瀬 一理 :手を止め、紅茶をもう一口。

水瀬 一理 :「しかしまあ、お話が無事進みますこと、不肖私もサポートしていきますので」

水瀬 一理 :(サポートかあ……)少しだけ考える。

五行 :「ええ。公安隠密局の情報収集力には、期待していますよォ」

水瀬 一理 :(何事も情報収集からか、忍びも大変だ)

水瀬 一理 :「期待されました!」

五行 :「お元気ですねェ」楽しそうに笑う。

水瀬 一理 :「そうなんですよねえ、普段外になかなか出ないもので。たまには甘味でも食べに行けと部下には……っと」

水瀬 一理 :「はしゃぎすぎてますね。どうも」

五行 :「いえいえ、消極的よりはよほど良いでしょう」

五行 :「ともあれ、改めて落ち着いて確認しておきましょう。今回の婚姻の儀について、ね」

五行 :「まず、私たちが向かっている古夜……鞍馬神流の隠れ里ですねェ」

水瀬 一理 :姿勢を正し、聞いていますよという顔で聞く。

五行 :「降魔忍者の名家である、十九川家が統べている村です。深山幽谷の先にあり……まァ、江戸時代で止まっているような里ですよ」

五行 :「十九川家の功績は特に近年目覚ましいようですが、それは次代当主の活躍が目立っています」

五行 :「しかしこの次代当主、八代目が女性である、とのことで」

五行 :「古き良き歴史を重んじる十九川家としては、女性の当主というものへの不安・反感もあるようですねェ」

五行 :悲しいことです、と言いながらカップを傾ける。

水瀬 一理 :十九川家、というところで微かにまばたきのように目を細めて。

水瀬 一理 :「多少は耳にしてますね。十九川の次代当主」

五行 :「オヤ、仕事熱心なことです」

水瀬 一理 :「ご縁がありまして」

五行 :「そうでしたか。これは私にも縁があると言えますかねェ」

水瀬 一理 :耳にした、どころか目にしているのだが。一旦この場ではそういうことにしておく。

五行 :「ともあれ。その波紋のせいで……あるいは、おかげで」

五行 :「流派を問わず、力のある忍びを八代目の婿として迎える運びとなったそうです」

水瀬 一理 :「抑え、というわけですかねえ。大変なことで」

五行 :「忍びの血を濃くすること、自体は鞍馬や比良坂でも、古くからある家ではたいていしているものです」

水瀬 一理 :(たいていしているから大変でない、わけではないんじゃないかなあ)特に口には出さない。

五行 :「しかしこのことは、広く公開されたわけじゃァありません。そして古夜は何重の結界により、文字通り隠れている里です」

五行 :「つまり、婚姻の儀の噂を知る情報収集力、古夜の位置を調べ結界を超える術の力」

五行 :「それらがすでに婿選びの試験になっている、ということですねェ」

水瀬 一理 :「一次試験突破ってところですね。ここからが本番、と」

五行 :「エエ。だからこそ、流派を問わず婚姻の儀には”参加できる”のでしょうねェ。さすがに隠忍は門前払いでしょうが」

五行 :「本番は、候補同士の力比べでしょう。私たち比良坂にとっては、正にこれからが本番です」

水瀬 一理 :「二次は大抵面接ですからねえ」

水瀬 一理 :「私、面接は殊の外苦手で。明るくハキハキ喋っているつもりなんですが」

水瀬 一理 :「脱線するのが良くないのかな?」

水瀬 一理 :外見の一端も良くないような気もしているが、気にしない。

五行 :「フム、顔つきは良いと思いますよォ」

五行 :「たしかに脱線しがちな気配は、ありますが」

水瀬 一理 :「ありがとうございます! いつもニコニコですよ」戻して戻して、という手つき。

五行 :「ご自身の本心を伝えてらっしゃいますかァ?」

五行 :カップを取る。

水瀬 一理 :「む?」

水瀬 一理 :軽く首を傾げる。

五行 :「どうにも、水瀬さんには”ポーズ”のようなものを感じてしまいますねェ」

五行 :「全身に力を入れて、”自然体”を演じ続けているようなね」

水瀬 一理 :「ははー」

五行 :「フフ、戯言です。お気になさらずに」

五行 :くい、と液体を飲み干す。

水瀬 一理 :「……だったとして、仕事に差し支えなければ、ね?」

水瀬 一理 :「今回もしっかりやりますし。見た目のわりに意外と頑張る方だとよく言われますのでね」

水瀬 一理 :「見た目、そんなに頼りなさそうかなあ?」

五行 :「さてさて」

五行 :「顔つきは、いいですよォ」

水瀬 一理 :「心意気も、これからお見せしたいと思いますが」

五行 :「そうですかァ。それでは最後にもう一つ確認です」

五行 :「十九川は歴史があり、その過程でいくつかに分かれ、あるいは統合されました」

五行 :「分家があるということです」

水瀬 一理 :「分家ですか」それは初耳だった。

GM :がた、と書架が揺れる。

五行 :「エエ。十九川の実行部隊であり、苛烈な隠忍狩りも行う、鬼衆家」指を一つ立てる。

水瀬 一理 :一緒に指をひとつ立てる。

五行 :「そして、陰陽道に基づく結界の構築・維持を専門とする、御洞家です」指をもう一つ立てる。

水瀬 一理 :もうひとつ立てる。

GM :再度、書架がガタリと揺れる。

GM :本棚が移動し、道が開いていく。

GM :ほこりが舞う様子が、微かな光の到来を告げている。

五行 :「そして彼女が、御洞家の現当主、御洞ヤサメ殿です。ご挨拶をォ」

GM :ばらり。

GM :花弁のイメージ。

GM :そして、あなたたちは書架から躍り出ている。

五行 :恭しく頭を下げる。

水瀬 一理 :続いて、ゆっくりと頭を下げる。

御洞ヤサメ :「──はぁ」

御洞ヤサメ :「四組目、ですのね」

御洞ヤサメ :2mはありそうな、大柄な女性である。薄く開いた目が、あなたたちをゆっくりと睥睨した。

御洞ヤサメ :「……ともあれ、この古夜にたどり着いたのは事実。歓迎いたしますわ」

水瀬 一理 :「は、国立日読資料室から参りました、水瀬一理と申します」

五行 :「比良坂機関より参りましたァ。”五行”です」

水瀬 一理 :「どうぞよろしくお願いいたします。一理ある方の一理です」

御洞ヤサメ :「一理ないほうを寡聞にして知りませんけれど」

水瀬 一理 :(四組。意外と多いと見るべきなんだろうか)

御洞ヤサメ :「ご案内いたしますわ……本日、婚姻の儀は始まる予定でしたから」

御洞ヤサメ :「どうぞごゆっくり」

御洞ヤサメ :あなたたちの前に歩き出す。

GM :古夜の里が広がっている。霧と山に覆われた、自然豊かな里だ。

GM :静かに、湿り気を含む空気が流れていた。

水瀬 一理 :(……なるほど、ここが)里の風景を確かめるようにじっと見回す。

水瀬 一理 :普段、本に囲まれている身にはだいぶ明るい光景だが。

水瀬 一理 :(……ここが、ヤコさんの、ね)

水瀬 一理 :十九川ヤコ、と以前知己を得た少女の名を思い出す。

水瀬 一理 :(大変な因習だし、私がそこに関わることになるとは思いもしなかったが)

水瀬 一理 :(……申し訳ない、とは思ってないんですよ。ヤコさん。先がどうなるかは知りませんが)

水瀬 一理 :(あなたが何もしないでいるわけがないでしょう?)

水瀬 一理 :(事態がどうなるのか。そうだな。ほんの少し……楽しみなんです)

水瀬 一理 :(ポーズ抜きだとね。もちろん、仕事は全力で)

水瀬 一理 :くすりと笑って、里に足を踏み入れる。

GM :====



【OP:芹野成海】

GM :──篠伏町・鹿苑寺。

GM :──通称、金閣寺。

GM :湖池の中に立つように建立された、室町前期の北山文化を代表する寺社である。

GM :観光客も多い、篠伏町の人気スポットだ。

GM :そして、鏡のような湖面に浮かぶ逆さ金閣には、影の存在が封印されている──そんな与太話がまことしやかに囁かれるほどの、神秘性をたたえている。

GM :もちろん鹿苑寺は重要文化財であり、したがって比良坂機関の管理下におかれている。

GM :その詳細までが知らされることはないものの……異常が発生していないか点検を行うのは、比良坂機関の忍びの仕事であった。

GM :開かれることのない寺内に、こつりと革靴の音が響く。

芹野 成海 :「……ったく」

芹野 成海 :静寂を保つ内陣の中に、女の声が響く。

芹野 成海 :静謐な空間には場違いな苛立たしさを帯びたその声は、誰に聞こえることもなく消えてゆく。

芹野 成海 :「マジでどうなってんのよこの町は」

芹野 成海 :声の主は、苛立ちを隠すことなく不平を漏らす──ダークスーツに身を包んだ、長身で神経質そうな顔立ちの女だ。

芹野 成海 :「銀閣がある時点で理解不能なのに、なんで金閣まである訳?」

芹野 成海 :”文化特設調査室”──比良坂機関の忍びたちによって構成される文化庁隷下の特殊組織であり、彼女の所属機関でもあった。

芹野 成海 :その主たる忍務は、霊的・妖異的・またはそれに準ずる超自然的な力を有する”文化財”の管理。

芹野 成海 :「出世してもやること変わってねー……どころか仕事増えてんだからやってられねーわね」

芹野 成海 :愚痴を零しながらも、処々の点検には真面目に取り組んでいる。職業病、或いは損な性分のゆえに。

GM :寺社内に貼られている符や、襖の絵には呪術的な意味が込められている。

GM :何を対象としているか、まではあなたには開示されない。

GM :あなたはその呪術の知識を以て、綻びが無いかを確認する業務についているのだ。

GM :そして、違和感に気づくだろう。

GM :絵や符といったわかりやすいモチーフではなく、床材や柱の木目、風や光の相。

GM :そういったものが、また呪的な式を描いている。

GM :古流神道の体系ではない。より流的で、混ざり合うことを根底とした淡い術式──いわば、陰陽道。

GM :あなたはその揺らぎを認識した。

芹野 成海 :(『東方寶柱菩薩乃至入地──』……家守の符)

芹野 成海 :(『る』『る』『る』
       『る』『る』『る』鬼喼急如律令』
       『る』『る』『る』       )

芹野 成海 :(……おかしいわね)

芹野 成海 :(仮にも寺、ましてやウチの管理下の文化財に)

芹野 成海 :(家守の符だの厩の符だのが混じってる時点で、”手が入ってる”)

芹野 成海 :(……それに)

芹野 成海 :「それだけじゃねーわよね、これ」

芹野 成海 :溜息を一つ。

芹野 成海 :パンツスーツのベルトの右側には、和裁に使う安物の鯨尺を挟んでいる。

芹野 成海 :懐に手を入れ、トランプの束を取り出す。一通りシャッフルし、そのうちの一枚を引く。

芹野 成海 :手に持った一枚を見る。クラブのA。

芹野 成海 :「第十一尋人の一、『逢之於道』……」

芹野 成海 :「……う~ん」

芹野 成海 :トランプを懐へ戻し、腕組みして”不自然な”種類と配置の符を眺める。

芹野 成海 :「……まあ、”入って”みるしかねーわね」

芹野 成海 :しばし考え、いかにも嫌そうな顔でそう呟き──

芹野 成海 :人の踏み入らぬ寺社には不似合いな符で形作られた”門”の中へ、革靴の足を踏み入れた。

GM :かつ、と踏みしめたかと思うと、伝わるのは土の感覚。

GM :目の前には静かな湖面ではなく、速い渓流がある。

GM :空気が異なっている。町の近くではない……山の中であろうと想像できた。

芹野 成海 :「……うわ」目に飛び込んできた急流に、軽い驚きを漏らす。

芹野 成海 :(死ぬようなことにはならねーでしょとは思ってたけど)

芹野 成海 :(ここまで山ん中とはね……)

芹野 成海 :溜息をついて髪を搔き、周囲へ目を配る。

狩衣の女性 :「へ、えええ……?」

GM :あなたのことを驚いた表情で見つめる一人の女性がいた。腰が抜けているのか、濡れた地面に手をついてあなたを見つめている。

狩衣の女性 :「なっ、そん、もう……?」

狩衣の女性 :「あなた、誰なの……?」

芹野 成海 :「……あ?」座り込んでいる女性を見つけ、疑問の声を漏らす。

芹野 成海 :「あ~……」

芹野 成海 :一瞬間、返答を考える。

芹野 成海 :あの結界の先にいたからには一般人ではなさそうだが、かといって未だ敵とも味方ともわからない相手でもある。

芹野 成海 :「……まあ、なんつーか」

芹野 成海 :「迷い込んでしまった……ってところでしょうか」

芹野 成海 :どこか不服さを隠しきれていない笑顔で、そう返す。

狩衣の女性 :「へ……? あ、あらまあ、そうなのね」

狩衣の女性 :泥を払い、起き上がる。

狩衣の女性 :「聞いてる、聞いてるわ……候補者のかたね」

狩衣の女性 :「ああ、びっくりした。急に出てくるんだもの」

狩衣の女性 :「いけない、いけないわ。私ったら失礼ね。ご当主様になるかもしれない方に」

芹野 成海 :「……ご当主様?」

狩衣の女性 :「ええ。十九川の次のご当主様」

狩衣の女性 :「この里に来ることができた者は、その候補になるとの御触れがされてる……知らない?」

狩衣の女性 :「あら? そういえばお婿様が集まってくるんじゃ、なかったのかしら」

狩衣の女性 :「失礼ですけれど、男性の方……?」

芹野 成海 :「…………」引きつったような笑顔のまま、眉間を抑えて瞑目する

芹野 成海 :「十九川……の……お婿様……ね……」

芹野 成海 :「……女性です」

狩衣の女性 :「……そうよねえ」頬に手を当てる。こちらも困ったように眉根を寄せる。

狩衣の女性 :「ええと……ごめんなさい。私の一存では判断できないことに、なっちゃってるのよ」

芹野 成海 :「あ~……まあ、制度的なものとかがあるのは……分かります」

芹野 成海 :「この場合どちらの方に申し出ればよろしいでしょうか?」内心キレそうになりつつも一応礼儀は保つ

狩衣の女性 :「あっ、怒らないで、怒らないでね」

狩衣の女性 :「案内、案内するわ。えっとえっと、十九川様はお忙しいわよね。鬼衆様かしら」

芹野 成海 :「いえちょっとね、驚いてしまっただけですのでね」怒っている!

芹野 成海 :「えー……その、鬼衆様というお方なら、こちらの事情をお聞きいただけるのでしょうか?」

狩衣の女性 :「ええ、ええ、きっと……」怯えたように頷いている。

千島ササヤ :「あ、私は千島ササヤといって、《飛駅者》のひとりに過ぎないのよ。だから会ってもらえるかどうかは、その……」うじうじしている。

芹野 成海 :「……え~、まあ」

芹野 成海 :額を押さえながら、なんとか声を絞り出す。

芹野 成海 :腹立たしいのは事実だが、千島と名乗った目の前の女性に何か責任がある訳ではないということは重々承知している。

芹野 成海 :むしろ縦割り行政の闇の中で働く人間の一人として、その立場に多少同情してもいる。

芹野 成海 :しかしそれはそれとして腹は立つし、同情以上の何かを与えようとは思っていない。

芹野 成海 :それは自分なりの流儀でもあるし──やっぱりムカついてはいるからでもある。

芹野 成海 :「……まあ、ね、ここじゃどうにもできないっていうのはもちろん分かりますので」

芹野 成海 :「とりあえず、その鬼衆様のところに案内していただけますか?」

千島ササヤ :こくこくと頷く。

GM :あなたたちが山を降りると、里が広がっている。

GM :畑や水田も大規模なものがあり……ある程度は自給して暮らしているようだ。

GM :中央部にはひときわ大きな日本家屋があった。あなたたちはそこに向かう。

千島ササヤ :「あの、ねえ……聞いてもいいかしら」

芹野 成海 :「はい?」

千島ササヤ :「わ、私ね、下働きだからよく知らないんだけれど、十九川の次のご当主様も女性なのよ」

千島ササヤ :「その……都会では、女の人どうしでそういう関係になるのは、普通なのかしら……?」

芹野 成海 :「……」

芹野 成海 :「まあ……なんというか……」

芹野 成海 :「普通というほどではないですが……そこそこはあり……」

芹野 成海 :「とはいえ婚姻という形は……法的なアレとかもあるので……」

芹野 成海 :「パートナーシップみたいなのはありますが……」

千島ササヤ :「……複雑なのねえ」

芹野 成海 :「こういう、旧家の婿取り嫁取りみたいな形で、同性同士というのは……なかなか聞きませんね……」

芹野 成海 :答えつつ、脳裏に浮かぶのは、かつてともに戦った”跡継ぎ”の姿。

千島ササヤ :「ええ、そうよね……」

千島ササヤ :「そ、その、私なんかが言っても迷惑でしょうけれど」

千島ササヤ :「応援してるわ」小さくガッツポーズをする。

芹野 成海 :「………」眉間にしわを寄せ、口元だけをなんとか上げて

芹野 成海 :「……ありがとう、ございます」

芹野 成海 :「ですがその、先ほどもご説明したようにですね、私は迷い込んだだけなのでね……」

GM :あなたの言葉を聞く前に、千島ササヤは深く首を垂れる。

GM :その目線の先には、初老の男性が立っている。

鬼衆七支 :「やあ、千島さん。それと、外の方ですな」

芹野 成海 :「……ああ、これはどうも」

鬼衆七支 :「遠いところを、ようこそ」

鬼衆七支 :「私は十九川分家の鬼衆家……鬼衆七支と申します」

鬼衆七支 :「お名前を聞いてもよろしいかな」

芹野 成海 :物腰こそ柔らかながら、油断ならぬ雰囲気を帯びた佇まい──この男こそ、千島の言う”鬼衆様”に相違ないであろう。

芹野 成海 :「ご丁寧にありがとうございます。芹野と申します」

芹野 成海 :”名刺”は出さない。比良坂と鞍馬の仲はそれほど険悪ではないとはいえ、隠れ里の中に入った者が名乗るには少し剣呑な肩書だ。

芹野 成海 :「こちらへは、少し”道”に迷って入り込んでしまいまして。大切な催しの最中に大変申し訳ないのですが」

鬼衆七支 :「ふうむ……」その様子を見て、目を細める。

鬼衆七支 :「成程……少し、詳しい状況をご説明しましょう」

GM :鬼衆七支は、現在の隠れ里の状況を説明する。

GM :退魔忍者の一族、十九川家の八代目当主の婿選びの儀式が行われる予定であること。

GM :参加資格はこの隠れ里に辿り着くこと。

GM :八代目当主の名は十九川ヤコであること。

鬼衆七支 :「あなたには、誠に恐縮なのですが、芹野さん」

鬼衆七支 :「参加資格は辿り着くこと……逆に言えば、辿り着いてしまった以上」

鬼衆七支 :「参加しないのならば、侵入者と扱うことになってしまうやもしれませぬ」

鬼衆七支 :「全く不本意でしょうが、まずは一度十九川様にお目通りを願いましょう」

芹野 成海 :「…………」頭を抱えそうになるのをなんとか耐える。

芹野 成海 :(アンタの地元どうなってんのよ……!)ツインテールのギャルの顔を脳裏に浮かべ、この場にいない相手へ悪態をつく。

芹野 成海 :しかし絶望するほどではない。”文化財”を扱う以上、因習村みたいなところに行った経験はまあまあある。

芹野 成海 :「……えー、……ええ、分かりました」

芹野 成海 :「とりあえず、現ご当主の方にお話しいただけると……助かりますね……」

鬼衆七支 :柔和な笑顔で頷く。同意以外の回答は想定していないような様子だ。

GM :こうしてあなたは、十九川家の本殿のうちへと招かれていく。

GM :空には霧に混じる、暗い雲が立ち込めていた。

GM :====

【OP:合同】

GM :──古夜・十九川家・本殿。

GM :十九川ヤコと鳴無色葉の二人は、広間に通された。

GM :和装に身を包んだ、十九川の縁者たちがあなたたちの姿を見てひそひそと会話している。

里の人々 :『ヤコ殿だ……相変わらず妙な格好を』『全く嘆かわしい……』『横の女が御供なのか……?』

GM :非難の視線だ。しかしそれらはすぐに静まり返る。

十九川七丈 :十九川家七代目当主が、姿を現した。

十九川七丈 :上座に座る。

御洞ヤサメ :従うように、腰を下ろす。

鬼衆七支 :同じく正座を組む。

十九川七丈 :「どうした。座れ」

十九川七丈 :あなたたちに言葉をかける。

十九川ヤコ :それぞれの当主に視線を向け、最後に。相変わらずの、射抜くような鋭い目を持った、己が父と視線を交わし。

十九川ヤコ :こくりと頷いて。姿勢を但し正座する。

十九川ヤコ :「言伝に従い、参上仕りました」

十九川ヤコ :「お久しゅう御座います、父上」

十九川ヤコ :「ヤサメ様に、七支様も」

鬼衆七支 :「ヤコちゃん。元気そうで何よりだ」

鬼衆七支 :「お隣の子は、友だちかな」

十九川ヤコ :「は」同じように傍らに座る、友に目をやって。

十九川ヤコ :「忍務を通じ、その中で……」

十九川ヤコ :「公私共に、私を支えてくれた知己、鳴無色葉殿です」

御洞ヤサメ :「フフ、仲がいいようで何よりねぇ」

鳴無色葉 :「鳴無色葉だ。いかにも、マブダチだ」

鳴無色葉 :獣の耳をピコピコと動かしながら尊大に頷く。周りからの非難の視線を気にすることなく涼しい顔をしている。

御洞ヤサメ :「獣を本殿に通すなんて。あなたの趣味の悪さにぴったりのお友達ですこと」

鳴無色葉 :「あまり褒めてくれるな。照れるだろう」

十九川ヤコ :ぴく、と。瞬間だけ眉が動く。

十九川ヤコ :「……実力は、確かなものを備えております故」

十九川ヤコ :「当人の許諾も得、私の御伴として。此度の儀の随伴をと」

鳴無色葉 :「良い良い。我は気にしておらん。むしろ、その程度のことに縋らんと己を確立できん哀れさに慈しみも感じておる」

十九川ヤコ :(イタチっち!しーっ!)(もっと言ってやれという気持ちもあるが!あるが!)

鳴無色葉 :「我のような者を通してもらえたことには感謝しておるがな?」

鳴無色葉 :「この婚姻、ちょっと待ったをしにきたからな。大歓迎といかんのはそうだろう」

御洞ヤサメ :「次代当主となるあなたの顔を立ててのことでしてよ、ヤコさん?」

御洞ヤサメ :「せめて獣程度、よく躾けてから来ていただかないと。先ほどから吠え声が五月蠅くてかないません」

鳴無色葉 :「くくく……気に入られてしまったようだなぁ」

十九川ヤコ :「えーとぉ……」ダラダラと背中に汗をかいている。

十九川七丈 :「……」

十九川七丈 :じっとその様子を見ている。

鬼衆七支 :「そのあたりにしておこう。久しぶりに会ったんだ」

鬼衆七支 :「それに、儀式を始めねばならない。まずは聞いてもらおうか」

鳴無色葉 :「先も言ったようにちょっと待ったをしにきたのだが……」

鳴無色葉 :「まあ、聞くだけ聞かせてもらおうか」

十九川ヤコ :うん、と。小さく頷いて。

十九川ヤコ :「婚姻の儀」

十九川ヤコ :「婿候補の方々とは。この場でお目通しを?」

鬼衆七支 :「ああ。今から候補となる者たちの間で、力を比べる」

鬼衆七支 :「勿論、ヤコちゃんが気に入った者がいれば。その人物を選んでもらうことだってできる」

鬼衆七支 :「候補として選ばれた時点で実力は確かだからね」

鳴無色葉 :「案外自由意志が尊重されてるんだな……」

鬼衆七支 :「そのとおりだ。僕たちはヤコちゃんを縛り付けたいわけじゃない」

十九川ヤコ :(それがウチらのやり方だからね)

十九川ヤコ :聞こえはいいものの。結局は大きな箱庭の中で、自分で選択、得ることが出来た……と思わせる、仮初の自由。

鬼衆七支 :「ただ、十九川のしきたりを捨てるような生き方には賛同できない、それだけなんだよ」

鳴無色葉 :「ガワコがこれだけ良い子に育っている時点で、お前らが大切に想ってきたのは分かる」

鳴無色葉 :「なかなか捨てられんからなぁ。こだわりとかは」

鳴無色葉 :「だが、物事の本質を見ずに前の者の猿真似をするだけでは行きつく先は破滅だぞ」

鬼衆七支 :「きみは、十九川の歴史の本質を見てきたのかな」

鳴無色葉 :「さて、どうかな」

鳴無色葉 :「直に目にしておらんでも、コイツを見ていれば十九川の歴史というものが悪いものでないことくらいはわかる」

鳴無色葉 :「いや、喧嘩を売りに来たんじゃないんだがな。いや、売りにきたのか?ククク……」

十九川ヤコ :潤みそうになる瞳で色葉を見て、瞑目し押し黙る。

鬼衆七支 :「さて、では婿たちにお目通り願おうか」

鬼衆七支 :指示すると、部屋の横にある襖が開かれる。

GM :襖の奥から姿を現す……パンツスーツ姿の女性だ。

里の人々 :『女性!?』『どういうことだ……』『いや、辿り着いたのは事実だそうだ』

GM :部屋内がどよめく。

鳴無色葉 :「…………………………………………は?」今までの余裕のある表情を崩し、間の抜けた声をだす。

芹野 成海 :(……お話をっていうから内々で面会するのかと思ったら)

芹野 成海 :(あっっっきらかにそういう場じゃねーわねこれ)

鳴無色葉 :「な……っ、何してんだよ成海!!」声を荒げて立ち上がる。

十九川ヤコ :ぱちぱち、と目を瞬かせる。

十九川ヤコ :「せっ───────」

芹野 成海 :不服そうな表情のまま、通された間へ足を踏み入れ──

芹野 成海 :「……あ?」その先に、”もう一人の”よく見知った顔を見つけ、目を瞬く。

芹野 成海 :(気のせいかしら……色葉みたいなのがいる気がするんだけど)

芹野 成海 :疲れてるのかしら、と目元を揉む。

鳴無色葉 :「なっ……なんでヤコの婿候補でお前が出てくるんだ!?」

十九川ヤコ :「えっ、マジ? マジでせりのん?」

芹野 成海 :「……あっこれ幻覚でも人違いでもない?」

十九川ヤコ :「こっちの台詞だし……」

鳴無色葉 :「お前がいくら巨乳好きだからって……もっと大きいのに挑みたくなったってか!?登山家か!!」

芹野 成海 :「あ~、これには色々あって……アンタは黙ってなさい!」

鬼衆七支 :「知り合いなのか」

十九川ヤコ :「えっ、とお……はい、仰る通り、以前の忍務で」

芹野 成海 :「ええまあ、以前一度忍務で……」

鬼衆七支 :「そうかい。奇妙な縁があるものだね」微笑んでいる。

鳴無色葉 :「黙ってられるか!お前……っ」

鳴無色葉 :「なんで私に黙って結婚しようとしてんだよ!?」

鳴無色葉 :「…………っ、やっぱりお前も……人並みにはそういうのに憧れて……」

鳴無色葉 :「私だって…………普段は係だの飼い主だの言ってるが、これでも真剣に……っ」

鬼衆七支 :「紹介を続けるから、静かにしてくれるかな」

芹野 成海 :「──うるっせーーわね!!」

芹野 成海 :それまで保っていた一応の礼儀を捨て、ずんずん近づいて行って色葉の脳天に拳骨をかます。

鳴無色葉 :「っだっ」

十九川ヤコ :(ワオ)

鳴無色葉 :「浮気バレて詰められて殴るヤツがいるか……?」

鳴無色葉 :涙目で頭を抑える。

芹野 成海 :「事情を聞けっつの!!」

鬼衆七支 :「彼女は芹野成海さん。紛れもなく、単身この古夜に辿り着いた。優れた術の持ち主だ」

鬼衆七支 :「女性の身ではあるが……参加の資格はある」

芹野 成海 :(この人も大概動じないわね……)

芹野 成海 :「あー、一応補足しておくと」

芹野 成海 :「そもそも私は、こちらの里でこんな催し事があるとは知らず、たまたま迷い込んだだけで──」

鬼衆七支 :「いいや」

芹野 成海 :「婿取りのことについては、こちらで初めて伺った具合でして──、……?」

鬼衆七支 :「偶然ということはないのですよ。芹野さん」

鳴無色葉 :「…………………………………………」頭を抑えながらめちゃくちゃ芹野さんを睨んでいる。

鬼衆七支 :「古夜の結界に綻びはありません。それはこの儀式を迎えて、御洞家の者も確認したこと」

御洞ヤサメ :「迷い込む余地など、ありえませんわ」不満げに口を開く。

芹野 成海 :「結界自体は偶然抜けられるようなものではない、というのはともかく──」

芹野 成海 :「婿取り云々の話については明らかに偶然でしょうが!!」

御洞ヤサメ :「と、いうのも」

御洞ヤサメ :「そこのヤコさんと知り合いとわかった今では、信じていいものやら」

鳴無色葉 :「たまたまでヤコと結婚することになったらどうするつもりだったんだよ」

芹野 成海 :「どうもこうもねーわよそもそも知らなかったんだから!」

十九川ヤコ :陰陽道にも通じる、磨き上げられた彼女の術式の技術には驚かされるばかりだったが。

十九川ヤコ :「これほどとは……しかし」

鳴無色葉 :「知らなかったで連帯保証人が逃れられると思うのか!」

鳴無色葉 :「……貸しだからな。お前の嫌いな」不服そうに芹野さんを睨む。

鳴無色葉 :「解決したら思いっきり甘やかしてくれないと許さないからな」

十九川ヤコ :「貧乏くじ引いちゃったな、せりのん……」申し訳無さそうに肩をすくめて、色葉の頭を撫でる。


鬼衆七支 :「……そろそろ次の方をお招きしよう」

鬼衆七支 :合図を出す。

五行 :襖の奥から、細身の男が現れる。

五行 :「やァ、これはどうも、お邪魔いたします」

里の人々 :『よかった、男だ……!』『しかしなよなよと、細いのう』『かぐわしい花の香りがするわ……』

里の人々 :ざわざわと部屋内で声が上がる。

GM :一人の御供もまた、部屋に入ってくる。

水瀬 一理 :さほど背の高くない、長い髪をふたつ結びにした奇妙な風体の男。

水瀬 一理 :にこにこと愛想の良い顔に、変なシールまで貼り付けている。

水瀬 一理 :……一度見れば忘れられないような容姿の人間ではあるだろう。

十九川ヤコ :「(おお、顔の良いイケメンがふたり……ふたり?)」

十九川ヤコ :五行さんに向けた視線を、遅れて入ってきた男に向け、その視線がぴたりと止まる。

鳴無色葉 :「……は?み、ミッチ?」呼吸を整えながらその忘れられない容姿を見て目を瞬かせる。

鳴無色葉 :「もしかして今我走馬灯とか見てる?ついに死ぬとこ?」

芹野 成海 :「……どっかで見た顔ね」一度見たら絶対に忘れない顔だ

水瀬 一理 :「どうも、よろしくお願いいたします」

水瀬 一理 :にこ、と『顔見知り』に向けてその笑顔を向ける。なんと三人もいるのだ。

十九川ヤコ :「い、イッチ」

十九川ヤコ :「え、なん……もしかして」

十九川ヤコ :「イッチも、その……?」

水瀬 一理 :「おめでたい場なんですから、声は抑えてね」しーっ、と指を立て。

芹野 成海 :「ど~なってんのよマジで……」

鳴無色葉 :「……ミッチとガワコが結婚するとなったらちょっと反対しにくくなってしまうな……」

鳴無色葉 :「ミッチは絶対幸せにしてくれるからな……」

五行 :「はて、水瀬さァん。ご存じで?」

水瀬 一理 :「ええ、ご縁がありまして。さすがに声が聞こえた時は幻聴かと思いましたが」

水瀬 一理 :「あ、私はお供ですのでね」一歩下がる。

五行 :「困りますねェ。ホウレンソウ、しっかりしていただかないとォ」

十九川ヤコ :「あっ、そうなんだ。よかった……よかった、っていうのも失礼か? いや、でも……う~ん……」ぶつぶつとなにやら呟いている。

鳴無色葉 :「なんだそうか。ほうれん草は鉄分が多く含まれているからな」

水瀬 一理 :「これでも私もだいぶ驚いておりますので……」なんでいるの?という顔ではある。

水瀬 一理 :当主については、ちょっとあえて黙っていたところはあるのでごめんね。

鬼衆七支 :「えー、どうやらまた、面識があったようだが」

鬼衆七支 :「彼は”五行”殿。比良坂機関より参られた」

鬼衆七支 :「その諜報の力は我らも知るところであるが、こうして武力を示す場にも訪れたのだ」

鬼衆七支 :「健闘を期待いたします、五行殿」

鳴無色葉 :(武力……婿同士で力を競うとかいってたな……正気か?)

五行 :「エエ。十九川家の御許に、恥の無い戦いをお見せしましょォ」

五行 :「どうぞ、よろしくお願いしますねェ。十九川ヤコさん」

水瀬 一理 :にこにことしながら、上司の様子を見ている。

十九川ヤコ :ぺこり、と頭を下げる。顔はカッコいいし、香る匂いは好みだけど。ちょっと雰囲気ニガテかも。

五行 :笑みを浮かべる。


鬼衆七支 :「では、次。三番目に参られた方だ」

渋みのある男 :「ああ、やっと出番かい?」

渋みのある男 :大柄な、壮年の男だ。長く伸ばした銀の髪を、一つに結んでいる。

里の人々 :『恵まれた身体だ……』『声も渋い、度量の深さを感じるのう』『ちょっと年嵩がすぎる気もするわ』

里の人々 :ざわざわ。

十九川ヤコ :「(うおっ……シブいな……)」

鳴無色葉 :「そうだよな。本来こうやって知らん男が来るはずなんだよ」

芹野 成海 :「それは本当にそうね」

鳴無色葉 :「強そうではあるが……歳をとっているからといって優れているというわけでもないぞ?」

渋みのある男 :「盛り上がってたところ、悪いねぇ」

渋みのある男 :「実力はそのうちに。嫌でも見せてやるさ」

鳴無色葉 :「…………」婿同士の武力の競い合い。誰がどこまでやるつもりなのか――そしてそれは、恐らく自称・巻き込まれただけと言っても容赦してもらえはしまい。

渋みのある男 :「それに……嬢ちゃんよ」ヤコさんに向かって。

十九川ヤコ :「(クソッ……結構歳行ってるけどタイプだな……)」

十九川ヤコ :「あ、はい?」

渋みのある男 :「あんたも相当、ヤンチャしてるみたいだな……俺ぁ、そういう女の方が良くてな」

渋みのある男 :「どうだい? 掟を破る悪さなら……教えてやれるぜ」

渋みのある男 :ニヒルに片頬を上げる!

鳴無色葉 :「ち、ちょい悪親父!!今流行りの!!」

十九川ヤコ :「……ふふ」僅かに口角を上げて。

十九川ヤコ :「七支殿、こちらのお方は?」

里の人々 :『な、なんと! 十九川の掟を何と思っておるのか!』『ンマーッ!』『ちょっと、もう……ンマーッ!』

鬼衆七支 :「ああ、彼もまた、御供もなく単身で古夜にやってきた」

鬼衆七支 :「影の社会を渡り歩いてきた、筋金入りの忍侠」

鬼衆七支 :「抜戸涯(ばつど・がい)殿だ」

抜戸涯 :「よろしくな……」バッドなウインク!

十九川ヤコ :「(ちょっとキザすぎるかもな……)」

水瀬 一理 :(なるほどなあ、腕に自信はかなりありそうではある……)きちんと正座をして観察をしている。

水瀬 一理 :(ああいう方がいいんですかね、女性陣的には)

十九川ヤコ :「古夜に単身たどり着いたその実力が確かなこと、是非とも証明して見せてくださいましね」

十九川ヤコ :愛想笑い!

鳴無色葉 :「証明させてどうするんだよ。何お前もその気になってんだ」

十九川ヤコ :「ポーズだし。ポーズ」ひそひそ


鬼衆七支 :「さて、次に参ろう」

GM :襖。

《双子》 :小柄な二人の子女が姿を現す。

《双子》 :一人が花を散らし。一人が絨毯を敷く。

《双子》 :とりあえず日本家屋であることにはお構いなしである。

儚げな空気の男 :そして、金髪碧眼の男がゆっくりと歩み現れる。

里の人々 :『ワッ……!!』『なんという妖しき美貌よ……』『濡れたような眼差し……しなやかな肉体……!』

鬼衆七支 :「こちらは、鞍馬が一剣術、『枝垂柳流』より参られた」

鬼衆七支 :「戦場にて鬼衆と遭遇し、その剣の腕によって推挙された者だ。決して、美貌のみにて選ばれたものでは無いと気に留めよ」

十九川ヤコ :「(とは言っても)」

十九川ヤコ :「(うお~~~~~っ……まつ毛長ッ)」

鬼衆七支 :「世過氷柱(よすぎ・つらら)殿だ」

鳴無色葉 :「へえ、そいつは確かに強そうだな」

鳴無色葉 :「眼鏡の小僧も認める顔の良さというわけか……」

鳴無色葉 :鬼衆七支さんを眼鏡の小僧呼ばわりしている。

水瀬 一理 :(なるほどお。鞍馬の出身なのも有利かもしれませんね)

水瀬 一理 :(……やっぱり女性陣の受けがいいなあ)

里の人々 :『睫毛長すぎ! 乗せてくれ!』『鼻梁が高い、剣岳!』『今宵の月かと思った、唇か……』

世過氷柱 :「……私は」凛、と声が響く。

世過氷柱 :「私は、あまりにも美しすぎると思う。それは紛れもない事実であるが」

世過氷柱 :「この剣が、十九川の名誉に相応しいことを示そう」

世過氷柱 :氷柱が如き、冷えた鋭い宣言であった。

十九川ヤコ :「(喋るとクセが強すぎてちょっと面白くなっちゃってるが)」

十九川ヤコ :じ、と。男が握っている、一見杖に見えるそれに目をやって。

十九川ヤコ :ひやり、と。背筋が凍るような感覚。

十九川ヤコ :「(うん、成程)」


鬼衆七支 :「さて、それでは──」

GM :鬼衆が口を開いたところで、襖が蹴破られる。

豪奢な褐色の男 :「遅い! オレをどれだけ待たせるつもりだ!」

豪奢な褐色の男 :中東風の衣装をまとった、褐色の男だ。仕立ての良い生地と、輝く宝飾品を身に纏っている。

豪奢な褐色の男 :ずかずかと広間の中心に躍り出て、十九川ヤコを見下ろす。

豪奢な褐色の男 :「ほう……貴様が、十九川ヤコか」

十九川ヤコ :「(あたしもタッパある方だけど)」

十九川ヤコ :「(デケェな)」

十九川ヤコ :「ん、どうも。八代目のヤコです」

豪奢な褐色の男 :「ああ、貴様はこの田舎の連中どもより話が通じるようだな」

豪奢な褐色の男 :「いいだろう。オレの妻になれ、十九川ヤコ」

豪奢な褐色の男 :自信ありげに言い放つ!

鳴無色葉 :「……あっ、今気づいた。これ乙女ゲーか」

十九川ヤコ :「うーん、ど直球」

十九川ヤコ :言葉は返さず、ちらり、と。七支さんに視線をやる。

里の人々 :『何なのだ、あの男は!?』『サイテー! なによ偉そうに!』『あんなやつ、十九川にふさわしくないんだから!』

鬼衆七支 :「ああ……困りますな」

鬼衆七支 :「彼こそが、初めにこの古夜に辿り着いた候補者だ。斜歯と提携している」

鬼衆七支 :「そして『カネモッティ財閥』の継承者のひとりでもある……わかりやすく言えば、世界でも有数の金持ちということだ」

鬼衆七支 :「凄まじい人員を導入しているようだが……どうにも、婿入りには反対でな」

豪奢な褐色の男 :「当たり前だ」

鬼衆七支 :「なにぶん、婚姻の儀自体が初めてのことである。まずは力を示していただくことにした」

鬼衆七支 :「ザイロック・アリー=マクル・カネモッティ殿だ」

鳴無色葉 :「武の力だけではやっていけん場面もあるからな。財力を手にするというのは昔から婚姻でよくあることだ」

十九川ヤコ :「ええと」

十九川ヤコ :「つまり、もし……ザイロック様が、選ばれた暁には……」

ザイロック :「案ずるな。オレが選んだ妻には全員、平等に愛を注ぐぞ」

鳴無色葉 :「他にも妻がいるのか?」

ザイロック :「5人な」

十九川ヤコ :「うひぃ」歴代の当主には妾も居たという話を聞いたことはあるが。5人はちょっと寡聞にしてしらない。

ザイロック :「こうして儀式とやらに付き合わされるだけでどれだけの損失か……」

ザイロック :「だが、それほどにオレは、貴様らの忍術には価値があると直感している」

ザイロック :「一刻も早く結果を出したいものだが、始めるか?」

《整備士》 :「あ、すみません~」

《整備士》 :作業服の女性が破られた襖の裏から顔を出す。

《整備士》 :「まだ充電おわってないので、ちょっと待ってください、ザイロック様~」

ザイロック :「なんだと!? クソっ、田舎め……!!」

ザイロック :「いいだろう、この場は預けよう……十九川ヤコ」

十九川ヤコ :「(御伴の方かな?)」ちらりと作業服の女性を伺ってから。

十九川ヤコ :「ええ、はい。答えは、すぐにでも」

ザイロック :「聞くまでもないがな」振り返り、腰を下ろす

鬼衆七支 :「さて。こうして婿の候補が揃った」

水瀬 一理 :(あれくらい強引な方がいいものなのかなあ……っと)

芹野 成海 :(どいつもこいつも癖強いわね……)

鬼衆七支 :「細かい説明は後にしよう。ザイロック殿はもう少し準備が必要なようだし……広間を片付けなくては」襖の残骸と飛び散った花を見ている。

鬼衆七支 :「十九川様」

十九川七丈 :「ああ」立ち上がる。

十九川七丈 :その言葉で、騒がしかった室内はびりと引き締まる……隻眼でゆっくりと見渡し、口を開く。

十九川七丈 :「『雨森の儀』を、執り行う」

GM :====

【OP:マスターシーン】

GM :──古夜・奥地

GM :あなたたちの前には山が聳えている。頂上は霧に隠れ、見えていない……

GM :『雨森の儀』は、この山を中心とした霊森にて行われる。

鬼衆七支 :「霊森の中には、罠や妖魔も仕込んである」

鬼衆七支 :「その中で最後まで立っていたものが、この儀式の勝者となる……ああ、安心していただきたい」

鬼衆七支 :「勝者以外が全員死ぬまでやっていたようなのは、昔の話です。むやみに実力者を失うのは賢い行いではない」

鬼衆七支 :「生命力を失ったものは、結界によって守られます。儀式の終了後、我ら里の者が迎えに上がりましょう」

御洞ヤサメ :「まぁ、その代わりに儀が完了するまでは、誰も出ることは叶いませんわ」

御洞ヤサメ :「霊森自体が、飼いならせる妖魔を閉じ込める檻のようなものですから」

御洞ヤサメ :「くれぐれも、お気を付けくださいませ」

鬼衆七支 :「では、婿候補の方々には、これを」

GM :勾玉が四つ運ばれてくる。ザイロック、世過、抜戸、五行に渡される。

鬼衆七支 :「最後まで立っているのが条件では、隠れ生存する競争になってしまう。それを避けるための措置です」

鬼衆七支 :「勾玉は妖魔寄せです。持っている者は、襲われやすくなるでしょう……と同時に」

鬼衆七支 :「四つの勾玉を持っているものは、結界から抜けることができるようになっております」

鬼衆七支 :「芹野さんのぶんが用意できず申し訳ない」

鬼衆七支 :「こうして脱出できるのは一人と、その御供のみですが」

鬼衆七支 :「先に脱出した者が現れれば、森の中で最後まで生き延びた者との一騎打ち、として決着いたします」

鬼衆七支 :シード権のようなものですな、と笑う。

鬼衆七支 :「勾玉を集めて脱出できたのならば、先におかえりいただいても結構。そのような実力者をお引止めできないのは残念ですがね」芹野さんを見て。

芹野 成海 :「……いや」

芹野 成海 :「足りなかったなら素直に弾いていただきたかったんですが……」

御洞ヤサメ :「それより私が気になっているのは」苦言を無視して。

御洞ヤサメ :「ヤコさんは、この儀にご不満なのでしたわね?」

御洞ヤサメ :「一体どうなさるのでしょう? 次期当主たるもの、力を示すのが最もよろしいかと存じますが」

十九川ヤコ :霧がかった山頂をただじっと見つめていた、いつもの軽装とは異なる、黒く染め上げた巫女装束に身を包んだ少女が。

十九川ヤコ :「元より、そのつもりです。ヤサメ様」

十九川ヤコ :「十九川の歴史において。雨森の儀……いや、この“婚姻の儀”は」

十九川ヤコ :「此度、初めて執り行われると存じます」

十九川ヤコ :「故に。習うべき先例もございませぬ」

十九川ヤコ :「この場にいる、誰よりも。劣らない実力を私が示した暁には」

十九川ヤコ :「この“儀”は。十九川家八代目当主の名を以って」

十九川ヤコ :「以降の、“廃止”を。表明させていただきます」

里の人々 :ざわ、と立ち並ぶ者たちに緊張が走る。

十九川七丈 :「……ヤコ」

十九川七丈 :静かに口を開く。

十九川七丈 :「お前は”次期”当主だ」

十九川七丈 :「俺の目が黒いうちは、その名に威は無いものと弁えよ」

十九川七丈 :それだけ言うと、再び押し黙る。

十九川ヤコ :己と同じ眼の色をした、父の目をしかと見据えて。

十九川ヤコ :「父上」

十九川ヤコ :「何もかも、至らない娘で。御免なさい」

十九川ヤコ :「でも、あたし。もう決めてっから」

十九川ヤコ :くるりと背を向けて。

十九川ヤコ :「見てて」

十九川七丈 :「……」

御洞ヤサメ :「フ、フフ」

御洞ヤサメ :「フフフフ! 嗚呼、なんて勇ましいお言葉でしょうね!」様相が一変し、歯を見せて笑う。

御洞ヤサメ :「当主らしい戦い方を期待しますわ。その獣の背は少々、狭そうですけれど! フフフ!」

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :雲間から辛うじて当たる、淡い日の光に照らされた、腰に差した二刀の鞘同士をかちゃり、と鳴らして。黙したまま、ヤサメに頭を下げる。

鳴無色葉 :「本当に気に入られたみたいだなぁ。妬かれんといいんだが」

鳴無色葉 :「森で妖魔を飼ってるんだって?だからか?動物好きに悪いやつはいないからなぁ?」

鳴無色葉 :「妖魔を飼ってる森でやるんだ。御供が獣だから認めんとか言い出さないだろうな?」

御洞ヤサメ :「盛りのついた犬のようね。呼んでもいないのに人の話によく噛みついてくる獣だこと」

鬼衆七支 :「その辺にしておいてください。では十九川ヤコと、その御供、鳴無色葉も参加とする」

鬼衆七支 :「誰よりも劣らない実力……本当に見せてくれるのであれば、それもまた、十九川家の結束の礎となろう」

鳴無色葉 :「今回勝っても毎年、いや毎月でも婚姻の義を行うなんて言われたらたまったもんじゃない。女だしきたりだなんだのが十九川ヤコの前だと些細な問題と思い知ることだな」

十九川ヤコ :色葉の言葉に、口を綻ばせて。

十九川ヤコ :「ありがとね、色葉っち」

十九川ヤコ :「この森。飼いならしている妖魔……とは言ってるけど」

十九川ヤコ :「……油断なんて、全然出来ないから」

十九川ヤコ :「あたしに何があっても。せめて、色葉っちだけは……ううん」

十九川ヤコ :「イッチも、せりのんも……できれば、他の皆も」

十九川ヤコ :「死んで欲しくないの」

鳴無色葉 :「……お前の優しさは美徳だが。皆譲れんものをもっている」

鳴無色葉 :「ま、何。人に死んでほしくないのは我も同じ。だがまあ我は殺しても死なんから安心しろ」

鳴無色葉 :「今回は本気モードで来てるからな。マジでぶつかる気なら、ミッチでもただではすまんかもしれんからな?覚悟しておけよ」

水瀬 一理 :「あ、私ですか?」

水瀬 一理 :じっと状況を見ているような感じの顔をしていたが、向き直る。

鳴無色葉 :「お前は仕事上、そのお花の男を勝たせんといけないのだろう?」

水瀬 一理 :「そういうことになりますねえ。思ったよりすごい儀式だ」

水瀬 一理 :「けど。改めて言う必要あります?」

水瀬 一理 :「鳴無さんとマジでぶつかる時に、私が覚悟しないなんてこと、あるわけないでしょう」

鳴無色葉 :「……ふふ、ククク!」

水瀬 一理 :「大変強力な長命の方ですよ。一応同門ではありますけどね」上司にこそっと。

鳴無色葉 :「無論命を取る気はないが……痛い思いはさせるかもしれんからな」

鳴無色葉 :「恨まんでくれよ。我もマブダチに刃を向けるのは気が向かんのだ」

水瀬 一理 :「イタチだけに?」にこにこしている。

水瀬 一理 :「大丈夫ですよお。私の方はそこまで気が向かないわけじゃないので」

鳴無色葉 :「いたい……イタチ……似てるかもしれん……」真顔で頷いている。

水瀬 一理 :「やる時はやります。儀式の範囲でね」

水瀬 一理 :ほんの少しだけ声に冷気を纏わせて。

鳴無色葉 :「おお、怖いな。覚悟が足りんかったのはこっちというわけか」口調こそ軽いが、本当に油断のならない相手だと分かっている。

水瀬 一理 :「ま、恨みっこなしでいきましょ。よろしくお願いしまーす」

水瀬 一理 :すぐに普段の笑顔に戻る。

十九川ヤコ :共通の敵と戦うに当たって、これほど頼もしいと思ったヒトが。

十九川ヤコ :今度は肩を並べるでなく、向かい合って、競い合わなければならない。

十九川ヤコ :「“くわばらくわばら”」

十九川ヤコ :でも、今この場だけは。冗談めかして、笑いかける。

鳴無色葉 :「……話を聞く限り、真っ先に狙われることはなさそうだが」

鳴無色葉 :「成海。負けるなよ。でも勝つな」

芹野 成海 :「いやまあ……そうね」

芹野 成海 :「別に負ける気はないし、勝ったとて……ねえ」

芹野 成海 :気乗りしない顔で溜息をつく。

十九川ヤコ :「本当に……謝っても許されることじゃないけど」

十九川ヤコ :「ごめんね、せりのん。ウチの事情で、巻き込んじゃって。……色葉っちも」

芹野 成海 :「アンタが謝る所以もないでしょ」

芹野 成海 :謝ってほしいのはそこの本家・分家当主三人だ、とは思いつつ口には出さない

芹野 成海 :「それより、アンタが一番頑張りなさいよ」

芹野 成海 :「なんだかんだ、アンタが勝つのが一番マシそうだわ」

十九川ヤコ :「ん。任せて」

十九川ヤコ :「なんてったって。百人力のダチがついてっからね」

鳴無色葉 :「ククク、その通りだ!」

芹野 成海 :「……まあ、そいつが相応に頼れるのは知ってるわ。遺憾だけど」

十九川ヤコ :「わはは。惚気おるわ」

鳴無色葉 :「ほお!お前頼りにしてたのか、我を」

鳴無色葉 :「んふふ……いや、一瞬許しそうになったな。油断も隙もない」

芹野 成海 :「頼りにはしてるわよ。相応にね」

芹野 成海 :先の事件でも、彼女には何度か助けられた。

芹野 成海 :まさか、そのときともに戦った3人がここにまみえるとは思いもよらなかったが──

芹野 成海 :(こいつらはともかく、水瀬のやつが何考えてるか分からないのは不気味だけど……)

芹野 成海 :(いやアイツは基本的に不気味だったわね)

水瀬 一理 :基本的に不気味ににこにこと微笑んでいる。

水瀬 一理 :(仲が良くていいなあー)などと考えているだけなのだが。

芹野 成海 :ちらとその笑顔を横目で盗み見て、つっと汗が一筋流れる。

芹野 成海 :「……ともかく」

芹野 成海 :「アンタらはアンタらなりに、いい方向に行くよう目指しなさい」

芹野 成海 :「私もそうするわ」

水瀬 一理 :(……芹野さんらしい)

鬼衆七支 :「──それでは」

鬼衆七支 :「各組ごと、順に霊森に入ってください」

鬼衆七支 :「重要な地ゆえ、大規模な破壊などはされませんよう」

鬼衆七支 :「皆が入ったことを確認してから、鐘を鳴らします……それが開始の合図です」

鬼衆七支 :「では、健闘を祈ります」

GM :一組ごとに、濃い霧の覆う、森へと姿を消していく。

GM :彼らの想い、思惑、信念。

GM :悠久の歴史が、それらを飲み込んでいく。


GM :====


ザイロック :「整備士、準備は済んでいるな」

ザイロック :「明日には総会に出ねばならない、とっとと終わらせるぞ」

《整備士》 :「大丈夫です、お任せあれ~」

《整備士》 :「お金ってすごいですね~」


GM :====


抜戸涯 :「……ま、これも定めってやつだなぁ」

抜戸涯 :小高い丘で、雲の流れを見て呟く。

抜戸涯 :ひょいと森に飛び込み、姿を消す。


GM :====


オウギ :「ツララ様! あのねあのね、オウギ気づいたんだけど!」

オウギ :「わたしたち二人いるじゃん! オトモってひとりしか出られないんじゃないの!?」

オウギ :双子の片割れが飛び跳ねながら言う。

世過氷柱 :「ふむ……やはりそうか……」

世過氷柱 :「いや……私にはこの美貌がある……誰しも見惚れて、君たちが二人いることなど視界に入らないのではないだろうか……」

ケムリ :「それは」

オウギ :「それは無いと思うな! 面喰いな結界って聞いたことないもん!」

世過氷柱 :「そうか……では私だけ、二人連れていても許してもらうことにしよう……」

世過氷柱 :「不本意だが、顔がいいからな……たいていのことは許されるはずだ……」

ケムリ :「いや」

オウギ :「いや~厳しいと思うな! あの大きなお姉さん色仕掛け効かなさそうだよ!」

オウギ :「ここはケムリを置いていこう!」

ケムリ :「えっ」

世過氷柱 :「そうしよう」氷のような冷静な眼差し……

ケムリ :「待っ」

オウギ :「ばいばい! 私がいなくてもちゃんと花を撒くんだよ!」

世過氷柱 :「一時の別れだ。私の麗しい顔もまたすぐ見せられるだろう」

ケムリ :「あっ、あっ」

ケムリ :「行っちゃった……」


GM :====


五行 :「ンン、流石は霊力に満ちている、いい森ですねェ」

五行 :「さて、水瀬さん。ここで我々は別行動しましょォ」

水瀬 一理 :「そうですねえ、服に草がつくこと以外は……と」

水瀬 一理 :「なるほど別行動ですか」

五行 :「はい。互いに比良坂。手の内は隠した方が、動きやすいこともあるでしょう」

五行 :「少しばかり、目的もあるのでねェ」

水瀬 一理 :「ははあー。お忙しい限りで。了解しました」

水瀬 一理 :裾についた草の種を取って、これはキリがないなと諦める。

五行 :「では。気を付けてください」

五行 :「あなたも、比良坂の優秀な人員ですから」

水瀬 一理 :「お褒めいただくと照れてしまいますがー」ふたつ縛りの髪をいじる。

水瀬 一理 :「重々、気をつけていきますよ。大事な機会なのは理解しておりますのでね」

水瀬 一理 :「お互い無事で再会できれば何より」

五行 :「ええ。ご無事で、ね」

五行 :頭の高さにある、木の葉を弾く。水滴が舞う。

GM :水が地面に跳ねる音がしたときには、五行の姿は消えていた。

水瀬 一理 :「……やれやれ」微かに跳ねた水を払って。

水瀬 一理 :「水濡厳禁、なんですけどねえ」

水瀬 一理 :そのまま、言われたとおりに進んでいく。


GM :====

GM :====


GM :OPを終了します。

GM :調査可能なハンドアウトを公開します。

十九川七丈の【使命】

とくがわ・しちじょう。

十九川家第七代当主。片目を布で覆った、精悍な初老の男性である。

十九川ヤコの実の父であり、彼女に次期当主の自覚と責任を持たせるため、「雨採の儀」を計画した。


【使命】十九川ヤコを婿の候補者と婚姻させる。

御洞ヤサメの【使命】

みどう・やさめ。

十九川分家、御洞家の長。非常に大柄な女性。

若くして家長となった身であり、奔放に生きている十九川ヤコのことは目の敵にしているようだ。


【使命】婚姻の儀をつつがなく終わらせる。

鬼衆七支の【使命】

きしゅう・しちし。

十九川分家、鬼衆家の代表。柔和な雰囲気の初老の男性。

新しい文化については寛容であり、里の中では十九川ヤコに友好的な人物のひとりであった。

しかし、当主が決定した儀式の開催には、流石に意見できないようだ。


【使命】婚姻の儀をつつがなく終わらせる。


※十九川ヤコがこのハンドアウトを対象に情報判定を行う場合、マイナスの修正を受けない。

ザイロック・アリー=マクル・カネモッティの【使命】

世界的金融派閥『カネモッティ財閥』の、次期継承者候補。

中東エネルギー資源開発企業のCEOでもあり、財力がありまくる。

日本独自の技術体系である忍びの術に価値を見出している。婚姻の儀はそれを手にするまたとない機会と見て、海を渡ってきたようだ。


【使命】十九川家を手中に収める。

世過氷柱の【使命】

よすぎ・つらら。

京八流に連なる剣術流派『枝垂柳流』の免許皆伝者。

誰もの目を惹くが幻のように掴みどころのない、幽玄な美貌の持ち主。面が良すぎる。

婚姻よりも、自身の剣が忍びの名家に認められるに相応しいと示すため、参上したようだ。


【使命】十九川に認められる剣を示す。

抜戸涯の【使命】

ばつど・がい。

ヤクザやマフィアに用心棒として腕を売る『忍侠』のひとり。

世の中の暗部を身一つで渡り歩いた、酸いも甘いも嚙み分けるバッドガイである。

古いしきたりから脱却しようとしている十九川ヤコに共感しており、うまいやり方を教えるつもりらしい。


【使命】十九川ヤコと懇意になる。

GM :以上6つが調査可能なハンドアウトです。

GM :このうち、十九川七丈、御洞ヤサメ、鬼衆七支は霊森の外にいるため、霊森の中にいるキャラクターが情報判定の目標とした場合

GM :その判定にはマイナス2の修正がつきます。

GM :また、ザイロック・世過・抜戸・五行はプライズ「勾玉」を所持しています。戦闘に勝利すれば、戦果として獲得できます。

GM :五行どっか行ったけど

GM :NPCは感情あり、霊森の中にいるNPCは居所もあります。

GM :リミットは3サイクル。協力型です。

GM :質問はありますか?

十九川ヤコ :う~~ん大丈夫かな……?

芹野 成海 :大丈夫なはず!

水瀬 一理 :とりあえず大丈夫かな……? なんかあったら都度言います

鳴無色葉 :我もサイクル数と協力型かどうかが気になってたから大丈夫かな?

GM :は~い

GM :それでは、メインフェイズに入っていきましょう。

GM :====

GM :====



【メインフェイズ】

【第一サイクル:マスターシーン】

GM :登場は十九川ヤコさんです。

GM :====

GM :霊森の中は、青みがかったような霧で満ちている。

GM :この森の存在は、古夜に生まれた者は誰もが、子供の頃の怖い話として聞かされるものだ。

GM :「迷い込んだら二度と出られない」だとか、「黄昏時には妖魔の声が聞こえてくる」だとか。

GM :まだ忍びとしての修業すらしていない幼子が決まって言われるのは、「悪い子は森に連れていかれるよ」という脅し文句だった。

GM :それらの言葉は、やはり古いだけあって。真実を含んでいるようだった。

GM :結界が張られて出られないし、妖魔が潜んでいる。

GM :そして、十九川のしきたりを破る悪い子が、自らここにいる。

十九川ヤコ :「♪田に泥を 刀に土を」

十九川ヤコ :「♪おっ母に嘘をついたのぼくさ」

十九川ヤコ :「♪明日のことなんて知りっこない」

十九川ヤコ :「♪暗い森なんて怖かない」

十九川ヤコ :「─────妖魔なんて、へっちゃらさ」と呟いたところで。

十九川ヤコ :苛立たしいように、己の刀の鍔が、カタカタと鳴る。

十九川ヤコ :「ふふ」

十九川ヤコ :「そー思うんなら、しっかり働きな」

十九川ヤコ :笑うように陽気に、力強くまた一歩。足を踏みしめて。

十九川ヤコ :奥へ、奥へと。

GM :ざく、と、霧の向こうから足音がする。

抜戸涯 :「よぉ……嬢ちゃん」

抜戸涯 :柄のシャツを纏った銀髪の男。その眼光は鋭いが、笑みを浮かべている。

抜戸涯 :「いい歌だったぜ」

十九川ヤコ :ぴたりと足を止めて。やや顔を赤らめる。

十九川ヤコ :「ハズっ。周り、誰もいないと思ってたのに……」

十九川ヤコ :「(てか、気配マジで感じなかったんだケド)」

抜戸涯 :「悪いことじゃねえ……いや」

抜戸涯 :「それとも、悪い子になりたいんだったかな」

抜戸涯 :「なぁ、嬢ちゃん。俺ぁ……あんたにはハグレモノの生き方が似合うと、そう思ってる。割とマジにな」

抜戸涯 :「刀でも何でも持って、抜け出したい……そう思ったことは無いか」

抜戸涯 :「俺なら、手を引いてやれるぜ」

十九川ヤコ :「……ん。そうだなあ」

十九川ヤコ :「あたしもね、抜戸さん」

十九川ヤコ :「仕事上、ハグレモノの忍びとは。何度かお仕事、一緒にしたことあってさ」

十九川ヤコ :「誰にも縛られない、己の信念のためだけに戦う、彼らの姿を見て」

十九川ヤコ :「いいな、カッコいいな。と。思ったことは何度もあるし。そういう風に生きるのもアリかもな、とは思ったこと、あるよ」

抜戸涯 :「ほぉ……」

十九川ヤコ :「でもね」

十九川ヤコ :「あたしは、確かに。この窮屈な十九川のしきたりも」

十九川ヤコ :「父上からの期待も、バ……ヤサメ様からの小言も。全部投げ出して、自由になりたいって、思わないと言ったらウソになるけど」

十九川ヤコ :「それは、“十九川ヤコ(あたし)”じゃないの」

十九川ヤコ :「あたしは、あたしのまま」

十九川ヤコ :「この古いしきたりも、“雨森の儀”も」

十九川ヤコ :「変えてみせる。あたしが思う、自由に」

十九川ヤコ :「だから、逃げるつもりはないよ」

抜戸涯 :「そうかい……格好いいねぇ」

抜戸涯 :「残念だぜ、フラれちまったこともな」

抜戸涯 :懐から、刃の厚いナイフを取り出す。

十九川ヤコ :「あたしも残念」

十九川ヤコ :姿勢を低く、長刀の柄を握る。

抜戸涯 :「嬢ちゃんの言うとおりだぜ。結局、しがらみなんてよ」

抜戸涯 :「逃げれば逃げるだけ。その先に待ち受けてんだ」

十九川ヤコ :「なんだか、実感籠もってるね」

抜戸涯 :「さて、な」

抜戸涯 :「始めるか」

GM :抜戸涯が、十九川ヤコに対して戦闘を仕掛けます。

GM :キャラシートを公開します。


抜戸 涯 キャラシート


GM :戦闘乱入はあるかな~?

十九川ヤコ :あるのか!?

GM :わかんない そういう忍法が追加されてるかも……

GM :では始めるぞいっ

十九川ヤコ :しゃあっ

芹野 成海 :その戦闘待った!

GM :何ッ

十九川ヤコ :なにっ

芹野 成海 :なんらかの効果により……乱入します!

鳴無色葉 :なんらかだと!?

十九川ヤコ :な……なんらのかの効果!?

水瀬 一理 :なんらかか……

GM :くっ 何らかの効果により戦闘乱入を認めるぜ

芹野 成海 :何かの効果により……

芹野 成海 :ありがとうございます! 参加するぜ

十九川ヤコ :やった~~~~~!!!!!!!!!

GM :では戦闘参加者は三名。三ラウンドで強制終了だぜ

GM :====


【第一ラウンド】

GM :プロットお願いします。

十九川ヤコ :ん~~~~でもこうだな こうです

十九川ヤコ :プロOK

抜戸涯 :【影分身・略式】を使用。

十九川ヤコ :なんだぁ!?

抜戸涯 :二つプロットをし、全員の公開後好きな方を選ぶ。判定は不要だが、一度の戦闘に二回までしか使えないぜ。

十九川ヤコ :なにっ! 影分身には判定が必要なんじゃないのか!?

十九川ヤコ :チクショ~~~! ずるいぞ!

抜戸涯 :コイツぁスタートブック上巻で追加された忍法さ

十九川ヤコ :クッ……買うしかないわね

抜戸涯 :ワルな戦い方だろ?

鳴無色葉 :ガントスさんが間違って載ってない方を買ったというあの!?

十九川ヤコ :やめなさい

十九川ヤコ :みんなはちゃんと改正版の方を買おうね!ヤコぴとの約束だ

抜戸涯 :オジサンとも約束だぜ……

芹野 成海 :使える忍法はないが……

芹野 成海 :奥義を使用します

十九川ヤコ :エ!?

抜戸涯 :おお

芹野 成海 :《よもついくさのもがりのところ》

芹野 成海 :効果は……惟神・黄泉神!

十九川ヤコ :え!???!???!?

鳴無色葉 :追加忍法は!?!?!?!?!?!?

十九川ヤコ :追加忍法じゃないじゃん!

水瀬 一理 :そんなにも

芹野 成海 :強みとしてくらましがついているので破りに-2、弱みが術式開示で、シーンに登場している全員が奥義の情報を取得します

十九川ヤコ :つまりあたしとバッドガイさんね

芹野 成海 :指定特技は死霊術!

抜戸涯 :では、さっそく奥義破りといこう

十九川ヤコ :やぶらぬ!

抜戸涯 :《野戦術》から7……マイナス2で目標値は9だ

抜戸涯 :2d6>=9 (2D6>=9) > 9[4,5] > 9 > 成功

十九川ヤコ :おい!!!!

抜戸涯 :いい術式だねぇ、嬢ちゃん

芹野 成海 :成功してるんじゃないよ!!

芹野 成海 :遁甲とかはない!

GM :では不発かな。

GM :プロットOK?

抜戸涯 :OK

芹野 成海 :う~ん OK

十九川ヤコ :OKぽよ!

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

○戦場:平地

<プロット4>

(芹野、抜戸)

<プロット3>

(ヤコ)

十九川ヤコ :ウワ~そうきたか……

芹野 成海 :嫌な位置に来やがって~!

抜戸涯 :フム……4にしておくぜ

GM :プロット4、1d100どうぞ

抜戸涯 :1d100 (1D100) > 28

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 79

GM :芹野さんからどうぞ!

芹野 成海 :う~ん

芹野 成海 :接近戦近いし、逆風持ってるから当たっても落ちないんだよな……

GM :ヤコさんに落としてもらう布石にはなるかも

十九川ヤコ :そうかも……

十九川ヤコ :あとはファンブルかもしれないからな……

芹野 成海 :まあ近いって言っても経済力と1しか変わらんし、火達磨とか入ってもF値-2だから多分凪らないんだよな

十九川ヤコ :そうだわ……

芹野 成海 :接近戦攻撃でガイさんを攻撃します!

GM :どうぞ~

芹野 成海 :SG♯5>=5 (判定:罠術)

芹野 成海 :SG#5>=5 (SG@12#5>=5) > 4[1,3] > 4 > ファンブル

芹野 成海 :?????

抜戸涯 :ほほう

十九川ヤコ :せ、せりのん…

芹野 成海 :神通使うか……

十九川ヤコ :いや!

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 2 → 1

十九川ヤコ :どうかな…同タイだとまだ凪ってないし

芹野 成海 :あ~なるほど……

十九川ヤコ :よけられそうだったらそっちに使うのもアリかも…

芹野 成海 :たしかにそうかも 神通なしで……

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 1 → 2

抜戸涯 :あいよ

抜戸涯 :【夜叉】を十九川ヤコに対して使用。

十九川ヤコ :やめろって!!

抜戸涯 :2d6>=5 (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功

抜戸涯 :成功。《野戦術》だぜ

十九川ヤコ :ウオ~~~~!避けるしかねえ!!

十九川ヤコ :回避!

十九川ヤコ :2D6>=7 (判定:兵糧術) (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功

十九川ヤコ :っしゃあっ!

芹野 成海 :ウオーッ

抜戸涯 :ふーむ……

抜戸涯 :奥義だ。

十九川ヤコ :エ……?

芹野 成海 :お、お前まさか

抜戸涯 :『艶鱗天上至(こいもおだてりゃたきにのぼる)』判定妨害/揺らめき/生命消費。

十九川ヤコ :はわわ……

抜戸涯 :6の目を1に。生命消費の弱みで体術を失うぜ。

system :[ 抜戸涯 ] 体術 : 1 → 0

十九川ヤコ :あれ……生命消費ってことは……?

抜戸涯 :消費では戦闘脱落はしないぜ、嬢ちゃん

十九川ヤコ :はえ~~そうなんだ

抜戸涯 :ま、脱落してゆっくり覚えな……

十九川ヤコ :ぐぎぎ……いやここで切れねえしな……

抜戸涯 :ちなみに揺らめきの効果で、判定に失敗した場合接近戦ダメージ1点を追加で与える。

十九川ヤコ :ウソじゃろ!?

十九川ヤコ :接近3点……3点!?

芹野 成海 :デカすぎる

抜戸涯 :実質そういうことだな。バッドだろ?

十九川ヤコ :ん~~~~~いや……最悪を想定しよう

十九川ヤコ :落ちます!

GM :おお では接近戦ダメージ3点を受けるということですね

十九川ヤコ :あっバッドガイさんの奥義・指定特技をおしえてくれるとたすかるぜ

十九川ヤコ :接近うけます!

十九川ヤコ :3d6 (3D6) > 14[4,5,5] > 14

抜戸涯 :おっと、指定特技は《分身の術》だ

十九川ヤコ :あざます!

十九川ヤコ :こちらは忍術・謀術・戦術を減らして退場。

system :[ 十九川ヤコ ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 十九川ヤコ ] 謀術 : 1 → 0

system :[ 十九川ヤコ ] 戦術 : 1 → 0

十九川ヤコ :おのれ~~~~! あーしをたおしても第二第三のクコとトオコが……

抜戸涯 :恐ろしいねえ。

GM :ラウンド終了時。

抜戸涯 :自主的戦闘脱落をする。お疲れさん。

芹野 成海 :何ぃ!?

十九川ヤコ :なんなんだよそれ!!!!(ティーダ)

GM :勝者は芹野さんですね。戦果をどうぞ。

芹野 成海 :か、勝った気がしねえ

芹野 成海 :では……勾玉を……

GM :はーい 勾玉獲得です!

GM :情報を送ります。

芹野 成海 :怖いよ~

芹野 成海 :情報確認しました……

十九川ヤコ :なんだなんだ

GM :OKです!

GM :では演出に参りましょう


GM :====

GM :鋭く研ぎ澄まされた刃金が、鈍く光を反射する。

GM :だが反射が像を結ぶのは、あなたたちの後ろだ。

抜戸涯 :地が抉れ、残像を生むほどの踏み込み。十九川ヤコへ僅かに先を取る。

抜戸涯 :「──!」

芹野 成海 :「──『極楽の 月日の浄土に 花の極楽』!」

芹野 成海 :まさに刃を振りぬかんとした男の背後から、呪歌が響く。

芹野 成海 :それとともに、周囲の木々が不吉に騒めき──

芹野 成海 :その木陰から、見えざる"何か"が現れ、ゆらめくように男へ殺到する。

抜戸涯 :「へぇ──!」

抜戸涯 :急停止し、湿り気を帯びた落ち葉を巻き上げる。

抜戸涯 :「これで見える、ぜぇっ!」

抜戸涯 :ナイフを振り抜き、”何か”を掻き切る。

十九川ヤコ :埒外の速度で迫る男に対し、反射的に構えた姿勢がわずかに揺らぐ。

芹野 成海 :「……チッ!」不可視の"何か"が掻き消えた先、息も荒く、一人の女が立っている。

芹野 成海 :(油断できる相手じゃないと思ってたけど、ここまでとは!)

十九川ヤコ :見覚えのない術式。しかし、根底にある馴染み深い陰と陽の体系と。

十九川ヤコ :覚えのある舌打ちと。痩躯にぴったり似合う黒スーツは。

十九川ヤコ :「せ」

十九川ヤコ :「せりのん?」

抜戸涯 :「芹野、とか言ったか。俺ぁ術は門外漢だがよ」

抜戸涯 :「やるじゃねえか。十九川の嬢ちゃんの追っかけかい?」

十九川ヤコ :そ、そうなの?という顔。

芹野 成海 :「簡単に破られた上でそれ言われても嬉しくねーわね……!」

芹野 成海 :言い返しつつも、冷たい汗が流れる。

芹野 成海 :己が古夜への結界を抜けられたのは、呪術の心得があったから。

芹野 成海 :"一人で"この結界を超えてきたというこの男ならば、同じく呪術の心得が──或いはそれへの"対処"の心得があって然るべきだった。

芹野 成海 :(油断してた……つもりはないけど。その数段上ね)

芹野 成海 :「……あと誰が追っかけよ!!」

抜戸涯 :「ハハ、そう怒るなよ。ちょいとばかり、刻んだ歴史が違うだけだ」

抜戸涯 :「ただ背後から狙っても、意外と見えるもんだ。やるなら──」

抜戸涯 :ぴとん、と地に水滴が落ちる。鮮血が、布に隠した右腕から滴っている。

抜戸涯 :赫い紋様が十九川ヤコとの間に伸びている。

抜戸涯 :「こうして、目を惹きな」

抜戸涯 :抜戸の姿が溶ける。同時に、鮮血に染まった別の抜戸が、十九川ヤコの背後に立ち。

抜戸涯 :力強く、ナイフを叩きつける。

十九川ヤコ :警戒を怠っていたつもりは無い。

十九川ヤコ :けど事実、眼前の大男が露と消え、咄嗟に柄に手を伸ばした瞬間には。

十九川ヤコ :「あっ、ぐ─────」

十九川ヤコ :背後からの一撃。身体が崩れ、湿った土にどしゃりと伏せる。

抜戸涯 :「ま、こんなもんか」

芹野 成海 :「……!」

抜戸涯 :「おっと、ここまでにしようや。芹野成海」

抜戸涯 :「二人同時に相手してやれるほど体力は無いんだよ、こっちはな……ほら」

抜戸涯 :勾玉を投げ渡す。

芹野 成海 :「……っ、……?」投げられた勾玉を受け取り、訝しげに眉を顰める。

芹野 成海 :「……そりゃ、こっちとしちゃ助かるけど」

芹野 成海 :下準備も仕込みもなしに、この男と一対一戦って勝つだけの自信は、正直言って持ち合わせない。

芹野 成海 :「けど……アンタ、何が目的?」

芹野 成海 :『婿』の証であるはずの勾玉を手挟み、問いかける。

抜戸涯 :「”願い”を聞いてんのか? それとも、”使命”かい?」

抜戸涯 :「フラれちまったからな。傷心を慰めたいだけさ」

抜戸涯 :「じゃあな、十九川の嬢ちゃん。次は殺すつもりで来いよ……全員が、俺みたいに優しいとは限らねえ」

抜戸涯 :血を垂らしながら、森の奥深くへと去っていく。

十九川ヤコ :指先一つとしてまともに動かせない状態のまま。去り行く背を眼だけで追う。

十九川ヤコ :「く、そ───」

十九川ヤコ :ようやく上がった拳を、思い切り土砂に叩きつける。

十九川ヤコ :「………あ」

十九川ヤコ :「せり、のん」

芹野 成海 :「……あ?」去っていく男を油断なく眺めていたが、その声に振り向く。

十九川ヤコ :「………ショージキさ」

十九川ヤコ :「すごい、タイミングで来たね、とか」

十九川ヤコ :「来て、くれて。めちゃ、心強かった、とか」

十九川ヤコ :「ケッコー、言いたいこと、いっぱいあるんだけど」

十九川ヤコ :「………う、」

十九川ヤコ :「動けねえ」

芹野 成海 :「…………」

芹野 成海 :はあ、と溜息を一つ。

芹野 成海 :「あのおっさんといい、すっぱり上手行かれた上で言われても却って情けねーわよ」

芹野 成海 :「ほら、立ちなさい」

芹野 成海 :倒れ伏す彼女の前に、手を差し出す。

十九川ヤコ :「せりのんは、情けなくなんか、ないよ……ん」差し出された手を取って、ようやく立ち上がって。

十九川ヤコ :ふらふらとした足取りで、彼女の肩に顔を寄せる。

十九川ヤコ :「情けねーのは、あたし」

十九川ヤコ :「あんだけ、大見え切っといて」

十九川ヤコ :「だっせーな、ほんと」

十九川ヤコ :すん、と鼻を鳴らし。嗚咽のような声が漏れ出る。

芹野 成海 :「まあ、だせーわね。アンタも私も」

芹野 成海 :「でも、まだ終わってない。私も、アンタもね」

芹野 成海 :「だせーままでいられるかっての。挽回するわよ」

十九川ヤコ :「………」ごしごし、とスーツの肩で涙痕を拭いて。

十九川ヤコ :「おうともさ」

十九川ヤコ :にっ、と笑ってみせる。

GM :====


【第一サイクル:十九川ヤコ】

GM :今回のシーン表は、中忍試験シーン表を改変したものを使用します。

GM :シーン登場者全体に効果があるものもあるので、登場者は宣言してからシーン表を振ってね。

GM :それでは、登場希望者をどうぞ。

十九川ヤコ :では登場希望者は鳴無色葉さん、芹野成海さんで。

鳴無色葉 :でるち!

芹野 成海 :出ます!

十九川ヤコ :やったぜ。

GM :では、ヤコさんは2d6をどうぞ。

十九川ヤコ :行動は色葉ちゃんと感情を結べたらな~とおもいます。

十九川ヤコ :シーン表をふるぜ。

GM :なるほどぴょん

十九川ヤコ :2d6 (2D6) > 6[1,5] > 6

十九川ヤコ :生命点も半分 シーン表も半分

GM :なるほど。それでは……

GM :5>仕掛けられたトラップが発動。シーンの登場者は《罠術》で判定を行い、失敗すると射撃戦ダメージ1点を受ける。

十九川ヤコ :あの……………………………………………………………

鳴無色葉 :お、おい!!!

鳴無色葉 :ヤコがなくなる!!!

芹野 成海 :ヤバ……

鳴無色葉 :登場者全員振るんですよね?振ります!

GM :お願いします。

鳴無色葉 :2D6>=7 (判定:医術) (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功

十九川ヤコ :うお~~もうやるしかねえ!

十九川ヤコ :2D6>=10 (判定:結界術) (2D6>=10) > 4[1,3] > 4 > 失敗

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:罠術) (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功

十九川ヤコ :

鳴無色葉 :おい!!!!!!!!!

GM :ふふっ

芹野 成海 :無になってしまう!!

十九川ヤコ :

芹野 成海 :無になってる

鳴無色葉 :は~~~~~~そうだな……

鳴無色葉 :じゃあ……なんらかの効果で私が受けます。

GM :了解です。

十九川ヤコ :な、なんらか!?

芹野 成海 :なんらか!?

鳴無色葉 :忍術で受けます。

GM :何らかの効果により、十九川ヤコさんは射撃戦ダメージを受けません。

十九川ヤコ :い、色葉………………………………………………………

GM :そして何らかの効果により、鳴無色葉さんが射撃戦ダメージ1点を受けます。

鳴無色葉 :忍術を減らしました。いたいぜ

十九川ヤコ :イタチ、お前だったのか……射撃戦をかばってくれたのは……

GM :では、シーンに入っていきましょう

GM :====


GM :──霊森・窪地

GM :風の流れが静かであり、外敵に気づきやすい地形。

GM :傷を受けた十九川ヤコは、身体を休めるに適した地を選んだが。

GM :あなたを見越していたかのように、罠が発動し、礫が飛び交う。

十九川ヤコ :「───!」一歩踏み出した足が、どぷん、と、沼のように沈みゆく。

鳴無色葉 :「……危ない!!」咄嗟に飛び出し、身を呈してヤコを庇う。

鳴無色葉 :「ぐっ……」

十九川ヤコ :小さな影に、弾き飛ばされるように倒れこんで。

十九川ヤコ :「い、色葉っち……!」すぐさま起き上がり、彼女の元へ。

芹野 成海 :「……色葉!?」

鳴無色葉 :「あ~折れたかこれ……」

鳴無色葉 :「ったくどこ行っ……あ?成海もいんのか」

芹野 成海 :「どこ行ってたはこっちの台詞よ!」

芹野 成海 :「なんで一緒に入ったはずのアンタが別んとこに……」

芹野 成海 :「……いや、まあいいわ。無事?」

鳴無色葉 :「我はあばらが折れた程度だから唾つけときゃ治るが……」

鳴無色葉 :「ヤコ……すごい怪我じゃないか」

十九川ヤコ :「……ちょっと、一戦、バトっちまって」

十九川ヤコ :「完膚なきまでに、ボコにされました。はい」

鳴無色葉 :「……診せてみろ。大した道具も持ってないから応急処置しかできんが」

十九川ヤコ :「いや、あたしより色葉っちを……」

十九川ヤコ :抵抗しようとするも、その力は弱弱しい。

鳴無色葉 :「我は殺しても死なんと言っただろ。無理をするな」

鳴無色葉 :てきぱきと傷口を診ていく。

鳴無色葉 :「うわ~派手にやられたな……」

芹野 成海 :「あの抜戸とかいうおっさんよ。アイツ相当やるわ」

十九川ヤコ :「忍び相手への心構え、鈍ってたあーしにも責はあるけど」

十九川ヤコ :「うん、それ差し引いても。抜戸さん、手練れだった……」

鳴無色葉 :「……なんで成海が一緒に戦ってんだ?まあいいが……」

十九川ヤコ :「あ、そう。結局、聞きそびれちゃったけど……」

十九川ヤコ :「でも……まだ、深くは聞かない方がいい気もしてる」

鳴無色葉 :「まあ、十九川の当主になろうってんだからな。ここにいる時点でそれなりに強くなきゃ話に……」

鳴無色葉 :そこまで言ってからなんで成海はここにいるんだ……?と思っている。

十九川ヤコ :「あたしの力添えをすることで、事態が一番手っ取り早く解決するカモ~、とか」

十九川ヤコ :「思ってくれてたら嬉しいんだけどね」

鳴無色葉 :道具箱から出てきたリアル・イタチたちがうおーさおーしながらヤコちゃんに包帯を巻いたりしている。

十九川ヤコ :「あ~~~癒される……あいてて、いたいいたい」

芹野 成海 :「………」眉根を寄せる。しかしそこに浮かぶのは、厭気よりは思案の色だ。

鳴無色葉 :「……まあ、深くは聞かんが……」

鳴無色葉 :「……お前も一歩間違えたらこうなってたんだからな」包帯を捲いたヤコちゃんの傷口をバシバシ叩く。

十九川ヤコ :「ぎゃん!」

芹野 成海 :「それはそうね。ちっと認識が甘かった──」

芹野 成海 :「というより、一瞬甘くなってた、って言った方がいいわね」

芹野 成海 :「なんつーか、マジで婚約騒ぎだとは知らないでここ来たもんだから」

芹野 成海 :「なんだそりゃってなって気が抜けてた。だけど……」

芹野 成海 :抜戸の行動を思い返す。

芹野 成海 :本来なら集めなければいけない勾玉を、自分から手放した。

芹野 成海 :「それだけでもねーって感じだわ」

鳴無色葉 :「…………」何か言いたげに芹野さんを睨んだが、視線を逸らす。

十九川ヤコ :「ん。みんな、何かしらの目的が……」

十九川ヤコ :「……てか、気づいたんだけど」

十九川ヤコ :「抜戸さんも、なんか、別の目的があるみたいだし」

十九川ヤコ :「世過さんは、自分の実力をみんなに知らしめてやる!って感じだし」

十九川ヤコ :「カネモッティさんは、忍びの力自体が目当てっぽいし感じだし」

十九川ヤコ :「五行さんは……比良坂の立場をより高めるため?っぽい感じだし」

十九川ヤコ :「あの……」

十九川ヤコ :「もしかして……」

十九川ヤコ :「あたしって、オンナとして……魅力無い?」

鳴無色葉 :「……あっははははは!」

鳴無色葉 :「そんなこと気にしてんのか」ばしばしと傷口を叩く。

芹野 成海 :「……今気にするところ、そこな訳?」

鳴無色葉 :「ここに集まってる時点で目当ては『十九川の家』だろ。むしろお前目当てで来てる方がストーカー的で怖くないか?」

十九川ヤコ :「そりゃそーだけどお……」ぶつぶつと不満げに。

鳴無色葉 :「あー……突然ヤコとはぐれたからな、あたりを探索していたんだが……」

鳴無色葉 :「霧が深いし、この森なんか変でな。……いや、妖魔を閉じ込める檻っていうのと我とは一切何も関係ないと思うんだがな?」

鳴無色葉 :「ほら」と言ってふわりと花冠をヤコの頭に乗せる。

鳴無色葉 :「ギャルたるもの強く可愛くないとな」

鳴無色葉 :「これつけて元気出せ」

十九川ヤコ :「わ」不意に被せられた冠に、呆けた声が出て。

十九川ヤコ :「おお……初めてみた、こーいうの」

十九川ヤコ :「ん……ありがと、色葉っち」香しい花の匂いに目を閉じて。

十九川ヤコ :「では……そうだな、あたしからも、お返しに」

十九川ヤコ :懐から、笹の葉で包んだ何かを取り出して。

十九川ヤコ :「来る前にパクっといた。ウチの草餅」

十九川ヤコ :「田舎くせ~けど。好き好んでらんないっしょ。糖分補給、糖分補給」

十九川ヤコ :ひとつずつ、芹野さんと色葉さんに配ってゆく。


十九川ヤコ :こんなところで。

十九川ヤコ :あっまてよ!!!

鳴無色葉 :戦術きえてるね……

十九川ヤコ :《兵糧術》つぶれてるじゃねえか!!

GM :

芹野 成海 :

十九川ヤコ :エーン……


鳴無色葉 :「……ちょっとデカいな。田舎だからか?」

鳴無色葉 :「切り分けてもらってもいいか?」

鳴無色葉 :「可愛く芸術的に切り分けてくれよ?」

十九川ヤコ :「え? あ、うん……任せんしゃい!」

十九川ヤコ :「(え、これデカい方なんだ……)」


十九川ヤコ :というわけで……改めて《刀術》で判定するぜ!

GM :許可するぜ!

十九川ヤコ :うおおおおおお!!見ててくれイタチ!!

十九川ヤコ :2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

十九川ヤコ :ヨシ!

鳴無色葉 :やった~~~!!!!

芹野 成海 :やったぜ

GM :では互いにETを振りな!

鳴無色葉 :ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)

十九川ヤコ :ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)

鳴無色葉 :迷いなく忠誠!

十九川ヤコ :共感!共感!

GM :よかったね。

GM :では〆のロールをどうぞ~


十九川ヤコ :カタカタ五月蠅い一魔降を力づくで抑えつつ、上品に一口サイズに切り分けた草餅を口に運んでいく。

鳴無色葉 :(それで斬るのか……)

芹野 成海 :「……それ、妖魔とか斬ってるやつじゃないの?」

十九川ヤコ :「は~~~~。お花も素敵だけどやっぱ甘味も最高っスわ」

十九川ヤコ :「大丈夫!ちゃんと清めてっから!」

鳴無色葉 :「じゃあ安心だな……???」

鳴無色葉 :「……我妖魔でないから大丈夫とは思うけど……なんか大丈夫だよな……?」

鳴無色葉 :「……ん、うまい!」食べてニコニコしている。

芹野 成海 :「こんなしょうもないことで魔王流に転職とかしたくねーわよ……」

芹野 成海 :「……あ、でもうまいわねこの餅」

十九川ヤコ :「んでしょ~~」

十九川ヤコ :「……昔さ、よく」

十九川ヤコ :と口にしたところで、言葉を切って。

十九川ヤコ :「なんでもねーや」

十九川ヤコ :傍で静かに流れる川に、視線を向ける。

十九川ヤコ :水面には。いつもと同じ顔。

十九川ヤコ :赤黒い目の、険しい顔つきの。忍びがひとり、映るだけ。

鳴無色葉 :「……ここまで来たら一蓮托生だ。聞いてほしいことがあれば何でも言えよ」

鳴無色葉 :「どうでもいい話だって、そういうので盛り上がるのがギャルってもんだろ」

十九川ヤコ :「そーだなあ……」

十九川ヤコ :「実際……誰がタイプよ?」

十九川ヤコ :「あ、せりのんとイッチは殿堂入りな! 禁止カードです。強すぎるので」

鳴無色葉 :「……あのなあ、それ禁止されたら我なんも言えないだろ……」

鳴無色葉 :「成海の目の前で……嫉妬で殴られたらかなわん」

十九川ヤコ :「キャ」口に手を当てる。

芹野 成海 :「………」微妙な表情。

鳴無色葉 :「成海も我だよな?」

鳴無色葉 :「なっ???」

芹野 成海 :「アンタは婿候補じゃないでしょ」

鳴無色葉 :「それはそーだが……」不満そうに唇をとがらせた後。

鳴無色葉 :「……ヤコ。父親ってのは娘の幸せを願うように出来てるんだ」

鳴無色葉 :無論、長い人生の中で、そうではない父親など星の数ほど見てきた。……それでも。

鳴無色葉 :「だがまあどうしてか全員不器用に出来てる。……ちゃんと分かり合えるといいな」

十九川ヤコ :「………ん」

十九川ヤコ :こくりと頷いて。

十九川ヤコ :「不器用なトコは、親譲りだし」

十九川ヤコ :「たとえ、今は分かり合えなくても」

十九川ヤコ :「あたしは必ず、認めさせてみせるよ」

十九川ヤコ :「八代目に相応しい当主は、この十九川ヤコだけだって」

十九川ヤコ :「……自慢の娘だってさ」

GM :====


【第一サイクル:芹野成海】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

芹野 成海 :鳴無色葉さんと感情結びます!

鳴無色葉 :でます!

芹野 成海 :2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5

GM :なるほど。

GM :4>腹を空かせた妖魔が襲い掛かってくる。シーンの登場者は《鳥獣術》で判定を行い、失敗すると射撃戦ダメージ1点を受ける。

鳴無色葉 :????????

芹野 成海 :??????

GM :???????

鳴無色葉 :ふります……

鳴無色葉 :2D6>=7 (判定:異形化) (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗

鳴無色葉 :あー!成海のばか~~!!

芹野 成海 :2D6>=7 (判定:罠術) (2D6>=7) > 11[5,6] > 11 > 成功

芹野 成海 :この山どうなってんだよ!!

鳴無色葉 :戦術でうけますね……

GM :そりゃあ因習村の山だもんね

GM :====


GM :──霊森・平地

GM :探索を続けていたあなたたちは、小型の野犬のような妖魔に遭遇する。

GM :さして強くはないが、群れで活動し、傷をいとわない……あなたたちは逃走せざるを得なかった。

GM :川の流れを越え、妖魔を撒いたあなたたちは腰を落ち着けた。

芹野 成海 :「はあ、はあ……マジで何なのよこの山……」

鳴無色葉 :「いっててて……またヤコとはぐれたじゃないか……」

鳴無色葉 :野犬のような妖魔に噛まれた足をさすっている。

鳴無色葉 :「かわいいイタチちゃんをオヤツだと思いおって……」

芹野 成海 :「まずいわね、いくら手当てしたってもあの怪我は……」

芹野 成海 :「ん……それ、さっきのやつに?」彼女の脚の傷に気づき、声をかける。

鳴無色葉 :「あー……まあな。普段ならなんてことないんだが」

鳴無色葉 :「さっきの負傷であんまり思うように動けんでな」

鳴無色葉 :「ま、頑丈なのが取り柄だからな。草餅も食べたし寝て起きたら治るだろ」

芹野 成海 :「はあ……。……じわじわ削られてるわね」

芹野 成海 :十九川ヤコはもちろん、目の前の彼女の実力が相応のものであることは、十分承知している。

芹野 成海 :その二人がこれほど手傷を負うほどの試練──

芹野 成海 :「はあ~……」

芹野 成海 :「……頑丈が取り得っつったって、別に痛くない訳じゃねーでしょ」

芹野 成海 :「『朝日さす 寒の氷のとけ清水 血は谷川の池の水となれ』」

芹野 成海 :その傷へ手を当てて呪句を唱えると、流れていた血が固まって傷を塞ぐ。

芹野 成海 :「治るほどの効果はねーけど。止血くらいにはなるでしょ」

鳴無色葉 :「まあ痛いのはそうだが……って、おお……」みるみる血が固まるのを見つめる。

鳴無色葉 :「……うむ、血が流れて体力を失うのはよくないからな。とても助かった。礼を言うぞ」

鳴無色葉 :「……それでもやっぱ痛いのは痛いから優しく『いたいのいたいのとんでけ~♡』ってやってもらってもいいか?」

芹野 成海 :「自分でやりなさい」

鳴無色葉 :「なんでだよ~。けち」

芹野 成海 :「しかし、とっとと十九川……ヤコのヤツを探さないとまずいわね」

鳴無色葉 :「……………………」じろーっと睨んでいる。

芹野 成海 :「……何よ?」

鳴無色葉 :「………………本当に浮気する気はなかったんだよな?」

芹野 成海 :「しっつこいわねアンタ……」

芹野 成海 :「ないわよ。婚約云々の話だったのは来てから知ったって言ったでしょ」

鳴無色葉 :「ん…………」

鳴無色葉 :「……すまんな。頭では分かってるんだ。お前も巻き込まれただけなんだって」

鳴無色葉 :「でも……お前が他のヤツと結婚するかもしれないと思うと……どうにも……」

鳴無色葉 :「それに、その……気にしてるんだよ。我ではそういうの与えてやれないから……」

芹野 成海 :「……別に、少なくとも今は結婚とか考えてないわよ」

芹野 成海 :「そんなもんの有無で相手選ぶほど、私は建前に帰依してないもの」

芹野 成海 :「おら、血ぃ止まったなら探しに行くわよ。私はともかく、アンタはお供でしょうが」

芹野 成海 :河原の岩から立ち上がろうとして、ふと止まる。

芹野 成海 :「……またあの妖魔連中に襲われたくはねーわね」

芹野 成海 :そう言って、懐からメモ帳を取り出す。

芹野 成海 :『天日月テ
       天日月テ 尸鬼喼急如律令
       天日月テ        』

芹野 成海 :安物のボールペンでそう殴り書きし、彼女へ持たせる。

芹野 成海 :「妖魔除け……ってほどでもないけど。多少は見つかりにくくなるはずよ」


芹野 成海 :これで隠形術で感情判定したい!

GM :どうぞ~

芹野 成海 :振ります!

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:隠形術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功

鳴無色葉 :ほっ

芹野 成海 :よかった……

GM :お見事!

鳴無色葉 :感情表ふります!

鳴無色葉 :ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)

芹野 成海 :et 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)

鳴無色葉 :愛情♡

芹野 成海 :まあ不信ではないから共感かな……?

GM :消去法

鳴無色葉 :何なやんでんだよ!!

芹野 成海 :ヤコちゃんを助ける思いに共感とかかも

GM :いいと思います

GM :では〆のロールどうぞ~


芹野 成海 :自分のぶんの呪符も作り、懐にしまい込む。

芹野 成海 :「これでも、多少は心配してんのよ。アンタのこと」

鳴無色葉 :「…………」

鳴無色葉 :ぱちぱちと目を瞬かせる。

鳴無色葉 :「…………ん、ふふふ!そうか!」

鳴無色葉 :「多少じゃなくて結構心配してるだろ~~?」

鳴無色葉 :「なあ~~~???」

芹野 成海 :「心配しなくて済む程度の傷を増やすわよ」拳骨!

芹野 成海 :「おら、バカ言ってないで行くわよ!」

鳴無色葉 :「あだっ」

鳴無色葉 :「なんでいちいち殴るんだよ~~……」

芹野 成海 :「アンタが殴られるようなこと言うからでしょうが!」

鳴無色葉 :「照れるなよ~~」

鳴無色葉 :「……本当は、我に一人前に嫉妬したり独占欲を抱いたりする資格なんてないとは思ってるんだ」

鳴無色葉 :「でもやっぱ……好きなんだよな」困ったようにニヤっと笑う。

芹野 成海 :「……はあ」もう一発拳骨!

鳴無色葉 :「いだっ!!」

芹野 成海 :「殴られるようなこと言うからって言ったでしょ」

芹野 成海 :「資格がどうとか、バカバカしいわ」

芹野 成海 :「勝手に妬いてなさい。殴りはするけど、咎めはしないわ」

鳴無色葉 :「…………」涙目で頭をさすっている。

鳴無色葉 :「…………なあ、お前もやっぱ嫉妬されてちょっとは嬉しいのか?」

芹野 成海 :「さて、どうだかね」

芹野 成海 :軽く返事を返し、再び山の道なき道へ踏み出した。

鳴無色葉 :「…………ふ、ククク!それって嬉しいってことだろ」

鳴無色葉 :「なあ~、照れるなって、待っ……おい!また殴るな!!」

鳴無色葉 :まるでぶんぶんと振っている尻尾が見えるかのように嬉しそうにその後を追って行った。

GM :====

【第一サイクル:鳴無色葉】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :登場希望は、ヤコちゃん水瀬さん芹野さん、つまりPC全員!やることはヤコちゃんの秘密を調べるぜ。

GM :ほほんぬ よいでしょう

十九川ヤコ :きたわね

十九川ヤコ :でるぞい!

水瀬 一理 :うおー

芹野 成海 :行くか……!

GM :全員死なないといいなァ~! 2d6どうぞ。

鳴無色葉 :では2d6ですが、なんらかの効果で、12番のシーンに出ます。

水瀬 一理 :なんらか……だと

十九川ヤコ :なにっ!?

芹野 成海 :なんらかを二つも!?

GM :なるほどね……何らかの効果を確認しました。

GM :12>何者かの亡骸を発見する。彼にはもう不要だろう。シーンプレイヤーは、好きな忍具を一つ獲得する。

鳴無色葉 :あ、これはもらえるの私だけなんだ

鳴無色葉 :では兵糧丸をゲットします。

GM :どうぞ。

鳴無色葉 :やったぜ。


GM :====

GM :──霊森・谷地

GM :苔むした谷底には、清涼な水が流れている。

GM :彼もここで末期の水を取ろうとしたのだろうか。白骨化した遺体が横たわっている。

GM :それ以外には、平穏な静寂があなたたちを飲み込んでいた。

鳴無色葉 :白骨化した遺体のすぐそばの地面にA5サイズの薄い本が置かれている。

鳴無色葉 :よく見ると横には棒が立てかけてあり、その上には大きなザルが待ち構えている。

鳴無色葉 :「やはりミッチといったら本だからな……」

鳴無色葉 :棒に結ばれたロープを握りしめて岩陰に隠れている。

鳴無色葉 :「確実にひっかかるに違いない。ヤコ、成海、物音を立てるなよ」

鳴無色葉 :ロープを握ってない方の手に遺体から回収した携帯食料を握りしめ不敵に笑う。

十九川ヤコ :束の間離れ、また合流したばかり。服についた葉っぱをそっと落としながら。

芹野 成海 :「………」

芹野 成海 :何やってるんだコイツはと思いつつ、相手が相手なのでどうなるか予想がつかないという微妙な顔。

十九川ヤコ :「あれ何の本なん?」

鳴無色葉 :「我が出した同人誌だ」

鳴無色葉 :「家に300冊在庫がある」

芹野 成海 :「メチャクチャ在庫なってるじゃないのよ」

鳴無色葉 :「だってアンケとったらみんな買うっていってたんだもん!!」

十九川ヤコ :「買うって言ってくれたのに買ってくれなかったんだ……」なんで?という顔

鳴無色葉 :「アンケートなど信じてはいけないという教訓だな……」

鳴無色葉 :「だが、こうして今役に立つから悪いことばかりでもあるまい」

鳴無色葉 :「エッチなやつじゃないからな……ミッチも安心して手に取れるはずだ」

水瀬 一理 :やがて、その場に微かに風が吹き、マットPPの表紙を揺らした時。

水瀬 一理 :ざ、と音がして、木の『上』から男がひとり降ってきた。

水瀬 一理 :軽やかに着地をして、36Pほどに見える薄い本をじっと眺めると。

水瀬 一理 :「……あっ、こんなところに本があるぞー」

水瀬 一理 :とことこと歩いて、薄い本をそっと拾う。

鳴無色葉 :「!みろ!ひっかかったぞ!!」

鳴無色葉 :「捕らえるぞ!ヤコ!成海!!」

鳴無色葉 :そう言ってロープを放り出して走り出す!

十九川ヤコ :「意味!」

芹野 成海 :「ロープ使わねーの!?」

水瀬 一理 :「どんな本かなあー……あれっ」ザルが落ちてこないのでちょっと上を見る。

鳴無色葉 :「ミッチ確保ーっ!」水瀬さんに飛びつく!

水瀬 一理 :「うわっ、そっちとはさすがに」

水瀬 一理 :「やられたー」

鳴無色葉 :「ククク……これが頭脳プレイというやつよ」

水瀬 一理 :「……まあ、あの」

水瀬 一理 :「木の上にいたので、全部見えちゃってましたが……」

鳴無色葉 :「……………………………………………」

鳴無色葉 :「ククク……やはりそうだったか。全て分かっていた……」

鳴無色葉 :「そこまで読んで……読んでこう……やっていたに決まっている……」

水瀬 一理 :「あ、でもこの本は普通にください。読むものなくてちょうどよかったので」

鳴無色葉 :「あっ、本当か?ぜひもらってくれ。在庫はたくさんあるが内容は気に入ってるんだ」

水瀬 一理 :「ありがとうございます! 熱意と愛、重要ですよね」

水瀬 一理 :「……あ、それで、ご用件は?」

鳴無色葉 :「ああ、そうだそうだ」

鳴無色葉 :「なにもミッチに会えなくて寂しいから呼んだというだけではない。提案があって来たんだ」

水瀬 一理 :「寂しくはあったんですね!」

水瀬 一理 :「お聞きしますがー」

鳴無色葉 :「勿論寂しかったに決まっている……」

鳴無色葉 :「ミッチを守らせていたイタチたちも会えなくて泣いていたからな……」

水瀬 一理 :「それは普通に胸に来ますね」

鳴無色葉 :「で、だ。婿候補の関係者の中で、巻き込まれただけの成海を除いたら一番信頼できるのは勿論ミッチだ」

水瀬 一理 :「おや、嬉しいことを」

鳴無色葉 :「前も言ったが、我とてこの国や民を愛している。比良坂(ウチ)が国益になると判断して鞍馬と婚姻を結ぼうってんなら、表立って反対するものでもない」

鳴無色葉 :「それでも我は同じギャルのよしみで此度の婚姻の義をぶっ壊してやることにした」

鳴無色葉 :「だがまあ、バトルロイヤルってのは最後に立ってればいいんだ。途中まで手を組んで勝ち進むっていうのは常套手段だ」

鳴無色葉 :「端的に言えば、一時休戦で手を組みたいってところだな」

水瀬 一理 :「なるほどねえ」

水瀬 一理 :「まあ、私の方ものこのこ引っかかりに来たのはですね。何もこちらの本に目が眩んだわけではなくて」

鳴無色葉 :「…………」ちょっと寂しそう

水瀬 一理 :「ひとりでいると結構寂しいし妖魔もいるし上司には置いて行かれたし」

鳴無色葉 :「く、苦労している」

水瀬 一理 :「せめて木の上で避難していたらなんだか楽しそうなこと始めるじゃないですか」

水瀬 一理 :「私抜きで……」

水瀬 一理 :「混ぜてーって言おうと思ってたんですよねえ」

十九川ヤコ :ドーソーカイってこんな感じかしら。とニコニコしていたが。

十九川ヤコ :「えっ。てっきり、目的があって。五行さんと別行動してたのかな、とか思ってたんだけど」

十九川ヤコ :「置いてかれちゃったの……?」

水瀬 一理 :「あるにはありますよ。それは」

水瀬 一理 :「でも、提案してきたのはあちらですからねえ」

鳴無色葉 :「振り回されている……可哀想に……」

水瀬 一理 :「というわけで、一時休戦。受け入れても構いませんよ」

水瀬 一理 :「バチバチも嫌いじゃないんですけどね。この場はその方がこっちも安心」

鳴無色葉 :「おおっ、本当か!」

鳴無色葉 :「ただでさえ割と満身創痍だからな。後ろから突然刺されんというだけでありがたい」

鳴無色葉 :「ミッチは割と神出鬼没だからな……」

水瀬 一理 :「次は後ろから出ようっと」

鳴無色葉 :「心臓に悪い!ただでさえミッチの動向は掴めん上に未来視も調子が悪いというのに……」

鳴無色葉 :「だがまあ、一時休戦とは言っているが。もしかしたらずっと手を組めるかもしれんとも思っている」

鳴無色葉 :「この婚姻の義、色々と気になることもあるからな。それどころじゃない、国が危ないとなったらミッチとて上司の婚活を手伝ってる場合ではあるまい?」

水瀬 一理 :「まあそれはそうですね。仮定ですけども」

鳴無色葉 :「その糸口となるかもしれんし……一時休戦の証として……」

鳴無色葉 :「まずはヤコの抱えているものでも教えてもらおうかのう!」

鳴無色葉 :ヤコちゃんに後ろから抱き着く!

十九川ヤコ :「ふんふん、なるほど……確かに確約の証はだいじだもんな」

十九川ヤコ :「ヤコの抱えてるものなら……ヤコ?」

十九川ヤコ :「……ヤコあたしじゃん!」

鳴無色葉 :「そうだ……相変わらず良い身体をしておるなあ」

鳴無色葉 :「んっふふふ……また大きくなったか?」

十九川ヤコ :「ギャ!ちょっと、くすぐった………ん」

十九川ヤコ :暴れるように捩っていた体の動きが一瞬止まる。それ以上はマジでやばい。

芹野 成海 :「ほどほどにしときなさいよ、ケガ人なんだから」

水瀬 一理 :「あっここのフォントいいですね、かわいいなー」読んでいる。

十九川ヤコ :「効果ナシじゃん!」

鳴無色葉 :「いや、我がお前の身体に聞いているのだ。成海に殴られるかと思ったがセーフっぽいしな」

鳴無色葉 :「情報は身体に聞くのがいいと昔から決まっている……ククク!」


鳴無色葉 :というわけで、くノ一の術で情報判定をしようかと思います!

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :2D6>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

鳴無色葉 :よしよし!

十九川ヤコ :クク……感情判定すら不要とはね……

GM :危なげないですね。

鳴無色葉 :あっそうじゃん

鳴無色葉 :修正もらうのいつもわすれちゃう

GM :秘密を送ります。芹野さんに共有かな

鳴無色葉 :ですね!

十九川ヤコ :イヤーン

水瀬 一理 :ドキドキ

GM :送りました。

芹野 成海 :はは~なるほど……

鳴無色葉 :うおお~っなるほどね

鳴無色葉 :今確認とかをしてるからちょっと待ってね

十九川ヤコ :ククク……

鳴無色葉 :では水瀬さんに情報をお渡しします。

鳴無色葉 :これで公開情報になるかな。

水瀬 一理 :ありがたくー!

GM :了解です。

十九川ヤコ :やぁん


十九川ヤコの【秘密】

あなたは数年前、正統後継者となるにあたって「雨森の儀」という儀式に参加した。

「雨森の儀」とは、隠れ里のさらに奥にある霊森に「二色乞」が隠され、後継者候補たちが森に入り、持ち帰った者が後継者と認められる、というものである。

霊森には妖魔も封じられており、森に入る忍者を攻撃する。過酷な試練を超えた歴代の当主は、みな儀式を経て欠損を負っていたほどだという。


しかし数年前の「雨森の儀」では、あなたは五体満足で「二色乞」を持ち帰った。そして同時に、最も有力な後継者候補として儀式に参加した忍者、御洞八雲(みどう・やくも)が、遺体となって森から回収された。

以来あなたは、『「二色乞」を回収した八雲を殺し、労せずして当主の座を奪った』という噂を立てられているのだ。


今回の婚姻の儀も、「雨森の儀」と名付けられ同じ森で行われる。あなたへの当てつけだろうか、あるいは……


あなたはもうひとつ【秘密】を所持している。

この【秘密】を獲得し、あなたと互いにプラスの感情を結んでいるPCは、もうひとつの【秘密】を情報判定の目標にすることができる。

鳴無色葉 :「なん……だと」

鳴無色葉 :手からこぼれる豊かな双丘から伝わる情報を読み取り。

鳴無色葉 :「秘密だらけではないか!!セキュリティが硬すぎる!!」

鳴無色葉 :「女の子の一人暮らしは気をつけろ!そのまま意識を高くもて!」

芹野 成海 :「言ってることもやってることもメチャクチャよアンタ」

鳴無色葉 :「成海、お前も気をつけろよ。いつも我に家に侵入されてるだろ」

十九川ヤコ :「硬すぎるとは失敬な。つきたての餅のような柔らかさだという自負がある」ぴん、と。色葉ちゃんのおでこを指で弾きながら。

鳴無色葉 :「ピ……なんでヤコまで……」おでこを弾かれて涙目になる。

十九川ヤコ :(やっぱり、色葉っちは虐げられてる時がかわいいな)

十九川ヤコ :内心の声を口に出さず、溜息をひとつ。

水瀬 一理 :「……終わりましたあ? ガールズトーク」本の陰から目を出して。

十九川ヤコ :「んん」申し訳無さそうに肩をすくめて。

十九川ヤコ :「まー、その」

十九川ヤコ :「内容こそ、違うけれど」

十九川ヤコ :「“雨森の儀”に参加するのは、あたしはこれで二回目」

十九川ヤコ :腰がけの短刀をぽん、と叩いて。

十九川ヤコ :「あたしが次期、八代目だって。これで、渋々ながらもみんなが認めてくれた」

水瀬 一理 :目を細めてその話を聞いている。

鳴無色葉 :「……そこで色々あったんだな。名前的にはあの大きな……イタチちゃん大好きクラブの女の関係者となんかあったのか」

十九川ヤコ :「………」木陰の傍、風化した骨に視線を移して。

十九川ヤコ :「ま、誰だってそう思うよね」

十九川ヤコ :「あたしのご先祖さまも、みんな。この儀でカラダの一部を失くしちゃったってハナシだってのに」

十九川ヤコ :「……あたしだけ。あたしだけが、コウイショーも無しに、こうやってのうのうと今もお喋りしてる」

鳴無色葉 :「……『なんかあったのか』ってのはお前が殺したのかって意味じゃない。そいつとのことで色々言われたりしたんだろ、って意味だ」

鳴無色葉 :「悪いが、我は別にどっちでもいい」

鳴無色葉 :「お前が人を殺していようがいまいが、我の大事な『マブダチ』であることに変わりはない」

鳴無色葉 :「五体満足で元気にいてくれるんなら、それが何よりだと思っておる」

十九川ヤコ :「………ごめん、早とちりしちゃったね」

十九川ヤコ :「ん。ありがと」乾いた笑みを浮かべて。

鳴無色葉 :「……お前もそのことで色々言われたり、悩んだりしたんだろうな」

鳴無色葉 :「まあ、割とお前が人を殺したりするのが想像つかんのはあるが……信頼っていうのは単に無実と信じ込むだけではないってことだ」

芹野 成海 :「……つーか、当主を決めるのに欠損とか死人出してる時点で十分ヤバい儀式なのに」

芹野 成海 :「他の候補者殺した疑惑が出たらギャーギャー言い出すのも、たいがい線引きがわからねーわね」

十九川ヤコ :「十九川の刀は、妖魔に向けるべきであって」

十九川ヤコ :「余程のことが無い限り、同族には向けるべきではない……」

十九川ヤコ :「そんな家訓があるくらいだから、まあ……そういう噂が立っちゃったんなら、忌避されてしかるべきだし」

十九川ヤコ :「実際、ニガテだしね。ウデの立ったシノビ、相手にするの。……専門外?」

十九川ヤコ :抜戸さんの一撃を思い出し背中をさする。決して負けた言い訳ではないぞ。

水瀬 一理 :「じゃ、尚更休戦して良かったですねえ。……私が気になるのは」

水瀬 一理 :「なんでまた、全然違うはずの儀式が同じ名前で呼ばれてるのか、ですね」

水瀬 一理 :「クリスマスと卒業式、まとめて全部クリスマスにはしないでしょ」

水瀬 一理 :「それとも根本的には似てるのかな?」

鳴無色葉 :「たしかにな……」

十九川ヤコ :「……代々、“雨森の儀”は十九川の正統後継者を認めるためのもの」

十九川ヤコ :「たしかに……今回の儀にも同じ名前を使うのは……」

十九川ヤコ :「ううん……」

鳴無色葉 :「……じゃあ、こんな短い間隔でやってる時点でおかしいだろ」

鳴無色葉 :「正統後継者決めても結果が気に入らんかったら何度やり直してもいいんだったら意味がないだろ」

鳴無色葉 :「やっぱなんかありそうだよな」

鳴無色葉 :「ククク……まあ無論我はこの儀式には何かがあると、最初から分かっていたがな……」

鳴無色葉 :(でも正直妖魔が操ってるとかだと思ってたんだよな……)

十九川ヤコ :「………ま、ともかくさ」

十九川ヤコ :「早いトコ、終わらせて。こんな辛気臭い森から抜けたら」

十九川ヤコ :「またみんなでメシでも行こうよ」

十九川ヤコ :「イトマっちも引っ張ってこよか?」

鳴無色葉 :「おっ、いいことを言う!」

鳴無色葉 :「スイパラ、結局いけてないからな。キリトも誘っていこう」

鳴無色葉 :「ミッチも来てくれるか?成海は勿論来るよな?」

水瀬 一理 :「スイーツ、しばらくぶりですねえ」

芹野 成海 :「アイツ、あんなでも一応ウチの重要人物なんだけどね……」

芹野 成海 :「まあ、別に甘いものは割と好きだからいいけど」

鳴無色葉 :「ククク!決まりだな。じゃあやっぱり無事に出ないと。……ヤコ」

鳴無色葉 :さきほど手に入れた携帯食料をヤコちゃんに渡す。

鳴無色葉 :「へばるなよ」


鳴無色葉 :というわけで兵糧丸をヤコちゃんに渡そうかな。

GM :やさしい!


十九川ヤコ :「おっ、と……」

十九川ヤコ :大事そうに手に取ったそれを、袖の袂に大事そうに仕舞って。

十九川ヤコ :「あたし……今回。色葉っちに、いろんなもの、貰ってばっかりだな」

鳴無色葉 :「そうか?」

鳴無色葉 :「でも我も胸揉ませてもらってるからな。おあいこだ」

鳴無色葉 :「我はやりたいようにやってるだけだ。気に病むな」

鳴無色葉 :「スイパラいったらプールとかもいってもいいかもな~。それならミッチも一緒に行けるしな」

鳴無色葉 :「水着回は需要があるからな。……そういう楽しさに、ここにいる誰も欠けて欲しくないってだけだ」

十九川ヤコ :「うん、そうだ……そうだね」

十九川ヤコ :「っし。やったろうじゃん」

十九川ヤコ :「今回は、あたしだけじゃねえ」

十九川ヤコ :「みんなで、五体満足で。帰るんだ」

鳴無色葉 :(……こんなに入れ込んで。本当に珍しいな……)

鳴無色葉 :(だが……ずっと先の未来なんかより、今を全力で生きるのがギャルだからな)

鳴無色葉 :「ああ。絶対無事で帰って水着回だ!」

鳴無色葉 :何も考えてなさそうな楽しそうな笑顔で頷いた。

GM :====

【第一サイクル:水瀬一理】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

水瀬 一理 :鳴無さんに出ていただこうかと!

鳴無色葉 :でるぜ!

GM :振りな……2d6を……

水瀬 一理 :あ、あと十九川パパの秘密を抜こうと思います。

水瀬 一理 :2d6 (2D6) > 5[1,4] > 5

鳴無色葉 :ウッ

水瀬 一理 :あっ

GM :4>腹を空かせた妖魔が襲い掛かってくる。シーンの登場者は《鳥獣術》で判定を行い、失敗すると射撃戦ダメージ1点を受ける。

水瀬 一理 :ごめん……

GM :へへへ

GM :今宵の野犬は血に飢えておる

鳴無色葉 :成功すればよかろうなのだ

鳴無色葉 :2D6>=7 (判定:異形化) (2D6>=7) > 6[1,5] > 6 > 失敗

鳴無色葉 :…………………………………………

水瀬 一理 :2D6>=6 (判定:兵糧術) (2D6>=6) > 8[2,6] > 8 > 成功

GM :イタチさん……

鳴無色葉 :器術で……

水瀬 一理 :こわいよーー

system :[ 十九川ヤコ ] 忍具 : 3 → 4

GM :====


GM :──霊森・河川

GM :谷地から出たあなたたちは、情報収集のため一時二手に分かれた。

GM :だが、蜂のような妖魔の群れに襲われてしまう。逃走するうち、あなたたちは開けた河川に出ていた。

GM :このまま下れば結界にぶつかるだろう。

鳴無色葉 :「あ゛ー!!成海にもらったやつ虫には効かないのか?」

水瀬 一理 :「大丈夫ですか、鳴無さんー」

鳴無色葉 :「刺された~ピィ……」

水瀬 一理 :「あらら、山は虫が多いとはいえ……」

水瀬 一理 :「せめてばんそこ貼っときましょうね」

鳴無色葉 :「うむ!たのむ!」ニコニコと刺された腕を差し出す。

水瀬 一理 :ポケットから取り出してぺたりと貼る。特に治療効果はない。

鳴無色葉 :「おお、これは効きそうだ」

鳴無色葉 :「ミッチはお姉ちゃんみたいだな~。ありがとうな」

水瀬 一理 :「……なんか子供の頃の山遊びみたいだなあ。妖魔はいませんが」

水瀬 一理 :「お兄ちゃんじゃないんだ……?」

鳴無色葉 :「優しいし、髪長いし、セクシーだし……」

鳴無色葉 :「お姉ちゃんじゃないか?」

水瀬 一理 :「セクシーですか!」

鳴無色葉 :「うむ。セクシーだ」

水瀬 一理 :「すごい、めちゃくちゃ反応に困りますがありがとうございます」

水瀬 一理 :ニコニコしている。

鳴無色葉 :「人をからかって困らせるのが長命者の役目だからな」

鳴無色葉 :「ああ、でもセクシーだと思ってるのは本当だぞ。ククク……」

水瀬 一理 :(……子供の頃、山遊びとかしたんだなあ、私……)

水瀬 一理 :なんとなくぼんやりと考えながら。

水瀬 一理 :「ナイスからかい、ありがとうございます!」

鳴無色葉 :「そうお礼を言われるのも不思議なものだがな……」

水瀬 一理 :「そうですか? まあ、なんというか」

水瀬 一理 :「休戦をしていただいて、仲良くしてもらってる時点でありがたいんですよ、実際」

水瀬 一理 :「私には私で用事がありますのでね。怪しいから出てけって言われても仕方がない」

鳴無色葉 :「ミッチ割と寂しがり屋なくせにすぐ喧嘩売るからな~。まあ今回は立場的に仕方なかったとはいえ」

水瀬 一理 :「ばれてしまっては仕方がない」

鳴無色葉 :「さっきヤコに言ったことにも近いが、立場が違くとも信頼できないわけではない」

鳴無色葉 :「人間的な根っこの部分は立場なんか関係ないからな。ミッチは信頼できるよ」

水瀬 一理 :「……では、その根っこの信念は?」

水瀬 一理 :「私は、最終的にはお国ですからね。鳴無さんみたいに情に篤くはいられない」

鳴無色葉 :「そうだな。それこそ同じだから信頼できる、違うから信頼できないというわけでなく――」

鳴無色葉 :「我が大好きだと思っているからな。大好きな相手は信じたいという『情』にすぎんのかもしれん」

水瀬 一理 :「……ヤコさんを助けたいと思うように?」

鳴無色葉 :「そうだな。まあそれも結局はヤコのためというより我のためだ」

鳴無色葉 :「やりたいようにやる……誰かに似てきたのかもしれんな」

水瀬 一理 :「……羨ましいな」

水瀬 一理 :「のかな?」言い直す。

鳴無色葉 :「疑問形なのか」

水瀬 一理 :「私これでも自我が極薄でして。そうやって貫ける我があるのは、良いことですよね」

水瀬 一理 :「まあ、今は仕事人間をするのが楽しいので、そうやってます」

鳴無色葉 :「……楽しいと思うことがあって、やっていたら楽しい。それでいいじゃないか」

鳴無色葉 :「他人なんてわからんからな……お前が思ってるほど我にも大して『我』なんてないのかもしれん」

鳴無色葉 :「でもまあ、お前が楽しくすごしてたら嬉しい。そう思う程度にはあるな、『我』が」

水瀬 一理 :「そうですか。でも私は……」ぱらぱらと、手の中で文庫本のページを手繰る。

水瀬 一理 :「皆さんの色とりどりの我だの情だのの中で話をしているのは、やっぱり楽しいですよ」

水瀬 一理 :「こんな感じ」

水瀬 一理 :はらりとページを開く。白紙の文庫本の中で、カラフルな付箋が貼られた箇所がある。

鳴無色葉 :「……きれいな付箋だな」のぞきこむ。

水瀬 一理 :付箋にはそれぞれメモが書かれて並んでいる。

水瀬 一理 :「山に入る『前』にね。里の方に少し聞き込みをしまして」

水瀬 一理 :「まあ、聞けたのは重要な秘密などご存知ではなさそうな方ばかりですが、それでも」

水瀬 一理 :手で軽く撫でつける。

水瀬 一理 :付箋はページ中央を避けて貼られ、そこには微かに人のような輪郭が白く残っている。

水瀬 一理 :「そこから浮かび上がることはあります。そして」

水瀬 一理 :ぺたり、と最後に一枚、人型の中央に新しく赤い付箋が貼られた。

水瀬 一理 :「最後にひとつ、ヤコさんからさっき聞いた話。これで……」

水瀬 一理 :「揃った、ように思います」


水瀬 一理 :情報判定をします。

水瀬 一理 :十九川七丈さんの秘密について調べようと思います。指定特技は人脈。

水瀬 一理 :【内偵】の効果で自動成功となるはず。

GM :了解です。

GM :くっ、マイナス修正が……効かない!

水瀬 一理 :うおー自動成功ばんざい

鳴無色葉 :ケヒャヒャ~ッ!これが比良坂の力よ!!

GM :おくりました

水瀬 一理 :受け取り、確認しています

鳴無色葉 :うおーー

水瀬 一理 :了解です。では、鳴無さんにそのままお渡しします。

鳴無色葉 :うおー!感情の共有で公開情報になるはず!

鳴無色葉 :ありがとうございます!

GM :了解です。

十九川七丈の【秘密】

「雨森の儀」は、本来後継者を決めるための儀式のことだ。

そして同時に、十九川の当主となった者が、霊森の最奥にある祠に肉体の一部を捧げることで、退魔の使命に殉じた者たちの魂を鎮める儀式でもあるのだ。


鎮魂の必要性はともかく、「雨森の儀」には形式上の重要な意味がある。

十九川の分家であり実行部隊である鬼衆家は、十九川家に伝わる魔剣「一魔降」の管理・運用を任されている。

封じた妖魔の力を操る強力な魔剣であるが、しかし振るう者の魂に汚れを与え、命を蝕む。

また、妖魔の力を借りることは退魔剣士としては忌むべきものとされる。鬼衆家の忍びは命を危険に晒しながらも、名誉が与えられることはない。

『十九川の当主が鬼衆家のために自身の血を流す』という過程自体が、一族に犠牲を出しつつ仕えている、鬼衆家の忠義に報いることを示す儀式なのである。


しかし、十九川ヤコは肉体を喪うことなく正統後継者となった。

鬼衆家の者からの反感は強く、十九川ヤコを追放するべきという声も挙がった。やむを得ず、婚姻の儀という形で「雨森の儀」を再び執り行うことにしたのである。

実娘である十九川ヤコを傷つけることは本意ではない。しかし儀式を全うしなければ、彼女への反感は実力行使になりかねない。

十九川家を存続させることこそが、彼の【本当の使命】だ。

GM :では〆のロールどうぞ~


水瀬 一理 :付箋を見ながら、おおよそ浮かび上がった輪郭を、隣のページに丁寧な筆致で記す。

水瀬 一理 :「……クリスマスと卒業式、ほんとにやるつもりだったんですね……?」

鳴無色葉 :「やはりな……」

鳴無色葉 :「盆と正月が一緒に来たようって言葉もあるからな……楽しいことはいっぱいあったら嬉しいからな……」

水瀬 一理 :「楽しければそれはねえ。この儀式、血なまぐさいですよ」

鳴無色葉 :「……線の外側塗ったんだな」付箋で象られた人型を眺めて。

水瀬 一理 :「はい、趣味ですので」

鳴無色葉 :「線の外の外で血が流れるのは困るな……」

水瀬 一理 :「やっぱり情に篤い」

鳴無色葉 :「篤いか?ヤコの体の一部がなくなるの、可哀相だろ」

鳴無色葉 :「我そこまで特殊性癖じゃないし……」

水瀬 一理 :「それはもちろんですけども。比較してね」

鳴無色葉 :「まあ正直成海に殴られるのを嬉しく思ってる面はあるから若干特殊性癖といえないこともないが……」

水瀬 一理 :「すごいこと聞いちゃったな」

水瀬 一理 :「ポッケに入れて、わざと洗濯しときます」

水瀬 一理 :「……私は」

水瀬 一理 :「どちらかというと、この件の源はどこにあるのか、とか。そういうことを考えていましたのでねえ」

水瀬 一理 :「これもまあ、どこまで首を突っ込んで良いやら、ですが」

鳴無色葉 :「だから薄情ってもんでもないだろ?我も気になっている」

鳴無色葉 :「お前の上司のお花の男が婿入りするってんなら、そいつだってやらなきゃいけなくなるかもしれないんだしな」

水瀬 一理 :「……なんだか想像がつきかねますが。そうなるわけだ」

鳴無色葉 :「そしたらまあ、首を突っ込んで悪いってことは無いだろ。建前的にもな」

水瀬 一理 :「建前、ありがとうございます。結構大事でね」

水瀬 一理 :「……まあでも、傷つくことが奨励されてる、なんてのは」

水瀬 一理 :「そうですね。確かに。気分が良くないみたいだ」

鳴無色葉 :「……特にお前はそういう『建前』を一回経由するとか、大事だもんな」

水瀬 一理 :「……大体、あの人もう結構大変そうじゃないですか?」

水瀬 一理 :「これ以上欠損なんかしたら、それこそ危ないでしょ」

鳴無色葉 :「そうなのか?我はお花の匂いがすることしかしらん……」

水瀬 一理 :「……知りたいこともありますし。まだ元気でいてもらわないと……ヤコさんの方!」

鳴無色葉 :「おお、そっちか。……クク、ならお前も大概優しいよ」

鳴無色葉 :「建前よりも友達の安否を気にしてるだろ」

水瀬 一理 :「そう思ってもらえてるなら、何よりですが……」

鳴無色葉 :「……別にお前が優しくなくとも我は好きだがな」

鳴無色葉 :「だが前も言ったように、お前は割と人間らしいと思ってるよ」

水瀬 一理 :「……まだまだ皆さんを疑ってても?」

鳴無色葉 :「ククク、いいじゃないか」

鳴無色葉 :「言っただろ。無実だと信じ込むことだけが信頼じゃないって」

鳴無色葉 :「むしろそうやって警戒してるのは、人間らしくてかわいいと思うぞ」

水瀬 一理 :「ふふふ、長命の方はこれだからなあー」

水瀬 一理 :「……ありがとうございます。信頼か……」

水瀬 一理 :「ああ、それと」

水瀬 一理 :「絆創膏、貼らせてくれて、ありがとうございました」

水瀬 一理 :「久しぶりにお兄ちゃんみたいで良かったです」

水瀬 一理 :「お姉ちゃんじゃなくてね」

鳴無色葉 :「……ふふ、やっぱりお姉ちゃんよりはお兄ちゃんがいいか」

水瀬 一理 :「そういうものですんでねえ」

水瀬 一理 :(……楽しいことばかり集めていられれば、それでいいが)

水瀬 一理 :(さて、事態は結構闇が深いぞ……どうする?)

水瀬 一理 :ぱたん、と付箋のついた本を閉じて。

水瀬 一理 :その前に、栞のように絆創膏の包みを挟んでおいた。

GM :====

【第一サイクル:マスターシーン】

世過氷柱 :1d3 (1D3) > 1


GM :──霊森・湿原

GM :霧が青みを増している。少し先が見えなくなるほど……それ以上に、感覚が乱される。

GM :隣にいたはずの人物がいない。辺りを見回すと

GM :ひやり、と首筋に、氷を当てられたような感覚がする。

世過氷柱 :「──ふむ、甘い匂いがする、と思っていたが」

世過氷柱 :「其方だったか」

GM :水瀬一理の前に、世過氷柱が姿を現します。

水瀬 一理 :「……おっと」

水瀬 一理 :「驚きました。霧から氷柱とは」

世過氷柱 :「そちらか?」

世過氷柱 :「霧から美貌が出てくる方が、驚くかと思っていたのだが……」形の良い顎に手を当てる。

水瀬 一理 :「あっ今のはですね、ダブルミーニングみたいな感じで」

水瀬 一理 :「大丈夫です、そちらの意味もちゃんと含まれておりますよ」

世過氷柱 :「ふ、面白い男だ……」

水瀬 一理 :「お互い様ですね!」

水瀬 一理 :「……で、ご用件は」

世過氷柱 :「わかっているだろう。私は剣の腕を示す」

世過氷柱 :「この戦いに言葉はいらない……あるのは輝きだけだ」

世過氷柱 :「これは剣閃と、私の顔の輝きのダブルミーニングだ」

水瀬 一理 :「なるほど、説明していただけるとすごくよくわかります!」

水瀬 一理 :「……了解しましたよ。逃げられるものでもないんだろうしなあ」

水瀬 一理 :「……恨みますよ、まったく」誰に言うでもなく呟く。

世過氷柱 :「大丈夫だ。私の相貌は恐ろしいものでは無い」

世過氷柱 :一歩を踏み出す。

世過氷柱 :ぱき、と凍った水草が砕けた。


GM :世過氷柱が、水瀬一理に対して戦闘を仕掛けます。

GM :キャラシートを公開します。


世過 氷柱 キャラシート


GM :戦闘乱入はあるかな~?

GM :ないんだ…………

GM :というわけで戦闘を開始します。二ラウンド経過で終了です。

水瀬 一理 :やります


GM :====

世過氷柱 :装備忍法【絶境】の効果により、戦場を「極地」に変更する。

水瀬 一理 :来たか

GM :各ラウンド終了時、1d6を振ってそのラウンド以下の出目ならば、戦闘参加者全員に接近戦ダメージ1点ですね。

GM :ついでにこの戦場から脱落した人は変調を一つ受けるよ 脱落しないよう気を付けよう

水瀬 一理 :嫌すぎる……

GM :【第一ラウンド】

GM :プロットどうぞ。

世過氷柱 :完了だ

水瀬 一理 :OK

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は です。

○戦場:極地

<プロット6>

(世過)

<プロット5>

(水瀬)

水瀬 一理 :ハハハ

GM :ではプロット6から。

世過氷柱 :水瀬一理に対して【形無】で攻撃。この攻撃忍法は使用するたびに指定特技を変更できる。

世過氷柱 :指定特技を《火術》にして判定する。

水瀬 一理 :でしょうな

世過氷柱 :2d6>=7 (2D6>=7) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

世過氷柱 :ふむ

世過氷柱 :1d6 (1D6) > 3

世過氷柱 :接近戦ダメージ3点に上昇。私の美貌なら当たり前だな……

世過氷柱 :【絶境】の効果により、回避にマイナス1修正。

水瀬 一理 :回避します。スペチェだが調査術で代用。

GM :そうですね~ 今回は大変そうなので

GM :『特殊な回避判定』ルールを使用してもよいことにしましょうか。

水瀬 一理 :ほう!

GM :基本66p、攻撃忍法の特技に関わらず《遁走術》で回避を行えるルールですね。

GM :この効果で回避に成功した場合、攻撃は回避できますがその戦闘から脱落します。

水瀬 一理 :変調は受けるということですね……!

GM :そうだね。

水瀬 一理 :その場合も-1はつきますよね

GM :あくまで回避判定扱いらしいから【絶境】はのりそうですね。

水瀬 一理 :では、特殊な回避をしようと思います。やっぱり調査術で代用。

水瀬 一理 :2D6-1>=7 (判定:調査術) (2D6-1>=7) > 5[1,4]-1 > 4 > 失敗

水瀬 一理 :はい♡

GM :あらら

GM :振り直しなどは~?

水瀬 一理 :んんんんんん

水瀬 一理 :やります! 神通丸!

水瀬 一理 :2D6-1>=7 (判定:調査術) (2D6-1>=7) > 4[2,2]-1 > 3 > 失敗

水瀬 一理 :だめ!!!

GM :悪化してるぜ!

system :[ 水瀬一理 ] 忍具 : 2 → 1

世過氷柱 :それでは接近戦ダメージ3点。

世過氷柱 :脱落確定するので変調も受けてもらおう。

水瀬 一理 :3d6 (3D6) > 10[1,4,5] > 10

水瀬 一理 :器術、謀術、戦術……?

system :[ 水瀬一理 ] 器術 : 1 → 0

system :[ 水瀬一理 ] 謀術 : 1 → 0

GM :そうなりますね。WTもどうぞ

system :[ 水瀬一理 ] 戦術 : 1 → 0

水瀬 一理 :wt 変調表(1) > 故障:すべての忍具が使用不能。1サイクルの終了時に、《絡繰術》で判定を行い、成功するとこの効果は無効化される。

水瀬 一理 :たすけて

世過氷柱 :戦果はそうだな……

世過氷柱 :あらためて言うことでもないが……私の美貌に「狂信」を取得してもらおう

水瀬 一理 :はい……氷柱様は大変お美しいです……

GM :では演出!

GM :====


世過氷柱 :ぱきぱきと霜が降りた湿原をゆっくりと歩む。

世過氷柱 :泥は凍り付き、世過の足を汚すこともない。

世過氷柱 :気温の急速な低下……肺が痛みを覚えるほどの。生態系の死滅する極地。

世過氷柱 :「時に」

世過氷柱 :ぱ、きぃん

世過氷柱 :「君は、なぜ忍びなど、している」

GM :水瀬一理がその質問の意味を理解するのと。

世過氷柱 :急速冷却により加速した斬閃が水瀬一理を通り抜けるのは、同時であった。

世過氷柱 :血振りの必要すらない……冷却により装備すら凍り付かせた刃は、ぞっとするような美しさのまま、鞘に納められた。

世過氷柱 :戦いは終わっていた。宣言通り、剣閃と美貌だけを生み出して。

水瀬 一理 :「…………っ」質問に答える時間も与えられず、斬り裂かれる。

水瀬 一理 :(なぜ、とは。それは……そうとしかなれなかったから、それしか見えなかったから、ですが)

水瀬 一理 :膝をつき、ごぼりと血を吐きながら、玲瓏と佇む相手を見やる。

水瀬 一理 :「……悪くはないですよ」意味不明にも思える返答。

水瀬 一理 :「綺麗なものを、見られたなあ」

水瀬 一理 :だが、そこに手を伸ばすほどの余力はなかった。

世過氷柱 :「……君は」

世過氷柱 :「足りることを、諦念を知っている」

世過氷柱 :「しかし、最上の景色を、目指すべきだ」

世過氷柱 :「苦しい道のりでも……」

世過氷柱 :地吹雪の中に消える。

GM :====


【第一サイクル:マスターシーン】

GM :登場は十九川ヤコさんです。鳴無色葉さんも出てきたかったら出ていいよ。

鳴無色葉 :う、うおー!!でます!

十九川ヤコ :はい……………………………………

GM :====


GM :──霊森・尾根

GM :風が強く流れている。暗い雲が遠くに見える。

GM :きっとすぐに山を覆うだろう。

GM :しかし、あなたたちの眼前には、熱く乾いた空気を纏う青年の姿があった。

ザイロック :「ここにいたか。まったく、オレの時間を消費させるとは」

鳴無色葉 :「へえ、わざわざ探しに来たのか。熱いアプローチだな?」

十九川ヤコ :「ザイロック、さん」

ザイロック :「オレは嘘はつかない」

ザイロック :「オレは妻全員に平等に愛を注ぐ……お前にもだ」

ザイロック :「だから……さっさと森から出ろ」

ザイロック :勾玉を取り出し、ヤコさんに投げ渡す。

鳴無色葉 :「……おお?」

十九川ヤコ :ぱし、と。投げられたそれを慌てて受け取って。

十九川ヤコ :「あなたは、最後まで。ここに残るつもり?」

ザイロック :「そうだ」

ザイロック :「時間をかけるつもりは無い、が……」

ザイロック :「貴様を巻き込むつもりは無い。それを伝えに来てやった」

鳴無色葉 :「へえ……」

鳴無色葉 :「あの時の回答だが、婿候補の中では断トツでザイロックが良いと思うぞ」

十九川ヤコ :「……ううむ」

十九川ヤコ :「確かに、ショージキさ。キュンと来ちまったぜ」

鳴無色葉 :「出会い方はあくまで『力』目当てだとしても、その中で大事にしようってスタンスは伝わってくるからな……」

鳴無色葉 :「分かってるとは思うが、ヤコに脱出しろっていうことは、お前は最後の一人になるまで生き残る必要があるってことだ」

鳴無色葉 :「そのうえで言ってるんだよな?」

ザイロック :「誰にものを言っているんだ」

ザイロック :「カネモッティ財閥、継承権第五位。『アブラハム=チャトレル石油』CEO」

ザイロック :「このザイロック・アリー=マクル・カネモッティに、二言は無い」

十九川ヤコ :「………アリガト、ザイロックさん」

十九川ヤコ :「あなたの言葉が、ゼンブ本気なんだってこと。凄く伝わってきたし」

十九川ヤコ :「十九川の継承者として、だけでなく。“あたし”自身を慮ってくれた。誠実なあなたにだから」

十九川ヤコ :「わたしも。本音で、答えなくちゃいけないね」

十九川ヤコ :「今、脱出して。イチ抜けするつもりはありません」

十九川ヤコ :「あたしにはまだ、此処でやらなくちゃいけないことがある」

十九川ヤコ :「それは。紛うことなき、あたしの意志だけど……」

十九川ヤコ :腰帯に吊るした刀の柄を握る。先の一戦で負った背の傷がずきりと痛む。

十九川ヤコ :けれど。

十九川ヤコ :「あなたが、財閥や家名……ううん、多分……それと同じくらい、何か、大事な物を背負ってるように」

十九川ヤコ :「あたしの背にも。あたしだけの想いじゃないものが、いっぱい詰まってるんだ」

ザイロック :「…………」

ザイロック :「オレの言葉に従わないとはな。オレは従順でない女は好かないが……」

ザイロック :「だが、貴様のような矜持も、嫌いじゃあない」

《整備士》 :「あの~」

《整備士》 :ひょっこりと木陰から出てくる。

《整備士》 :「なんとなくいい雰囲気になってますけど。ちゃんと言わないと伝わらないのでは~?」

十九川ヤコ :あ、ども、と頭をさげて。

十九川ヤコ :「………え?」

《整備士》 :「あ、これはどうも」会釈。

《整備士》 :「私こういうもので……んー、さっさと伝えた方が良さそうですね~」

《整備士》 :名刺を取り出す。

鳴無色葉 :「なんだなんだ」のぞきこむ。


《整備士》 :《仕込み》でザイロックに対して情報判定。

《整備士》 :2d6>=5 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

十九川ヤコ :整備士ちゃん!!

《整備士》 :あら!

鳴無色葉 :かわいいね

ザイロック :仕方ないから遁甲符をなげてやろう

鳴無色葉 :や、やさしすぎ

十九川ヤコ :ザイロック様♡

《整備士》 :ありがとうございます♡

《整備士》 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

《整備士》 :良かった~

《整備士》 :このまま【怪文】使用しますね~

《整備士》 :2d6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功

鳴無色葉 :なんと!!

鳴無色葉 :整備士ちゃん好き けっこんしよ

十九川ヤコ :怪文……つ、つまり……

《整備士》 :成功。対象はPC全員です。

鳴無色葉 :うおーーー!!!

《整備士》 :公開情報ですね~

ザイロック・アリー=マクル・カネモッティの【秘密】

「雨森の儀」が長引くほど、経営している企業にも損害が生じる。そのため、古夜の結界を内側から突破できる位置情報を発信することで、誘導ミサイルを霊森に撃ち込み、自分以外の候補者を全員焼き払うつもりでいた。


しかしながら、自分の嫁となる十九川ヤコも山に入ることを知り、計画を改めざるを得なくなった。

十九川ヤコが森から脱出するまで、計画の開始を遅らせるつもりである。


このキャラクターの生命点が0になっていない場合、第二サイクルのPC全員の手番終了時、ザイロックを除く森の中にいるすべてのキャラクターは、接近戦ダメージ1d3+2点を受ける。

ただし、この【秘密】を知っているキャラクターは、自分のシーンに《飛術》《詐術》《用兵術》《幻術》のうち好きな特技で補助判定を一度行うことができる。

判定に成功するたびに、計画の開始を1シーン遅れさせることができる。一度成功した特技は、以降の補助判定には使用できない。

十九川ヤコ :ありがたし……

GM :勾玉が渡されたので、その【概要】も十九川ヤコさんにお伝えしておきましょうね。

十九川ヤコ :はい……

GM :イタチさんにも共有か


《整備士》 :「というわけで~、はい」

《整備士》 :「できるだけ早めに焼き払いたいな~というのが、技術屋としての希望なんですが~」

ザイロック :「猶予を与えてやる。オレの優しさに感謝していいぞ」自慢げ!

鳴無色葉 :「う、う~ん……我としてはこの森自体も気になってるから焼き払わんでほしいのだが……」

鳴無色葉 :「ヤコ以外も焼き払われたら困るし……」

十九川ヤコ :唖然とした表情。「いや……うん。勿論そうだし」

十九川ヤコ :「こんな手法使ってお婿に選ばれたとしても……」

十九川ヤコ :「頭の固い、ウチのお偉方が納得するとは……思わないかな~、みたいな?」

鳴無色葉 :「……まあそれでも、何のメリットもないのに嫁にしようって女殴りにくる奴よりはかっこいいとは思うぞ」

ザイロック :「安心しろ。オレも資源を無駄にするつもりは無い」

ザイロック :「焼かれるのはこの山だけだ。他に被害が及ばないよう計算してある、そうだな?」

《整備士》 :「まあ、いちおう?」

十九川ヤコ :「いちおう!?」

鳴無色葉 :「いちおうじゃ困るんだが」

《整備士》 :「えへへ~、結界の突破は実戦データが少ないので~」

《整備士》 :「あ、私とザイロック様は専用の耐火シェルターを用意しているので大丈夫ですよ~」

鳴無色葉 :「あははは、そっかぁ。それは仕方ないし安心だなぁ~」

鳴無色葉 :「……ってなるか!!」

十九川ヤコ :「つーか、この山も一応、由緒ある霊験あらたかな山なんだけど……」

鳴無色葉 :「……まあ、全力で抗うより他あるまい」

鳴無色葉 :「話し合いで止めてくれるような相手でもないだろう……」

《整備士》 :「ご意見・ご相談はカスタマーセンターまで~」

《整備士》 :名刺を差し出す。

《整備士》 :『八咫重工・第八種重車両運用計画室・副室長補佐代理 十徳釵振』と書かれている。

鳴無色葉 :「……………………………」

十九川ヤコ :「あ、これはご丁寧に、どうもどうも……」

鳴無色葉 :「十徳って……あの悪徳商人の親戚か?」

十九川ヤコ :「……あ、ホントだ」

鳴無色葉 :「だから胸がデカいのか???」

十徳釵振 :「いやですね~、ウチはみんな誠実な商売でやってますよぅ」

ザイロック :「そのあたりでいいだろう、整備士」

ザイロック :「確かに伝えたぞ、十九川ヤコ」

ザイロック :「また外で会おう」手を振って、山を降りていく。

十九川ヤコ :「はい、ザイロックさん」

十九川ヤコ :「あたし。降りる気、無いですから」

十九川ヤコ :「悪いけど。止めさせていただきます」

十九川ヤコ :「この森には。あたしの大切なヒトたちも入ってる」

十九川ヤコ :「それに……」

十九川ヤコ :「藪を突いて出るのは、蛇だけじゃ無い」

十九川ヤコ :「忍びの霊森は。あなたが思っているより、危険ですよ」

十九川ヤコ :「お気をつけて」

GM :====


芹野 成海 :【追尾】使用します。標的は世過氷柱さん!

GM :どぞお

鳴無色葉 :あっじゃあ感情修正……できないじゃん!

GM :シーンに出てないからね。

芹野 成海 :いないからね

鳴無色葉 :その前に心が冷たいから……

芹野 成海 :というか冷たかった

芹野 成海 :とりあえず振ります!

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:隠形術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功

芹野 成海 :おっ成功

GM :では世過氷柱の居所を獲得し、世過氷柱に対する奥義破り判定にプラス1ですね。

GM :====


オウギ :「ツララ様おかえりー。どうだった?」

世過氷柱 :「問題ない。私の顔と同じく……乱れない戦いだった」

オウギ :「さすが! 一発ケーオーしたんだね!」

オウギ :「勾玉もすぐ集まっちゃうね~!」

世過氷柱 :「……」

世過氷柱 :「オウギ、私はときに思うことがある」

世過氷柱 :「私の美しさをあまり飾り立てることは、忍びとして相応しくないのではないかと」

オウギ :「ツララ様?」

世過氷柱 :「ただでさえ私の美貌に相手は惑い、そして凍りつく。これに加えて宝飾して威圧すれば、私の剣は正当な評価を受けられないのではなかろうか」

オウギ :「ツララ様?」

世過氷柱 :「勾玉などつけなくても……全員斬ればよいのではなかろうか?」

オウギ :「ツララ様?」

GM :====


GM :第一サイクルを終了します。

GM :解除判定がしたい人はいるかな~?

水瀬 一理 :します…………

GM :故障の解除判定は《絡繰術》だぜ!

水瀬 一理 :故障の解除、絡繰術ですが、骨法術で代用。スペチェ

水瀬 一理 :2D6>=15 (判定:骨法術)

水瀬 一理 :あれ

水瀬 一理 :2D6>=15 (判定:骨法術)
(2D6>=15) > 4[2,2] > 4 > 失敗

水瀬 一理 :だめでした

GM :ドンマイ!

GM :では他になければ、第一サイクルは完全に終了します。

鳴無色葉 :私は大丈夫!

十九川ヤコ :大……丈夫!

GM :====

【第二サイクル:マスターシーン】

GM :抜戸涯が十九川ヤコに戦闘を仕掛けます。

十九川ヤコ :????????????????????????

鳴無色葉 :感情で乱入するよ!

芹野 成海 :なんらかにより乱入します!

十九川ヤコ :お前ら………(ヤンクミ)

十九川ヤコ :色葉・成海があたしの翼だ

抜戸涯 :はは、ハーレムだな

十九川ヤコ :貴様もあたしのハーレムに加えてやるってんだよ!

抜戸涯 :俺ァ縛られるのは嫌いでね

GM :戦闘参加者は4名! 4ラウンドで決着ぜ


GM :【第一ラウンド】

抜戸涯 :【影分身・略式】を使用。

鳴無色葉 :でたな

十九川ヤコ :よしやがれ~~~ッ

芹野 成海 :奥義使用します

十九川ヤコ :いけ~~~~ッ!!

抜戸涯 :こいつがあったな……! 目標値は9だ

芹野 成海 :《よもついくさのもがりのところ》指定特技は死霊術
惟神・黄泉神/くらまし/術式開示

抜戸涯 :2d6>=9 (2D6>=9) > 7[3,4] > 7 > 失敗

鳴無色葉 :よし!!!!

十九川ヤコ :よっしゃ~~~~~~!!!

抜戸涯 :厳しいねぇ

芹野 成海 :うおーッ!

芹野 成海 :屍忍が二体出現します

鳴無色葉 :♡成海♡死者を冒涜して♡

十九川ヤコ :出たァ!

芹野 成海 :この「ランダムで決定」ってのはプロット開示前にもうやっちゃう感じでしょうか?

GM :そうですね。

芹野 成海 :了解です、ダイス振ろう

芹野 成海 :1d6 屍1 (1D6) > 6

芹野 成海 :1d6 屍2 (1D6) > 2

十九川ヤコ :ええ位置やこれは…

鳴無色葉 :いいばらけかた!

鳴無色葉 :プロ前なし、プロOKです!

芹野 成海 :プロットもOK!

抜戸涯 :決まったぜ。

十九川ヤコ :OK…!

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

抜戸涯 :ふむ。6にするか

○戦場:平地

<プロット6>

(芹野、抜戸、屍忍1)

<プロット5>

(鳴無)

<プロット2>

(ヤコ、屍忍2)

GM :プロット6、1d100どうぞ

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 77

抜戸涯 :1d100 (1D100) > 70

屍忍1 :1d100 (1D100) > 80

GM :屍忍1くんから、どうぞ

屍忍1 :では痛打しつつ接近戦攻撃で抜戸さんを攻撃します

屍忍1 :SG#6>=7 (判定:身体操術) (SG@12#6>=7) > 5[1,4] > 5 > ファンブル

屍忍1 :hai

GM :さき【痛打】ふっておいてよかったね

屍忍1 :でも攻撃は惟神の効果により自動成功するぜ

十九川ヤコ :惟神ってすごい。改めてそう思った

鳴無色葉 :やっぱ比良坂だな……

GM :すごい……

屍忍1 :特技は身体操術です

抜戸涯 :目標値は7.

抜戸涯 :2d6>=7 (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功

抜戸涯 :成功。

十九川ヤコ :???

鳴無色葉 :バッドすぎるよ~~

屍忍1 :連撃使用します

抜戸涯 :おっと、器用な真似を

屍忍1 :もう一回身体操術だぜ

抜戸涯 :2d6>=7 (2D6>=7) > 4[2,2] > 4 > 失敗

鳴無色葉 :うおー!!ナイスぅ!!

抜戸涯 :く、足りずか

十九川ヤコ :あっ連撃の判定は?

抜戸涯 :【連撃】は判定がいらない忍法だぜ、嬢ちゃん

十九川ヤコ :しらなかったそんなの……

屍忍1 :連撃指定特技ないんですよね……

抜戸涯 :【風饗】とは違う。覚えておきな。

十九川ヤコ :ためになるなあ。

鳴無色葉 :ここまで使った【痛打】と【連撃】がひとつで覚えられる忍法があるんですか!?

抜戸涯 :というわけで接近戦ダメージ1点を受けつつ

抜戸涯 :1d6 (1D6) > 6

抜戸涯 :【逆風】だ。成功すれば戦闘脱落しない。

抜戸涯 :2d6>=5 (2D6>=5) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

抜戸涯 :いいねえ

十九川ヤコ :??????????

鳴無色葉 :???????

屍忍1 :???

system :[ 抜戸涯 ] 体術 : 0 → 1

抜戸涯 :タイミング的には、回復できるのは体術か

抜戸涯 :ほら、スーツの嬢ちゃんの番だぜ

芹野 成海 :強すぎんか??

芹野 成海 :う~んちょっと悩むが

鳴無色葉 :でも【逆風】は使わせたからな。成海が生命力減らせれば問題ない

十九川ヤコ :そうだぜ

芹野 成海 :いいや、戦駒で抜戸さんを攻撃します

GM :どうぞ!

芹野 成海 :SG#6>=5 (判定:経済力) (SG@12#6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

十九川ヤコ :芹野~~~~~~~♡

鳴無色葉 :かっこいい~~~~♡

抜戸涯 :《経済力》は8か

抜戸涯 :ここは奥義だな。『艶鱗天上至』。

抜戸涯 :《分身の術》の判定妨害で4の目を1に!

鳴無色葉 :初めて見たから破れん!

十九川ヤコ :奥義情報を持ってるのは……あたしだけかな

十九川ヤコ :いや!芹野さんもだ!

芹野 成海 :私も持ってる!

十九川ヤコ :あたしは破る!

芹野 成海 :破ります

芹野 成海 :あっ

十九川ヤコ :どうした!?

GM :どぞどぞ

芹野 成海 :あっいやなんでもなかった

十九川ヤコ :ホッ……

芹野 成海 :破ります!!!!

十九川ヤコ :色葉ちどちからに感情判定くれるとうれしいかも!

十九川ヤコ :あたし目標7!

鳴無色葉 :ヤコぴに!+1!

鳴無色葉 :芹野さんは心が冷たいので。

十九川ヤコ :芹野……

十九川ヤコ :ありがとう!では振ります。

鳴無色葉 :我からの感情修正はセーフにならんか?

GM :なりません。

鳴無色葉 :とほほ

十九川ヤコ :2D6+1>=7 (判定:刀術) (2D6+1>=7) > 6[2,4]+1 > 7 > 成功

芹野 成海 :SG#6>=6 (判定:傀儡の術) (SG@12#6>=6) > 10[4,6] > 10 > 成功

十九川ヤコ :サイコ~~~!!

鳴無色葉 :うおーー!!!!

芹野 成海 :破った~ッ

抜戸涯 :破られるか……! 生命消費の弱みで生命点を2点削る。

抜戸涯 :体術と、謀術にしとくか

system :[ 抜戸涯 ] 体術 : 1 → 0

system :[ 抜戸涯 ] 謀術 : 1 → 0

抜戸涯 :回避だ。

抜戸涯 :2d6>=8 (2D6>=8) > 5[1,4] > 5 > 失敗

十九川ヤコ :やったか!?

鳴無色葉 :成海最強~~~~~♡♡♡♡♡

芹野 成海 :うお~ッ

抜戸涯 :この人数相手じゃ、なんともなんねえなぁ

芹野 成海 :従者二人いるので接近戦2点と集団戦1点!

抜戸涯 :2d6 (2D6) > 6[2,4] > 6

抜戸涯 :どっちも消えてるから忍術だけ残すぜ。

抜戸涯 :WT 変調表(1) > 故障:すべての忍具が使用不能。1サイクルの終了時に、《絡繰術》で判定を行い、成功するとこの効果は無効化される。

抜戸涯 :故障か……兵糧丸が消えちまったな

抜戸涯 :戦闘脱落!

system :[ 抜戸涯 ] 器術 : 1 → 0

system :[ 抜戸涯 ] 戦術 : 1 → 0

system :[ 抜戸涯 ] 妖術 : 1 → 0

十九川ヤコ :ホホホのホ……

抜戸涯 :だが一発、殴り返させてもらおう

芹野 成海 :同タイミングだもんな~

抜戸涯 :芹野成海に【夜叉】で攻撃だ……!

抜戸涯 :2d6>=5 (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗

抜戸涯 :はっは、流れが悪ぃや

鳴無色葉 :芹野成海つよすぎんか???

芹野 成海 :危なかったぜ

十九川ヤコ :最高の女

GM :ではプロット6終了時、抜戸涯は脱落します。

芹野 成海 :手強い男だった……

GM :プロット5以下はどうされますか

鳴無色葉 :戦闘続行の意志ナシ!

十九川ヤコ :同じく。

GM :じゃあ芹野さんが勝者でいいってこと?

鳴無色葉 :かまわぬよ♡

鳴無色葉 :ただまあ情報を得るつもりなら我が勝者だと

鳴無色葉 :一気に情報いってお得かもね

十九川ヤコ :あ~~~そうだね

芹野 成海 :そう、イタチ勝者の方が効率よさそうな気もする

十九川ヤコ :芹野さんよろしければあたしは色葉ち勝者でおねがいしたいです!

芹野 成海 :いいぜ!

鳴無色葉 :彼女補整で勝者になります。

GM :では芹野さんとヤコさんはラウンド終了時自主脱落ということで。

十九川ヤコ :ウス

芹野 成海 :脱落します!

GM :勝者の鳴無さんは戦果をどうぞ。

鳴無色葉 :あ~……PCの情報でもいいんだが……

鳴無色葉 :まあせっかくだからバッド氏の情報を得ます。

GM :ほうほう 了解で~す

鳴無色葉 :感情でヤコぴと芹野さんにもいきます!

GM :送ったよ

十九川ヤコ :理解しました……

芹野 成海 :確認しました!

鳴無色葉 :核にんしました……

芹野 成海 :ニュークリアニンジャ!?

GM :演出!

GM :====


GM :──霊森・枯地

GM :霊森には、エネルギーが行き渡っているのだろうか、青々と木々は茂っている。

GM :しかしこの空間では、樹皮は白く、枯葉が地面を隠していた。

GM :湿り気が保たれることは無い。冷えて乾いた空気が溜まっている中に。

抜戸涯 :「──ひゅう」

抜戸涯 :風鳴か、口笛か。足音よりも先に軽快に鳴らして、抜戸涯が現れる。

抜戸涯 :「誘いこまれたみてぇだな」

抜戸涯 :「数で囲むのは良い手だぜ。何より、枯れ木も賑わうってもんだ」

鳴無色葉 :「枯れてるのはどっちかな?」

鳴無色葉 :「お前がヤコを襲いに来るのは婿選びの儀式から考えるとメリットがなくみえる。なら、それ以外の何かの思惑があると考えて、また起きた時の対策はして当然だろう」

鳴無色葉 :「好きな奴に殴られて悦ぶ女はあんまりいないぞ?」

抜戸涯 :「俺だって好きな女を殴りたかねぇや」

抜戸涯 :「ただ、そうなっちまうことはある」

十九川ヤコ :「あたしも。そーいうシュミのオトコのヒトはちょっとね」

十九川ヤコ :「抜戸さんのジジョーは、存じ上げないけど」

十九川ヤコ :枯葉を荒々しく踏み、きっ、と。闘志を燃やした瞳で。

十九川ヤコ :「ただ殴られてばかりの、ヤコちゃんじゃねえぜ」

十九川ヤコ :「美しく、姦しく? テーコーしてみせますよ」

抜戸涯 :「心外だな。俺ァ趣味と仕事の区別はつける男だぜ?」片眉を吊り上げる。

抜戸涯 :「女三人寄れば……ね。スーツの嬢ちゃんも出て来いよ」

芹野 成海 :「……はあ」

芹野 成海 :「分かってたけど、この程度の偽装が通じる相手じゃねーわね」

芹野 成海 :一本の木に残っていた枯れ葉が剥がれ落ちるとともに、そこに忽然と姿を現す。

芹野 成海 :二人が彼を待ち受け、さらに隠れていた自分がアンブッシュをかけるという作戦ではあったが──

芹野 成海 :「だが、数的有利に変わりはない」

芹野 成海 :目の前の男が、いかに油断のならぬ実力者であろうとも──

芹野 成海 :彼女ら二人の腕前は、決して劣らぬものだと理解している。

芹野 成海 :そして己も、同じ轍を踏むつもりはない。

芹野 成海 :両耳を飾るイヤリング──挿し櫛を模った、高級というほどでもないが、"安物というほどでもない"もの。

芹野 成海 :(……これ、そこそこすんのよね)

芹野 成海 :(つっても)

芹野 成海 :それを左側だけ外し、櫛の一番端の歯を折る。

芹野 成海 :「出し惜しみする気はねーのよ」

芹野 成海 :ポケットから取り出した100円ライターで、その折った歯に火をつける。

芹野 成海 :「『極楽の 森か林か古里は 古里ならば 降りて給われ』」

芹野 成海 :宣られた呪詞が響くとともに、周囲の木々が不吉に騒めく。

芹野 成海 :その葉の擦れる音は、人の囁く声にも似ている。

芹野 成海 :「私の術式は、『いい加減なものでも、効果の高い呪具として扱える』術」

芹野 成海 :敢えて聞かせるように、己の術式の種を明かす。

芹野 成海 :「もっと正確に言えば──『死者の魂の価を借りて、呪具としての格を上乗せする』術」

芹野 成海 :見られてはならない呪いの形代を、敢えて相手の目につく場所に置くように──

芹野 成海 :『そのような術が行われている』という意識を植え付けることこそが、その術式の呪力を上げる。

芹野 成海 :「江戸時代から続く忍びの隠れ里。それも、生死を懸けた試練に使われる霊山」

芹野 成海 :「そこに漂う魂の価は、そこらの街よかよっぽど高い」

芹野 成海 :ささめく枯木が、ひそめく声が──

芹野 成海 :聞き取れないほど小さく、不明瞭なまま、"気配だけが"膨れ上がってゆく。

芹野 成海 :「黄泉軍《よもついくさ》の殯斂之處《もがりのところ》」

芹野 成海 :「无火殯斂《ほなしあがり》に火を灯す」

芹野 成海 :その声に応えるように──

芹野 成海 :不可視の"何者か"が、戦場に姿を現す。

芹野 成海 :不可視の? いや、この場に集う、力ある忍びたちの目には見えるかもしれない。

芹野 成海 :それは、和装の人影だ。

芹野 成海 :「死霊術を以て死霊術を為す」

芹野 成海 :「ロンダリングじみたやり口だけど──」

芹野 成海 :「"この山"なら、できる」

芹野 成海 :和装の人影のうち一つが、ゆらめくように、腰に差した刀を抜く。

芹野 成海 :──鬼衆分五。十九川家五代目の時代の人。霊山にて、妖魔との戦いの中、命を落とす。

屍忍1 :影の"男"は影の刃を八双に構え──

屍忍1 :抜戸へ向けて、影速の斬撃を放つ。

抜戸涯 :「なるほど、こいつぁ」

抜戸涯 :ナイフで弾く、冷や汗を流す。

抜戸涯 :(見えても捌けねえ)

抜戸涯 :首筋に受けた切創から鮮血が迸り、冷や汗を追った。

抜戸涯 :「おおお……!」

抜戸涯 :空中に舞った血が、龍のような紋様を描く。

抜戸涯 :龍の胴体を通るように、血だまりと化した姿で屍忍をすり抜け。

抜戸涯 :「うらぁっ!」

抜戸涯 :芹野成海へ向け、ナイフを投擲する。

芹野 成海 :神速の投擲に、冷や汗を一つ流しつつも──

芹野 成海 :ポケットから一本の十徳ナイフを取り出す。その持ち手には、ビニールひもが何本も括り付けてある。

芹野 成海 :「──『手にとりて 三刀は何と いふやらん 文殊のつくり 不動くりから』!」

芹野 成海 :呪句を唱え、ビニールの"幣"の付いた"小刀"を振ると。

芹野 成海 :飛来するナイフに付着していた抜戸の血が洗われるように流れ──

芹野 成海 :血闘の術式を帯びた必殺の反撃は、単なる投擲となる。

芹野 成海 :(……危なかった。マジで最後まで油断できねーヤツね)

芹野 成海 :身を翻してナイフを避けつつ、その反撃に背筋を冷やす。

抜戸涯 :「ち……焼きが回ったなぁ」

抜戸涯 :「真正面から攻撃して、届くわきゃねえわな」

芹野 成海 :「あんだけやっといてメチャクチャ抜かすわね」辟易した顔で言い返す。

抜戸涯 :「年季が違うのさ」傷を押さえ、膝をつく。

抜戸涯 :「それで……俺の目的が知りたいんだったか」

抜戸涯 :「”人狩り”さ、ハグレらしい汚れ仕事だ」

鳴無色葉 :「……なるほどな、そういうことだったのか」

抜戸涯 :「ああ。依頼人の顔も知らねえが」

抜戸涯 :「ま、これで食ってるもんでなあ」

十九川ヤコ :暫し瞑目し、腕を組んで。

十九川ヤコ :「金さえ詰めば、クライアントなんてコロコロ変える“ハグレモノ(ひとたち)”も居るケド」

十九川ヤコ :「抜戸さんは、あたしがお願いしたら。やめてくれる?」

十九川ヤコ :「それとも……まだ、そのナイフ。握るつもり?」

抜戸涯 :「言っただろう? 趣味と仕事の区別はつけてんだ」

抜戸涯 :「たとえ嬢ちゃんの頼みでも、筋は通さなきゃなァ」

十九川ヤコ :「ん」場違いに。雰囲気にそぐわない微笑みを見せて。

十九川ヤコ :「そういう、プロとしてのコダワリ。あたしは好き」

十九川ヤコ :「正々堂々じゃなくて悪いけど……あたしもまだ、やられるワケにゃあ、いかんし」

十九川ヤコ :「来るならいつでも来てよ」

十九川ヤコ :「でも、あたしひとりじゃ、あなたに敵わないから」

十九川ヤコ :「そん時はまた、ウチらの絆パワーでフルボッコにしちゃうけどサ」

抜戸涯 :「いいさ。一人で戦おうとしてたさっきよりか、ずっと本気だろ?」

抜戸涯 :「……”十九川の八代目当主”が仕事の標的だ。嬢ちゃんがハグレモノになってくれるなら、それでよかったんだがな」

十九川ヤコ :「あ? ああ~~~……」

抜戸涯 :「詮無いことか。今の姿の方が、似合ってるぜ」

十九川ヤコ :だからか……と。得心が言ったように頷いて。

抜戸涯 :ひゅう、と木枯らしが吹く。

十九川ヤコ :「うん」

十九川ヤコ :「あたしも、そー思うよ」

抜戸涯 :風鳴か声援か、巻き上げられた落ち葉の中に消えた。

GM :====

【第二サイクル:鳴無色葉】

GM :登場希望と2d6を振りな~

鳴無色葉 :はい!登場希望は、ヤコちゃん水瀬さん芹野さん、つまりPC全員!やることはヤコちゃんの秘密を調べるぜ。

十九川ヤコ :きゃっ

芹野 成海 :出るぜ出るぜ

水瀬 一理 :いきます

鳴無色葉 :シーンの2d6ですが、なんらかの効果で、11番のシーンに出ます。

水瀬 一理 :ほほう

十九川ヤコ :なんらか!なんらか!キャッキャ!

GM :くっなんらか

GM :了解です。

芹野 成海 :なんらかだ!

GM :11>深山幽谷の果てに、霊力に満ちた泉を発見する。シーンの登場者は、《意気》の判定に成功すると、生命点を1点回復させることができる。

鳴無色葉 :じゃあ水着回ってこと!?

十九川ヤコ :なんと

GM :そうですね。

鳴無色葉 :そうですね!?!?!?!?!

鳴無色葉 :割と成功させたいのでヤコぴと芹野さんから感情修正もらえるとうれしい!

芹野 成海 :いいぜ

鳴無色葉 :ありがと♡

十九川ヤコ :秘密抜きにとっとかなくてだいじょうび?

芹野 成海 :あっそっちもあるか

鳴無色葉 :5は出るってルルブにかいてあるし……

十九川ヤコ :あっそっかあ……

十九川ヤコ :ならやるぜ!+1だ

鳴無色葉 :ありがと♡ヤコぴもいる?

十九川ヤコ :ん~~~~いや、この後の行動でお願いするかもだし やめときます

水瀬 一理 :あっちなみに、補助判定もある

十九川ヤコ :あっそうじゃん

水瀬 一理 :そっちに取っとくのもありはあり

鳴無色葉 :あっそうね……まあここで回復できれば大きいので……

鳴無色葉 :というわけでふります!+2!

鳴無色葉 :2D6+2>=10 (判定:九ノ一の術) (2D6+2>=10) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功

十九川ヤコ :すごすぎ

水瀬 一理 :ばっちし

芹野 成海 :メチャクチャ高い

鳴無色葉 :戦術を回復!

GM :「シーンの登場者」なので振りたい人は振っていいよ

十九川ヤコ :《結界術》で代用判定するぜ

十九川ヤコ :2D6>=8 (判定:結界術) (2D6>=8) > 4[1,3] > 4 > 失敗

十九川ヤコ :ウン

水瀬 一理 :千里眼の術で代用

水瀬 一理 :2D6>=11 (判定:千里眼の術) (2D6>=11) > 10[5,5] > 10 > 失敗

鳴無色葉 :おっおしい

水瀬 一理 :あーーー

GM :あらおしい

芹野 成海 :2D6>=8 (判定:罠術) (2D6>=8) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

鳴無色葉 :芹野!!

鳴無色葉 :なんで傷ついてないのに振った!!

芹野 成海 :あっていうかダメージ受けてないじゃん

十九川ヤコ :

GM :ファンブル表ふろっか

水瀬 一理 :oh

十九川ヤコ :生えねえよ!そうじゃん たいへん

GM :というのもかわいそうなので、ここは免除します 私は何も見なかった

十九川ヤコ :やさGM……

水瀬 一理 :お慈悲

鳴無色葉 :えっ激優しGM…………

芹野 成海 :G、GM……ありがとう……

GM :では改めて

GM :====


GM :──霊森・泉

GM :清涼な水がたたえられた泉が、ひっそりと存在していた。

GM :何年の間も、人が足を踏み入れたことのない領域である。草花のひとつひとつが、瑞々しく震えている。

GM :生命のエネルギーに満ちた場所であるらしい……あなたたちは、身体を休めることにした。

鳴無色葉 :「こんなに早く水着回が来るとはなぁ!」

鳴無色葉 :どうして用意していたのか、水着にちゃっかり着替えて泉で遊んでいる。

鳴無色葉 :「泉の水も美味しいし生き返るなぁ~。この森危険すぎワロタになっちゃったからな……」

鳴無色葉 :「みんなも来たらどうだ?気持ちがいいぞ!」

水瀬 一理 :「うーん、さすがに水着の用意はないんですよねえ。名こそ水瀬ですが」

水瀬 一理 :とはいえ明らかに負傷をした状態で、右手を上着に隠している。

十九川ヤコ :「同上」ぐったりと木陰で涼んでいる。

芹野 成海 :「ていうか逆に」

芹野 成海 :「なんでアンタは水着持ってきてんの?」

鳴無色葉 :「な……なんでみんな持ってないんだ?」

鳴無色葉 :「田舎っていったら……水遊びだろ!」

水瀬 一理 :「水辺、本、濡れるじゃないですか」

水瀬 一理 :どっこいしょ、とその辺に座って白紙の本を開こうとしている。

芹野 成海 :「そこまで田舎とイコールで結びつくか? 水遊び」

十九川ヤコ :「メイク落ちちゃうからあーしもヤ」

鳴無色葉 :「うぉーたーぷるーふをつかえ!」

十九川ヤコ :「失念してた……てか」

十九川ヤコ :ぐい、と。首を水瀬さんの方にもたげて。

水瀬 一理 :本を読もうとして、痛そうに右手を振っている。

十九川ヤコ :「びっくりしたよ。イッチ」

水瀬 一理 :「はい?」

水瀬 一理 :「びっくりさせちゃいました?」

十九川ヤコ :「うん。やっと見つけたと思ったら、腕。スゲ~ことになってるし」

水瀬 一理 :「あはは、まあ肘をぶつけたくらいのもので……」

水瀬 一理 :「ジーンってしますが、まあまあ」

十九川ヤコ :「ええ~。ここでこうやって見てるだけでも。背中に氷柱ぶっ込まれたみたいにヒエヒエする呪いのチカラを感じますが……」

水瀬 一理 :「……バレちゃうんだからなあ」

水瀬 一理 :「氷柱さん、正直ね。手強いどころじゃないですよ。強いのもそうですが……」

水瀬 一理 :「魅入られる」

水瀬 一理 :「気をつけて」

水瀬 一理 :声を落としてそれだけ言う。

鳴無色葉 :「ほお……?」

鳴無色葉 :泉の中の綺麗な石を拾っていたが興味深そうな声を出す。

鳴無色葉 :「たしかに面が良い男ではあったが……ミッチがそこまで言うとはな」

水瀬 一理 :「顔がどうとかじゃないですよ、なんでしょうね、氷でできた城があったら、息を呑むでしょ?」

水瀬 一理 :「そういう種類ですね、あの人は。怖い怖い」

十九川ヤコ :「“魅了(チャーム)”が得意な妖魔の血を引いてるのかもだけど」

十九川ヤコ :妖魔やらのニオイには鼻が利く。

十九川ヤコ :「イッチの具合からして、純粋な技量のほども相当なモノだってのはわかります、うん」

水瀬 一理 :「……なんとか治します。はい」

芹野 成海 :「しかし、隠忍狩りの血筋の婿入りに、妖魔の血を引くようなやつが来るもんかしら?」

芹野 成海 :「魔王流とかそっちの系統?」

鳴無色葉 :「怪しいよなぁ。鞍馬だって言って来てたぞ」

水瀬 一理 :「恐らくは、隠忍の血統で間違いないと思いますがね……」

十九川ヤコ :「う~~ん。鞍馬の剣術を扱っている、とは言ってたけど」

十九川ヤコ :「鞍馬に所属している、とは明言されてなかったし」

十九川ヤコ :「鬼衆のひとたちも、戦場で遭遇……みたいな言い方だったし?」

十九川ヤコ :「一番早いのは、チョクで聞くことなんだけど……」

鳴無色葉 :「まあミッチを襲った時点でまたかち合うかもしれんな……」

水瀬 一理 :「次に誰が会うかは別として、また来そうではある」

鳴無色葉 :「技量が相当って話ならあの抜戸涯ってヤツも相当だな」

鳴無色葉 :「成海がボコボコのボコにしたとはいえ、多分また襲ってくるぞ。なんせ……」


鳴無色葉 :というわけで抜戸涯さんの秘密を水瀬さんに渡し、公開情報にします。

水瀬 一理 :ありがた!

GM :了解です。

抜戸涯の【秘密】

実は婿入りを目的とはしていない。

十九川ヤコのことをよく思わない十九川の者から、儀式にかこつけて、十九川ヤコのことを暗殺する依頼を受けた。

結界も単身で破ったわけではなく、わざと開けられた綻びを利用して古夜に訪れたのだ。

彼の【本当の使命】は、十九川ヤコの生命点を0にすることだ。



抜戸涯はプライズ「勾玉・弐」を所持しており、この【秘密】を入手したPCは、「勾玉・弐」の【概要】も獲得する。


「勾玉・弐」の【概要】

このプライズに【秘密】は無い。

「雨森の儀」に用いられる勾玉。四つ存在し、すべて集めた者は霊森から脱出できる。

内部に「8」と読める模様が浮かんでいる。

水瀬 一理 :すみません、それに続きまして

水瀬 一理 :私が所持しているプライズの情報を、鳴無さんにお渡ししたいと思います。公開になるはず。

鳴無色葉 :なにっ!

鳴無色葉 :ありがとうございます!

GM :了解です。

「勾玉・壱」の【概要】

このプライズに【秘密】は無い。

「雨森の儀」に用いられる勾玉。四つ存在し、すべて集めた者は霊森から脱出できる。

内部に「1」と読める模様が浮かんでいる。

水瀬 一理 :「……その、勾玉なんですが」

水瀬 一理 :「気になることが……その……」

鳴無色葉 :「ほお?気になる事か」

水瀬 一理 :左手で不器用に、ポケットから何かを取り出す。

鳴無色葉 :「勾玉と匂い玉、似ているな……とは思っていたが……おお?」

水瀬 一理 :勾玉だ。儀式の最初に婿候補に手渡されたはずの。

水瀬 一理 :「すいません、持っちゃってました」

鳴無色葉 :「なっ!ミッチが!?」

鳴無色葉 :「……ああ、あのお花の男に託されたのか……」

水瀬 一理 :「置いてかれたって言ったでしょ。そうそう」

水瀬 一理 :「まずね、ひとつ気になるのは数字かな、と。弐なのに8というのが」

水瀬 一理 :「こっちは壱で1だから大して気にしてなかったんですが。今妙だなと思いまして」

水瀬 一理 :「もうひとつは、私が氷柱さんを隠忍と感じた理由なんですが」

水瀬 一理 :「これ、妖魔寄せって言われてたんですよね」

水瀬 一理 :「まあ、飽くまで推理なんですけど。甘い匂いって言われた。もしかしたらこいつのせいで狙われたのかなーとか」

鳴無色葉 :「ほお……なるほど、そういうことだったのか……」

鳴無色葉 :「……じゃあ妖魔寄せの勾玉を持たされて妖魔である氷柱がよってくるってことは氷柱を勝たせるための儀式なのか……?」

水瀬 一理 :「どうなんでしょうねえ。そこもわからない」

鳴無色葉 :「綺麗な勾玉だよな……心惹かれる……」

鳴無色葉 :「い、いや我は妖魔ではないのだが……」

十九川ヤコ :かたかた、と喧しい大刀の鍔鳴りの音を抑えつつ。

十九川ヤコ :「ん。それに、妖しいものたちが寄せられるのはマチガイ無さそうだけど」

十九川ヤコ :「氷柱さんに勝ち残ってもらうため……かどうかは。確かにまだ、わからないね」

鳴無色葉 :「……ううん。たしか成海も持ってんだったよな……」

芹野 成海 :「ええ、あのおっさんが最初に渡してきたやつ……」

鳴無色葉 :「……この勾玉、我が一回全部預かってもいいか?」

鳴無色葉 :「すごく心惹かれるし……必要なもののような気がする……」

水瀬 一理 :「ふむ。どっちみち揃えないと意味がないものですよね」

水瀬 一理 :「必要なのであれば、貸与はいたしますよ」

芹野 成海 :「アンタそれ自分が欲しいからじゃねーでしょうね……?」

鳴無色葉 :「ちっ、違う!全然だっこして寝ようとか思ってないぞ」

十九川ヤコ :「数を揃えれば、それだけ危険が増すかもしれないけど」

十九川ヤコ :「ん。あたしは色葉っちがそうしたいと思うのなら、それでいいと思う」

鳴無色葉 :「おっ、抱っこして寝ていいのか!」

芹野 成海 :「そっちじゃねーわよ!」

鳴無色葉 :「ちゃんと割らないように気をつけるから……」


鳴無色葉 :そういうわけで……みんなの勾玉をくれると……うれしい!

水瀬 一理 :了解です。勾玉・壱を鳴無さんにお渡しします。

鳴無色葉 :ありがと~♡

十九川ヤコ :じゃあ一応、カネモッティ様から貰った勾玉も色葉ちゃんに譲渡しますという宣言をしておきます。

十九川ヤコ :これ、公開情報かしら?

GM :そうなりますね。

十九川ヤコ :うす、よろしくおねがいします

GM :まあ公開していいか

十九川ヤコ :あ、違うか。

鳴無色葉 :ありがと~♡♡

十九川ヤコ :プラス、水瀬さんにその情報を渡そう。

水瀬 一理 :いただきます

「勾玉・参」の【概要】

このプライズに【秘密】は無い。

「雨森の儀」に用いられる勾玉。四つ存在し、すべて集めた者は霊森から脱出できる。

内部に「3」と読める模様が浮かんでいる。

芹野 成海 :ちょっと不安だけど……私も勾玉・弐を色葉さんに渡します

GM :オス

鳴無色葉 :ありがと~♡♡♡

GM :では勾玉・壱、弐、参が鳴無さんのもとに集まりました。

鳴無色葉 :うひひひ!!妖魔の力が高まってくるぞい!

十九川ヤコ :妖魔!?

鳴無色葉 :ち、ちが……

芹野 成海 :狩らなきゃ……

水瀬 一理 :ふふっ

GM :踏まえた上で行動どうぞ~


鳴無色葉 :「しかしまあ、なんか変な婿連中が多いよなぁ……ザイロックも悪いやつではないんだが」

鳴無色葉 :「焼き払われたらかなわん……」

十九川ヤコ :「うん。あたしも……困る」

鳴無色葉 :「情に訴えてなんとか焼かんでもらうようにするか」

鳴無色葉 :ぴゅーっ!と口笛を吹くとどこからかリアル・イタチたちが集まる!

鳴無色葉 :リアル・イタチたちは手に横断幕を持っている。『焼かないで イタチのすきな 森だから』と書かれている!


鳴無色葉 :そういうかんじで補助判定をしようかな。

鳴無色葉 :≪用兵術≫に挑戦!

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :2D6>=7 (判定:見敵術) (2D6>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功

鳴無色葉 :ほっ……

十九川ヤコ :っっっっっっっぱイタチなんだよな

水瀬 一理 :ばっちり

芹野 成海 :金持ちもイタチには一片の情けをかける

GM :爆撃が一シーン延期されます

鳴無色葉 :やった~~~!


鳴無色葉 :「……これで可哀想さに爆撃をする心が痛み中止にしてくれるに違いないぞ。ククク……」

十九川ヤコ :「う~ん。組合と揉める面倒くささみたいなヤツ、熟知してそうだからな……」

十九川ヤコ :バカにならんな……と謎の頷きを見せている。

鳴無色葉 :「お前もなんか……組織の中で苦労してんだな……」

十九川ヤコ :「比良坂さん家の専売特許でしょ。そーいう苦労は」からからと笑う。

鳴無色葉 :「そうなのか?」

芹野 成海 :「部署によるんじゃない?」

水瀬 一理 :「うちはたまにどっと来ますね、上から圧がかかったりするとね」

水瀬 一理 :今とか。

鳴無色葉 :「へえ~、大変そうだなぁ。比良坂って」他人事のように頷いている。

十九川ヤコ :(色葉っち辞めたんか……? 比良坂)

鳴無色葉 :「そうだな……。ヤコは鞍馬だからやっぱり刀とか好きなのか?二つも持ってるくらいだしな」

十九川ヤコ :「ん~? 好きとか嫌い……とかは、無いかなあ」

十九川ヤコ :「今じゃ、無いと落ち着かない……っつーか」

十九川ヤコ :「両腕があるのに違和感を感じるヒトは、いねーでしょ?」

十九川ヤコ :「なんか、そうなりつつあるカモ」

鳴無色葉 :「……ほお。なるほどなぁ」

鳴無色葉 :「……我はこれからお前の抱えるものを暴こうとしている。それはお前にとって真に心を許したものにしか教えたくないことかもしれん」

鳴無色葉 :「我がそれに値する人間かどうかは分からん……が」

鳴無色葉 :そう言うと水着の上に羽織っているラッシュガードから小刀を取り出す。

鳴無色葉 :「……こういう、ちょっとお前の刀と似た外見の刀を愛用してるというよしみで……」

鳴無色葉 :その刀身は緋色に輝いている。

鳴無色葉 :「まあちょっとは親近感を持ってくれたら嬉しいというか……そんな感じだな」

十九川ヤコ :「おお、キレーだね」

十九川ヤコ :「うん。……あのさ。結構、恥ずかしいヤツだから」

十九川ヤコ :「誰にも自分から、言ったこと無いし。この先も、そのつもり……無かったけど」

十九川ヤコ :そう呟いて。代わる代わる、君たちを見る。

十九川ヤコ :既に、心も、身体も。誰も彼もが満身創痍。

十九川ヤコ :けれど、その瞳の色は。

十九川ヤコ :「いいよ。色葉っちなら」

十九川ヤコ :「あなたたちなら」

鳴無色葉 :「ヤコ……」

鳴無色葉 :「……この刀の名前。恋幟(こいのぼり)っていうんだ」

鳴無色葉 :「結構恥ずかしいから、あんまり言わないでおいてるんだが……特別だ」そう言ってニヤっと笑う。


鳴無色葉 :そんな感じで判定しようかな、ヤコちゃんの秘密を、刀術で!

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功

鳴無色葉 :イタチダイス安定してきたな……

GM :お見事!

十九川ヤコ :明かされちゃったぜ。

GM :送ります

鳴無色葉 :芹野さんにもいきます!

鳴無色葉 :まず渡すと思うけど水瀬さんはまっててね

芹野 成海 :もらうぜ

水瀬 一理 :わんわん

鳴無色葉 :うおっ ま まじか

鳴無色葉 :水瀬さんにも渡します!これで公開情報になるはず

水瀬 一理 :きゅーん!

GM :はーい

十九川ヤコのもうひとつの【秘密】

この【秘密】は「二色乞」の【秘密】としても扱う。


「雨森の儀」に最後まで参加し、「二色乞」の納められた祠を発見したのは、十九川ヤコと御洞八雲の二人であった。

そして祠に近づいたとき、怒り狂う強力な妖魔が現れたのだ。まだ未熟であったあなたたちは死の際に追い詰められた。

その場で偶然「二色乞」に触れたあなたは、その本当の力を知る。


「二色乞」には魔なるものを峻別する力がある。しかしてこの力は、妖魔や精霊などにしか発揮されないものではない。

忍びが有する超自然的な忍法。自らのその力を対象として、抽出・再構成することができる。

言い換えれば、忍びの肉体や魂を代償に、望む現象を引き起こすことができるのだ。


「二色乞」の本性を知ったあなたは、古くより続く「雨森の儀」もまた、目の前の強大な妖魔を鎮めるために、肉体の一部を捧げていることの方便に過ぎないと悟った。

だが、妖魔は怒りに囚われており、手足の一つを捧げても鎮めることはできない。

御洞八雲もそのことを察していた。そして彼は、自ら「二色乞」を用いて命を絶ち、妖魔を再び封じ込めたのである。

ただ笑顔で、あなたを縛る言葉を何も遺すことなく。

鳴無色葉 :「…………そうか」

鳴無色葉 :ヤコの手に触れ、その抱えているものを読み取ると静かに頷き。

鳴無色葉 :「……ひとりでよく抱えていたな」

鳴無色葉 :その長身をぎゅっと抱きしめる。

十九川ヤコ :「おお」ぱちぱち、瞬いて。されるがままに。

十九川ヤコ :「へへ。……あたし、さ」

十九川ヤコ :「ホントはもう、こんなトコ。来たくなかった」

十九川ヤコ :「死にかけたし。ジッサイ、幼馴染は死んじゃったし」

十九川ヤコ :「カタキを取ってくれ、とか。アイツが言ってくれれば。モチベも上がったカモだけど」

十九川ヤコ :結局。己と並ぶ実力を持った─────いや。

十九川ヤコ :己以上の強さを誇して散っていった。御堂八雲は。

十九川ヤコ :何も言葉に残さず。今も尚、今際の際の彼の笑顔ばかりが脳裏に浮かぶ。

十九川ヤコ :「あたしひとりなら。もうとっくにゼンブ投げ出して」

十九川ヤコ :「何もかもから、逃げてたかもしれない」

十九川ヤコ :「でもさあ」

十九川ヤコ :「同じようなシュミを持ったダチが居て」

十九川ヤコ :「イヤイヤっぽい雰囲気出しながらもさ。肩を貸してくれたダチが居て」

十九川ヤコ :「己の立場を弁えつつも、手を差し伸べてくれたダチが居て」

十九川ヤコ :「これじゃ、奮起しねーわけにも、いかんでしょ?」

十九川ヤコ :「だから、こんなのはもう、終わりにしたいのさ」

十九川ヤコ :「十九川の次代にまで、こんな想いを味合わせるのはもうゴメンだって」

十九川ヤコ :「あたしが……他の誰でもない、あたしの意志で」

十九川ヤコ :「この霊森に封された妖魔を、この刃で断つ」

十九川ヤコ :「命に替えても───────」

十九川ヤコ :って、思ってたけど。と呟いて。

十九川ヤコ :「スイパラは、惜しいからな」

十九川ヤコ :イタズラっぽく笑って見せる。

鳴無色葉 :「……クク、そうだ!命に替えるんじゃない」

鳴無色葉 :「逃げたりしたっていいのに……逃げずに立ち向かって、未来のことまで考えて、カッコイイぞ。ヤコ」

鳴無色葉 :「我とて同じギャルとしてここに来ている。ダチのために全身全霊を尽くすのは当然のことよ」

鳴無色葉 :「……そういう意味じゃミッチも成海もギャルみたいなもんと言えるかもしれん。なあ?」

水瀬 一理 :「一緒に分類していただき、ありがとうございます!」

水瀬 一理 :「大体そんなようなものでしょ」ふたつ結びの髪をぴこぴこ揺らす。

鳴無色葉 :「うむ。かなり外見はギャルっぽいぞ」

芹野 成海 :「アンタはそれでいいのか……?」

十九川ヤコ :「オソロだしな」同じようにぴこぴことふたつ結びの髪を揺らめかせて。

十九川ヤコ :「あっせりのんもやる?」

水瀬 一理 :「ねー」別に良さそう。

十九川ヤコ :「ヘアゴムあるぜ」

鳴無色葉 :「ん、っふふふふ……やってみたらどうだ?ツインテール」

鳴無色葉 :「にあ、似合うかもしれ……んふふふ!!」想像して笑っている。

芹野 成海 :「しねーわよ!! この歳で!!」

水瀬 一理 :「えっ」

十九川ヤコ :「あっ。イッチ………いくつ?」

水瀬 一理 :「…………まだアラサーではないですよ?」

水瀬 一理 :水瀬一理。25歳男性。

鳴無色葉 :「ミッチの場合年齢とかそういう問題なのかな……」

鳴無色葉 :「でも似合ってると思うぞ」

水瀬 一理 :「やったあー」

十九川ヤコ :「もうこれ以外考えられんもんな」

芹野 成海 :「まあ、忘れられない髪型よね」

水瀬 一理 :「はい、私的にも忘れられないのでね」

水瀬 一理 :「似合ってるなら何より。芹野さんもやってみればいいのにー」

鳴無色葉 :「そうだそうだ、んふ、ふふふふ……」

芹野 成海 :「しねーって言ってんでしょ!」

芹野 成海 :「……あー、まあ、ツインテとかギャルとかはともかく」

芹野 成海 :「乗りかかった……というか、乗りかかっちまった船だからね。一番いい方向に行けるようにとは思ってるわ」

鳴無色葉 :「……なんだかんだ優しいんだよな~。ツンデレだが」

十九川ヤコ :「面倒見いいもんな。婿じゃなくママなら即決だったんだが」

鳴無色葉 :「こ、こんなデカい娘が急に出来るのは困る」当然のように自分の娘にもなると思っている。

十九川ヤコ :「お得じゃん」

十九川ヤコ :ふたりも付いてくるぜ。と冗談めかしてにやり。

鳴無色葉 :「……まあなんだ。我はお前の為に尽力するために来てるし、ミッチと成海の二人ももし妖魔が出るってんなら見捨てたりしないだろうと思う」

鳴無色葉 :「その時、ダチのために頑張ったって思ってたらお互い……なんか楽しいだろ?」

鳴無色葉 :「ひとりじゃないんだ」そう言ってヤコの手を握って笑う。

十九川ヤコ :握られた手の暖かさに、つい視界が緩んで。

十九川ヤコ :「へへへ」

十九川ヤコ :「ありがとね、みんな」

十九川ヤコ :「どんな結果になっても、これだけは。お願いします」

十九川ヤコ :「必ず、生き延びてね」

鳴無色葉 :「……ああ。言っただろ?我だけは殺しても死なんから安心しろって」

鳴無色葉 :そう言ってにやりと笑った。少しだけ寂しさの色をにじませた笑顔で。

GM :====

【第二サイクル:水瀬一理】

GM :【第二サイクル:水瀬一理】

GM :登場希望と2d6をどうぞ~

水瀬 一理 :はい、登場希望はヤコちゃんと鳴無さん、会話は基本ヤコちゃんとできればなーと思ってます。秘密抜きます。

鳴無色葉 :でるち!

十九川ヤコ :でりけり!

水瀬 一理 :2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8

GM :えーと……

GM :5>仕掛けられたトラップが発動。シーンの登場者は《罠術》で判定を行い、失敗すると射撃戦ダメージ1点を受ける。

鳴無色葉 :?????

水瀬 一理 :は?

鳴無色葉 :8がでて5?????

十九川ヤコ :なんらかのなんらかをかんじますね

GM :なんらかです。

鳴無色葉 :2D6>=7 (判定:医術) (2D6>=7) > 4[1,3] > 4 > 失敗

鳴無色葉 :び~~

鳴無色葉 :ヤコぴ感情とかいる?

鳴無色葉 :ま、なおした戦術、消しておきますかね……

水瀬 一理 :2D6>=14 (判定:千里眼の術) (2D6>=14) > 7[3,4] > 7 > 失敗

水瀬 一理 :忍術を消します……

十九川ヤコ :えーとちょいまち

鳴無色葉 :水瀬さんがなくなっちゃう……

system :[ 水瀬一理 ] 忍術 : 1 → 0

十九川ヤコ :いや、大丈夫かな…兵糧丸使って最短9が8だし

十九川ヤコ :というわけで結界術で代用。

十九川ヤコ :2D6>=10 (判定:結界術) (2D6>=10) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

十九川ヤコ :うそやん

鳴無色葉 :ヤコーーーッ!!!!

水瀬 一理 :わあ

GM :F表どうぞ。

十九川ヤコ :ST シーン表(4) > 眼下に広がる街並みを眺める。ここからなら街を一望できるが……。

十九川ヤコ :tigatta

十九川ヤコ :FT ファンブル表(1) > 何か調子がおかしい。そのサイクルの間、すべての行為判定にマイナス1の修正がつく。

鳴無色葉 :こういうシーン表がいいのだが

十九川ヤコ :カス!!!

鳴無色葉 :ま、まあシーンプレイヤーじゃないから……

十九川ヤコ :ダメージじゃないだけマシかもナ

鳴無色葉 :いやサイクルじゃん!!

水瀬 一理 :がんばろ

GM :サイクルですね

GM :がんばろう!!!

鳴無色葉 :射撃1のほうはなんらかでこっちで受けますね

十九川ヤコ :い、色葉……

GM :おおっと 了解です!

十九川ヤコ :だ、大丈夫? なくなっちゃうよ

鳴無色葉 :も、もう謀術消すしかない 我の色気が……

GM :====


GM :──霊森・岩壁

GM :険しい岩肌が露出した面に差し掛かる。

GM :風雨が削った岩肌は、まるで石化した獣の顎のようだ。

GM :その岩が、突如ぐらりと崩れた。

水瀬 一理 :「……あ」ぶない、と言う暇も無かった。

鳴無色葉 :「っ!危ない!」咄嗟に飛び出す。ヤコちゃんを庇うように。

十九川ヤコ :二の轍を踏まない。その心積もりであった筈が。

十九川ヤコ :「(!? 足が─────)」その地に縫い留められたように一瞬動きが止まる。

十九川ヤコ :「色葉っち!」

鳴無色葉 :「みっ……」水瀬さんまでは庇う余裕がなかった。

水瀬 一理 :崩れた岩が、傷ついた腕をさらに直撃する。

鳴無色葉 :大きな岩の落下の直撃を受け、気絶する。

水瀬 一理 :「…………っ、鳴無さん……」

水瀬 一理 :様子を見る。どうやら気を失った程度で済んでいるようだが……。

十九川ヤコ :「ぐっ、この─────」無理矢理に身体を動かし、大岩を力づくで何とか動かして。

水瀬 一理 :「とりあえず、落ち着けそうなところへ……」

十九川ヤコ :「うっ、くそっ……」傷だらけの彼女が視界に写り、零れそうになるものを必死で堪え。

水瀬 一理 :「あちらに、木陰がありますから。そこで」

十九川ヤコ :「うん……」そっと色葉を抱えて、水瀬さんの先導する方へ。

水瀬 一理 :これ以上の崩落に注意を払いながら、腕を庇い、歩く。木陰へ。

水瀬 一理 :「…………休憩、しましょっか」

水瀬 一理 :いつもの笑顔に戻って言う。

十九川ヤコ :木が支えになるように、彼女をそっと寝かせて。ようやく安堵の息をつく。

十九川ヤコ :「……ごめん。ショージキ、取り乱す寸前だった」

十九川ヤコ :「……ホッとしたわ。イッチがそうやって居てくれて」

十九川ヤコ :「腕……大丈夫……じゃないよね?」

水瀬 一理 :「何言ってるんですか。いつもイキイキの元気な水瀬ですが」

水瀬 一理 :「…………」

水瀬 一理 :言ってから、腕を少し持ち上げて、千切れるような痛みを感じて。

水瀬 一理 :(『どうにも、水瀬さんには”ポーズ”のようなものを感じてしまいますねェ』)

水瀬 一理 :(『ご自身の本心を伝えてらっしゃいますかァ?』)

水瀬 一理 :不意に、上司の言葉を思い出してしまったりも、する。

水瀬 一理 :「……正直ね。だいぶ……きついです。はは」

水瀬 一理 :「内緒ですよー」

十九川ヤコ :目を丸くして、その言葉を聞く。

十九川ヤコ :「おおっ」

水瀬 一理 :しーっ、と左手で指を立てている。

十九川ヤコ :「……役得だな、なんて思っちゃ。こうやって庇ってくれた色葉っちにも、せりのんにも。みんなにも失礼だけど、さ」

十九川ヤコ :「でも……そういうの、見せてくれるのって」

十九川ヤコ :「なんだか、嬉しいな。イッチの新たな一面、ってワケじゃないけどさ」

十九川ヤコ :「そういうの、表に出してくれるくらいには。深まった気がするからさ」

水瀬 一理 :「どうなんでしょうねえ。まあでも、ついでにもう一面見せるなら」

水瀬 一理 :「置いてかれるのが苦しいのも、わかるつもりですんで」鳴無さんを見る。

水瀬 一理 :「別にいいですよ、取り乱しても」

水瀬 一理 :「……大変でしょ。次期当主」

十九川ヤコ :「………う~っ。ずるいなあ」

十九川ヤコ :困ったように笑って。側に座る彼の肩にこつん、と。頭を乗せる。

水瀬 一理 :「ずるい、かあ……」そのまま、乗せたままにして。

十九川ヤコ :「当主としての責任とか、命がけの儀とか、さ」

十九川ヤコ :「あたしがどうにかなるのは、ガマンできるんだ」

十九川ヤコ :「でも」

十九川ヤコ :「あたしのせいで、色葉っちや、イッチが」

十九川ヤコ :「眼の前で、ボロボロになってるのに。なんにも出来ないのは」

十九川ヤコ :「マジで、キッツいよ」

水瀬 一理 :「……うん」

水瀬 一理 :いつかの記憶を探るように目を細めて答える。

水瀬 一理 :「きついでしょうね」

水瀬 一理 :「あなたはそうして仲良しの輪を大事にするから、なおさらだ」

水瀬 一理 :「でもね、ヤコさん。『あたしのせい』?」

水瀬 一理 :「馬鹿を言っちゃいけませんよ。我々それぞれ、自分なりに考えるところがあってここに来てる」

水瀬 一理 :「結果的に、あなたを助けることにもなるでしょうね」

水瀬 一理 :「でも、少なくとも私がそんな献身だけであなたに接してるとは思わないでほしいなあ」

十九川ヤコ :「…………ん」

水瀬 一理 :「ずるいんですよ、私は」

十九川ヤコ :「ゴメンね。その通りだ」

十九川ヤコ :「全部が全部、そんな訳だって思うのは。あたしのゴーマンだったね」

水瀬 一理 :「そ。あなたが優しくて、見過ごせないものがあるのはそりゃそうでしょうけど」

水瀬 一理 :「……私があなたのことを少しは助けたいと思ってるのも、そうではありますけどね」

十九川ヤコ :「(……マジでずるいなあ。イッチは)」

十九川ヤコ :僅かに目を閉じ、穏やかな声色に耳を済まして。

十九川ヤコ :「あたし、昔っから。トモダチ全然、出来たコト無いから」

十九川ヤコ :「……また、無くなっちゃうのが怖くて」

十九川ヤコ :「ビビってるのかも」

水瀬 一理 :「わあー、おそろいだ」

水瀬 一理 :「これとおんなじですね」自分の髪を軽く持ち上げて。

十九川ヤコ :「わお」きょとんと、持ち上げられた二房の髪を見て。

水瀬 一理 :「……髪型。似てる人が居たんです……っていうのも違うな」

水瀬 一理 :「まあ、居たんですよ。あなたに……似てたらいいなって思う人が」

水瀬 一理 :「もういないし、全然覚えてなくて」

水瀬 一理 :「でも、居たのだけは覚えてて……私は置いていかれた」

水瀬 一理 :ふっと遠くを見る。

十九川ヤコ :守られるべき人、というのはいるんです。

十九川ヤコ :そう語っていた彼の横顔を思い出す。

十九川ヤコ :「イッチがさ」

十九川ヤコ :「よく、本を読んでいるのは」

十九川ヤコ :「図書館のヒトたちの。術式に関係あるからなんだって、思ってたけど」

十九川ヤコ :「でも、そうだな」

十九川ヤコ :「“日記”でもあるのかな、それ」

十九川ヤコ :「辛かったコトでも、楽しかったコトでも」

水瀬 一理 :「……え」あどけないくらいにきょとんとした顔をする。

十九川ヤコ :「忘れちゃうのって、寂しいだろなあ、って」

十九川ヤコ :「もしさ」

水瀬 一理 :栞の挟まったページ。付箋だらけの本。時に破られ、時に書き込まれ、使い込まれ、資料室に保管されている、数々の……。

十九川ヤコ :「万が一だよ? たとえ……また、何もかも失くしちゃいそうになった時は」

十九川ヤコ :「あたしでも、色葉っちでも、せりのんでも」

十九川ヤコ :「あなたの声を聞かせてほしい……んーん」

十九川ヤコ :にたりと笑って。

十九川ヤコ :「イヤって言っても、あーしらが勝手に絡むけど」

十九川ヤコ :「思い出、刻んであるのはさ」

十九川ヤコ :「本にだけじゃないし」こんこん、と己の頭を叩いて。

十九川ヤコ :「だから。あーしたちが忘れそなったら」

十九川ヤコ :「イッチの出番だぜ」

水瀬 一理 :「……叶わないなあ」

水瀬 一理 :「自分の思惑があるぞって言ってる人間に、そういうことを言いますか」

水瀬 一理 :「よろしいでしょう。不肖水瀬一理、司書の一端として」

水瀬 一理 :「……もし、叶うならば。ひとりの私として」

水瀬 一理 :「聞いておきますよ」

水瀬 一理 :(……ああ、でも、どうなんでしょうね。これもポーズなのかな。私はずるい)

水瀬 一理 :(こうして話をしながら、ずっと遠くの先のことを見ている)

水瀬 一理 :(……秘密を、見ている)


水瀬 一理 :情報判定をします。

水瀬 一理 :御洞ヤサメさんの秘密を調べます。特技は千里眼の術。

水瀬 一理 :【内偵】の効果で自動成功となります。

十九川ヤコ :内偵最強!!

GM :あららららぁ

GM :この【秘密】は拡散情報です。

水瀬 一理 :なんと

十九川ヤコ :えっ…?

十九川ヤコ :こわい……

御洞ヤサメの【秘密】

拡散情報。

実は十九川ヤコを憎悪している。

理由は、数年前の十九川の後継者選定の儀式において、彼女の弟であった御洞八雲(みどう・やくも)が死亡したためだ。八雲は最も有力な後継者候補であったが、霊森で行われた儀式ののち、遺体となって回収された。

遺体は鋭利な刃物で貫かれており、妖魔の仕業ではないと聞いた彼女は、十九川ヤコを弟を殺害した犯人だと思っているのだ。


御洞ヤサメは「雨森の儀」を利用して、外部の人間と共謀し、十九川ヤコを排除するつもりである。結界にわざと綻びを作り、刺客に古夜に訪れるという試練を突破させ、霊森に罠を張っている。

そしてもしも十九川ヤコが、襲撃者を退けて儀式が終わるより早く霊森の外に出た場合は、自ら彼女を襲撃するつもりである。

彼女の【本当の使命】は、十九川ヤコを排除することだ。


メインフェイズ中に十九川ヤコが霊森から脱出している場合、クライマックスフェイズに御洞ヤサメとの戦闘が発生する。


またこの【秘密】は、【エニグマ】としても扱う。

戦力【毒饅頭】 《解除:自動》

誰かが兵糧丸を使用したときに使用。

そのキャラクターに集団戦ダメージ1点を与える。

GM :エニグマ【毒饅頭】の効果がありましたが、戦力が公開されたことで自動で解除となります。

水瀬 一理 :質問です。この場合【身分】の扱いはどうなりますでしょうか

GM :「情報判定によってエニグマの【戦力】を明らかにした場合」の条件に該当するので、水瀬さんは【身分】の効果を使用できます。

水瀬 一理 :や った

十九川ヤコ :ウオオオ~ッ!!

水瀬 一理 :では、情報判定がもう一度できるということで、千里眼の術で芹野さんの秘密を調べようと思います。

水瀬 一理 :【内偵】の効果で自動成功となります。

十九川ヤコ :内偵最高!内偵最高!!

GM :【身分】の効果で追加の情報判定はマイナス2修正なのにィ~~!

GM :送ります。

水瀬 一理 :いただきました

水瀬 一理 :こちらを鳴無さんに受け渡します

鳴無色葉 :やった!!!!!!!!!

GM :気絶してる鳴無さんが……!?

鳴無色葉 :ありがとうございます!気絶してても絶対に成海の秘密は得ます。

十九川ヤコ :イタチたちが拡散してくれてるのかも

GM :了解です。公開情報ですね。

鳴無色葉 :感情でヤコぴにもいって公開情報!

芹野成海の【秘密】

実はあなたは、偶然迷い込んだわけではない。

数日前、「十九川ヤコを助けたいか?」という言葉と、結界の抜け道が記載されたメッセージがあなたの端末に届いた。比良坂機関製の防諜がなされた通信回路をハッキングするのも、そんな技術を使って自分一人を騙し討ちするのも合理的ではないと判断し、あなたはメッセージに従ったのだ。


あなたは婚姻の儀の舞台である、霊森からの脱出口を知っている。この【秘密】を知っているPCは、自分のシーン開始時に脱出を宣言することができる。そのとき他にこの【秘密】を知っているPCがいれば、シーンに登場することで一緒に脱出してもよい。(一度脱出すると、霊森に戻ることはできない)


あなたの【本当の使命】は、十九川ヤコを助けることだ。

あなたは十九川ヤコがメインフェイズの戦闘に参加した時、感情を結んでいるかのように戦闘に参加することができる。

水瀬 一理 :あとは補助判定が残っていましたっけ

十九川ヤコ :ですねえ

GM :そうですね。《飛術》《詐術》《幻術》かな

水瀬 一理 :じゃあ幻術ですね

水瀬 一理 :2D6>=7 (判定:千里眼の術) (2D6>=7) > 9[4,5] > 9 > 成功

水瀬 一理 :しゃあ!

十九川ヤコ :み、水瀬一理……

十九川ヤコ :あなたがナンバーワンだ

水瀬 一理 :ありがとうありがとう

GM :おお、お見事

GM :爆撃が二シーン延期されます

GM :〆のロールあればどうぞ


水瀬 一理 :じ、と焦点の合わない遠くを見ていた目が、こちら側へと戻ってくる。

水瀬 一理 :笑おうかどうか迷って、少し考え。

水瀬 一理 :「危険と救いと、両方あるみたいですね」

水瀬 一理 :やっぱり、いつもの笑顔を浮かべる。

十九川ヤコ :「ん。もひとつ、あるかもね」

十九川ヤコ :そう言って、力強く手を握る。

十九川ヤコ :「頼りにしてるぜ、司書さんや」

水瀬 一理 :「…………」手を握られる。剣を握るための、強い手で。

水瀬 一理 :「はい。ねえ、ヤコさん。ひとつだけ」

水瀬 一理 :「あなたの持つ剣は、ずいぶん危険なもののようだ」

水瀬 一理 :「特に……二色乞」

水瀬 一理 :「あなたはあんなものを背負って、平気なんですか?」

水瀬 一理 :「あんなに重たいものが、この里の、さらに言えばあなたひとりに託される。それが」

水瀬 一理 :「苦しくはないんですか」

十九川ヤコ :「んー、そうだな」

十九川ヤコ :「確かにさ。二色乞も、一魔降も。いちシノビが扱うにはソートー危ない、曰く付きのシロモノだ」

十九川ヤコ :「こんなモン、二刀とも扱えた当主のハナシも。過去聞いたこと無いし」

十九川ヤコ :あたし以外はさ、と口にして。

十九川ヤコ :「でも、今となっちゃ、さ。そんなに重く考えてない、っつうか……」

十九川ヤコ :「刀でヒトを殺したとして、刀に罪はない……なんて話をするつもりは無いケド」

十九川ヤコ :「少なくとも、八雲が死んだのは。二色乞のせいじゃないし」

十九川ヤコ :「一魔降は……うるせーし、使い辛いし。夜眠れねえくらいぎゃあぎゃあ騒ぐトキもあるけど」

十九川ヤコ :「あたしは、この二刀があったからこそ」

十九川ヤコ :「十九川の八子として。その使命を果たすことが出来た」

十九川ヤコ :「イトマっちに会えた」

十九川ヤコ :「色葉っちに、せりのんに。イッチに会えた」

十九川ヤコ :「だからさ。感謝してるくらいだよ」

水瀬 一理 :「……本当に、背負ってるんですねえ」

水瀬 一理 :「書いておきましょっか。日記に。今のやつ」

水瀬 一理 :「『十九川八代目当主かく語りき』」

十九川ヤコ :「ちょ。ハズいんだけど」

水瀬 一理 :「インタビュー記事っぽいやつ」

十九川ヤコ :「カタチとして残して欲しくないものもあるんよ!」

水瀬 一理 :くつくつと笑って、気絶した仲間の様子を見て。

水瀬 一理 :……救いが。真に救いであるようにと。それだけを祈った。

GM :====


芹野 成海 :【追尾】使用します、対象は涯さん

GM :どうぞ~

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:隠形術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功

芹野 成海 :よしよし

十九川ヤコ :来てる……なんだろう。風、吹いてきてる。確実に。

GM :では抜戸涯の居所を獲得と、抜戸涯への奥義破り判定+1。

GM :何気に鳴無さんへも共有されつつ、以上ですね

鳴無色葉 :あっほんとうだ やったぜ。

GM :====

【第二サイクル:マスターシーン】

GM :【第二サイクル:マスターシーン】

GM :──古夜、霊森。

GM :空が一層暗くなる。水の匂いがする。

GM :ザ ア ア…………

GM :強い雨が降り始める。

GM :以降、戦闘シーンが開始された際の戦場は「悪天候」になります。(忍法などの効果による変更を除く)

GM :====

【第二サイクル:十九川ヤコ】

GM :【第二サイクル:】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

十九川ヤコ :おまたせして申し訳ないス

GM :いえいえ

十九川ヤコ :登場希望は色葉さんと芹野さんで。

鳴無色葉 :でるち!!

芹野 成海 :出ます!

十九川ヤコ :シーン表を振ります。11来い!

十九川ヤコ :2d6 (2D6) > 9[4,5] > 9

GM :ほいほい

十九川ヤコ :わ~!初出目だ♡

十九川ヤコ :全員1d6回復とかかな?

GM :6>深い霧が出てきた。視界を遮られ、不安に感じる……

鳴無色葉 :うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

十九川ヤコ :え!?

芹野 成海 :おっ!?

鳴無色葉 :無事じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

十九川ヤコ :ダメージ負わなくていいの!????!?!?!?????!?!?

鳴無色葉 :ヤコないす!!!!!!!!!!

GM :いいぞ……いっぱい登場しろ……

十九川ヤコ :慈悲深きGM……

GM :おかわりもあるぞ……

鳴無色葉 :うめ うめ

GM :====


GM :──霊森・洞窟。

GM :雨が大地をうつ。

GM :生物の気配は消え、雨音の他には遠雷の音だけが、けぶる空の向こうから聞こえている。

GM :苔むした岩の洞窟を見つけ、あなたたちは一時態勢を立て直すことにした。

十九川ヤコ :「荒れてきたなあ」

十九川ヤコ :ひたひた、から。ばちばち、へと。岩に打たれる雨音が変わる様子を伺いながら。同じように、腰を据えているふたりに声をかける。

鳴無色葉 :「おえ~っ傷口に染みる……」

鳴無色葉 :全身傷だらけで脇腹を抑えている。

芹野 成海 :「アンタらマジで満身創痍ね……大丈夫?」

芹野 成海 :雨に濡れたジャケットを脱ぎながら、二人へ声をかける。

十九川ヤコ :「歩いたり声をする度にビキビキいってたけど。なんか慣れてきたかも」

十九川ヤコ :「いや、慣れちゃ不味いんか……?」

鳴無色葉 :「舐めときゃ治る……いっててて……」

鳴無色葉 :「ま、大丈夫だろ。死にゃせん」

十九川ヤコ :謝罪の言葉も、哀しみの色を眼に映すことも。

十九川ヤコ :「(うん、失礼だな)」また、逸れてしまった。彼とのやり取りを思い出して。

十九川ヤコ :「瀬戸際だったけど。取っといてよかったね」

十九川ヤコ :懐から取り出した兵糧丸が。岩間から差す、僅かな光に照らされる。

十九川ヤコ :「妙に、危ない罠ばっかだったから。そっちばかりに目を行きがちだったけど」

十九川ヤコ :「ちゃ~んと。本命、用意してたんだもんな」

芹野 成海 :「不幸中の幸いね。不幸中の、そのまた不幸中の幸いくらいだけど……」

鳴無色葉 :「……ああ、成海の元に来たっていう……」

鳴無色葉 :「誰の仕業なんだろうなあ。眼鏡の小僧か?」

鳴無色葉 :「未来視で見たキリトの仕業だったら激熱だな!」

十九川ヤコ :「へっへっへ。そうだったら嬉しいけど」

芹野 成海 :「……それ、割と可能性あるから困るわね」

鳴無色葉 :「自分で来い……っていうのも酷だしなあ。あいつ引きこもりだし」

鳴無色葉 :「我も引きこもりなんだが……」

十九川ヤコ :「さすがにイトマっちのおかげかどうか、までは定かではないけど」

十九川ヤコ :「今、色葉っちが言った。もう一つの可能性については、そうだな」

十九川ヤコ :「自信ねーけど、やってみよう」

十九川ヤコ :そう呟き、縁に紋様が描かれた符を一枚取り出してみせる。

十九川ヤコ :「浄心浄口、浄身安土、と」

鳴無色葉 :「……おお、刀振るう以外もできるんだな」

鳴無色葉 :「頭良く見えるぞ」その様子を見ている。

十九川ヤコ :がり、と親指の先を噛み切って、つらつらと血で描いていく。

十九川ヤコ :「ヒントは、せりのんに貰ったからね」

芹野 成海 :「前から陰陽術は使ってたでしょ。アンタ自身」

十九川ヤコ :「そだけど。この山ならではの術。使ってたっしょ」

十九川ヤコ :「あれの応用……と呼ぶには恥ずかしいデキだけど」

十九川ヤコ :この霊森には。数多の十九川に連なる一族の魂が漂っている。

十九川ヤコ :己は。彼らを束の間でも現世に黄泉返らせ、使役を行えるほど。こういった術式には精通しているわけではないが。

十九川ヤコ :まだ生きて居る一族の者の。山中に残された、僅かな残滓からヒントを探る術ぐらいであれば。

十九川ヤコ :「七支様も、鬼衆の頭。当然……この森で、修練を重ねた筈」

十九川ヤコ :「真を映し、幻を分かつ─────」

十九川ヤコ :「“六根清浄・急急如律令(ぶっこめ・やりらふぃー)”!」

十九川ヤコ :奇天烈な呪文とともに、ぽう、と。淡い光を帯びた符が。小さな蛍のように洞窟から、雨の中に消えていく。


十九川ヤコ :というわけで

十九川ヤコ :そうだな、《結界術》で七支さんの秘密を探りたいです!

GM :良いロールプレイだったので+1修正を差し上げましょう

GM :判定どうぞ~

十九川ヤコ :そんな……うれしすぎる

鳴無色葉 :GODGM!!

鳴無色葉 :私も感情修正で+1!

十九川ヤコ :ならば補助判定に感情はとっておいていいかもしれない

鳴無色葉 :あっそうとはね ではひっこめます

鳴無色葉 :しゅ

十九川ヤコ :ありがとね……いくぜ!

十九川ヤコ :2D6>=5 (判定:結界術) (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗

十九川ヤコ :草草の草

鳴無色葉 :ヤコ…………………………………………

芹野 成海 :いや+1

GM :修正込みで成功か?

鳴無色葉 :そうじゃん!

十九川ヤコ :いや……ファンブルが……

鳴無色葉 :あっ

芹野 成海 :あっ……

十九川ヤコ :サイクル中は-1なので……相殺されてるのよね

十九川ヤコ :というわけで

十九川ヤコ :神通丸を切る!

GM :なるほどね。

鳴無色葉 :うおーー!!

system :[ 十九川ヤコ ] 忍具 : 4 → 3

十九川ヤコ :勝つ!!!!

十九川ヤコ :2D6>=5 (判定:結界術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功

十九川ヤコ :よし!!!!

鳴無色葉 :最強~~~!!!

芹野 成海 :行った!!

GM :よかったねえ 【秘密】を送ります

鳴無色葉 :我にもくるはず!

GM :そうですね

十九川ヤコ :いただきました。

鳴無色葉 :そ、そうだったんだ!芹野さんにはいってないはずだから芹野さんにも渡しましょう

十九川ヤコ :七支おじちゃん……

鳴無色葉 :いただきました!(事後報告)

GM :了解です。

芹野 成海 :ありがてえ……

芹野 成海 :いただきました……

十九川ヤコ :では

十九川ヤコ :あの

十九川ヤコ :早速なんですが

十九川ヤコ :なんらかにより……

十九川ヤコ :忍術分野の好きな特技で代用判定をさせていただければ

GM :特技を選んでください

十九川ヤコ :《隠蔽術》でお願いします。

GM :どうぞ~

十九川ヤコ :《刀術》で代用判定いたします。

十九川ヤコ :これは……そうだな 色葉ちゃん修正もらえるかな

鳴無色葉 :おっ、ではあげます!+1!

十九川ヤコ :あざます、では

十九川ヤコ :2D6+1>=6 (判定:刀術) (2D6+1>=6) > 6[3,3]+1 > 7 > 成功

十九川ヤコ :成功!

鳴無色葉 :やったね!

芹野 成海 :やったぜ!

十九川ヤコ :なんらかのあれにより 兵糧丸をお願いできますでしょうか

GM :了解です。ヤコさんは兵糧丸を一つ獲得してください。

十九川ヤコ :ありがとうございます。これはそうだな……

十九川ヤコ :そのまま、色葉ちゃんに渡します。感情くれたしね。

鳴無色葉 :ヤコ……ありがと♡

GM :譲渡確認

十九川ヤコ :しかし俺のバトルフェイズはまだ終わってないぜ!

GM :なにっ

十九川ヤコ :補助判定に挑戦させてもらうからなあ~ッ

GM :残りは《飛術》と《詐術》かな

十九川ヤコ :狙うは《飛術》!

十九川ヤコ :刀術で代用!

十九川ヤコ :2D6>=7 (判定:刀術) (2D6>=7) > 7[2,5] > 7 > 成功

十九川ヤコ :ま、余裕なんですよね。

鳴無色葉 :saikyo!!

GM :これってファンブルのマイナス1はまだ入るのでは?

十九川ヤコ :………………………………………………………………

鳴無色葉 :あっ……

芹野 成海 :あっ……

十九川ヤコ :友情トレーニング失敗!

鳴無色葉 :まあ森なんて燃やせばええんちゃう?我らそのうち出るし

GM :割り切りすご

芹野 成海 :イタチの森が

GM :では〆のロールどうぞ~


十九川ヤコ :一時の間、目を閉じて。

十九川ヤコ :諦めたように溜息を吐いて。彼女たちへ口にする言葉を考えてる内。

十九川ヤコ :小さな光と共に。懐かしい匂いのする、小さな丸薬が。手元に落ちる。

十九川ヤコ :柔らかな胡麻と、上品な和三盆の香り。

十九川ヤコ :「………昔さ」

十九川ヤコ :「あたし。苦くて、不味くて。こういうの、食べるの。本当にヤで」

十九川ヤコ :「でもさあ」

十九川ヤコ :「あたしが、こんな、ワガママ言っても」

十九川ヤコ :雨音が、うるさい。

十九川ヤコ :「君にも食べやすいようにって……」

十九川ヤコ :「味なんて二の次の、こんなものを」

十九川ヤコ :「わざわざ、……ガキの舌でも大丈夫なように、作ってくれたひとがいてさ」

十九川ヤコ :すん、と鼻を鳴らして。傷だらけの色葉の側へと、腰を下ろして。

十九川ヤコ :「これ、さっきのお返し」

鳴無色葉 :「……いいのか?お前、ボロボロだろ」

十九川ヤコ :「お互いサマじゃん」ふふ、と笑って。

十九川ヤコ :「今度は、あたしが。そうする番だから」

鳴無色葉 :「……お前が、もうこんなところ来たくないって言っていた里で、森で……」

鳴無色葉 :「お前を想っているものがいて……良かった」

鳴無色葉 :「……その思い出の品を、こうして我を心配して贈ってくれること……感謝する」

十九川ヤコ :「うん。貰いっぱなしだからな。色葉っちにも、せりのんにも」

十九川ヤコ :「味わって食べてくれたまへ」

十九川ヤコ :「せりのんの分は、また今度な」

鳴無色葉 :「……なんか成海だけ元気だもんな……」

芹野 成海 :「ふ」小さく笑い、立ち上がる。

芹野 成海 :「無事出たら貰うわ。草餅もうまかったし」

鳴無色葉 :「……これでも、成海だけどうにか逃がせないかとか考えてたんだが……」

鳴無色葉 :「完全に余計なお世話だったな。我はこんなだし、お前はピンピンしてるどころか最初から脱出口を知ってたんだからな」

鳴無色葉 :「ダサいな。あはは」その言葉とは裏腹に心底おかしそうにからからと笑う。

芹野 成海 :「そりゃ……私はおっさんにもイケメンにも野犬にも狙われてないからね」

鳴無色葉 :「でも助けにいってんだろ、それを」

芹野 成海 :「ダサかねーわよ。何もしないでボロボロになってるってんならともかく──」

芹野 成海 :「お供として、やることを全うしてんでしょ」

芹野 成海 :彼女が、仕掛けられた罠からヤコを庇った姿を思い出す。

芹野 成海 :いかに妖魔が多いとはいえ、それだけでここまでの手傷を負う忍びではない。

芹野 成海 :きっと自分がいないところでも、その使命を果たしていたのだろう。

芹野 成海 :「はあ。……色葉も、ヤコも、ここにはいないけど水瀬のヤツも」

芹野 成海 :「死なない程度にしときなさいよ。私が気持ち良くない」

芹野 成海 :そう言って洞窟の出口へ歩み寄り、降りしきる雨を眺める。

鳴無色葉 :「……心配してくれてんのか?ククク!」

十九川ヤコ :「つんでれだもんな。せりのんは」つられるようにふふふ、と笑い声が漏れ出る。

鳴無色葉 :「優しいくせに照れ屋なんだよな~~~」その傍へよって芹野さんの頬をぷにぷにつつく。

芹野 成海 :「……はあ」多少弱い力でその頭をはたく。

鳴無色葉 :「だっ……」

芹野 成海 :「もうちょっと慎みってもんはねーの? アンタには」

鳴無色葉 :「……好きな奴に殴られて喜ぶ女少ないって言ったこと気にしてんのか?ゼロとは言ってないだろ」頭を押さえている。

芹野 成海 :「は?」何言ってんだ? みたいな顔で見返す。

芹野 成海 :「……はあ、まあ、ともかく」

芹野 成海 :「心配はしてるわよ。忌々しいことにね」

芹野 成海 :「少しでも、心配を減らせるように。準備しとかないと」

芹野 成海 :驟雨の向こうに目を凝らす。群れから逸れたと思しき小さな妖魔が一匹、雨の中を歩いている。


芹野 成海 :【根】使用したく願います!

GM :どうぞ~

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:傀儡の術) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

十九川ヤコ :さすせり

GM :出目強いな……

芹野 成海 :うおっ無駄に高い いいことだ

芹野 成海 :従者として草を獲得します

十九川ヤコ :草ゲットしてて草

GM :了解です

GM :〆ありますか?

十九川ヤコ :根!描写が終わり次第1,2行挟ませてもらえればと!

芹野 成海 :あっ了解です!


芹野 成海 :「『闇の夜に 鳴かぬ鴉の声きけば 生まれぬ先の父母ぞ知る』」

芹野 成海 :さ迷う妖魔を見つめ、呪歌を唱えると──

芹野 成海 :妖魔は一瞬動きを止め、ふらふらと洞窟の傍へ歩み寄り、動きを止める。

芹野 成海 :「略式だからあんとき喚んだ魂ほど強くはないけど、まあ気休めにはなるでしょ」

鳴無色葉 :「……妖魔も従えられんのか。なんかヤコみたいだな……」

十九川ヤコ :「あたしも従えてるのとはちょっと違うけど……うん、今回も。頼りにしてる」

十九川ヤコ :降りしきる雨の中へと身を覗かせて。天を仰ぎ見る。

十九川ヤコ :未だ、暗雲。けれど、この心は─────。

GM :====

【第二サイクル:芹野成海】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

芹野 成海 :氷柱さんの秘密を抜きに行こうと思います

芹野 成海 :登場希望は……ヤコちゃんと水瀬さんで……

水瀬 一理 :りょ!

十九川ヤコ :ウッス!

GM :2d6をどうぞ~

芹野 成海 :2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5

芹野 成海 :おい!!!

GM :5>仕掛けられたトラップが発動。シーンの登場者は《罠術》で判定を行い、失敗すると射撃戦ダメージ1点を受ける。

十九川ヤコ :クゥ~ン……

芹野 成海 :これって判定ではないから神通丸とかは使えないですよね……?

GM :うーん

GM :かわいそうだから今回だけ神通丸つかってもいいよ!

芹野 成海 :あ、ありがたい……

芹野 成海 :2d6 (2D6) > 12[6,6] > 12

水瀬 一理 :!!!

芹野 成海 :おっ!?

GM :嘘だろこいつ!?

十九川ヤコ :芹野最強!芹野最強!!

水瀬 一理 :たたえよ!!!!

GM :12>何者かの亡骸を発見する。彼にはもう不要だろう。シーンプレイヤーは、好きな忍具を一つ獲得する。

芹野 成海 :亡骸~!!

GM :神通丸は消費しておいてください

十九川ヤコ :チュッチュ♡

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 2 → 1

GM :====


GM :──霊森・頂上

はぐれ骨メタル :「ハァッハァッハァッハァッ」

はぐれ骨メタル :「やめときゃよかった!! 霊森に入ってくる忍びにケンカ吹っ掛けるのなんかよぉ!」

はぐれ骨メタル :骨と金属具で構成された妖魔だ。獣とも人ともつかないシルエットをしており、人語を解している。

はぐれ骨メタル :あなたたちを攻撃したが、反撃されると案外脆い。

はぐれ骨メタル :異様な速度で逃走する彼を、あなたたちは霊森を有する山岳の頂上まで追い詰めた。

十九川ヤコ :「へっへっへ。もう逃げられないねえ、ニイチャン」

十九川ヤコ :「随分と羽振りが良さそうじゃねえの。ジャンプしてみんかいコラ!」

水瀬 一理 :「すごい! 妖魔相手にカツアゲしてる!」

はぐれ骨メタル :「へ、へっへっへ、とんでもありやせん。苔と水を食って生きてるケチな妖怪でさぁ……!」

はぐれ骨メタル :「どうかお見逃しくだせえ~!」土下座らしいポーズを取る。

十九川ヤコ :「土下座で何もかもが許されたらこの世は妖魔の天国じゃろがい!」

十九川ヤコ :「この一理先生の腕の傷、どう落とし前つけてくれるんじゃ~?」

水瀬 一理 :「まあこれ彼にはあんまし関係ないですけどね」腕を庇いながら。

はぐれ骨メタル :「あ、あっしには関係ありやせんよぉ~!」

はぐれ骨メタル :「そこの御仁! どうかご説得してくださいまし!」

はぐれ骨メタル :「後ろから肋骨で突き刺そうとしたのは謝りますから~!」芹野さんに懇願する。

芹野 成海 :「…………」眉根を寄せ、すごく微妙な表情で謎の妖怪を眺める。

芹野 成海 :「コイツ百目鬼より流暢に喋るわね……」

芹野 成海 :「……『あさ日たつ あひしの宮の教えにて うはぎたからを今ぞ裁ち縫ふ』」

芹野 成海 :呪句を唱え、十徳ナイフのハサミを振ると、妖魔の身体を構成していた金属部分が全て断ち切られる。

はぐれ骨メタル :「はぎゃっ……」

芹野 成海 :「『物の化を 引きて放してあづさゆみ 受け取り給ひ今日の聞き神』」

芹野 成海 :もう一遍の呪歌を唱えれば、残りの骨も砕けて消え、後には一つの玉が残る。

芹野 成海 :「はあ……。……なんか今のヤツだけテイスト違わなかった?」

芹野 成海 :「ここまで見たやつ犬っぽいのとかだったじゃない」

水瀬 一理 :「『手を上げて 横断歩道を 渡りましょう』」適当に真似している。

十九川ヤコ :「うーん、せりのんも知っての通り。この森自体が、途轍も無い霊脈の上に根ざしてるパワースポットみたいなモンだから」

十九川ヤコ :「それほどでもない力の妖魔でも、ああいう感じで意思疎通が出来るヤツはたま~に居るね」

芹野 成海 :「たまにいんの……?」

十九川ヤコ :「ま、どれだけボコボコにしても。一月くらい経てば復活するっぽいし……」

水瀬 一理 :「復活するんだ……神秘ですねえ」

芹野 成海 :「生命の神秘……いや生命でもねーわね」

芹野 成海 :言いながら、妖魔の残骸の間に落ちた球状のものを拾い上げる。

芹野 成海 :「こういうのを核にして復活すんのかしら。霊力も多少籠ってそうだし……」


芹野 成海 :という訳でシーン表の効果で神通丸を取得します

GM :どうぞ~

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 1 → 2

十九川ヤコ :そうだ、ではここでちょっとお先に

十九川ヤコ :七支さんの秘密を水瀬さんにお渡しいたします!

水瀬 一理 :ありがとう!

十九川ヤコ :公開になるハズハズ

GM :はーい

鬼衆七支の【秘密】

分家の長であり十九川を支える身ではあるが、十九川ヤコには古いしきたりを変えてほしいと心から願っている。

彼女をサポートするために、霊森のあちこちに物資を隠している。

この【秘密】を知っている霊森の中にいるキャラクターは、自分がシーンプレイヤーであるドラマシーンで、忍術分野の好きな特技で判定を行うことができる。成功した場合、兵糧丸・神通丸・遁甲符から好きなものをどれか一つ獲得する。


なお、儀式に用いられる勾玉は妖魔寄せであると同時に、所有者を自然と危険域に呼び寄せる呪術がかけられている。

シーンの登場者が所持している勾玉と同じ数だけ、シーン表決定時の2d6の数字は減少する。

芹野 成海 :七支さんの秘密も公開になったところで、早速(早速でもないけど)忍術分野で判定をしたく思います

GM :好きな忍術分野の特技を選びなさーい

芹野 成海 :隠形術で!

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:隠形術) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

十九川ヤコ :イチ!!足りなし

芹野 成海 :???

GM :Oh

水瀬 一理 :そういうこともある……

芹野 成海 :神通……は……でもプラマイ0だしな……

十九川ヤコ :うん…

GM :ふふ……

芹野 成海 :諦めるか……

十九川ヤコ :そういうときもあるぜ

水瀬 一理 :しょうがないしょうがない


芹野 成海 :「……?」

芹野 成海 :その玉に残る霊力の残滓から、あの妖魔が何かを隠していたような雰囲気をかすかに感じ取るが、はっきりしたイメージを結ぶには至らない。

芹野 成海 :「……まあいいわ。しかし、とんでもないところまで連れてこられたわね」山頂の風景を見回しながらぼやく。

十九川ヤコ :「これで晴天だったら文句ナシ、だったんだけどねえ」

水瀬 一理 :「さぞ絶景だろうなあ」

水瀬 一理 :「なんでも見渡せそう」

芹野 成海 :「言ってる場合じゃない……けど、まあ確かに、こんだけ高い山だと見晴らしは良さそうね」

芹野 成海 :「……アンタが言うとなんか怖いのよそれ」

水瀬 一理 :「ふふ、見通しちゃいますか」じっと視線を向ける。

水瀬 一理 :雨で貼り付いたシャツの襟元を、少し鬱陶しそうにぱたぱたとしている。

芹野 成海 :「やめろやめろ! ……つーかアンタさっき”やった”でしょ、私に対して」

芹野 成海 :おそらく、三人からはぐれていたタイミング。

芹野 成海 :と言って、"見通された"こと自体を察知したわけではない。単に後で合流した二人の様子から察しただけのことだ。

芹野 成海 :自分自身の感覚では感じ取れなかった──それだけの、"眼"を持っている男だ。

水瀬 一理 :「ああ……。結果、良かったでしょ?」とんとん、と左目の瞼を叩く。

水瀬 一理 :「ご安心ください。私が見られるのは表層の情報だけですんで」

水瀬 一理 :「あなたがどんな気持ちでここに至って、今立ってるのか。そこまではわかんないですよ」

水瀬 一理 :あるいは、里に居る女がどのような憎悪を内心に滾らせているのか、も。

芹野 成海 :「はあ……。……だがまあ、そうね」

芹野 成海 :「あからさまに伝えたら、里の連中に察知されてもおかしくなかった。助かったわ、結果的に」

水瀬 一理 :「おかげで光明はかなり見えたかなって思いますね。……今まで抱えてて、お疲れ様でした」

十九川ヤコ :「うう……お世話になってます、ホント……」

十九川ヤコ :「ありがと、せりのん……」

十九川ヤコ :「誰が送ったか、までは。今でもはっきり定かじゃないけど。その人にも、感謝だね」

十九川ヤコ :「あたし、せりのんが居なかったら。最初の抜戸さんとの一戦で、とっくにリタイアだったしさあ」

芹野 成海 :「ふん、あんときは私も大していいとこなかったからね。おあいこよ」

芹野 成海 :「あんなメッセージ送られて、来てみたら婿取りどうこうだからナメとんのかと思ったけど」

芹野 成海 :「ここまで来ると、明らかにそれどころの話じゃないからね。……少なくとも、その辺の事情を知ってるヤツが送ったんだろうけど……」

水瀬 一理 :「ここまで来ても、わからんことが多いですねえ……」

十九川ヤコ :「うう~ん……」

十九川ヤコ :「やっぱり、さ。七支おじ……七支様が、送ったのかな」

十九川ヤコ :「メッセージ」

水瀬 一理 :「そうだといいなって思ってます?」

十九川ヤコ :「んん~………? ううん……」

十九川ヤコ :悩ましげに唸ったあと。「半々……くらいかな」

十九川ヤコ :「そうだと嬉しいし」

十九川ヤコ :「そうじゃない、ヒトが……送ってくれたかもって可能性もあるし……」

水瀬 一理 :「味方かもしれない人が多いなら、それはまあ、良いことですもんね」

芹野 成海 :「……う~ん」

芹野 成海 :「一番納得できるのはそこだとは思うけど……」

芹野 成海 :まだどこかにひっかかりを感じる。

芹野 成海 :婿候補たちに持たされた勾玉。

芹野 成海 :目の前の男の話によれば、世過氷柱はその持ち主を狙っていたかも知れない。

芹野 成海 :世過が推挙された経緯。戦場で鬼衆と出会ったとか。

芹野 成海 :「……いや、これ以上考えてもドツボね」

芹野 成海 :雨に濡れた髪を搔き上げ、小さく息をつく。

芹野 成海 :「情報が足りない。足りないなら──」

芹野 成海 :「調べるのが一番いい」

芹野 成海 :そう言って、近くに生える木へ目をやる。

芹野 成海 :その陰に──見えざる”何か”が立っている。


芹野 成海 :これで死霊術で情報判定したく思います

GM :どうぞ~

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:死霊術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功

芹野 成海 :よしよし

十九川ヤコ :サイコ~~!

GM :おおー 送ります

水瀬 一理 :ナイス!

GM :鳴無さんにも共有されます。

芹野 成海 :んんん!?

芹野 成海 :確認しました……

鳴無色葉 :ありがとう 成海 愛してる……

十九川ヤコ :なにぃ?

芹野 成海 :獲得した情報をヤコちゃん水瀬さんにも共有します……

GM :おいっす

十九川ヤコ :なんなのぉ…?

水瀬 一理 :いただきます!

世過氷柱の【秘密】

実は彼の正体は、鞍馬に連なる剣術流派の名を奪った、隠忍の血統の剣士である。

自分の剣の腕と美貌を喧伝できる機会を求めていたところ、《双子》に声を掛けられ、「雨森の儀」に参加することを同意した。十九川家になんらのこだわりがあるわけではない。

ただ、《双子》の目的は断片的に聞いている。

十九川家が保有する妖刀はなんか……すごいパワーを持っているらしい。それが欲しいそうだ。


また、妖魔の血が流れている彼は、妖魔寄せの勾玉の位置を知覚できる。

このキャラクターは各サイクルの終了時、勾玉を所持しているキャラクターをランダムに一人を選び、戦闘を仕掛ける。


世過氷柱はプライズ「勾玉・肆」を所持しており、この【秘密】を入手したPCは、「勾玉・肆」の【概要】も獲得する。


「勾玉・肆」の【概要】

このプライズに【秘密】は無い。

「雨森の儀」に用いられる勾玉。四つ存在し、すべて集めた者は霊森から脱出できる。

内部に「4」と読める模様が浮かんでいる。

芹野 成海 :「………」”何か”の霊力から情報を受け取り──雨に交じり、額に一筋の汗が流れる。

芹野 成海 :「……アンタの予想は当たってたみたいだけど」

水瀬 一理 :「ほほう!」

芹野 成海 :「私の方の予想は外れてたわね。……思ったより、考えてもなかった方向に」

十九川ヤコ :「おお」

十九川ヤコ :「何か掴めたみたいですな、せりのんや」

十九川ヤコ :ぐっしょりと濡れきった巫女服を肩の下、ギリギリまで下げて。

十九川ヤコ :大胆に露わにした肌に雨滴が伝い、艷やかに光っている。

芹野 成海 :「……私は、てっきりあのイケメンは──」

芹野 成海 :「鬼衆当主が他の婿連中を排除するために……つまり、婉曲にアンタを支援するために呼んだのかと思ってたんだけど」

芹野 成海 :「……まさか、従者みたいに振舞ってたガキどもの方が"主体"だったとはね」

芹野 成海 :そう言って、彼女の方を振り向く。

芹野 成海 :「……なんで脱いでんの?」

水瀬 一理 :「先ほどおもむろに」

水瀬 一理 :見るでもなく逸らすでもなく、なんとなく視線を漂わせている。

十九川ヤコ :「びしょびしょだったし……」

十九川ヤコ :「見苦しいものをみせてすまん」

十九川ヤコ :いそいそと服を正す。

芹野 成海 :「今脱いでも大して変わんねーでしょ! 乾かせるとこ行って脱ぎなさいよ!」

水瀬 一理 :「そういう、どっちの反応しても角が立つ言い方やめてくださいよう」

芹野 成海 :「……アンタにもその辺の配慮みたいな意識はあんのね」

芹野 成海 :同人誌につられて出てきたときのやり取りをぼんやり思い出す。

水瀬 一理 :「実地で失敗をし続けて学んできました!」

水瀬 一理 :「本じゃだめですね、こういうの」

芹野 成海 :「……学習能力があんのはいいことね」

十九川ヤコ :「実技は大事だからね。あたしもカラダで覚えるタイプだ」

芹野 成海 :「この流れでその言い方するの、文脈がつくわよ」

水瀬 一理 :「カラダで覚えるタイプ、と……」左手で書きづらそうにメモを取っている。

芹野 成海 :「取らんでいい取らんでいい!」

十九川ヤコ :えっへん、と豊かな胸を張っている。

水瀬 一理 :「日記ですよ」にこにこしている。

十九川ヤコ :「けどさあ」

芹野 成海 :「あん?」

十九川ヤコ :「世過さんってよりは……あの双子ちゃんの方に目的があるなら」

十九川ヤコ :「あの子たちの狙いって……」

十九川ヤコ :ちらり、と。腰に差したままの己が得物に視線を向ける。

水瀬 一理 :「…………」

芹野 成海 :「……そうなるわね」

芹野 成海 :「まだ分かんねーことだらけだけど──」

芹野 成海 :「どうも、思った以上に胡散臭いのが紛れ込んでるらしいわね」

芹野 成海 :里の方を見下ろしながら、そう呟いた。


芹野 成海 :あっ補助判定します! 目標は詐術で

GM :どうぞ~~

芹野 成海 :SG#3>=7 (判定:罠術)背景によりF値+1 (SG@12#3>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功

十九川ヤコ :すごすぎ

GM :安定感だぜ

芹野 成海 :ほっ……

水瀬 一理 :ナイスナイス!

GM :まさか【書類仕事】の効果が出ているとはね……

GM :では、爆撃が三シーン延期されます。

GM :====

【第二サイクル:マスターシーン】

世過氷柱 :1d3 (1D3) > 1

世過氷柱 :ふむ

GM :世過氷柱が、鳴無色葉に対して戦闘を仕掛けます。

鳴無色葉 :きな!

GM :戦闘乱入はあるかな~?

芹野 成海 :乱入します!

十九川ヤコ :出るぜ~。

鳴無色葉 :みんな……♡

GM :4人での戦闘ですね。

GM :====


GM :【第一ラウンド】

世過氷柱 :【絶境】の効果により、戦場を「極地」に変更。

十九川ヤコ :よしゃあがれよしゃあがれ!

芹野 成海 :すな!

鳴無色葉 :悪天候返して

GM :プロットどうぞ~

鳴無色葉 :プロ前なし、プロOK!!

十九川ヤコ :プロ前なし。プロOK

芹野 成海 :奥義使用します、《よもついくさのもがりのところ》

十九川ヤコ :行け~~~ッ!

鳴無色葉 :かっこいい~~~~♡

世過氷柱 :奥義破り、《召喚術》から、マイナス2を入れて目標値8

芹野 成海 :近いんだよな~

世過氷柱 :2d6>=8 (2D6>=8) > 8[3,5] > 8 > 成功

世過氷柱 :成功。

芹野 成海 :おい!!

鳴無色葉 :すな!

十九川ヤコ :ぷじゃけるな~ッ

世過氷柱 :見えない”何か”より……見える美貌だろう……?

世過氷柱 :プロットOK。

芹野 成海 :う~ん……OKです

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

○戦場:極地

<プロット6>

(芹野、色葉、氷柱)

<プロット2>

(ヤコ)

GM :プロット6に三人とはね

GM :1d100どうぞ

鳴無色葉 :1d100 (1D100) > 99

鳴無色葉 :たっか

世過氷柱 :1d100 (1D100) > 26

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 64

十九川ヤコ :イタチ~~~ゥ

芹野 成海 :やっちまえ~

GM :では鳴無さんからどうぞ

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :【災雷】、対象はもちろん氷柱氏!

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:異形化) (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功

十九川ヤコ :アッ

GM :サカナギ!

鳴無色葉 :……凪……

芹野 成海 :!?!?

鳴無色葉 :うーん神通丸

鳴無色葉 :つかいます!

十九川ヤコ :い、……イタチッッッ

GM :どぞどぞ

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:異形化) (2D6>=6) > 7[2,5] > 7 > 成功

十九川ヤコ :最高!

GM :やりよる

芹野 成海 :やったぜ

鳴無色葉 :召喚術だぜ!

世過氷柱 :回避はプロット値上7以上

世過氷柱 :2d6>=7 (2D6>=7) > 11[5,6] > 11 > 成功

世過氷柱 :成功。

鳴無色葉 :おい!!!!!!

芹野 成海 :?????

十九川ヤコ :オギャ……

芹野 成海 :ダイス抱いたか?

十九川ヤコ :いや、う~~~ん……

世過氷柱 :水も滴るいい男……雨が嫉妬してしまうからな

芹野 成海 :抱いス?

十九川ヤコ :切るか……

鳴無色葉 :なにっ

十九川ヤコ :遁甲符使います。

芹野 成海 :なにっ

鳴無色葉 :ヤコ~~~~~♡♡♡♡♡

十九川ヤコ :もっかい振りな!

system :[ 十九川ヤコ ] 忍具 : 3 → 2

芹野 成海 :遁甲符!?

世過氷柱 :私の美しき回避をまた見たいと? 君は贅沢だな

世過氷柱 :2d6>=7 (2D6>=7) > 8[3,5] > 8 > 成功

十九川ヤコ :なんなんだよ!!!

鳴無色葉 :…………………………………………

芹野 成海 :おい!!

世過氷柱 :この氷の世界……私の華麗なるステップを映し出すには相応しい……

十九川ヤコ :台州世過

GM :では芹野さんどうぞ。

芹野 成海 :う~ん……

芹野 成海 :打点与えたくはあるが、少しでも避けにくい方がいいか……

鳴無色葉 :1点でも与えてくれれば!

芹野 成海 :接近戦攻撃で氷柱さん攻撃します。指定特技は罠術

十九川ヤコ :バット短くもってこ

芹野 成海 :SG#6>=5 (判定:罠術) (SG@12#6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

芹野 成海 :よし!

十九川ヤコ :これが芹野成海のダイスや

世過氷柱 :《罠術》は9……

世過氷柱 :2d6>=9 (2D6>=9) > 6[2,4] > 6 > 失敗

鳴無色葉 :うおおおおおおおおおおおおおお

世過氷柱 :ふむ……

十九川ヤコ :しゃ~~~ッ

芹野 成海 :おっ!?

世過氷柱 :致し方ない。脱落確定だ。

鳴無色葉 :やった~~~~~~~~!!!!!

十九川ヤコ :ホッ…………………………………………………

鳴無色葉 :やっぱり成海が最強なんだよな♡

芹野 成海 :えっマジ!? やった!

世過氷柱 :1d6 (1D6) > 3

十九川ヤコ :何のダイス????

system :[ 世過氷柱 ] 忍術 : 1 → 0

鳴無色葉 :接近戦攻撃じゃない?

世過氷柱 :忍術を失う。

十九川ヤコ :なるほどね

鳴無色葉 :もしかして……揺らしもきくってこと?

芹野 成海 :あっそうじゃん

十九川ヤコ :あっそうだ…

GM :【揺らし】ありましたね

芹野 成海 :揺らしと包囲効くな

十九川ヤコ :この人の火力おかしくない?

芹野 成海 :いや包囲はきかない!

鳴無色葉 :集団戦攻撃じゃない?

GM :包囲は集団戦だけだね

鳴無色葉 :包囲はね!

世過氷柱 :戦術を失う。

system :[ 世過氷柱 ] 戦術 : 1 → 0

世過氷柱 :さて。反撃するか。

世過氷柱 :【形無】で芹野成海に攻撃。

芹野 成海 :何っ

世過氷柱 :《刀術》で攻撃する。

世過氷柱 :2d6>=7 (2D6>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功

世過氷柱 :成功。

芹野 成海 :成功するな!

世過氷柱 :【絶境】の効果で回避にはマイナス1修正がつく。

芹野 成海 :つけるな!

芹野 成海 :SG#6>=9+1 (判定:経済力) (SG@12#6>=10) > 6[3,3] > 6 > ファンブル

世過氷柱 :接近戦ダメージ1点だ。

鳴無色葉 :なりゅみ……

十九川ヤコ :せりの~~~~ん

芹野 成海 :く~……

芹野 成海 :でもさすがに神通切るには遠すぎるな……

芹野 成海 :しょうがない、脱落します 故障引かないことだけ祈ってる

芹野 成海 :1d6 (1D6) > 4

鳴無色葉 :な、成海……

GM :行方不明かな

十九川ヤコ :あこれ接近ダイスじゃない?

GM :あそっか

鳴無色葉 :接近だとおもう!

GM :失礼しました

芹野 成海 :謀術消えるんだが!?

十九川ヤコ :せりの~~~~ッッ

GM :芹野さん謀術死んでるやん

鳴無色葉 :謀術謀術メチャ痛い

system :[ 芹野 成海 ] 謀術 : 1 → 0

十九川ヤコ :場合によっては

十九川ヤコ :故障引かないうちに兵糧丸使うのもアリなのかな でも仕えるタイミングあるのかな

GM :ではプロット6終了時、芹野さんと世過氷柱は脱落。

十九川ヤコ :そもそも持っているかだが

GM :このタイミングで使ってもいいよ 持ってたら

芹野 成海 :あっなるほど!

芹野 成海 :持ってるので今のうちに使っておきます 謀術回復

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 2 → 1

system :[ 芹野 成海 ] 謀術 : 0 → 1

十九川ヤコ :慈悲のGM……

芹野 成海 :ありがたいぜ……

GM :ではプロット6終了時、芹野さんと世過が戦闘脱落。

GM :プロット2、ヤコさんはどうしますか?

十九川ヤコ :相談タイム! ちょびっとおまちください

GM :待ちのGM

十九川ヤコ :ではヤコは手番パスで。なにもしません。

GM :ラウンド終了時。

GM :1d6 (1D6) > 3

十九川ヤコ :ホッ

GM :極地は不発。

GM :戦闘続行意志はありますか?

鳴無色葉 :なし!

十九川ヤコ :ある…!

GM :では、鳴無さんが脱落。

GM :勝者のヤコさんは戦果をどうぞ。

十九川ヤコ :は~い!勝者です なにもしてないぜ

十九川ヤコ :氷柱様の顔の次に綺麗なその勾玉・肆をいただくぜ。

世過氷柱 :おこられる

GM :どうぞ~

十九川ヤコ :ゲハハハハ!オウギちゃんに怒られな!

鳴無色葉 :じゃあ変調表ふりますか

GM :では脱落組は変調受けましょうか

芹野 成海 :振りたくね~

鳴無色葉 :WT 変調表(3) > 重傷:次の自分の手番に行動すると、ランダムな特技分野1つの【生命力】に1点ダメージ。1サイクルの終了時に、《生存術》で成功すると無効化される。

世過氷柱 :WT 変調表(3) > 重傷:次の自分の手番に行動すると、ランダムな特技分野1つの【生命力】に1点ダメージ。1サイクルの終了時に、《生存術》で成功すると無効化される。

芹野 成海 :WT 変調表(2) > マヒ:修得済み特技がランダムに1つ使用不能になる。1サイクルの終了時に、《身体操術》で成功するとこの効果は無効化される。

十九川ヤコ :じゅ、重傷

芹野 成海 :1d6 左上から (1D6) > 2

芹野 成海 :隠形術くん!!

GM :グッバイ

十九川ヤコ :でも……セリンクス……【追尾】が!

芹野 成海 :安くない

GM :ホントだ、【追尾】が

GM :演出行きます~

GM :====


GM :──霊森・柳林

GM :特殊な風土によるものなのだろうか、さらさらと風に枝をたなびかせる、柳の群生地が存在している。

GM :雨によりぐったりと俯いていた柳は、しかし姿勢を正す。

世過氷柱 :ぱりぱり、と音を立て、氷の御簾を分けて現れるは、幽玄な麗顔。

世過氷柱 :しっとりと濡れたような瞳が、氷の中に目的の匂いを探し当てていた。

世過氷柱 :「ずいぶんと、濃い気配がすると思ったが」

世過氷柱 :「なるほど、組んでいたか……」

世過氷柱 :ひいふう、みい、と鳴無色葉と、他の二人を数える。

世過氷柱 :「良いだろう、一人相手に私の美貌を独占させるのは、惜しいと思っていたのだ」

鳴無色葉 :「クク、我の色香にやられたか?」

鳴無色葉 :「ミッチの言う通りにしてよかったな。その美貌を制御できた」

十九川ヤコ :「色葉っちがいっぱい抱えてる勾玉に寄せられて……ってヤツだね」

十九川ヤコ :「ギリギリで合流できてホッとしたぜ、まったく」

世過氷柱 :「ふ、私を寄せる、と言うか」

世過氷柱 :「この美貌を蝶の羽搏きに見立てるセンスは評価しよう……」

世過氷柱 :「しかし、花というほど君たちは香しくはない」

十九川ヤコ :「なにおう。いつだって満開に咲きっぱなしじゃろがい」

鳴無色葉 :「ふん、少しばかり儚き美貌を漂わせた浮世を離れた蝶の如き美しさだからといって調子に乗らないでもらいたい」

世過氷柱 :嬉しそう。

芹野 成海 :(誉め言葉は素直に受け取んのね……)

鳴無色葉 :「我々も満開の花の如き美しさ。この世ならざる蝶を迎えるに劣らぬと思うが?」

世過氷柱 :「…………嗚呼、なるほど」

世過氷柱 :「すまない。私にとって花とは、路傍に咲く小さい命のことではない」

世過氷柱 :しゅか、と杖のような剣を抜き、構える。

世過氷柱 :「私の剣の後に咲き、美しさを際立たせる、徒花だけが……蜜になるだろう」

鳴無色葉 :「華やかなものばかりに目を奪われていたら小さき命の美しさも感じられまい……それはお前の美しさを高めるのを阻む要素だぞ」

鳴無色葉 :「道端の小さな花にすぎんと思う命の輝き、それにお前は破れるのだ」

世過氷柱 :「ふむ……」首を傾げる。

世過氷柱 :「試してみよう」氷の細柱が砕け、舞う。

芹野 成海 :「──っ!」

芹野 成海 :言動こそツッコミどころは多いが──

芹野 成海 :その剣気と妖気は、紛うことなき達人のそれ。

芹野 成海 :(……茶々入れる余裕もねーわね!)

芹野 成海 :濡れ立つ柳の影へ、何事か書いたメモ帳を一枚飛ばすと──

芹野 成海 :その陰から、雨に縁どられた”何か”が現れる。

芹野 成海 :人の輪郭、その胴の部分に”符”を張り付けたそれが、男へと襲い掛かる。

世過氷柱 :「──やはり」

世過氷柱 :ゆら、と輪郭が歪んだように見える。

世過氷柱 :知覚を捻じ曲げ、認知を狂わせる、邪道の剣。

世過氷柱 :しかしながら剣筋に一つの乱れなく、”符”ごと輪郭を正確に刻む。

世過氷柱 :「命無きものに、美しい威は宿らない」

世過氷柱 :「君もそう思わないのか」

芹野 成海 :「さて、ね」

芹野 成海 :「美しくはないかも知れないけど──」

芹野 成海 :「悪いもんでもないわよ」

芹野 成海 :にやりと笑うその口元には、一筋の血が流れている。

芹野 成海 :「害したわね? その符」

芹野 成海 :──亡者に貼り付けらていたのは、魂を呼ぶための符ではない。

芹野 成海 :『斤野戈海』──己の名前をわざと書き損じた、"半端な"形代だ。

芹野 成海 :その利剣に直接斬られたのでは、ただでは済まない。ゆえに"出来損ないの"形代を噛ませ、バッファーとした。

芹野 成海 :そして、威力を減じてまでその刃を受けた目的は──

芹野 成海 :「『大法堂堂 天円地方 天有九柱 地有九梁 厭呪之人 自受其殃 六柱三梁 厭蠱消亡 三梁六柱 還其本主 六甲六乙 厭蠱速出 六丙六丁 厭蠱不行 六戊六己 厭蠱不起 六庚六辛 厭蠱不真 六壬六癸 厭蠱自死 呪詛速解 喼急如律令』」

芹野 成海 :呪句を唱える。──己を害するものを害し返す、呪い返しの呪句を。

芹野 成海 :それとともに──

芹野 成海 :彼の美しき絶凍の斬撃が、彼自身の身体を襲う。

世過氷柱 :「……」

世過氷柱 :ば、と胴が裂かれる。血はすぐに凍りつき、止まる。

世過氷柱 :しかしながら、身体の輪郭が歪む……。

世過氷柱 :「恐れ入った、呪詛返しを、一手にて紡がれるとは」

世過氷柱 :「美しさを……保てないのは悲しい。ここは退くとしよう」

世過氷柱 :「鼬の君。君の言葉には学ぶ点があることを認めなくてはならない」

鳴無色葉 :「ふふっ、そうだろう」

世過氷柱 :「小さき命……いや、命無い者にすら美しさを現出させ得る技術、か。私はより美しくなろう」

鳴無色葉 :「……ああ。他者の言葉を聞き美しさを極めんとするその姿勢、美しい。必ずやお前はさらなる美に辿りつけようぞ」

鳴無色葉 :(……少し羨ましいな。妖魔の血が流れ、人と違う事をこれほどまでに前向きに捉えられるとは……)

十九川ヤコ :握った柄の力を緩めて。退却の構えを見せる彼に向けて声を飛ばす。

十九川ヤコ :「世過さん。もうすぐ、この森一帯。全部、火の海になるかもしれないの」

十九川ヤコ :「あたしは。……最後まで、残るつもりだったけれど」

十九川ヤコ :側の友の姿を横目で見て。

十九川ヤコ :「あたしが大事に思っているみんなの命と、皆が大事にしてくれている、あたしの命には、代えられない」

十九川ヤコ :「だから、あたしたちはもう、森を出る」

十九川ヤコ :「あなたは……どうするの?」

十九川ヤコ :「あなたにも。大事に思う人が、居るんじゃないの?」

世過氷柱 :「……ああ、私は誰よりも、私の美貌を大事に思っている」

世過氷柱 :「しかし、出ようとして出られるものでは無い。こうして脱出の鍵も……君たちに渡すことになる」

世過氷柱 :勾玉を取り出す。

十九川ヤコ :ぱしり、とそれを受け取って。

十九川ヤコ :「なら、あたしたちと……」

世過氷柱 :首を振る。

世過氷柱 :「私は剣の腕を示すためここへ来た。偶然にも、火の海とは一戦交えたことが無い」

世過氷柱 :「私は氷柱のように、怜悧に鋭く、美しくあらねばならないのだ」

世過氷柱 :「さらばだ」

GM :柳がざわと、湿度を含んだ風に揺れている。

GM :雨の感触に気づいたとき、世過氷柱の姿はそこにはなかった。

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :でもね、世過さん。

十九川ヤコ :美しいってのはさ。側で見てくれる誰かが居て───。

十九川ヤコ :はじめて、生まれるものじゃんさ。

十九川ヤコ :彼の姿が見えなくなるのと同時に、呟いた言葉すら、風に乗って消えた。

GM :====


GM :第二サイクル終了時! 解除判定があるやつは振りな!

鳴無色葉 :うおーーー!!やるぜやるぜやるぜ!!

十九川ヤコ :がんばれ〜ッ!!!

鳴無色葉 :重症解除チャレンジ!

GM :どうぞ

鳴無色葉 :2D6>=10 (判定:異形化) (2D6>=10) > 7[2,5] > 7 > 失敗

鳴無色葉 :だめ!おしまい!

芹野 成海 :不可能な距離ではない! マヒ解除振ります

芹野 成海 :あっいやよりによって一番近い隠形が死んでるのか……

GM :そうですね。

GM :《火術》から10かな

芹野 成海 :まあ一応振ります ファンブルはせんだろ……多分……

芹野 成海 :2D6>=10 (判定:火術) (2D6>=10) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

芹野 成海 :????????

GM :

鳴無色葉 :成海!!!!!!!!!!

GM :ファンブル表ふろっか

十九川ヤコ :芹野………? 嘘だよな?

芹野 成海 :神通するか……?

十九川ヤコ :ありっちゃありだが…

芹野 成海 :F表見たけどマシなのが少なすぎるので神通します

鳴無色葉 :忍具なくなっちゃうよ~

GM :ウス

十九川ヤコ :うむ…

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 1 → 0

芹野 成海 :2D6>=10 (判定:火術) (2D6>=10) > 10[5,5] > 10 > 成功

GM :忍具カラになっちゃった……

十九川ヤコ :強い

鳴無色葉 :成海♡♡♡♡♡

芹野 成海 :……成功しとる

GM :この女、振り直しが強い

芹野 成海 :振れ幅何?

十九川ヤコ :いつものビガダイス

水瀬 一理 :スペチェですが故障解除します

芹野 成海 :ともかくマヒ解除!

水瀬 一理 :2D6>=15 (判定:骨法術) (2D6>=15) > 4[2,2] > 4 > 失敗

GM :矩形波みたいなダイスしてるな

水瀬 一理 :失敗!

十九川ヤコ :ファンブルじゃない!ヨシ!

芹野 成海 :ヨシ!

抜戸涯 :故障の解除判定を振るぜ。

抜戸涯 :2d6>=9 (2D6>=9) > 8[3,5] > 8 > 失敗

抜戸涯 :おしいな

世過氷柱 :重傷の解除判定。

十九川ヤコ :ワハハ!

世過氷柱 :2d6>=10 (2D6>=10) > 7[3,4] > 7 > 失敗

世過氷柱 :ふむ

GM :では、第二サイクルは以上。

GM :====


ザイロック :「フン……」

ザイロック :霊森のどこか。シェルターの中で、革張りのソファに身体を預けている。右手にはワイングラスだ。

十徳釵振 :「どうかしました~?」

十徳釵振 :シェルター内の端っこの方にちょこんと座っている。

ザイロック :「この国は湿気が多い。気分が悪くて頭に来ているだけだ」

ザイロック :胸元の布を扇ぐ。形の良い胸筋が覗く。

ザイロック :「鬱陶しい森を焼き払えば、気分もすくと思ったが……」

ザイロック :「……十九川ヤコ。最後までオレの誘いを断るとは、バカな女だ」

ザイロック :目を伏せる。ミサイルが今にも落下し、妻ごとすべてを焼き払うのだ……

十徳釵振 :「あ~、すみません」

十徳釵振 :「焼き払う、ミサイルなんですけど~。どうも妨害が入ったようでして」

ザイロック :「何?」

十徳釵振 :「イタチ?とか、ダミーメッセージとか……どうも発射が遅れるみたいです~」

十徳釵振 :「申し訳ありません~」頭を下げる。

ザイロック :「……」

ザイロック :「イタチ、か」十九川ヤコに同行していた、獣耳の女の姿を思い出す。

ザイロック :「ふふ、ハッハッハ!」

ザイロック :「藪をつついて出るのは、蛇だけじゃなかったようだな!」

ザイロック :「面白い女だ、十九川ヤコ……!」

ザイロック :笑い、グラスを傾ける。

ザイロック :「血に縛られ、藻掻きながら」

ザイロック :「血路を開いて見せるか……オレの妻に相応しい」

ザイロック :「構わん、整備士。待つ楽しみもできた」

十徳釵振 :「ありがとうございます~!」

十徳釵振 :手に持った通信端末から指示を繰り返す。

十徳釵振 :(う~ん、ひょっとしたら)

十徳釵振 :(似た者同士、なのかもしれないですね~)

GM :====

【第三サイクル:マスターシーン】

GM :抜戸涯が十九川ヤコに戦闘を仕掛けます。

鳴無色葉 :乱入乱入乱入乱入!!

十九川ヤコ :こいわよ

十九川ヤコ :色葉……

芹野 成海 :乱入します!

十九川ヤコ :成海……

抜戸涯 :満身創痍! しかしやるしかねぇな


GM :【第一ラウンド】

GM :プロットどうぞ。

抜戸涯 :【影分身・略式】を使用。

鳴無色葉 :判定ナシずるだよ~

芹野 成海 :奥義使用します 《よもついくさのもがりのところ》

十九川ヤコ :とりあえずここをみよう がんばれ~!

芹野 成海 :指定特技は死霊術!

抜戸涯 :破るしかねえが……マイナス修正込みだとスペシャルのみだな

抜戸涯 :2d6>=12 (2D6>=12) > 11[5,6] > 11 > 失敗

抜戸涯 :惜しいぜ

鳴無色葉 :こわっ

芹野 成海 :あっぶね!!

十九川ヤコ :めちゃくちゃいい出目なのに…

抜戸涯 :くらましがなきゃあ破れてたな

芹野 成海 :1d6 屍1 (1D6) > 6

芹野 成海 :1d6 2 (1D6) > 5

芹野 成海 :プロット6と5に屍忍が出ます

抜戸涯 :厄介だ

抜戸涯 :プロットはOK.

鳴無色葉 :プロOK!!

芹野 成海 :OK!

十九川ヤコ :OK

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

抜戸涯 :6に行こう。

芹野 成海 :何っ

抜戸涯 :逃げるくらいなら挑んでねえさ

○戦場:平地

<プロット6>

(ヤコ、芹野、色葉、抜戸、屍忍1)

<プロット5>

(屍忍2)

十九川ヤコ :行くぞオラ!

GM :プロット6、1d100どうぞ

鳴無色葉 :1d100 (1D100) > 42

十九川ヤコ :1d100 (1D100) > 21

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 78

抜戸涯 :1d100 (1D100) > 46

十九川ヤコ :低ッ

屍忍1 :1d100 (1D100) > 72

GM :では芹野さんから。

屍忍1 :うっ私最初か

鳴無色葉 :芹野軍が先手!

芹野 成海 :違う違う

芹野 成海 :ガイさん残ってるの忍術だけなんだよな

GM :そうですね。

芹野 成海 :どっちもそこそこ近いな……

芹野 成海 :とりあえず【動員】でガイさんを攻撃します

GM :【動員】!?

十九川ヤコ :追加忍法!?

GM :俺の知らない追加忍法かもしれん

芹野 成海 :あっ違う 戦駒です

鳴無色葉 :かわいいね

芹野 成海 :なんか動員っぽいじゃん効果が

GM :そうかもしれないね。

芹野 成海 :SG#6>=5 (判定:経済力) (SG@12#6>=5) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

芹野 成海 :うわっ

十九川ヤコ :???

GM :こ、こいつ

鳴無色葉 :最強なのか?芹野成海

芹野 成海 :無を回復します

十九川ヤコ :ノリノリすぎる

GM :なんで無傷なんだ?

鳴無色葉 :ほんとだよ すき

抜戸涯 :とはいえ回避

抜戸涯 :経済力は8か

抜戸涯 :2d6>=8 (2D6>=8) > 10[5,5] > 10 > 成功

抜戸涯 :ようし

十九川ヤコ :いや~~~~すごいな……

鳴無色葉 :え~ん

芹野 成海 :よけおったな……

屍忍1 :では次行きます

GM :どうぞ~

屍忍1 :抜戸さんを攻撃します 特に痛打とかはしません

屍忍1 :黄泉神なので自動成功します

鳴無色葉 :つよっ

GM :指定特技は何ですか?

屍忍1 :えーっと屍忍なので

屍忍1 :身体操術です

抜戸涯 :《隠形術》から7。

抜戸涯 :2d6>=7 (2D6>=7) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

抜戸涯 :うおお

鳴無色葉 :うおーーー!!!!

屍忍1 :!!

十九川ヤコ :ついに…

抜戸涯 :脱落確定だな……

抜戸涯 :忍術しかないので残り生命点0だ。

抜戸涯 :足掻かせてもらうとしよう

抜戸涯 :十九川ヤコに【接近戦攻撃】。

抜戸涯 :2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

十九川ヤコ :うおお…

鳴無色葉 :ほっ……

芹野 成海 :おお……

抜戸涯 :……潔く倒れろってことか

GM :鳴無さんは行動ありますか?

鳴無色葉 :なにもなし!

GM :ヤコさんは行動ありますか?

十九川ヤコ :同じくなしでおねがいします。

GM :ではプロット6終了。抜戸涯が脱落します。

system :[ 抜戸涯 ] 忍術 : 1 → 0

GM :戦闘続行の意志はありますか?

鳴無色葉 :なし!

十九川ヤコ :ありません!

鳴無色葉 :戦果で我の秘密とったらいいんじゃないって感じだったけど じゃあ成海勝者にする?

十九川ヤコ :えーと

十九川ヤコ :色葉ちゃんの秘密的にヤコが受け取った方がいいならそうしたいかな?

鳴無色葉 :ん~誰でも大丈夫かな?

十九川ヤコ :誰が受け取っても不都合ないなら戦闘勝者の芹野さんが望ましいのかな?みたいにおもってました

芹野 成海 :なるほどね

芹野 成海 :じゃあ私が……貰ってしまって大丈夫!?

十九川ヤコ :いいよ♡

鳴無色葉 :いいよ~♡

芹野 成海 :ではいただきます 戦闘続行意志ありです

GM :了解です。

GM :では戦果として鳴無さんの【秘密】を芹野さんに送ります。

GM :演出行きま~す

GM :====


GM :──霊森・獣道

GM :目的地に向かうあなたたちを、一人の男が待ち構えていた。

抜戸涯 :「……」

鳴無色葉 :「クク!満身創痍になってもご苦労なこったな」

鳴無色葉 :氷柱との戦いで凍った地面で滑って転んでデカめの岩が刺さりめちゃくちゃ流血している。

抜戸涯 :体中から出血しており、目は焦点が僅かに合っていない。

抜戸涯 :「……ああ……お互い様、じゃねえの」

抜戸涯 :「すまねえな……意地は、通させてくれ」

抜戸涯 :ナイフは先の戦闘で失っている。徒手にて、十九川ヤコの首を獲ろうと駆ける。

十九川ヤコ :己の元に駆ける男のその速度は。目を見張る暇すらなかった、あの時とは比べ物にならないほど。

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :抜刀の構えを、そっと解く。

十九川ヤコ :侮っているからでも、哀れんでいるためでもない。

十九川ヤコ :相手は手練れの忍び。しかして之は都合三回目の対峙。であれば。

十九川ヤコ :彼女の“仕込み”は。とうに済んでいるから。

芹野 成海 :「『墓印 さけて五倫が水となる』」

芹野 成海 :獣道の脇に、古ぼけた小さな道祖神が立っている。

芹野 成海 :かつてこの山に登った誰かが勧請したであろう、風化しきったその石陰から──

芹野 成海 :一人の女が姿を現す。

芹野 成海 :一人の──いや、一人ではない。

芹野 成海 :男がその姿を視認したときには既に──不可視の剣客が眼前へ迫っている。

抜戸涯 :それを回避する余力すらも残っていない。

抜戸涯 :拳が十九川ヤコに届く、はるか前で斬られ。

抜戸涯 :(前のめりか)

抜戸涯 :「悪くねぇ」

抜戸涯 :どう、と地に倒れた。

GM :倒れると同時に、流れた血から水分が分離する。

GM :水は薄い膜となり、抜戸の全身を覆う──これが生命力を失った者を守るという、結界なのだろう。

GM :それは、抜戸涯が完全に戦いから脱落したことを意味していた。

十九川ヤコ :ざっ、と。砂利まじりの土を踏んで、地に伏せる男の前で屈む。

十九川ヤコ :「抜戸さん」

十九川ヤコ :「ハグレとしてのあなたの矜持、しかとこの眼で見届けさせていただきました」

十九川ヤコ :懐から取り出した紙に、さらさらと筆を走らせる。

十九川ヤコ :『“十九川八代目当主”・十九川八子』と書かれた紙に。符丁で暗号化した、己の連絡先を添えて。

十九川ヤコ :「あなたの腕は、ホンモノだ」

十九川ヤコ :「こんな生意気なガキの首を獲るより」

十九川ヤコ :「次は、もっとやり甲斐のある仕事を。あたしが依頼してやるから」

GM :雨はいまだ止まず。されど、風は吹いた。

GM :道の先へと、風はあなたたちの背中を押す。

GM :====

【第三サイクル:鳴無色葉】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :登場希望は、ヤコちゃん水瀬さん芹野さん、つまりPC全員!やることは展開次第だけど何もなければ水瀬さんの秘密を調べるかな。

十九川ヤコ :出るわよ!

水瀬 一理 :うおー

芹野 成海 :出ます!

鳴無色葉 :シーン表は、なんらかの効果で、1834番のシーンに出ます。

水瀬 一理 :あっ

水瀬 一理 :その番号は……!

十九川ヤコ :1834!?

GM :了解です。

十九川ヤコ :そ、その数字は……

GM :1834>秘された森の、奥の奥。木が絡み合う自然の社の下に、古い祠が佇んでいる。

GM :====


GM :──霊森・██

GM :鳴無色葉の先導で、あなたたちは獣道を抜けた。

GM :自然に形成されたものなのだろうか……並び立つ木々の枝葉が絡み合うように伸び、天蓋を形成している。

GM :そしてその下には、歴史を感じさせる朽ちた祠があった。

GM :雨も入ってこない。何かに呼ばれるように、あなたたちは祠の前に立っていた。

GM :────

GM :十九川ヤコは気づくだろう。

GM :この祠は、数年前の儀式……「雨森の儀」にて、あなたが最後に辿り着いた場所と、同じものである。

GM :妖魔と戦い──御洞八雲が命を捧げた、その場所だ。

十九川ヤコ :色葉に導かれる途中で、予感はあった。

十九川ヤコ :無意識下で、記憶の片隅に追いやっていた記憶のピースが、ひとつひとつ、繋がって。

十九川ヤコ :腰の二色乞を通して感じる熱が、抑えられなくなるほどになって、ついに。

十九川ヤコ :「此処だ」

十九川ヤコ :「あたしと八雲。ふたりで」

十九川ヤコ :「ここで、二色乞を見つけたんだ」

鳴無色葉 :「……そうか」

鳴無色葉 :「もう来たくないと言っていた里、森。……中でもここには最も来たくなかったかもしれんが」

鳴無色葉 :「ここには何かがある。何かが……いる」

水瀬 一理 :「…………」祠を。そして、ヤコの様子をじっと見ている。

十九川ヤコ :「雨森の儀を行うということはね。幾つかの意味がある」

十九川ヤコ :「それは、十九川の後継者として認められるためだったり」

十九川ヤコ :「最前線で血を流し続ける鬼衆家への報いのために、十九川の当主自身がその血を捧げること」

十九川ヤコ :「捧げる相手は、森にでも、神にでもない」

十九川ヤコ :「霊森の奥深く。最もこの地の力が活性化するであろう、この場所に」

十九川ヤコ :「かつての十九川の忍びが。滅するでもなく、封じることしか出来なった、あまりに強大すぎる妖魔にだ」

鳴無色葉 :「……ふむ、なるほどな……」

鳴無色葉 :隣の芹野さんの手を少し握る。

鳴無色葉 :「……我が魔に魅入られてるだけだったら、止めてくれ」

芹野 成海 :「……そうだったら、言われねーでも止めるけど」

芹野 成海 :「今んとこは、信じてもいいんじゃねーかとは思うわ」


芹野 成海 :鳴無色葉さんの秘密をヤコちゃんと水瀬さんに共有します。

GM :了解です。

鳴無色葉の【秘密】

あなたは隠れ里・古夜に辿り着いてから、自分たちへの気配を感じている。警戒心や十九川ヤコへの敵意のようなものではない。むしろ森の奥へと呼んでいるような奇妙な気配だ。それとなく聞いてみたが、十九川ヤコは何も感じていないらしい。

鼬の血族であるあなたが、森の霊力を受けることによって、感覚が鋭敏化しているのだろうか。いずれにせよ、気配の正体を確かめたい。


あなたは自分がシーンプレイヤーのとき、シーン表を振らず、好きな番号を指定することができる。

あなたの【追加の使命】は、シーン表「□□□□」番のシーンに登場することだ。(この使命を達成した場合、功績点を追加で1点獲得する)


またあなたは十九川ヤコの生命点が減少したとき、【かばう】を持っているかのように、その生命点の減少を肩代わりすることができる。(サイクル・ラウンド一回)

芹野 成海 :「少なくとも今のところは──敵意は感じないんでしょ。なら、ここがぶっ飛ばされる前に確かめてみてもいいんじゃないかしら」

芹野 成海 :「件のクソ強い妖魔が出たら全員で撤退したいけど」

??? :「──そうだな」

鳴無色葉 :「……ほお」

GM :何者かの声が通る。

鳴無色葉 :「……神聖な地を獣の血で汚すことを許されよ。……最も、此処の性質を考えればむしろ喜ばれそうなものでもあるが」

鳴無色葉 :「どうして私を呼んだ?貴方は何者だ」

??? :「神聖? ハハ、そうでもないよ」

??? :声の出先は、祠だ。その上に、いつの間にか青年が腰かけている。

??? :その体は、雲のようにあちこちが千切れ、空中に舞っている──男は気にした様子もない。

??? :「久しぶりだな、ヤコ」

鳴無色葉 :「……ククッ、やはり……」

十九川ヤコ :その朗らかな声色も。柔和に微笑む表情も。

十九川ヤコ :全部、全部。あの時のままで。

十九川ヤコ :「や」

十九川ヤコ :「八雲……?」

御洞八雲 :「ああ」

御洞八雲 :親し気に笑う彼こそ、重さを失ってはいるが、御洞八雲その人だった。

十九川ヤコ :「………」呆然とした表情から。

十九川ヤコ :「………色葉っちに、声をかけてくれたのも」

十九川ヤコ :「せりのんに、メッセージを送ったのも?」

十九川ヤコ :ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。

御洞八雲 :「ん、ヤコを呼んだのは俺だ」

御洞八雲 :「ぜんぜん気づいてる様子は無かったけど。無理もない、気が張ってたんだ」

御洞八雲 :朗らかに笑う。その様子は、生きていたころのままだ。

御洞八雲 :「話がしたかったんだ」

御洞八雲 :「ほら、俺、最期はあんな感じだったろう? 結構、思い残すもんだ。オススメしない」

御洞八雲 :「付き合ってくれるか?」

十九川ヤコ :「なん、だって、あんた、二色乞に───」と。動揺したような言葉が次々と漏れ出て。

十九川ヤコ :「え」ぴたりと止まる。

十九川ヤコ :「どっ……」

十九川ヤコ :「どっちの意味……?」

御洞八雲 :「何それ」笑う。

鳴無色葉 :「……この場面で恋愛として交際してくださいなわけないだろ」苦笑する。

鳴無色葉 :「思う存分話せ。死者と話せるなど羨ましくて仕方ない」

水瀬 一理 :「……本当に」小さく呟く。

十九川ヤコ :見たことがないくらい頬を真っ赤に染める。

十九川ヤコ :「わ、わかってっし」

御洞八雲 :「ハハ、変わってないんだな」

御洞八雲 :「安心したよ……ヤコの友だちも、ありがとう」

御洞八雲 :「そうだな……まず伝えたいこととしては」

御洞八雲 :「ごめん、ヤコ。今いろいろとややこしくなってるの、俺のせいだ」

御洞八雲 :「俺、七支のおじさんに聞かされてたんだ。封じられている妖魔のこと」

十九川ヤコ :大きく目を見開いて。「知ってたの?」

御洞八雲 :「うん……だから、倒そうと思った」

御洞八雲 :「ほら、俺って天才だったろ? 神童、みたいな……天狗になってたんだよな」

御洞八雲 :「封じられてる妖魔さえ倒せれば、ヤコも、この後の十九川家の子孫たちも、こんな儀式せずに済む」

御洞八雲 :「おじさんから魔除けの勾玉もこっそり借りて。そうは言ってもほかの連中は巻き込みたくないから、一人で倒すつもりだったんだ」

十九川ヤコ :暫し黙してその言葉を聞いて。次第に、わなわなと肩を震わせる。

十九川ヤコ :「バカ」

十九川ヤコ :「バカ、バカ、バカ、バカ!!」

御洞八雲 :「ごめん、うん、ごめんな」

十九川ヤコ :「あんたのそういう所、ほんっと嫌いだった!」

十九川ヤコ :「何でも自分ひとりで背負いこんで」

十九川ヤコ :「いっつも」

十九川ヤコ :「いっつも、あたしを置いてけぼりにする」

十九川ヤコ :「なんで」

十九川ヤコ :「話してくれなかったの」

十九川ヤコ :目頭が熱くなる。雫が頬を伝う。

十九川ヤコ :「最後まで、あたしは」

十九川ヤコ :「あんたの頼れる友達に、なれなかった」

御洞八雲 :「そうだなあ」困ったように笑う。

御洞八雲 :「俺は……御洞の出だったから。当主になったとしても、里から離れる未来は無かったからさ」

御洞八雲 :「憧れてたんだよなぁ。里の決まりが嫌いだなんて公言して、頑張っててさ」

御洞八雲 :うーん、と頭を掻く。

御洞八雲 :「格好つけたかったんだ。俺の実力で里から出られるぞ!外に出ても忘れるなよな!ってさ」

御洞八雲 :「頼られたかったんだよ。ごめんな」

十九川ヤコ :「……だから」

十九川ヤコ :「だから、笑ってたの?」

十九川ヤコ :己の胸に二色乞を突き立てて。その命を捧げる、今際の際まで。

十九川ヤコ :恨言も遺言も残すこと無く。

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :「もう、遅いから」

十九川ヤコ :「今のあたしにはね」

十九川ヤコ :「あんたなんかより、ずっとずっと頼れるダチが。こんなに居るんだから」

御洞八雲 :「……そっか」眩しそうに目を細める。

御洞八雲 :「善かったなあ」

御洞八雲 :ひとつ咳払いをする。雲の身体が千切れる。

御洞八雲 :「さて。確かに今更、あの時のことを言ってもしようがない」

御洞八雲 :「話がしたかったのは、何も昔話だけじゃない。これからの話」

御洞八雲 :「まず、祠なんだけど……」とん、と座っている祠を手でつつく。

GM :ごり、というような音を立て、苔むした石扉は地に落ちた。内には何もない。

御洞八雲 :「この通り。破られているんだ」

鳴無色葉 :「何……?マズいんじゃないのか、それ」

御洞八雲 :「うん、だいぶ不味いんだ」

御洞八雲 :「祠はあくまで、妖魔を閉じ込めた楔を仕舞っているだけのものに過ぎない。人目を避けて捧げるのに都合がいい、というのも大きいから」

御洞八雲 :「楔も、そう簡単に破壊できるものじゃない。文字通り忍びが命を懸けて作ったものだからね」

御洞八雲 :「まずいのは、捧げ物の価値が失われた、らしいことだ」

御洞八雲 :「封じられていた妖魔は、鵺と呼ばれていた。雨と雷の権能を有する、大妖魔だ」

御洞八雲 :「だけど、こいつも元は、十九川の忍びなんだよ。ヤコも知ってる」

十九川ヤコ :「あたしも……?」

御洞八雲 :「名前だけな。十九川家二代目当主、十九川二郎殿」

十九川ヤコ :「え」

御洞八雲 :「"延煙火車髑髏"。江戸を襲った火災の化身。そして、二郎殿が"命と引き換え"に封じ込めた妖魔だ」

御洞八雲 :「彼も「二色乞」を使ったんだ。自らの肉体全てを雨へと転じ、その霊威をもって火車髑髏を消火せしめた」

十九川ヤコ :“一魔降”の鯉口から登った薄い煙が。枝葉の天蓋の向こうへとたなびいて消える。

御洞八雲 :「だけど、その後だなあ。問題は」

御洞八雲 :「雨が止まなかったそうだ。あまりにも強い意志と強大な敵のせいで、終わりを定めていなかった」

御洞八雲 :「『雨森の儀』ができたのはそれからだ。雨を斬ることはできないし、調伏しようにも死んでいるわけじゃあないんだ。変換しているだけだからな」

御洞八雲 :「今まで俺たち十九川家は、同じく「二色乞」を使って、英雄を縛り付けることでしか雨を止めることはできていないんだよ」

御洞八雲 :「二郎殿の息子は、鬼衆家と名を改め、父の”不始末”を詫びることを十九川家に誓ったんだ」

十九川ヤコ :「じゃ、じゃあ」

御洞八雲 :「二郎殿の弟が……いや、これ以上は歴史の授業になってしまうな」

御洞八雲 :「うん?」

十九川ヤコ :「十九川も、鬼衆も……元は……ひとつの家だったの?」

御洞八雲 :「そういうことだ。消し去られた過去だけど」

御洞八雲 :「俺は、自分を雲に転じて、鵺を縛り付けていたから。その思いは伝わってきた」

御洞八雲 :「……やっぱり、先祖は先祖だからさ。鬼衆家の怨念みたいなものは、蓄積されているんだ」

御洞八雲 :「けど、それは鵺の本心じゃない。最初は人を助けたい、献身の想いだったんだ。怨みや怒りで覆われていても、それは変わらない」

御洞八雲 :「こうして妖魔になったからこそ、調伏できるようになったとも言える。鵺も、それを望んでいるんじゃないかと……俺は思う」

御洞八雲 :天を見上げる。雨脚はいまだ強い。

御洞八雲 :「……話を戻すと、それでもこうして、雨が強く振っている」

御洞八雲 :「遠雷も……鵺は、急に暴れ出したんだ。自らを鎮めている力が無くなったかのように」

御洞八雲 :「俺はこの通り、元から”全部”捧げたから、変わりようがない」

御洞八雲 :「……なら”一部”を捧げた者は、どうだろう」

御洞八雲 :「捧げた者に何かあったとき、捧げ物の価値は保たれるのか? もしそうなら、代替わりの度に『雨森の儀』をやる必要は無いはずだ」

御洞八雲 :「……七丈様に、何かあったのではないだろうか」

御洞八雲 :真剣な表情で告げる。

十九川ヤコ :明かされる衝撃の真実の連続に、破裂しそうになる頭を必死で堪えていたが。

十九川ヤコ :「父上が─────」

十九川ヤコ :森の外。里の様子は、随分と伺いしれていない。

十九川ヤコ :「八雲」

十九川ヤコ :「あたしたち、確かめなきゃ」

御洞八雲 :「ああ」

御洞八雲 :「俺がこうして、御洞八雲としての自分を思い出したのも、つい先刻だ」

御洞八雲 :「まだ事件は渦中かもしれない。だから」

御洞八雲 :「行ってくれ。十九川ヤコ」

御洞八雲 :「これは、餞別だ」


御洞八雲 :御洞八雲は奥義を使用します。

御洞八雲 :『慈雨の雲』追加忍法/巡らし/回数制限。

御洞八雲 :使用するのは【仙食】。判定はGM権限で成功とします。

御洞八雲 :シーンに登場しているPCは生命点を1点回復できます。

十九川ヤコ :うおおーっ!!

鳴無色葉 :ま、ま、ま、まじで~~~~!!!!

水瀬 一理 :ありがたーーーー

芹野 成海 :みんなを回復してくれてありがとうな……

鳴無色葉 :なんで全快なの?

鳴無色葉 :謀術回復します!!

十九川ヤコ :謀術、回復いたします

水瀬 一理 :戦術を回復します。

system :[ 十九川ヤコ ] 謀術 : 0 → 1

system :[ 水瀬一理 ] 戦術 : 0 → 1

御洞八雲 :そして、力を使うことで、純粋な現象となっている御洞八雲の肉体は、薄れていく。

十九川ヤコ :や、やだ…


御洞八雲 :「ヤコ」

御洞八雲 :「大丈夫だ。言っただろう? 「二色乞」で体を捧げても、死んでいるわけじゃあない」

十九川ヤコ :あたたかなもので、身体が包まれる。今までになく、心地よいもので、何もかもが満たされるというのに。

十九川ヤコ :眼から溢れるものが止まらない。

御洞八雲 :「これも形を変えているだけなんだ。だからさ」

御洞八雲 :「”頼む”。今度は俺を、連れてってくれ」

十九川ヤコ :「うん、うん」

御洞八雲 :肉体が徐々に解ける。それは、十九川ヤコの持つ「一魔降」に溶け込んでいく。

十九川ヤコ :「イヤだって言っても、離さねーから……」

御洞八雲 :「そうだ、頼るついでにさ、もう一つ」

御洞八雲 :「姉さんのこと、気にかけてやってくれ。悪い人じゃあないんだ」

御洞八雲 :「頼めるか?」

十九川ヤコ :「うん、分かってる」

十九川ヤコ :彼女もまた。この十九川に纏わる因習のために。

十九川ヤコ :愛するものを失ったひとだから。

十九川ヤコ :「頼まれた」

十九川ヤコ :「八雲」

十九川ヤコ :「ひとりぼっちで」

十九川ヤコ :「夢見がちで、生意気だったあたしを、いっつも気にかけてくれて」

十九川ヤコ :「あたしが死にかけた時は、身体を張って、助けてくれて」

十九川ヤコ :「今の今まで、ずうっと」

十九川ヤコ :「あたしを、助けてくれて」

十九川ヤコ :「ありがとう」

御洞八雲 :にこりと微笑む。

御洞八雲 :その表情まで、完全に解け、消える。

御洞八雲 :こちらこそ、ありがとう。

GM :その言葉は、空気の振動によるものだったのか。

GM :それはわからなかった。

GM :雲は、静かに溶けていった。

GM :────


GM :十九川ヤコさんは【プライズ】「一魔降」を獲得します。

【プライズ】「一魔降」の【概要】

妖魔を封じ、その力を借りる魔剣。

浄剣である「二色乞」と同時に振るわなければ、使用者の魂に汚れを与える呪いのある剣でもあった。

しかし、『慈雨の雲』の力により、今や呪いは抑えられている。


この【プライズ】は、十九川ヤコから移動しない。

この【プライズ】の所有者は、以下の効果を使用できる。

・戦闘中、自分の任意の判定にプラス3の修正を得る。この効果はセッション中1回まで使用できる。

・戦闘中各ラウンドの終了時に、戦場を任意のものに変更することができる(達成値が必要な場合、10として扱う)。この効果はセッション中2回まで使用できる。

GM :雨は降り続けている。

鳴無色葉 :「…………」雲の溶けた宙を、静かに見つめている。

鳴無色葉 :「……御洞八雲。ヤコをずっと想ってくれて、ありがとう」

鳴無色葉 :「ヤコのダチとして、我々が共に歩み支えていくことを誓わせてくれ」

鳴無色葉 :……いつも、適当なことを言っているけれど。

鳴無色葉 :どうか、そうさせてほしいという願い。そうありたいという祈り。

鳴無色葉 :そして、それに芹野成海を、水瀬一理を巻き込むという、呪い。

鳴無色葉 :「……こっちの女は目つきは悪いが、本当に優しくて強いんだ。照れ屋だしすぐ殴ってくるが、本当に……我には勿体ないくらいの人だ」

鳴無色葉 :「こっちの男は、外見は怪しいし、本人もそう思われようと振る舞っているが。不器用で、芯の部分は優しくて……とっても臆病だ」

鳴無色葉 :「……人を信じたくとも、知らないと怖いんだろ。そういう奴は、自分を知られてないのに信じられるのも怖がるものだ」

鳴無色葉 :「お前の抱えているもの、知ってやろう。マブダチとしてな」水瀬さんに向き直る。

鳴無色葉 :笑って、そう言って、呪いをかける。


鳴無色葉 :そういう感じで情報判定をしようかと思います……!

鳴無色葉 :使用特技は≪呪術≫!

GM :判定どうぞ!

鳴無色葉 :2D6>=5 (判定:呪術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗

GM :

鳴無色葉 :おっおい

鳴無色葉 :使います、神通丸を

水瀬 一理 :そ、そんな

GM :どうぞ!

鳴無色葉 :ではもう一度……

十九川ヤコ :まって

鳴無色葉 :なにっ

十九川ヤコ :感情修正だいじょうぶ?

鳴無色葉 :ん、んん~~~~

GM :アリではある

鳴無色葉 :このあとの忍具チャレンジにとっておこうかな……?んーでも

鳴無色葉 :重症でどこつぶれるかわかんないしな……

十九川ヤコ :そう それにとっとくのもあり

鳴無色葉 :チキります、ヤコぴからだけもらいたい!

十九川ヤコ :オッケー、プラス1どうぞ!

鳴無色葉 :ありがとう!!

鳴無色葉 :2D6+1>=5 (判定:呪術) (2D6+1>=5) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功

鳴無色葉 :はあっはあっはあ

十九川ヤコ :余裕っち!色葉最強!!

鳴無色葉 :友情パワーで共有し公開情報に!

GM :では水瀬さんの【秘密】が公開情報に。

水瀬一理の【秘密】

あなたは隠れ里に入り込むにあたって、十九川家に伝えられる妖刀「二色乞」の調査をするよう命じられている。

きっかけは、ある比良坂の巫女の『六つの剣の欠片が、世の変革を齎す』という預言だった。“六つの剣”についてあなたが古文書を調べたところ、江戸時代末期に、折れた剣の鋼を材料に、六振りの魔剣が鍛造されたという記述を発見した。

そのうちの一振りが「二色乞」である。魔なるものを峻別する非常な力を、単なる退魔の一族が継承していることについては、かねてから比良坂機関の中でも警戒されていたらしい。

目の前の「二色乞」に接近できる機会、婚姻の儀に潜り込む任務を、上司にも内密であなたは与えられたのだ。


あなたの【本当の使命】は、「二色乞」の【秘密】を入手することだ。


なお上司にも婿入りするつもりは無いらしい。婚姻の儀に用いる勾玉をあなたは押し付けられた。

あなたはプライズ「勾玉・壱」を所持しており、この【秘密】を入手したPCは、「勾玉・壱」の【情報】も獲得する。


「勾玉・壱」の【概要】

このプライズに【秘密】は無い。

「雨森の儀」に用いられる勾玉。四つ存在し、すべて集めた者は霊森から脱出できる。

内部に「1」と読める模様が浮かんでいる。

GM :では〆のロールをどうぞ~

鳴無色葉 :あっ、

鳴無色葉 :重症振ります!

鳴無色葉 :1なら体術、2なら謀術、3なら妖術減らします

鳴無色葉 :1d3 (1D3) > 2

鳴無色葉 :回復してすぐ消えて行ったね……

GM :グッバイ 君の 運命の人は 僕じゃない

鳴無色葉 :そしてしちしさんの隠したやつもやりたいです

鳴無色葉 :≪隠蔽術≫で判定したい!

GM :オッス どうぞ~

鳴無色葉 :芹野さん感情修正もらってもいい?

芹野 成海 :あっ

芹野 成海 :感情修正します!

鳴無色葉 :ありがと♡

鳴無色葉 :2D6+1>=7 (判定:刀術) (2D6+1>=7) > 4[2,2]+1 > 5 > 失敗

鳴無色葉 :でも失敗しちゃった ごめんね……

十九川ヤコ :イタチっち~~!

GM :ダイス目ぇ~

芹野 成海 :ダイス君さあ……


鳴無色葉 :「…………ククク」

鳴無色葉 :「ミッチのことだからヤコの刀を調べねばならんことに後ろめたさでも感じてたんじゃないか?」

水瀬 一理 :……この中で、ひとりだけ。個の感情ではなく、命をもってここにあった。

水瀬 一理 :後ろめたさ。なかったとは言わないが。

水瀬 一理 :「……さて、どうでしょう?」

水瀬 一理 :少しだけ笑って見せる。

水瀬 一理 :群れを成す雀蜂には、きっと情など必要ないと、そう……。

鳴無色葉 :記憶を読み取るのに術を使おうとして動かした腕から血が滴り落ちる。

鳴無色葉 :「ま、そこはあとでヤコ本人と話すと良い」

水瀬 一理 :「……鳴無さん」

水瀬 一理 :ポケットからハンカチを取り出し、腕に当ててやる。

鳴無色葉 :「ん、ああ、悪いな……優しい言葉をかけておけば治る」

水瀬 一理 :「優しい言葉ですか。なんだろうなあ……」

芹野 成海 :「どういう仕組みよ。……無理すんじゃねーわよ、ほんとに」

鳴無色葉 :「……ふふっ、成海に本当に心配してもらってばっかりだな、今回……」くすぐったそうに笑う。

鳴無色葉 :「…………まあ、ともかく。我としては……ヤコのダチ、そしてミッチのダチの我としては」

鳴無色葉 :「そんなもん気にせんでいいから、仲良くしてくれたら嬉しい」

鳴無色葉 :「ヤコもそうだよな?」

十九川ヤコ :「んー、そだね」

十九川ヤコ :「あのハナシ聞いて、二色乞を比良坂のヒトたちが警戒するのなんて、当たり前だと思うし」

十九川ヤコ :「……今更、言葉にする必要も無いと思うけどさ」

十九川ヤコ :「あたしはさ。仕事に徹しながらも」

十九川ヤコ :「“守られるべき人っていうのはいる”って」

十九川ヤコ :「そうやって、手を差し伸べてくれる、あなたの姿を」

十九川ヤコ :「これ以上なく、ソンケーしてるわけさ」

十九川ヤコ :「つーか、むしろ。あたしの方がゴメンなんだけど」

十九川ヤコ :「五行さんとも板挟みだったんじゃないの?イッチ」

水瀬 一理 :「……あの人はどこで何をしているやら、ですから……」

水瀬 一理 :「……困ったな」

水瀬 一理 :「いつもそうなんですけど、皆さんのそういう信義に対して、きちんと応えられる優しい言葉、私持ってないんですよね」

水瀬 一理 :「ただ……」

水瀬 一理 :「私の仕事は、もうほぼ終わっています。あとは情報を持ち帰るだけ」

水瀬 一理 :「でもね」

水瀬 一理 :「もうちょっとだけ、お付き合いいたします、よ」

水瀬 一理 :それだけ言って、にこりと微笑む。

鳴無色葉 :「……ああ。そうだな……どう想い、どう受け止めたっていい」

鳴無色葉 :「みんなで、無事に帰ろう。少しでも、良くなるようにあがいて。良い結果で」

鳴無色葉 :途方もなくたくさんのものが渦巻くこの土地で。

鳴無色葉 :背負っていたものを知らされ、あるいは新たに背負わされ、気丈に立っているだけで、我が友は誇らしいと思った。

鳴無色葉 :ならば、マブダチである我々で、精一杯支えてやろうじゃないか。

鳴無色葉 :雲の溶けた空気。見えなくとも。たしかに共に在る。

GM :====


【爆撃まで残り2シーン】

【第三サイクル:水瀬一理】

GM :登場希望と2d6をどうぞ。

水瀬 一理 :はい、登場希望はPC全員呼びたいです。

十九川ヤコ :シュタッ

鳴無色葉 :でるち!

芹野 成海 :出ます!

水瀬 一理 :そして、脱出を宣言します。

水瀬 一理 :やることは一応回復を考えていますが、状況により柔軟に対応します。

GM :脱出を……宣言するか!

GM :了解です。

GM :====


GM :──霊森・麓

GM :霊森のある山、その入り口は、濃い霧に覆われている。

GM :それは結界であり、人の出入りを禁じている。

GM :しかし、確信を持って見れば。

GM :結界のうちを流動する、ただの霧でできた道を見分けることができる。

GM :──霊森・入口

GM :あなたたちは霊森の外に出た。

GM :強い雨により、遠くまでは見えない。しかし十九川の本殿は、暗く居住まいを正していた。

GM :────

千島ササヤ :「…………」

千島ササヤ :蛇の目傘をさし、女性が茫と立ち尽くしている。

千島ササヤ :あなたたちを見る。

千島ササヤ :「…………」

千島ササヤ :「え、ああ! ああ! 脱出、されたのですね……!」

千島ササヤ :「よかった、一応見張っておけなんて言われて、このまま一晩立たされるんじゃないかと……」

千島ササヤ :あなたたちに歩み寄る。

千島ササヤ :「あら、脱出できるのは一組のはず……いえ、いいわ、私の管轄じゃないし……」

千島ササヤ :「それどころではない。けど、まずは傘を」

千島ササヤ :傘を二つ渡す。

千島ササヤ :「ついてきてくださいな。その……とりあえず、本殿に案内します」

千島ササヤ :先導し、歩き出す。

鳴無色葉 :「ほお……ククク、お役所仕事で助かるな」

鳴無色葉 :当然のように傘を受け取り当然のように芹野さんと入る。

水瀬 一理 :「……それどころではない?」

水瀬 一理 :少し引っかかった顔で傘を受け取る。

芹野 成海 :「その投げやりな割り切り方、割と親近感持てるわね」

鳴無色葉 :「成海が持ってくれ。お前の方が背高いだろ」

芹野 成海 :「は? ……」自分で持てと言おうとして、彼女の負った傷を見る。

芹野 成海 :「……まあ、今回はいいわ」

水瀬 一理 :「……あ、当たり前のように入ってる……ということは」

十九川ヤコ :「おお、ササヤさん。お久しぶり、あんがとね……あっ」

水瀬 一理 :「どぞ。ヤコさん」そのまま手渡そうとする。

水瀬 一理 :「私は濡れていきますんで」

十九川ヤコ :「………あー!」

十九川ヤコ :「なんか急に肩重くなっちまったな~!」

水瀬 一理 :「はい?」

十九川ヤコ :「あいてて。こりゃ傘を持つなんて、とんでもない」

十九川ヤコ :「元より、箸より重いもの持ったことないからな~! あたし!」

十九川ヤコ :ちらり。

水瀬 一理 :「……なら、しょうがないですねえー」

水瀬 一理 :少し苦笑して、傘を開いて、ヤコさんの隣に。

十九川ヤコ :「くるしゅうないぜ。……アリガト」

水瀬 一理 :「重い肩、濡らさないでくださいよ? まったく」

水瀬 一理 :少しだけ手を持ち上げて、そのままゆっくり歩いていく。

鳴無色葉 :「ククク……成海はなんだかんだ我に甘いよな~」嬉しそうに血塗れの身体を芹野さんに寄せながら千島さんの後をついていく。


GM :古夜の空気は、沈んだように静まっている。

GM :雨だから、という以上に、その空気は重苦しかった。

GM :誰ともすれ違うことなく。見張りの数もわずかなまま。

GM :婿たちと顔を合わせた広間についても、誰もいない。

千島ササヤ :「……」

千島ササヤ :傘を差しても、濡れそぼった髪を撫で、水を切る。

千島ササヤ :「はぁ……」

千島ササヤ :「損よね。まったく損だわ……」小声でつぶやくと、あなたたちを振り返る。

千島ササヤ :「ええと……」

千島ササヤ :「ヤコ様、こちらまで来ていただけますか」

千島ササヤ :指し示す先は、婿との顔合わせで十九川当主が現れた引き戸。

千島ササヤ :通常誰も入ることはない、十九川七丈の自室に繋がっている。

十九川ヤコ :「随分と人が……ん。あっちは……」

十九川ヤコ :見間違えるはずがない。幼き頃より、片手の指で数えるほどしか入ったことがない。父の部屋に続く戸。

十九川ヤコ :ちらり、と皆の顔を一瞥して。

十九川ヤコ :「みんな、一緒でもいいかな? ササヤさん」

千島ササヤ :「……いいと、思います。多分……」考えることに疲れたような返事だ。

鳴無色葉 :「……ダメだって言われてもついてくからな。諦めろ」

水瀬 一理 :「……では、失礼をいたしまして」

芹野 成海 :(これ婿扱いされないでしょうね……)

千島ササヤ :足音を立てないよう、戸の奥へ進んでいく。

GM :廊下が伸びている。

GM :ぎし、とどこかで音が鳴る。

GM :じっとりと、湿った空気の匂いが。

GM :鉄のようなそれに変わる。

GM :一つの扉の前には、見張りが立っていた。

GM :十九川ヤコを認めると、頭を下げる。

GM :扉を開ける。

十九川七丈 :十九川家七代目当主が、夥しい血溜まりの中に、倒れていた。

十九川七丈 :その眼に光は無く。

十九川七丈 :胸に残る大きな血痕が、刺傷を指し示していた。

千島ササヤ :「……」

十九川ヤコ :早鐘のように打つ心臓の音に、耳を塞ぎたくなる。

十九川ヤコ :赤が染み込んだ畳の上に伏せる、父の姿は。今までに見たことがないほど、小さく見えて。

十九川ヤコ :それでも。叫び、喚き、駆け寄って。僅かにでも残っていたらと。父の温もりに浸らんとするのを既の所で堪えることが出来たのは。

十九川ヤコ :八雲の言葉を耳にした瞬間、心の何処かで。

十九川ヤコ :眼下のこの光景を。予期していたからなのかもしれない。

十九川ヤコ :暫し瞑目、深呼吸の後。ゆっくりと言葉を紡ぐ。

十九川ヤコ :「分かっている範囲でいい」

十九川ヤコ :「何が起こったのか。教えていただけますか。ササヤさん」

千島ササヤ :「この度は、お悔やみを……」

千島ササヤ :「……ごめんなさい。私に知らされている情報なんて、殆どないのです」

千島ササヤ :「誰かが……十九川様を刺した」

千島ササヤ :「けれど、十九川様に抵抗の様子もなく刺し殺すなんて、どれほど腕の立っても……」

千島ササヤ :「……身内の、犯行ではないかと……」

十九川ヤコ :部屋の内部を一瞥。荒らされた形跡は殆どない。

十九川ヤコ :彼女の言葉に嘘はないだろう。

十九川ヤコ :己が父の腕のほどは。他の誰でもない、娘の己自身が分かっているのだから。

千島ササヤ :「すぐ先刻です。お話を伺いに参った鬼衆様が……倒れているのを、見つけられて」

千島ササヤ :「今は当主様方と主要な方々で、話し合っています」

千島ササヤ :息を吸う。顔が青い。

千島ササヤ :「その……儀式についても、お話をされるとのことでした」

千島ササヤ :「どうか、お早めにお休みください」

千島ササヤ :「では……あまり物には触れませんよう。仰せつかっていますので……」

千島ササヤ :頭を下げ、退出する。

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :ふうう、と息を吐いて。皆の方へ顔を向ける。

十九川ヤコ :「………なんて言えばいいのかな、こういう時」

十九川ヤコ :「巻き込んでごめん、なんて……今更すぎるし」

鳴無色葉 :「ヤコ」

鳴無色葉 :「無理をするな」

鳴無色葉 :「我々に気を遣ったりしないでいい」

鳴無色葉 :「泣いたり叫んだりしてもいいんだ。それは何も恥ずかしいことでも弱さでもない」

水瀬 一理 :「……そ。謝ることもなんにもありませんとも」

水瀬 一理 :「我々、我々の意志でここに集まってるんですからね」

芹野 成海 :「……流石に、この状況で」

芹野 成海 :「巻き込まれてどうこうとか言おうと思うほど、人間やめてねーわ」

十九川ヤコ :「へ、へ」

十九川ヤコ :口元を歪めて、場違いに笑う。

十九川ヤコ :「やさしー、とか、お人好し、とか」

十九川ヤコ :「けっこー、みんな、言うけどさ」

十九川ヤコ :「いっとくけど。あんたらも、だから」

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :「この人、ほんとさ」

十九川ヤコ :「口下手だし、不器用だし」

十九川ヤコ :「そのくせ、厳しいし」

十九川ヤコ :「てめぇの娘に、安直な名前付けやがるし」

十九川ヤコ :「八代目だから八子、って。子供ながらにさ。まんますぎるだろって」

十九川ヤコ :「まあさ、バカにしてきた奴らは、全員ブチのめしてきたんだけど」

十九川ヤコ :「好きだったから」

十九川ヤコ :「たったひとりの、お父さんから」

十九川ヤコ :嗚咽が混じる。糸の切れた人形のように膝から崩れ落ちて。

十九川ヤコ :「あたしが貰った、大切な、名前だったから……」

十九川ヤコ :「なんで?」

十九川ヤコ :「あたしじゃなくて」

十九川ヤコ :「なんで、この人が。こんな目に、遇わなきゃいけないの?」

十九川ヤコ :父の胸にすがる。

十九川ヤコ :唇を震わせて、幼子のように泣き叫ぶ声は。

十九川ヤコ :降り注ぐ雨の音と共に、流され消える。

水瀬 一理 :雨が、降っている。

水瀬 一理 :この場所には屋根があって、少しも濡れることはない。

水瀬 一理 :守られているはずのこの場所で、濡れそぼつ少女が目の前にいる。

水瀬 一理 :雨が、降っている。

水瀬 一理 :(……傘が、欲しいな。さっきみたいに)

水瀬 一理 :(心が冷えて、やがて凍えてしまわないように)

水瀬 一理 :そんなことを思ってしまった。柄にもなく。だから。

水瀬 一理 :そっと、おそるおそる、肩をさすった。

水瀬 一理 :言葉で何かができる気がしなかったから。

GM :一人の丈夫は、多く口を開かぬまま、血に沈んだ。

GM :壁の刀も、新しい本も、食べかけの草餅も。

GM :何も言うことはない。

GM :────


GM :──本殿・客間

GM :あなたたちは身体を休めるため、客間に通された。

GM :そして、すぐに来訪者が現れる。

オウギ :「(こんにちは!)」威勢のいい小声だ。

オウギ :山吹色の着物に身を包んだ少女が、勢いよく襖を開いた。

ケムリ :「大人しくとはそういうことではなく」

ケムリ :紫紺の着物もそれに続く。

オウギ :「うーん、難しいね」

オウギ :「とりあえず、急にごめんね。確認しておきたくって」

オウギ :「トクガワヤコさんはさー、まだ婚姻、断るつもりなの?」

ケムリ :「姉が不躾な質問を、すみません」

ケムリ :「しかし、正直な気持ちを言わせていただければ」

ケムリ :「現在の古夜の状況。私たちとしても早く立ち位置を決めておきたいのは事実」

オウギ :「ケッコンするってコトならねー。よりどりでしょ、結構」

オウギ :「ツララ様も悪くはないし?」

オウギ :「里がこうなっても、気持ちは変わらないのかな? 気になっちゃって」

十九川ヤコ :部屋の隅。小さく背を丸め、膝を抱えたまま。腫らした目を双子に向ける。

十九川ヤコ :「……七代目当主が急逝し」

十九川ヤコ :「古夜はひどく、不安定な状態にあります」

十九川ヤコ :「それだけじゃない。目前まで迫っている、別の脅威もある」

十九川ヤコ :「別室で話し合ってる他家の当主たちも。この危機を乗り越えるために、候補者の方々をさらに推してくるかもしれないね」

十九川ヤコ :「次期当主との結びつき。一丸となって里の繁栄を願う」

十九川ヤコ :「けどね」

十九川ヤコ :ふるふると首を振って。

十九川ヤコ :「あたしの気持ちは、変わりません」

十九川ヤコ :「ガンコ頭なのは、父上譲りなの」

十九川ヤコ :「しきたりに縛られて、担ぎ上げられるお人形なんて、あたしはゴメンだ」

オウギ :「……うーん、そっかそっかあ」

オウギ :「かっこいーねぇ、トクガワヤコさん」

ケムリ :「姉さん」

オウギ :「ん! 確認できたから、まんぞく!」

オウギ :「(お邪魔しました!)」威勢のいい小声。

鳴無色葉 :「……おい」

鳴無色葉 :ゆるゆると口を開く。落ち着いた場所で身体を休めることで、急に消耗を自覚した身体はだるく、血はとめどなく流れ、意識は途切れがちだった。

オウギ :「むぁ」

鳴無色葉 :「お前たちも含めてなんとか逃がせないかとか考えていたんだがな。どうしてここにいる」

鳴無色葉 :「森に入ったと思っていたんだが……」

鳴無色葉 :「お前たちは何者だ」

オウギ :「ん~……」

オウギ :「知ったかぶりしてたらいーよ」

オウギ :「ただの《双子》。脇役ってことで」

オウギ :「いいでしょう、ね?」上目遣いで、じっと見つめる。

鳴無色葉 :「ふふ、ふっふっふ!ゲホッ」笑った口から血が出る。

鳴無色葉 :「我をそう評すか……クク」

鳴無色葉 :「いないんだよ、人間の世界には脇役なんて」

鳴無色葉 :「だがまあいい……我にとってはお前らは、父が死んで悲しむ友に不躾な質問をぶつけてきた失礼な子供たち、それ以上でも以下でもない」

鳴無色葉 :「引き留めて悪かったな……」

オウギ :「許してあげるー」

オウギ :立ち去る。

ケムリ :「失礼します」

ケムリ :立ち去る。

GM :小幅の足音が遠ざかると、部屋には再び雨の音だけが残る。

GM :否。

GM :空が唸るような、怒りの音。

GM :雷が、降ろうとしていた。

GM :────


GM :ハンドアウトを公開します。

千島ササヤの【使命】

ちしま・ささや。

古夜と外の資源の搬入出を行っている《飛駅者》のひとり。


【使命】頭を悩ませる厄介事から解放される。

《双子》の【使命】

世過氷柱の御供の双子。明るく多弁なオウギと、物静かなケムリ。

いつもお互いを大切にし、気遣っているとはオウギの談。

一方は霊森に入ったはずなのに、なぜか二人揃っている。


【使命】立ち振る舞いを決める。

GM :また、水瀬一理さんは【プライズ】を獲得します。

【プライズ】???の【概要】

この【プライズ】は水瀬一理から移動しない。

この【プライズ】は、所有者の生命点が0になると、失われる。

水瀬 一理 :いただきました。

GM :では、水瀬さんのシーンを改めてどうぞ。

GM :====


GM :──本殿・客間

GM :当主たちの話し合いはいまだ続いているらしい。

GM :重苦しい空気が、あなたたちの囲む部屋に吹き込み、そして流れ出ていく。

GM :雷がまたひとつ、鳴った。

水瀬 一理 :「……………………」考え込み、何か言おうとして、また止めて。

水瀬 一理 :周囲の皆の方を見て、また視線を下ろして。

水瀬 一理 :「…………っ」

水瀬 一理 :傷めた腕を忌々しげに見下ろす。

水瀬 一理 :「……すみません。これは、傷をどうにかしないとどうにもならなさそうなので……」

水瀬 一理 :「今から独り言言います」

水瀬 一理 :「できたら、あんまり気にしないでもらえますか」

水瀬 一理 :「要はですね。リモートワーク」

水瀬 一理 :言いながら、両の目をそっと見開く。

水瀬 一理 :「……禁書分隊、応答せよ。こちら水瀬一理」

水瀬 一理 :「……力を、借用したい」


水瀬 一理 :回復判定を行います。指定特技は人脈。

GM :どうぞ!

水瀬 一理 :で、奥義を使用します。

GM :な、なにぃ

鳴無色葉 :なにっ!

十九川ヤコ :なんだとぉ…

芹野 成海 :一体なんの奥義なんだ

水瀬 一理 :■奥義
《水瀬流速読術・凝の型》
指定特技 :千里眼の術
エフェクト:完全成功/輝き/分野限定(戦術)
効果・演出:集中して一気に読み通せば、目指すところは自ずと見つかりますよ。

水瀬 一理 :効果は完全成功、指定特技は千里眼の術。

GM :うおお~~~

水瀬 一理 :これで判定を成功させ、故障を直したいです。

GM :よいでしょう~

水瀬 一理 :ありがとうございます!


水瀬 一理 :目を開く。

水瀬 一理 :片方は当たり前の茶、片方は燐光を帯びた淡い緑色の瞳が覗く。

水瀬 一理 :「状況が変化した。詳細は後ほど送付する」

水瀬 一理 :「現状、腕を氷にやられている。上手く扱うことができない」

水瀬 一理 :目の前の風景を全て、素通りして遠くを見ている。

水瀬 一理 :遠く、視線の先。己の目を門として。

水瀬 一理 :繋がるは、国立日読資料室の一室。部下が待機する場。

水瀬 一理 :ひとりだけ、片目だけでその遠くを視界に入れ、魂を繋げている。

水瀬 一理 :現在水瀬一理の中に収まっている『禁書』の情報は、ある詳細な絵地図。

水瀬 一理 :あまりにも精緻で魅惑的に描かれた筆致が、見た者の心だけ彼方に飛ばしてしまうほどの力を持つ。

水瀬 一理 :それをどうにか捻じ曲げ、資料室と彼自身へと固定、門を双方向にする試みが、今現在の彼だ。

水瀬 一理 :「復唱。四十九番医学の棚、『八寒尼剌部陀法』」

水瀬 一理 :「章の四第二十三節をさかしまに読み上げよ」

水瀬 一理 :声はせねど、何らかのまじないが遠くの空間から流れ込み、身体を癒やしていく。

水瀬 一理 :「…………」右手を開いて、また閉じる。

水瀬 一理 :動きはやがて、平時とさほど変わらないものになっていく。

水瀬 一理 :「……問題なし。門を閉じる。待機は継続のこと」

水瀬 一理 :「以上。再度の連絡を待て」

水瀬 一理 :「……ま、心配はせずとも、大丈夫ですよ、と」

水瀬 一理 :そこで視線を遠くからふと戻す。目は開けたままに微笑む。

水瀬 一理 :手元で、くるくると取り出したペンを回して見せる。やはり支障なく。

水瀬 一理 :「独り言、終わりです。ありがとうございました

鳴無色葉 :「……独り言にしてはかっこよすぎないか?」

水瀬 一理 :「そうです? 仕事ですしねえ」

十九川ヤコ :「おお。久々に見たな~、イッチのそれ」淡く光る緑色の瞳を物珍しそうに覗く。

芹野 成海 :「……やっぱ、尋常じゃないわね」その術理に冷や汗を一つ。

鳴無色葉 :「これを見て見ぬふりなど、勿体なくてとてもできんわ……」

水瀬 一理 :「まあ人数がいますしね」

水瀬 一理 :「あんまり見ると『飛び』ますよー」

十九川ヤコ :「ぎゃわわ」すん、と身を引く。

芹野 成海 :「どんな恐ろしいもん"入れて"んのよ……」

水瀬 一理 :「本ですよ、大事に書かれた、当たり前の。大事に書かれすぎちゃったな」

芹野 成海 :「そういうもんの怖さはよく分かってるもんでね」

水瀬 一理 :「そこはお互い様ですねえ」

鳴無色葉 :「……フライングイタチちゃんになってしまう……」

十九川ヤコ :「なんそれ。カワイ」

鳴無色葉 :「イメージとしてはこんな感じかな……」どこからともなくリアルイタチをとりだしてつかむと、

鳴無色葉 :宙に放られたイタチがしっぽをプルプルプル……と震わせながらゆっくり降りてくる。

水瀬 一理 :「……かわいいな」

芹野 成海 :「フライングイタチ……」

十九川ヤコ :「あたしも欲しい……」

水瀬 一理 :「…………」ヤコさんの方を少し見て。

水瀬 一理 :「良かった」

水瀬 一理 :「ちょっとは気が紛れました?」

水瀬 一理 :「笑っていた方がとは言わないけど。まあ、笑うのを忘れるよりはいいので」

十九川ヤコ :「……言わないんかい」はにかむように笑って。

水瀬 一理 :「好きな気持ちで、好きな顔をしてればいいんですよ、あなたは」

水瀬 一理 :「私はそれを見るのも少し楽しみで、ここに来たんですから」

十九川ヤコ :「………うぅ」

十九川ヤコ :照れくさそうに頬をかいて。

十九川ヤコ :「こちらこそ、だ」

十九川ヤコ :「イッチのミディアムレアな顔も見れて、ハッピーだぜ」

十九川ヤコ :「そだ、折角チャンネル繋がったんだったら」

十九川ヤコ :「お礼、言っときたかったねえ。分隊の皆にも」

十九川ヤコ :「前もあたしら、世話になったじゃんな?」

十九川ヤコ :「菓子折りとか差し入れていーの?」

水瀬 一理 :「私の目からは無理ですが」

水瀬 一理 :「でも、いただいたらみんなで分けますよ」

鳴無色葉 :お菓子!?とリアルイタチが回っている。

水瀬 一理 :「……そう。ヤコさん。だからね。さっき、あなたが意志は変わらないと言った時、ちょっと安心しました」

水瀬 一理 :「ヤコさんはヤコさんだな、とね」

水瀬 一理 :「……こういう時に言う言葉ではないのかもしれませんが」

水瀬 一理 :「あなたが自分の幸せを自分で選べる人であってくれるとね、私は嬉しいようなので」

水瀬 一理 :「どうぞ、そうしていてください」

十九川ヤコ :「……あたし、前にもいったかもだけど」

十九川ヤコ :「くだらない、笑っちまうような一日がさ」

十九川ヤコ :「ひとりでも増えたらいい。そんな世の中になったら嬉しいなって思ってるわけさ」

十九川ヤコ :「だから、まあ、うん」

十九川ヤコ :「あたしの幸せってのは」

十九川ヤコ :「あたしだけが、そうであるんじゃなくて」

十九川ヤコ :「それを、分かち合いたくてさ……大切なヒトたちと」

十九川ヤコ :「その中には、イトマっちも、色葉っちも、せりのんも居て」

十九川ヤコ :「あなたの席も、ちゃんとあるの」

水瀬 一理 :「…………」

十九川ヤコ :「欲張りだからね、あたし」

水瀬 一理 :「……私は。また今回みたいな仕事をするかもしれないし」

水瀬 一理 :「中ではあなたと敵対せざるを得ないようなことになる、かもしれませんね」

水瀬 一理 :「私はそれを悲しまないし、できるだけ面白いと思おうとしてますが。それでも」

水瀬 一理 :「それでも、いいと言ってくれるのなら」

水瀬 一理 :「ありがたく、ご相伴に預からせてください」

十九川ヤコ :宝石のように煌めく、その瞳を見てるうち。

十九川ヤコ :この光に吸い込まれて、どこまでも落ちていくような感覚に陥るのは。

十九川ヤコ :彼の内に収まっている本のちからでも、特異なちからをもった瞳のせいでも、きっとないだろう。

十九川ヤコ :それは、きっと。

十九川ヤコ :「あたしの返事は、いつだって決まってる」

十九川ヤコ :「その姿勢を貫いたまま」

十九川ヤコ :「暖かな手を差し伸べてくれる、優しい司書さんを」

十九川ヤコ :「あたしはずうっと、尊敬してんの」

十九川ヤコ :靄が、晴れたよう。陽気に笑う。

水瀬 一理 :その笑顔を見て。ああ、傘は大丈夫か、と。

水瀬 一理 :あなたはそうして笑える人だから。

水瀬 一理 :「受理しておきます」

水瀬 一理 :仕事の時の口調で、そう答えておいた。

GM :====


【爆撃まで残り1シーン】

【第三サイクル:十九川ヤコ】

GM :登場希望とシーン表をどうぞ。

十九川ヤコ :は~い!登場希望は色葉ちゃんと水瀬さん!

鳴無色葉 :でまっしゅ!

水瀬 一理 :出ます

十九川ヤコ :おはなししつつ双子ちゃんの秘密を抜きに行こうかなとおもいます。

GM :館シーン表とかふりな~

十九川ヤコ :いくぜ!

十九川ヤコ :MST 館シーン表(6) > あなたに割り当てられた寝室。ベッドは柔らかく、調度品も高級なものばかりだが……。

GM :なるほどね。

GM :====


GM :──本殿・一室

GM :雨戸がぴたりと閉められた部屋からは、埃の匂いがする。

GM :壁の調度品、武術書に妖絵巻、そして僅かな化粧品や雑誌。

GM :十九川ヤコの自室として与えられていた部屋は、手の入っていないまま置かれていた。

十九川ヤコ :「てっきり、綺麗さっぱり無くなってたモンだと思ってたけど」

十九川ヤコ :「何もかも、そのままだなあ」不揃いに積み上がっている剣法の書と、一世代前のファッション雑誌をパラパラと捲って。

十九川ヤコ :「お見苦しい所ですが……暫しご歓談のほどを」

十九川ヤコ :二人を手招きして。

十九川ヤコ :「色葉っちは布団使っていーから。ね?」

鳴無色葉 :「簡単には捨てられんもんだ。思い出は」

鳴無色葉 :「気を遣わんでいい……と言いたいがお言葉に甘えさせてもらうか……」

鳴無色葉 :我が物顔で布団に入り周りにリアルイタチを並べている。

水瀬 一理 :やや遠慮げに入口付近に立ち、埃の匂いを微かに嗅いでいる。

水瀬 一理 :「……なんていうか、緊張しますね。さしもの私も……っと」

水瀬 一理 :「とはいえ、失礼しますね」

十九川ヤコ :「そう言われるとあたしまでヘンな感じになるのだが……うんうん、遠慮しないでどーぞどーぞ」

リアルイタチ :並べられたリアルイタチたちはラインダンスを踊っている。

水瀬 一理 :「いやー何せ任務以外で女性の部屋に入ったことがあんまりない上に」

水瀬 一理 :「……イタチのラインダンスも初ですね、拝見するの」

鳴無色葉 :リアルイタチたちは一生懸命に短い脚を上げている。

十九川ヤコ :「可愛すぎんか……? 一匹貰っちゃおうかな……」

リアルイタチ :その言葉を聞いてオロオロしている。

鳴無色葉 :「こいつら本物じゃないからそのうち消えるけどな」

水瀬 一理 :「儚い!」

十九川ヤコ :せめて形に残さんとスマホのカメラを向けている。

リアルイタチ :キメ顔をしている。

鳴無色葉 :「……なるほど、式神ならば魂がないから写真を撮られても大丈夫というわけだな」

十九川ヤコ :「へへへ」ニッコリと笑ってスマホの壁紙を見せる。

十九川ヤコ :5人ほどの男女が笑顔で写り込んでいる。

水瀬 一理 :「あ」

鳴無色葉 :「あ、あのときの……」

鳴無色葉 :「……へへ、我も同じ待ち受けだ」

水瀬 一理 :「……しまったな、待ち受けにしとけばよかった」

水瀬 一理 :別フォルダにして保存してあるのだが、それは言わない。

十九川ヤコ :「新しくスイパラで撮るやつはさ。オソロにしようぜ」

十九川ヤコ :にひひ、と悪戯ぽく笑い。

十九川ヤコ :「父上の件と。八雲が託してくれた、妖魔の件について」

十九川ヤコ :「七支おじさんに、ヤサメ様にも伺いたいことがあったんだけど。生憎、まだお話中」

十九川ヤコ :「雨は強くなるばかり。これから先、どんな事態が待ち受けているのか」

十九川ヤコ :「わからんけど。これ以上サイアクな思いはしたくねーから」

十九川ヤコ :「少しでも良いから。探れるトコから探ってきたいよね」

鳴無色葉 :「……クク。お前は本当に強いな」

水瀬 一理 :「……お手伝いできることはしますよ」

十九川ヤコ :「うん……ありがとね。色葉っち、イッチ」

リアルイタチ :リアルイタチたちもそうだそうだと頷いている。

十九川ヤコ :「イタチーズ……」ほろりと涙が零れそうになる。

十九川ヤコ :「う~ん。したらば……色葉っちさ」

十九川ヤコ :「世過さんが持ってた勾玉、まだ持ってるっしょ?」

十九川ヤコ :かしてかして、と。おねだり。

鳴無色葉 :「おお、いいぞ」気軽にひょいっと投げて渡す。

鳴無色葉 :「他にもあるぞ。いるか?」

水瀬 一理 :「わあ、バーゲンセール」

十九川ヤコ :「んーん。とりま、これでやってみます」

水瀬 一理 :自分が上司から渡されたものを見て、ちょっと苦笑し。

鳴無色葉 :「……あっいやその、ミッチからもらったものを大事にしてないわけではなくてな?」

水瀬 一理 :「あ、いえいえ。そういう意味じゃないんですよ」

鳴無色葉 :「ヤコに必要なら助けになろうと……」おろおろしている。

水瀬 一理 :「あの人はほんとに……って思っただけ」

十九川ヤコ :「五行さんも、とんと姿を見ないし……うん、心配だ」

十九川ヤコ :片手で受け取った勾玉をじっと見た後。どこやったかな……と小さな書庫をごそごそと漁り。

十九川ヤコ :「あったあった」絵巻物のひとつを取り出して。広げた一枚の比絵図が表になるよう、畳に敷いて。その上に勾玉を乗せる。

十九川ヤコ :図に画かれた妖怪は。牛が横たわった姿に。首から上は角を生やした人間のもの。

十九川ヤコ :豊凶や疫病の流行を予言し。その後、死に至る妖怪の名。

十九川ヤコ :しゃらり、と一魔降を抜刀し。緋色の切っ先を勾玉に向け。封じられたその妖魔の名を告げる。

十九川ヤコ :「“九談九嘆件(くだん・きゅうだん・くだん)”」

十九川ヤコ :もぞもぞと。絵巻に画かれた妖怪の線が乱れ。ぬるりとその姿を這い出るように出てくるものがある。

十九川ヤコ :童のような体躯。しかしその頭は、紛うことなき牛の面。

“件” :「────────」ぶしゅう、と。蒸気のような鼻息を吐き出して。

“件” :「どでじみづだり、まごじろうぶするも」

“件” :「ぎどいとわし。はるるものじみつきに」

“件” :支離滅裂な言葉を八度、口にしたと思えば。

“件” :視線を下し、じろりと勾玉を見つめ。ひょいと飲み込んで。

“件” :九度目、ただ一度。真なる予言を言葉にする。


十九川ヤコ :え~~~このような感じで

十九川ヤコ :《九ノ一の術》で双子ちゃんの秘密の判定をさせていただければだぜ

GM :どうぞ!

十九川ヤコ :あざます!

鳴無色葉 :あっ

鳴無色葉 :感情いる?

十九川ヤコ :あっうれしい!おくれやす~!

鳴無色葉 :あげます!+1!!

十九川ヤコ :ヨシ!

十九川ヤコ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功

鳴無色葉 :やった~~!

十九川ヤコ :友情トレーニング成功!

水瀬 一理 :ばっちり!

GM :やりよるわ

GM :送ります!

十九川ヤコ :いただきました……

鳴無色葉 :い、いただきました

十九川ヤコ :色葉ちゃんには感情で、この秘密を一理さんにも譲渡いたします。

水瀬 一理 :ありがとうございます!

GM :あいさ

水瀬 一理 :いただきました……


“件” :その牛頭の口から。低く、威厳のある男の流暢な言葉がひとしきり室内を圧巻した後。

“件” :部屋の隅でがたがたと震えている、イタチの一匹に視線を向けて。

“件” :「────────」十度目の言葉を口にしようとする。

リアルイタチ :震えている。

十九川ヤコ :「おっとっと」

十九川ヤコ :寸前、二色乞を抜き放ち。逆手でざくり、と。絵巻を貫いた瞬間。

十九川ヤコ :妖魔の姿は煙のように消えて。後には淡く光る勾玉だけが残される。

十九川ヤコ :「十回目はマジヤバマジヤバ。イタチちゃんもびっくりさせてごめんね?」

十九川ヤコ :「……びっくりしたのはあたしらもだけどさあ」

水瀬 一理 :「お見事なお手並みで」二色乞をじっと見ながら。

鳴無色葉 :「制御するのも大変そうだなぁ」涙目でかけよってきたイタチを撫でている。

鳴無色葉 :「……まあ、どうしてここにいるのかの絡繰りは分かったし。ああいう態度をとっている奴が味方なわけもないとは思っていたがな」

水瀬 一理 :「狙いが狙いでしたしねえ」

十九川ヤコ :「あたしらの、双子ちゃんに対する立ち位置は明確になったケド」

十九川ヤコ :「いや~~~……」畳ごと突き刺さったままの“二色乞”に目をやる。

鳴無色葉 :「…………ふむ」その様子をちらと見て。

鳴無色葉 :「……恋バナでもするか?」ニヤリと笑う。

水瀬 一理 :「そろそろ私はボーナスでももらえそうな……は?」

十九川ヤコ :「い、今ぁ~?」

十九川ヤコ :ぱちぱちと目を瞬かせる。

鳴無色葉 :「クク。ヤコ。お前は女として価値がないのかとか気にしてたけど、ヤコは充分魅力的な女の子だよ」

鳴無色葉 :「別に家の都合、権力や力を重視した出会いからの婚姻も悪くはないとは思っているが……」

鳴無色葉 :「我はやっぱり、お前がお前らしく生きている姿を良いと思ってくれる人がお似合いだと思うんだよな」

鳴無色葉 :「あの双子は……あるいは、お前が十九川の当主の座を継がないで、その刀を手放すことを望んでいるのかもしれん」

鳴無色葉 :「だが……お前のやりたいことをやるのを、支えてくれるような者が……お前の相手でいてほしいと思ってしまうんだよな」

鳴無色葉 :「恋ではないかもしれんが。我はまあ、ある程度お前がやりたいようにやるのは手伝うし」

鳴無色葉 :「ミッチもそうなんじゃないかと思って居るよ」

水瀬 一理 :「いきなり振りますね!」

水瀬 一理 :「それは……まあ、その、共闘していますし。手伝いはしますけれども」

十九川ヤコ :「いや~~~。でもジッサイさあ。血なまぐさい一族の当主ってのはジジツだし」

十九川ヤコ :「あたしはそのままに、あたしらしく居てくれたら嬉しい、なんて台詞言ってくれるヒトなんて……あれ?」

十九川ヤコ :なんか……聞いたぞ、そのような台詞を。

十九川ヤコ :次第に額から汗が垂れる。あっちいな。湿気のせいか?

水瀬 一理 :そっぽを向いて、香水のミニボトルが目に入って、また背けて。

水瀬 一理 :「……いいんじゃないですか、その、別に。多少血なまぐさかろうと」

水瀬 一理 :「実際、あの婿の方々だってまあ、それぞれのやり方でヤコさんを気に入っていたみたいですし」

水瀬 一理 :「いい人、見つかりますよ。いずれ」

水瀬 一理 :とんとん、と爪先で床を叩いて。

十九川ヤコ :「……んう。あ、ありがとう」

十九川ヤコ :「………?」謎のモヤモヤが胸の内にある。

鳴無色葉 :「…………」

鳴無色葉 :「憎からず想っていた相手が他の誰かと結ばれた時っていうのは想像以上に寂しいものだぞ」

水瀬 一理 :「それは……それは、だって」

水瀬 一理 :最初から、そうじゃないですか。私の使命は。

水瀬 一理 :口を閉ざす。

鳴無色葉 :「……ここまでお節介をする気はなかったんだが……」

鳴無色葉 :「ミッチ。お前が気に病んでることを相手は少しでも気にしてたか?」

鳴無色葉 :「……むしろ、そんなためらいを抱いたことそのものに罪悪感を抱くくらいの光で照らしてくれるような者では……なかったか?」

十九川ヤコ :「は、ハズくなってきたんだけど……」

鳴無色葉 :「へえ?我は誰かとは一言も言っておらんが。ヤコ、お前の事言われてると思ってるんだな?」

水瀬 一理 :「待っ……待ってくださいよね、ほんとに、本当に鳴無さんは」手を前に出す。

十九川ヤコ :「あたし、そんなに真っ当な考え……ってか。いっつもテキトーなだけで……あ?」

十九川ヤコ :このヤロ……と彼女の耳をつまむ。

水瀬 一理 :「…………」

鳴無色葉 :「ンピ……」怪我人を……と言いながらつままれている。

水瀬 一理 :「じゃあどうすればいいんですかって話ですよ。これでも仕事があるんですよ私は。放り出すわけにいきますか」

水瀬 一理 :「私は……私だってそんな」

水瀬 一理 :「ずっと光に照らされていられるなら、その方がいいに決まっている」

水瀬 一理 :「でも、無理です。日焼けした本は悪くすれば廃棄だ」

水瀬 一理 :「…………無理なんですよ」

十九川ヤコ :「ん、………」困ったように俯いて。

十九川ヤコ :「えっとさあ。もう、耳タコかもだけど」

十九川ヤコ :「あたしは、さ」

水瀬 一理 :「あーあーあーあの、無理っていうのはこっちの都合で。誰かのことが無理なわけではなくて、ないです……」

十九川ヤコ :「わかってるし」ふふ、と笑って。

十九川ヤコ :「自分の仕事とか、使命に真摯で」

十九川ヤコ :「あたたかい情に揺れながらも、忠義を果たそうとする。そんな水瀬一理さんを凄いと思ってるし、尊敬してんの」

十九川ヤコ :「ショージキ、あたしのこの気持ちが……んう、その……恋だとか、そういうのかは、まだよくわかんない。ホントに」

十九川ヤコ :「でもね。あたしがあたしのやりたいことを楽しみにしてくれるヒトが居るように」

十九川ヤコ :「あたしは、そのヒトの選んだ選択を尊重したいと思ってるのも、ホント」

十九川ヤコ :「友達だと思ってる。でも、それ以前にあたしらは忍び」

十九川ヤコ :「時には、対峙することもあるかもしれない」

十九川ヤコ :「でもさ、へへ。あたし、知ってんだからね」

十九川ヤコ :「日焼けして、文字が見えなくなっちゃった本でも。また、シューゼンすればいい」

十九川ヤコ :「元通りとはいかないかもしんないけどさ」

十九川ヤコ :「それでまた、沢山のひとの手に渡って。感動を届けることが出来る」

十九川ヤコ :「だから。あたし、別にいいんだよ」

十九川ヤコ :「最後には、みんなでバカみたいに笑って」

十九川ヤコ :「アホみたいに美味しいメシを食べて、ギャーギャー騒げるって」

十九川ヤコ :「信じてっからね」

水瀬 一理 :ぐ、と気付かれないように唇を噛む。

水瀬 一理 :(「……君は」)

水瀬 一理 :(「足りることを、諦念を知っている」)

水瀬 一理 :(「しかし、最上の景色を、目指すべきだ」)

水瀬 一理 :(「苦しい道のりでも……」)

水瀬 一理 :(これですか? 本当に? 本当に)

水瀬 一理 :(私にそれを求める権利があるんですか……?)

鳴無色葉 :「……光のない真っ暗な中では、本は読めんしな」

水瀬 一理 :「…………私は」

水瀬 一理 :「私は、少し、考えていることがあって」

水瀬 一理 :「あなたの言葉に、全力で応えられるかどうか。図っている、みたいです」

水瀬 一理 :「でも、そう。そうやって最後にみんなで笑えるなら。本当に、それに越したことはないと」

水瀬 一理 :「本当に…………」

水瀬 一理 :「それには心から頷けます。一緒ですよ」

水瀬 一理 :「十九川ヤコさん」

水瀬 一理 :「私はあなたのそういう真っ直ぐな笑顔に、ずっとずっと、憧れています」

十九川ヤコ :「あはは……」露骨に目を逸らす。赤くなった耳までは隠せないが。

十九川ヤコ :「お互いサマだ」

水瀬 一理 :「とりあえず、そういうことにしといてください」

水瀬 一理 :「また話しましょう。スイパラででもどこでも」

水瀬 一理 :「あなたの行きたいところで」

十九川ヤコ :「……うんっ!」晴れやかな笑顔で返して。

十九川ヤコ :「……お節介め、色葉っち」ばつが悪そうに視線を向けて。

十九川ヤコ :「でも、……うん、改めて言わせてね」

十九川ヤコ :「あの時、追いてきてくれるって決めてくれて」

十九川ヤコ :「何度も、何度も。傷だらけになっても。あたしのことを庇ってくれて。ありがとう」

十九川ヤコ :「憎からず思っていた相手が、他の誰か……ってヤツさ」

十九川ヤコ :「きっとあなたは。あたしなんかじゃ、想像も及ばないような経験を、いっぱい積んできて」

十九川ヤコ :「その度に、寂しー思い、いっぱいしてきたんだと思う」

十九川ヤコ :「あたしたちと……あなたの歩幅は違うかもしれないけど」

十九川ヤコ :「でもね。あたしは、あなたに会えてサイコーにハッピーだと思ってっし」

十九川ヤコ :「同じ幸せをキョーユーできるのは、あたしもあなたも一緒」

十九川ヤコ :にやり、と悪戯っぽく笑って。

十九川ヤコ :「つーのも、あたしが言うまでもないと思うケド」眉間にシワを寄せる誰かのマネをしつつ。

十九川ヤコ :「へっへっへ。覚悟しろよ、色葉っち」

十九川ヤコ :「あたしたちが居るからにゃー、寂しい思いなんて。ずっとさせねえから」

鳴無色葉 :「……ククク!我のことなどいいというに」

鳴無色葉 :「我は寂しがり屋だからな。推しの結婚発表のたびに号泣しとる」

鳴無色葉 :「だがそうだな……最高にハッピーっていうのは同感だよ」

鳴無色葉 :「……ただダチの為に、ダチの幸せを心の底から願って奮闘するっていうのは、想像以上に楽しいもんだ」

鳴無色葉 :「ギャルだからな」ニヤリと笑う。

十九川ヤコ :「へへ、その意気だ」

十九川ヤコ :「カビくさい連中に。新しい風を巻き起こしてやろうじゃん」

十九川ヤコ :ん、と伸びをして。

十九川ヤコ :外。風が吹きすさび、滝のように水が落ちてゆく空を見上げる。

十九川ヤコ :嵐は近い。しかし、その前に。

十九川ヤコ :「………着替えていーい?」

十九川ヤコ :気恥ずかしそうに、ぽつりと呟いた。

GM :====


芹野 成海 :追尾使用します、対象は御洞ヤサメさん

GM :どうぞ~~

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:隠形術) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

GM :芹野さん……

芹野 成海 :???

GM :====


【爆撃まで残り0シーン】


GM :====


GM :──霊森・シェルター内

ザイロック :じっと座っている。

ザイロック :何かを察知したのだろうか、片眉を上げる。

十徳釵振 :同時にタブレットから顔を上げ、告げる。

十徳釵振 :「誘導ミサイル、無事発射されました」

ザイロック :「ああ」

ザイロック :(十九川ヤコ……貴様は今どこにいる)

ザイロック :(いや……どこであろうと変わらない)

ザイロック :「オレの邪魔をするモノはすべて、吹き飛ばすのみ」

十徳釵振 :「着弾まで……さん……に……いち……」

GM :炸裂。


GM :====


抜戸涯 :「ありゃあ……ミサイルか……?」

抜戸涯 :僅かに体力の回復した上体を起こす。

抜戸涯 :「いや……動けねえ。結界に頼るだけ、か」

GM :視界を赫火が覆う。


GM :====


千島ササヤ :「え、え、えええっ」

千島ササヤ :霊森に起こった爆発を見ている。両手をきつく握る。

千島ササヤ :「聞いてない、聞いてないわよ……! どうするの、無視していいの……!?」

千島ササヤ :「報告するの……私が……?」

千島ササヤ :「イヤだ……」


GM :====


オウギ :「おおわ、風が来たね!」

オウギ :「晴れなかったねー、残念!」

オウギ :霊森とミサイルの振ってきた空を見上げている。

ケムリ :「濡れるよ」

オウギ :「それは今更だしー」

オウギ :「まあ、ツララ様にもちょっとは敬礼しておかないと」

オウギ :「よくがんばりました!」ぴっと右手を斜めに、額につける。


GM :====


世過氷柱 :(なるほど、これが火の海か)

世過氷柱 :目の前に迫る爆炎を見つつ、剣を抜く。冷気が奔る。

世過氷柱 :(眩しいな……私の顔つきに或いは匹敵するかもしれない。まばたきは厳禁だな……)

世過氷柱 :「しかし、世過氷柱のこの顔は、傷つけさせるわけにはいかん……!」

世過氷柱 :白剣が赤壁とぶつかり、熱爆発が────


GM :────


五行 :「動いた」


GM :────


世過氷柱 :──起こることは無い。

世過氷柱 :目の前の爆炎は消えている……否。

世過氷柱 :『雨の塊に食われた』ように見えた。

世過氷柱 :「……美貌がもたらした、奇跡か……」

世過氷柱 :天を見上げる、形の良い鼻先から喉まで、滴が伝っていく……


GM :====


ザイロック :「……どういうことだ?」

十徳釵振 :「んんん~、着弾地半径1m……以外には、延焼の形跡見られず……」

十徳釵振 :「雨粒ひとつひとつが、意志を以て消火したとでもしか、言えないですね~」

十徳釵振 :「如何します? これ以上の攻撃は」

ザイロック :「……オレは、世界一の金持ちになる男だ」

ザイロック :「オレにとって『金持ち』とは、『勝ち取る者』……先の見えない浪費を行うものとは違う」

十徳釵振 :「つまり~?」

ザイロック :「…………」

ザイロック :「…………」

ザイロック :「…………撤退だ! さっさとしろ!!」


GM :====


GM :何者かが霊森に対して奥義、『雲散六消』絶対防御を使用しました。

GM :これを目撃していたPCたちは、《見敵術》で見切り判定を行うことができます。

GM :ただし、降雨が長引いているほどに、その術理もまた雨の中に掻き消されます。

GM :この見切り判定には、爆撃シーンを延期させる補助判定の成功回数=マイナス3修正がつきます。

GM :ご希望の方は判定どうぞ~

十九川ヤコ :やってやろうじゃねえの!

鳴無色葉 :やることはやる!!が……

鳴無色葉 :使うかぁ~?兵糧丸

水瀬 一理 :11かーー

水瀬 一理 :まあ、やります

芹野 成海 :10かあ……

芹野 成海 :とりあえずやります

GM :まあファンブルとか出るわけないから振り得だよね

GM :どうぞ~

十九川ヤコ :2D6-3>=7 (判定:九ノ一の術) (2D6-3>=7) > 6[2,4]-3 > 3 > 失敗

芹野 成海 :2D6>=7+3 (判定:傀儡の術) (2D6>=10) > 4[1,3] > 4 > 失敗

水瀬 一理 :2D6-3>=8 (判定:人脈) (2D6-3>=8) > 10[5,5]-3 > 7 > 失敗

鳴無色葉 :兵糧丸使って戦術回復させます

GM :どうぞ~

芹野 成海 :出目酷いな!!

鳴無色葉 :2D6-3>=5 (判定:見敵術) (2D6-3>=5) > 8[4,4]-3 > 5 > 成功

十九川ヤコ :マジ!?

鳴無色葉 :おら!!!!!!!!!!

水瀬 一理 :!!!!

十九川ヤコ :すごすぎイタチ

GM :マジ!?

芹野 成海 :せ、成功しとる

水瀬 一理 :ナイスナイス!

芹野 成海 :すご……

GM :まさかせいこうするとは……

GM :では鳴無さんと、感情共有でヤコさんと芹野さんにも行きますね……

十九川ヤコ :そうじゃん!!!

鳴無色葉 :ウオーーーーッ

水瀬 一理 :うわー

芹野 成海 :よっしゃ~

水瀬 一理 :頼んだ!

十九川ヤコ :色葉最強!色葉最強!

鳴無色葉 :特技とかはわかるのかしら?

GM :《水術》です

十九川ヤコ :ゲッ地味に遠い 了解です~

鳴無色葉 :ありがとうございます!元々は近かったのだが……

GM :では爆撃シーンは以上。

GM :====

【第三サイクル:芹野成海】

GM :登場希望とシーン表をどうぞ。

芹野 成海 :登場希望は全員で……

鳴無色葉 :でるち!

十九川ヤコ :同上!

水瀬 一理 :出ます!

芹野 成海 :MST 館シーン表(8) > 食堂。染み一つないテーブルクロスに覆われた長い食卓。その上は年代物の燭台や花で飾られている。

芹野 成海 :テーブルクロスとかあるのかな 田舎

GM :あるわけないわね

鳴無色葉 :そっかあ……

十九川ヤコ :なにそれ?歌?

芹野 成海 :千島さんの秘密を……抜きに行こうと思います

GM :はあい

GM :====


GM :──本殿・広間

GM :広間には──あなたたちが帰ってきたときには気づくことは無かったが──宴席の用意らしきものがされていた。

GM :婚姻の成立を祝うための準備であったのだろうか。漆塗りの椀が、鈍く雷を反射していた。

GM :今この場には、席に着く人間も、料理を供する人間もいない。

芹野 成海 :「……参加するつもりもない宴席ではあったけど」

芹野 成海 :「今の状況で見ると、ちっとうら寂しい感じもするわね」

芹野 成海 :索漠とした宴席を眺め、何とも言えない表情を浮かべる。

鳴無色葉 :「ククク……我々の宴席として乗っ取るか?」

芹野 成海 :「なんの宴よ」

鳴無色葉 :「は?結婚式に決まってるだろ」

芹野 成海 :「は?」

鳴無色葉 :「…………………………………………」めちゃくちゃ不機嫌そうに睨んでいる。

芹野 成海 :「……アンタまだ私が婿候補にされたこと根に持ってるわけ?」

芹野 成海 :「アレはそもそも手違いだってのはもう言ったでしょ」

鳴無色葉 :「怒ってはないが貸しだからな」

芹野 成海 :「貸しにならねーわよ! こっちだって巻き込まれた側だって言ってんでしょ!」

芹野 成海 :一発チョップを入れる。ケガ人なので、あくまでも軽く。

鳴無色葉 :「みっ……」頭を押さえる。

芹野 成海 :「はあ……っていうか」ちらと目を横にやり、声を少し低める。

芹野 成海 :「……気のせいかしら」

芹野 成海 :「私が外してる間に、アイツらちょっと雰囲気変わってない?」

芹野 成海 :視線の先には、十九川家の八代目と、公安の怪人物の姿がある。

鳴無色葉 :「ククク……お前こういうの激鈍鈍感系かと思ったが案外目ざといんだな」

鳴無色葉 :「ほら……お互い意識しないようにしようとして意識しまくってもうすぐ手と手が触れ合いそうだぞ」

十九川ヤコ :「聞こえてるんスけど??」

水瀬 一理 :「そうですよー。仲間はずれはおよしになってくださいー」

十九川ヤコ :儀式の折とは打って変わった、シャツに革ジャケットを羽織ったいつもの格好で。頬を膨らませている。

水瀬 一理 :目を逸らして雨の匂いを軽く嗅いでいたのだが、顔を向ける。

鳴無色葉 :ぴうーと下手くそな口笛を吹きながら漆塗りの茶碗にリアルイタチを詰めて誤魔化している。

芹野 成海 :抗議の声を聞き流しつつ、二人の姿を何とも言えない表情で眺める。

芹野 成海 :(水瀬のやつが、ヤコを結構気遣ってたのは見てたけど)

芹野 成海 :それにしても、と思う。あまり変わらないように見えるが、普段の掴みどころのない怪しさがいくらか薄れている。

芹野 成海 :(もしかしたら、──いや、多分)

芹野 成海 :怪しげな風体の底知れない男。手練れの忍び。"日読"の司書。

芹野 成海 :それらの情報は、同じ忍び、それも"文化財"の分野の忍びとして、警戒心を喚起するものだ。

芹野 成海 :しかし──

芹野 成海 :(……ああ)

芹野 成海 :口に出す訳にはいかなかった己の秘密を"見て"、二人へ共有してくれたこと。

芹野 成海 :これほどまでに傷を負いながら、"休戦"と協力を貫いていること。

芹野 成海 :そして──十九川ヤコへの態度。

芹野 成海 :(……『分からないヤツ』じゃなくて、『分かりにくいヤツ』なのね)

芹野 成海 :彼の心底を垣間見たような感覚に、忍びとしては当然の態度とはいえ、警戒し続けていたことへの罪悪感を少し覚える。

芹野 成海 :それをごまかすように、つとヤコの方へ視線を動かし──

芹野 成海 :「……ああ」

芹野 成海 :以前に会ったときと同じ、都会的なブランド物の革のジャケットを見て。

芹野 成海 :そして何より、その表情を見て。

芹野 成海 :「やっぱ、そっちの方が似合ってるわ」

十九川ヤコ :目ざとくその視線に気づいて、にっ、と微笑んで見せる。

十九川ヤコ :「ありがと、せりのん」

十九川ヤコ :「あたしも、そう思う」

十九川ヤコ :「せりのんが居なかったら、あたしきっと」

十九川ヤコ :「開始早々、脱落してたトコだったし……」

十九川ヤコ :「確証のない、誰かから送られてきたメッセージもさ」

十九川ヤコ :「常に疑いは持っていたかもしれないけれど。あなたは、誰にも言伝することなく、ひとりでこの里まで赴いてくれた」

十九川ヤコ :「それはきっと……」

十九川ヤコ :ちら、と。芹野さんの側にいる、彼女に視線を向けて。

十九川ヤコ :「せりのんは。そんなわけねーわよ、ってヒテーするかもしれんけどさ」

十九川ヤコ :「あたしは、あなたのこと」

十九川ヤコ :「誰よりも暖かいものを、ちゃんと持ってるヒトだって」

十九川ヤコ :「勝手に思ってるんだ」

芹野 成海 :「………」嫌そうな表情を浮かべる。否定の言葉を先取りされているので否定もしにくい。

芹野 成海 :「……誰より、かは知らないけど」

芹野 成海 :「まあ、人並みにはね」

芹野 成海 :人並みに──知り合いに何かあったなら、助けたいと思う程度には。

鳴無色葉 :「そうだぞ。成海は優しいよ」嬉しそうにニコニコしている。

水瀬 一理 :「その辺に関しては、賛成しときますねー」

水瀬 一理 :「それに信頼も置ける、と思ってますからねえ。これでも」

芹野 成海 :二人の言葉に、より嫌そうな表情を深める。

芹野 成海 :「優しいかどうかは……まあ人並みよ。これも」

芹野 成海 :「……アンタのことは、"信用"できるとは思ってたけど」その碧の片瞳をちらと見て。

芹野 成海 :「"信頼"も、まあ、できると思うわ」

水瀬 一理 :「普段ならぬるっとかわすんですけど」鰻でも捕まえているような手つき。

水瀬 一理 :「今はそういう言葉が沁みる状況で。ありがたくいただいておきます」

鳴無色葉 :「ほら、今も照れてんだよ。可愛いよな。嫌そうな顔してるけど内心喜んでるんだよ」芹野さんの頬をぷにぷにつつく。

鳴無色葉 :「多分コイツ、『可愛い』とか『綺麗』とかも言われ慣れてないから照れるんだよな。可愛いし綺麗なのに照れ隠しに嫌そうな顔するから言われなくなんだよ」

芹野 成海 :無言で拳骨する。軽くとはいえ、さっきよりはちょっと強めに。

鳴無色葉 :「ピャッ……」頭を押さえる。

芹野 成海 :「いらんこと言ってんじゃねーのよ」

水瀬 一理 :「…………はは」面白そうに笑って。

水瀬 一理 :「どうぞ。そのままずっとお幸せにね」

鳴無色葉 :「……ほお?」

芹野 成海 :「………」渋い表情で──しかし、さほど嫌そうではない顔で。

芹野 成海 :「まあ。私も」

芹野 成海 :「素直にもらっとくわ。その言葉」

十九川ヤコ :いひひ、と声が漏れ出る。

十九川ヤコ :「やっぱり、そうでなくっちゃな」

鳴無色葉 :「……成海~♡怪我が痛むから膝枕してくれ~♡」

鳴無色葉 :「(我らがイチャついてたらあてられてちょっとくらいはいいかな?って進展するかもしれんだろ?)」小声で囁く。

芹野 成海 :「……それ明らかに後付けの理由でしょ」じろりとその顔を睨む。

芹野 成海 :「……あ~もう、私のことはどうでもいいっつーのよ!」

芹野 成海 :まだ軽く湿り気を帯びた髪を搔き、焦れたように言う。

芹野 成海 :「はあ、……まあ、"実務"の話だけど」

芹野 成海 :「さっき、"岩戸"の向こうの様子を伺おうと思ったんだけどね」会議が続く部屋がある方へ、ちらりと視線を送る。

芹野 成海 :「さすがは歴史ある家の本家、牆壁もしっかりしてるし、"報知器"もかなり鋭敏。ちっと危なそうだったから触れなかったわ」

芹野 成海 :言いながら、宴席に設けられた座布団の一つに腰を下ろす。

芹野 成海 :「それにこの雨──」

芹野 成海 :「あの、八雲? ってヤツの話聞く感じだと、こっちもかなりの曰くつきみたいだし」

芹野 成海 :「……少しでも、事情に関わってそうな相手を探りたいわね」

十九川ヤコ :「ふうん……」悩みこむように。

十九川ヤコ :「“大騒ぎ”するわけにもいかないし。お部屋のガードはきゃぱい」

十九川ヤコ :「いっそ。全く別の所からお話を聞けたらいいんだけど」

十九川ヤコ :「そんなヒト……あれ?」居たような気がする。さっきまで。

芹野 成海 :「別のところ……ね」ふと頭に浮かんだのは、黒髪の女性の姿。

芹野 成海 :"飛駅者"というのが外界との間を繋ぐ役割であれば、今度の儀式についても何か聞いている可能性もある。

芹野 成海 :「……う~ん、一応やってみるか」

芹野 成海 :懐からメモ帳を取り出す。

芹野 成海 :一枚には『千島ササヤ』と書き、もう一枚には『金西金舎』と逆さに書いて、空の食器の一つに二枚とも張り付ける。

芹野 成海 :「あ~ヤコ、アンタ、アロマオイルとか持ってない? 別にアロマでなくてもいいけど、油の類」

十九川ヤコ :わくわくと目を輝かせその様子を伺ったまま、ん、と頷いて。

十九川ヤコ :「いまラベンダーのやつしかないや。……あー、部屋戻ればオレンジスイートとかサンダルウッドとか。ペパーミントの香りがするのもありますぜ、姉御」

十九川ヤコ :懐から取り出した小さめなポーチを漁って。小さな瓶を芹野さんに手渡してみせる。

芹野 成海 :「サンダルウッドいいわね。……いや別に今はアロマ効果狙ってる訳じゃねーのよ」

芹野 成海 :「ありがと。ちょっと使うわよ」

十九川ヤコ :「ん。ヘアオイルだから。後でつけてもいーよ」

芹野 成海 :軽く礼をいい、小瓶の中のオイルを少し食器へ垂らす。

芹野 成海 :ティッシュを撚って作ったこよりをそこへ垂らし、ライターで火をつける。

芹野 成海 :そしてその碗の上へ、一本の造花を置く。

芹野 成海 :辺りにラベンダーの香りがふわ、と香るとともに──

芹野 成海 :どこからともなく一匹の羽虫が飛んでくる。

芹野 成海 :その羽虫は、吸い込まれるように碗の中へ飛び込み、その身を灯で焼く。

芹野 成海 :──灯火の虫よけの呪法。それを逆転して"虫寄せ"と為し、また器に目標の名を貼ることにより形代とする。

芹野 成海 :その羽虫が燃える一瞬、その火の中に千島ササヤの裡を見出さんとする。


芹野 成海 :こ、こういう感じで火術で秘密を抜かせていただきたく

GM :よいでしょう!

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:火術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

芹野 成海 :あっぶねえ!!!

十九川ヤコ :ヨッシャ~~~~!!!!

水瀬 一理 :やったやった

GM :お見事!

鳴無色葉 :成海~~~~~♡♡♡♡♡結婚しよ♡♡♡♡♡

芹野 成海 :

GM :千島ササヤの【秘密】は公開情報です。

千島ササヤの【秘密】

違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない。勾玉を魔寄せのものにすり替えたのも森の中に罠を仕込んだのも祠を破壊して楔を盗み出したのも罠に残った血を採取したのも十九川様に持ち込んだ食事に薬を盛ったのも惨たらしく血を撒いた死体をヤコ様に見せつけたのも「二色乞」をすり替えたのも全部全部全部全部全部─────あの人に脅されてやったことだ。


公開情報。

千島ササヤの【本当の使命】は、生き延びることだ。


この【秘密】は、【エニグマ】としても扱う。


戦力【秘奥義】 《解除:調査術》

奥義の効果から一種を選ぶ→判定妨害

「ボス」はその奥義を好きなタイミングで特例修得できる。

この【戦力】を解除しても奥義を特例修得する効果は無くならないが、解除したキャラクターは奥義の情報を獲得する。

鳴無色葉 :うおー!!!!

芹野 成海 :解除判定チャレンジします!

芹野 成海 :2D6>=6 (判定:罠術) (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

鳴無色葉 :成海ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

十九川ヤコ :おしすぎりゅ

芹野 成海 :い、一足りねえ

水瀬 一理 :惜しい!

GM :ドンマイです!

GM :ではちょいと演出

GM :====


GM :カタカタ、と震えていた。

千島ササヤ :あなたたちを待っていた千島ササヤが震えていたのは、雨の冷たさばかりが原因ではない。

千島ササヤ :自らがする行いを恐れていた。いや、恐れ続けていた。

千島ササヤ :そして彼女は、恐れているまま、十全に動くことができる人間だった。

千島ササヤ :十九川七丈の遺体。わざと広げられた血痕。あえて残された部屋の痕跡。

千島ササヤ :全ての視線がそれらに注がれる中。

千島ササヤ :特に動揺した十九川ヤコの剣を抜き、すり替えることは、物資の密輸を専門とする《飛駅者》の得意とするところだった。

千島ササヤ :いま彼女は、本堂から離れへと続く渡りを移動している。

GM :刻一刻と「二色乞」が遠ざかることで、浄剣に抑えられていた妖魔たちは殺気を放つ。

GM :「一魔降」は、カタカタ、と震えていた。


鳴無色葉 :うおっ……双子情報を芹野さんに渡して公開情報にします!

GM :はい

《双子》の【秘密】

この【秘密】は「二色乞」の【秘密】としても扱う。

彼女たちは、十九川ヤコに敵意ある十九川家の人間と共謀し、結界の抜け穴を利用して刺客を連れてきている。抜け穴を使い、自身たちも霊森の内外を行き来している。

そして、十九川ヤコの命と引き換えに報酬として「二色乞」を受け取る予定である。


「二色乞」には通常の剣とは一線を画す、選別の能力が備わっていると聞く。その力は、折れて砕けた破片が、「二色乞」の鋼となった剣にもたらされたものとみて間違いない。

原料となった剣の銘は『御剣』──切断の権能を持つ、シノビガミの力を宿した神器の名である。


《双子》の【本当の使命】は、シノビガミ復活の手がかりとなる、「二色乞」を手に入れることだ。

クライマックスフェイズでは、オウギ・ケムリとの戦闘が発生する。


しかし彼女たちの計画は本来、里に潜伏し十九川ヤコを襲撃、「二色乞」を奪取することであった。十九川ヤコが霊森に入ったことで計画は変更を余儀なくされたが、十九川七丈を殺害することにメリットはない。

GM :〆のロールどうぞ


芹野 成海 :羽虫は灯火に呑み込まれ──一瞬、大きな炎となって器の上に立ち昇る。

芹野 成海 :「……っ、お」

芹野 成海 :そこに垣間見えた彼女の裡側に少したじろぐ。

芹野 成海 :「……何か知ってればとは思ったけど」

芹野 成海 :「まさか、ここまでとはね……」

十九川ヤコ :炎の色に映し出されて“視えた”その光景に。どこか、心の中にある、暗雲とした靄の正体がはっきりと今わかる。

十九川ヤコ :「はぁ……」

十九川ヤコ :「“件”を抑えることばかりで、頭回って無かった」

十九川ヤコ :「“二色乞”は。魔なるものだけを分かつ刀」

十九川ヤコ :「ジッサイの切れ味なんて、てんで大したことない……にもかかわらず」

十九川ヤコ :「畳、ダメにしちゃった部分で。アレ?って。気づくべきだったんだよな」

鳴無色葉 :「オドオドしてはいたが、大人しそうな感じはしなかったからなぁ。アイツ」勝手に芹野さんの膝に頭を預けて寝転んでいる。

水瀬 一理 :「しかしそれも……全部、裏に誰かがいる」ゆっくりと。

水瀬 一理 :「誰かが……」漂うアロマの香りに、微かに眉を顰める。

十九川ヤコ :腰帯に差した“一魔降”に目を向ける。

十九川ヤコ :今の時点で、暴走の兆しは見られない。

十九川ヤコ :でも、それはきっと。

十九川ヤコ :「(八雲──────)」

十九川ヤコ :ぎり、と歯噛みして。

芹野 成海 :「……せっかく探ったけど、まだ分からんことが残ってるわね」

芹野 成海 :溜息を一つ。膝の上の頭は特に退けたりはしない。

鳴無色葉 :「なでなでもしてもらっていいか?」

芹野 成海 :「でも、まあ。知らないよりはマシだったわ。刀のことも、あの女のこともね」

芹野 成海 :イタチの耳を引っ張りつつ。

鳴無色葉 :「ぴぃ~それはなでなでではないぞ……」

芹野 成海 :「問題があることが分かってるなら、備えることはできる。万全かはともかくね」

芹野 成海 :未だ残っている灯に飛び来た蝶を、指先で捕らえる。


芹野 成海 :【根】を使用したく思います。

GM :どうぞ~

芹野 成海 :SG#3>=5 (判定:傀儡の術)F値+1 (SG@12#3>=5) > 3[1,2] > 3 > ファンブル

芹野 成海 :うっそだろ!?!?

鳴無色葉 :成海ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

GM :せ、芹野さん

十九川ヤコ :芹野~~~~~ッッッ!!!

水瀬 一理 :oh

芹野 成海 :前回今回と出目悪すぎんか???

GM :森の方が生きやすかったのかな

芹野 成海 :FT ファンブル表(2) > しまった! 好きな忍具を1つ失ってしまう。

芹野 成海 :ノーダメ

十九川ヤコ :ノーダメヨシ!

鳴無色葉 :使い切っててよかったね♡

水瀬 一理 :よしよし!!

芹野 成海 :既に素寒貧ゆえな……

GM :ファンブル表はノーダメなんだ


芹野 成海 :捕らえた蝶に呪を使おうとして、ふとその羽へ目をやる。

芹野 成海 :水滴がついている──おそらくは、この"雨"の。

芹野 成海 :「っと」

芹野 成海 :用意していた呪を止め、碗の中の火を吹き消す。

芹野 成海 :あの霊の話によれば、この雨自体が"鵺"であるという。それを帯びたものへ呪をかけるのは危険である。

芹野 成海 :(……あっぶな)

芹野 成海 :虫寄せを失って飛び去る蝶を目で追いつつ、冷や汗が一筋流れる。

芹野 成海 :しかし、これ自体悪いことではない。

芹野 成海 :八雲の話を知らなければ、この危険には備えられなかった。

芹野 成海 :ならば、ササヤの裡を知ったからこそ、備えられる危険もあるはずだ。

芹野 成海 :「ったく。……カッコはつかねーけど」

芹野 成海 :この場に集まる三人の顔を見渡す。……一人は膝の上だが。

芹野 成海 :「鵺退治でも、お家のゴタゴタでも、よくわからん双子でも」

芹野 成海 :少し親しみやすくなった碧の瞳と、傷つきながらも友を守ったイタチの耳と。

芹野 成海 :そして、苦難と悲劇を超えてなおまだここに在る、革ジャンにツインテの"ギャル"の姿に。

芹野 成海 :「なんでもかかってこいってのよ」

芹野 成海 :軽く笑って、そう言い放った。

GM :====


GM :解除判定どうぞ~

鳴無色葉 :重傷をなおしチャレンジ!生存術だったはず!

鳴無色葉 :2D6>=10 (判定:異形化) (2D6>=10) > 8[2,6] > 8 > 失敗

鳴無色葉 :エーン おわり

GM :ドンマイ

GM :第三サイクルを終了します。


GM :====


GM :メインフェイズを終了します。


GM :====


【クライマックスフェイズ】

GM :──古夜・十九川邸

GM :雨が激しく地を打ち付けている。

GM :泥が流れ、山からどうと水が溢れる。

GM :あなたたちは、”岩戸”と称された離れへと向かっていた。

千島ササヤ :「……!」

千島ササヤ :自分を追っている視線に気づき、目を見開く。

千島ササヤ :片手に「二色乞」を備えたまま、走り出して渡り廊下を駆ける。

GM :がしゃ、と雷が鳴った。

十九川ヤコ :「ササヤさん!」

十九川ヤコ :今、彼女の抱えていたものは。見間違えるはずもない。

鳴無色葉 :「おい、泥棒は嘘つきの始まりだぞ!」

芹野 成海 :「逆よ逆」

鳴無色葉 :「走るだけで頭ガンガンするんだがな……!」

鳴無色葉 :まてー!と両手を挙げて走る。

水瀬 一理 :「……誰に頼まれたかは知りませんが。戻しなさい」

水瀬 一理 :「それは、今は彼女が持つべきものだ……!」

GM :あなたたちが渡りを通ったとき。

GM :ざば、と水の音がした。

GM :そして十九川ヤコの姿が消えている。


GM :────


GM :濁った翠が視界を埋め尽くす。白泡が舞う。

GM :渡りの横には、大きな池があった。十九川ヤコはそれを思い出す。

GM :引きずり込まれたのだ。

十九川ヤコ :踏み出した足の先は、固い床などではなく。

十九川ヤコ :「(─────────!?)」

十九川ヤコ :気づけば、水の中に在る。

十九川ヤコ :視界の端に映る藻と、庭石の配置で。すぐに気づく。

GM :巨大な影が動いた。一瞬、怪魚のようにも見えたそれは、姿を現す。

御洞ヤサメ :「十九川、ヤコ」

御洞ヤサメ :水球がごぼごぼと沸き上がる。

御洞ヤサメ :その表情は水で冷え、死者のように白い。

御洞ヤサメ :「あなたは、今ここで」

御洞ヤサメ :「殺すわ」

十九川ヤコ :一瞬、妖魔と身違えたほどの気を持った女のこの姿は。初めて目にするもので。

十九川ヤコ :しかし、その声は。表情は、声は。

十九川ヤコ :“殺意”は。

十九川ヤコ :「………」

十九川ヤコ :「父上のように?」

御洞ヤサメ :「綺麗には死なせない」

御洞ヤサメ :「あの子と、同じようには」

十九川ヤコ :頭の奥は。ずうっと冷えたまま。

十九川ヤコ :全身に纏わりつくような、妖気の入り混じった水の中にいるから、ではなく。

十九川ヤコ :理解しているからだ。

十九川ヤコ :彼女の行ったことは、真っ当な行為ではなかったかもしれない。

十九川ヤコ :それでも、彼女が己に向けるそれは、真っ当な想いだと。

十九川ヤコ :どれだけ、ここで。言葉を並べ立てようとも。

十九川ヤコ :彼女には、きっと届かないと。

GM :がしゃ、と雷が鳴った。


GM :────


オウギ :「とゆーわけで、我々としては」

オウギ :「依頼人の意向には答えてあげたいわけです。十九川ヤコを排除したいというね」

オウギ :「二人の邪魔はさせない、みたいな? いい子でしょう?」

オウギ :渡りの中央。少女が楽し気に回る。

GM :そして、十九川ヤコが引きずり込まれた庭は、紫の煙に塞がれている。

ケムリ :「これけっこう」

オウギ :「やりましょう、お姉さん、お兄さん」

オウギ :白い扇を懐から取り出す。

ケムリ :「いやこれ」

オウギ :「所詮忍びの命はともしび、風の前には揺れるだけ」

オウギ :「時間稼ぎと言わず我々で──」

ケムリ :「あの」

オウギ :「うるさいなーっ!」扇を投げる。

オウギ :「いまお姉ちゃん格好良く口上言ってたじゃん! キマってたじゃんさ!」

オウギ :「名乗り口上と変身バンクは邪魔しちゃだめなんだよ!」

オウギ :地団太を踏んでいる。

GM :がしゃ、と雷が鳴った。

ケムリ :「え、えっと……」

ケムリ :「確かに私たちが倒れない限り、内から紫雲匣は破れないんだけど……」

オウギ :「だったらいいじゃんー!」口をとがらせる。

ケムリ :「外からには弱いというか」

ケムリ :「その」

ケムリ :「雷が」

GM :がしゃ、と雷が鳴った。

GM :煙の壁に僅かな隙間が開く。一人程度なら通れるだろう。

ケムリ :「あっ」

オウギ :「……」

オウギ :「さて、私たちは仕事人だからね? 必殺のやつ?」

オウギ :「たとえ依頼人の意向であっても? 自分たちの美学を優先するというか?」

オウギ :「……通れるものなら通ってみなさい、あなたたちの友情とやらを試してあげる!!」

オウギ :白扇(ひろった)を突き付ける。表情は自信げだ!

鳴無色葉 :「忍びの命がともしびだとて、輪から外れたこの命」

鳴無色葉 :「天呼ぶ地呼ぶ風が呼ぶ、うまさ讃えて語りかける」

鳴無色葉 :「百万石より尊きものは郷土の饅頭、ダチの命」

鳴無色葉 :「通らず何がカマイタチか、通してみせよう無理難題!」

鳴無色葉 :名乗り口上なら邪魔されないと知って適当なことを言って通り抜けようとしている!

水瀬 一理 :「……排除。排除ねえー」池の方を見て。

水瀬 一理 :「難しいですよ。正直。分の悪い依頼受けたね。二色乞の件もですが」

水瀬 一理 :その名乗り口上に続けて。

水瀬 一理 :「彼女が居る。我々が居る」

水瀬 一理 :「貴様らの入る余地はないんだよ」

水瀬 一理 :風で飛ぶ雨粒を拭いながら、挑むように笑う。

水瀬 一理 :「私は。子供だろうと。自分の目的を持って自ら戦おうとする相手は」

水瀬 一理 :「幾らでも相手にしますよ。酷いやり方でもね」

芹野 成海 :「………」眉間に指を当て、渋い顔をする。

芹野 成海 :「仕事なんだかコントなんだか知らないけどね」

芹野 成海 :「『いざさらば たつたの山のうす紅葉 人の心もなきのこぬまに』よ」

芹野 成海 :長遊びする者をいなすための呪句。しかし、力は籠めない。

芹野 成海 :「とっととぶちのめすわよ」

オウギ :「んあ……けっこう真剣に仲間意識あるみたい」

オウギ :「あまり遊びの余裕がないかもね! 作戦目標は時間稼ぎ」

オウギ :「いける?」

ケムリ :「うん。すぐに閉じれる」

オウギ :「そかそか。それでは──」

田平四扇 :「『荒野聯隊』尉官相当兵、田平四扇」

田平五煙草 :「同じく、尉官相当兵、田平五煙草」

《双子》 :「我らが使命に殉じ、推して参る」

GM :====


【クライマックス戦闘・壱】

GM :この戦闘は二つに分かれた戦場で同時に行います。

GM :御洞ヤサメのいる「中庭」と《双子》がいる「渡り」の戦場です。

GM :十九川ヤコは必ず「中庭」にいます。

GM :また戦闘開始時、十九川ヤコ以外のPCは一人だけ、十九川ヤコに合流することが可能です。

GM :合流したPCは「中庭」、しなかったPCは「渡り」での戦闘になります。

GM :キャラシートを公開します。


御洞 ヤサメ キャラシート


田平 四扇 キャラシート

田平 五煙草 キャラシート


GM :戦闘開始時の戦場は、「中庭」が「水中」、「渡り」が「悪天候」とします。

GM :勝利条件は、「御洞ヤサメの生命点を0にする」です。

GM :何か質問はありますか?

水瀬 一理 :戦闘開始時以外に合流をする手段はありますか?

GM :ありません。

水瀬 一理 :了解です

鳴無色葉 :千島さんの秘密にかかれていた「ボス」とはヤサメ様のことですか?

GM :いいえ。

鳴無色葉 :ほお……!ありがとうございます!


鳴無色葉 :奥義情報は別の戦場には伝わりませんか?

GM :別の戦場には伝わりません。

鳴無色葉 :ありがとうございます!

鳴無色葉 :たとえばクライマックス戦闘壱のあとにまた戦闘があったりした場合、生命力が0になっていたら1で復活できますか?

GM :その場合は生命点1で復活できることとします。

鳴無色葉 :ありがとうございます!!

水瀬 一理 :いくつかあるんですが

水瀬 一理 :戦場間またいで感情修正や遁甲符を使用することはできますか。

GM :できません。

水瀬 一理 :了解です!

水瀬 一理 :戦闘終了後、勝者は全体でひとりという認識で合っていますか

GM :戦闘勝利条件は「御洞ヤサメの生命点を0にする」です。

水瀬 一理 :あ、そうだった、失礼しました!

水瀬 一理 :細かい部分になるのですが、【髪芝居】は3ラウンド継続効果ですが、使用後に呪いで修得していない状態になった場合、効果はどのようになりますか。

GM :【髪芝居】は「捕縛状態」を与える忍法です。【髪芝居】が未修得になったとしても、集団戦の攻撃忍法が未修得になっても与えた変調が失われるわけではないので、「捕縛状態」もまた失われるわけではないと裁定します。

水瀬 一理 :了解しました。ありがとうございます! 今は以上です。

GM :では、戦闘開始時

GM :「中庭」に合流希望するPCがいれば宣言してください。

鳴無色葉 :したい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

GM :いなければヤコさんが一騎打ちします

十九川ヤコ :色葉~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

十九川ヤコ :ヤサメ様とふたりっきりで戦って噂されたら恥ずかしいし……

GM :何の噂?

十九川ヤコ :言わせないでし~

GM :ともあれ了解です。鳴無さんは「中庭」の戦場に合流します。

鳴無色葉 :やった!!!!!

十九川ヤコ :ガッチャ!


GM :戦闘は各ラウンドごと、「中庭」→「渡り」の順に処理していきます。


GM :====


【第一ラウンド】

GM :プロットをどうぞ。

芹野 成海 :奥義を使用します。

芹野 成海 :《よもついくさのもがりのところ》

芹野 成海 :惟神・黄泉神/くらまし/術式開示、特技は死霊術

十九川ヤコ :いけ~っ!普通家庭の娘!

田平四扇 :破るよ~

芹野 成海 :破るな!

田平五煙草 :破ります。《封術》から9

田平四扇 :《召喚術》から8!

田平四扇 :2d6>=8 (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功

芹野 成海 :おい!!!

十九川ヤコ :やめろ!

田平五煙草 :2d6>=9 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗

田平五煙草 :あああ

田平四扇 :はたらけ!

田平四扇 :プロットはOK!

鳴無色葉 :プロットOK!!

水瀬 一理 :OK

田平五煙草 :OK

十九川ヤコ :OK!

芹野 成海 :OK

御洞ヤサメ :OK

GM :OK

GM :では

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

GM :では「中庭」からいきます。

『中庭』

○戦場:水中

<プロット6>

(色葉)

<プロット5>

(ヤサメ)

<プロット1>

(ヤコ)

GM :プロット6、鳴無さん

鳴無色葉 :ちょっと考えさせて!

鳴無色葉 :おまたせしました

鳴無色葉 :接近戦攻撃をヤサメ様に!

御洞ヤサメ :では【抜井戸】

御洞ヤサメ :2d6>=6 (2D6>=6) > 7[3,4] > 7 > 成功

鳴無色葉 :あっ私ふらなくていいんだ?

GM :あそっか 命中判定の成功後ですね

十九川ヤコ :あっ抜井戸も判定いるんだ しらなかった 自動成功だとおもってた

鳴無色葉 :じゃあふります!

鳴無色葉 :2D6>=5 (判定:呪術) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗

鳴無色葉 :

十九川ヤコ :い、色葉~~~!!

鳴無色葉 :なぎなぎ~っ そのうえ重症ふるね

御洞ヤサメ :【抜井戸】が発動できないわね

鳴無色葉 :これが井戸封じよ

GM :重傷どうぞ!

鳴無色葉 :左から!

鳴無色葉 :1d3 (1D3) > 3

鳴無色葉 :おい!!!!妖術がつぶれます

GM :あら……

十九川ヤコ :夢だ……これは………

GM :ではプロット5.

御洞ヤサメ :妖術が消えたイタチに【接近戦攻撃】《結界術》。

鳴無色葉 :ぴ~~

御洞ヤサメ :2d6>=6 (2D6>=6) > 9[4,5] > 9 > 成功

御洞ヤサメ :成功。水中で回避マイナス2

鳴無色葉 :12がでればいいってことよ

鳴無色葉 :2D6-2>=10 (判定:見敵術) (2D6-2>=10) > 8[3,5]-2 > 6 > 失敗

鳴無色葉 :おしい!

十九川ヤコ :水中がよ~~っ!!

御洞ヤサメ :そういえば逆凪でないか

鳴無色葉 :そうじゃん!

十九川ヤコ :そうじゃん

鳴無色葉 :くらいます接近戦を

GM :接近戦ダメージは1d6ふって、消えてるところになったら好きな分野潰していいですよ

鳴無色葉 :ありがと~!

鳴無色葉 :1d6 (1D6) > 5

鳴無色葉 :戦術です……

十九川ヤコ :バカな……こ、こんな……こんな………

GM :体術残ってるからいける

鳴無色葉 :余裕だな

十九川ヤコ :ピンチはチャンス

GM :プロット1、十九川さんどうぞ

十九川ヤコ :《陽炎》して《集団戦攻撃》をヤサメ様にはなちます。

十九川ヤコ :背景・攻撃訓練で上記二つの忍法のダイスは統合判定となります。

GM :くっ統合判定! 二つの判定を一度で行うが達成値にはマイナス1修正がつく特殊ルールだぜ!

GM :どうぞ~

十九川ヤコ :いちおう色葉ちゃん感情もらえるかな?

鳴無色葉 :あげる!+1!

十九川ヤコ :ありがと~!

十九川ヤコ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 8[4,4]+1 > 9 > 成功

鳴無色葉 :ナイスぅ!

十九川ヤコ :成功!当たれば集団1、後の先で射撃1

御洞ヤサメ :先ほど使わなかった【抜井戸】

御洞ヤサメ :2d6>=6 (2D6>=6) > 4[1,3] > 4 > 失敗

鳴無色葉 :やったーーーー!!!

十九川ヤコ :しゃあっ

御洞ヤサメ :むっ

御洞ヤサメ :変調はこちらが振りますね

十九川ヤコ :戦国でおねがいします。

御洞ヤサメ :これはまさか……背景【梟雄】の効果!?

十九川ヤコ :お気づきのようね……

鳴無色葉 :そんな背景が!?

GM :戦国変調表という、ちょっといつもと違う変調を使いこなせる背景です!

鳴無色葉 :はじめてきいたな……

十九川ヤコ :なかなか見ない背景ですからね。覚えておこう。

御洞ヤサメ :黙れ

十九川ヤコ :こわい…

御洞ヤサメ :GWT 戦国変調表(1) > 催眠:戦闘に参加した時、戦闘開始時、もしくはこの変調を受けた時に【生命力】を1点減少しないと、戦闘から脱落する。サイクル終了時に〈意気〉判定し成功すると無効化。

十九川ヤコ :催眠ババア!?

鳴無色葉 :やったーーーー!!

御洞ヤサメ :【後の先】と合わせて2点受けましょう。忍術謀術

system :[ 御洞ヤサメ ] 忍術 : 1 → 0

system :[ 御洞ヤサメ ] 謀術 : 1 → 0

十九川ヤコ :手番は終わりですが

GM :ラウンド終了時だぜ!

十九川ヤコ :【プライズ】「一魔降」の効果を使用します。

十九川ヤコ :・戦闘中各ラウンドの終了時に、戦場を任意のものに変更することができる(達成値が必要な場合、10として扱う)。この効果はセッション中2回まで使用できる。

GM :なにーっ

GM :戦場はどこに変えるんだい

十九川ヤコ :それは……もちろん悪天候だぜ!

鳴無色葉 :やった~~~~~!!!

御洞ヤサメ :くっ……

GM :では、ラウンド終了。

GM :====


GM :【第一ラウンド】「渡り」

『渡り』

○戦場:悪天候

<プロット5>

(芹野)

<プロット4>

(水瀬、オウギ、ケムリ)

GM :プロット5、芹野さんどうぞ

芹野 成海 :攻撃前に草が【彷徨】で戦闘に参加狙います

GM :草くん! 判定どうぞ!

草1 :2D6>=5 (判定:潜伏術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功

草1 :成功したので、自動的にプロット1に移動します

GM :どうぞ。

芹野 成海 :という訳で、ケムリちゃんに【戦駒】で攻撃します

GM :どうぞ~

芹野 成海 :2D6>=5 (判定:経済力) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

GM :

芹野 成海 :????

GM :あらまあ……

GM :ではプロット4、1d100どうぞ

田平四扇 :1d100 (1D100) > 46

水瀬 一理 :1d100 (1D100) > 86

田平五煙草 :1d100 (1D100) > 88

田平五煙草 :私から行く。

田平五煙草 :芹野さんを目標に【髪芝居】。間合は【翼煙管】で1伸びているよ。

田平五煙草 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功

芹野 成海 :成功するな!

田平五煙草 :成功。これから3ラウンド、ラウンド終了時に私と別プロットならば射撃戦ダメージ1点。

GM :水瀬さんどうぞ。

水瀬 一理 :はい

水瀬 一理 :まず【凶手】指定特技は骨法術。

水瀬 一理 :2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功

水瀬 一理 :【雀蜂】指定特技は人脈。対象はケムリちゃんで。

水瀬 一理 :奥義を使用します。『水瀬流速読術・凝の型』

水瀬 一理 :完全成功/輝き/分野限定(戦術)。指定特技は千里眼の術。【沈黙】の効果で奥義破り-1。

水瀬 一理 :これで出目が10のスペシャルとなるはず

田平五煙草 :おわあ

水瀬 一理 :【一角】の効果で回避-3。

田平五煙草 :《人脈》は7だけど、【一角】込みで10か……

田平五煙草 :安定を取ろう。奥義を使用

田平五煙草 :『哭天捻皮畜生道』無改造の完全成功。

田平五煙草 :指定特技は《憑依術》。これで回避判定を成功にするよ。

水瀬 一理 :了解。回復は発生するので合ってますか?

GM :スぺシャルの効果での回復は発生します。

田平四扇 :つぎオウギのばんでいーい?

水瀬 一理 :ありがとうございます。謀術回復します

system :[ 水瀬一理 ] 謀術 : 0 → 1

GM :いいよ~

田平四扇 :はーい! 奥義を使うね

田平四扇 :『仰天荒吹修羅道』範囲攻撃/乱れ/威力低下

田平四扇 :目標は芹野さん、水瀬さん、草!

田平四扇 :生命点を1点減少と、ランダムな変調ひとつを与えるよ

GM :変調は受ける側に振ってもらおうかな?

GM :やっぱこっちが振りま~す

GM :WT 変調表(6) > 呪い:修得済み忍法がランダムに1つ使用不能。1サイクルの終了時に、《呪術》で成功すると無効化される。

GM :呪いを受けよ

芹野 成海 :とりあえず振ります

芹野 成海 :1d6 上からで…… (1D6) > 2

水瀬 一理 :1d6 (1D6) > 1

GM :戦駒くん!?

水瀬 一理 :接近戦攻撃か

GM :草くんはデッドですね

草1 :範囲攻撃を呪いながら落ちます

水瀬 一理 :あっすみません、オウギちゃんの奥義の特技はなんでしょうか

田平四扇 :はーい、《飛術》です!

水瀬 一理 :了解

GM :第一ラウンド終了。

GM :====


GM :水滴が落ちる。波紋が広がる。

御洞ヤサメ :その波紋が消える前に、水面の起伏に爪をかけるようにして、飛び出している。

鳴無色葉 :煙のゆらぎ。陽炎のみせた幻と見間違うかのように。

鳴無色葉 :飛び出し、ヤサメの前に立ちふさがる。

鳴無色葉 :「お前の好きにはさせん、哀れな女よ……!」

御洞ヤサメ :「邪魔をするな、獣!」

御洞ヤサメ :巨躯から繰り出される打撃。結界による装甲が、触れた相手の肉を削り飛ばす。

鳴無色葉 :(身体が重い……)

鳴無色葉 :(出血しすぎた……視界が定まらない)

鳴無色葉 :普段ならば避けられたかもしれない攻撃。

鳴無色葉 :目の前がぐらりとかたむき、その隙をしたたかに撃たれる。

鳴無色葉 :「う、ぐうぅう……っ!」

御洞ヤサメ :「邪魔、邪魔、邪魔……どいつもこいつも……!!」

御洞ヤサメ :「あいつを殺すだけのことをどうして、阻むの!!」

御洞ヤサメ :崩れた身体に連撃を叩きこもうとする。

十九川ヤコ :女の追撃の刹那。

十九川ヤコ :『臨むは"兵(つはもの)"、闘ふ者』

十九川ヤコ :『皆陣"列(つら)"ねて前を行く』

十九川ヤコ :激しく降りしきる雨音が、遠のいていく。

十九川ヤコ :静寂に包まれる。

十九川ヤコ :禍々しき緋色の刀の切っ先を構えた女の呪言だけが、その場に木霊する。

十九川ヤコ :此度もまた、必死の思いで飛び出した彼女の元へ。今すぐにでも駆け寄りたい。

十九川ヤコ :しかし、今は。

十九川ヤコ :『道満清明・清明道満』

十九川ヤコ :『“共潜き(トモカヅキ)”に謹請し奉る』

十九川ヤコ :水面から浮き上がる小さな泡が。勢いを増していく。

十九川ヤコ :やがて。ざぱり、と水上へと露わになった、純白な巨大大貝。その殻がゆっくりと開いて。

十九川ヤコ :見るもの全てが息を呑むほどに。この世ならざる美貌を持った妖艶な女の顔が。

十九川ヤコ :雅に微笑み。視線を通じ、淀んだ呪気が御洞ヤサメを包む。

十九川ヤコ :かつてヒトだったその妖魔。夫への愛に悶え、愛に狂い。

十九川ヤコ :果てに海にその身を投げ、ヒトの身で収まりきらぬ歪な想いが邪鬼として形を成したもの。

十九川ヤコ :十九川屈指の結界術の使い手。三代目継承者・十九川三道が封じ込めし、己が妻だった成れの果て。

十九川ヤコ :池に満ちた全ての妖気に満ちた水が。べたりべたりと、一斉に纏わりつき、球を成す。

十九川ヤコ :“貝若水御・海海女ノ邪鬼(かいじゃくすいぎょ・うみあまのじゃく)”。

御洞ヤサメ :「……!」

御洞ヤサメ :水球に飲まれる。

御洞ヤサメ :御洞の結界術は『水』に由来する。雨の多い古夜にて、それが最も優れた媒体であるためだ。

御洞ヤサメ :であればこそ、当主の御洞ヤサメの操水は生半可な技術ではない。

御洞ヤサメ :「ゴボ…!」

御洞ヤサメ :されど、水球から脱するまでに数瞬の隙が生まれたのは、妖魔の情念に中てられたためであろうか。

御洞ヤサメ :あるいは……その妖魔自身を封じる術式が、自らのそれと似通っていたためだろうか。

御洞ヤサメ :いずれにせよその隙は、十九川ヤコに次の呪を唱える時間を与えた。

十九川ヤコ :海海女ノ邪鬼は。“一魔降”に封じた妖魔の中でも、とてつもない力を誇るもののひとつ。

十九川ヤコ :溺れ藻がく女の姿を満足そうな見た彼女が。次にその視線をこちらへと向ける前に。

十九川ヤコ :上段に構えた緋色の刃を。妖魔へ振るう。

十九川ヤコ :この世の全ての恨みを煮詰めたような、その眼を真正面から見据えて。

十九川ヤコ :邪鬼は消えてゆく。瞬間、水球が弾け。

十九川ヤコ :水が、未練が、想いが。雲へと登ってゆく。

十九川ヤコ :一層、勢いの増した雨の中。ブーツ越しに感じる、固い大地の感触に胸を撫で下ろして。

十九川ヤコ :再び、“一魔降”を構え。対峙する。

GM :====


GM :水滴が落ちる。雨音が響く。

田平四扇 :「らん、らん、たたん……」

田平四扇 :その音を拍子とするように踊っている。

田平四扇 :足捌きは次第にゆっくりとなり、能のような歩みになる。

田平四扇 :そして、完全に停止したとき、もはや雨粒は空中に留まっていた。

田平四扇 :「見えるよお」

田平四扇 :扇を一閃。

田平四扇 :芹野成海が呼び起こす”何か”を、雨粒の挙動から見分けて、断つ。

芹野 成海 :「……チッ!」斬られて溶けゆく亡者を見、舌打ちする。

田平五煙草 :「余所見」

田平五煙草 :背後に回り込んでいる。右手にはどこかから取り出した煙管。

田平五煙草 :ふう、と細い息を芹野成海に吹き掛ける。紫煙が身体に纏わりつく。

田平五煙草 :「術じゃないよ。小さな爆弾みたいなもの」

田平五煙草 :「あまり近づかないでね……ゴホッ」煙が目に入ったらしく、涙目。

芹野 成海 :「っ、……私はもうやめてんのよ、煙草!」

芹野 成海 :言い返しつつ、漂う紫煙に籠められた妖気に冷や汗を流す。

水瀬 一理 :「軍属、あるいはそれに近い形態の組織の者か。所属に興味はあるが」双子にゆっくりと視線を巡らす。

水瀬 一理 :「我らとて禁書分隊。紛失なく、延滞なく使命を実行する」

水瀬 一理 :「二色乞をみすみす渡すわけにいくものか」

水瀬 一理 :雨に向けて、翠の目の瞼をあらん限りに見開く。宙に小さく水面のような波紋が起きる。

水瀬 一理 :「五章」

水瀬 一理 :「九節」

水瀬 一理 :「待機終了。状況開始。戦闘配備。各員整列」

水瀬 一理 :「敵は目前に。狙撃を」

水瀬 一理 :目の前の波紋が、空気を微かにさざめかせる。錯覚だ。だが、それは凜々しい返答の声のように。

水瀬 一理 :水瀬一理は陽動役であり、司令塔であり、今回に関しては砲塔であり、狙いを定める観測手でもある。

水瀬 一理 :そうして、狙撃手は、遠くに幾人も存在する。

水瀬 一理 :「『我らは分隊(レギオン)。我ら大勢であるが故に』」

水瀬 一理 :それは、世界で最も読まれたとされる本の一節。ただ、彼らの信仰はその教義に対してのものではない。

水瀬 一理 :ただ古くより記され纏められた書物という媒体への信義。それのみによって、命は下される。

水瀬 一理 :「禁書分隊、貸与せよ!」

水瀬 一理 :鋭い速度で、波紋から白い鳥のごとき紙飛行機が飛び出す。幾つも、幾つも。幾つも幾つも。

水瀬 一理 :文字禍の呪を含んだ白い紙が、纏わり付く。叩き落として見せよと。

田平五煙草 :「これはっ、予想外……!」

田平五煙草 :「……けど、焦った。紫雲匣!」

田平五煙草 :結界が膨張する。小さな爆弾と呼称されたそれらの一部が、爆発装甲となって紙飛行機を焼く。

田平五煙草 :そして文字通り、田平五煙草の姿を煙に巻く。

田平五煙草 :ぐるぐると煙を纏い、高台へ飛ぶ。

田平五煙草 :「『火三遍』ゴホッ……『回って煙草にしょ』」

田平五煙草 :「あんまやりたくないこれ……ゴホッ」

田平四扇 :「もーちょっとがまん!」命じつつ構える。

田平四扇 :地平線と水平に、白扇を構え一回転。

田平四扇 :雨が裂かれる。

田平四扇 :そして、裂かれた空間を埋め尽くそうと、一斉に風雨がなだれ込む。

田平四扇 :巻き込まれた礫や木片、槍のような雨粒らが敵対者の動きに変調をきたす!

芹野 成海 :「ぐぅ……っ!」

芹野 成海 :殺到する礫に貫かれる。しかも、そこに付着する水滴は──“鵺”のものだ。

芹野 成海 :(……まずい!)

草1 :合図をすると犬型の妖魔が飛び出し、さらに飛び来る礫を遮る。

草1 :礫に貫かれた妖魔は倒れ──少しして起き上がるが、すでに術の支配は解けており、そのまま走り去る。

芹野 成海 :「くそ、こんなとこで使う羽目になるとは……!」

水瀬 一理 :「…………っ!」雨粒に穿たれた腕を押さえる。

水瀬 一理 :(だが。まだ。あの氷柱を突き立てられたような痛みよりは、まだ!)

水瀬 一理 :「……『見た』ぞ」双子をじろりと睥睨する。

水瀬 一理 :「……私の目から逃げるな」

田平四扇 :「見てるだけじゃあ、いないも同じ」

田平四扇 :「こうして時間を稼ぐのが我々の任務だよ?」

田平四扇 :「喪失して、遅延して──あなたの使命を妨害する。うふふっ!」

田平四扇 :扇で口元を隠し、笑う。

GM :====


【第二ラウンド】

GM :プロットどうぞ!

芹野 成海 :奥義使用します!

田平四扇 :破る!

芹野 成海 :惟神・黄泉神/くらまし/術式開示 死霊術!

田平五煙草 :同じく

田平四扇 :2d6>=8 (2D6>=8) > 8[3,5] > 8 > 成功

田平五煙草 :2d6>=9 (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

田平四扇 :ふははは

鳴無色葉 :しょんな~~~

芹野 成海 :あっそういえばさっきの範囲攻撃のダメージ入れます 体術で

system :[ 芹野 成海 ] 体術 : 1 → 0

GM :あっすみません! ありがとうございます!

水瀬 一理 :あっ自分も、謀術を

system :[ 水瀬一理 ] 謀術 : 1 → 0

GM :比良坂が謀術を!?

鳴無色葉 :プロットOK!!

御洞ヤサメ :OK

十九川ヤコ :OK.

田平四扇 :OK

水瀬 一理 :OK

田平五煙草 :OK

芹野 成海 :う~んOK

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

GM :【第二ラウンド】「中庭」

『中庭』

○戦場:悪天候

<プロット4>

(ヤサメ)

<プロット3>

(色葉)

<プロット2>

(ヤコ)

御洞ヤサメ :【青嵐】を使用……対象を選ぶ直前に

GM :あっプロット4からいきますね

十九川ヤコ :ウス

鳴無色葉 :あっどうぞ

御洞ヤサメ :背景【二刀流】を発動。生命点を1点消費し、攻撃の目標をひとり追加で選べるようになる。

御洞ヤサメ :器術を消費。

system :[ 御洞ヤサメ ] 器術 : 1 → 0

十九川ヤコ :やめなさ~~~い

御洞ヤサメ :これで十九川ヤコ、鳴無色葉二体を目標に。

御洞ヤサメ :さらに生命点が失われたタイミングで【俄雨】を発動。

鳴無色葉 :な、なんてこと

御洞ヤサメ :2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功

十九川ヤコ :成功するな~~~!

御洞ヤサメ :成功。鳴無色葉はこのラウンド回避マイナス1、汎用のサポート忍法を使用できない。

鳴無色葉 :汎用じゃなきゃセーフ?サポート忍法

GM :あ、そうですね

鳴無色葉 :ありがとうございます!

GM :鳴無さんの【秘密】に記載されている効果なんですが

鳴無色葉 :はい!

GM :まあ……これは【かばう】を持っているかのようになので、そのものを使うわけじゃないから肩代わりはできてもいいんじゃないかな?という裁定です

十九川ヤコ :おっなるほど!

鳴無色葉 :GM……!ありがと♡♡♡♡♡

GM :せいぜい主をかばって死になァ~~!

鳴無色葉 :クゥ~ン

十九川ヤコ :しなないで しなないで

御洞ヤサメ :【二刀流】の効果で命中判定にはマイナス2修正。【武芸】でプラス1。

御洞ヤサメ :2d6-1>=5 (2D6-1>=5) > 5[2,3]-1 > 4 > 失敗

十九川ヤコ :あっこれってマイナス修正つくの 追加で指定したほうだけじゃない?

鳴無色葉 :やった~~~!!!!!!!!!!!

鳴無色葉 :あっそうなの?

十九川ヤコ :最初に選んだ方にはつかないもんだとおもってた

十九川ヤコ :この場合だからヤコは普通にふって 色葉ちゃんのにはマイナス修正つく みたいな

GM :目標を追加した場合、なので、両方につきますね

十九川ヤコ :え~~~??

十九川ヤコ :辛すぎんか? 二刀流

GM :使い道はある

鳴無色葉 :刀は一本もちな

御洞ヤサメ :だが攻撃は失敗……! 生命点を減らし損

十九川ヤコ :わかりもうした! ありがとうございます

御洞ヤサメ :行動は以上。

GM :プロット3どうぞ!

鳴無色葉 :もうやるしかねぇな

鳴無色葉 :奥義使います。

GM :何ッ

鳴無色葉 :奥義『根ノ国ヲ禁ズ咎』

鳴無色葉 :不死身/定め/回数制限。

鳴無色葉 :指定特技火術!

十九川ヤコ :色葉~~~!!!!!!!!!!

GM :奥義改造……定め不死身だとォ~~!!

鳴無色葉 :変調を回復し定めの効果で4点回復!

GM :不死身ダイスを振らずに5が出たことにする効果! じゃあくだぜ

鳴無色葉 :忍術以外を全回復よ!

十九川ヤコ :我らギャル絆永久不滅

鳴無色葉 :そんで災雷をヤサメ様に!

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:異形化) (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

鳴無色葉 :代用判定はカス!!!!!!!!!!

十九川ヤコ :か、感情

十九川ヤコ :おそかった

鳴無色葉 :おしまい。

鳴無色葉 :あっ感情……

GM :鳴無・代用判定・色葉!!

十九川ヤコ :ごめ~~ん!

鳴無色葉 :いや完全に私が忘れてたから!

十九川ヤコ :きりかえてくぜ

GM :ではプロット2。

十九川ヤコ :ウス

十九川ヤコ :【陽炎】して【集団戦攻撃】。対象ヤサメ様。

十九川ヤコ :色葉ちゃん感情おくれ~!

鳴無色葉 :あれ

鳴無色葉 :陽炎できるっけ

鳴無色葉 :汎用じゃないから!

十九川ヤコ :いや

GM :【俄雨】は間合1だしもとからヤコさんは対象外

十九川ヤコ :そうそう

鳴無色葉 :あっそっか!!

GM :汎用じゃないから使えるのもそうですね。

鳴無色葉 :問題なく!申し訳ない

十九川ヤコ :陽炎は鞍馬のニンポだしネ

鳴無色葉 :感情あげる!+1!

十九川ヤコ :ありがと~!

十九川ヤコ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功

十九川ヤコ :成功!回避にマイナス2の修正がつきます。

御洞ヤサメ :ギ~ッ、目標値11……!

御洞ヤサメ :2d6>=11 (2D6>=11) > 7[3,4] > 7 > 失敗

十九川ヤコ :ホッ……集団1射撃1!

鳴無色葉 :うおー!ヤコ最強!ヤコ最強!!

御洞ヤサメ :回避失敗! 変調を受けるわ

十九川ヤコ :戦国変調表でおねがいするわよ

御洞ヤサメ :GWT 戦国変調表(2) > 火達磨:ファンブル値が1上昇し、ファンブル時に1点の近接ダメージを受ける。シーン終了時に無効化。

十九川ヤコ :でたわね。

御洞ヤサメ :あああっ火達磨

鳴無色葉 :かしゃどくろくん!

十九川ヤコ :描写外で髑髏が暴れているぜ!

御洞ヤサメ :ダメージは妖術で受ける。

system :[ 御洞ヤサメ ] 妖術 : 1 → 0

御洞ヤサメ :そして……奥義。

十九川ヤコ :!?

御洞ヤサメ :『ふるるあけさめ』。不死身/目覚め/回数制限!

鳴無色葉 :なんだとぉ

十九川ヤコ :やめろ~~~!!!

鳴無色葉 :目覚め不死身だとぉ!?

御洞ヤサメ :1d6-1 (1D6-1) > 6[6]-1 > 5

鳴無色葉 :おい!!!!!!!!

十九川ヤコ :????????????

御洞ヤサメ :当然最大値ィ!!!

鳴無色葉 :定めよりいい数字出すな!!

御洞ヤサメ :定めに逃げてる奴らには味わえない快感だ

system :[ 御洞ヤサメ ] 器術 : 0 → 1

system :[ 御洞ヤサメ ] 忍術 : 0 → 1

system :[ 御洞ヤサメ ] 謀術 : 0 → 1

system :[ 御洞ヤサメ ] 妖術 : 0 → 1

十九川ヤコ :変調回復すな!

御洞ヤサメ :変調を回復し、生命点は全快。

十九川ヤコ :指定特技教えてちょ♡

御洞ヤサメ :さらに目覚めの効果で、以降の攻撃に接近戦ダメージ1点を追加。

御洞ヤサメ :指定特技は《結界術》!

十九川ヤコ :何言ってんだ????

十九川ヤコ :了解です!

鳴無色葉 :えーん

GM :ラウンド終了時、何かありますか?

十九川ヤコ :なし!

鳴無色葉 :なし!

GM :====


GM :【第二ラウンド】「渡り」

『渡り』

○戦場:悪天候

<プロット6>

(オウギ)

<プロット5>

(水瀬、芹野)

<プロット3>

(ケムリ)

GM :プロット6、田平四扇

田平四扇 :奥義を撃つしかないね

田平四扇 :範囲攻撃! 対象は芹野成海と水瀬一理。指定特技は《飛術》!

水瀬 一理 :破ります

芹野 成海 :飛術遠いんだよな……

水瀬 一理 :自分は6です

田平四扇 :ちかくない?

水瀬 一理 :ちかいよ?

芹野 成海 :あ~破ります!

水瀬 一理 :振りますね

水瀬 一理 :2D6>=6 (判定:骨法術) (2D6>=6) > 11[5,6] > 11 > 成功

芹野 成海 :sg#5>=9 (判定:隠形術) (SG@12#5>=9) > 8[3,5] > 8 > 失敗

田平四扇 :やだ~~~!

芹野 成海 :凪じゃないからOK

水瀬 一理 :見たって言ったでしょ

田平四扇 :ケムリ~~!

田平五煙草 :はいはい。遁甲符を使用します。

水瀬 一理 :来るか

鳴無色葉 :芹野さんにかな?

芹野 成海 :するな!

田平五煙草 :水瀬一理に使うよ。

田平五煙草 :合わせてサポート忍法【恩恵】。振りなおさせた判定の達成値にマイナス1修正を与えます。

system :[ 田平五煙草 ] 忍具 : 2 → 1

水瀬 一理 :だよなあ -1して振り直します

水瀬 一理 :2D6-1>=6 (判定:骨法術) (2D6-1>=6) > 7[1,6]-1 > 6 > 成功

十九川ヤコ :最高~~~~~~~~~~~~~~~~~~

田平五煙草 :あっあー

芹野 成海 :うお~~~~~ッ

田平四扇 :ケムリのばか~!

田平四扇 :行動終了! もう!

GM :プロット5、1d100どうぞ

水瀬 一理 :1d100 (1D100) > 4

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 23

芹野 成海 :あっ動いて大丈夫?

GM :あっ芹野さんからどうぞ

芹野 成海 :接近戦攻撃でケムリちゃんに攻撃します 悪天候なので届くはず

GM :届きますね……

芹野 成海 :SG#5>=5 (判定:罠術) (SG@12#5>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

芹野 成海 :やった!!

田平五煙草 :回避……目標値は9

田平五煙草 :2d6>=9 (2D6>=9) > 4[1,3] > 4 > 失敗

田平五煙草 :ああーっ

田平五煙草 :1d6 接近戦 (1D6) > 6

田平五煙草 :妖術!

田平五煙草 :射撃戦は戦術に受けます……

system :[ 田平五煙草 ] 戦術 : 1 → 0

system :[ 田平五煙草 ] 妖術 : 1 → 0

GM :水瀬さんどうぞ

水瀬 一理 :はい、ちょっとお待ちを

水瀬 一理 :まず【凶手】指定特技は骨法術。

水瀬 一理 :2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功

水瀬 一理 :【雀蜂】指定特技は人脈。対象はオウギちゃん。

田平四扇 :ヤダ

水瀬 一理 :奥義を使用します。『水瀬流速読術・凝の型』

田平四扇 :ヤダって言ってるのに!

水瀬 一理 :完全成功/輝き/分野限定(戦術)。指定特技は千里眼の術。【沈黙】の効果で奥義破り-1。

田平四扇 :奥義破り! 《言霊術》からマイナス1入れて9

田平五煙草 :同じく。まだ妖術は消えてない……《憑依術》から7

田平四扇 :2d6>=9 (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

田平五煙草 :2d6>=7 (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功

田平四扇 :フッハハハ

水瀬 一理 :残念。以上。

GM :プロット3。

田平五煙草 :【接近戦攻撃】しか届かないな

田平五煙草 :《遊芸》の【接近戦攻撃】。芹野さんを集中砲火。

田平五煙草 :2d6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

田平五煙草 :成功。

芹野 成海 :遊芸は……微妙な位置だな

芹野 成海 :SG#5>=7 (判定:隠形術) (SG@12#5>=7) > 6[3,3] > 6 > 失敗

芹野 成海 :ぐ~っ

田平五煙草 :接近戦ダメージ1点!

芹野 成海 :1d6 (1D6) > 2

芹野 成海 :体術はもう消えてるので戦術で

system :[ 芹野 成海 ] 戦術 : 1 → 0

GM :了解です。ラウンド終了。

GM :芹野さんは田平五煙草と別のプロットなので、「捕縛状態」の効果で射撃戦ダメージ1点です。

芹野 成海 :忍術で

system :[ 芹野 成海 ] 忍術 : 1 → 0

GM :====


GM :雨が降っている。

GM :池の水がすべて天に上ったのだ。雨粒の弾幕で、視界はより遮られる。

御洞ヤサメ :だが、水舞う環境であれば、結界を用いて縦横な戦いができる。

御洞ヤサメ :どう、と突風のような勢いで鳴無色葉に殴りかかる。そして弾き飛ばされた雨粒が、流れ弾になり十九川ヤコを襲う。

御洞ヤサメ :攻撃を防ぐことは困難……そのはずだった。

御洞ヤサメ :雨が、破壊を望まないかのように、御洞ヤサメの手足を遮る。

御洞ヤサメ :「どういうこと……!」

御洞ヤサメ :操水に問題はない。だが、水そのものの『抵抗』らしきものが、刹那の世界で紙一重の障害となった。

鳴無色葉 :「……ふ、ククク!お前は逆らってるんだよ。十九川の……そして、お前の弟の真意にな」

鳴無色葉 :思うように動くことができない様子のヤサメを見て笑う。

鳴無色葉 :「ヤコを殺したいほど憎まなければ立てなかったことにも同情するが……」

鳴無色葉 :「……あれだけ出来た弟に今もなお想われるほどの者だ。お前は……」

鳴無色葉 :「己のしたことの重責にも耐えられなくなるぞ」

鳴無色葉 :(……とはいえ思うように動けないのはこちらも同じ。いや……それよりずっと上だ……)

御洞ヤサメ :「黙れ……!」

鳴無色葉 :(流石に消耗が激しい……もうやるしかないな)

鳴無色葉 :ふう、と息を吐くと、呪を口にする。

鳴無色葉 :「咎無くて死す」

鳴無色葉 :「――咎有りて死ねず」

鳴無色葉 :ごおっ。

鳴無色葉 :次の瞬間、鳴無色葉の身体は赤い炎に包まれる。

鳴無色葉 :いろは歌が諸行無常を謡うことで、その正反対の存在である不老長生の鳴無色葉を称えたものであるのなら。

鳴無色葉 :その裏に隠されたとされる暗号もまた、生命の理から外れた鳴無色葉を責めるものなのだ。

鳴無色葉 :「――火鼠、というのを知っているか?火の中に住む鼠。竹取物語でその皮衣が難題として要求された幻獣」

鳴無色葉 :「だが――火の中に住むのが鼠だけではないとしたら?」

鳴無色葉 :ボロボロだった身体が灼かれていく。

鳴無色葉 :鳴無色葉に流れる血には、因果を反転される能力がある。

鳴無色葉 :死を強く意識すれば、その分反比例のように『生』へ向かい肉体は再生されていく。

鳴無色葉 :死にたくないと強く願うことによって、生への執着を増幅していく。

鳴無色葉 :(うまれてきて、ごめんなさい)

鳴無色葉 :(それでも、しにたくない)

鳴無色葉 :罪なき人々の屍の上を歩いている。

鳴無色葉 :たくさんの人の死を見たし、この手で殺しもした。

鳴無色葉 :だが、それ以上に。

鳴無色葉 :どれほど人を愛しても、別れ、一人で生きていかなければならない苦しみは。

鳴無色葉 :何か、大きな咎への罰なのだろうと思わなければ、やりきれなかった。

鳴無色葉 :だから。肉体を再生するのに必要な熱に灼かれるという苦しみは、その罰の一環として受け入れなければならないと受け入れている。

鳴無色葉 :炎の中で、斬られた傷が、潰れた臓腑が、再生していく。本来の生命ではあってはならない現象が起こっていく。

鳴無色葉 :(……でも、悪いことばかりでもないさ)

鳴無色葉 :命の輝きの暴力的な炎の中で。ちりんと音が響く。

鳴無色葉 :首のチョーカーに繋がれた水球。その中で弾ける炎は、淡く優しく輝いている。

鳴無色葉 :(そうだな……死にたくない、んじゃなくて)

鳴無色葉 :(生きていたいな。まだ、もう少しくらいは)

鳴無色葉 :「……火鼠は炎の中では赤く、外に出たら白くなるという」

鳴無色葉 :やがて炎は消え、白く輝くような神秘的な雰囲気を纏い、肉体の再生した鳴無色葉が現れる。

鳴無色葉 :「炎の中に住むイタチもまた同じ――外に出た姿がフェレットと呼ばれる種だ」

鳴無色葉 :「フェレットのFはフェニックスのF……すなわち、不死身の象徴というわけよ!」

鳴無色葉 :無論、フェニックスの頭文字はPである。

鳴無色葉 :だが、現代のネットミームでさえ、己の力へ還す。

鳴無色葉 :それが、様々な時代を生き抜いてしまった、鳴無色葉の力だから。

十九川ヤコ :「殺しても死なない、とか……」

十九川ヤコ :再生されるその友の姿を見て。口を噤む。

十九川ヤコ :奥義と呼ぶに相応しいその術式は。決して何回も行えるものではない。

十九川ヤコ :「でも、そうだな」

十九川ヤコ :「うん。今のあなた。凄く……綺麗だ、色葉っち」

鳴無色葉 :「ふふっ、そうだろう!」

鳴無色葉 :「元気も取り戻したからな。弟に頼まれてる分、この女を大人しくさせるぞ」

十九川ヤコ :「うん───────」やったるか、と続く言葉を止めて。

十九川ヤコ :彼女の纏う雰囲気が、一変していることに気づく。

御洞ヤサメ :「……あの子のことを」

御洞ヤサメ :絞りだしたような声。

御洞ヤサメ :「あなたたちが、口にしないで」

御洞ヤサメ :水球が消えていく。否──御洞ヤサメの中に含まれていく。

御洞ヤサメ :「やさしくも/みなそこにさす」

御洞ヤサメ :御洞家の結界の術は、壁や障壁のそれとは異なっている。

御洞ヤサメ :霧や雨により、古夜を隠す術。抹消する術。

御洞ヤサメ :「かないかり/しゅにまじわれば」

御洞ヤサメ :すなわち、その結界術を極めている御洞ヤサメは。傷つき血を流している彼女は。

御洞ヤサメ :「『ふるるあけさめ』──」

御洞ヤサメ :まだ、余力を隠している。

御洞ヤサメ :流れた血液が全身に走る。雨が彼女を避ける。

御洞ヤサメ :それまでより、一回り大きくなったようにすら錯覚する──力の集合。

御洞ヤサメ :「あなたも、獣も」

御洞ヤサメ :「死ぬまで逃がさない」

GM :====


【第三ラウンド】

GM :プロットお願いします。

芹野 成海 :奥義使用します!!!

芹野 成海 :惟神・黄泉神/くらまし/術式開示 死霊術

田平四扇 :破る破る破る!!!

田平五煙草 :遠いけど振り得なんだよね 振ります

田平四扇 :2d6>=8 (2D6>=8) > 7[1,6] > 7 > 失敗

田平四扇 :あああああ

田平五煙草 :《遊芸》から14

田平五煙草 :2d6>=14 (2D6>=14) > 7[1,6] > 7 > 失敗

田平五煙草 :ん、ここは使いどころだね

鳴無色葉 :ま、まさか

田平五煙草 :姉さんに遁甲符を使用。【恩恵】でプラス1修正

芹野 成海 :やめろ!!!

田平四扇 :ケムリ~♡

田平四扇 :2d6+1>=8 (2D6+1>=8) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功

田平四扇 :成功っ!

鳴無色葉 :コラーッ!

芹野 成海 :おい!!!

system :[ 田平五煙草 ] 忍具 : 1 → 0

鳴無色葉 :プロOK!!

御洞ヤサメ :OK

十九川ヤコ :OK

水瀬 一理 :OK

田平四扇 :OK

芹野 成海 :う~んOK

田平五煙草 :OK

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

GM :【第三ラウンド】「中庭」

『中庭』

○戦場:悪天候

<プロット6>

(色葉)

<プロット4>

(ヤサメ)

<プロット3>

(ヤコ)

GM :プロット6、鳴無さんどぞ

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :【災雷】をヤサメ様に!

御洞ヤサメ :ぬぅーっ

御洞ヤサメ :来なさいな

十九川ヤコ :いけ~~~ッ!

鳴無色葉 :感情……

鳴無色葉 :チラッ……

十九川ヤコ :あ、プロ6なので……

鳴無色葉 :あっそうだね

鳴無色葉 :ではふります!

十九川ヤコ :へへ…

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:異形化) (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗

鳴無色葉 :かえりたい

十九川ヤコ :イ~~~ン……

GM :残念……プロット6はおそろしい

GM :プロット4、御洞ヤサメ

御洞ヤサメ :【青嵐】で攻撃。

御洞ヤサメ :忍術を消費して【二刀流】【俄雨】コンボ!

system :[ 御洞ヤサメ ] 忍術 : 1 → 0

御洞ヤサメ :2d6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功

十九川ヤコ :ぐええ

御洞ヤサメ :成功。十九川ヤコはこのラウンド回避マイナス1、汎用サポート使用不可。

御洞ヤサメ :二刀流の効果で十九川ヤコと鳴無色葉ふたりを攻撃!

御洞ヤサメ :2d6-1>=5 (2D6-1>=5) > 9[3,6]-1 > 8 > 成功

御洞ヤサメ :成功! 《骨法術》

鳴無色葉 :凪だぜ!

十九川ヤコ :う~~~んここは貰っておこう 感情修正を

鳴無色葉 :あげます!+1!

十九川ヤコ :色葉ちゃんおくれ~!

十九川ヤコ :あざます!

十九川ヤコ :差し引きで相殺、《刀術》で代用判定、目標値6

十九川ヤコ :2D6>=6 (判定:刀術) (2D6>=6) > 8[3,5] > 8 > 成功

十九川ヤコ :避けたぜ!

鳴無色葉 :うおーーー!!ナイス!!!!

鳴無色葉 :自分の分だけ受けます

御洞ヤサメ :この野郎~~~~!

御洞ヤサメ :目覚め込みで接近戦ダメージ2点です。

鳴無色葉 :目覚めないで

鳴無色葉 :2d6 (2D6) > 6[1,5] > 6

鳴無色葉 :器術と戦術けちまちゅ

十九川ヤコ :妖術……?

GM :バイバイ妖術

十九川ヤコ :あ、そっかよかった

GM :あっ戦術か

鳴無色葉 :あれ妖術?

十九川ヤコ :合計値みちゃってた

GM :アタシも 一緒だね♡

十九川ヤコ :ヤサメちゃん……♡

御洞ヤサメ :……?

GM :プロット3、ヤコさんどうぞ

十九川ヤコ :《陽炎》します。

十九川ヤコ :2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功

十九川ヤコ :成功!【接近戦攻撃】をヤサメさんに。

GM :おっ攻撃訓練を使わないか

GM :なるほどね

十九川ヤコ :集団戦攻撃しかセットでつかえないんだよね~!

十九川ヤコ :2D6>=5 (判定:身体操術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

鳴無色葉 :あっなるほどね

十九川ヤコ :ヨシ!

鳴無色葉 :でもナイス~~!!

十九川ヤコ :回避-2の身体操術で!

御洞ヤサメ :目標値8……!

御洞ヤサメ :2d6>=8 (2D6>=8) > 3[1,2] > 3 > 失敗

御洞ヤサメ :逆凪……!

十九川ヤコ :よっしゃ!接近2!

鳴無色葉 :うおーー!ヤコ最強!ヤコ最強!

御洞ヤサメ :2d6 (2D6) > 9[3,6] > 9

御洞ヤサメ :妖術と、忍術は消えてるので器術を失いますわ。

system :[ 御洞ヤサメ ] 器術 : 1 → 0

十九川ヤコ :にゃる…

system :[ 御洞ヤサメ ] 妖術 : 1 → 0

GM :では、ラウンド終了!

GM :奥義とかあります?

十九川ヤコ :なし!

鳴無色葉 :ないぜ!

GM :====


GM :【第三ラウンド】「渡り」

『渡り』

○戦場:悪天候

<プロット5>

(オウギ)

<プロット4>

(芹野、ケムリ)

<プロット3>

(水瀬)

GM :プロット5、田平四扇

田平四扇 :悩ましー

田平四扇 :とりあえず……奥義をぶっぱしよう!

田平四扇 :『仰天荒吹修羅道』! 《飛術》!

田平四扇 :目標は水瀬一理と芹野成海!

水瀬 一理 :破ります

芹野 成海 :や、破ります

水瀬 一理 :骨法術で6

GM :奥義破りどうぞ

水瀬 一理 :2D6>=6 (判定:骨法術) (2D6>=6) > 7[3,4] > 7 > 成功

芹野 成海 :SG#4>=9 (判定:傀儡の術) (SG@12#4>=9) > 6[3,3] > 6 > 失敗

田平四扇 :むぐぐぐ

芹野 成海 :凪じゃないからヨシ!

田平四扇 :以上! ふんだ!

GM :プロット4、1d100どうぞ

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 70

田平五煙草 :1d100 (1D100) > 30

GM :芹野さんどうぞ!

芹野 成海 :ケムリちゃんに接近戦攻撃!

田平五煙草 :こ、来いやさ

芹野 成海 :SG#4>=5 (判定:罠術) (SG@12#4>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

田平五煙草 :《遊芸》から9……!

田平五煙草 :2d6>=9 (2D6>=9) > 7[3,4] > 7 > 失敗

芹野 成海 :当たった!!!

田平五煙草 :ぬぐ

田平五煙草 :1d6 (1D6) > 4

田平五煙草 :謀術が!

田平五煙草 :射撃戦ダメージは器術に受けます……

system :[ 田平五煙草 ] 器術 : 1 → 0

system :[ 田平五煙草 ] 謀術 : 1 → 0

田平五煙草 :ではこちらのターンですね。

田平五煙草 :悩ましいが……水瀬一理に【髪芝居】。

田平五煙草 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功

水瀬 一理 :やっぱりか!!

田平五煙草 :成功。3ラウンド捕縛状態に。

水瀬 一理 :縛られます……

田平五煙草 :行動は以上。

GM :プロット3、水瀬さんどうぞ。

水瀬 一理 :まず【凶手】指定特技は骨法術。

水瀬 一理 :2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功

水瀬 一理 :【雀蜂】指定特技は人脈。対象はケムリちゃん。

田平五煙草 :こ、来いやさ

水瀬 一理 :奥義を使用します。『水瀬流速読術・凝の型』

水瀬 一理 :完全成功/輝き/分野限定(戦術)。指定特技は千里眼の術。【沈黙】の効果で奥義破り-1。

田平五煙草 :奥義破り……!

田平五煙草 :《分身の術》から目標値12……?

田平四扇 :オウギも破るよ~

田平四扇 :《言霊術》から目標値9!

田平四扇 :【絆】で取得した「愛情」の感情修正もケムリにあげちゃおう

田平五煙草 :今……

田平五煙草 :2d6>=11 (2D6>=11) > 7[2,5] > 7 > 失敗

田平四扇 :2d6>=9 (2D6>=9) > 9[3,6] > 9 > 成功

田平四扇 :やぶった

田平五煙草 :たす、たすかった……

水瀬 一理 :以上です

GM :では、ラウンド終了。

GM :水瀬さんは「捕縛状態」で射撃戦ダメージ1点です。

水瀬 一理 :戦術を潰します。惜しいが

system :[ 水瀬一理 ] 戦術 : 1 → 0

GM :====


【第四ラウンド】

GM :プロットお願いします。

芹野 成海 :奥義使用します!!!!

芹野 成海 :惟神・黄泉神/くらまし/術式開示 死霊術

田平四扇 :破るしかない! 目標値は8

田平五煙草 :えーっと スぺチェックです

田平五煙草 :2d6>=12 (2D6>=12) > 4[1,3] > 4 > 失敗

田平四扇 :2d6>=8 (2D6>=8) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

田平四扇 :おい!

田平四扇 :私じゃない!

田平四扇 :ともあれ破りました。プロットOK

田平五煙草 :OK

鳴無色葉 :プロOK!!

御洞ヤサメ :OK

十九川ヤコ :OK

水瀬 一理 :OK

芹野 成海 :OK

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

GM :【第四ラウンド】「中庭」

『中庭』

○戦場:悪天候

<プロット5>

(色葉、ヤサメ)

<プロット3>

(ヤコ)

GM :プロット5、1d100どうぞ

鳴無色葉 :1d100 (1D100) > 1

鳴無色葉 :おい

御洞ヤサメ :1d100 (1D100) > 69

十九川ヤコ :CoCならクリ

御洞ヤサメ :【青嵐】【二刀流】【俄雨】コンボ

十九川ヤコ :俄雨って重複する……!?

十九川ヤコ :なんておそろしいのだ

鳴無色葉 :ラウンド間だから

十九川ヤコ :あっそうなんや

御洞ヤサメ :俄雨はラウンド間ですわ

鳴無色葉 :ここで使わないとかな?

十九川ヤコ :理解しましたありがとう

御洞ヤサメ :謀術を消費。

system :[ 御洞ヤサメ ] 謀術 : 1 → 0

御洞ヤサメ :2d6>=6 (2D6>=6) > 3[1,2] > 3 > 失敗

鳴無色葉 :うおーー!!!!!

鳴無色葉 :ナギナギだ~~~っ

御洞ヤサメ :逆凪……! ですがこれは【俄雨】の判定です

御洞ヤサメ :【二刀流】は発動しますわ。【青嵐】で攻撃!

御洞ヤサメ :2d6>=6 (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功

十九川ヤコ :くお~っ

御洞ヤサメ :成功! 《骨法術》で回避せよ

十九川ヤコ :どうしようかな~~

鳴無色葉 :するぜ回避を

鳴無色葉 :ヤコぴ感情いる?

鳴無色葉 :私はいらない!

十九川ヤコ :そうだな……回想を……切ります

鳴無色葉 :なにっ!!

十九川ヤコ :プラス3修正。

GM :なるほど、振るがいい!

十九川ヤコ :2D6+3>=6 (判定:刀術) (2D6+3>=6) > 6[2,4]+3 > 9 > 成功

鳴無色葉 :ふります……

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:刀術) (2D6>=6) > 9[3,6] > 9 > 成功

十九川ヤコ :あってこまるもんじゃない

十九川ヤコ :ナイス~~~!!

鳴無色葉 :よしゃよしゃよしゃよしゃ!!!!!!

鳴無色葉 :避けたわよ我が!!

十九川ヤコ :えらいぞ~~!!

御洞ヤサメ :ぬぐぐ

鳴無色葉 :小詰発動~~!!

GM :そうだった! 判定どうぞ

鳴無色葉 :2D6>=5 (判定:刀術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

十九川ヤコ :うほほ~~~い!!

鳴無色葉 :攻撃忍法の命中判定にマイナス4の修正がつくようになる!

GM :うわあ~!

十九川ヤコ :ヤバ……

GM :では御洞ヤサメは戦闘中、【青嵐】の命中判定にはマイナス4修正がつきます。マイナス4?

十九川ヤコ :すごいな…

鳴無色葉 :おほほほ

GM :普通に無理じゃな……続けて鳴無さんどうぞ

鳴無色葉 :はい!【災雷】をヤサメ様に!

GM :どうぞ

鳴無色葉 :感情~~もらいたい!

鳴無色葉 :今日は意味あるから……

十九川ヤコ :オッケ!あげます+1!

鳴無色葉 :ありがと~~!!

鳴無色葉 :2D6+1>=6 (判定:異形化) (2D6+1>=6) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功

鳴無色葉 :よっしゃあああ!!

鳴無色葉 :召喚術!-2つき!

十九川ヤコ :サイコ~~~~♡♡♡♡♡

御洞ヤサメ :くっ

御洞ヤサメ :兵糧丸を使用しますわ。妖術を回復

system :[ 御洞ヤサメ ] 忍具 : 1 → 0

system :[ 御洞ヤサメ ] 妖術 : 0 → 1

鳴無色葉 :あっ毒饅頭食べるな

十九川ヤコ :猛毒の変調は?

御洞ヤサメ :毒饅頭じゃないわよ

御洞ヤサメ :これで目標値9……!

御洞ヤサメ :2d6>=9 (2D6>=9) > 7[2,5] > 7 > 失敗

鳴無色葉 :やった~~~~!!!!

御洞ヤサメ :がああ

十九川ヤコ :ナイス~~~!!

鳴無色葉 :射撃1と接近1!!

御洞ヤサメ :まず戦術を消しますわ

鳴無色葉 :これがすなわち雷だ!

御洞ヤサメ :1d6 (1D6) > 1

御洞ヤサメ :器術は消えてる……ここは妖術を残します

system :[ 御洞ヤサメ ] 体術 : 1 → 0

system :[ 御洞ヤサメ ] 戦術 : 1 → 0

GM :プロット5終了。

GM :プロット3、ヤコさんどうぞ

十九川ヤコ :悪天候で射程+1された【接近戦攻撃】をヤサメさんに。

十九川ヤコ :2D6>=5 (判定:身体操術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功

十九川ヤコ :成功!

鳴無色葉 :うおーーー!!!!

御洞ヤサメ :受け、生命点0に。

system :[ 御洞ヤサメ ] 妖術 : 1 → 0

御洞ヤサメ :奥義を使用します。『ふるるあけさめ』《結界術》の不死身!

鳴無色葉 :やぶる!!

十九川ヤコ :うおおお破るしかねえ!

十九川ヤコ :色葉っち感情をおくれ!

鳴無色葉 :ヤコぴに感情!+1!

十九川ヤコ :ありがとう!!

十九川ヤコ :2D6+1>=5 (判定:結界術) (2D6+1>=5) > 4[1,3]+1 > 5 > 成功

十九川ヤコ :あぶね~~~~!!!

鳴無色葉 :2D6>=8 (判定:異形化) (2D6>=8) > 7[1,6] > 7 > 失敗

GM :修正無かったら死やんけ

GM :くそ~~!

十九川ヤコ :ギャルの絆の勝利

鳴無色葉 :ヤコ~~~~~~♡♡♡♡♡

十九川ヤコ :ズッ友パワーわよ

御洞ヤサメ :手段なし。戦闘脱落……

鳴無色葉 :やったーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

十九川ヤコ :ホッ……

GM :「中庭」の戦闘は終了します。

GM :====


GM :【第四ラウンド】「渡り」

『渡り』

○戦場:悪天候

<プロット5>

(ケムリ)

<プロット4>

(水瀬、芹野)

<プロット3>

(オウギ)

GM :同時進行のため、「渡り」の戦闘もこのラウンド終了時まで継続します。

GM :プロット5、田平五煙草

田平五煙草 :ぬぬぬ

田平五煙草 :接近戦攻撃。対象は水瀬一理

田平五煙草 :《分身の術》から9……

水瀬 一理 :代用か……

田平五煙草 :いや、やっぱり【髪芝居】にしよう

田平五煙草 :目標は芹野成海のままで。これなら目標値6だ

田平五煙草 :2d6>=6 (2D6>=6) > 5[2,3] > 5 > 失敗

田平五煙草 :ふぁーん

田平五煙草 :逆凪です…

GM :プロット4、1d100どうぞ

水瀬 一理 :1d100 (1D100) > 85

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 54

GM :では水瀬さんどうぞ。

水瀬 一理 :まず【凶手】指定特技は骨法術。

水瀬 一理 :2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功

水瀬 一理 :【雀蜂】指定特技は人脈。戦術は潰れていますが、奥義を使用します。

水瀬 一理 :対象はケムリちゃん

水瀬 一理 :『水瀬流速読術・凝の型』完全成功/輝き/分野限定(戦術)。指定特技は千里眼の術。【沈黙】の効果で奥義破り-1。

田平四扇 :《千里眼の術》は8だよ~ 沈黙込みで9

田平五煙草 :私は振れないな

田平四扇 :2d6>=9 (2D6>=9) > 6[1,5] > 6 > 失敗

水瀬 一理 :や た

田平四扇 :ごめんケムリ!

田平四扇 :地獄で会おう!

田平五煙草 :死にたくない……

水瀬 一理 :スペシャルでいちお回避-3 です

田平五煙草 :ここで使うしかないですね

田平五煙草 :『哭天捻皮畜生道』。《憑依術》の完全成功で回避。

水瀬 一理 :破ります

芹野 成海 :破ります

水瀬 一理 :千里眼で6

水瀬 一理 :2D6>=6 (判定:千里眼の術) (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗

芹野 成海 :SG#4>=9 (判定:経済力) (SG@12#4>=9) > 8[3,5] > 8 > 失敗

水瀬 一理 :うっっわ

田平五煙草 :い、生き延びた……

水瀬 一理 :回復はします。謀術!

system :[ 水瀬一理 ] 謀術 : 0 → 1

GM :では芹野さんどうぞ!

芹野 成海 :ケムリちゃんに接近戦攻撃!

GM :どうぞ~

芹野 成海 :SG#4>=5 (判定:罠術) (SG@12#4>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

田平五煙草 :うわああ!

田平五煙草 :遁甲符が……ない!

田平四扇 :無駄遣いしちゃダメって言ったでしょ!

芹野 成海 :おとなしく屍忍出していたら生きていたかも知れなかったのに

田平五煙草 :対処法なし。戦闘脱落!

system :[ 田平五煙草 ] 体術 : 1 → 0

system :[ 田平五煙草 ] 忍術 : 1 → 0

GM :プロット4終了。

GM :プロット3、田平四扇

田平四扇 :うーん

田平四扇 :先ず【秘翼】かな? 《異形化》で判定

田平四扇 :2d6>=6 (2D6>=6) > 7[3,4] > 7 > 成功

田平四扇 :成功。《飛術》を修得していないキャラクターは戦闘中私の攻撃の回避判定にマイナス1修正。

田平四扇 :【巡扇】で芹野成海を攻撃。

田平四扇 :2d6>=5 (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功

田平四扇 :成功。《詐術》

芹野 成海 :詐術か~……

芹野 成海 :SG#4>=7+1 (判定:罠術) (SG@12#4>=8) > 7[2,5] > 7 > 失敗

芹野 成海 :飛ぶな!!!

田平四扇 :射撃戦ダメージ1点だよ~

芹野 成海 :う~ん器術で……

system :[ 芹野 成海 ] 器術 : 1 → 0

GM :ではラウンド終了。

GM :勝利条件を満たしたため、「渡り」の戦闘も終了します!

GM :====


GM :あなたたちの視界は朱色に埋まっている。

御洞ヤサメ :御洞ヤサメが雨の支配権を奪うため、自らの血を宙に舞わせたためだ。

御洞ヤサメ :「十九川ヤコ、獣、あなたたちは」

御洞ヤサメ :「さぞ、気分が良いのでしょうね」

御洞ヤサメ :「理想を貫くためだの、友を救うためだの」

御洞ヤサメ :「……逃げられないのよ。過去からは」

御洞ヤサメ :朱色の雨が、横向きに降り注ぐ。

御洞ヤサメ :それらはすべて、弾丸に等しい速度で触れた者を穿つ。

御洞ヤサメ :さらにその後ろから、魚影のように巨躯が迫る。強大な膂力を以て、捕らえた肉体を引き裂こうとする。

御洞ヤサメ :「あなたがいれば、あの子を忘れられない」

御洞ヤサメ :「お願いよ」

鳴無色葉 :「…………忘れたいのに忘れられない、か、ククク!」

鳴無色葉 :「だが本当に忘れていいのかな」

鳴無色葉 :動きの戻った肉体で、血の雨を、彼女を避ける。

鳴無色葉 :「……お前は過去に向き合ってるんじゃなくて、都合のいい妄想に閉じこもっているだけだ」

鳴無色葉 :「過去から逃げたっていいんだよ……誰も責めてはくれないんだ」

鳴無色葉 :「……まあ、獣の言葉は届かぬかもしれんがな」

十九川ヤコ :逃げられない。逃げてもいい。

十九川ヤコ :眼前と背後に迫る脅威の中、交わされる言葉が何度も、何度もリフレインする。

十九川ヤコ :御洞ヤサメの眼に映るあたしは。一体どういう風に映っているのだろう。

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :十九川ヤコには類稀なる才がある。

十九川ヤコ :十九川に代々伝わる魔剣、“一魔降”と。浄剣である、“二色乞”。

十九川ヤコ :江戸次代から脈々と継がれた退魔の家系、十九川の歴史において。その二刀に適性を持つ忍びは、開祖とあたしだけ。

十九川ヤコ :神童と謳われた。

十九川ヤコ :故にこそ、勝手気ままな言動も、古夜の里に住まう人々なら眼を疑うような奇抜な格好も、半ば黙認されてきたのだけど。

十九川ヤコ :それは、あたしひとりだけじゃなかった。

十九川ヤコ :分家・御洞家の秘蔵っ子。その男は。

十九川ヤコ :身体能力も。退魔の術式に対する深い理解も。……異性からの人気も。

十九川ヤコ :あの男は、全部が全部、あたしより上を行っているくせに。

十九川ヤコ :本気を出さなかったように見えた。最後まで、その実力の底が見えなかった。

十九川ヤコ :度重なる模擬戦でどうにか掴んだ勝利も。あたしへの気遣いに違いなかった。

十九川ヤコ :同い年の子に負けたことなんて、無かったのに。

十九川ヤコ :世界の広さに憧れていたくせに。

十九川ヤコ :結局、お前は、井の中の蛙なのだと。ちっぽけな己を、突きつけられた気がして。

十九川ヤコ :悔しかった。許せなかった。認めたくなかった。

十九川ヤコ :怖かった。

十九川ヤコ :父からの期待を裏切ることが。

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :“雨森の儀”へと参加を表明し、過酷な環境でまたひとり、またひとりと脱落する同期の忍びたちを見るたびに。その想いは増す一方で。

十九川ヤコ :彼と二人。我先にとお互い、最後に残った祠に触れた瞬間に。

十九川ヤコ :儀の、ほんとうの意味を知ってしまった。

十九川ヤコ :あたしは。

十九川ヤコ :ほんの少しだけ、躊躇してしまった。

十九川ヤコ :十九川への忠義も、父の悲願も。なにもかも、捨て去って。逃げて、逃げて、逃げて。

十九川ヤコ :まだ、生きていたいと。

十九川ヤコ :思ってしまった。

十九川ヤコ :僅かの逡巡、気がつけば、それを手にしていたのは彼で。

十九川ヤコ :いつものように、私を気遣うように。

十九川ヤコ :笑顔で、消えていった。

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :安堵も、後悔も、憤怒も。あっただろう。

十九川ヤコ :けれど、最初に口に出した言葉は、そのどれが籠もった言葉でもなくて。

十九川ヤコ :「ああ、これで」

十九川ヤコ :「あたしが────────」

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :“一魔降”の鯉口から漏れ出るものがある。

十九川ヤコ :それは、災いの前兆、焦げ臭い匂いを放つ煙ではなく。

十九川ヤコ :うっすらと延びる、雲の切れ端。

十九川ヤコ :膜のように広がったそれが、殺意を帯びた血と雨が入り混じった弾丸を包んで。

十九川ヤコ :背後に迫る女の身体を。抱擁するように包み込む。

十九川ヤコ :「ヤサメ様」

十九川ヤコ :「あたしが、あなたに。真実を詳らかにしなかったのは」

十九川ヤコ :「あなたがそれを、信じてくれるはずがなかったから、ではなくて」

十九川ヤコ :「怖かったから」

十九川ヤコ :「あたしが、臆病だったから」

十九川ヤコ :「本当のことを話して。あなたに嫌われ、疎まれ、憎しみを持たれるのが」

十九川ヤコ :「何も出来ずに、八雲を……」

十九川ヤコ :「大切な友達を、助けられなかった小さな自分を」

十九川ヤコ :「認めたくなかったから……」

十九川ヤコ :ごめんなさい。

十九川ヤコ :謝っても、謝っても。許されることではない。

十九川ヤコ :あの時、躊躇しなければ。

十九川ヤコ :私が、代わりにその身を捧げていれば。

十九川ヤコ :けど何もかも。それは最早、叶わない。

十九川ヤコ :触れば消える、ただの泡沫の夢。

十九川ヤコ :「八雲が命を捧げて、あたしを守ってくれたのは」

十九川ヤコ :「あたしが弱かったから」

十九川ヤコ :「償えることがあるなら、なんだってする」

十九川ヤコ :「でも」

十九川ヤコ :「死ぬわけには、いかない」

十九川ヤコ :「逃げるつもりもない」

十九川ヤコ :「逃げられないなら、せめて背負って生きていく」

十九川ヤコ :「こんな、あたしを──────」

十九川ヤコ :「まだ、頼ってくれる。ダチがいるの」

鳴無色葉 :「……そうだ。ヤコに死なれたら困る」

鳴無色葉 :それが彼女の立ち上がる理由になるなら、いくらでも引き受けよう。

鳴無色葉 :「我が死ぬなと言っているから、まだ死んではいけないんだ」

鳴無色葉 :雨の降りしきる中庭に立ち込める雲が暗くなっていく。

鳴無色葉 :それはあるいは、清らかな雲に惹かれてきたのかもしれない。

鳴無色葉 :「今となってはイタチといえば、強い風を起こして覚えのない切り傷を作る程度のキュートな動物にすぎんと思われているかもしれんが……」

鳴無色葉 :「――雷獣、というのを知っているか?雷が落ちた後に現れる獣――」

鳴無色葉 :「イタチの姿によく似たそれは、あるいは雷神、あるいは鳴神(なるかみ)とも呼ばれる」

鳴無色葉 :「すなわち――鳴無色葉に他ならぬ」

鳴無色葉 :無論、これもハッタリである。

鳴無色葉 :だが、昔。雷の仕組みなんて知られていなかった頃。

鳴無色葉 :獣の力を持つ、不老長生の女が、自信たっぷりにそういえば。人々は、そうだと信じたのだ。

鳴無色葉 :雨が降る。

鳴無色葉 :大切なのは真実ではない。

鳴無色葉 :自分が、そして、たくさんの人々が。信じる事。

鳴無色葉 :信仰を集め奇跡を起こすなら。それはあるいは、本当に――

鳴無色葉 :雨が降る。神が鳴る。

鳴無色葉 :(……マジの鵺がいるらしいって時にかますハッタリとしてはちょっと恥ずかしいんだがな)

鳴無色葉 :鵺の正体は雷獣だった――とも言われている。

鳴無色葉 :ぶっちゃけると鵺の方が格上なので、虎の威を借りる狐どころか虎の前で狐の威を借りている状態にすぎない。

鳴無色葉 :それでも。

鳴無色葉 :長い年月を、多くの人に信じられてきた積み重ねだって、こちらにもある。

鳴無色葉 :それに、"鵺"自身。おそらく、御洞ヤサメのこの凶行は、良しとしていない。

鳴無色葉 :ならばこの雨は、少なくとも今だけは、味方だ。

鳴無色葉 :雨が降る。神が鳴る。奇跡が走る。

鳴無色葉 :御洞ヤサメが長身だから?単なる偶然?いや――

鳴無色葉 :雨が、雷がそう望んでいるからか。

鳴無色葉 :……彼女に纏わる雲が、やりすぎてはいけないよと諫めているからか。

鳴無色葉 :稲妻は、御洞ヤサメに直撃する。

御洞ヤサメ :「ガッ、アァア……!」

御洞ヤサメ :落雷の接近を、忍びであれば見ることができる。

御洞ヤサメ :さりとて、神の名を関する力は本物。辛うじて意識を失わなかったのは、咄嗟に手を突き、地面に電気を流すことができたため。

御洞ヤサメ :だが、立ち上がれない。ダメージがあまりにも大きい。

御洞ヤサメ :立ち上がれない?

御洞ヤサメ :ふざけるな。目の前に何年も恨み続けてきた相手がいる。地に這いつくばる自分を見下ろしている。

御洞ヤサメ :「憐れむな……ぁああ!」

御洞ヤサメ :灼けた血を再度燃焼させる。存在していない生命力を、隠していたことにして取り出そうとする。

御洞ヤサメ :ここで死んでも、構うものか。

御洞ヤサメ :私にも、あの子にも。

御洞ヤサメ :「もう、いないのよ……!」

御洞ヤサメ :ごぼごぼ、と血が沸き立っている。

GM :数瞬ののちに、爆発的な──文字通り、肉体が爆ぜるとも、猛攻を仕掛けてくるだろう。

十九川ヤコ :“一魔降”に封じられた妖魔の権能を扱う時間は無い。

十九川ヤコ :否。

十九川ヤコ :ひとつだけ。それは在る。

十九川ヤコ :悲哀と絶望に染まりきった彼女に届き得るものが。

十九川ヤコ :八相に似た構えで“一魔降”を振りかぶり。

十九川ヤコ :遠間から、それを振り下ろす。

十九川ヤコ :それは、彼が最も得意とした剣技。

十九川ヤコ :“雷”を意味する言葉の技にして。

十九川ヤコ :一刀に全てを込めた、二の太刀要らずの───────

十九川ヤコ :“不世出”の一撃。

十九川ヤコ :「“雲耀”」

十九川ヤコ :特殊な手首の捻りによって。忍びの眼にも捉えることの難しい速度と化したその刃が。

十九川ヤコ :ひゅう、と雨と風を切り裂くと同時。

十九川ヤコ :切っ先から、白く、白く。雲のようなそれと、緋色の鋼が入り混じったそれが、どこまでも静かに延びて。

十九川ヤコ :峰が強かに、御洞ヤサメの首元を打つ。

御洞ヤサメ :「っ……!」

御洞ヤサメ :視界が眩む。血が急速に冷えていく。

御洞ヤサメ :わかっていたのだ。

御洞ヤサメ :御洞八雲が死んだのは。十九川ヤコに責任こそあれど、咎は無い。

御洞ヤサメ :(それでも)

御洞ヤサメ :(誰かの罪にせずには、いられなかった)

御洞ヤサメ :(悪いのは……あなたを守れなかった、この私なのに)

御洞ヤサメ :地に落ちる。

_ :寸前、誰かが受け止めてくれたような気がしたが。

御洞ヤサメ :確かめる間もなく、意識は沈んでいった。

GM :泥が跳ねる音とともに、御洞ヤサメは倒れた。

GM :雨は、降り続けている。

GM :====


GM :紫煙の壁に、振動が伝わっている。

田平五煙草 :「向こうも激しいよ、姉さん」

田平五煙草 :「そろそろ終わると思う」

田平五煙草 :垂らした血を拭う。

田平四扇 :「ん、おっけい」

田平四扇 :白扇を投げる。土から湧き上がる気配は、再三それで潰されている。

田平四扇 :「やっちゃってね!」

田平五煙草 :こくり、と頷く。

田平五煙草 :「お兄さん、お姉さん」

田平五煙草 :「ゴホッ……そっちもボロボロ、でしょう」

田平五煙草 :「撤退してくれると助かるんだけれど。子供ってほど、弱くはないでしょう?」

田平五煙草 :「仕事でやってるなら、言い訳も効くぐらいじゃないかな」

田平五煙草 :停戦を申し出るように滔々と語る。

芹野 成海 :「く、……はっ」

芹野 成海 :飛び来る礫に身を貫かれ、炸裂する紫煙に体を灼かれ──

芹野 成海 :雨に濡れたスーツは血に染まり、もはや満身創痍と言っていい。

芹野 成海 :「……悪いけどね」

芹野 成海 :「今回は、仕事じゃねーのよ。珍しく」

水瀬 一理 :「……それにですね」

水瀬 一理 :こちらも彼女ほどではないが、負傷は相変わらずだ。

水瀬 一理 :「なんで『こちらが』撤退をする必要が?」

水瀬 一理 :「見えませんがね、いずれ我々が有利になりますよ」

水瀬 一理 :紫煙の壁を見やる。

水瀬 一理 :「私は知っている」

田平五煙草 :「……やはりこの人たち、戦友みたい」

田平五煙草 :「突き崩せないよ」

田平五煙草 :紫煙が立ち昇る。

田平五煙草 :「すう……息は整えられたから、いいけども」

田平五煙草 :煙に溶け、地を滑る。

田平五煙草 :芹野成海の胸に飛び込むように肉薄する。

田平五煙草 :「お姉さんの呪術、すごいけれど」

田平五煙草 :「体の中はどうかな」

田平五煙草 :唇が触れ合うような距離。

田平五煙草 :紫煙が吹き込まれる。

芹野 成海 :「──ッ!?」

芹野 成海 :弾速での接近に反応が一瞬遅れ、その煙を吸い込みかける。

芹野 成海 :(……まずい!)

芹野 成海 :「ゲホッ……『往宋名无忌知居是火精大金輪王勅』!」

芹野 成海 :咄嗟に火難除けの呪を唱え、『煙草』に準えられたその煙を退ける。

芹野 成海 :「今はもうやめたって……言ってんでしょ!」

田平五煙草 :「体の中まで……」

田平五煙草 :「止めたくて止められるものじゃないのにね。厄介」

田平五煙草 :たん、と距離を取る。

水瀬 一理 :その耳のすぐ横を、ヒュンと通り過ぎる何かがある。

水瀬 一理 :「行けっ!」

水瀬 一理 :普段とはうって変わって声を張り上げ、門の向こうに居る部下に指示を出し続ける。

水瀬 一理 :「閲覧継続。貸与、貸与、貸与、貸与。貸与!」

水瀬 一理 :白い鳥のような紙飛行機が、巡らす翠の視線を辿るように飛び回る。

水瀬 一理 :先よりもよほど多くの紙が、散り散りに舞い上がり、呪をもって少女に触れようとする。

水瀬 一理 :(だが、これは)水気が重い。

水瀬 一理 :(避けられるな)羽が弱くなっている。

水瀬 一理 :(それも良し)そう。それならまだ、やりようがある。

水瀬 一理 :防がれ、行き場をなくしてはたはたと濡れ落ちたこれまでの紙飛行機は、彼を中心に円を描いている。

水瀬 一理 :そうして、いつの間にか白い花の形に折り変わり、陣を作っている。

水瀬 一理 :空にて敵を傷つけるための呪は、地にて傷ついた分隊長を癒やすための修復陣へと移り変わる。

水瀬 一理 :攻防を一体とした日読の術理。防がれようとも、ただで終わることはない。

水瀬 一理 :(あと幾らか墜ちれば、陣は完成する。……少しは、私も永らえる)

水瀬 一理 :(残りは頼みましたよ、芹野さん)

水瀬 一理 :(あちら側ももう終わる。彼女たちは勝つだろう。そう。私は知っている)

水瀬 一理 :(そうでしょう? ヤコさん、鳴無さん)

水瀬 一理 :紫煙の壁を、巡って香りなき花園を見やり、またひとつ、視界に飛行機を飛ばす。

水瀬 一理 :信という名の羽を。それは、確かに最後まで咲き誇る。

田平五煙草 :(足が動かないな)

田平五煙草 :隠していたことだが。火難除けの呪は、至近にいた田平五煙草の、紫煙と化した機動力も奪っていた。

田平五煙草 :(だけど、紙飛行機。雨には飛べない)

田平五煙草 :脚元が爆発。その衝撃で滞空する。

田平五煙草 :空中に舞う。

田平五煙草 :攻勢文書の束を回避したが、同時に、次の攻撃への回避手段を放棄した。

田平五煙草 :(これでいい。お姉さんは私を獲る)

田平五煙草 :(オウギなら、その隙を逃さない)

芹野 成海 :呼び出す死霊は扇の風に祓われ、従えた妖魔は既に失い。

芹野 成海 :術式は雨で攪乱され、自分自身も満身創痍となって──

芹野 成海 :まだ軽く噎せながら、高速戦闘の中、機を窺うように戦場を見つめている。

芹野 成海 :──芹野成海は、水瀬一理の"役割"を知らない。

芹野 成海 :"日読"でもない、公安でもない、所属する省庁すら違う彼の負う役割など、知っていようはずはない。

芹野 成海 :しかし。

芹野 成海 :彼の磨かれた技巧と、積み上げられた手練は、それを知らぬはずの女にさえ、その"役割"を自然と理解させた。

芹野 成海 :水瀬一理は司令塔であり、砲塔であり、観測手であり──

芹野 成海 :そして、"陽動役"だ。

芹野 成海 :少女が、跳躍とともに爆発させた足の下の泥濘。

芹野 成海 :焼け焦げ破れ果てた、一枚の呪符がある。

芹野 成海 :『𪮷抬𪮷𪮇』──"サムハラ"と訓されるその四字は、元は怪我を防ぐための護符。

芹野 成海 :そして、文明開化以後の戦場においては──"弾除け"として信仰された護符。

芹野 成海 :その"弾除け"を踏みつけ、焼き捨てるという行為が──

芹野 成海 :祝いを反転させ呪いと化し、"弾を寄せる"誘導マーカーとなる。

芹野 成海 :飛び来る紙飛行機と、それが落ちて咲いた花の陣。

芹野 成海 :飛来物を避けようと思えば足元が疎かになり──

芹野 成海 :それが落ちて回復の陣を作れば、"すべて落ちて陣と変わった"と思い込む。

芹野 成海 :雨の中、一つだけ落ちもせず、隠れるようにして飛んでいた紙飛行機が──

芹野 成海 :"弾寄せ"に誘導され、少女の後背を直撃する。

芹野 成海 :"もう一人"がその隙を伺っているであろうことも、頭の片隅にあるが。

芹野 成海 :こちらにももう一人いるのだから、そう恐れることもない。

芹野 成海 :(……信頼、ね)

芹野 成海 :少し渋い表情を浮かべ、しかし、その表情ほどには嫌な気もしていない。

田平四扇 :「……!」

田平四扇 :白扇を放る。芹野成海へ向けて。

田平四扇 :事実、その隙を突けば、致命傷を与えられたかもしれない。

田平四扇 :しかし──放たれた扇は、芹野成海の手足を僅かに裂くのみ。

田平四扇 :「ケムリ……!」

田平四扇 :脇をすり抜けた扇は風を起こし、地に落ちた符の残骸──誘導のマーカーを吹き飛ばした。

GM :微かに紙飛行機の軌道がずれる。直撃には至らず、田平五煙草の身体は再度宙を舞う。

田平四扇 :自らも飛ぶ。振袖が風をはらみ、片割れの身体を捉える。

田平五煙草 :「ねえさん」

田平四扇 :「ケムリ! 撤退! 撤退するよ!」

田平四扇 :「ここで死んだら、ダメだからね!」

田平五煙草 :「……うん」

田平四扇 :あなたたちに背を向け、逃走する。

GM :距離が離れるにつれ、紫煙の壁は薄くなり。

GM :双子が雨靄の向こうに去った時には、渡りと中庭を遮るものは立ち消えていた。

鳴無色葉 :ヤサメが地に伏したのをみて、ふう、と息を吐く。

鳴無色葉 :「っ、無事か!?」煙の幕が消えたのを見て二人の元へと駆け寄る。

水瀬 一理 :足下の花の陣がかさかさと枯れるように、紙が萎れる。そこから顔を上げて。

水瀬 一理 :「鳴無さん、ヤコさん」

芹野 成海 :「……っ、色葉! ヤコ!」

十九川ヤコ :遅れて、しとりと濡れた髪を払うようにして、二人の元へと。

水瀬 一理 :「ま、完全無欠ではないですが。なんとか。そちらは?」

十九川ヤコ :「………あたしは、色葉っちのおかげで。大丈夫」

鳴無色葉 :「こっちも似たようなもんだな。むしろちょっと元気になった」

芹野 成海 :「なんでアンタちょっと傷減って……? ……いや、まあいいわ」そういう忍法か? と思い直す

鳴無色葉 :「……お前はボロボロだな。ふふ……だが、生きててよかった」

水瀬 一理 :「ヤコさんは……『大丈夫』ですか?」言外に、精神は平気かと問う。

十九川ヤコ :「うぐ。………敵わないな」

十九川ヤコ :ぽつりと零し、それでも気丈に振る舞って見せる。

十九川ヤコ :「さっきまでは、しんどかった。心の方がね」

十九川ヤコ :「でも、……みんなの顔見れて」

十九川ヤコ :「元気でたカモ。うん」

十九川ヤコ :「だから、あたしは“大丈夫”!」

水瀬 一理 :「信じましょっか。……それならよかった」

十九川ヤコ :こくりと頷いて。「ササヤさんを、探さなきゃ」

十九川ヤコ :「“二色乞”は──────」

十九川ヤコ :「まだ、あたしに。必要なものだから」

GM :雨は、降り続けて──

GM :====


GM :クライマックス戦闘・壱を終了します。

GM :戦闘終了後、PCは合流したものとして扱うので、情報や忍具を受け渡しても良いものとします。

十九川ヤコ :ありがとうございます………

鳴無色葉 :やった~~~~~!!!!!

水瀬 一理 :うおー

十九川ヤコ :では一応、ヤサメさまの奥義情報を芹野さんと水瀬さんに。

十九川ヤコ :あと芹野さんにはヤコの兵糧丸ひとつをお渡しします!

芹野 成海 :ありがとうございます……

system :[ 十九川ヤコ ] 忍具 : 2 → 1

水瀬 一理 :こっちもケムリちゃんとオウギちゃんの奥義情報をヤコちゃん鳴無さんにお渡しします

GM :了解です。

GM :芹野さんは兵糧丸食べる?

芹野 成海 :食べ……ます! ありがとうございます!

芹野 成海 :すみませんやっぱり取っておきます!

GM :頬袋につめておきなされ

system :[ 芹野 成海 ] 忍具 : 0 → 1

GM :====


【クライマックス戦闘・弐】

GM :──雷が、落ちた。

GM :あなたたちの目の前。千島ササヤが入っていった、離れの家屋だ。

GM :白光が瓦を貫き、木材が焼けるにおいがする。

GM :会議をしているという、里の上層は姿を現さない──いや。

鬼衆七支 :「ぐ、うう…」

鬼衆七支 :眼鏡の男……鬼衆七支だ。瓦礫を退けるように、よろめきながら外へと姿を見せる。

鬼衆七支 :「……! ヤコちゃん!」

鬼衆七支 :あなたたちに気づき、声をかける。

十九川ヤコ :「し、七支おじさんっ!」焦燥を隠さずに、彼の元へ駆ける。

十九川ヤコ :「血が……!」

鬼衆七支 :「な、情けないよ。雷が光ったと思ったら……鈍ったな」

鬼衆七支 :「いや……それどころではなかったが……」離れを再度見やる。

十九川ヤコ :「他の皆は……?」

十九川ヤコ :「ササヤさんは……」

五行 :じゃり。

五行 :瓦礫を踏みしめて現れる。両手には符を掴み、染み一つないコートが風雨にはためく。

五行 :「ふゥー……」

五行 :「他の皆さんは、無事ですよォ」

五行 :「あなた次第、ですけどねェ」

十九川ヤコ :「あなた……五行さん」思えば、儀の間も。彼の姿はずっと伺えなかった。

十九川ヤコ :何処に?何故?と浮かぶ疑問を抑えて。ただ警戒を帯びた眼で彼を睨む。

十九川ヤコ :「どういう意味?」

五行 :「……時間稼ぎは、失敗したようですねェ」

五行 :「まァ、それならそれでやりようはあります」

鬼衆七支 :「ヤツが雷と共に突撃してきた……術を使って、十九川の人間もほとんど……」

鬼衆七支 :「いましかない。ヤツを倒せば、事件はすべて終わる……!」

鬼衆七支 :刀を抜く。

五行 :「あァ」首を鳴らす。

五行 :「止めましょうよォ。”ロール”の時間が伸びるだけです」

五行 :符を懐に仕舞う。指を三つ立てる。

五行 :「おかしい点が三つほど。鬼衆七支さァん」

五行 :「まず、雷が光ったと思ったら、と不意打ちを受けたのにも関わらず、どうして私の術は認識できているんです?」

五行 :「次に、私の術は香に基づくものです……あなたの流血は誰が? まさか瓦礫で裂かれたとでも?」

鬼衆七支 :顔を顰める。

十九川ヤコ :柄に手をかける。然し抜く踏ん切りは未だつかない。

十九川ヤコ :この刃を向ける相手は。果たして本当に、眼前の男なのか。

五行 :「第三。これはもっと根本的な点ですが」

五行 :「その剣は、どこから?」

五行 :す、と残った指を向ける。

鬼衆七支 :ただ今抜かれた、その手に握られている刀。

鬼衆七支 :黒塗り刃の小刀。

GM :十九川ヤコは、鬼衆七支がこのような得物を用いる様を見たことは無い──だが、その刀身は見間違おうはずもない。

GM :──「二色乞」だ。

十九川ヤコ :五行の向けた指の先。ゆっくりと視線を移し。

十九川ヤコ :視界でその刃の存在を認識するより先に。“一魔降”の鍔音が、鳴りを潜めて。

十九川ヤコ :「────────」からからになった喉から、ようやく絞り出した言葉は。

十九川ヤコ :「どうして?」

鬼衆七支 :「ヤコちゃん……」

鬼衆七支 :「僕らの、未来のためさ」笑顔。

鬼衆七支 :「二色乞」を横凪ぎに振るう。十九川ヤコの首を落とそうと。

GM :ギ ィン!

五行 :「これで大分、早くなりましたねェ」

五行 :十九川ヤコの肩を抱き、刀を手のひらで受けている。

五行 :黒手袋の下からは、生身らしからぬ硬質な音がした。

十九川ヤコ :もう一人の肉親のように慕っていた男の凶行に、呆然と為す術なく。

十九川ヤコ :気づけば、芳しい花の香りに包まれていた。

水瀬 一理 :その香りを少しだけ嗅いで。

水瀬 一理 :「……説明、していただけるんですか? 五行さん」

水瀬 一理 :言いながら、懐にしまわれていたペンを、ひゅんと鬼衆七支向けて投げ放つ。

水瀬 一理 :さほどの威力はない。牽制だ。他の手に繋げるための。

鬼衆七支 :「くは……」刀で弾く、距離を取る。

五行 :「説明? いいえ、しませんよォ」

五行 :「自らの秘密は明かせない、そういう”システム”ですから」

五行 :「知りたければ、調べなさい。それは自由です」

水瀬 一理 :「暴いて見せろと」

水瀬 一理 :「なるほど、得意分野だ」

GM :五行の【使命】を公開します。

五行の【使命】

比良坂機関の忍び。水瀬一理の上司。


【使命】事件を終息させる。

鬼衆七支 :「ヤコちゃん、いい友達に恵まれたね」

鬼衆七支 :鬼衆七支は笑顔で話し続ける。

鬼衆七支 :「それこそ、それでこそだ」

鬼衆七支 :「僕は言ったね……縛り付けたいわけじゃない、十九川のしきたりを捨てるような生き方には賛同できないだけと」

鬼衆七支 :「ヤコちゃんはしきたりを無くそうとした……それはある意味正しいのかもしれない」

鬼衆七支 :「けれど、積み重なったものがある。凝り固まった因習を骨にして、十九川と分家は巨大になった。骨を抜いたら、潰れてしまう」

鬼衆七支 :「だから、僕の答えはこうだ。骨が無くても、存在できるようにする」

鬼衆七支 :「一度、混ぜてしまうんだ。十九川も鬼衆も、御洞ももとは同じだろう?」

鬼衆七支 :「分かれ目が無ければ、軋轢は無い。二つをつなぎとめる、骨格はいらない」

鬼衆七支 :にこり、と一層優しく、微笑む。

鬼衆七支 :「結婚しよう、ヤコちゃん」

十九川ヤコ :ぞくり、と。背筋が凍りつく。

十九川ヤコ :彼が語った、己が信じる十九川の理想のためでもなく。

十九川ヤコ :彼が手にする、二色乞の脈動のためでもない。

十九川ヤコ :己へと向けられた、その笑みが。

十九川ヤコ :昔から知っているそれと。何一つ変わらないものだったから。

鳴無色葉 :「おいおいおいおい。その因習っていうのは性癖まで捻じ曲げてしまうものなのか?」

鳴無色葉 :「その姿勢に憧れる、好きだから結婚してくれって言われた方が女はよっぽど心動かされるってもんだぞ」

鳴無色葉 :「そんな気持ち悪い思想を並べて盗んだ刀向けられるよりは……な!」符を投げる。

鳴無色葉 :符は小刀を構えた大量のリアル・イタチとなって七支に襲い掛かる!

鬼衆七支 :「おっと……年長者の意見だ」

鬼衆七支 :別の刀を抜く。錆びた七支刀だ。

鬼衆七支 :「僕の気持ちは純粋だよ。愛が気持ち悪いといわれたら、それは真実かもしれないけど。僕だけじゃあない」

鬼衆七支 :「それに、ヤコちゃんのことは大好きさ、勿論。君たちも知ってるだろう?」

鬼衆七支 :七支刀を振りぬく。電撃が走り、イタチを焼いていく。

水瀬 一理 :すう、はあ、と、思いの外荒くなっていた息を整えて。

水瀬 一理 :「……ふざけるな」少しも整わない言葉が、飛び出した。

水瀬 一理 :「……彼女自身を見ろよ」

水瀬 一理 :「今ここで生きて考えて動いて、自分の意志で、好きな気持ちを持って」

水瀬 一理 :「ヤコさん自身を見ろ」

水瀬 一理 :「私はあなたのもたらすものが幸せとは思いたくない」

水瀬 一理 :「……思いたく、ないんだ」

鬼衆七支 :「僕はずっと、ヤコちゃんを見てきた」

鬼衆七支 :「それこそ、生まれる前からだ」

鬼衆七支 :「イタチの子が言っていたね? 物事の本質を見ろと」

鬼衆七支 :「ヤコちゃんは、僕の理想を満たすために産まれてきてくれた。”混ぜ物”も上手くいっているだろう?」

鬼衆七支 :「証拠がこれだ」血がべたりとついた掌を広げる。

鬼衆七支 :「『二色乞』は浄剣だ。使用者は選ばないが……魔なる剣を握った者ならば、扱うことはできない」

鬼衆七支 :「けど、こうして”ヤコちゃん”の血を使えば、影響を中和できる。鬼衆の者でも、『二色乞』が振るえる」

鬼衆七支 :「ああ、これは霊森の罠に付着していたのを回収したんだよ。気持ち悪かったかな?」照れくさそうに笑う。

鬼衆七支 :「こうして、ヤコちゃんは鬼衆家との懸け橋として文句ない血を持って産まれた」

鬼衆七支 :「”混ぜ物”のおかげでミヤ──ヤコちゃんのお母さんは死んでしまったけれど。でも、これが彼女自身の本質じゃないか」

鬼衆七支 :「幸せにしてみせるよ、僕なら!」

芹野 成海 :「……とことんまでキモくてびっくりするわね」

芹野 成海 :血を流し、荒い息を吐きつつも、眼前の男を睨む。

芹野 成海 :「田舎で暮らしてると忘れるかもしれないけどね。この国には人権ってもんがあるのよ」

芹野 成海 :「アンタがどんだけ長いことヤコを見てようが、どんだけ深く一族のことを考えてようが」

芹野 成海 :「結婚できるか決める権利は、アンタだけにある訳じゃない」

芹野 成海 :そう言って、軽くせき込む。

鬼衆七支 :「……君は、忍びの家の出ではなさそうだね」

鬼衆七支 :「表の世界で生きていると忘れてしまうかもしれないけれど。この世は無数の、犠牲で成り立っている」

鬼衆七支 :「それは忍びに限ったことではないけれど。使命に殉じた忍びを数えたことはあるかい?」

鬼衆七支 :「僕は鬼衆の当主として、死んだ者を何人も見てきた。妖魔に喰われた者、他流との戦いに死んだ者、表の世界のため使い潰された者」

鬼衆七支 :「そして、十九川のため魔剣を振るい、顧みられることもなく異形へ転じ、家族に殺された者」

鬼衆七支 :「どうしても比較せずにはいられないんだ」

鬼衆七支 :「この先の子々孫々が何人も、命を落とさず幸せになるためなら、結婚くらいしてくれてもいいんじゃないか?」

鬼衆七支 :「そのうえで、結婚生活にはできる限りの自由を約束するつもりだよ」

鬼衆七支 :「僕は詳しくないけど、ファッションだとかコスメだとか、できる限り取り寄せてあげる。友人にも会える機会を設けよう」

鬼衆七支 :「何より、僕がヤコちゃんを幸せにすると約束する。ヤコちゃんがそのために産まれてきたなら、僕もこのために生きてきたんだ」

鬼衆七支 :「なあ、剣を引いてくれないか? 無駄な流血はやめようじゃないか」

鬼衆七支 :「七丈を殺した後で、君にまで傷をつけたくないんだよ、ヤコちゃん!」

十九川ヤコ :張り裂けるほどに煩かった心臓の音が、だんだんと遠のいていく。

十九川ヤコ :鬼衆家の一族が文字通り血を流し、その身を捧げてきた十九川への忠義に報いるべき時だと。

十九川ヤコ :この求婚を問われたのが、もっと前であれば。あるいは首を縦に振っていたのかも。

十九川ヤコ :けれど、胸の奥。想えば想うほどに暖かなもので、あたしの心を照らしてくれる、この光が。

十九川ヤコ :信じて頼るという、大切なことを教えてくれた彼らと。肩を並べて、今ここに立つあたしが。

十九川ヤコ :想うがままに、生きてやると。頭の中で叫び続けている。

十九川ヤコ :「しきたりを疎んで、変えようとするあたしと」

十九川ヤコ :「しきたりを憂い、変えようとしたあなた」

十九川ヤコ :「あるいは、七支おじさんは……もう、それに縋るしか無かったのかもしれない」

十九川ヤコ :「でも。同胞の血が流れることに只、心を痛めたあなたが」

十九川ヤコ :「同じように、血を流す方法しか選べなかったのが」

十九川ヤコ :「あたしは、酷く悲しい」

十九川ヤコ :「しきたりを変えようとなんて、あなたは結局、していないの」

十九川ヤコ :「あなたもまた、それに囚われているだけ」

十九川ヤコ :「これ以上、血を見たくないのは、あたしも同じ」

十九川ヤコ :「七支おじさん、お願いだから」

十九川ヤコ :「二色乞を返して─────」

十九川ヤコ :罪を償ってくれ、と放とうした言葉は。風に乗って消える。

鬼衆七支 :「やっぱりヤコちゃんは、優しい子だね」

鬼衆七支 :「そのワガママは聞いてあげられないなあ、ごめんね」

鬼衆七支 :「千島」

千島ササヤ :「ひっ、は、はいっ」

千島ササヤ :どこに潜んでいたのか、《飛駅者》が応じ、黒い石を手渡す。

GM :台形の黒曜石だ。それが”楔”と呼ばれていた、鵺を封じ込めているものだとわかるかもしれない。

鬼衆七支 :「八雲くんが自分を犠牲になんてしなければ、あと数年早く、こうできたんだけどね」

鬼衆七支 :「二色乞」を構え、楔を胸に添える。

十九川ヤコ :「やっ」

五行 :「! 伏せなさい……!」

十九川ヤコ :「やめて!!」絶叫し、手を伸ばす。

鬼衆七支 :小刀を、胸に突き刺す。

鬼衆七支 :「『二色乞』の力。忍びの肉体と引き換えに、望む事象を引き起こす」

GM :衝撃。

GM :八方に雷撃が走り、地面や家屋を穿つ。

五行 :「『喼急如律令』!」

五行 :彼岸花のイメージが散る。雷を反らす、柔らかな香りが広がる。

五行 :「……ハァ、本当に身内が死んでも、構いなしでしょうか」

五行 :花は古夜を覆うように広がっている。家屋も、雷の直撃を受けたにも関わらず砕け散っていない。

五行 :「水瀬さァん。芹野さん、イタチの方」

五行 :「そして、十九川家の当主殿」

五行 :「流れ弾から里を護ることはできましょう。しかしィ、存外骨が折れるものでして」

五行 :「”アレ”を止めるのは、お願いしても?」

水瀬 一理 :「了解しました。上司殿」

水瀬 一理 :「食い止めて、終わらせて、知りたいことがある」

水瀬 一理 :「……話したいことも、ありますので」

水瀬 一理 :翠の目をひたと見据える。

五行 :「それなら、託しましょォ」

五行 :微笑んでいる。その真意は、まだ窺えない。

十九川ヤコ :彼にとって。これは善意や好意で行っている好意ではない。

十九川ヤコ :あくまで、これは。比良坂に使える、忍びの務めを果たしているに他ならない。

十九川ヤコ :しかし、それでも。

十九川ヤコ :「感謝します、五行さん」

十九川ヤコ :「結婚はできねーけど……」

十九川ヤコ :「全部終わったら、ほっぺチューぐらいならいいですよ」場違いに、悪戯っぽく微笑んで。

五行 :「いやァ、遠慮いたします」

五行 :「うるさいのがいるものでねェ」

GM :雷撃が止み、土煙が収まっていく。

鬼衆七支 :刀傷……達人に斬られたと思しきそれに、楔が埋まり。

鬼衆七支 :その周囲の肉ごと、べきべきと変形していく。

鬼衆七支 :首が増え……怨嗟とも憤怒とも、悲哀ともつかない声を上げ始める。

鬼衆七支 :「さあて、ヤコちゃん」

鬼衆七支 :「婚姻の儀を、始めよう」

鬼衆七支 :「死がふたりを分かつまで」

GM :雷が奔る。

GM :光の速度で動く稲妻が、ゆっくりとあなたたちの逃げ場を奪っていくように伸びる。

GM :──高速機動が、開始された。

GM :====


GM :クライマックス戦闘・弐を開始します。

GM :戦闘終了条件は、「鬼衆七支の撃破」もしくは「PCの全滅」です。

GM :キャラシートを公開します。


鬼衆 七支 キャラシート


GM :鬼衆七支は生命点12点。奥義を2つと……【秘奥義】の効果で判定妨害の奥義も特例修得しています。

GM :そして限定不死:「悪天候」以外 を持ちます。

GM :雨と雷の権能を持つ鵺の力を取り込んでいるため、戦場が「悪天候」であるとき、生命点が0以下になるようなダメージや生命点の減少を受けると、即座に1まで回復します。

GM :さらに暴威:追加攻撃により、ラウンド終了時に攻撃を一回追加で行います。

GM :この追加攻撃時には奥義は使用できません。

GM :エネミーは鬼衆七支のみ。戦場は「悪天候」で開始されます。

GM :ラウンド制限はありませんが……戦闘が5ラウンド終了時点で終了していない場合

GM :千島ササヤが「二色乞」を持って逃走します。

十九川ヤコ :逃げるなァァァ!!!

GM :もう一つ。

GM :五行は奥義『蜘蛛手の香楼』惟神:山神、指定特技《地の利》を所持しています。

GM :戦闘には参加しませんが、この効果をセッション中二回まで使用してくれます。

GM :惟神:山神の効果は『自分の手番に使用、同じシーンにいるキャラクターを好きな数目標に選び、生命点を1点回復。さらに戦場を「高所」に変更する』というものですね。

GM :自分の手番、というのは、PC全員が共有して使用できるということにします。上手く使いましょう。

GM :では、質問はありますか?

水瀬 一理 :五行さんの奥義を使用した場合、本来のPCの手番を消費することにはなりますか?

GM :元々の惟神:山神の効果と同じです。手番は消費しません。

水瀬 一理 :了解です。ありがとうございます。

十九川ヤコ :2つほど!

十九川ヤコ :以前にあった、霊森に対して誰かが撃った奥義、『雲散六消』→絶対防御

十九川ヤコ :↑これって七支さんが撃ってくる可能性があった場合、奥義情報を獲得したうちらの誰かが奥義破りをそのまま出来るという認識です?

十九川ヤコ :それともこれ八雲のだったのかな

GM :その認識で問題ありません。

GM :本来は鵺の奥義でしたが、その力を現在は鬼衆七支が取り込んでいます。

十九川ヤコ :ありがとうございます。ということは

十九川ヤコ :七支さんは妖魔化している=降魔が通る、ということでよろしいでしょか?

GM :その通りです。鬼衆七支は妖魔扱いになります。

十九川ヤコ :ありがとうございます。

鳴無色葉 :うおあああああああああ!!やったあああ!!!

GM :したがって、生命点が減少しても特技分野は失われません。

鳴無色葉 :やだーーーーーーー!!!!

GM :あと補足。

GM :暴威の追加攻撃とプライズ「一魔降」の戦場を変更する効果は、追加攻撃を先に処理するものとします。

十九川ヤコ :ギャッ!

GM :では、他に質問はありますか?

GM :問題なさそうなら……始めましょう。

GM :====


【第一ラウンド】

GM :プロットお願いします。

芹野 成海 :奥義使用します!

芹野 成海 :《よもついくさのもがりのところ》
惟神・黄泉神/くらまし/術式開示 死霊術

鬼衆七支 :奥義破り。《召喚術》から8。

鬼衆七支 :2d6>=8 (2D6>=8) > 11[5,6] > 11 > 成功

十九川ヤコ :??

鬼衆七支 :成功。

鳴無色葉 :おかしいって

芹野 成海 :おい!!!!!

水瀬 一理 :そういうことする……

鬼衆七支 :プロットOK

鳴無色葉 :プロOK!!

十九川ヤコ :プロOK

水瀬 一理 :OK

芹野 成海 :OK

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(色葉、水瀬、芹野)

<プロット5>

(七支)

<プロット1>

(ヤコ)

GM :6おおいな……!

GM :ではプロット6。1d100どうぞ

鳴無色葉 :1d100 (1D100) > 92

水瀬 一理 :1d100 (1D100) > 6

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 9

GM :二人くらい2d6振ってない?

GM :では鳴無さんどうぞ。

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :眼鏡の小僧に災雷!

鳴無色葉 :ふ、ふっちゃうぜ

水瀬 一理 :まってまって

水瀬 一理 :失礼しました

GM :では判定どうぞ

鳴無色葉 :感情はいらぬ プロ6だから

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:異形化) (2D6>=6) > 8[3,5] > 8 > 成功

鳴無色葉 :こえ~~召喚術です

十九川ヤコ :イタチ~~~!!!

鳴無色葉 :回避マイナス2!

鬼衆七支 :ピン持ちだが、マイナス2入れて7

鳴無色葉 :そのうえ

鬼衆七支 :2d6>=7 (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗

鳴無色葉 :マイナス1とファンブル値+2!

鬼衆七支 :そうとは……

鬼衆七支 :では目標値8だったわけですね

鬼衆七支 :流石に初手ファンブルはしたくないが……

鳴無色葉 :どのみちファンブルよ!

鬼衆七支 :神通丸で振りなおそう

鳴無色葉 :なにーっ

system :[ 鬼衆七支 ] 忍具 : 1 → 0

鬼衆七支 :2d6>=8 (2D6>=8) > 3[1,2] > 3 > 失敗

鬼衆七支 :

鳴無色葉 :どのみちファンブルよ!

十九川ヤコ :怖いよ~~!!

鬼衆七支 :逆凪のようですね

system :[ 鬼衆七支 ] HP : 12 → 10

鬼衆七支 :のこり10点。

鳴無色葉 :以上!

GM :芹野さんどうぞ。

芹野 成海 :攻撃前に五行さんの奥義の効果を使用します

芹野 成海 :『蜘蛛手の香楼』惟神:山神、指定特技《地の利》

芹野 成海 :選択はPC4人!

十九川ヤコ :ヤッタ~~~!!

水瀬 一理 :うおー

鳴無色葉 :やった~~~!!!!

十九川ヤコ :戦術を回復します!

水瀬 一理 :戦術を回復します。

system :[ 十九川ヤコ ] 戦術 : 0 → 1

system :[ 水瀬一理 ] 戦術 : 0 → 1

芹野 成海 :器術を回復します

鳴無色葉 :あっ通った扱いでいいのかな?まあ破れないからそうか

GM :そうですね。

鳴無色葉 :器術回復します!

system :[ 芹野 成海 ] 器術 : 0 → 1

芹野 成海 :お待たせしました、戦場は変更しません

GM :了解です

芹野 成海 :本行動、接近戦攻撃を七支さんに

GM :どうぞ

芹野 成海 :SG#6>=5 (判定:罠術) (SG@12#6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功

十九川ヤコ :芹野~~~!!!

鳴無色葉 :好き

水瀬 一理 :ナイス!!

鬼衆七支 :《罠術》は8……【八重垣】が1回乗って7

鬼衆七支 :2d6>=7 (2D6>=7) > 9[4,5] > 9 > 成功

鬼衆七支 :回避成功。

鳴無色葉 :すな~~!

十九川ヤコ :ニャ~~!!

芹野 成海 :くっ

水瀬 一理 :うおー

GM :水瀬さんどうぞ。

水瀬 一理 :はい

水瀬 一理 :まず【凶手】指定特技は骨法術。

水瀬 一理 :2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

水瀬 一理 :【雀蜂】指定特技は人脈。対象は七支さん。

水瀬 一理 :奥義を使用します。『水瀬流速読術・凝の型』

水瀬 一理 :完全成功/輝き/分野限定(戦術)。指定特技は千里眼の術。【沈黙】の効果で奥義破り-1。

水瀬 一理 :これでスペシャルとなり、【一角】の効果で回避-3のはず

GM :そうですね。

鬼衆七支 :《人脈》は7。【一角】でマイナス3、【八重垣】でプラス2

鬼衆七支 :2d6>=8 (2D6>=8) > 6[3,3] > 6 > 失敗

鳴無色葉 :やった~~~!!!

鬼衆七支 :むむ

水瀬 一理 :ありがとうございました

GM :変調は何を与えますか?

水瀬 一理 :呪いを

GM :了解です。上から……

GM :1d9 (1D9) > 3

GM :【五月雨】ですね。

水瀬 一理 :自分も回復しますね。

水瀬 一理 :器術を回復します。

system :[ 水瀬一理 ] 器術 : 0 → 1

GM :で、【雀蜂】の効果でスペシャル時射撃戦ダメージ2点ですね。

水瀬 一理 :です!

鬼衆七支 :これは使っておこうかな。

鬼衆七支 :『雲散霧消』《水術》の絶対防御。

鳴無色葉 :見たことある気がするから破れる気がする!!

十九川ヤコ :出やがったな!

鬼衆七支 :奥義破りはありますか?

十九川ヤコ :するぜ!

鳴無色葉 :破る破る!!

芹野 成海 :破ります!

水瀬 一理 :破りは出来ないんですが

水瀬 一理 :見切り判定させてください、一応

十九川ヤコ :あ、無いんじゃない?

水瀬 一理 :あ、ないのか

十九川ヤコ :戦闘データ的には

GM :【揺音】を持っているわけではないので見切り判定はありません。

十九川ヤコ :そうそう

水瀬 一理 :じゃあ見てます。失礼しました!

鳴無色葉 :うおーっふるぜ、感情はいらないぜ

鳴無色葉 :ヤコぴいる?

十九川ヤコ :う~ん大丈夫でしょ……この3人なら

鳴無色葉 :おっけ!いきます

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:火術) (2D6>=6) > 7[3,4] > 7 > 成功

十九川ヤコ :2D6>=8 (判定:騎乗術) (2D6>=8) > 7[2,5] > 7 > 失敗

芹野 成海 :SG#6>=6 (判定:火術) (SG@12#6>=6) > 5[1,4] > 5 > ファンブル

十九川ヤコ :あぶね!

鳴無色葉 :最強イタチちゃんがもどってきたな

鬼衆七支 :仕方ない。2点受けます。

system :[ 鬼衆七支 ] HP : 10 → 8

鬼衆七支 :のこり8点。

GM :プロット6終了。鬼衆七支は逆凪に。

芹野 成海 :私も破りでファンブルしたので凪ます

GM :ありがとうございます。

GM :プロット5、鬼衆七支。

鬼衆七支 :奥義を使用。

鬼衆七支 :『七実剛剣』。《刀術》のクリティカルヒット。

鬼衆七支 :対象は鳴無色葉さん。

鳴無色葉 :そうだとおもったぜ。

鳴無色葉 :受けて奥義!

鳴無色葉 :根ノ国ヲ禁ズ咎/不死身/定め/回数制限(火術)。

鳴無色葉 :定めで4点回復、忍術と戦術以外を回復!

GM :2回目の使用なので回復量は3点です。

鳴無色葉 :あれ!?

鳴無色葉 :そうだったのか……じゃあ謀術けします!

GM :了解です。

鬼衆七支 :プロット5は以上。

GM :プロット1、ヤコさんどうぞ。

十九川ヤコ :は~い

十九川ヤコ :通る気がなぜかあまりしないが……【集団戦攻撃】を七支さんにうちます。

十九川ヤコ :色葉ちゃん感情をいただけますか!

鳴無色葉 :あっあげます!+1!

十九川ヤコ :あざます!

十九川ヤコ :2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6+1>=5) > 8[4,4]+1 > 9 > 成功

十九川ヤコ :あたれ~~!!

鬼衆七支 :逆凪です。

十九川ヤコ :と、通った

十九川ヤコ :集団戦1と後の先、降魔で射撃2です!

十九川ヤコ :集団は戦国変調でおねがいします。

鬼衆七支 :集団戦はこちらで振りますね。

鬼衆七支 :GWT 戦国変調表(6) > 野望:命中判定に+1、それ以外の判定に-1。サイクル終了時に〈憑依術〉判定し成功すると無効化。

鬼衆七支 :野望か

十九川ヤコ :ウッ

十九川ヤコ :うれしかなし……以上ス

system :[ 鬼衆七支 ] HP : 8 → 6

鬼衆七支 :のこり6点。

鬼衆七支 :ラウンド終了時の暴威は逆凪のためなし

GM :ラウンド終了時、何かありますか?

十九川ヤコ :とくになしです!

GM :では、第一ラウンド終了。

GM :====


GM :雷。

GM :神速の電磁波の一形態であるそれは、高速機動の忍びの視界では、槍ではなく炎に見える。

GM :枝分かれし伸びていく不可侵域。白く熱い、拒絶的な檻。

鬼衆七支 :その権能を飲み込んだ妖魔が、一歩を踏み出す。

鬼衆七支 :「ああ……これは、邪魔だな」

鬼衆七支 :覚醒のため使用した「二色乞」を後ろに放る。

鬼衆七支 :「持っておきなさい」

千島ササヤ :「へ、は、はい……!!」

千島ササヤ :雷の檻の外にいる千島ササヤが、黒塗りの小刀を両手で抱え込む。

鬼衆七支 :「ヤコちゃん、おいで」

鬼衆七支 :「話し合おう、心ゆくまで!」

鬼衆七支 :両腕と、三つになった首を広げる。

鬼衆七支 :それは少女を手招きする、巨大な手のようにも見えた。

鳴無色葉 :(マジの鵺相手にどうするかとは思っていたが……)

鳴無色葉 :(なんだ?これは。この動きは……"知っている"ぞ)

鳴無色葉 :わずか、この数刻のみ。けれど元の彼との動きとの明確な差異。

鳴無色葉 :この間合の取り方には、確かに覚えがあった。

鳴無色葉 :覚えている限りでは一番真面目に忍びをやっていた時代。

鳴無色葉 :国を守るのだと刀を振るう者たちに混じり、それなりに剣術を身につけた。今回もその力を『思い出し』て使ってはいるが――

鳴無色葉 :(そりゃ、物の怪の血を引く女よりは、鞍馬の隠忍狩り一族の当主の方が使えるのはまだ自然かもしれないが)

鳴無色葉 :(いや、あまりに『そのもの』すぎる。いくら隠れ里って言ったって、こんなに――"裏柳生"を伝える体制を黙って維持できたとは思えない)

鳴無色葉 :ならこの力は、楔に封じられていたという十九川二郎のものか。

鳴無色葉 :「……ま、そりゃそうか」

鳴無色葉 :小さく呟いてニヤリと笑うと懐から小刀を取り出し、構える。

鳴無色葉 :「合体異形化は負けフラグなんだよ」

鳴無色葉 :よく知る術ということは、弱点もまたよく知っているということである。

鳴無色葉 :裏柳生の剣は活人剣。相手を威圧し圧倒するのではなく、相手をあえて動かせ討ち取るものだ。

鳴無色葉 :ならば――

鳴無色葉 :小刀を握り、舞うように腕を振る。

鳴無色葉 :その動きを合図に、手にでんでんだいこを持ったリアル・イタチたちが大量に躍り出る!

鳴無色葉 :でんでこでんでこ太鼓を鳴らし、異形と化した鬼衆七支の周りを駆けまわる。

鳴無色葉 :陽気な太鼓のビートに誘われ、雷が舞い踊る!

鳴無色葉 :「相手の動きが予測不可能なら為す術なしというわけよ」

鳴無色葉 :「もっとも――己の父を殺されたヤコが『七支おじさん好き♡結婚して!』なんて言うわけないことを予測できなかった時点で、そもそも眼鏡の小僧がどれほど扱えるのか疑問ではあるがな」

鳴無色葉 :ウキウキ気分の雷が、あるいは仲間を見つけたと駆け寄ったのか。鬼衆七支に向かって落ちる!

鬼衆七支 :「雷も、一筋縄ではいかないね……!」

鬼衆七支 :剣により弾くが、回り込む電流が身を焼く。

鬼衆七支 :「勉強になったよ。色葉ちゃん……ふふ」

鳴無色葉 :「こ、こわ……」

五行 :「会話しようとしないでくださいよォ、妖魔相手に」

五行 :ぱん、と両手を合わせる。

五行 :指を曲げ、開く。黒い革手袋に包まれた細い十指が、蜘蛛のようにざわと揺れる。

五行 :「『曼殊沙華』──」

五行 :彼岸花が再度舞い散る。それは形から「くもの花」とも呼ばれ。

五行 :転じて、「雲の端」。花舞う地に”天の上”の属性を与える。

五行 :「癒しの香りも混ぜてあります。趣味でしてねェ」

五行 :「さァ、お願いしますよォ」

水瀬 一理 :「了解しました。……」ふと。

水瀬 一理 :"天の上"。灰色にかき曇り、雨と雷とが遊ぶ空を見上げる。

水瀬 一理 :目を見開く。そのまま、首を上向け、やや上空を向けて狙いをつける。

水瀬 一理 :そうして、門の向こうの部下たちに呼びかける。

水瀬 一理 :「状況は既に延滞を見込みつつある。早急に回収せよ」

水瀬 一理 :「修復は継続。私は読解を。奴を呪で縛れ」

水瀬 一理 :「私は落ちるわけにはいかない。総員、力を結集のこと」

水瀬 一理 :す、と手を差し伸べる。雨粒を受け止めるように。

水瀬 一理 :「読解。扉よ開き献辞を見せよ」

水瀬 一理 :「目次を手繰り、次なる物語へ」

水瀬 一理 :見開いた瞳を何かを得たように瞬かせ、頷く。

水瀬 一理 :「『文字禍:浦島』解けぬ呪いを与えよ」

水瀬 一理 :高く伸ばした手に沿うように、あるいはその言葉に応えるように、薄く光を帯びた機体が上へ上へと舞う。

水瀬 一理 :雨に濡れ、重くなり、そうして落下の勢いを得て、そのまま鬼衆七支へと突き刺さる!

水瀬 一理 :そうして、解けた機体の中に記された文字は雨に溶け、敵の魂に消えぬ挿話を刻む。

水瀬 一理 :それは、水の底を旅した男の古い古い物語。最後には呪いを受け老爺と化すまでの。

水瀬 一理 :平易な文体、単純な物語であるからこそ、それは誰に対してでも力を得る。

水瀬 一理 :『おとぎ話はきっと、本当にある』と。

水瀬 一理 :文脈に仕込まれた海の波の如き力が、魂を弱らせ、技を縛っていく。

水瀬 一理 :「その呪いは、生半可には解けない」

水瀬 一理 :「そして、最後の句点は我らが打つ」

水瀬 一理 :「……私はどういうわけか、今激昂している」

水瀬 一理 :「何が、どういう理由なのか。終わらせて、自らを知らねばならないんだ」

鬼衆七支 :「む、この呪いは……雨で防ぐ……」

鬼衆七支 :「……なるほど、海と雨、溶けて混ざっているのか。これでは防げない」

鬼衆七支 :呪いが縛り付ける。二つの頭が悲鳴を上げる。

鬼衆七支 :「君たちはなんて柔軟な発想ができるんだろう。きっとヤコちゃんの力になってくれるね」

鬼衆七支 :「僕にわかることならなんなりと協力させてくれ、一理くん!」

水瀬 一理 :「……やめろ」

水瀬 一理 :「貴様に手を貸すつもりは、毛頭ない」

鬼衆七支 :「本は貸してくれるのに? 怖がらないでほしいなあ」

鬼衆七支 :皺が深くなったような表情で、無邪気にくすくすと笑っている。

鬼衆七支 :「そうだ! ヤコちゃんにこれを見せてあげよう」

鬼衆七支 :「きっと色葉ちゃんも納得するはずさ。なんせこの剣は、七丈の奥義なんだから」

鬼衆七支 :剣を大上段に──歪んだ体躯では斜めになっているが──構える。

鬼衆七支 :「『七実剛剣』」

鬼衆七支 :振り下ろす。ただそれだけ、に見える。

鬼衆七支 :しかし、あらゆる防御が間に合わない。そのことに気づいた時には、鳴無色葉の肉体を刃が通り抜けている。

鬼衆七支 :リズムとフェイントを保ち、寸分なく違わず振るう、理剛の剣。

鬼衆七支 :確かにそれは、十九川七丈が振るう剣のそれであった。

鬼衆七支 :「ふふ、どうだい?」

鬼衆七支 :「本来は『二色乞』を使って、あらゆる”邪魔”を峻別し、その間隙を通り抜ける技なんだ」

鬼衆七支 :「鍛錬の暇はなかったけど……自分の身体で受けて理解したよ。七丈を刺した時にね」

鬼衆七支 :「どうだい? こうして七丈は僕の中で生きているんだ!」

鬼衆七支 :「君が不安に思うことなんてないんだよ、ヤコちゃん……!」

鬼衆七支 :十九川ヤコに笑顔を向ける。たった今斬り捨てた者など眼中にないかのように。

十九川ヤコ :子と言えど、父のその技を眼にしたことは、己には在るはずもない。

十九川ヤコ :けれど、一挙手一投足。その構えは、その捌きは。

十九川ヤコ :あの、苦痛に歪む、異形の頭が────────。

十九川ヤコ :荒くなった息を吐き、縋るような眼で、斬撃を受けた彼女を見やる。

鳴無色葉 :「しまっ――」

鳴無色葉 :気づいたときには、身体が刀に貫かれている。

鳴無色葉 :「がっ――――」

鳴無色葉 :どさり、と膝をつく。

鳴無色葉 :隠忍狩りで名を馳せた一族の長。その当主の使う技を、実行部隊の長の七支が使っているからか。

鳴無色葉 :物の怪の血の流れる自分への特攻となっているのか。確かに絶命したかのように見える。

鳴無色葉 :しかし。一瞬、時が静止したかの如く、その身体がぴたりと止まり。

鳴無色葉 :次の瞬間、炎に包まれる。

鳴無色葉 :「っはあ、本当に死ぬかと思ったぞ……!」

鳴無色葉 :炎の中から出てくるのは、先程とほぼ変わらないように見える鳴無色葉の姿だ。

鳴無色葉 :(こんなに短時間で連発するのはマズい。精神の方が持たない……)

鳴無色葉 :「何がどう納得するはずなんだよ……自分が死ぬのに納得できるわけないだろ」

鳴無色葉 :「妖魔と会話するだけ無駄かもしれんがな、さっきからお前の言ってることは『お前』しか見えてないんだよ」

鳴無色葉 :「眼鏡かけてるくせに現実を見るのが怖いのか?」

鳴無色葉 :そう軽口を叩くも、もう肉体の再生は不可能であることを実感している。次に喰らったら本当に死ぬだろうな、と思うと、背中を汗が伝う。

鬼衆七支 :「手厳しいな。確かに僕はおじさんだけど……好きな気持ちに嘘はつけないよ」

鬼衆七支 :「寿命の差なんて、諦める理由にはならないだろう?」

鳴無色葉 :「…………その点に関しては……我は何も言えんが」

鳴無色葉 :「言ってるのはそういうことではない。だから何も見えてないって言ってるんだよ……!」

十九川ヤコ :「───────。うん、分かった」

十九川ヤコ :既に一魔降を抜き放ち、片手でその切っ先を向けた少女が。ぽつりと呟く。

十九川ヤコ :五行さんと、色葉の言う通り。妖魔と化した彼との意思疎通に、意味がないものだとしても。

十九川ヤコ :「好きな気持ちに嘘はつけない」

十九川ヤコ :「全くもってその通り。あたしは優しく、頼れる七支おじさんが大好きだった」

十九川ヤコ :「だから、この“好き”に、あたしは嘘はつけない」

十九川ヤコ :「ごめんね。……だから」

十九川ヤコ :「せめて、見せてあげる」

十九川ヤコ :瞬間、鬼衆七支の背後から、鳴き声がひとつ。

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :景色が一変している。

十九川ヤコ :倒壊した屋敷も、降り注ぐ豪雨も、白雷の檻も。

十九川ヤコ :流れ出る血も、騒がしい喧騒も。既にこの場にはない。

十九川ヤコ :そこに在るのは、遠くに聞こえる、童の笑い声と。緩やかに回る水車の音。

十九川ヤコ :風に揺れる木の葉の音と。囀る小鳥の声が漏れ出る部屋の一室で。

????? :鬼衆七支に寄り添うようにして、肩に頭を乗せている女がひとり。

????? :かつてあった奔放さは鳴りを潜め。落ち着いた雰囲気を醸し出している───身重の女だ。

????? :「おめでとう、七支おじさん」

????? :「あは。もう、違うか」

????? :「おめでとう、あなた」

????? :「十九川家の未来は、きっとこの子が導いてくれる」

????? :そう囁いて、ゆっくりと。手と手を重ね合わそうと、己の手を伸ばす─────。

鬼衆七支 :「ふふふ」

鬼衆七支 :その手を取り、口づけるように触れ。

鬼衆七支 :柔肌を噛み千切る。

鬼衆七支 :思い出したように、二つの頭も牙を剥き、女の顔面に喰らいつく。

????? :悲鳴を上げ、苦痛に顔を歪めた後。

????? :ぎぎぎ、と女の肉が。地が。空が。歪んで崩壊していく。

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :十度目の言葉を終えた“件”が。置き土産とばかりに身体に食らいつく双頭を噛み千切り、霧散していく。

十九川ヤコ :眼前には。封じた妖魔の権能を扱う魔剣を携えた少女がただ、立っている。

十九川ヤコ :「“件”がどんな夢をおじさんに見せたのかは、あたしは知らない」

十九川ヤコ :「お互い、諦めが悪いのは……」

十九川ヤコ :寂しげに微笑んで。

十九川ヤコ :「十九川の血かな」

鬼衆七支 :「参ったよ、流石の妖魔つかい」

鬼衆七支 :「ヤコちゃんは……妖魔にも好かれるもんねえ」

鬼衆七支 :口の端から黒い液体を垂れ流している。身を蝕んでいることは確かだが、意に介したふうもない。

鬼衆七支 :「君はそのままでいいんだよ、ヤコちゃん。ふふふ」

鬼衆七支 :「そのまま、十九川の未来に……なるんだ」

鬼衆七支 :頭をぐらぐらと揺らしながら、目は十九川ヤコの後ろをずっと見ていた。

GM :====


【第二ラウンド】

GM :プロットどうぞ。

芹野 成海 :奥義を使用します!!

芹野 成海 :惟神・黄泉神/くらまし/術式開示 死霊術!

鬼衆七支 :奥義破り! 目標値8

鬼衆七支 :2d6>=8 (2D6>=8) > 8[2,6] > 8 > 成功

鬼衆七支 :成功!

芹野 成海 :おい!!!!!

十九川ヤコ :ギャ~~!!

鳴無色葉 :プロOK!!

水瀬 一理 :OK

芹野 成海 :OK

鬼衆七支 :プロット……OK!

十九川ヤコ :ok

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。

○戦場:悪天候

<プロット6>

(色葉、水瀬、芹野)

<プロット4>

(ヤコ、七支)

GM :プロット6、1d100!

鳴無色葉 :1d100 (1D100) > 94

水瀬 一理 :1d100 (1D100) > 55

芹野 成海 :1d100 (1D100) > 100

GM :芹野さんすご どうぞ

芹野 成海 :う~ん

芹野 成海 :七支さんに接近戦攻撃

GM :どうぞ~

芹野 成海 :SG#6>=5 (判定:罠術) (SG@12#6>=5) > 4[2,2] > 4 > ファンブル

芹野 成海 :??????

GM :おやおや……

鳴無色葉 :成海ーーーーっ!

水瀬 一理 :ドンマイ!

GM :振り直しもなかろう 鳴無さんどうぞ

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :しちしおじさんに災雷!

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :2D6>=6 (判定:異形化) (2D6>=6) > 11[5,6] > 11 > 成功

鳴無色葉 :はあはあ 召喚術!

鳴無色葉 :回避はマイナス3!ファンブルは+2!

鬼衆七支 :すごいことするねえ

鬼衆七支 :んー

鬼衆七支 :判定妨害。

鳴無色葉 :そ、そんな

十九川ヤコ :ギャー!!

鬼衆七支 :『五酷豊穣』《呪術》の判定妨害。6の目を1に。

水瀬 一理 :このーーー

芹野 成海 :すな!!

鳴無色葉 :じゃあ凪デース……

GM :水瀬さんどうぞ!

水瀬 一理 :まず【凶手】指定特技は骨法術。

水瀬 一理 :2D6>=5 (判定:骨法術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功

水瀬 一理 :【雀蜂】指定特技は人脈。対象は七支さん。

水瀬 一理 :奥義を使用します。『水瀬流速読術・凝の型』

水瀬 一理 :完全成功/輝き/分野限定(戦術)。指定特技は千里眼の術。【沈黙】の効果で奥義破り-1。

鬼衆七支 :奥義破り。《千里眼の術》は8に……野望が乗ってたね

鬼衆七支 :じゃあ目標値9だ

鬼衆七支 :2d6>=9 (2D6>=9) > 6[1,5] > 6 > 失敗

鬼衆七支 :失敗か

水瀬 一理 :これでスペシャルとなり、【一角】の効果で回避-3。

鬼衆七支 :うーむ、野望込みで11

鬼衆七支 :【八重垣】が2回乗るので目標値9

鬼衆七支 :2d6>=9 (2D6>=9) > 5[1,4] > 5 > 失敗

鬼衆七支 :ぬぬぬ

水瀬 一理 :射撃2集団戦1

鬼衆七支 :変調の種類は?

水瀬 一理 :呪いを!

鬼衆七支 :うむむ

鬼衆七支 :1d8 (1D8) > 4

十九川ヤコ :!!!

鬼衆七支 :【闇鎌斬】だね

鬼衆七支 :使われることなく……さようなら

system :[ 鬼衆七支 ] HP : 6 → 4

水瀬 一理 :こちらは忍術を回復します

system :[ 水瀬一理 ] 忍術 : 0 → 1

鬼衆七支 :のこり4点。これは恐ろしい

GM :プロット6は以上。芹野さんと鳴無さんは逆凪に。

GM :プロット4、1d100どうぞ。

十九川ヤコ :1d100 (1D100) > 70

鬼衆七支 :1d100 (1D100) > 70

十九川ヤコ :ヒッ

鬼衆七支 :同値!? 運命を感じるね♡

十九川ヤコ :(恐怖)

鬼衆七支 :レディファースト、譲るよヤコちゃん

十九川ヤコ :譲られてしまった

GM :ではヤコさんどうぞ。

十九川ヤコ :おまたせしました!

GM :はあい

十九川ヤコ :五行さんの奥義の使用を宣言したいです。

GM :了解です。

鬼衆七支 :奥義破り。《地の利》は目標値8が野望込みで9だ。

鬼衆七支 :2d6>=9 (2D6>=9) > 4[2,2] > 4 > 失敗

鬼衆七支 :うわー!

十九川ヤコ :ホッ…

十九川ヤコ :選択PCは我ら4人!

十九川ヤコ :生命点1回復と……

十九川ヤコ :並びに、戦場を高所に変更したく。

GM :どうぞ~

鳴無色葉 :謀術回復します えへへ

水瀬 一理 :もう全快してました、なんか

十九川ヤコ :すごい

十九川ヤコ :忍術回復します!

system :[ 十九川ヤコ ] 忍術 : 0 → 1

芹野 成海 :あっ忍術回復します

system :[ 芹野 成海 ] 忍術 : 0 → 1

GM :では行動もどうぞ

十九川ヤコ :はい。

十九川ヤコ :奥義の使用を宣言します。

GM :なにっ

十九川ヤコ :“雨輝” 指定特技:《刀術》 クリティカルヒット/断ち/妖魔限定

十九川ヤコ :当たればランダム4点と接近戦1ダメです。

鬼衆七支 :絶対当たる!

鬼衆七支 :《水術》の絶対防御で防ぐよ!

鳴無色葉 :凪でもスペチェならふっていいんでしたっけ?

GM :凪ならスペチェもだめですね。

鳴無色葉 :クゥ~ン 了解だイタ~

十九川ヤコ :とりあえず……奥義はやぶります!

GM :では奥義破りするのはだれかな

水瀬 一理 :破ります

水瀬 一理 :回想込みで8ですが、がんばるよ

GM :どうぞ~

十九川ヤコ :一魔降の

十九川ヤコ :プライズの使用を宣言します。

鳴無色葉 :感情いる?

十九川ヤコ :・戦闘中、自分の任意の判定にプラス3の修正を得る。この効果はセッション中1回まで使用できる。

十九川ヤコ :えーとこれだと

十九川ヤコ :必要達成値5になるから 大丈夫かな?

鳴無色葉 :おっけ!がんばって!

十九川ヤコ :やるしかねえ~!

GM :振りな~

十九川ヤコ :2D6+3>=8 (判定:騎乗術) (2D6+3>=8) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功

水瀬 一理 :2D6+3>=11 (判定:調査術) (2D6+3>=11) > 12[6,6]+3 > 15 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

十九川ヤコ :イッチ!?

水瀬 一理 :あ、どうも

GM :すご

水瀬 一理 :呪い解除しますね

GM :あ、はい

十九川ヤコ :やったか!?

鬼衆七支 :生命点0……そして戦場が「高所」なので限定不死の条件を突破しています、が

鬼衆七支 :それはこのプロット4が終了したときの話だ……

十九川ヤコ :やめろ~~~!!

鬼衆七支 :やりましょう 【災雷】を

鬼衆七支 :鳴無色葉へ。

鬼衆七支 :2d6>=5 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル

十九川ヤコ :!!!!

鳴無色葉 :うあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

鬼衆七支 :…………

水瀬 一理 :マジ!!!!!!!?

鳴無色葉 :っしゃああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

鳴無色葉 :我がホンモノの雷獣じゃこら!!!!!!!!!!!!!!!

十九川ヤコ :はわわ……

鬼衆七支 :そういうことだったみたいですねえ

鬼衆七支 :戦闘脱落です。

鳴無色葉 :うおーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

GM :勝利条件を満たしたため、戦闘終了です。

十九川ヤコ :やった~~~~!!!!!!

GM :勝者は……君たちだ!

芹野 成海 :やった~~~~~~!!!!!!

鳴無色葉 :やった~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

水瀬 一理 :うわーーーーーーん


GM :====

GM :流れが変わる。

GM :それは、風のかたちなのか。雨の色なのか。

GM :とかく、高速機動の世界において、忍びに奇妙な直観が与えられることがある。

GM :決着。何者かの戦闘不能の足音が迫っている。

GM :泥が跳ねた。

鳴無色葉 :獣のカンか長命者故の経験則によるものか。

鳴無色葉 :かなり追い詰められているはずなのに、どうしてか――勝利の高揚を覚えている。

鳴無色葉 :(どうしてかな。そんなに調子は良くないのに……やっぱり、楽しいからかな)

鳴無色葉 :(……あまり、期待はするものではないと知っているはずなのだが)

鳴無色葉 :『初代様のように刀に適合出来たわけでもない、二代目のように命を賭して妖魔を封じた戦果がある訳でもない。私に長の荷は重すぎる』

鳴無色葉 :――それでもお前が当主に選ばれたのは理由があるはずだ。民が刀を持つことが禁じられた今、世を守るのに必要なのは単なる技量のみではなかろう。

鳴無色葉 :どれ、少しばかり手助けをしてやろう。物の怪の血が混じっているからと即座に斬らずおいてくれた礼にすぎん――

鳴無色葉 :いつだったか、誰だったかとした会話が甦る。

鳴無色葉 :妖かしの血の流れる自分は、隠忍や妖魔への憎しみの強い鞍馬からしたらそうそう受け入れられる存在ではない。

鳴無色葉 :ましてや、他の鞍馬よりは新しい家。付け入られる隙は無いに越したことはないはずだ。

鳴無色葉 :しかし、妖魔狩りの一族の長であるこの男は、自分をすぐには斬り捨てず、対話をし、人と認めてくれた。

鳴無色葉 :その恩義に報いる為、陰ながら手を貸してやると決めたのだ。

鳴無色葉 :『――ザザ貴女のおかげで随分、ザザザ――ザザで、婚姻をザザザザザザ――』

鳴無色葉 :『この里にまでザザ美しい娘だとザザザザ』

鳴無色葉 :『今までの礼に、貴女にこれを――』

鳴無色葉 :思い出したくない記憶にノイズが走る。

鳴無色葉 :何を期待していたのだろうか。

鳴無色葉 :この者にとっては、敬意をもって接すれば益をもたらすこともある隣人――決して交わることのない、怪異にすぎなかっただけのこと。

鳴無色葉 :関わることがまず間違いだったのに、深入りするなどもってのほかだったのだ。彼を責めるのはお門違いだ。

鳴無色葉 :けど、どうしてか、寂しい。

鳴無色葉 :決して手に入らない幸せが、眩しい。

鳴無色葉 :彼の振るえなかった刀によく似た緋色の小刀。

鳴無色葉 :何を思ってこれを贈ったのだろう。

鳴無色葉 :(……恋幟(こいのぼり)、か)

鳴無色葉 :その刀を何百年も肌身離さず持ち歩いている自分の女々しさに苦笑する。

鳴無色葉 :鞍馬の一族、隠忍狩りで名を馳せた名君の認めた刀は性能がいいというだけだと言い訳して。

鳴無色葉 :(……感傷に浸っている場合ではない。目の前のことに集中しないと)

鳴無色葉 :その緋色の刀身を翻す。雷を導くように。

芹野 成海 :懐から何か取り出し、泥濘の地面へ投げつける。

芹野 成海 :割り箸の先へ符のメモ帳を張り付けた索──

芹野 成海 :一つには『阿伽多』/『多伽阿』

芹野 成海 :一つには『刹帝魯』/『魯帝刹』

芹野 成海 :一つには『須陀光』/『光陀須』

芹野 成海 :一つには『蘇陀摩尼』/『尼摩陀蘇』

芹野 成海 :雷除けの呪符。それを外側へは正順に/内側へは逆順に書きつけてある。

芹野 成海 :鵺の権能で起こされる雷を止め/雷獣の権能で起こされる雷を扶ける。

芹野 成海 :最後に、緋色の刀を持って舞う彼女の背中へ、一枚の符。

芹野 成海 :『鬼鬼
      鬼鬼 喼急如律令
      鬼鬼鬼     』

芹野 成海 :凶日に凶方位へ向かうための符。──せめてもの守りにと。

芹野 成海 :「──行け!」

鬼衆七支 :「おお、雷だ……次はしくじらないよ」

鬼衆七支 :「そうだろう?」

鬼衆七支 :隣に話しかける。

:『かみ、なり』

:ぼそぼそと、意味のあるような言葉を発し始める。

:『どで、じみづ、だり』

:『まごじろう、ぶするも』

:支離滅裂な言葉。

:”件”の声に酷似している。

:『ぎどいとわし。はるるものじみつきに』

:八つの預言を口にすることは無い。

:ひとつひとつの言葉を発する度、口から黒い雲を吐き出す。

:雷が黒雲に絡めとられていく。

鬼衆七支 :「そおれ」

鬼衆七支 :黒雲ごと雷を切り裂く。七支刀がばきばきと音を立てて帯電する。

鬼衆七支 :「素晴らしい、こんなことまでできるなんて」

鬼衆七支 :「君たちから学ぶこともできるようになる。獣の血が入っていても、ともに手を取りあうことができる」

鬼衆七支 :「色葉ちゃん。成海ちゃん。ひとつになれば、それも難しくないんだよ」

鬼衆七支 :「うふふ……」今しがた攻撃を行ってきた二人に話しかけているはずなのだ。

鬼衆七支 :眼球だけが、十九川ヤコの方角を向いて離れない。

水瀬 一理 :好都合だ。

水瀬 一理 :その目が、こちらを見ていない。その心が、こちらに向いていない。

水瀬 一理 :「『文字禍:茨姫』」

水瀬 一理 :その隙を突き、一度鬼衆七支の中に沈んだ記述が、ずるりと浮かび上がる。

水瀬 一理 :文字は反転し、組み変わり、また新たな物語へ。

水瀬 一理 :そうして、黒い文字列の茨の如き棘でまた魂を傷つけ……ずるりと、水瀬一理の元に。

水瀬 一理 :文字列は手にした白紙の本の中に収まり、行儀良く整列する。

水瀬 一理 :呪いを受け、眠れる姫がやがて王子により目覚める、そういう物語。

水瀬 一理 :そういう、単純で、愛らしく、夢見がちな物語。

水瀬 一理 :(あなたがもしこういう物語を愛していたのなら、少しばかりわからなくは、ないんだ)

水瀬 一理 :激昂の中に、微かに芽生えた憐憫を込めて眉を顰める。

水瀬 一理 :「貸与はする。だが、その分返却もさせてもらう」

水瀬 一理 :「図書館の絶対原則だ。あなたの夢は、封じる」

水瀬 一理 :「…………」

水瀬 一理 :「……どうして、もっと他のやり方を」

水瀬 一理 :「こうまで血の流れない愛し方を、選べなかったんですかね」

水瀬 一理 :妖魔と話などしても無駄だ、と。そう理解している。

水瀬 一理 :だが、この男はどこか、自分の中に漂う嫌な何かを見ているようで。

水瀬 一理 :微かに似ているからこそ、あってはならない存在であるようで。

水瀬 一理 :だからこそそれを、怒りだけで無碍に否定することも、してはならないような気がした。

水瀬 一理 :己の心を知るためには。

鬼衆七支 :ぶちぶちと皮膚と肉が裂ける。

鬼衆七支 :呪いごと切り離す術式なのかもしれない。最早それは、人であった頃の動きを模倣している以上の効果は無い。

鬼衆七支 :「血が流れないやり方じゃない」

鬼衆七支 :「血が離れないやり方じゃないと。僕たちは、一族なんだから」

鬼衆七支 :「辛いときは支え合うんだ。喜びは分かち合う」

鬼衆七支 :「そうして積み重ねてきた。僕はその歴史書を読むのが好きだった……」

鬼衆七支 :左手に抱えていた、十九川について記していた書物は、たった今千切れた腕とともに落ちた。

鬼衆七支 :泥に塗れているそれを、意に介した様子もない。

水瀬 一理 :「……その愛し方は、やはり」

水瀬 一理 :「聞こえばかり良くて。違いますね。私のものとは」

水瀬 一理 :「……図書館では、お静かに」

水瀬 一理 :「ありがとうございました。囀りを」

水瀬 一理 :落ちた本を、泣きそうな顔で見て、また顔を上げる。

十九川ヤコ :想いが錯綜する。

十九川ヤコ :こちらに向けられる妖魔の眼と、視線を交差する度に。揺らぎそうになる意思が。

十九川ヤコ :彼らの熱と、声と、力に、後押しされる。

十九川ヤコ :まだ、あたしは。刀を握ることができる。

十九川ヤコ :“一魔降”の鯉口から、薄煙が登る。

十九川ヤコ :ばちばちと、音がなる。

十九川ヤコ :放電により。裂かれた空気が振動することから生まれるそれではなく。

十九川ヤコ :急速に加熱された空気中の水分が。弾けて繰り返し爆発する音。

十九川ヤコ :白煙は広がっていく。

十九川ヤコ :もうもうと焚かれる、妖気の入り混じった煙の中に。

“延煙火車髑髏” :その身丈、仰ぐ程に巨大な。炎の鎧を纏った、骸骨の巨人。

“延煙火車髑髏” :炎と煙の権能を有する大妖魔が。大地を揺らし顕現する。

十九川ヤコ :一魔降を通じて。語りかけてくるものがある。

“延煙火車髑髏” :『憎し』

“延煙火車髑髏” :『あな憎し』

十九川ヤコ :火災により命を散らした、数多の人々の無念たる想い。怨念。

十九川ヤコ :それらが形を成したこの妖魔は。生きとし生けるものすべて。眼に映る何もかもを、灰燼に帰すまで止まらない。

十九川ヤコ :志半ばで、十九川二郎に封じられた今も尚。この妖魔の衝動は。所有者である己の胸を焦がすばかり。

十九川ヤコ :でも。

十九川ヤコ :八雲は言った。

十九川ヤコ :己の命を捧げ、その身を鵺と化した十九川二郎も。

十九川ヤコ :元は、献身の想い。民草の命を助けたいという想いがはじめにあったのだと。

十九川ヤコ :きっと。

十九川ヤコ :それは、彼にも言えることなのだろう。

十九川ヤコ :はじめは、違ったのだ。

十九川ヤコ :まだ死にたくない、生きていたいと。

十九川ヤコ :現実を受け止められないあまりに、変質してしまった。

十九川ヤコ :そして、それは。

十九川ヤコ :変わり果てた姿の、叔父の姿をしかと見据えて。

十九川ヤコ :傍らの妖魔に告げる。

十九川ヤコ :「駄目だ」

十九川ヤコ :「全てを壊すのは、許さない」

十九川ヤコ :「あたしの目の、黒いうちはね」

十九川ヤコ :頬に伝う涙をそのままに。漫然と一魔降を振り上げて。

十九川ヤコ :二房に纏めた髪を切る。

十九川ヤコ :「でも、あたしの元でなら────────」

十九川ヤコ :「ちょっとくらい、暴れてもいいぜ」

十九川ヤコ :「元はと言えば、あんたが撒いた火種でしょ」

十九川ヤコ :「力を貸しなさい」

十九川ヤコ :『ひもとのかみ ひのもとのかみに』

十九川ヤコ :『きんぜいし たてまつる』

十九川ヤコ :炎をまとった、災いの化身の姿が。陽炎のように霧散していき。

十九川ヤコ :“一魔降”の刀身へと吸い込まれていく。

十九川ヤコ :「あたしは知ってる」

十九川ヤコ :「里のみんなが、あたしに期待なんてしてないってこと」

十九川ヤコ :「本気で十九川を変える逸材だなんて、本気で信じてない」

十九川ヤコ :「でも───────」

十九川ヤコ :「何かを変えてくれそうな気がする強さを持ったヤツだって」

十九川ヤコ :「あたしを頼ってくれる、ヒトらがいるから」

十九川ヤコ :「絶対に、諦めねーの」

十九川ヤコ :大気が震える。妖気で真っ赤に染まりきったその刀を。

十九川ヤコ :「それに」

十九川ヤコ :「やっぱり、あたしは─────────」

十九川ヤコ :鬱蒼とした気持ちになる。雨の日よりも。

十九川ヤコ :雲が、少しだけ。見え隠れするような。

十九川ヤコ :青い、青い、水のように澄んだ───────青空が好き。

十九川ヤコ :「あーした、天気に」

十九川ヤコ :「なーあー、れええええぇえええぇぇええっっ!!!」

十九川ヤコ :

十九川ヤコ :一閃。

十九川ヤコ :鬼衆七支を貫き。雨を、雷を、雲を、空を裂き。

十九川ヤコ :天まで届くのは。

十九川ヤコ :未来を切り開く、“雨輝(あまてらす)”の刃。

鬼衆七支 :「うわあぁっ……!」

鬼衆七支 :熱が雨を蒸発させていく。大気が乾き、雷が遠ざかっていく。

鬼衆七支 :そして、肩の刀傷を焼き潰すように、斬撃が体を両断した。

鬼衆七支 :沸騰した血が零れ落ちる。噎せ返るような臭いがする。

鬼衆七支 :「ヤコちゃんは、その妖魔さえ、許しているんだねえ」

鬼衆七支 :「もっと見せてほしいんだ、君の未来を……!」

鬼衆七支 :蒸気が急速に固まっていく。白い雲が形成されつつある。

鬼衆七支 :鵺。雨と雷の権能。

鬼衆七支 :”延煙火車髑髏”を調伏したその慈雨であれば、焼け爛れた傷すらも癒すことができる。

鬼衆七支 :「やさしき雨よ、降れ──」

水瀬 一理 :(……まったく。水濡厳禁と何度言っても、この土地は)

水瀬 一理 :(ずっと、ずっと、泣いているようで)

水瀬 一理 :(…………)

水瀬 一理 :(送り込まれて、本当に。苦労ばかりをする)

水瀬一理の【秘密】

あなたは隠れ里に入り込むにあたって、十九川家に伝えられる妖刀「二色乞」の調査をするよう命じられている。

きっかけは、ある比良坂の巫女の『六つの剣の欠片が、世の変革を齎す』という預言だった。“六つの剣”についてあなたが古文書を調べたところ、江戸時代末期に、折れた剣の鋼を材料に、六振りの魔剣が鍛造されたという記述を発見した。

そのうちの一振りが「二色乞」である。魔なるものを峻別する非常な力を、単なる退魔の一族が継承していることについては、かねてから比良坂機関の中でも警戒されていたらしい。

目の前の「二色乞」に接近できる機会、婚姻の儀に潜り込む任務を、上司にも内密であなたは与えられたのだ。


あなたの【本当の使命】は、「二色乞」の【秘密】を入手することだ。


なお上司にも婿入りするつもりは無いらしい。婚姻の儀に用いる勾玉をあなたは押し付けられた。

あなたはプライズ「勾玉・壱」を所持しており、この【秘密】を入手したPCは、「勾玉・壱」の【情報】も獲得する。


水瀬 一理 :常日頃の水瀬一理の居場所は、窓の少ない暗い資料室の書架のひとつ。

水瀬 一理 :奥の奥で引きこもり、古書の整理に携わっていることがほとんどだ。

水瀬 一理 :外が嫌いというわけではない。ただ、あまり他人と上手く関係を築ける自信はなかった。

水瀬 一理 :そうしているうち、蜂が蜜を見つけ、巣に運ぶように、その古文書は彼に発見され、上へと届けられた。

水瀬 一理 :何が起こるか、はわかりきっていたし、知人が絡んでいることも承知の上。

水瀬 一理 :そのまま調査の命が下ろうとも、申し訳ないなどと思うはずもなかった。

水瀬 一理 :十九川ヤコとて恨みに思う性質でもあるまい、と。

水瀬 一理 :群れを成し暮らす雀蜂に本来情は不要、ただ巣に尽くすのみ。

水瀬 一理 :……建前だ。

水瀬 一理 :彼は時に回りくどくこれを破る。それでも、必要な建前だった。

水瀬 一理 :危険な、力ある刀。在処を定めねばならない。それを、ただの退魔の一族の一少女が手にしている。

水瀬 一理 :……苦しくはないのだろうか、と思った。重たくはないのだろうか、と。

水瀬 一理 :聞けば、一族では婚姻の儀までもが執り行われるという。

水瀬 一理 :彼女が背負っているものについて、少々考える気にはなった。

水瀬 一理 :そうして、潜り込んで、秘密を知って、語らって。

水瀬 一理 :彼女の強さを知った。

水瀬 一理 :悲劇があった。涙を見た。震える肩に触れた。

水瀬 一理 :彼女の脆さも知った。

水瀬 一理 :現在、水瀬一理は建前と本音とを協議させながら、こう考えている。

水瀬 一理 :それでも、まさに今、二色乞を手にするべきは十九川ヤコであるのだと。

水瀬 一理 :その先はまだわからない。彼女一人が負うべき業であるのかどうかもわからない。

水瀬 一理 :ただ、一人では重すぎるとしても。彼女の周りには確かに信を置ける人間が居る。

水瀬 一理 :それこそが彼女自身の美徳であるのだと、そう思う。

水瀬 一理 :自分は。

水瀬 一理 :引きこもりの、実は自信のない、人の力を借りてこそこそと嗅ぎ回り、疑心暗鬼ばかりの自分は。

水瀬 一理 :時々、周囲をうろついて、楽しそうなところを眺められればそれで良かったはずなのだが。

水瀬 一理 :(……それでも)

水瀬 一理 :本心を伝えろだの最上の景色だの人間らしいだの信頼できるだの。

水瀬 一理 :ああ、誰も彼もが彼を掻き毟る。

水瀬 一理 :(それでも、もう少しくらいは一緒に居ても、いいのだろうか)

水瀬 一理 :おかげで、そんな大それたことまで考えるようになってしまった。

水瀬 一理 :いつの間にか幅を利かせるようになった我と、未だに上手く扱えない情が、半端に蠢いている。それが今の水瀬一理。

水瀬 一理 :弱くなった。弱くなってしまった。

水瀬 一理 :だからこそ、共に戦えている。

水瀬 一理 :今も。

水瀬 一理 :降りしきる雨を見つめる。髪を切った少女を。

水瀬 一理 :(……話そう。彼女の好きなところで)

水瀬 一理 :(私には及びもつかないような、眩しい世界で)

水瀬 一理 :(私は、皆の写真を待受にすることもできないような臆病者ですが)

水瀬 一理 :(憧れの君が、私を尊敬しているなんて、そう言ってくれるのなら。それだけで……)

水瀬 一理 :雨雲が晴れた、遙かな青空のような。そんな気持ちになれるのだから。

水瀬 一理 :手元で湿った紙を使い、自分で紙飛行機を折る。中に、さらさらと文字を書き込む。

水瀬 一理 :「さて。独力ではあの髑髏には迫るまいが」

水瀬 一理 :「『文字禍:地獄変』」

水瀬 一理 :「地の底の炎を与えよ」

水瀬 一理 :つい、と飛ばされた紙飛行機は、不自然なまでに真っ直ぐに雨の中を突っ切る。

水瀬 一理 :しゅうしゅうと獄炎で雨を弾き、蒸発させ、雲を突き。

水瀬 一理 :「……彼女の未来は。まだ」

水瀬 一理 :「白紙だ!」

水瀬 一理 :火達磨となって、弾けた。

鬼衆七支 :「うう……!」

鬼衆七支 :目の前で炸裂する炎に、目を抑える。

鬼衆七支 :肌が焼ける。雨が失われ、渇いていく。

鬼衆七支 :「待ってくれ……まだ婚姻が終わって、ない……」

鬼衆七支 :「幸せにできるんだ……十九川も鬼衆も、御洞も……みんなが協力して……」

鬼衆七支 :虚ろな目が水分を探す。

鬼衆七支 :何でも良かった。斬って血が吹き出す存在なら、血族以外は誰でも。

鬼衆七支 :はじめて、鳴無色葉を視界にとらえる。背骨がぐねと歪み、右腕を伸長する。

鬼衆七支 :「見せてあげるから……!」

鳴無色葉 :「ひ……っ」

鳴無色葉 :そのどこまでも狂い続ける執着心に、根源的な恐怖を感じ。

鳴無色葉 :逃げられはしない――そう理解をしつつも、咄嗟に癖で小刀を構える。

鬼衆七支 :小刀ごと、七支刀で叩き切ろうとする。

鬼衆七支 :開かれた眼は、緋色の刀身をよく見ている。

鬼衆七支 :鬼衆七支は、十九川家の歴史を研究し、知りつくしていた。そのために過去を嘆き、未来を憂いていた。

鬼衆七支 :「────恋幟」

鬼衆七支 :だから、見間違おうはずもなかった。

鬼衆七支 :だからこそ、見間違えた。

鬼衆七支 :「そうかあ……君も……十九川だったんだね」

鬼衆七支 :剣を降ろす。先ほどまで戦っていた相手の顔さえ認識せず、刀だけを見て笑顔を浮かべる。

鬼衆七支 :血族以外であれば、誰でも良かった。

鬼衆七支 :だから、血族しかいないのだから。

鬼衆七支 :戦いは終わりだった。

鬼衆七支 :膝をつく。身体からしゅうしゅうと煙が上がっている。

十九川ヤコ :刀を納め、静かに歩み寄る。

鬼衆七支 :「ヤコちゃん……ヤコちゃん」焦げた肺から、掠れた声を上げる。

十九川ヤコ :「うん」

十九川ヤコ :「ここにいるよ、おじさん」

鬼衆七支 :「君みたいな……素敵な子がいたこと」

鬼衆七支 :「忘れないよ……ずっと……」

十九川ヤコ :「あたしも」

十九川ヤコ :「バカ言って、目の敵にされちゃったり」

十九川ヤコ :「ワガママ言って、みんなを困らせちゃったり」

十九川ヤコ :「そんな時、おじさんがいっつも、あたしを助けてくれたこと」

十九川ヤコ :「絶対に忘れない」

十九川ヤコ :「……おじさんが、あたしを。素敵だなって」

十九川ヤコ :「思ってくれたのはね。きっと────」

十九川ヤコ :「やり方は、ひどく間違ったものだったかもしれない」

十九川ヤコ :「それでも、里を、因習を憂いて。みんなの幸せを願って。我武者羅に頑張ることが出来た」

十九川ヤコ :「純粋で、優しい心を持った。素敵な人たちが側にいてくれたから」

十九川ヤコ :「……けど。父上を、里のみんなを手にかけたのは。あたし、死ぬまで許すつもりはないから」

十九川ヤコ :「せいぜい、指加えて。見ててよね」

十九川ヤコ :「ただの小生意気なガキが、好きなように、想うがまま」

十九川ヤコ :「新しい十九川の歴史の1ページを、刻むサマをさ」

鬼衆七支 :「勿論……楽しみだなあ……」

鬼衆七支 :「僕は……信じてる……から。ヤコちゃんが……」

鬼衆七支 :「十九川を……変える……天才……」

鬼衆七支 :最後の空気が肺から流れる。

GM :乾いた風が、その言葉をさらっていく。

GM :──青空が、雨後の雲間から輝いていた。

GM :====


GM :====

GM :クライマックスフェイズを終了します。

GM :====

【ED:十九川ヤコ】

GM :──古夜・客間。

GM :自然光の入る、手入れの行き届いた和室。懐かしい畳の匂いがする。

GM :十九川ヤコは、一室で目を覚ます。

GM :霊森の行軍からいくつも戦闘を終え、何より愛していた者たちとの別れを経験した。疲労はすさまじいものだったのだろう。

GM :体の節々が痛む──

御洞ヤサメ :「あら……起きられましたのね」

御洞ヤサメ :部屋の隅で文机に向かっていた、大きな背が振り向く。

御洞ヤサメ :「お身体に障りは?」

十九川ヤコ :「………んがぐ!」奇妙な声をあげて。被せられていた布団からばっ、と起き上がる。

十九川ヤコ :「あ……ヤサメ様」

十九川ヤコ :「……今すぐにでも、二度寝かましたくらいには、まだヘトヘトかも」

十九川ヤコ :少し身体を起こしただけでも。全身が悲鳴を上げているのがわかる。

御洞ヤサメ :「そう。ならば早く起きてくださいな」

御洞ヤサメ :特に気遣う様子もなく、布団の側による。

十九川ヤコ :「そんなご無体な……」ぐでん、と身体を伸ばしながら。

十九川ヤコ :「あのあとは……ヤサメ様は、もうなんともない?」

十九川ヤコ :「みんなは……」

御洞ヤサメ :「しなければならないことが、いくつもありますわ。まずは……」

御洞ヤサメ :指をつき、床に擦り付けるように頭を下げる。

御洞ヤサメ :「十九川家当主に対する、此度の無礼、並びに襲撃。お詫びいたします」

御洞ヤサメ :「すべてはこのヤサメが一人で行ったこと。腹を斬れと言われれば従います。どうか御洞の者には類の及びませんよう、願い申し上げます」

十九川ヤコ :ぱちぱち、と目を瞬いて。ややあってから口を開く。

十九川ヤコ :「……元はと言えばね」

十九川ヤコ :「最初の雨森の儀で起こったこと。……八雲のことを。詳らかにしなかった、あたしに責があるの」

十九川ヤコ :「ヤサメ様の怒りも、哀しみも……家族を失ったひとが持つには、あたりまえのものだ」

十九川ヤコ :「七支おじさんみたいに。数多の十九川の一族を。自ら手にかけているなら。……その沙汰は、下さなければならないかもだけど」

十九川ヤコ :「でも……ヤサメ様も、それをされた側のひとじゃんか」

十九川ヤコ :「それに……あたし、今はピンピンしてるし」

十九川ヤコ :「だから、顔を上げて。あなたも……もちろん、他の御洞の方々にも。あたしが何か罰する権利なんてないよ」

御洞ヤサメ :「寛大な沙汰に感謝いたしますわ」

御洞ヤサメ :ひょいと顔を上げる。平気な表情だ。

十九川ヤコ :「……け、ケロっとしてやがる」

十九川ヤコ :「さては……あたしがこういうだろうな、ということを……」

御洞ヤサメ :「ご自分の言葉に責任を持つべきですわ、当主様ならなおさら」

御洞ヤサメ :歯を見せて笑っている。

十九川ヤコ :「……腹黒ババアめ」ぼそり。

御洞ヤサメ :「ええ……少しは覚えなさいな」

御洞ヤサメ :「名実ともに。当主になりましたのよ、十九川ヤコ様」

御洞ヤサメ :「十九川様……七丈様は亡くなられ、鬼衆七支の手で十九川の有力者も、何人か」

御洞ヤサメ :「……比良坂機関の五行氏の言葉では、十九川家自体が取り潰しになることはございませんわ」

御洞ヤサメ :言外に、他の鞍馬流派からの十九川に対する圧力もあることを示している。

十九川ヤコ :当主、当主かあ。改めて言われると実感ないな…とぼやきながら。

十九川ヤコ :「そかそか、比良坂さんちには公私共々お世話になってるからさ、へへ」

十九川ヤコ :“彼ら”と刃を交えることになる未来など。正直ぞっとしてしまう。

十九川ヤコ :ほんとのところ。あたしはまだ、きっぱりと割り切れるほどに、強くない。

十九川ヤコ :「……お隣さんはなんて?」

十九川ヤコ :「大方……一魔と二色目当てなんだろうけどさ」

御洞ヤサメ :「そんなところですわね」

御洞ヤサメ :「どこから漏れたのやら。家宝を二つ揃って里の外に持ち出す、葱を背負った鴨がいると知れたようですわ」

十九川ヤコ :「相当な自信家にして腕利きだねその鴨は。ヤサメ様も見習った方がええんでない?」

御洞ヤサメ :「私は箱入り娘ですの。野山を汚れて羽ばたく、こげ茶色のトリになりたいなんて、とてもとても」

御洞ヤサメ :「……古夜は守りますわ。喧しい鴨一羽いないところで、何も影響ありません」

御洞ヤサメ :「どこへなりとも飛んでいったらいいでしょう。狩人がうろつかなくてせいせいいたしますわ」

十九川ヤコ :にひひ、と顔をほころばせて。

十九川ヤコ :「わがままで、粗暴で、無鉄砲な鴨でもさ」

十九川ヤコ :「帰るべき巣は必要だからね」

十九川ヤコ :「その点、あなたなら安心だ。内政だの人心掌握術だの、あたし、考えるだけで蕁麻疹出ちゃうし」

十九川ヤコ :「ふふふ。これからも頼みますよ。八代目の相談役として」

御洞ヤサメ :「ふん。お守りが増えますわね。ただでさえ後代の修業に忙しいのに」

御洞ヤサメ :「……皮肉ですけれど」

御洞ヤサメ :「こうして上層部がすげ変わっても立て直せるのは、鬼衆七支が体系化した修練書によるものです。紛れもない事実としてね」

御洞ヤサメ :「彼は……すべてを書き記していました。歴史から学んだこと、妖魔についての戦いの記録」

御洞ヤサメ :「自らや血族に課した悍ましい術に、御洞の……先代当主を謀殺した経緯」

御洞ヤサメ :「『すべてはひとつの歴史になる』と書いてあったのだと」

御洞ヤサメ :「……何を遺したかったのでしょうね、あの怪物は」

十九川ヤコ :「……あのひとは、ね」

十九川ヤコ :「最後まで、純粋に。十九川の未来について、話してた」

十九川ヤコ :「この方法なら。忌むべき因習も、一族に流れる血も、争いも。全てが無くなるんだって。そんな未来を本気で信じてた」

十九川ヤコ :「彼がその過程で行った行為は。あたしも、あなたも。彼が死した今も尚。この先ずっと、許せないと思う」

十九川ヤコ :「心の奥に刺された楔は、そう簡単に抜けやしない」

十九川ヤコ :「でも……だからこそ、それを。ただの“暴走した鬼衆家の一人が起こした反逆”で。あたしは終わらせたくない」

十九川ヤコ :「その記録は。あたしたちにとって、目にする度に心を苛むものだけど」

十九川ヤコ :「丁重に扱ってください」

十九川ヤコ :「それがきっと。新しい十九川のためになるはずだから」

御洞ヤサメ :「当主様のご命令なら、仕方が無いですわ」

御洞ヤサメ :「といっても。何冊かは”資料室”に持っていかれるそうよ」

御洞ヤサメ :「事態を収束させる対価か何か知らないけれど。比良坂に弱みを握られた形になりましたわ」

御洞ヤサメ :「公私ともに、お世話になることになりそうね」

十九川ヤコ :「えっ」やや意外そうに。

十九川ヤコ :「あ~。そっか。それなら……うん」

十九川ヤコ :「ウチで管理するより、よっぽど安全だ。あはは……」何処となく残念そうな顔。

御洞ヤサメ :「ふん。結界の破りかたも知らないくせに、安全かどうかはわかりますのね」

御洞ヤサメ :「見に行きたいのならさっさと行きなさい。お友達はとっくに全員、古夜の結界から弾き出しました」しっしと手を振る。

十九川ヤコ :「ふ~んだ。どうせあたしは刀を振るしか能のない女だっつーの」

十九川ヤコ :んべっ、と舌を出して。ゆっくりと立ち上がる。

十九川ヤコ :「じゃあ……また、ちょっと。出かけてきます」

十九川ヤコ :「後進の育成、頑張ってね」

十九川ヤコ :「あっ、七支おじさんの後継。スゴ腕そうな鬼衆家の人も見繕っといてね」

十九川ヤコ :「霊森はたぶん、あまり影響はないけれど……異常無いか、ぐるっと巡回よろです」

十九川ヤコ :「あと。入浴剤切れてた。ラベンダーのやつ希望します」

御洞ヤサメ :「ご自分でお買いになって」

御洞ヤサメ :「……」

御洞ヤサメ :息を吸う。

御洞ヤサメ :「十九川ヤコ」

御洞ヤサメ :「……あの子の死についても、鬼衆七支の残した文に書いてありました」

御洞ヤサメ :「……何か」

御洞ヤサメ :「言っていた、かしら」

御洞ヤサメ :声の淵がかすかに震えている。

十九川ヤコ :渡りへと続く戸を開ける。暖かな光に、眩しそうに目を細めて。

十九川ヤコ :「あなたのことを」

十九川ヤコ :「気にかけるように。悪い人じゃ、ないからって……」

十九川ヤコ :あんたに言われなくても、知ってるし。と文句を垂れて。

十九川ヤコ :「御洞八雲は」

十九川ヤコ :「最後まで、────────いいや」

十九川ヤコ :「いつだって。あなたのことを、心配して」

十九川ヤコ :「大切に想っています」

十九川ヤコ :そのまま振り返らずに、部屋を去る。

十九川ヤコ :空の向こう。青に溶けるようにして。

十九川ヤコ :朗らかな笑顔のようにも見える。雲の切れ端が浮かんでいた。

GM :====


GM :十九川ヤコさんは、【政治的対立】の弱点を未修得にしてもよいものとします。

十九川ヤコ :和解します!

十九川ヤコ :未習得で。

GM :了解です。

GM :====

【ED:水瀬一理】

GM :──████。

GM :──第伍拾壱號書架。

GM :比良坂機関が所有する”移動書架”の一の中。図書館の蔵書は、行きよりも少し増えている。

GM :あなたはこの書架に”載って”移動している。

GM :上司と、一人の女性とともに。

千島ササヤ :「あのう……」

千島ササヤ :赤紐によって全身を縛られ、床に転がされている。紐と身体の隙間には、押し花の栞が差し込まれている。

千島ササヤ :「逃げないわ、逃げないから……解いてくれないかしら……」

千島ササヤ :仕えていた鬼衆七支が死亡したとき、千島ササヤは一目散に逃走していた。

千島ササヤ :古夜中に張り巡らされていた、花のような罠によりあえなく捕らえられ、身柄は比良坂機関が預かることになった。

千島ササヤ :「そもそも脅されてたのよね、私……むしろ被害者なのよ……」

千島ササヤ :「因習を変えるため立ち上がるいい機会だと思ったわ。本当よ。本当だから解いて……」

五行 :「とまァ、そういうわけで」

五行 :「本来であれば彼女も、頭と手足を花占いのよォに千切られていてもおかしくなかったところ」

五行 :「こうして平和に終わらせられたワケです。いい仕事をしましたよねェ」

五行 :紅茶のカップを傾けている。

水瀬 一理 :"提供"された蔵書の一冊を丹念に眺めていたが、目を上げる。

水瀬 一理 :「お疲れ様でした。本当に。来る時はこんなことになるとは思いもよらなかったなあ」

水瀬 一理 :ちらりと千島ササヤの方を見る。

千島ササヤ :H・E・L・Pと口パクで伝えている。

水瀬 一理 :三周くらいしたところで、にこりと笑い。

水瀬 一理 :「猿ぐつわとかはしないんですね。平和平和」

水瀬 一理 :「言論の自由、素晴らしいことです」

水瀬 一理 :自分も紅茶をゆっくりと飲む。

水瀬 一理 :……許すつもりは、ない。

水瀬 一理 :何に対してそんなに怒っているのかも、よくわからないが。とにかくない。

水瀬 一理 :「……やっぱり、いい香りですね。この紅茶」

水瀬 一理 :「行きもいただきましたが」

五行 :「でしょォ? こだわっているんです」

五行 :「大事なのは、弱みを埋めるのではなく」

五行 :「強みを伸ばすことですねェ。この表現が的確かは、わかりませんが」

五行 :「香りが良いが苦みが強い茶葉があれば、苦みを消すのではなく……より香りを引き立ててやるのがよい」

五行 :「古い家も同じですよねェ」

五行 :「歴史が力を生むのなら、その功を伸ばすべきで、罪を隠すことに必死になるべきじゃァない」

五行 :「鬼衆七支の遺稿を公開させたことで、罪は明らかになりました」

五行 :「しかしお陰で、古夜の後進は育ちやすくなる。膿を出して、すくすくとねェ」

五行 :「鵺も調伏され、『一魔降』に封じられた」

五行 :「何より、分家当主が宗家当主を殺したんですからねェ。もはや鬼衆家は、文句を言おうにも言えないでしょォ」

五行 :「八方丸く、とはこういうことを言うんですよねェ」両手で丸を作り、朗らかに笑う。

水瀬 一理 :「なるほどねえー」スプーンを手の中で回そうとして、止める。

水瀬 一理 :「香りか。五行さん。実はですね。あまり強い香りって、本に移りかねないんですよ」

水瀬 一理 :「だから、今とかもこういうものを使ってます」

水瀬 一理 :白い栞と黒い栞を取り出す。

水瀬 一理 :「香り寄せと、香り避け。おかげでこうしてのんびり紅茶が飲める」

水瀬 一理 :「これをですね、使って」

水瀬 一理 :「あなたの残り香を追いました。あの里で」

五行 :「ほォ」

水瀬 一理 :「まあ、大変でしたね! 雨で流れてるし、そもそも消えかけるし」

水瀬 一理 :「でも追って追って追って、聞き込みもたいそうしてですね。頑張ったんですよ、これでも」

水瀬 一理 :「言われたとおり、暴いて見せるために」


水瀬 一理 :プライズの効果を使用したいです。

水瀬 一理 :エンディングで一度だけ情報判定を行うことができる、はず

GM :公開してください。

【プライズ】「花の匂い」の【秘密】

この【秘密】は受け渡しできない。

十九川家当主の部屋に、僅かに漂っていた匂い。


この【プライズ】の所有者は、エンディングで一度だけ情報判定を行うことができる。

水瀬 一理 :五行さんの秘密について、調査術で調べたいと思います。

GM :どうぞ。

水瀬 一理 :【内偵】の効果で自動成功となります。

GM :判定は成功ですね。【秘密】を送ります。

水瀬 一理 :受け取りました


五行 :「……いやァ、優秀ですね」

水瀬 一理 :「…………」紅茶を一口。

五行 :「私があなたを連れてきたのには、三つの理由があります」

五行 :「一つはこの移動書架。もう一つは、あなたの情報収集力」

五行 :「そして最後の一つは、あなたたち公安は、【沈黙】を守ることができる」

五行 :「”情報は秘されてこそ価値がある”」

五行 :「八方丸く収まった”シナリオ”に、更なる波紋を引き起こすのか」

五行 :「それは望ましくない。私にとっても、そして誰かにとっても」

五行 :「あなたは情や我ではなく、忠に殉じた判断ができると、信じているから連れてきたんですよォ」

五行 :頬を上げて笑う。

水瀬 一理 :「……ずいぶんと買いかぶりをされているなあ、というのがひとつ」指を立てる。

水瀬 一理 :「あ、過分な評価をいただき感謝、っていう方がいいですかね」

水瀬 一理 :「ともあれ。私が……もし情だの我だのを選んだとしましょう」

水瀬 一理 :「そうしたら……それでも」

水瀬 一理 :「それでも、沈黙を選ぶような気もしています」

水瀬 一理 :「まだ、少し考えていますけどね。なかなか、慣れていないシミュレーションで」

水瀬 一理 :「でも、ポーズを取るのは得意です」

水瀬 一理 :「その根がなんであろうとも。おっしゃられた通りですね」

水瀬 一理 :「それで守れるものがあるなら、私は……」

水瀬 一理 :目を伏せる。あの時の激昂を。眩しい青空のイメージを。まだ咀嚼しきれないままに。

五行 :「フフ、いい顔つき、ですねェ」

五行 :「自然体、にもね……久々のアウトドアが、良い傾向をもたらしているのかもしれませんねェ」

五行 :「やはり人間、たまには外に出さないと。虫干しと同じです」

水瀬 一理 :「……とんだ虫干しですよ。本当に」

水瀬 一理 :「心も体もだいぶやられちゃってるんですが、その辺は」

五行 :「有休取ればいいでしょォ」

五行 :「使って無さそうですもの、水瀬さんはァ」

水瀬 一理 :「ないですよお、行くとこないですもん」

水瀬 一理 :「……やれやれ。やっぱり資料室の隅っこがちょうどいいのかなあ……」

水瀬 一理 :本を一冊手に取る。鬼衆七支が持っていたもの。修復の必要があるものだ。

水瀬 一理 :自分で応急的に清掃したが、それでも血と泥の汚れが酷い。

水瀬 一理 :「……読者がひとり減って、ひとり増えたわけだし」

水瀬 一理 :歴史書が好きだった、と彼は言っていた。その点では共感を持てる。

水瀬 一理 :それから。歪んだ想い。共感ではない。だが、根の部分はほんの少しだけわかるような気もして。

水瀬 一理 :「……本心を伝えるというのは」

水瀬 一理 :「疲れますね」

五行 :「疲れないことなんて、ありませんよ」

五行 :「慣れて麻痺しているかどうか、それだけです」

千島ササヤ :わかるわ、という表情で頷いている。

水瀬 一理 :「そう、じゃあ、私は、何度でも試さないといけないんだな」

水瀬 一理 :「語ることと黙ることと、全て、選んで、ひとつきりの道を」

水瀬 一理 :諦念からではなく、とあの時聞いた氷の城のような男の言葉を思い出しながら。

水瀬 一理 :「五行の文があれば、四つの行間があります」

水瀬 一理 :「記すこと、記さずにいること。全て含めて一冊の本です」

水瀬 一理 :「その中に通る一理が私」

水瀬 一理 :「全てを愛していきたい、と思いました。それだけです」

水瀬 一理 :この書架からは、生憎青空は見えず。

水瀬 一理 :されど、瞼の裏に、笑顔がひとつ。

GM :====


【ED:鳴無色葉・芹野成海】

GM :──篠伏町・渋谷スクランブル。

GM :──ファッションテナント『渋谷1000000009』

GM :篠伏はいつも通り、人と喧噪に満ちていた。

GM :森と雨に満ちた、陰惨な空気はここにはない──表の世界では、存在することができない。

GM :夏に向け、カラフルな水着が並ぶ店舗内。クーラーの冷えた空気は、人の熱気と混ざり合っている。

GM :鳴無色葉と芹野成海の二人は、ショッピングに訪れていた。

鳴無色葉 :「なんでも好きな水着を選んでいいぞ。我が買ってやるからな」

鳴無色葉 :たくさんの水着に囲まれてウキウキと楽しそうにしている。

鳴無色葉 :「お前にスクール水着で来られたら困るからな」

鳴無色葉 :「あっ、でもあんまりエッチなのにするなよ。みんなで行くんだからな」

芹野 成海 :「私を何だと思ってんのよ」

芹野 成海 :陳列された水着を眺めつつ、呆れたような表情で彼女の方を見やる。

芹野 成海 :「それに、別に買ってくれなくていいわよ。自腹で買うつもりだし」

芹野 成海 :「プールなんて長いこと行ってないし、水着新調するのも悪くないわ」

芹野 成海 :「……今後使う機会があるかはともかくとして」書類仕事が増えているのだ!

鳴無色葉 :「なんだよー、お前の事甘やかしてやろうと思ったのに」

鳴無色葉 :「今日はちゃんとカードも持ってきたんだぞ。比良坂で作ってもらったヒラサカードだ」

鳴無色葉 :「これを出して名前を書けば買い物が出来ることは知っているからな……自分の名前はあまり忘れないからな」

鳴無色葉 :「いいじゃないか、今後水着着たくなったら家で我の前で着ていいぞ」

芹野 成海 :「それ水着である意味ないでしょ」

芹野 成海 :「別に、甘やかされる筋合いなんてねーわよ。……」

芹野 成海 :掛けられた水着を手繰る手を止め、一瞬ためらうような表情を浮かべる。

芹野 成海 :「……むしろ、今回くらいは──私がアンタを甘やかしてやってもいいかって、ちょっと思ってる」

鳴無色葉 :「ほあ」

鳴無色葉 :その言葉に目をぱちぱちと瞬かせる。

鳴無色葉 :「どうした、惚れ直したか?」

鳴無色葉 :「あっもしかして我のエッチな水着姿が見たいのか!?」

芹野 成海 :「飛躍にもほどがあるでしょうが」

芹野 成海 :「惚れ直しちゃいねーわよ、別に。……元から好きなんだから」

芹野 成海 :若干据わりの悪そうな顔で言う。

芹野 成海 :「そうじゃなくて──」

芹野 成海 :「今回のことよ」

芹野 成海 :「出所の分からないメッセージとはいえ、あの文面見て動いたことは別に後悔してないし」

芹野 成海 :「行った先が──少なくとも表向きは──婿取りだったのはマジで偶然だし、いちっミリも悪いとは思ってないけど」

芹野 成海 :「……行く前に、声くらいかけとくべきだったかくらいには思ってんのよ」

芹野 成海 :「ヤコはアンタのダチだし、……私はアンタの恋人だからね」

芹野 成海 :いくらかばつの悪そうな顔で、そう呟く。

芹野 成海 :「まあ……だから、『借り』よ」

芹野 成海 :「こんくらいで返しきれるかはともかく、ちっとは返しておきたくてね」

鳴無色葉 :「ん、んう」彼女の言葉に顔を赤くする。

鳴無色葉 :「……巻き込まれただけとは分かってるが……なんだかんだ婚姻の儀を止められなくてお前とヤコが結婚することになったらどうしようとか……」

鳴無色葉 :「お前だけピンピンしてると思ってたのに、ちょっと目を離した隙にボロボロになってるし……」

鳴無色葉 :「心配したことは……心配したが……」

鳴無色葉 :「……へへ、へへへへ……」くすぐったそうに笑う。

鳴無色葉 :「本当にお前は……なんだかんだ我に甘いし……」

鳴無色葉 :「なんだかなんだ……大事に想ってくれてるよな」

鳴無色葉 :「じゃあ甘やかしてくれるってんなら思いっきり甘やかしてもらうとするかな」

鳴無色葉 :「膝枕はしてもらったからな。チューしてくれチュー♡」

芹野 成海 :「場を弁えなさいよ場を。──後でね」

芹野 成海 :溜息を一つつき、軽く返す。

芹野 成海 :「大事に思ってはいるわよ。だから心配したんだし」

芹野 成海 :「……アンタは逆にボロボロだと思ってたら目を離した隙にピンピンしてたわね」不可解そうな目で見る。

芹野 成海 :「まあ別にいいわ。お互い無事だったし──アイツらもね」

芹野 成海 :そう言って、再びハンガーにかかった水着たちへと目を戻す。

芹野 成海 :「……連中と一緒に行くプールってどのくらいのノリの水着で行くべきなのかしら」

鳴無色葉 :「ん……本当に、みんな無事でよかったよな」

鳴無色葉 :彼女の言葉にくすぐったそうにしていたが、嬉しそうに微笑む。

鳴無色葉 :「へへ、『みんな』でプールか……こういうの、なんかラノベっぽいよな」

鳴無色葉 :「我には関係のない世界だと思ってたよ」

鳴無色葉 :「あんまエッチなのにするなよ。でもダサすぎるのも嫌だ」

鳴無色葉 :「あっ、これセーラー服ぽくて可愛いな。あ、でもお前には似合わないか。ふふふ」ふりふりした水着をとってケラケラ笑う。

芹野 成海 :「アンタのプールの印象ってラノベなの?」

芹野 成海 :「分かってんなら挙げるんじゃないわよ。なんかもうちっと落ち着いたやつがいいわね……」

鳴無色葉 :「プールっていうか、『みんなで』遊びにいくって部分だな。日常系っていうか」

鳴無色葉 :「そういう……人の輪に入るみたいなの、なかったからな」

鳴無色葉 :「落ち着いた奴か……たしかに似合いそうだな。お前もまだ若いんだからそんなに落ち着かなくてもいいとは思うが」

鳴無色葉 :「でもあんまり露出はするなよ」

芹野 成海 :「それはそれでラノベ? とはなるけど」

芹野 成海 :「まあいいわ。楽しみなさい、──いや」

芹野 成海 :「楽しむわよ」

鳴無色葉 :「うむ!その通りだ。たくさん楽しむぞ」

鳴無色葉 :「でもナンパされたら許さんからな」

鳴無色葉 :「ん、ああそうだ……お前イヤリング使ってただろ、術で」

鳴無色葉 :「可愛かったのに勿体ないと思ってな。同じものがいいかと思ったが全然見つからなくて……どこで買ってんだアレ」

鳴無色葉 :「水着買わせてくれないならこのくらいは贈らせてくれ」

鳴無色葉 :そう言って桃を模したイヤリングを手渡す。

鳴無色葉 :「お前の術には使えるか知らんが……というか逆効果かもしれんがな」

鳴無色葉 :「黄泉の国に連れていかれそうになったらせいぜい抵抗してくれ」

芹野 成海 :「………」手に乗せられた、桃の形のイヤリングを見つめる。

芹野 成海 :「たしかに、死霊術とは相性悪そうね」

芹野 成海 :言いながら、右だけ残っていた櫛形のイヤリングを外す。

芹野 成海 :「……あの術、『左側の櫛』だから意味があるのよ」

芹野 成海 :「だから左側は開けとかなきゃいけないし、こっちにつけとくわ」

芹野 成海 :空いた右側の耳朶に、桃型のイヤリングをつける。

芹野 成海 :「……ありがと。せいぜい大事にするわ」

芹野 成海 :「もう片方は後でチェーン通してネックレスにでもするわ。……それと」

芹野 成海 :今までつけていた、『右側の櫛』のイヤリングを渡す。

芹野 成海 :「片方だけだし、おさがりみたいになるから、耳にはつけなくていいけど」

芹野 成海 :「『右の櫛』は、亡者の気を逸らす。……お守り程度に、持っときなさい」

芹野 成海 :「何度も言うけど。これでも割と心配したのよ、今回」

鳴無色葉 :手の上の片方だけの櫛の形のイヤリングを見つめ、目をぱちぱちと瞬かせる。

鳴無色葉 :「……ふ、ふふふ!いつも言ってるだろう、我は殺しても死なないとな」

鳴無色葉 :「我はてっきり……いや、よそう」

鳴無色葉 :「うん……大事にするよ」

鳴無色葉 :そう言ってチョーカーに繋げる。

鳴無色葉 :「お前からもらった大事なものが増えてしまったな」

鳴無色葉 :「成海の使用済みアイテム、大事にさせてもらうからな」

芹野 成海 :「気持ち悪い言い方やめなさいよ」

芹野 成海 :「まあ、ともかく……」

芹野 成海 :無事でよかったと言おうとするが、それも何か違うように思われて、少し言葉を止める。

芹野 成海 :「……『おかえり』かしらね? お互いに」

鳴無色葉 :「ふ、ふふふ」

鳴無色葉 :「そうだな、ああ……お互いに。『ただいま』!」

鳴無色葉 :そう言って、人目もはばからず、笑顔で抱き着いた。

GM :====

【ED:合同】

GM :──篠伏町・リゾートスパ『カウス・クザハ』。

GM :町の北部に位置する、高級リゾート施設だ。建造物にはアラベスクを模した金装飾が施され、行き届いたサービスには気品が漂っている。

GM :明らかに利用者層と地域の経済バランスが見合っていない謎の施設である。

GM :そのためか、夜のプールの利用者は、あなたたちの他には誰もいなかった。

GM :なぜこのような高級施設にあなたたちが訪れているかと言えば──八咫重工の名で送り付けられたチケットによるものである。

GM :『迷惑料』らしい。

GM :いずれにせよ、この機会を逃す手もない。

GM :思い思いに、温かな水の中をあなたたちは揺蕩う。

十九川ヤコ :「いやあ~、しかし」

十九川ヤコ :「まさかまた罠とか……?と多少なりとも警戒をしていた自分がバカみたく思えるほどに」

十九川ヤコ :「くつろいじゃっています。あはは」

十九川ヤコ :所々にフリルが飾られたオフショルダータイプの水着。白と黒のコントラストが、まだ幼さも伺える雰囲気とはアンマッチな魅力を醸し出している。

鳴無色葉 :「今罠張ったって意味ないだろ~。ギャルを痛めつけるのが趣味ってなら知らんがな~」

鳴無色葉 :アヒル型の浮き輪に乗ってくつろいでいる。泉で着ていたのと同じ、ピンク色のフリルのついた水着に白いラッシュガードを羽織っている。

芹野 成海 :「婿どうこうどころの話でもなくなったしね」

芹野 成海 :レースをあしらった、カラフルながら比較的落ち着いた色彩の水着を身に纏い、プールサイドのビーチチェアに腰かけている。

水瀬 一理 :「もうちょっと照明が強いと、読書がはかどるんですけどねえー」

水瀬 一理 :いつものように髪をふたつに縛ってはいない。ただ長くさらりと下ろしている。

水瀬 一理 :痩せた身体にパーカーとシンプルな水着を着て、やはりサイドのチェアに。

水瀬 一理 :顔の、普段はシールを貼っている頬には、大きく抉れたような傷が残っていた。

鳴無色葉 :「……聞いていいのかわからんが、あのシールって傷隠す為だったのか?」

水瀬 一理 :「んふふ、どうでしょ」

水瀬 一理 :「いやね、男1女3でナイトプール行くって言ったら部下が揃って」

水瀬 一理 :「いつもの格好はやめてくださいって言うから……」

十九川ヤコ :「そおかそおかあ」

十九川ヤコ :すい~っと泳いで近づいて。静かにプールサイドに腰を落ち着かせ。

十九川ヤコ :「だったら部下さんたちに感謝しないとだな」

十九川ヤコ :「また新たなイッチの一面が知れてしまったからね。ふっふっふ」

水瀬 一理 :「お見苦しいものをお見せします」

水瀬 一理 :かりかりと頬を掻いている。

鳴無色葉 :「見苦しいことなんてあるか。ワイルドでかっこいいぞ」

鳴無色葉 :「特にヤコなんかそういうワル系好きだもんなあ?」

十九川ヤコ :「男の勲章……おう。き、キライじゃないぜ……」なんだか恥ずかしくなってきたな。

水瀬 一理 :「あははー。ありがとうございますね」やや照れながら。

鳴無色葉 :「我は絶対NGだけど、ヤコあのガイとかいう男結構好きそうだったもんな」

鳴無色葉 :「あの婿連中もなんか……変だけど面白い奴らだったよな」

鳴無色葉 :「我はやっぱザイロックがいいと思うがな。こうしてプール来られてるのもアイツのおかげだしな」

芹野 成海 :「完全に金じゃない」

鳴無色葉 :「なんだよ、妬いてんのか?」

芹野 成海 :「ベクトルが違いすぎでしょ」

十九川ヤコ :「まあお金は大事だけども」

十九川ヤコ :「なんだろな。昔っからあんまり父上に構って貰ってなかったから。無意識、男のひとにそういうのを求めちゃってんのかな。あたし」

水瀬 一理 :「…………」ドリンクを飲みながら、少し眩しげに会話を見ている。

鳴無色葉 :「おー、ヤコは年上好きなんだなあ」

芹野 成海 :「あ~たしかに、そういう感じあるわね」

芹野 成海 :「今回の婿連中も軒並み年上だったし……」

鳴無色葉 :「……あっ、我はダメだからな。成海がいるから」ハッとした様子で慌てだす。

十九川ヤコ :「う~ん。そういう目で色葉っちは見れんな。妹かお姉ちゃんぽいし」

十九川ヤコ :「せりのんはママかな」

芹野 成海 :「ま、ママ」愕然とした表情を浮かべる。

芹野 成海 :「姉くらいにしときなさいよ……!」

鳴無色葉 :「クククっ、我からしたら子供みたいなもんだから気にすんなよ、成海ママ」

鳴無色葉 :「我が妹……妹?100倍くらい生きてるんだが……まあともかく、姉妹で成海がママなら」

鳴無色葉 :「ミッチはなんなんだ~?」ニヤニヤして尋ねる。

水瀬 一理 :「ゲホッ」ドリンクが気管に入ってむせる。

水瀬 一理 :「別に全員当てはめなくても……」

十九川ヤコ :「ん? ん~~~~~………」困ったように笑う。

十九川ヤコ :「こ、コメントを差し控えさせていただいてもよろしいでしょうか」

水瀬 一理 :「ほら困ってる。いいんですよ、別にー」

鳴無色葉 :「あーあ、ミッチが拗ねちゃったぞ」

鳴無色葉 :「寂しがり屋なんだからな。仲間外れにされたら泣いちゃうぞ」

水瀬 一理 :「拗ねてませんし寂しくも……」

十九川ヤコ :「ち、違うんだよイッチ。そういうつもりじゃなくてさ」あせあせ。

水瀬 一理 :「いえいえ、近所のたまにゴミ出しの時に挨拶とかする、『あの人何の仕事してるんだろう』くらいのポジションでもう」

鳴無色葉 :「……なんつーか」

鳴無色葉 :「お互い、『自分なんかそんな釣り合わない』とか思ってそうだよなあ」

鳴無色葉 :「特にミッチとか、誰かにゴリゴリ踏み込まれないと幸せになっちゃいけないと思ってずっと閉じこもってそうな感じあるし」

鳴無色葉 :「ヤコはヤコでめんどくせーしなぁ……」

水瀬 一理 :「何の話ですか、ほんとに……」

鳴無色葉 :「何の話だろうなあ?」

芹野 成海 :「二人とも、めんどくさいヤツなのは確かね」

芹野 成海 :ビーチチェアを立ち、プールへ足を浸す。

十九川ヤコ :「どうせあたしゃ、めんどくさい里生まれのめんどくさギャルですよ……」顔の半分まで水に浸かってぶくぶくと泡を立てる。

水瀬 一理 :「……そ、れよりも。鳴無さんに」

水瀬 一理 :「いただいた本、とても良かったです。言ってなかったなあと」

鳴無色葉 :「おっ、そうか!ふふふ、ありがとうな!」

鳴無色葉 :「あと100冊くらいもってくか?」

水瀬 一理 :「もう何回も読み返して奥付の印刷所まで覚えちゃいました」

水瀬 一理 :「いや、そんなにはいいです」あっさり。

鳴無色葉 :「そんなにも読んでくれたのか……」じーんと感動している。

水瀬 一理 :「……あの、あー、その」

水瀬 一理 :「鳴無さんは、本を読む人だから、ちょっと聞きますが」

水瀬 一理 :「一冊の本があって、綺麗にハッピーエンドを迎えて、それで満足をしている人がいます」

水瀬 一理 :「でもそのシリーズ、別の短編があるんですよ。本編のちょっと裏の、しんどい話もある」

水瀬 一理 :「読まなきゃ、気持ちよく終われます。でも、その裏にしかないものだってきっとある」

水瀬 一理 :「それを、私は人に勧めるべきでしょうか?」

鳴無色葉 :「ふむ……」

鳴無色葉 :「……我が創作を始めたのは、物語の『続き』を願う者たちの祈りに感動したからだ」

鳴無色葉 :「辛いものであっても、都合の悪いものであっても……やっぱり、隣で生きていてほしいんだよ」

鳴無色葉 :「我は、知りたいよ。都合のいいハッピーエンドで終わらせないで、その物語の息吹を、その先をな」

鳴無色葉 :「勧めるべきかどうかはわからんが、我なら知りたいから教えて欲しいというだろうな」

水瀬 一理 :「……資料集まで読みたがる口だ」

水瀬 一理 :「……そうですか。そうですね。鳴無さんの意見、わかりました」

水瀬 一理 :「参考にします。どうもね」

鳴無色葉 :「それに……物語の方も、そういう続きがあるってことは知って欲しいと思うんだよな」

鳴無色葉 :「知られないのは寂しいだろ」

水瀬 一理 :「……なるほどなあ。新しい知見だ」

鳴無色葉 :「ククク……ミッチのこと考えて言ったんだがな?」

水瀬 一理 :「えっ私のこと考えててくれたんですか! 嬉しいなあ」

水瀬 一理 :ごまかすようにくつくつと笑う。感謝を込めて。

鳴無色葉 :「……弱い部分でも、きっと受け止めて照らしてくれると思うぞ」

鳴無色葉 :「…………成海!我はピカピカ光るカクテル飲みたい」

鳴無色葉 :「買いに行くぞ。連れてってくれ」

水瀬 一理 :「わかってますよ。だから……」と言葉を口先で飲み込んで。

芹野 成海 :「サイドバーにあったやつね……なんともパリピ臭いもんを……」

芹野 成海 :水から足を上げ、彼女を浮き輪から陸へ引っ張り上げる。

芹野 成海 :プールサイドバーへ向かって歩き出そうとして──ちら、と彼らの方へ目をやる。

芹野 成海 :「……まあ、上手く……っていうのも違うけど」

芹野 成海 :「いい感じで……やりなさい」

芹野 成海 :はっきりと言うのも何か野暮な気がして、曖昧な言葉をかけてバーへ歩いてゆく。

鳴無色葉 :「既にナイトプールに来てんだから思いっきりパリピっぽいことしないと損だろ」

鳴無色葉 :「酔った我の面倒みれるのは成海だけだからな」

鳴無色葉 :「戻ってくるのに時間がかかってしまうかもしれんが気にするなよ」

鳴無色葉 :そう言って二人に手を振ると芹野さんのあとをついて駆けていく。

水瀬 一理 :ひらひらと手を振って、背中を見送る。

十九川ヤコ :「いいなー。みんなお酒飲めて」拗ねたように水の上で足をぱちゃぱちゃと行儀悪くバタつかせている。

水瀬 一理 :「あと2年ですっけ?」

十九川ヤコ :「里だと飲んでたんだけど。さすがに街中だと、そういうお店入れないからさあ」

水瀬 一理 :「私だってそんなには飲みませんよ。弱いし」

十九川ヤコ :「ふっふっふ。じゃあ二年後までに鍛えるべきかもだな、イッチ」

十九川ヤコ :「今日ぐらいきらきらして、楽しい場所で」

十九川ヤコ :「ヤコちゃんハタチおめでとうパーティーの開催を目論んでいる故な」

水瀬 一理 :(…………私は。そこにいられるんだろうか?)ふと思う。

水瀬 一理 :「楽しみですねえ。お手柔らかに」そう応えて。

水瀬 一理 :「……ヤコさんは」

水瀬 一理 :「ヤコさんは、どう思いましたか。さっきの、ハッピーエンドの話」

十九川ヤコ :「んん~……」

水瀬 一理 :水際に歩いていく。

十九川ヤコ :よいしょ、とお尻を引き、水辺から足を上げて。

十九川ヤコ :「ちょっと前までのあたしだったら」

十九川ヤコ :「幸せな気持ちでみんなが終われるんだったら。それでよくない?って。思ってたかも」

水瀬 一理 :「私も、そうなんですよねえ」

水瀬 一理 :「そう思ってたはずなんだ」

十九川ヤコ :「うん」

十九川ヤコ :「誰だって、ハッピーな確証もないものをチラ見して、進んでイヤ~な気持ちにはなりたくないじゃんね?」

十九川ヤコ :「でも、あたしの友達は言いました」

十九川ヤコ :「“作品”、それ自体には何の力もないけれど」

十九川ヤコ :「見た人の心が動いて、そこに初めて意味が生まれて……」

十九川ヤコ :「それを如何ように受け取って。如何ように自分の答えを明らかにしていくのか?」

十九川ヤコ :「昔のあたしだったら。ビビっちゃって」

十九川ヤコ :「震えて。続きのページは、きっと開けなかった」

十九川ヤコ :じい、と。左右で色合いの異なる彼の瞳を覗き込んで。

十九川ヤコ :「でもね。今のあたしなら……」

十九川ヤコ :「好きなように振る舞って。好きなように笑えるのことできる、あたしを」

十九川ヤコ :「楽しみにしてくれるひとがいるなら」

十九川ヤコ :「あたし、どんな未来が待ち受けようが。無敵なの」

水瀬 一理 :少し短くなった髪を見る。妹の面影は、もうない。

水瀬 一理 :「……これは」

水瀬 一理 :「あなたの物語です。十九川ヤコさん」

水瀬 一理 :「あなたが辿ってきた物語の、その裏に確かにあった話。それを、私は見せつけようとしています」

水瀬 一理 :「……傷つけるかもしれないのに」

水瀬 一理 :「それでも構いませんか。無敵でいてくれますか」

水瀬 一理 :「私のことは……どう思ってもいいです。最初は、黙っていようと思っていた」

水瀬 一理 :「でも、だめだ。口を噤んで傍にいることはできそうにないし」

水瀬 一理 :「…………」

水瀬 一理 :「じゃあ、笑って離れるのなんて、もっと無理だったんです」

水瀬 一理 :「見ますか。ハッピーエンドの、その先」

水瀬 一理 :手を差し出す。

十九川ヤコ :なんとなく、察してしまう。

十九川ヤコ :これまでの。立場は違えど手を取り合っていた共同戦線とは、少し意味合いが異なるような。

十九川ヤコ :きっとこれは。彼が忠を尽くす組織に対しての。叛意と取られても相違ないようなことなのかも。

十九川ヤコ :それでも。彼はチャンスを与えてくれた。

十九川ヤコ :秘したまま隣で笑うことも良しとせず。

十九川ヤコ :また、あたしに。優しく手を差し伸べてくれる。

十九川ヤコ :「お願い、イッチ」

十九川ヤコ :「そんな風にあなたが、あなた自身のことを。思い詰ませてしまって、ごめんね」

十九川ヤコ :「でも……」

十九川ヤコ :「知りたい、あたし」

十九川ヤコ :「ううん」

十九川ヤコ :「きっと、知らなくちゃいけない」

十九川ヤコ :ゆっくりと。差し出された男の手に、己の手を重ねる。

水瀬 一理 :「……では」重ねた手をじっと見てから。

水瀬 一理 :「私の目を見てもらえますか、ヤコさん」

水瀬 一理 :じっと、片方が翠の瞳を向ける。中で、ぱちぱちと火花のような光が弾けている。

水瀬 一理 :「私を見て。私を読んでください」

水瀬 一理 :額と額がつくほどに近づける、視線と視線を通じて、情報が流れ込む。

水瀬 一理 :結界の中に居ながらにして秘密を読んだ手管の、ちょうど反対の力。

水瀬 一理 :あるいは、かつて百目鬼に与えた攻撃と同じ仕組みを、極限まで弱めた技。

水瀬 一理 :秘密は明かされる。『書物に記されることもなく』『沈黙を破ることもなく』。

水瀬 一理 :(屁理屈だな)口元だけで笑った。

水瀬 一理 :(屁理屈で、私は信念を裏切る。ざまあみろ)


水瀬 一理 :ヤコさんに、五行さんの秘密を受け渡します。

GM :了解です。

GM :鳴無色葉さんにも感情共有されます。

鳴無色葉 :ありがとうございます!

十九川ヤコ :うおお〜!

鳴無色葉 :あわわわわわわ

十九川ヤコ :受け取りました。

鳴無色葉 :芹野さんに渡して……公開情報にします

芹野 成海 :ありがとうございます……!

GM :了解です。

五行の【秘密】

実は、十九川七丈と密かに連絡を取り、事件を終息させるために動いていた。

事件とは、鬼衆七支の暴走により十九川家の上層部数名が死亡したことのみを指すのではない。十九川ヤコの存在そのものによる、古夜全体に発生していた分裂の危機だ。


鬼衆七支の術によって作られた、魔剣と浄剣を同時に振るう天才。

しかしそれは、命を賭して魔剣を振るうことを宿命としてきた鬼衆家にとっては、自分たちの忠義が存在意義を失うことを意味していた。

十九川ヤコを抹殺しようという計画は、何も御洞ヤサメの個人的な逆恨みが唯一のものではない。無数のそれらが根深く、鬼衆家に燻っていた。


十九川ヤコが万全の力を示し当主になったとしても、いずれ対立を招く。

かといって当主になれなければ、力なければいつ謀殺されてもおかしくない。

ならば、対立のしようもないほどの失態を、鬼衆家に与えればよい。


十九川七丈は、あえて婚礼の儀という場を設けた。

十九川ヤコに実権を与え、地位を盤石にさせようとしている……ように偽装した。彼女への殺意が顕在化する舞台を整えたのだ。


そして、自らが犠牲となった。

十九川七丈を殺害しようとしていた鬼衆七支の存在は、彼にとっても予想外だっただろう。だが、不意を突かれたことにし、死を選んだ。


計画は形を変えて進められた。

鬼衆家の不始末により発言権を弱め、十九川ヤコが無事当主として認められるように。

この計画は、書物に記されることもなく、秘されなければ。

十九川ヤコが、何にも縛られることの無いように。

水瀬 一理 :ゆっくりと、顔を離す。

水瀬 一理 :「……私は、どうやらずっと十九川七丈さんに腹を立てていたようなので」

水瀬 一理 :(彼は。自分の娘に何も伝えなかった)

水瀬 一理 :(何も言わずに企みを巡らし。何も言わずに状況に飛び込ませ)

水瀬 一理 :(何も言わずに、逝ってしまった)

水瀬 一理 :「その筋を通すことにしたんです」

水瀬 一理 :「あなたはちゃんと真実を知るべきだと」

水瀬 一理 :これは、もちろん忠によるものではなく。情や我でも、ましてや和を尊ぶ行為でもない。

水瀬 一理 :律と微かな凶とが、今の彼の動機だ。

水瀬 一理 :「……あなたのお父さんが、どれほど、あなたを大事に思っていたか」

水瀬 一理 :「私は、この秘密をそう解釈しました。あなたがどう思うかは、わかりません」

水瀬 一理 :口を噤む。

十九川ヤコ :ばちばち、と。頭の中で火花が散るような音。

十九川ヤコ :翠の瞳から水のように流れ込む物語の裏側。真実に。

十九川ヤコ :ふらり、と膝の力が抜けて。彼の身体へもたれかかる。

水瀬 一理 :慌てて支える。

十九川ヤコ :「……ぁ、ごめんね」肩越しに謝罪の言葉を口にして。

水瀬 一理 :「……それは、こっちのセリフですので」

十九川ヤコ :「………結局、あたしは」

十九川ヤコ :「いっつも、周回遅れなんだ」

十九川ヤコ :「自分が、どれだけ。大切にされてたとか……」

十九川ヤコ :「なくなってから、いっつも。気づくの」

水瀬 一理 :「…………」

十九川ヤコ :「ほんと。おこだよね」

十九川ヤコ :「男のひとってみんなそうなの?」

十九川ヤコ :「黙って、居なくなる前に」

十九川ヤコ :「せめて、相談、して欲しかったって思うのは」

十九川ヤコ :「あたしのワガママなの?」

水瀬 一理 :何も言えずに、またいつかのように肩をさすっている。

水瀬 一理 :「……ワガママでは、ないと思いますよ」

水瀬 一理 :「それに、仮にそうだとしても、言ってやったって構わないと思う」

水瀬 一理 :もう、その相手は居ないのだとしても。

水瀬 一理 :「……私は」

水瀬 一理 :「私は、じゃあ、相談しましょうか。妙な気を起こす前に」

水瀬 一理 :「ううん、それよりもっと前に」

水瀬 一理 :「あなたのことを、大切だと、ちゃんと言葉で伝えます」

十九川ヤコ :ぎゅうと肩を掴む。

十九川ヤコ :「………さっきの、さ」

十九川ヤコ :「色葉っちがお姉ちゃんで、せりのんがママで……ってやつ」

十九川ヤコ :「あたしね」

十九川ヤコ :「あたし、兄弟いたことないけど」

十九川ヤコ :「イッチのこと、お兄ちゃんみたいだな、って。ずっと思ってたの」

十九川ヤコ :「………でも、何時からか」

十九川ヤコ :「わかんなくなっちゃった」

十九川ヤコ :父に抱いていたそれも、幼馴染へと抱いていたそれも。

十九川ヤコ :今まで接してきた、誰に抱いてきたものとも違う。

十九川ヤコ :この感情に相応しい名前を、あたしはまだ、付けられない。

十九川ヤコ :「今、わかるのは……」

十九川ヤコ :「生まれてくるんじゃ、なかったって」

十九川ヤコ :「あたしが、今でも。思わないでいられるのは」

十九川ヤコ :「あたしの事を、大切に想ってくれたひとの行いを。あたしも大切にしていきたいからで」

十九川ヤコ :上ずる声を必死で抑えて。震える唇で言葉を紡ぐ。

十九川ヤコ :「あなたのことも、大切に想っているから」

水瀬 一理 :ゆっくりと、頷きながらそれを聞いて。

水瀬 一理 :「お互い、言葉にできましたねえ」

水瀬 一理 :「……ちょっと前まで、もう何をどう言っていいのか、ずっと混乱してましたから」

水瀬 一理 :「すごい進歩だ。そうして」

水瀬 一理 :「あなたの大切の中に入れてくれて、ありがとう」

十九川ヤコ :「………」黙したまま、ゆっくりと顔を傾けて。

十九川ヤコ :「ううん」

十九川ヤコ :「この“大切”はね─────」

十九川ヤコ :「ちょっとだけ」

十九川ヤコ :「“ラベル”が違うかも」

十九川ヤコ :そう呟くと。彼の頬へと、ゆっくりと顔を近づけて。

十九川ヤコ :今までは見えなかった。その傷痕に柔らかいものを当てる。

十九川ヤコ :「…………」

十九川ヤコ :「おっ」

十九川ヤコ :「お礼ってことで……………………」

水瀬 一理 :びく、とその感触に一瞬固まって。離れるものを追おうとするように手を伸ばしかけ、また傷痕に当てて。

水瀬 一理 :「……私の方は、もうとっくに」

水瀬 一理 :「特別書架に入れてあるんですが」

水瀬 一理 :「……お礼、いただきました。その」

水瀬 一理 :「その……え、どうしよう。嬉しいな……」

水瀬 一理 :「嬉しくて、どうにかなってしまいそうで」

水瀬 一理 :傷つけてしまうと恐れていた。裏切った信念への痛みもある。

水瀬 一理 :何より、まだ何もかもが不確かで。自分だけが舞い上がっているのかもしれなくて。

水瀬 一理 :でも。

水瀬 一理 :「十九川ヤコさん。また」

水瀬 一理 :「またこうして一緒に居られたら、きっともっと嬉しい」

水瀬 一理 :「気が向いたら、次の約束をしましょうね!」

十九川ヤコ :みるみるうちに真っ赤に染まっていく顔を、ばしんと両手で叩いて。

十九川ヤコ :「なら、気を向かせてしんぜましょう」

十九川ヤコ :色白で細めに見えつつも締まる所はしっかりと締まっている、その体躯をがしり、と抱えて。

十九川ヤコ :「おりゃい」

水瀬 一理 :「えっ」

十九川ヤコ :倒れ込むように、そのままプールへと。

水瀬 一理 :「わーっ!?」

十九川ヤコ :「あっはっは!」

十九川ヤコ :「これがほんとの水瀬の一理!」

水瀬 一理 :ごぼごぼ言いながら顔を上げる。

水瀬 一理 :長い髪は濡れて、水がぽたぽたと滴っている。

水瀬 一理 :「まさしくとしか言いようがないですが……まったく」

水瀬 一理 :いつものように、眩しげに目を細めて。

水瀬 一理 :「ああ、いつもいつもヤコさんは」

水瀬 一理 :「思いも寄らない、素敵なところに連れてってくれる」

水瀬 一理 :いつものポーズではなく、心から。

水瀬 一理 :息を吐き出して、笑った。ハッピーエンドの、さらにその先で。

十九川ヤコ :痛みも、悲しみも。不安も。

十九川ヤコ :彼らと共に、笑い、喜び、慈しむことで。

十九川ヤコ :洗い流されるような気がする。

十九川ヤコ :艷やかに濡れた髪をかき分けて、笑い声をあげながら。

十九川ヤコ :同じように、笑い合えることのできる人が傍にいる。

十九川ヤコ :深くから湧き上がる、この想いを定義することは。

十九川ヤコ :あたしにとって何もかもが未知で。ひどく恐ろしいけれど。

十九川ヤコ :道なき道への一歩を踏み出す勇気は。もう沢山貰ったから。

十九川ヤコ :覚悟に迷いはない。

十九川ヤコ :新きを知るために。

GM :====

GM :====

GM :『雨後の話』

GM :====

GM :====


アフタープレイ

GM :功績点配布します!

GM :功績点が……欲しいか……!

鳴無色葉 :ほしい~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

水瀬 一理 :うおーーーー

十九川ヤコ :欲しい……!!!!!

芹野 成海 :ください……! 功績点を……!!

GM :探せェ! この世の全てをそこに置いてきた!

GM :まずは「流儀の達成」

GM :PC1、ヤコさんは鞍馬神流上位なので「妖魔や忍びの手から表の世界を守る」ですね。

GM :達成できたかな?

十九川ヤコ :表の世界……?

十九川ヤコ :ま、まもれたかな……??

鳴無色葉 :おじちゃんから守ったし守れたでしょ

GM :スイパラ守れたしいんでない?

芹野 成海 :十九川家がヤバくなってたら妖魔狩りも滞って表もヤバくなってたかもしれないから守ったと言える

十九川ヤコ :なるほどね……

水瀬 一理 :守れてる!

十九川ヤコ :たしかに 広義的にはナイトプールも……守れたし……

十九川ヤコ :守れたようわよ!!

GM :では1点。

十九川ヤコ :ありがたく!

GM :PC2、鳴無さんは今回は裏柳生なので「徳川に仇なす者を倒す」。

GM :達成できたかな?

鳴無色葉 :トクガワに仇為すものを倒したんじゃないか???

十九川ヤコ :トクガワの……カタキ!

水瀬 一理 :読みはトクガワ

GM :そうですね。

芹野 成海 :現代では珍しいくらい達成してる

十九川ヤコ :それはそう たおせてましたね

GM :では1点あげよう

鳴無色葉 :やったー!!ありがとうございます!!!!!!!!!!!

鳴無色葉 :温情!!

GM :PC3の水瀬さんとPC4の芹野さん公安隠密局と比良坂上位なので、どちらも「日本の国益を守る」ですね。

GM :達成できたかな?

水瀬 一理 :二色乞をどうにかしたのでなんとかなった……ような気がします!

芹野 成海 :私の方は……どうなんだろう……

鳴無色葉 :芹野さんがばっさばっさと襲い掛かる婿連中倒してなかったらヤコぴ死んでたかもしれんからかなり国益守ったのでは?

水瀬 一理 :一緒に二色乞取り戻したと思うし

十九川ヤコ :十九川がすごいことになっていたかもしれない

GM :まあギャルって国の宝だからね。

鳴無色葉 :本当にそう

水瀬 一理 :そうなんだ

芹野 成海 :なるほどね……

十九川ヤコ :ヘヘッ

GM :ではお二人に1点ずつ

芹野 成海 :ありがとうございます!!

水瀬 一理 :ありがとうございます!

GM :次は「ロールプレイ」。

GM :これはいつも皆さん1点差し上げてますが

GM :水瀬さんは信念を「忠」から変更してもよいですよ。

鳴無色葉 :はえ~~!

十九川ヤコ :は~~~なんと

水瀬 一理 :あっそれは……します……このタイミングなんだ!

芹野 成海 :おお……!

水瀬 一理 :まあ、いろいろうにゃうにゃ言ってましたが

水瀬 一理 :「情」になっちゃうな、やっぱり……どうしても

鳴無色葉 :うおー!!国よりギャルの心だぜ!!

十九川ヤコ :ひ~~~~~~~~~~ん………………………………………

芹野 成海 :文句なしの情……

GM :それなら「キャラクターに設定された感情や信念をうまく演じていた」の条件にも文句ないですね。

GM :では全員に1点どうぞ。

鳴無色葉 :やったー!イタチノルマも達成扱いありがとうございます!

十九川ヤコ :アリガト~~~~!!!

芹野 成海 :ありがとうございます!!!

水瀬 一理 :ありがとうございます!

GM :「セッションに最後まで参加した」

GM :これは全員1点ですね! 一人くらい惨殺するつもりであったが……

鳴無色葉 :死ぬと達成できないんだ

水瀬 一理 :うおー生き延びた

十九川ヤコ :生きてる!!

芹野 成海 :生き残れてよかった~!

鳴無色葉 :何とか生きててよかった~!ありがとうございます!

水瀬 一理 :ありがとうございます!

GM :よかったね

GM :「プライズの獲得」。

GM :ヤコさんが一魔降、鳴無さんと芹野さんが勾玉、水瀬さんが「花の匂い」を獲得しているので

GM :全員1点どうぞ。

鳴無色葉 :あっなるほど!やった~~!!!ありがとうございます!

水瀬 一理 :やったー上司フレグランス!

水瀬 一理 :ありがとうございます!

芹野 成海 :あっ勾玉もカウントなんだ! ありがとうございます!

十九川ヤコ :あやった~~~~!!

GM :いえいいえい

GM :「使命の達成」

GM :十九川ヤコさんは「婚姻を断り、因習を断つ」ですね。

GM :見事に鬼衆七支の婚姻を断り、因習を断つことに成功していました。3点どうぞ!

十九川ヤコ :ありがとうございます。新たな十九川の未来を共にこれから作っていこうとおもいます。

十九川ヤコ :ヤサメ様と共に……

御洞ヤサメ :素人が手を出さないでくださる?

十九川ヤコ :そんなあ

GM :鳴無色葉さんは「十九川ヤコの婚姻を阻止する」。

GM :さらに「シーン表「1834」番のシーンに登場する」の追加の使命も達成していますね。

鳴無色葉 :えへへへ!

GM :おめでとうございます。4点どうぞ!

鳴無色葉 :やった~~~!!!ありがとうございます!!!

GM :よかったね

GM :水瀬一理さんは「「二色乞」の【秘密】を入手する」。こちらも見事二つ集めているので達成です。

GM :3点どうぞ!

水瀬 一理 :やったー! ありがとうございます!

GM :集めた秘密がどうなるのか? 情に生きる水瀬さんの今後に期待です

水瀬 一理 :ひえ

GM :芹野成海さんは「十九川ヤコを助ける」。

GM :達成できたかな?

芹野 成海 :助けられたと思います! 主にミドルとかで!

GM :善かろう……3点どうぞ!

芹野 成海 :やった! ありがとうございます!!

GM :ここまでみんな獲得したね~

鳴無色葉 :いえーい!

水瀬 一理 :うおー

十九川ヤコ :シャア~~ッ!

芹野 成海 :獲得したぜ

GM :じゃあ……「琴線に触れた」やりますか………

GM :これはGMから全員に1点でもいいだろうと毎回思っています。

鳴無色葉 :みんなよかったよね……

十九川ヤコ :そうなんだよな

芹野 成海 :邪悪システムですよね 琴線

水瀬 一理 :みんなとてもよかったのは大前提

十九川ヤコ :これキャンペーンで行われる度にダメージが増していく魔のシステムじゃないか もしかして

GM :そういうことになるぞ

GM :止めるなら今の内だ……!

鳴無色葉 :だが我らは進む それが都合の悪い結末だったとしても

十九川ヤコ :捲るんだよ ページをよ

水瀬 一理 :うおー

芹野 成海 :魚!

GM :そうか……

GM :ならば止めまい……プロットをしなさい

鳴無色葉 :きめま……した!

水瀬 一理 :OK

十九川ヤコ :決めました……!

芹野 成海 :OK!

GM :OK

GM :3

GM :2

GM :1

GM :0

system :[ 十九川ヤコ ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。

system :[ 鳴無色葉 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。

system :[ 芹野 成海 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

system :[ 水瀬 一理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。

GM :なるほどね……

GM :ではヤコさんからどうぞ

十九川ヤコ :しょ~~~~~~~じき

十九川ヤコ :めちゃくちゃ迷ったんですよネ………

十九川ヤコ :同じギャルとして友として率先して身を呈し我を庇ってくれ、常に精神的支柱を担い続けた色葉ちゃんも……

十九川ヤコ :めちゃくちゃ心細かった初回・VS涯さんで颯爽と駆けつけてくれて超絶嬉しかった芹野さんのそこからの怒涛の呪術描写にバシバシ心を持っていかれていたので……

十九川ヤコ :けど……そうな……やっぱり琴線システム的に考えると

十九川ヤコ :いちばん己の心にビッと来たのが3サイクル目の水瀬一理さんとのやり取りだったんですよね。

十九川ヤコ :度重なる“圧”(PLは喜んでた)からの眼の前で父を亡くしたっていう衝撃に

十九川ヤコ :もう割りとヤコ的には根幹からボロボロだったんですけど

十九川ヤコ :そこであの「好きな気持ちで、好きな顔をしてればいい」って彼の台詞が

十九川ヤコ :めちゃくちゃに沁みちゃったんですよね。

GM :味わい深かった……

十九川ヤコ :彼の歩んできた過去とか、公安っていう立場から

十九川ヤコ :彼自身はそれをしない、出来ないと思っているのかな……っていうことを伺わせつつ

十九川ヤコ :それを見るのも楽しい、って言ってくれたのが本当に嬉しくて。

十九川ヤコ :あそこのやり取りがあったからこそ、最後まで踏ん張る事ができたとおもいます。

十九川ヤコ :で、最後にはお互い好きなように

十九川ヤコ :笑い合っていたのがもう……完璧じゃないですか?と嗚咽を漏らしながらここに記します。

十九川ヤコ :ありがとうございました!

水瀬 一理 :ありがとうございました………………

GM :うむ……

GM :GMもこのような関係になるとは思わず、だいぶびっくりしたキャラクターの変遷でした。

GM :予想外……TRPGの楽しさの一つですね。ありがとうございました。

GM :お次は鳴無さんどうぞ!

鳴無色葉 :はい!

鳴無色葉 :私は芹野さんに入れさせていただいたんですけど……

鳴無色葉 :今回は心を鬼にして芹野さん以外にしようと思ってたんですけど、

鳴無色葉 :でもやっぱりセッション全体を振り返ったらメインフェイズで敵を全部倒した芹野さん……あれだけ戦闘あって敵を全部倒したって何???になり、

鳴無色葉 :勾玉を集めればいいのか全然分からない状況で我が使命達成できたのもかなり芹野さんの八面六臂の活躍によるものだな……と思い

鳴無色葉 :奥義10回中8回破られたのはマジで可哀想なんですけど、それだけ破られててなおこの活躍だし

鳴無色葉 :あとやっぱ白馬の王子様なのかな?ってくらいかっこよくて……………………………………………………………………………………

鳴無色葉 :今回私的にはめちゃくちゃずっとデレてんな……て思ってたけどみんな的にはそう思ってないんだ……?と思ってたらエンディングでめちゃくちゃデレてくれてずっと死んでます

鳴無色葉 :あとやっぱり呪術描写 あれなんなんですかね 本職の人?

GM :たぶんそう

鳴無色葉 :スマホからみると文字化けしてて見えない奴あるんですけど、「ガチ」のやつじゃん……ってウケたんですけど

鳴無色葉 :そんなもんをどうやって持ってきてるんだよ やっぱり本物の陰陽師なのかな 正体見たりって感じだな

鳴無色葉 :前回もめちゃくちゃじゅじゅちゅ演出やって今回も戦闘描写あれだけやりまくってなおガンガン出てくるのがなんなんでしょうね

鳴無色葉 :あとやっぱり厚意でいっぱい殴ってもらえて嬉しかったので 選ばせていただきました

鳴無色葉 :これからも絶対たくさん殴って欲しいです。

鳴無色葉 :あとかなり……心優しいですよね 本当に冷たいのか?????

GM :いっぱい殴り愛してね。

鳴無色葉 :いっぱい殴って欲しい♡

芹野 成海 :

鳴無色葉 :そんなかんじです!これからも愛してくれ

GM :ありがとうございました~

GM :芹野さんは前回中心人物として巻き込まれたんですが、今回は話の傍流から巻き込まれた形です。

GM :ストーリーとしても感情のもっていき方が難しいところ、既存の関係性を重視してしっかり共闘してくれた姿勢に感謝です。

鳴無色葉 :謎メッセージから当然のように助けに来てくれるの、かっこいいですよね

GM :クライマックス付近ではダイス運や呪いに恵まれなかった点はありますが……それ以上にメインフェイズを安定突破した功績がデカい

十九川ヤコ :本当に……ありがとうございます

水瀬 一理 :すごかった……

芹野 成海 :ありがとうございます……!

GM :いえいいえい

GM :次、水瀬さんどうぞ!

水瀬 一理 :はい!

水瀬 一理 :本当に本当に迷って、一番たくさんありがたい絡みをもらってシナリオをグイグイ引っ張ってくれたヤコちゃんも

水瀬 一理 :とにかく安定感と安心感をくれた死ぬほどかっこよかった芹野さんも両方素晴らしかったんですけど

水瀬 一理 :鳴無さんが陰日向というか、足し算引き算みたいな感じで両面にすごく頼りになっていたなあと思い選ばせていただきました。

水瀬 一理 :なんというか上下ではなく私のツボにはまったというか、そういう感じです……。みんな好きよ。

水瀬 一理 :足し算的にはもうヤコちゃんとの盤石の友情や十九川との因縁や不死身みたいな部分のロール全部なんですけど、

水瀬 一理 :引き算的に、まずあのめちゃくちゃに大変そうだった使命があって、シーン表とかかばうとか、静かに助けてくれていて。

水瀬 一理 :なんというかそういう表には出てないんだけど頑張っている様が思い返すと結構涙腺にくるんですよね。

鳴無色葉 :えへへへへ……

水瀬 一理 :あとロール的に、すごく周りを見てて、発言パスとかバシバシしてくれてて

水瀬 一理 :そういうなんか……いぶし銀というか、自分もわっとやりつつ他の人も助けてくれてた場面が多かったなーって思ってて

水瀬 一理 :好きーって思いました!

鳴無色葉 :え~~~~めちゃうれしい……

鳴無色葉 :ささささんほどの人にこれほどまでのお言葉を……

水瀬 一理 :オープニングで話振ってもらえたのがほんと嬉しかったのよ!

水瀬 一理 :そういう感じです。でもみんな好き!

鳴無色葉 :我もみんなすき!ありがとうございます!

GM :パチパチ

GM :鳴無さんはずっと展開回してくださっていたので、陰鬱なストーリーが淀みすぎずとても助かりました。

GM :油断すると無限に因習が絡み合ってしまうからね

鳴無色葉 :えへへ 一番好き勝手にはしゃげるからいっぱい喋っちゃった

GM :ありがとうございました!

GM :では芹野さんどうぞ!

芹野 成海 :はい!

芹野 成海 :やっぱり琴線はね……毎回迷うんですが……

芹野 成海 :因習と因縁の絡んだかなり重いシナリオを苦しみながらも駆け抜けたヤコちゃんもよかったし

芹野 成海 :そんなヤコちゃんに寄り添って支え、墨流しのころから見ると本当によくぞここまで……という感慨を禁じ得ない水瀬さんもよかったんですが

芹野 成海 :琴線って考えると、色葉さんがヤコちゃんにかばうしてるのを見てハラハラしたのが印象に残っていて……

鳴無色葉 :過保護だな♡

芹野 成海 :いきなり裏柳生になって出てきたのもビビったけど、それをちゃんとロールとして取り入れて回してたのもすごいな~と感じています

芹野 成海 :恋幟のくだりとかよかった……

芹野 成海 :ギャル同士(本当にそうか?)『ダチ』として、水瀬さんとはまた違った形でヤコちゃんを支えたのもすごくよかったと思いました

鳴無色葉 :PLはギャルじゃないと思っています

芹野 成海 :あとあれ、イヤリングが嬉しかったので……

鳴無色葉 :えへへ♡

芹野 成海 :そういう感じです!

GM :ありがとうございました! 結局この二人はイチャイチャする定めのようだね

鳴無色葉 :今回は本当に心を鬼にしようとおもったんですけお……(言い訳)

鳴無色葉 :でもあの 今回は演出飛び道具とかなしで選んでいただけて 本当に嬉しいです

GM :よきよき

GM :GMからはヤコさんに琴線を。

GM :今回はヤコさんを招待したシナリオであるというのはもちろんなんですけど

GM :彼女が抱えている過去や信念の障害を、とにかく大量に押し付けるシナリオになっていたにもかかわらず

GM :どれ一つとして逃げたりおざなりに扱うことなく、自分の言葉で答えを与えてくれたことに感謝しています。

GM :その器の大きさ、当主に相応しい

鳴無色葉 :乳も大きいからね

十九川ヤコ :うおおありがとうございます

十九川ヤコ :器の大きさと乳のでかさ、そして父の偉大さを知らしめることができたなら幸いです

十九川ヤコ :本当に今回誘っていただいて嬉しかったし

十九川ヤコ :ここまで練に練られたシナリオ、ギミック、設定、キャラクター

十九川ヤコ :全ての完成度の高さが半端ではなく、これを回すナケミンさんのテクも尋常ではなくびっくりしたし

十九川ヤコ :GMのナケミンさん、そして墨流しのみんなと

十九川ヤコ :ここまで駆け抜けてこれたのが 何よりも嬉しい

GM :ふふふ ありがとうございます……!

GM :ここまで走れたのはやっぱり、皆さんの協力と、ヤコさんが編み出してくれた素敵な設定のおかげ

GM :楽しんでいただけたのならば、幸いです。

鳴無色葉 :本当に楽しかったです!!!!!

十九川ヤコ :最高に楽しかったです!!!!!!!!!!!!!!

水瀬 一理 :最高に楽しめました!! ありがとうございました!

芹野 成海 :メチャクチャ楽しかったです!!!

GM :ふふふ

GM :では功績点の配布は以上。

GM :私のIQ1000000009の頭脳の暗算によると

鳴無色葉 :マルキューってナケちゃんだったんだ

十九川ヤコ :そうとは……

GM :十九川ヤコさん:8点
鳴無色葉さん:10点
水瀬一理さん:8点
芹野成海さん:8点

GM :です! どうぞ!

鳴無色葉 :うおー!!ありがとうございます!!!!

水瀬 一理 :いただきます。ありがとうございます!

芹野 成海 :ありがとうございます! いただきます!

十九川ヤコ :ありがとうございます!!!!!!モグモグ!!!

GM :というわけで……功績点配布は以上!

GM :これにて全行程終了となります。お疲れ様でした!

鳴無色葉 :うおーっ!!おつかれさまでした!!!!

鳴無色葉 :本当に楽しかったです!!!!!!!!!!!!!!!!!!

十九川ヤコ :おつかれさまでした……!!!

水瀬 一理 :お疲れ様でした。本当に本当に楽しかった!

十九川ヤコ :本当に最高の物語でした!! ありがとうございます!

芹野 成海 :お疲れさまでした!! 本当にメチャクチャ楽しかった~!

GM :GMも楽しかったです!!

GM :墨流しの一体感を、今回は連帯感としてがっつり濃厚に楽しめた気持ち……続きものをしたGMとして感無量です。

GM :またご一緒させていただければ幸いです!

鳴無色葉 :ぜひぜひまた一緒に遊んでください!!!!

芹野 成海 :こちらこそ是非お願いします~!

水瀬 一理 :こちらこそ、また一緒に遊べる機会があればちょーーーーー嬉しいです!

十九川ヤコ :ほんとうに皆さんとは何度遊んでもハッピーうれピーなので……ぜひお願いします!!



マスターシーン

GM :====

GM :====

GM :──███・倉庫

GM :暗がりは埃と錆によって重さを与えられ、しっとりと淀んでいる。

GM :巨大な車輌がグレーのシートをかけられて沈黙を保っている、その隅には、蛍光灯に照らされるテーブルがある。

GM :ずる、と暗がりが実体化したかのように──青白い光の下に姿が現れる。

シスター・ジュデ :「それで」

シスター・ジュデ :「しくじった、わけ。時間と金を、かけて」

シスター・ジュデ :修道女のようなシルエットをしている人型だ。顔は白い布に覆われて見えない。

シスター・ジュデ :ウィンプルの下に隠れた頭部は、前傾し奇妙に蠕動している。

シスター・ジュデ :「どうするの。大いなる父は、見ているのよ」

シスター・ジュデ :「家族と、離れて、どれだけ寂しい、ことでしょう」

シスター・ジュデ :「あなたの血で、寒さを潰しても、いいのよ」

シスター・ジュデ :光の下にもう一歩踏み出す。

シスター・ジュデ :白い布に隠れた表情は窺えないが、強い怒りが輪郭からさえ見て取れた。

GM :蛍光灯のもと、機材の乗った机の前で、椅子が回る。

十徳釵振 :「まあ、そう言わず」

十徳釵振 :「そも、預言の無い状態で先んじただけで、今回は大きな進歩と言えるのですよ」

十徳釵振 :「”ミカガミ”の運転は計画通りにあります。いずれ私たちの悲願も達成されますね」

シスター・ジュデ :「そんな、ことは、聞いてない」

シスター・ジュデ :かりかり、と音を立てて頭部が揺れる。

シスター・ジュデ :「対価にみあう、働きを、しないのなら」

シスター・ジュデ :「あなたたちは、不要よ」

十徳釵振 :「やだなあ。ウチはみんな誠実な商売でやってますよぅ」

十徳釵振 :「相手が妖魔でも、神様であってもね」

十徳釵振 :「ま、ご不安な気持ちももっともです。結果を見せるべきでしょうね」

十徳釵振 :机の上にある機材を漁り、端末を掴み取る。

十徳釵振 :──比良坂機関謹製の、防諜仕様端末。

十徳釵振 :「彼らの動かし方のデータは取れました。やっぱり、似た者同士」

十徳釵振 :「次は上手くやれますよ」

十徳釵振 :ボタンを押す。ロード画面が表示される。

十徳釵振 :「そうでしょう?」

GM :【ED:メッセージが送信されました】


GM :====

GM :====

GM :====


『███の話』 承